JP4282864B2 - 蓄熱式冷凍システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、夜間等に発生する余剰電力を利用して蓄熱を行い、昼間等の必要時に蓄熱を利用した運転を行う蓄熱式冷凍システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような蓄熱式冷凍システムは、余剰電力の有効活用を図ることができる等の利点を有することから、ビルの冷暖房設備等として利用されている。このような蓄熱式冷凍システムは、たとえば、特開平5−157297号公報記載に開示されている。この従来の蓄熱式冷凍システムの構成図を図12に示す。この図12において、圧縮機100、凝縮器101、第1の減圧機構102、蒸発器103、および、アキュームレータ104が順次配管にて接続されており、これらによって圧縮機100を用いた冷却運転を行なうための冷却経路が形成されている。
【0003】
また、蒸発器103の前後段には、蓄熱槽105、液冷媒ポンプ106、および、第2の減圧機構107が配管を介して順次接続されている。この蓄熱槽105の内部には蓄熱用熱交換器108が収められており、この蓄熱用熱交換器108の周囲には、当該蓄熱用熱交換器108との間において熱交換を行なう水等の蓄熱媒体109が収容されている。そして、これら蓄熱槽105および液冷媒ポンプ106等によって、液冷媒ポンプ106による冷却経路が形成されている。
【0004】
さらに、第1の減圧機構102の出口側と、蓄熱用熱交換器108と液冷媒ポンプ106との間とが、蓄熱用バイパス回路110にて接続されており、圧縮機100、凝縮器101、第1の減圧機構102、蓄熱用バイパス回路110、蓄熱用熱交換器108、および、アキュームレータ104を順次経由する蓄熱経路が形成されている。
【0005】
このように構成された従来の蓄熱式冷凍システムにおいては、圧縮機100を用いた通常の冷却運転、圧縮機100を用いた冷熱蓄熱運転、液冷媒ポンプ106を用いた蓄熱利用冷却運転、あるいは、これら冷却運転と蓄熱利用冷却運転とを同時に行なう複合冷却運転を相互に切り替えて行なうことができる。
【0006】
このうち、圧縮機100を用いた通常の冷却運転は、夏季昼間において蓄熱槽105に充分な冷熱が蓄熱されていない場合に行なわれるもので、開閉装置111〜113を閉状態、開閉装置116〜118を開状態に設定して行なわれる。この設定下において、液冷媒ポンプ106を停止したまま圧縮機100を運転させると、冷媒は、圧縮機100にて圧縮されて高温高圧の蒸気冷媒となり、凝縮器101で放熱凝縮して液冷媒となり、第1の減圧機構102にて若干断熱膨張されて蒸発器103に流入し、この蒸発器103において蒸発することによって室内空気から吸熱して冷却を行なうと共に、自らは蒸気化する。そして、冷媒は、アキュームレータ104を介して圧縮機100へ戻る。
【0007】
また、圧縮機100を用いた冷熱蓄熱運転は、たとえば、夏季夜間に行なわれるもので、開閉装置111、115、113、118を開状態、開閉装置114、116、117を閉状態に設定して行なわれる。この設定下において、液冷媒ポンプ106を停止したまま圧縮機100を運転させると、冷媒は、圧縮機100、凝縮器101、第1の減圧機構102、蓄熱用バイパス回路110を順次介して、蓄熱用熱交換器108に流入する。そして、冷媒は、蓄熱用熱交換器108において蓄熱媒体から吸熱して冷熱を蓄熱すると共に、自らは蒸気化し、アキュームレータ104を介して圧縮機100に戻る。この冷媒循環により、蓄熱媒体109を凍結等させて、冷熱を蓄熱することができる。
【0008】
また、液冷媒ポンプ106を用いた蓄熱利用冷却運転は、たとえば、夏季昼間の冷却負荷が所定値以下の場合に行なわれるもので、開閉装置112、117、113、114を開状態に設定され、開閉装置115、116、118を閉状態に設定して行なわれる。この設定下において、圧縮機100を停止させて液冷媒ポンプ106を運転させると、冷媒は、液冷媒ポンプ106にて昇圧されて低温低圧の過冷却冷媒となり、第2の減圧機構107にて若干断熱膨張されて蒸発器103に流入し、室内空気から吸熱して冷却を行なうと共に、自らは蒸発化する。そして、冷媒は、蓄熱用熱交換器108で放熱して凝縮液化し、液冷媒ポンプ106へ戻る。この冷媒循環により、蓄熱媒体109に蓄熱された冷熱を用いて冷却を行なうことができる。
【0009】
この蓄熱利用冷却運転においては、液冷媒ポンプ106の消費電力が圧縮機100に比べて非常に小さいことから、圧縮機100による通常の冷却運転を行う場合に比べて、少ない電力で冷却を行なうことができる。
【0010】
また、複合冷却運転は、たとえば、蓄熱槽105に冷熱が蓄熱されている場合であって、夏季昼間における冷却負荷が所定値以上の場合に行なわれるもので、開閉装置111、115を閉状態、他の開閉装置を開状態に設定して行なわれる。この設定下において、圧縮機100および液冷媒ポンプ106を両方とも運転させると、上述の圧縮機100による冷却運転での冷却と、上述の液冷媒ポンプ106を用いた蓄熱利用冷却運転での冷却が同時に行なわれ、蒸発器103には両運転時の合計の冷媒流量が流れることになる。
【0011】
この複合冷却運転では、圧縮機100による冷媒循環量と、液冷媒ポンプ106による冷媒循環量との比率を任意に設定できるため、全冷却負荷に対する放冷運転と冷却運転の割合を任意に設定することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の蓄熱式冷凍システムにおいては、圧縮機100による蓄熱運転と、液冷媒ポンプ106による蓄熱利用冷却運転とを切り替えるために、蓄熱用バイパス回路110や多数の開閉装置111〜118を設ける必要があり、システム構成が複雑化すると共に、システムコストが上昇するという問題があった。
【0013】
また、従来の蓄熱式冷凍システムにおいては、上述のように各種の運転を行なうことができる一方、圧縮機100から蒸発器103に至る経路と、圧縮機100から蓄熱槽105に至る経路が別個に配置されているために、圧縮機100を用いた蓄熱利用運転を行なうことができないという問題があった。
【0014】
さらに、従来の蓄熱式冷凍システムにおいては、冷媒の循環方向が一方向に固定されているために、圧縮機100を用いた加熱運転、温熱を蓄熱するための温熱蓄熱運転、あるいは、蓄熱を利用した蓄熱利用加熱運転を行なうことができないという問題があった。
【0015】
また、液冷媒ポンプ106を用いて各種運転を行なう場合、この液冷媒ポンプ106の吸入口に蒸気が発生すると、キャビテーションが生じてその性能や信頼性が低下するが、この点に関する考慮が一切なされていなかった。
【0016】
また、必要とされる冷却負荷や加熱負荷が大きい場合、一般には、圧縮機100等と共に蓄熱槽105を複数個設置して、運転能力を高めることが行なわれる。しかしながら従来の冷凍システムにおいては、これら複数の蓄熱槽105に対して単に個別的に蓄熱を行ない、また蓄熱槽105から単に個別的に放熱を行なうように構成されていた。したがって、たとえば、一つの蓄熱槽105の蓄熱が完全に消費されており、他の蓄熱槽105の蓄熱がまだ余っているような場合においても、この余っている蓄熱を他の蓄熱槽105にて有効に利用することができず、システム全体の効率が低下する場合があった。
【0017】
