JP4284041B2 - 遊技媒体収納箱の搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ玉等の遊技媒体を収納するための遊技媒体収納箱の搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が設置された遊技場では、遊技者が獲得したパチンコ玉やメダル等の遊技媒体を収納しておくために、いわゆる「ドル箱」と呼ばれる大型タイプの収納箱が利用されている。例えば、遊技者は、獲得した出玉を遊技終了までドル箱内に収納しておき、そのドル箱が満杯になったら新たなドル箱内に出玉を収納し、遊技終了後にはそれらのドル箱ごと出玉を玉計数機へ運ぶ、といった利用のされ方が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ドル箱は、通常、遊技者の必要に応じて、遊技場の店員等がその遊技者の居る場所まで運ぶようになっている。つまり、遊技者へのドル箱の供給(補充)は、人手によって行われている。したがって、例えば大規模な遊技場ではドル箱の供給が非常に煩わしいものとなってしまう。また、人手によることから、その供給タイミングも必ずしも適切であるとは限らない。
【0004】
そこで、本発明は、遊技者への供給の適切化を図ることのできる遊技媒体収納箱の搬送装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために案出された遊技媒体収納箱の搬送装置である。すなわち、複数の遊技機が並設された遊技機島にて用いられる遊技媒体収納箱の搬送装置であって、前記遊技機の上方側に設置された少なくとも二つのローラと、上面および下面のいずれもが水平となるように前記ローラに掛廻された無端ベルトと、前記無端ベルトを回動させる駆動源と、前記無端ベルトの下面に沿うように当該無端ベルトの下方側に配設された搬送路とを備え、前記遊技機に補給すべき遊技媒体を、前記無端ベルトの下面と前記搬送路との間に挟持した状態で、当該無端ベルトの回動によって搬送するとともに、遊技媒体を収納するための遊技媒体収納箱を、前記無端ベルトの上面に載せた状態で、当該無端ベルトの回動によって搬送するように構成され、さらに、前記無端ベルト上に隙間無く並んで停止した状態の遊技媒体収納箱について、当該無端ベルトが回動しても、当該遊技媒体収納箱の底面と当該無端ベルトの上面との摺動が生じないようにする摺動回避手段が設けられ、前記摺動回避手段として、前記無端ベルト上に隙間無く並んで停止した状態の遊技媒体収納箱を検出する検出器と、前記検出器での検出結果を基に前記無端ベルト上に隙間無く並んで停止した状態の遊技媒体収納箱の底面と当該無端ベルトの上面との間に空間を確保する摺動回避機構とが設けられたことを特徴とする。
【0006】
上記構成の遊技媒体収納箱の搬送装置によれば、無端ベルトの下面側ではその回動によって遊技媒体を搬送する一方、無端ベルトの上面側ではその回動によって遊技媒体収納箱を搬送する。したがって、例えば遊技機島に設置された遊技媒体の搬送装置を利用して、遊技媒体収納箱の搬送装置としての機能を実現することが可能となる。そして、無端ベルトを遊技機島の全長にわたって設置すれば、その遊技機島を構成する各遊技機の場所まで赴かなくても、その無端ベルトの搬送によって遊技媒体収納箱を供給することが可能となる。しかも、無端ベルト上に遊技媒体収納箱が隙間無く並んで停止した状態で、当該無端ベルトが回動しても、当該遊技媒体収納箱の底面と当該無端ベルトの上面との間では、摺動が生じない。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る遊技媒体収納箱の搬送装置について説明する。なお、ここでは、本発明を、複数のパチンコ機が並設された遊技機島にて用いられる、パチンコ玉を収納するためのドル箱の搬送装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0008】
先ず、本発明に係る搬送装置およびドル箱の説明に先立ち、これらが用いられる遊技機島について簡単に説明する。図1は、遊技機島の一例を示す説明図である。図例のように、遊技機島は、複数のパチンコ機1が並設されてなるものであり、各パチンコ機1の間には玉貸し機2が配設されている。そして、その下方側には、パチンコ機1および玉貸し機2(または玉計数機)からのパチンコ玉を回収する回収装置3が設けられている。また、遊技機島の略中央または端縁近傍には、回収装置3が回収したパチンコ玉を上方へ揚送する揚送装置4が設けられている。さらに、遊技機島の上方側、すなわちパチンコ機1および玉貸し機2の上方には、揚送装置4の玉排出口から受け取ったパチンコ玉を、各パチンコ機1および各玉貸し機2に補給すべく、パチンコ機1の並設方向に沿って延びる水平搬送装置10が設けられている。このような構成により、遊技機島では、その島内でパチンコ玉を循環させるようになっている。なお、遊技機島内には、これらの各装置の他に、パチンコ玉を貯留する貯留タンク、パチンコ玉を洗浄する研磨装置、パチンコ玉の玉計数機等(ただし、いずれも不図示)が設けられていてもよい。
