JP4283924B2 - 接着方法および接着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、高温下で飛行する機体の表面に断熱材を接着する接着方法および接着装置に関し、さらに詳しくは、短時間、高品質、低コストに行うことのできる接着方法および接着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、宇宙往還機や宇宙船などの飛行体の機体外板は、アルミ合金や炭素繊維強化ポリイミド複合材などの材料を用いて製作されている。ところで、上記飛行体は、大気圏突入時における大気との摩擦熱で機体表面が非常に高温にさらされるため、機体表面には耐熱断熱材を接着させて機体表面を高温から保護している。通常、耐熱断熱材としては、セラミックタイルが使用されている。
【0003】
従来、セラミックタイル(以下、タイルという)を飛行体の機体、或いは機体の一部に接着させる方法の一つに真空バッグ方法がある。この真空バッグ方法の手順を図4を用いて説明する。
まず、図4(a)に示すように、飛行体の機体、或いは機体の一部をなす機体部材としての基材1の表面1aに位置決め用ブロック2を配置する。そして、タイル3の接着面に接着剤4を塗布して上記位置決め用ブロック2の一側面と接するように表面1aに配置する。真空引き用の小孔5aを有する真空バッグフィルム5で上記位置決め用ブロック2とタイル3とを被覆すると共に、上記真空バッグフィルム5の周端をシール材であるシーラント6を塗布して完全にシールする。それから、図示しない真空引き装置を真空引き用の小孔5aに連通して作動させることにより被覆内部の空気を所定の気圧に減圧し、その状態を所定時間維持することにより大気圧との差圧でタイル3を基材1の表面1aに圧着させる。タイル3圧着後、上記真空バッグフィルム5を表面1aから引き剥がし、表面1a上に位置している上記位置決め用ブロック2を外すと共に、接着済の上記タイル3と隣接する位置に、接着剤4を塗布したタイル3’,3”を新たに配置する(図4(b)参照)。そして、真空バッグフィルム5でタイル3,3’,3”とを被覆すると共に、上記真空バッグフィルム5の周端をシーラント6を塗布する。それから、真空引き装置を真空引き用の小孔5aに連通し作動させて被覆内部の空気を所定時間減圧してタイル3’,3”を圧着させる。このような接着作業を何度も繰り返すことによりタイル接着範囲を徐々に拡大していくようにしたものである。
【0004】
また、特開平8-192484号公報には、次ぎのような接着装置が提案されている。
この接着装置7は、図5に示すように、外表面がそれぞれ湾曲しているハニカムサンドイッチパネル(以下、パネルという)8を製作する際、或いは事後その欠陥部分を部分的に交換する際の芯材たるハニカムコア8aやスキン板8b間の加熱加圧接着用に用いられるもので、パネル8側から順に、フレキシブルな加熱ヒータ部9と、圧縮空気が圧入されるエアーバッグ10と、平板形状の剛性板11と、上記エアーバッグ10に接続されて圧縮空気の供給源12とを備えているものである。
上記構成によりエアーバッグ10に圧縮空気を圧入することにより、パネル8の湾曲に沿ってエアーバッグ10が変形して確実にパネル8を加圧接着させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
機体表面にセラミックタイルを接着する場合には次のような問題がある。
航空機の断熱部材として使用されるセラミックタイルは、断熱性とともに軽量であることが要求されて空隙率が大きく、その値は90%以上に達し、そのため脆さに加えて静的な強度も低くなっており、加圧力がばらつき集中した部分が出るとその部分が破壊されることがある。また、航空機の表面は複雑な曲面を有しているので、加圧力が不均一になり易いということがある。
更に、使用する接着剤はシリコンゴム系の二液混合の常温硬化型である場合が多く、その際には各部材の接着面を均一に加圧し、そのままの接着状態を常温で長時間(常温の場合は24時間)維持しなければならない。そして、高温下で加圧時間を短縮することは機体サイズ以上の大がかりな設備を必要とするため困難である。また、タイルの接着位置及びタイル間の隙間量の調整が微妙である。更に、タイル単品毎に高さ(厚み)のバラツキがあり、加圧力を加える面が滑らかではない。
さらに、真空バッグ方法による接着には次のような問題がある。
1.機体表面全体に熱防護材、つまりタイルを接着しなければならないが、翼の前後端や側端などではシール代がとれなくて、タイル接着不可能部分が生じてしまう。
2.既に接着されたタイルに隣接する領域に新たなタイルを接着する場合、接着済のタイルも一緒にバギングしなければならないため、接着作業が進むほど広い範囲のバギングが必要となる。その際、接着作業当初に接着したタイルを何度もバギングすることで、接着済のタイルが破壊される確率が高くなる。