本発明は、従来の蓄熱式冷凍システムにおける上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成により、従来行なうことのできなかった形態での運転を行なうこと等のできる蓄熱式冷凍システムを得ることを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による蓄熱式冷凍システムは、少なくとも圧縮機、室外熱交換器、利用側減圧装置、および、利用側熱交換器を順次配管で接続すると共に、蓄熱用熱交換器を備える蓄熱式冷凍システムであって、室外熱交換器の液側接続口と、利用側熱交換器の液側接続口との間を、第1開閉弁および液冷媒搬送手段を順次介して接続し、蓄熱用熱交換器の一端と、利用側熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側との間とを、第2開閉弁を介して接続し、蓄熱用熱交換器の他端と、室外熱交換器の液側接続口と第1開閉弁との間とを、蓄熱用減圧装置を介して接続したものである。
【0019】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、前記蓄熱用熱交換器の一端と第2開閉弁との間と、液冷媒搬送手段と利用側熱交換器の液側接続口との間を、第3開閉弁を介して接続したものである。
【0020】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、圧縮機の吐出側と室外熱交換器の蒸気側、および、利用側熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる冷却用蒸気冷媒流路と、圧縮機の吐出側と利用側熱交換器の蒸気側、および、室外熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる加熱用蒸気冷媒流路とを、相互に切り替えるための蒸気冷媒流路切り替え手段を備えたものである。
【0021】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、室外熱交換器の液側接続口と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と利用側熱交換器の液側接続口とをそれぞれ連通させる冷却用液冷媒流路と、利用側熱交換器の液側接続口と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と室外熱交換器の液側接続口とをそれぞれ連通させる加熱用液冷媒流路とを、相互に切り替えるための液冷媒流路切り替え手段を備えたものである。
【0022】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、少なくとも圧縮機、室外熱交換器、蓄熱用減圧装置、および、蓄熱用熱交換器を順次配管で接続して構成された一次側サイクルと、少なくとも液冷媒搬送手段、利用側減圧装置、および、利用側熱交換器を順次配管で接続して構成された二次側サイクルとを備え、これら一次側サイクルと二次側サイクルとの間には、一次側サイクルの蓄熱用熱交換器の蓄熱材と、二次側サイクルの冷媒との間において、熱交換を行なうための中間熱交換器を設けたものである。
【0023】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、一次側サイクルには、圧縮機の吐出側と室外熱交換器の蒸気側、および、蓄熱用熱交換器の一端と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる冷却用蒸気冷媒流路と、圧縮機の吐出側と蓄熱用熱交換器の一端、および、室外熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる加熱用蒸気冷媒流路とを、相互に切り替えるための蒸気冷媒流路切り替え手段を備えたものである。
【0024】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、二次側サイクルには、中間熱交換器と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と利用側熱交換器の液側接続口とをそれぞれ連通させる冷却用液冷媒流路と、利用側熱交換器の液側接続口と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と中間熱交換器とをそれぞれ連通させる加熱用液冷媒流路とを、相互に切り替えるための液冷媒流路切り替え手段を備えたものである。
【0025】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、液冷媒流路切り換え手段を、4つの開閉弁を開閉することによって冷却用液冷媒流路と加熱用液冷媒流路とを相互に切り替えるブリッジ経路としたものである。
【0026】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、液冷媒流路切り換え手段を、四方弁としたものである。
【0027】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、少なくとも圧縮機および室外熱交換器を室外ユニット、少なくとも蓄熱用減圧装置、蓄熱用熱交換器、および、液冷媒搬送手段を蓄熱ユニット、少なくとも利用側減圧装置および利用側熱交換器を利用側ユニットとしてそれぞれ構成し、これら室外ユニット、蓄熱ユニット、または、利用側ユニットのうち、少なくともいずれか一つを複数備えたものである。
【0028】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、少なくとも圧縮機および室外熱交換器を室外ユニット、少なくとも蓄熱用減圧装置、蓄熱用熱交換器、および、液冷媒搬送手段を蓄熱ユニット、少なくとも利用側減圧装置および利用側熱交換器を利用側ユニットとしてそれぞれ構成し、これら室外ユニット、蓄熱ユニット、および、利用側ユニットを備える蓄熱式冷凍サイクル系統を複数系統備え、上記中間熱交換器を介して、少なくともいずれか一つの蓄熱式冷凍サイクル系統の蓄熱用熱交換器の蓄熱材と、少なくともいずれか一つの他の蓄熱式冷凍サイクル系統の利用側ユニットの冷媒との間における熱交換を可能としたものである。
【0029】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、圧縮機の吸入口の前段にアキュームレータを設け、圧縮機を用いる所定の運転から液冷媒搬送手段を用いる所定の運転への切り換え時に、アキュームレータ内の余剰冷媒を回収するよう、蓄熱用減圧装置または利用側減圧装置の開度を調整可能としたものである。
【0030】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、液冷媒搬送手段の冷媒流入側に、液溜め容器を設けたものである。
【0031】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、液冷媒搬送手段による液冷媒の流量を、当該液冷媒搬送手段の冷媒流入側の近傍における液冷媒の過冷却度に基づいて制御するものである。
【0032】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、液冷媒搬送手段の冷媒流入側の近傍における液冷媒の温度を検知する温度検出手段と、当該冷媒流入側の近傍における液冷媒の圧力を検出する圧力検出手段と、これら温度検出手段にて検出された温度と、圧力検出手段にて検出された圧力とに基づいて、上記液冷媒の過冷却度を算出する演算手段とを備えるものである。
【0033】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、冷媒の自然循環を行うために液冷媒ポンプをバイパスするバイパス配管を設けたものである。
【0034】
つぎの発明による蓄熱式冷凍システムは、蓄熱用熱交換器の蓄熱材を、水、または、水に不凍液を混合させた水溶液としたものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる畜熱式冷凍システムの実施の形態1〜8につき図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0036】
実施の形態1.