【0009】
このような構成の遊技機島において、ドル箱の搬送装置は、パチンコ玉を搬送する水平搬送装置10に付随して設けられている。すなわち、ここで説明する遊技機島では、ドル箱搬送装置が独立した装置として設けられているのではなく、水平搬送装置10にドル箱搬送装置としての機能が付加されているのである。
【0010】
続いて、このような遊技機島にて用いられる水平搬送装置10について詳しく説明する。図2〜図7は、ドル箱搬送装置としての機能が付加された水平搬送装置および搬送されるドル箱の一例を示す構成図である。
【0011】
図2および図3に示すように、水平搬送装置10は、ローラ11と、これに掛廻された無端ベルト12とを備えている。ローラ11は、無端ベルト12を掛廻するために少なくとも二つあればよいが、その中間点を含めて三以上が設けられていても構わない。ただし、各ローラ11は、掛廻された無端ベルト12の上面および下面のいずれもが水平となるように配設されているものとする。無端ベルト12としては、例えばウレタン製のタイミングベルトを用いることが考えられる。また、無端ベルト12の外周面には、パチンコ玉との接触によってそのパチンコ玉の表面を洗浄可能なもので、研磨のための布部材や皮部材等からなる研磨部材を貼付しても構わない。
【0012】
これらローラ11および無端ベルト12は、図4に示すように、一つのユニット(以下「ベルトユニット」という)として構成することが望ましい。なお、ここでいうユニットとは一体として取り扱われる一単位のことをいい、ユニット化とは複数の部品により一つのユニットを構成することをいう。
【0013】
また、図2に示すように、水平搬送装置10には、無端ベルト12を回動させる駆動源13が設けられている。駆動源13としては、例えばモータを用いることが考えられる。モータを用いた場合には、そのモータの駆動軸と一つのローラ11とを、ベルトやギア等で連結すればよい。
【0014】
ところで、ベルトユニットは、水平搬送装置10の全長と略同等の長さのものを一つを設けることも考えられるが、複数のものが直列に並ぶように、すなわち水平搬送装置10におけるパチンコ玉の搬送方向に沿って複数のものを配設することが望ましい。この場合に、駆動源13は、ベルトユニット毎に設けてもよいが、複数のベルトユニットで共用するように一つのみを設け、各ベルトユニットの間をベルトやギア等の駆動伝達手段で連結し、あるベルトユニットの無端ベルト12の回動にその隣のベルトユニットの無端ベルト12を従動させれば、構成の簡素化という観点からは好ましい。
【0015】
このように、ベルトユニットをパチンコ玉の搬送方向に直列に並ぶように複数に分割して配設した場合には、保守点検やメンテナンス等を行う作業単位を小さくすることができる。すなわち、保守点検やメンテナンス等の必要なベルトユニットに対してのみ作業を行えばよく、他のベルトユニットについては作業を行わないといったことも可能となる。このときの作業単位となるベルトユニットの大きさは、例えばパチンコ機1一台分とすることが考えられる。すなわち、遊技機島の一方の面に配されているパチンコ機1の台数と同数のベルトユニットによって水平搬送装置10を構成する。このようにすれば、保守点検やメンテナンス等による遊技機島の稼働状態への悪影響を最小限に抑えつつ、水平搬送装置10の構成が複雑化してしまうことを極力回避することができる。
【0016】
このようなベルトユニットの下方には、無端ベルト12の下面に沿って水平に延びる、水平搬送装置10の全長と略同等の長さの補給樋14が配設されている。この補給樋14は、図5に示すように、無端ベルト12の直下部分が、その無端ベルト12の下面とパチンコ玉を挟持し得るように形成されている。詳しくは、無端ベルト12の下面と一定の間隔、具体的にはパチンコ玉の略直径分の間隔を空けて平行に配されている。これにより、補給樋14は、後述するように、パチンコ玉を搬送するための搬送路として機能するようになっている。
【0017】