3.若干の減圧、例えば190mmHg(0.25Kg/cm2)では、真空バッグフィルム外部との差圧が少ないため、リークが発生し易く、圧力コントロールが困難となる。
4.真空バッグフィルムやシーラントなどの副資材を多く必要としてしまう。そして、これらの副資材は再使用性が無く、使用後は産業廃棄物となって無駄が生じてしまう。
5.真空バッグフィルムが突っ張るとタイルの角部に加圧力が集中し、タイルが破壊されたり、接着位置がずれたりする。
6.接着剤の特性で、接着剤を塗布したタイルを基材表面に位置させてから加圧するまでの時間(1時間以内)に制限があることから、接着作業を数回に分けて行う必要がある。また、バギング作業には時間がかかり、一度の接着作業で接着できるタイルの枚数が少ない。
【0006】
更にまた、特開平8-192484号公報に示された接着方法では、タイルを加圧する際の加圧力が大きくなると、ゴム風船のような伸縮性を持ったエアーバッグではエアーバッグ受け面や加圧面以外の拘束されていない部分が大きく膨らんでしまう。そのため、
7.エアーバッグ自体が破壊されてしまう、
8.タイルのエッジを壊してしまう、
9.タイルの側面を押圧する場合があるのでタイル接着位置をずらしてしまう、
10.ゴムの伸縮に従ってタイルを引っ張り、接着位置ずれが発生する、
などの虞がある。これらを無くするためには、加圧面以外の面も剛性のあるケースで全面拘束しなければならないため、接着装置が非常に複雑、且つ大掛かりとなってしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記従来の接着方法および接着装置における問題に鑑み、短時間で接着作業を終了することができ、しかも機体部材と断熱部材との接着面が複雑な二次曲面を有していても断熱部材を確実に接着できる接着方法及び接着装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、請求項1記載の発明は、航空機の機体表面にセラミック製の断熱部材を接着する接着方法であって、上記機体表面を有する機体部材を載置する載置台の上方の自在な位置で固定可能な支持部材を設ける第1の工程と、上記支持部材に対して被接着面を対向させた上記機体部材を上記載置台に載置し固定する第2の工程と、上記断熱部材に接着剤を塗布して上記機体部材の被接着面に載置する第3の工程と、上記機体部材の被接着面の形状に近似させた下面を持つ当板を上記支持部材に懸架する第4の工程と、内部を複数の小室に区分された袋体であって略同一厚さで平板状に膨張するエアバッグを上記当板の下面に装着する第5の工程と、上記当板を上記機体部材の被接着面の上方の所定位置で上記支持部材と共に固定する第6の工程と、上記エアバッグに所定圧の空気を供給して膨張させ上記断熱部材を押圧する第7の工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の発明は、上記第7の工程において、上記断熱部材と上記エアーバッグとの間に断熱部材表面保護の為の緩衝材を配置する工程を有したことを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記第2の工程と上記第3の工程との間に位置決め用部材を上記機体部材に固定する工程を有し、上記第3の工程において、上記断熱部材は上記位置決め用部材により位置決めされることを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の発明は、航空機の機体表面にセラミック製の断熱部材を接着する接着装置であって、上記機体表面を有する機体部材を載置する載置台の上方の自在な位置で固定可能な支持部材と、上記機体部材の被接着面の形状に近似させた下面を持ち上記支持部材に懸架固定される当板と、上記当板の下面に装着され、内部を複数の小室に区分された袋体であって略同一厚さの平板状に膨張するエアバッグと、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の発明は、上記接着方法であって、上記エアーバッグは上記断熱部材の接着範囲より広く、且つ非伸縮性を有する素材からなることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、上記接着装置であって、上記エアーバッグは上記断熱部材の接着範囲より広く、且つ非伸縮性を有する素材からなることを特徴としている。
【0013】
【作用】
かかる構成によると、エアーバッグが当板に沿って湾曲して展開する為、均一な加圧力が得られることができると共に、真空圧を使用する場合より圧力の制御が簡単にできるようになる。また、真空バッグフィルムやシーラントなどの副資材を必要としないので製作コストを削減することができる。