図1は、この発明にかかる実施の形態1における蓄熱式冷凍システムを示す構成図である。この図1において本システムは、室外ユニット1、蓄熱ユニット2、および、室内ユニット(利用側ユニット)3を備えて構成されている。
【0037】
このうち、室外ユニット1は室外において熱交換を行なうための手段であり、圧縮機10、四方弁(蒸気冷媒流路切り替え手段)11、室外熱交換器12、アキュームレータ13、および、室外送風機14を内蔵して構成されている。これら各部は図示の如く接続されており、特に、四方弁11は、その第1口11aが圧縮機10の吐出側、第2口11bが室外熱交換器12の蒸気側、第3口11cがアキュームレータ13を介して圧縮機10の吸入側、第4口11dが蒸気管を介して後述する室内側熱交換器32の蒸気側にそれぞれ接続されている。このように構成された室外ユニット1は、蒸気側接続口4および液側接続口5において、蓄熱ユニット2と接続されている。
【0038】
また、蓄熱ユニット2は、概略的に、蓄熱槽20、蓄熱用減圧装置21、液冷媒ポンプ(液冷媒搬送手段)22、開閉弁(第1開閉弁)23、第1および第2の蓄熱側温度検出器24、25を内蔵して構成されている。この蓄熱槽20には、蓄熱用熱交換器20aが配置されており、この蓄熱用交換器20aの周囲には水等の任意の蓄熱材20bが設けられている。そして、液側接続口5と液側接続口6との間が、開閉弁23および液冷媒ポンプ22を介して液配管40にて接続されている。また、蒸気側接続口4と蒸気側接続口7との間が、蒸気配管41にて接続されている。また、第1および第2の蓄熱側温度検出器24、25は、それぞれ蓄熱用熱交換器20aの蒸気側と液側に配置されて冷媒温度を検出する。
【0039】
さらに、蓄熱用熱交換器20aの液側の一端は、蓄熱槽20の外部に延出し、蓄熱用減圧装置21を介して液配管40に接続されている。一方、蓄熱用熱交換器20aの蒸気側の他端は、蓄熱槽20の外部に延出して、開閉弁(第2開閉弁)26を介して蒸気配管41に接続されると共に、開閉弁(第3開閉弁)27および液配管42を介して液配管40に接続されている。
【0040】
そして、室内ユニット3は、室内側減圧装置(利用側減圧装置)31、室内側熱交換器(利用側熱交換器)32、および、室内送風機33を内蔵して構成されている。このうち、室内側熱交換器32の一端は、室内側減圧装置31を介して液配管43に接続され、他端は蒸気配管44に接続されている。さらに、液配管43は、蓄熱ユニット2の液側接続口6に接続され、蒸気配管44は、蓄熱ユニット2の蒸気側接続口7に接続されている。
【0041】
これら各ユニットの各構成要素は、特記する場合を除いて従来と同様に構成することができる。たとえば、蓄熱ユニット2の液冷媒ポンプ22としては、ロータリポンプ、渦巻ポンプ、軸流ポンプ、摩擦ポンプ等の任意のポンプを用いることができる。ただし、この液冷媒ポンプ22としては、その運転を停止していても、液冷媒がその内部を通過可能である構造のものが用いられる。
【0042】
図2は液冷媒ポンプ22の一例としてロータリポンプに属する歯車ポンプの構成を示す模式図である。この図2において歯車ポンプとしての液冷媒ポンプ22は、ケーシング22aの内部に、ロータである一対の歯車22b、22cを相互に噛合させた状態で収容して構成されている。この液冷媒ポンプ22の運転時には、駆動側の歯車22bが回転駆動されることにより、従動側の歯車22cが回転する。そして、歯車22b、22cの各歯が入口近傍に位置したときに歯溝に液冷媒が流入し、この液冷媒がケーシング22aの内面と歯車22b、22cの歯溝の相互間に囲まれつつ出口側に送られ、この出口側で各歯が噛合することによって液冷媒が出口側へ押し出される。このような歯車ポンプにおいては、その運転を停止していても、ケーシング22aと歯車22b、22cとの間や、中央部における歯車22b、22cの相互間を液冷媒が通過し得る。
【0043】
(運転動作)
このように構成された本システムにおける運転動作について説明する。図3には、本システムの各運転モードと、開閉弁等の開閉状態との関係を示す。この図3に示されるように、本システムにおいては、圧縮機10を用いた冷熱蓄熱運転、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転、圧縮機10を用いた蓄熱利用冷却運転、圧縮機10を用いた通常の冷却運転、圧縮機10を用いた通常の暖房運転の5つのモードがあり、これらを相互に任意に切り替えて運転を行なうことができる。特に、圧縮機10を用いた蓄熱利用冷却運転と、圧縮機10を用いた暖房運転については、従来は行なうことのできなかった運転モードである。
【0044】
(冷熱蓄熱運転(圧縮機10))
最初に、圧縮機10を用いた冷熱蓄熱運転について説明する。この運転は、主として、ある時間帯における余剰電力を他の時間帯の電力として利用したいときに行われるものであって、たとえば夏季冷却期間中の夜間に行なわれるものである。この運転モードにおいて、室外ユニット1の四方弁11は、その第1口11aと第2口11bが相互に連通し、第3口11cと第4口11dが相互に連通するように設定される(冷却用蒸気冷媒流路)。また、図3に示すように、蓄熱ユニット2の開閉弁26は開状態、開閉弁23、27は閉状態に設定される。また、室内ユニット3の室内側減圧装置31は全閉状態に設定される。なお、蓄熱用減圧装置21の開度については後述する。
【0045】
このような設定下において液冷媒ポンプ22を停止させたまま圧縮機10を運転すると、冷媒は、圧縮機10で圧縮されて高温高圧の蒸気冷媒となり、四方弁11の第1口11aおよび第2口11bを介して室外熱交換器12に流入し、室外送風機14によって送り込まれる室外空気に放熱して凝縮液化し、中温高圧の液冷媒になる。この液冷媒は、液側接続口5を介して蓄熱用減圧装置21に流入し、この蓄熱用減圧装置21にて減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となって蓄熱用熱交換器20aに流入し、蓄熱材20bから吸熱して低温低圧の蒸気冷媒となる。
【0046】
このとき、蓄熱用熱交換器20aの表面において蓄熱材20bが冷却されることにより、冷熱が蓄熱される。たとえば、蓄熱材20bが水の場合には冷却されて氷となり、蓄熱用熱交換器20aの表面に付着成長して冷熱を蓄える。一方、蓄熱用熱交換器20aにおいて蒸気化した冷媒は、開閉弁26、蒸気配管41、蒸気側接続口4、四方弁11の第4口11dと第3口11c、および、アキュームレータ13を順次介して圧縮機10の吸入側に戻る。
【0047】