さらに、補給樋14は、無端ベルト12よりも幅広に形成されているとともに、その幅広部分が両端部に向けて下がるように傾斜している。補給樋14の両端部には、パチンコ玉が転がり落ちないようにするための壁部と、そのパチンコ玉をパチンコ機1または玉貸し機2へ補給する補給シュート15への送入口(ただし不図示)とが設けられている。この補給樋14は、無端ベルト12の直下部分の両側に傾斜が設けられており、かつ、補給樋14の両端部に補給シュート15への送入口が設けられているのは、遊技機島の表裏に配されたパチンコ機1および玉貸し機2に対応するためである。したがって、パチンコ機1および玉貸し機2が遊技機島の一方の側にのみ配されている場合には、補給樋14の傾斜および補給シュート15への送入口は、当該一方の側にのみ設ければよい。なお、補給樋14に設けられている送入口およびこれに繋がる補給シュート15については、従来のものと略同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0018】
補給樋14の幅広部分は、水平搬送装置10の長手方向に分割された上面カバー16によって覆われている。この上面カバー16は、例えばマグネットによって固着されており、ワンタッチで容易に着脱できるようになっている。これと同様に、補給樋14の上方に配されたベルトユニットも、容易に着脱できるように構成されているものとする。具体的には、ベルトユニットは、コイルバネ等を利用したフック機構17によって下方側に付勢された状態で補給樋14上に固定されており、そのフック機構17による拘束を解除すれば、各ベルトユニット単位で補給樋14に対して着脱自在となるように構成されている。
【0019】
このように、上面カバー16およびユニット化されたベルトユニットを容易に着脱自在となるようにした場合には、そのベルトユニットに対する保守点検を行うときや、何らかのトラブルに対処するときであっても、これらの作業を非常に容易に行うことができるようになる。このことは、ローラ11および無端ベルト12からなるベルトユニットのみならず、その駆動源13やこれに付随する機構部分についても同様のことが言える。したがって、駆動源13等を含めてユニット化しても構わない。
【0020】
また、上面カバー16は、ベルトユニットの上面側にドル箱20を載せて搬送し得るように構成されている。具体的には、ドル箱20の底部の形状に対応した案内ガイド16aが装着されている。
【0021】
ここで、ベルトユニットの上面側を搬送されるドル箱20について簡単に説明する。ドル箱20は、図6に示すように、例えば樹脂材料によって無蓋有底容器状に形成された大型タイプの遊技媒体収納箱である。このドル箱20には、遊技者が遊技によって獲得したパチンコ玉(出玉)が収納されるようになっている。
【0022】
また、水平搬送装置10の上方側には、ベルトユニット上面でのドル箱20の搬送の好適化を図るべく、図7に示すように、案内ガイド16a上におけるドル箱20の有無を検出するための検出器18と、ドル箱20の底面と無端ベルト12の上面との間に空間を確保するためのリフト機構19とが設けられている。検出器18としては、例えばフォトセンサやマイクロスイッチを用いることが考えられる。また、リフト機構19としては、ドル箱20と無端ベルト12との間の空間を確保すべく、ドル箱20を持ち上げて無端ベルト12の上面から浮かせるために揺動可能に配設されたフラップ板19aと、そのフラップ板19aの駆動源19bとからなるものが考えられる。なお、駆動源19bは、フラップ板19aを揺動させ得るものであればよく、例えば、偏心カムが装着された駆動軸を回転させるモータを用いたり、あるいは直線運動を行う電磁ソレノイドを用いたりすればよい。
【0023】
次に、以上のように構成された水平搬送装置10における動作について説明する。この水平搬送装置10では、揚送装置4の玉排出口からパチンコ玉を受け取ると、そのパチンコ玉を以下に述べるようにして搬送する。
【0024】
例えば、図2に示すように、水平搬送装置10には、揚送装置4の玉排出口からパチンコ玉が送入される。このとき、送入されるパチンコ玉は、水平搬送装置10の入口部分にも受けられたガイド4aにより、上下方向が一列に整列される。そして、上下一列のパチンコ玉は、水平搬送装置10における無端ベルト12の下面と補給樋14との間に送られ、これらによって挟持される。
【0025】
この状態で、水平搬送装置10では、駆動源13を動作させて無端ベルト12を回動させる。これにより、無端ベルト12と補給樋14に挟持されているパチンコ玉は、この無端ベルト12の下面との摩擦力により、その下面の移動方向と同方向に、搬送されることになる。つまり、無端ベルト12の回動によって、その無端ベルト12と補給樋14に挟持されているパチンコ玉は、無端ベルト12の下面の移動方向に向けて圧送されるのである。
【0026】
ところで、複数のベルトユニットが直列に並んでいる場合には、図3に示すように、それぞれのベルトユニットの間における無端ベルト12のつなぎ部分で、パチンコ玉が挟持されなくなってしまう。ところが、各ベルトユニットの無端ベルト12は、いずれも同方向に同速度で回動している。したがって、搬送方向上流側の無端ベルト12による押し出しと、搬送方向下流側の無端ベルト12による呼び込みとによって、ベルトユニット間のつなぎ部分であっても、特に搬送機構の追加等に要することなく、パチンコ玉を搬送することが可能である。