さらに、機体部材を作業毎にシールする必要がなくなり、バギングのようにシール代を必要としない為、機体表面全てに適用できる。
また、断熱部材を機体部材に接着してから加圧を開始するまでの作業時間を短縮することができると共に、一回の接着作業で多数の断熱部材を接着することができる。
更にまた、一つの断熱部材に対して接着荷重がかかる回数が最小限で済むので、断熱部材が損傷する確率を減少することができる。
エアーバッグが装着される当板は、機体部材の被接着面の形状を近似するだけでよく、しかも、その形状は複雑な二次曲面ではなく、一次曲面、または平面形状でもよいので容易に製作することができ、しかも製作コストがかからない。
さらに、エアーバッグは非伸縮性を有し、複数の小室に区分けされた袋体からなっているので、エアーバッグの内部が加圧されて平板形状に展開して、接着しようとする断熱部材側面への押圧力が加わらないようにすることができ、断熱部材の位置ずれを防止することができるようになると共に、加圧が必要な面積分だけエアーバッグの大きさがあればよく、また、同じエアーバッグを複数箇所で使用できる。
更にまた、断熱部材とエアーバッグとの間に断熱部材表面保護の為の緩衝材を配置する工程を有しているので、エアーバッグによる加圧時に断熱部材が損傷することをさらに防ぐことができる。
【0014】
【実施例】
以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。なお、従来例と同様な部材については同一の符号を付している。
図1〜3は本発明による接着方法を実施するために用いられる接着装置の構成を示す模式図であって、同図において、上記接着装置20は、格子体をなすように複数の枠材を組み合わせた本体21からなっている。
上記本体21の格子体をなしている下部前枠材21aと図示しない下部後枠材との対向間には、載置台としての複数の支持梁21bを架設して平面視梯子状となるようにする。これらの支持梁21b上には、図示しない支持具により着脱自在に支持される基材1が載置されて本体21に内包されるようになっている。
この基材1は飛行体の機体、或いは機体の一部である機体部材であって、複雑な二次曲面をなしている基材1の表面1aには、断熱部材としての複数のタイル3が加圧接着される。
【0015】
そして、上記本体21の一部をなしている上部前枠材21cと上部後枠材21dとのそれぞれの下面には、長手方向に沿って移動用レール22(一方は図示せず)が設けられていて、これらの移動用レール22に沿って移動可能な複数のスライダー23を介して一対の移動支持梁24,24が所定間隔を空けた並行状態のまま移動自在に吊設されている。また、上記スライダー23にはそれぞれ固定用ボルト25が取り付けられていて、移動用レール22に沿って移動支持梁24,24を任意の位置に移行させた後に、固定用ボルト25を移動用レール22に対して締結することにより移動支持梁24,24を位置固定することができるようになっている。
【0016】
さらに、上記移動支持梁24,24の下面には、長手方向に沿ってレール部24a,24aが設けられていて、これらのレール部24a,24aに沿って移動可能とした複数の支持具26を介して当板27が着脱自在に吊設可能となっている。
これらの支持具26にはそれぞれ固定用ボルト28が取り付けられていて、上記移動支持梁24,24のレール部24a,24aに沿って当板27を任意の位置に移行した後に、固定用ボルト28をレール部24a,24aに対して締結することにより上記当板27を位置固定することができるようになっている。
ところで、上記当板27の下面、つまり、基材1に対向する面の形状はタイル3を接着しようとする基材1の表面1a、つまり被接着面の形状を近似させてある。
【0017】
そして、上記当板27の下面には非伸縮性を有する素材からなり、例えば図3に示すように、適当な大きさの複数のシェル29aに分割され、内部を加圧すると加圧面以外の部分が大きく膨らむことなく、小区域ごとの小さな凹凸はあるものの全体的には略同一厚さの平板形状に展開する袋体のエアーバッグ29が装着されるようになっている。
上記エアーバッグ29には、圧力調整が可能な調整弁30を有する圧縮空気の供給源31がフレキシブルホース32によって連通されていて、供給源31からエアーバッグ29内部に圧縮空気を圧送することによりエアーバッグ29を平板形状へと展開させタイル3を加圧することが可能となっている。その際の適切な加圧力は0.25Kg/cm2であるがこの値に限定されることはない。
図中符号29bは上記各シェル29aを連通している通気孔を示している。