この冷熱蓄熱運転における運転能力の調整は、蓄熱用減圧装置21の開度を調整することによって行われる。具体的には、蓄熱用減圧装置21の開度は、第1の蓄熱側温度検出器24にて検出された温度T1と、第2の蓄熱側温度検出器25にて検出された温度T2との差(T1−T2)が、所定の目標値SH1に近づくように自動または手動で制御される。この目標値SH1は、基本的には、蓄熱用熱交換器20aの内部における冷媒の圧力損失に伴う温度降下と、蓄熱用熱交換器20aの蒸気側出口において目標とする冷媒の状態とに基づいて決定される。
【0048】
たとえば、冷媒が、R22やR134a等のフロン系単一冷媒、R290やR600a等の炭化水素系冷媒、二酸化炭素、あるいは、アンモニア等のように、ある圧力下での気液二相状態において、液と蒸気の流量比率(乾き度)に依らず温度が一意に決まる冷媒である場合には、つぎのように目標値SH1が決定される。すなわち、蓄熱用熱交換器20aの入口から出口までの圧力損失に伴う温度降下を2[deg]、蓄熱用熱交換器20aの蒸気側出口での冷媒の過熱度を3[deg]とすると、目標値SH1=3−2=1[deg]に決定される。この決定方法は、R410A等のフロン系擬似共沸冷媒等のように、ある圧力下での気液二相状態において、乾き度が大きくなるにつれ温度が微少に上昇するが、飽和液と飽和蒸気とで温度差が0.1℃前後でほぼ同一と見なせる冷媒の場合にも同様である。
【0049】
一方、R407C、R407E等のフロン系非共沸混合冷媒などのように、ある圧力下での気液二相状態において、乾き度が大きくなるにつれて温度が上昇し、飽和液と飽和蒸気とで温度差が数℃となる冷媒の場合は、この飽和液から飽和蒸気までの温度上昇分Tgr[deg]を考慮に入れて、目標値SH1を決定することが好ましい。たとえば、蓄熱用熱交換器20aの入口から出口までの圧力損失に伴う温度降下を2[deg]、蓄熱用熱交換器20aの蒸気側出口での冷媒の過熱度を3[deg]、飽和液から飽和蒸気までの温度上昇分Tgr=5[deg]とすると、目標値SH1=3−2+5=6[deg]となる。
【0050】
(蓄熱利用冷却運転(液冷媒ポンプ22))
つぎに、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転について説明する。この運転は、主として、蓄熱槽20の蓄熱量が十分ある場合であって、消費電力のピークをカットすることが必要な時間帯、たとえば、夏季昼間の13時〜15時等に行なわれるものである。この運転モードにおいては、図3に示すように、開閉弁23、26は開状態、開閉弁27は閉状態、蓄熱用減圧装置21は全開状態にそれぞれ設定される。また、四方弁11の設定は、圧縮機10による冷熱蓄熱運転と同じである。なお、室内側減圧装置31の開度については後述する。
【0051】
このような設定下において圧縮機10を停止させて液冷媒ポンプ22を運転すると、液冷媒ポンプ22から吐出された液冷媒は、液配管40、液側接続口6、液配管43、室内側減圧装置31を順次介して室内側熱交換器32に流入し、室内送風機33によって送り込まれる室内空気から吸熱して冷却を行なうと共に、自らは蒸気化する。この蒸気冷媒は、蒸気配管44、蒸気側接続口7、蒸気配管41、および、開閉弁26を順次介して蓄熱用熱交換器20aに流入し、蓄熱材20bに放熱することによって凝縮液化する。この液冷媒は、さらに蓄熱用減圧装置21、開閉弁23を順次介して液冷媒ポンプ22に戻る。このような運転によって、蓄熱を利用した冷却が行われる。
【0052】
このような蓄熱利用冷却運転における運転能力は、当然のことながら蓄熱用熱交換器20aにおける熱交換能力に大きく依存しており、この熱交換能力を向上させるためには、蓄熱用熱交換器20aの管外熱伝達率を向上させることが必要となる。すなわち、蓄熱用熱交換器20aにおける熱交換は、蒸気冷媒が蓄熱用熱交換器20aを介して蓄熱材20bを加熱することによって行われるので、十分な冷却能力を得るためには、蓄熱用熱交換器20aの管外熱伝達率を大きくする必要がある。このための構造としては種々のものが考えられるが、たとえば、蓄熱用熱交換器20aの外周部にフィンを設けて管外伝熱面積を増加させることができる。
【0053】
また、蓄熱材20bの融解初期においては、融解によって生じた水の熱伝導率によって蓄熱用熱交換器20aの管外熱伝達率がほぼ決まるため、この水の熱伝導率を向上させることによって蓄熱用熱交換器20aの管外熱伝達率を向上させてもよい。たとえば、蓄熱材20bである水の中に金属屑など熱伝導率の高い材料を混入したり、蓄熱槽20の内部に攪拌手段を設け、氷が融解してできた水に強制対流を与えてもよい。
【0054】
あるいは、図4に示すように、蓄熱槽20の内部に配管20cを設けて、この配管20cに図示しない空気ポンプを用いて空気等の気体を送り込み、配管20cに設けた気泡吹出し孔20dを通して蓄熱槽20の下方側から気泡20eを吹き込むようにしてもよい。この場合には、吹出された気泡20eが、蓄熱用熱交換器20aの周囲に形成された氷20fと蓄熱用熱交換器20aとの間に形成される融解水に侵入し、この融解水の乱流度を促進させて管外熱伝達率を大幅に向上させることができる。
【0055】
この液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転における運転能力の調整は、室内側減圧装置31の開度を調整することによって行われる。この室内側減圧装置31の開度は、図示しない温度検出器にて測定された室内側熱交換器32の蒸気側出口温度TG1と、液側出口温度TL1との差(TG1−TL1=過熱度)が、あらかじめ設定されている室内側熱交換器32の出口過熱度SHin1に近づくように制御される。なお、室内ユニット3を高低差を設けて複数台設置した場合、下部に設置される室内側減圧装置31の入口圧力は、上部に設置される室内側減圧装置31と下部に設置される室内側減圧装置31との高低差に相当する液ヘッド分だけ上昇する。したがって、この場合の室内側減圧装置31の開度は、この圧力上昇分だけ上部の室内側減圧装置31の開度の方が大きくなるように制御すればよい。なお、出口過熱度SHin1の決定方法は、前述の目標値SH1の決定方法と同様である。
【0056】
(蓄熱利用冷却運転(圧縮機10))
つぎに、圧縮機10を用いた蓄熱利用冷却運転について説明する。この運転は、主として、蓄熱槽20の蓄熱量が十分ある場合で、消費電力のピークをカットすることが必要ない時間帯、たとえば、夏季午前中や夕方に行われるものである。この運転時においては、図3に示すように、開閉弁23、26は閉状態、開閉弁27は開状態、蓄熱用減圧装置21は全開状態に設定される。また、四方弁11の設定は圧縮機10による冷熱蓄熱運転と同じであり、室内側減圧装置31の開度は液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転と同様に調整される。
【0057】