【0027】
このように、補給樋14上における無端ベルト12の直下の領域、すなわち補給樋14の略中央部付近では、その無端ベルト12の回動によって、パチンコ玉がその回動方向へ積極的に搬送されるようになっている。
【0028】
これに対して、補給樋14上における無端ベルト12の直下以外の領域、すなわち補給樋14の傾斜部分では、図4に示すように、無端ベルト12の直下から両端側へ押し出されたパチンコ玉が、その自重によって転がって端縁側へ移動する。そして、その傾斜部分にパチンコ玉が滞留する。これにより、補給樋14の傾斜部分、すなわち補給樋14上における無端ベルト12よりも幅広の部分には、上述した無端ベルト12による搬送によって、常時、パチンコ玉が充填されている状態になる。
【0029】
補給樋14上の傾斜部分に滞留するパチンコ玉は、その後、補給樋14の端部に設けられた補給シュート15への送入口から、必要に応じてパチンコ機1または玉貸し機2へ投入補給される。これにより、パチンコ機1および玉貸し機2に対しては、パチンコ玉が滞り無く補給されることになる。
【0030】
一方、ベルトユニットの上面側では、無端ベルト12の回動によって、ドル箱20の搬送が行われる。すなわち、ドル箱20の底面が無端ベルト12上に載った状態でその無端ベルト12が回動すると、その無端ベルト12上のドル箱20は、その底部が案内ガイド16aに案内されつつ、無端ベルト12の上面の移動方向に向けて搬送されるのである。
【0031】
したがって、水平搬送装置10では、その一端側(遊技機島の一端側)で無端ベルト12の上面に載せられたドル箱20を、他端側まで搬送して供給するといったことが可能である。さらには、その一端側で無端ベルト12の上面に載せられた複数のドル箱20を、その無端ベルト12上に隙間無く並ぶまで順次搬送し、いずれか任意の箇所のドル箱20が無端ベルト12上から除去された場合には、新たに一端側で供給されたドル箱20を加えて、再び無端ベルト12上に複数のドル箱20が隙間無く並ぶまで、すなわち無端ベルト12上のドル箱20を詰めるように、そのドル箱20の搬送を行うことも可能である。
【0032】
このことから、この水平搬送装置10を備えた遊技機島では、無端ベルト12上に隙間無く並んだドル箱20を遊技者の側から適宜取り出し得るようにしておけば、遊技場の店員等がその遊技者の居る場所までドル箱20を運ばなくても、その遊技者に対してドル箱20を供給することが可能となる。しかも、遊技者が無端ベルト12上からドル箱20を抜き取った場合でも、遊技機島の一端側からドル箱20を無端ベルト12上に補給するだけで、再び無端ベルト12上に複数のドル箱20が隙間無く並んだ状態にすることができる。
【0033】
ただし、このとき、無端ベルト12の上面と、その上に並んだドル箱20の底面とが、無端ベルト12の回動によって互いに摺動してしまうのは好ましくない。このことから、無端ベルト12上に並んでいるドル箱20については、図7に示すように、リフト機構19を利用して無端ベルト12との摺動が生じないようにする。具体的には、例えば遊技機島の各パチンコ機1に対応したポジションといった、ドル箱20が並び得るそれぞれのポジション毎に、予めドル箱20の検出器18およびリフト機構19を配しておく。そして、検出器18がドル箱20を検出している場合、すなわちそのポジションにドル箱20が存在している場合には、リフト機構19の駆動源19bを動作させて、そのドル箱20を持ち上げて無端ベルト12の上面から浮かせるようにする。これにより、そのドル箱20の底面は、無端ベルト12との間に空間が確保されるので、無端ベルト12が回動しても、その上面と摺動することがない。
【0034】
このようなリフト機構19による摺動回避を行う場合には、各ポジションに配されたそれぞれの検出器18による検出結果を総合的に判断して、リフト機構19の駆動源19bを動作させる必要がある。例えば、水平搬送装置10による搬送方向下流側のポジションでドル箱20が取り出されると、搬送方向上流側のポジションにドル箱20が存在していても、当該ドル箱20をも含めて搬送を行わなければ、無端ベルト12上に複数のドル箱20が隙間無く並んだ状態にすることができず、結果として搬送方向下流側のポジションに新たなドル箱20を供給できなくなってしまうからである。
【0035】