そして、タイル3を接着しようとする接着範囲より広くなるようにエアーバッグ29の被覆範囲は設定され(例えば、エアバッグ29の展開時の寸法は600*800*50mm、タイル3の一枚の縦横の大きさは250*250mm)、エアーバッグ29が平板形状へと展開することにより、接着しようとする複数のタイル3を基材1の表面1aに一度に加圧することができるようになっている。
また、位置決め用ブロック2は、基材1上に設けられた図示しないリベットなどのファスニング穴にピンボルトなどで着脱自在に取り付けられている。
【0018】
本実施例は以上のような構成の接着装置を用いて飛行体の機体、或いは機体の一部である基材1の表面1aに対してタイル3を広範囲に接着することができる。以下に、その接着方法の手順を説明する。
まず、図1(a)に示したように、基材1を本体21の複数の支持梁21c上に載置して図示しない支持具により基材1を支持梁21cに対して支持固定させる。そして、基材1の表面1aの適宜位置に位置決め用ブロック2を固着させて、基材1に接着しようとするタイル3が正確な位置に配置されるようにする。
接着面に接着剤4を塗布した複数のタイル3を位置決め用ブロック2に沿って基材1の所定位置に配置する。この際、必要ならばタイル3間にはシムを挿入するようにしてもよい。
【0019】
そして、接着しようとするタイル3上方にレール22に沿って移動支持梁24,24を平行移動させる。そして、移動支持梁24,24の移動後に、スライダー23に取り付けられている固定用ボルト25をレール22に締結して、本体20に対して移動支持梁24,24を固定するようにする。
上記のように固定された移動支持梁24,24の下面側に、基材1の表面1aの被接着面形状を近似した下面を有する当板27を装着して、接着しようとするタイル3上方に当板27の下面が配置されるように移動支持梁24,24のレール部24a,24aに沿って当板27を移動させる。そして、当板27を支持している支持具26に取り付けられている固定用ボルト28をレール部24a,24aに対して締結することでタイル3の接着箇所の上方位置に当板27が配置固定されるようにする。
【0020】
そして、基材1の表面1a上に配置されたタイル3と該タイル3の上方位置に配置固定された当板27との隙間に平板形状に展開する袋体のエアーバッグ29を挿入し、当板27の下面にエアーバッグ29を装着させる。このとき、当板27とタイル3との距離は、膨張したエアバッグ29の厚みより若干少なく設定されている。
上記した状態でエアーバッグ29内部には供給源31から圧縮空気が圧入されて加圧される。加圧時には、エアーバッグ29内の圧力は調整弁30によって微調整して加圧力を一定に維持されている。内部を加圧された上記エアーバッグ29は当板27に沿って展開し、均一な加圧力によりエアーバッグ29下方に位置しているタイル3の上面を加圧してタイル3の加圧接着を行うことができる。
上記エアーバッグ29を使用した接着方法では、バギングやシールを行う必要がないので真空圧を使用する場合よりも圧力の制御が比較的簡単にできて、基材1に接着したタイル3が該基材1から剥離するといった不具合が生じる確率を低減することができる。
また、タイル3と該タイル3を加圧するエアーバッグ29との間には、タイル表面保護の為の緩衝材を配置するようにして加圧するようにしてもよい。そのことにより、エアーバッグ29による加圧時にタイル3の表面や角部などが損傷することをさらに防ぐことができる。
【0021】
そして、既に接着されているタイル3に隣接する位置に新たにタイル3’,3”を接着する場合も上記手順を同様に繰り返すことにより、基材1へのタイル3の接着範囲を拡大することができる。
タイル接着手順は上記手順と同様なので説明は省略するが、この場合、図1(b)に示したように、新たに接着しようとするタイル3’,3”は、基材1の表面1aの所定位置に固着された位置決め用ブロック2と、既に接着されているタイル3の一側面とに押し当てられることによって基材1の所定位置に位置決めがなされるようにする(この場合も必要ならばタイル間にシムを挿入するようにしてもよい)。そのため、確実に位置決めされたタイル3’,3”とタイル側面側を加圧しないエアーバッグ29との相乗効果によりタイル3’,3”はより確実に所定位置に接着することができる。
【0022】
本実施例は以上のような構成であるから、タイル単品毎に高さ方向のバラツキがあってもエアーバッグ29により均一に加圧することができるので、接着しようとするタイル3を確実に加圧することが可能となる。また、タイル3への加圧力を高めることによりタイル3が基材1に接着するまでの時間を短縮することが可能となる。さらにまた、エアバッグ29が略同一厚さに展開するので、タイル加圧時にはタイル3の横ずれを無くすことができ、しかも、当板27の形状が基材と多少異なっているとしても被接着範囲を覆うエアーバッグ29でカバーすることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、エアーバッグが当板に沿って湾曲して展開する為、均一な加圧力が得られることができると共に、真空圧を使用する場合より圧力の制御が簡単にできるようになる。また、真空バッグフィルムやシーラントなどの副資材を必要としないので製作コストを削減することができる。