このような設定下において圧縮機10のみを運転すると、圧縮機10から吐出された高温高圧の蒸気冷媒は、室外熱交換器12において凝縮液化され、液側接続口5、蓄熱用減圧装置21を順次介して蓄熱用熱交換器20aに流入する。ここで、液冷媒は、蓄熱材20bの氷により冷却されて低温高圧の過冷却の液冷媒となり、開閉弁27を介して室内側減圧装置31に流入して減圧され、低圧低温の二相冷媒となる。この二相冷媒は、室内側熱交換器32において室内空気から吸熱して冷却を行なうと共に、自らは蒸発して蒸気冷媒となり、蒸気配管44、41、四方弁11の第4口11dおよび第3口11cを順次介して、アキュームレータ13から圧縮機10の吸入側へ戻る。
【0058】
このように本システムにおいては、従来行なうことができなかった、圧縮機10を用いた蓄熱利用冷却運転を行なうことができる。なお、この蓄熱利用冷却運転においても、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転と同様、蓄熱用熱交換器20aの管外熱伝達率を向上させることによって運転能力を向上させることができる。
【0059】
(冷却運転(圧縮機10))
つぎに、圧縮機10を用いた通常の冷却運転について説明する。この運転は、蓄熱槽20の氷を使い切ってしまった場合や、蓄熱運転による消費電力量を抑制したい場合に行われるものである。この運転時において、開閉弁23は開状態、開閉弁26、27は閉状態、蓄熱用減圧装置21は全閉状態に設定される。また、四方弁11の設定は圧縮機10による蓄熱運転時等と同様であり、室内側減圧装置31の開度は液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転と同様に調整される。
【0060】
このような設定下において圧縮機10のみを運転すると、圧縮機10から吐出された高温高圧の蒸気冷媒は、室外熱交換器12で凝縮液化され、開閉弁23および液冷媒ポンプ22を順次介して室内側減圧装置31で減圧されて低圧低温の二相冷媒となる。この二相冷媒は、室内側熱交換器32において室内空気から吸熱して冷房を行なうと共に、自らは低温低圧の蒸気冷媒となる。この蒸気冷媒は、蒸気配管44、41、四方弁11の第4口11dおよび第3口11cを順次介して、アキュームレータ13から圧縮機10の吸入側へ戻る。
【0061】
なお、ここでは冷却運転のみを行う例を示したが、圧縮機10による冷却運転と蓄熱運転を同時に行うこともできる。このためには、開閉弁26を開状態とし、蓄熱用減圧装置21を適当な開度に制御すればよい。この場合、室内の熱負荷に応じた冷却能力が得られるように、室内側減圧装置31と蓄熱用減圧装置21の開度を制御し、残りの冷却能力を蓄熱に振り分けるようにすることもできる。
【0062】
(暖房運転(圧縮機10))
つぎに、通常の暖房運転について説明する。この運転時においては、図3に示すように、開閉弁23、26、27は先の通常の冷房運転と同様に設定される。また、室外ユニット1の四方弁11は、これまでと異なり、第1口11aと第4口11dが連通し、第2口11bと第3口11cが連通するように設定される(加熱用蒸気冷媒流路)。このように、四方弁11によって冷却用蒸気冷媒流路を加熱用蒸気冷媒流路に切り替えることができる等の理由により、従来行なうことができなかった暖房運転を行なうことができるのである。なお、ここでは、蓄熱用減圧装置は全閉状態に設定される。室内側減圧装置31の開度については後述する。
【0063】
このような設定下において圧縮機10のみを運転すると、圧縮機10で圧縮され高温高圧となった蒸気冷媒は、四方弁11の第1口11aから第4口11d、蒸気配管41、44を順次介して室内側熱交換器32に流入する。ここで、高温高圧の冷媒が室内空気に放熱して凝縮液化することにより、室内空気が加熱されて暖房が行われると共に、冷媒が中温高圧の液冷媒となる。この液冷媒は、室内側減圧装置31で減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となり、液配管43、液冷媒ポンプ22、開閉弁23を順次経て室外熱交換器12に流入する。ここで、低温低圧の気液二相冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、四方弁11の第2口11bから第3口11c、および、アキュームレータ13を順次介して圧縮機10の吸入側に戻る。
【0064】
このような暖房運転における運転能力の調整は、室内側減圧装置31の開度を調整することによって行われる。この室内側減圧装置31の開度は、圧縮機10の吐出側に設置された図示しない圧力検出器の検出圧力に対する飽和温度TC1と、室内側熱交換器32の液側出口に設置された図示しない第2の配管温度検出器の温度検出値TL1との差(TC1−TL1=過冷却度)が、あらかじめ設定されている室内側熱交換器32の出口過冷却度SCin1に近づくように制御される。また、室内側熱交換器32の出口過冷却度SCin1は、室内側熱交換器32で十分な暖房能力が得られるように10〜15℃程度に設定されることが望ましい。
【0065】
さて、これまで説明したように本システムにおいては、従来行なうことができなかった、圧縮機10を用いた蓄熱利用冷却運転や暖房運転を行なうことができる。この他、暖房運転を行なう必要がない場合には、四方弁11を省略し、単に圧縮機10の吐出口を室外熱交換器12の蒸気側に接続すると共に、圧縮機10の吸入口をアキュームレータ13を介して室内側熱交換器32の蒸気側に接続してもよい。この場合においても、圧縮機10を用いた蓄熱利用冷却運転を行なうことができる。
【0066】
あるいは、圧縮機10を用いた蓄熱利用冷却運転を行なう必要がない場合には、配管42および開閉弁27を省略してもよい。この場合においても、上記と同様に、圧縮機10を用いた冷熱蓄熱運転、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転、圧縮機10を用いた通常の冷却運転、および、圧縮機10を用いた通常の暖房運転を行なうことができる。特に、この構成では、通常の氷蓄熱空調機に液冷媒ポンプ22や開閉弁を追加するだけの簡単な構成で液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転等を行なうことができるので、システム構成の簡易化を図ることができると共に、システムコストを低減することができる。
【0067】
なお、本システムのように冷媒ポンプを設けた場合には、種々の問題が生じる可能性がある。以下では、このような問題と、これを解決するための構成について説明する。一般に、液冷媒ポンプ22の各摺動部の潤滑は、潤滑油でなく、この液冷媒ポンプ22によって搬送される液冷媒(たとえば、水)自身によって行われる。この液冷媒による潤滑効果は、その粘性に比例して大きくなるので、水に比べて1オーダー程度粘性が小さいフロン系や炭化水素系の液冷媒を搬送する場合には、潤滑効果が小さくなる。したがって、これらフロン系等の液冷媒を搬送する場合には、液冷媒ポンプ22の各摺動部に潤滑不良が生じてその摩耗の進行が速くなることがある。このような場合には、摩耗粉が冷媒流路内に混入して膨張弁が詰まったり、ひいては、圧縮機10が破損するといった問題が生じる可能性がある。