以上のように、本実施形態で説明したような、ドル箱搬送装置としての機能が付加された水平搬送装置10では、パチンコ玉の自重を利用するのではなく、水平方向に沿って掛廻された無端ベルト12によってパチンコ玉を搬送しているため、そのパチンコ玉を強制的かつ確実に搬送することができ、上下方向(高さ方向)に大きな設置スペースが必要とすることもない。したがって、ドル箱搬送装置としての機能を付加する上で非常に好適である。また、遊技機島の高さを低く構成することができるので、例えば遊技場全体の見通しを良くしてゴト対策等の管理上において大きなメリットが得られる。これらのことから、遊技機島を構成する上で非常に好ましいものとなると言える。
【0036】
さらには、無端ベルト12が補給樋14の上方側に配設されているため、何らかのトラブルが発生した場合であっても、上方側から保守点検を行うことができる。つまり、パチンコ玉の自重搬送の場合の搬送不良や設置スペース等の問題を解消すべく、無端ベルト12の回動を利用したパチンコ玉の搬送を行う場合には、無端ベルト12や駆動源13等の保守点検が必要となるが、無端ベルト12が補給樋14の上方側に配設されているため、補給樋14上にパチンコ玉が存在していても、無端ベルト12等に対する保守点検を行うことができる。したがって、遊技機島の稼働中に水平搬送装置10に何らかのトラブルが発生した場合であっても、遊技機島の稼働を中断または停止することを必要とせずに、遊技機島の上方側から上面カバー16を外すだけで、そのトラブルへの対応を行うことができる。これにより、トラブルへの迅速な対処が可能になるとともに、遊技機島が非稼働状態となるのを極力回避することが可能となる。
【0037】
また、本実施形態で説明した水平搬送装置10では、ドル箱搬送装置としての機能が付加されているため、単にパチンコ玉を搬送するだけではなく、そのパチンコ玉を収納するためのドル箱の搬送をも行うこともできる。換言すると、本実施形態で説明したドル箱搬送装置によれば、無端ベルト12の下面側ではその回動によってパチンコ玉を搬送する一方、無端ベルト12の上面側ではその回動によってドル箱を搬送する。したがって、遊技機島の一端側からドル箱20を無端ベルト12上に補給するだけで、遊技場の店員等が各パチンコ機1の場所まで赴かなくても、各パチンコ機1の遊技者に対してドル箱20を供給できるため、ドル箱20の供給の煩わしさを大幅に改善することができる。その上、無端ベルト12上に複数のドル箱20が隙間無く並んだ状態にしておけば、遊技者が必要なときにドル箱20を取り出すことができるようになるので、結果としてドル箱20の供給タイミングの適切化も図れるようになる。
【0038】
しかも、本実施形態で説明したドル箱搬送装置によれば、例えば遊技機島に設置された水平搬送装置10を利用して、ドル箱の搬送機能を実現することが可能となるので、個別に独立したドル箱搬送装置を設ける必要がなく、遊技機島の構成の簡略化や大型化防止等に非常に有効なものとなる。
【0039】
また、本実施形態では、無端ベルト12上に複数のドル箱20が隙間無く並んだ状態にする場合であっても、検出器18およびリフト機構19を用いて無端ベルト12の上面とドル箱20の底面との摺動を回避し得るので、無端ベルト12の長寿命化を図れるとともに、その摺動に起因するトラブル等の発生を未然に防止することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、ドル箱20の底面を持ち上げるリフト機構19を用いて、そのドル箱20と無端ベルト12との摺動を回避する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、無端ベルト12とドル箱20との間に空間を確保するための摺動回避機構であれば、リフト機構19のようなドル箱20の底面を持ち上げるものではなく、例えばローラ11および無端ベルト12の位置を下げるように構成されたものであってもよい。
【0041】
また、無端ベルト12とドル箱20との摺動回避は、検出器18とその検出結果に基づいて動作する摺動回避機構とによるものではなく、他の構成によって実現することも考えられる。図8は、ドル箱の他の例を示す構成図である。図例のドル箱21は、その底面に回転体22が設けられている。回転体22は、例えばキャスターやローラベアリングからなるもので、ドル箱21を下方側から支持するためのものである。ただし、回転体22は、無端ベルト12上の載り得る位置に配され、その無端ベルト12の移動方向と同方向に回転し得るように構成されている。さらには、回転体22の外周部分(無端ベルト12との当接部分)と無端ベルト12の上面との摩擦抵抗が、その回転体22の回転軸と当該回転軸の軸受との間の摩擦抵抗よりも大きくなるように構成されている。なお、摩擦抵抗は、それぞれの材質や表面粗さ等によって調整すればよい。