さらに、機体部材を作業毎にシールする必要がなくなり、バギングのようにシール代を必要としない為、機体表面全てに適用できる。
また、断熱部材を機体部材に接着してから加圧を開始するまでの作業時間を短縮することができると共に、一回の接着作業で多数の断熱部材を接着することができる。
更にまた、一つの断熱部材に対して接着荷重がかかる回数が最小限で済むので、断熱部材が損傷する確率を減少することができる。
エアーバッグが装着される当板は、機体部材の被接着面の形状を近似するだけでよく、しかも、その形状は複雑な二次曲面ではなく、一次曲面、または平面形状でもよいので容易に製作することができ、しかも製作コストがかからない。
さらに、エアーバッグは非伸縮性を有し、複数の小室に区分けされた袋体からなっているので、エアーバッグの内部が加圧されて平板形状に展開して、接着しようとする断熱部材側面への押圧力が加わらないようにすることができ、断熱部材の位置ずれを防止することができるようになると共に、加圧が必要な面積分だけエアーバッグの大きさがあればよく、また、同じエアーバッグを複数箇所で使用できる。
更にまた、断熱部材とエアーバッグとの間に断熱部材表面保護の為の緩衝材を配置する工程を有しているので、エアーバッグによる加圧時に断熱部材が損傷することをさらに防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着方法に用いられる接着装置の平面図であって、(a)は、タイル接着開始時点の状態を、(b)は途中経過の状態を示している。
【図2】図1(b)の正面図である。
【図3】図1(b)の側面図である。
【図4】従来の真空バッグ方法の説明図であって、(a)は、タイル接着開始時点の状態を、(b)は途中経過の状態を示している。
【図5】従来の接着装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 位置決め用ブロック
3 (セラミック)タイル
4 接着剤
20 接着装置
21 本体
24 移動支持梁
27 当板
29 エアーバッグ
31 供給源

Claims (6)

  1. 航空機の機体表面にセラミック製の断熱部材を接着する接着方法であって、
    上記機体表面を有する機体部材を載置する載置台の上方の自在な位置で固定可能な支持部材を設ける第1の工程と、
    上記支持部材に対して被接着面を対向させた上記機体部材を上記載置台に載置し固定する第2の工程と、
    上記断熱部材に接着剤を塗布して上記機体部材の被接着面に載置する第3の工程と、
    上記機体部材の被接着面の形状に近似させた下面を持つ当板を上記支持部材に懸架する第4の工程と、
    内部を複数の小室に区分された袋体であって略同一厚さで平板状に膨張するエアバッグを上記当板の下面に装着する第5の工程と、
    上記当板を上記機体部材の被接着面の上方の所定位置で上記支持部材と共に固定する第6の工程と、
    上記エアバッグに所定圧の空気を供給して膨張させ上記断熱部材を押圧する第7の工程と、を含むことを特徴とする接着方法。
  2. 上記第7の工程において、
    上記断熱部材と上記エアーバッグとの間に断熱部材表面保護の為の緩衝材を配置する工程を有したことを特徴とする請求項1記載の装着方法。
  3. 上記第2の工程と上記第3の工程との間に位置決め用部材を上記機体部材に固定する工程を有し、
    上記第3の工程において、上記断熱部材は上記位置決め用部材により位置決めされることを特徴とする請求項1又は2記載の接着方法。
  4. 航空機の機体表面にセラミック製の断熱部材を接着する接着装置であって、
    上記機体表面を有する機体部材を載置する載置台の上方の自在な位置で固定可能な支持部材と、
    上記機体部材の被接着面の形状に近似させた下面を持ち上記支持部材に懸架固定される当板と、
    上記当板の下面に装着され、内部を複数の小室に区分された袋体であって略同一厚さの平板状に膨張するエアバッグと、を備えたことを特徴とする接着装置。
  5. 上記エアーバッグは上記断熱部材の接着範囲より広く、且つ非伸縮性を有する素材からなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の接着方法。
  6. 上記エアーバッグは上記断熱部材の接着範囲より広く、且つ非伸縮性を有する素材からなることを特徴とする請求項4に記載の接着装置。
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