【0068】
このような問題を回避するためには、たとえば、液冷媒中の摩耗粉を除去するフィルター等の除去装置を、液冷媒ポンプ22の出口部に設置してもよい。この場合には、摩耗紛を除去することができるので、摩耗紛による液冷媒ポンプ22への悪影響を防止でき、システム全体の信頼性を向上させることができる。
【0069】
また、液冷媒ポンプ22として図2に示す如き歯車ポンプを用いた場合には、上述のように、その運転を停止していても液冷媒が通過し得る。したがって、液冷媒が通過することによって流動抵抗が生じることがある。この流動抵抗による影響は、室内側減圧装置31の開度を、液冷媒ポンプ22を設けていない場合に比べて大きくしておくことによって解消することができる。この他、ケーシング22aと歯車22b、22cとの隙間を適当に設定することによって、流動抵抗を調節することもできる。
【0070】
また、上記においては、圧縮機10のみを用いた冷却運転について説明したが、圧縮機10と共に、液冷媒ポンプ22を運転してもよい。この場合には、液冷媒ポンプ22を液冷媒が通過する際の流動抵抗を低減することができるので、室内側減圧装置31の開度を通常の圧縮機10による冷却運転と同様に行うことができる。
【0071】
つぎに、キャビテーションの発生防止等に関する構成上の特徴について説明する。一般に、液冷媒ポンプ22の運転時に循環する冷媒の量は、圧縮機10の運転時の量に比べて多くなる。このような量の差異を吸収するために、本システムにはアキュームレータ13が設けられている。すなわち、圧縮機10の運転時には、アキュームレータ13に余剰冷媒が貯溜され、液冷媒ポンプ22の運転時には、アキュームレータ13から冷媒が補充される。このような構成によれば、液冷媒ポンプ22の運転時と、圧縮機10の運転時のいずれにおいても、最適な量の冷媒を循環させることができ、システム効率を高めることができる。
【0072】
しかしながら、このように単にアキュームレータ13を設けた場合においては、冷媒量の最適化が図れない場合がある。すなわち、圧縮機10の運転から液冷媒ポンプ22の運転への切り替えを単に弁の開閉によって行った場合には、アキュームレータ13に貯溜された余剰冷媒がスムーズに供給されないため、液冷媒ポンプ22の運転時には冷媒の量が不足するおそれがあった。この場合には、液冷媒ポンプ22に流入する冷媒が二相冷媒となって所定の冷却能力が得られなくなったり、あるいは、液冷媒ポンプ22の内部でキャビテーションが発生して液冷媒ポンプ22が破損等する可能性がある。このキャビテーションとは、周知のように、流動する液中に気体があらわれて空洞を作る現象であり、一般に音響や振動がこれに伴ない、ポンプ効率を低下させるために好ましくないものである。
【0073】
そこで、本実施の形態では、このようなキャビテーションの発生等を防止するため、圧縮機10の運転から液冷媒ポンプ22の運転への切り替えを行う場合、たとえば、圧縮機10による冷熱蓄熱運転から液冷媒ポンプ22による蓄熱利用冷却運転への切り替えを行う場合に、蓄熱用減圧装置21または室内側減圧装置31の開度を小さくなるように制御し、アキュームレータ13に貯溜された余剰冷媒を回収する冷媒回収運転を行うようにしている。このような冷媒回収運転を行うことにより、液冷媒ポンプ22を用いる運転時に液冷媒ポンプ22に対して確実に液冷媒が供給される状態となり、冷媒量不足を生じることのない安定した液冷媒ポンプ22の運転を行うことができる。
【0074】
実施の形態2.
図6は、この発明にかかる実施の形態2における蓄熱式冷凍システムを示す構成図である。本実施の形態は概略的に、実施の形態1の構成に対して、蓄熱ユニットを2台に分散配置すると共に、図1の配管42や開閉弁27を省略して構成されている。なお、特に説明なき構成は上述した実施の形態1と同じであり、同じ構成を同符号にて示す。
【0075】
本システムにおいて、2台の蓄熱ユニット2A、2Bは、図示の如く、分岐点8a〜8dにおいて室外ユニット1および室内ユニット3と接続されている。このシステムにおいて、基本的には、実施の形態1において配管42および開閉弁27を省略した場合と同様に、圧縮機10を用いた冷熱蓄熱運転、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転、圧縮機10を用いた通常の冷却運転、および、圧縮機10を用いた通常の暖房運転を行なうことができる。
【0076】
特に、本システムにおいては、蓄熱ユニット2A、2Bを分散配置しているので、実施の形態1とは異なる利点を有する。以下、この利点について説明する。まず、室内ユニット3を大型化した場合等には、室内ユニット3の全熱負荷が大きくなるため、当然のことながら蓄熱ユニット2の熱処理能力を大きくする必要がある。具体的には、この蓄熱ユニット2を構成している液冷媒ポンプ22や蓄熱槽20をそれぞれ大型化する必要がある。しかしながら、この場合には、蓄熱ユニット2が全体としても大型化し、その重量が増大するために好ましくない。
【0077】
このように蓄熱ユニット2が大型化すると、その設置スペースが確保し難くなるためにシステムの普及を図る上での妨げになる。特に、既設の空調設備をリニューアルするために本システムを導入するような場合には、設置スペースが既に固定化されているために、設置が一層困難になると共に、設置面の重量強度上の制限等からも導入が困難となる場合がある。また、設置できた場合であっても、蓄熱ユニット2の内部で何らかの故障が生じたような場合には、この蓄熱ユニット2の運転が不能となることによって、システム全体の空調運転が停止されるという不具合も生じる。
【0078】
そこで、本実施の形態では、上述のように蓄熱ユニット2A、2Bを分散して構成することで、各蓄熱ユニット2A、2Bをそれぞれ小型化することを可能としている。この場合には、蓄熱ユニット2A、2Bの設置スペースが小さくなるので、たとえば、各蓄熱ユニット2A、2Bをビル内の別個のフロアに設置すること等が可能となり、また、設置面に対する重量負荷を低減することができる。また、蓄熱ユニット2A、2Bの各部に何らかの不具合が生じた場合にも、当該蓄熱ユニット2A、2Bのみを停止してシステム全体の運転を継続することができる等、信頼性の高い蓄熱式冷凍システムを構成することができる。
なお、本実施の形態では、2台の蓄熱ユニット2に対して室外ユニット1と室内ユニット3がそれぞれ1台接続されている例を示したが、室外ユニット1および室内ユニット3が複数台設置される構成としてもよい。
【0079】
実施の形態3.