このような構成のドル箱21を用いた場合には、無端ベルト12上に載せた状態でのドル箱21の搬送を可能にしつつ、その無端ベルト12上に複数のドル箱21が隙間無く並んでいる状態では、検出器18やリフト機構19等を用いなくとも、回転体22が回転することによって、無端ベルト12の上面とドル箱20の底面との摺動回避を実現することができる。したがって、検出器18やリフト機構19等が不要となる分だけ、装置構成やその制御動作を簡略化することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、遊技機島に一つの水平搬送装置10が設けられている場合、すなわち遊技機島の上方における無端ベルト12の経路が一つのみである場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばパチンコ機1および玉貸し機2が遊技機島の表裏に配されていれば、それぞれに個別に対応するために無端ベルト12の経路を二つ設けることも考えられる。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る遊技媒体収納箱の搬送装置によれば、遊技機島を構成する各遊技機の場所まで赴かなくても、その無端ベルトの搬送によって遊技媒体収納箱を供給することが可能となる。したがって、遊技媒体収納箱供給の煩わしさを大幅に改善することができるとともに、その供給タイミングの適切化も図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る搬送装置としての機能が付加された水平搬送装置が用いられる遊技機島の一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る搬送装置としての機能が付加された水平搬送装置の一例の構成図であり、その要部を示す正面図(その1)である。
【図3】本発明に係る搬送装置としての機能が付加された水平搬送装置の一例の構成図であり、その要部を示す正面図(その2)である。
【図4】本発明に係る搬送装置としての機能が付加された水平搬送装置の一例の構成図であり、その要部を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る搬送装置としての機能が付加された水平搬送装置の一例の構成図であり、その要部を示す側断面図(その1)である。
【図6】本発明に係る搬送装置に搬送される遊技媒体収納箱の一例を示す構成図であり、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。
【図7】本発明に係る搬送装置としての機能が付加された水平搬送装置の一例の構成図であり、その要部を示す側断面図(その2)である。
【図8】本発明に係る搬送装置に搬送される遊技媒体収納箱の他の例を示す構成図であり、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機、2…玉貸し機、3…回収装置、4…揚送装置、10…水平搬送装置、11…ローラ、12…無端ベルト、13…駆動源、14…補給樋、15…補給シュート、16…上面カバー、16a…案内ガイド、17…フック機構、18…検出器、19…リフト機構、20,21…ドル箱、22…回転体

Claims (1)

  1. 複数の遊技機が並設された遊技機島にて用いられる遊技媒体収納箱の搬送装置であって、
    前記遊技機の上方側に設置された少なくとも二つのローラと、
    上面および下面のいずれもが水平となるように前記ローラに掛廻された無端ベルトと、
    前記無端ベルトを回動させる駆動源と、
    前記無端ベルトの下面に沿うように当該無端ベルトの下方側に配設された搬送路とを備え、
    前記遊技機に補給すべき遊技媒体を、前記無端ベルトの下面と前記搬送路との間に挟持した状態で、当該無端ベルトの回動によって搬送するとともに、
    遊技媒体を収納するための遊技媒体収納箱を、前記無端ベルトの上面に載せた状態で、当該無端ベルトの回動によって搬送するように構成され、
    さらに、前記無端ベルト上に隙間無く並んで停止した状態の遊技媒体収納箱について、当該無端ベルトが回動しても、当該遊技媒体収納箱の底面と当該無端ベルトの上面との摺動が生じないようにする摺動回避手段が設けられ
    前記摺動回避手段として、
    前記無端ベルト上に隙間無く並んで停止した状態の遊技媒体収納箱を検出する検出器と、
    前記検出器での検出結果を基に前記無端ベルト上に隙間無く並んで停止した状態の遊技媒体収納箱の底面と当該無端ベルトの上面との間に空間を確保する摺動回避機構と
    が設けられたことを特徴とする遊技媒体収納箱の搬送装置。
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