図6は、この発明にかかる実施の形態3における蓄熱式冷凍システムを示す構成図である。本実施の形態は概略的に、実施の形態1の構成に対して、図1の配管42や開閉弁23、27を省略すると共に、液冷媒ポンプの吐出方向を切り替えるためのブリッジ経路を備えた蓄熱式冷凍システムに関するものである。なお、特に説明なき構成は上述した実施の形態1と同じであり、同じ構成を同符号にて示す。
【0080】
図6において蓄熱ユニット2には、開閉弁28a〜28dから図示の如く構成されるブリッジ経路(液冷媒流路切り替え手段)28が備えられており、その内部に液冷媒ポンプ22が配置されている。このシステムにおいて、基本的には、実施の形態1において配管42および開閉弁27を省略した場合と同様に、圧縮機10を用いた冷熱蓄熱運転、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転、圧縮機10を用いた通常の冷却運転、および、圧縮機10を用いた通常の暖房運転を行なうことができる。
【0081】
すなわち、本システムにおいては、図1の開閉弁23も省略されているが、この開閉弁23の開状態は、開閉弁28c、28aを開状態、開閉弁28b、28dを閉状態に設定することにより達成することができる(冷却用液冷媒流路)。また、開閉弁23の閉状態は開閉弁28b、28cを閉状態に設定することで達成できる。したがって、これら圧縮機10を用いた冷熱蓄熱運転、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転、圧縮機10を用いた通常の冷却運転、および、圧縮機10を用いた通常の暖房運転については、実施の形態1と同様の弁設定および減圧装置の開度調整を行なうことで運転を行なうことができるため、その説明を省略する。なお、当然のことながら、蓄熱用熱交換器20aの蒸気側の端と開閉弁26との間と、液配管40中における液側接続口6とブリッジ経路28との間とを、開閉弁を介して配管で接続すれば、さらに実施の形態1と同様に圧縮機10による蓄熱利用冷却運転を行うことができる。
【0082】
さらに、本システムにおいては、圧縮機10を用いた温熱蓄熱運転を行なうことができ、さらに、ブリッジ経路28を用いて液冷媒ポンプ22の吐出方向をこれまでとは逆方向に切り替えることにより、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用暖房運転を行なうことができる。すなわち、開閉弁28d、28bを開状態、開閉弁28a、28cを閉状態に設定することにより(加熱用液冷媒流路)、吐出方向を反転させることができる。
【0083】
なお、正確には、実施の形態1においても温熱蓄熱運転は可能であったが、蓄熱利用暖房運転を行なうことができなかったので、実質的に温熱蓄熱運転も利用不可能となっていたものである。以下、これら温熱蓄熱運転と蓄熱利用暖房運転について説明する。
【0084】
(温熱蓄熱運転(圧縮機10))
この圧縮機10を用いた温熱蓄熱運転は、冬季暖房期間で主に夜間電力を利用して温熱を蓄えるために行われる。この運転モードにおいては、室外ユニット1の四方弁11は加熱用蒸気冷媒流路に設定され、蓄熱ユニット2の開閉弁26は開状態、開閉弁28b、28cは閉状態、室内ユニット3の室内側減圧装置31は全閉状態に設定される。なお、蓄熱用減圧装置21の開度調整は、実施の形態1で示した暖房運転時における室内側減圧装置31の開度調整と同様である。
【0085】
このような設定下において圧縮機10のみを運転させると、この圧縮機10で圧縮された冷媒は、四方弁11の第1口11aから第4口11dを経て、蒸気配管41、開閉弁26を通って蓄熱用熱交換器20aに流入し、蓄熱材20bに放熱して凝縮液化する。このとき、蓄熱材20bは加熱されてたとえば温水となり温熱を蓄える。この凝縮液化した中温高圧の液冷媒は、蓄熱用減圧装置21で減圧されて低温低圧の二相冷媒となり、室外熱交換器12に流入して室外空気から吸熱し蒸気化する。この低温低圧の蒸気冷媒は、四方弁11の第2口11bから第3口11c、アキュームレータ13を経て圧縮機10に戻る。このような運転によれば、蓄熱材20bに温熱を蓄熱することができる。
【0086】
(蓄熱利用暖房運転(液冷媒ポンプ22))
つぎに、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用暖房運転について説明する。この運転モードでは、開閉弁26は開状態、ブリッジ経路28は加熱用液冷媒流路、蓄熱用減圧装置21は全開状態に設定される。なお、室内側減圧装置31の開度調整は、実施の形態1の暖房運転時と同様に行なうことができる。
【0087】
このような設定下において液冷媒ポンプ22のみを運転させると、この液冷媒ポンプ22から吐出された液冷媒は、開閉弁28b、蓄熱用減圧装置21を順次介して蓄熱用熱交換器20aに流入し、蓄熱材20bから吸熱して蒸気化する。この蒸気冷媒は、開閉弁26、蒸気配管41、蒸気側接続口7、蒸気配管44を順次介して室内側熱交換器32に流入し、室内空気に放熱して暖房を行うと共に、自らは凝縮液化して液冷媒となる。この液冷媒は、室内側減圧装置31で若干減圧された後、液配管43、40、開閉弁28dを順次介して液冷媒ポンプ22に戻る。このような運転によれば、蓄熱材20bに蓄熱された温熱を利用して暖房を行なうことができる。
【0088】
さて、これまで説明したように本実施の形態によれば、通常の氷蓄熱空調機に液冷媒ポンプ22を含むブリッジ経路28を追加するだけの簡単な構成で、冷熱蓄熱や蓄熱利用冷房のみならず、温熱蓄熱や蓄熱利用暖房を行なうことができ、電力需要がピークを迎える夏季昼間や冬季昼間の時間帯において電力のピークカットができるという効果がある。また、冷却および暖房のピークカットを1台の液冷媒ポンプ22で行うことができ、安価で簡易な冷媒経路を構成することができる。
【0089】
実施の形態4.
図7は、この発明にかかる実施の形態4における蓄熱式冷凍システムを示す構成図である。本実施の形態は概略的に、実施の形態3の基本構成に対して、ブリッジ経路に代えて四方弁を設け、さらに、液冷媒ポンプの回転制御を自動で行うようにした蓄熱式冷凍システムに関するものである。なお、特に説明なき構成は上述した実施の形態1、3と同じであり、同じ構成を同符号にて示す。
【0090】
図7において蓄熱ユニット2には、図示の如く四方弁(液冷媒流路切り替え手段)29が備えられている。また、液配管40における蓄熱用減圧装置21との接続部と四方弁29との間には開閉弁50、同接続部と液側接続口5との間には開閉弁51が設けられている。さらに、液冷媒ポンプ22の流入側には、液溜め容器52、圧力検出部(圧力検出手段)53、および、第3の蓄熱側温度検出器(温度検出手段)54が図示のように順次接続されており、また、演算部(演算手段)55が図示の如く設けられている。この演算部55は、圧力検出部53にて検出された圧力と、第3の蓄熱側温度検出器54にて検出された温度に基づいて、液冷媒ポンプ22の目標回転数を演算する。
【0091】
このように構成されたシステムにおいて、基本的には、実施の形態3と同様の運転を行なうことができる。すなわち、四方弁29の第2口29bと第3口29cと、第1口29aと第4口29dをそれぞれ連通させた状態に設定することにより、冷却用液冷媒流路を構成することができる。また、四方弁29の第1口29aと第2口29b、第3口29cと第4口29dをそれぞれ連通させた状態に設定することにより、加熱用液冷媒流路を構成することができる。さらに、開閉弁50を閉状態にすることにより、開閉弁28b、28cを閉状態にしたのと同様の状態を達成することができる(なお、開閉弁51の開閉設定については後述する)。
【0092】
したがって、圧縮機10を用いた冷熱蓄熱運転、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転、圧縮機10を用いた通常の冷却運転、および、圧縮機10を用いた通常の暖房運転に加えて、圧縮機10を用いた温熱蓄熱運転、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用暖房運転を行なうことができる。
【0093】
このようにブリッジ経路の代わりに四方弁29を用いた場合には、ブリッジ経路を用いた場合に比べて開閉弁の数を低減することができ、一層安価で簡素な冷媒経路を構成することができる。なお、四方弁29としては、たとえば、流路を切り換えるために液冷媒ポンプ22の吐出圧力と吸入圧力との圧力差を利用するパイロット式の四方弁を用いてもよく、あるいは、流路の切り換えに必要な圧力差が小さい場合には、ロータリー式の四方弁を用いることもできる。
【0094】
これまで説明した点の他、本システムは、他の実施の形態とは異なる種々の構成上の特徴を有する。以下、この点について説明する。まず、上述した実施の形態1〜3では、蓄熱用熱交換器20aおよび液冷媒ポンプ22と、液側接続口5とが単に連通するように接続されていた。したがって、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転時には、蓄熱用熱交換器20aで凝縮液化した液冷媒が液側接続口5を介して室外ユニット1に流入する可能性があり、また、液冷媒ポンプ22を用いた暖房運転時には、液冷媒ポンプ22から吐出された液冷媒が液側接続口5を介して室外ユニット1に流入する可能性があった。したがって、この流入分を補うために、システム内に冷媒を余計に充填しておく必要があった。
【0095】
これに対して本実施の形態においては、上述のように開閉弁51を設けており、この開閉弁51を開閉させることによって、液冷媒の室外ユニット1への流入を防止することができる。すなわち、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却時および暖房運転時には、この開閉弁51を閉状態に設定し、他の運転時にのみ開状態に設定することにより、液冷媒が室外ユニット1に流入する可能性がなくなり、冷媒を余計に充填する必要がない。したがって、本システムを一層安定的に運用することができる。なお、このような液冷媒の流入防止構造は、他の実施の形態においても同様に適用できるものである。
【0096】
つぎに、キャビテーションの発生防止等に関する構成上の特徴について説明する。実施の形態1の説明で述べたように、本システムにおいては、アキュームレータ13を設けて余剰冷媒を貯溜可能としていると共に、圧縮機10運転から液冷媒ポンプ22運転への切り替えを行う場合には、蓄熱用減圧装置21または室内側減圧装置31の開度を小さくなるように制御し、アキュームレータ13に貯溜された余剰冷媒を回収する冷媒回収運転を行って、冷媒量不足が生じること防止している。
【0097】
これに加えて本システムにおいては、液冷媒ポンプ22の流入部に液溜め容器52を設けている。この液溜め容器52には余剰冷媒が常時貯溜されるので、冷媒回収運転が不十分である場合や、過渡的に冷媒量不足が生じた場合には、この液溜め容器52に貯溜された液冷媒が液冷媒ポンプ22に供給される。したがって、液冷媒を液冷媒ポンプ22に確実に供給することができ、安定した液冷媒ポンプ22の運転を行うことができる。
【0098】
このように本システムにおいては、冷媒量不足が生じることを防止することにより、キャビテーションの発生等を防止している。しかしながら、このような種々の対策を講じていても、悪条件が重なることによってキャビテーションが発生してしまう可能性は残ってしまう。このため、本システムにおいては、キャビテーションが発生した場合においても、その影響を最小限に留めるためのシステム上の工夫が施されている。
【0099】
具体的には、キャビテーションが発生することによって信頼性が低下する液冷媒ポンプ22か否かにより、異なる2通りの対策が講じられている。すなわち、キャビテーションが液冷媒ポンプ22に与える影響は、液冷媒ポンプ22の形式によって異なり、キャビテーションが生じた場合には騒音・振動発生や腐食促進等の問題が生じてしまうポンプと、このような問題は生じないものの、冷媒が二相状態となるために吐出流量が低下するポンプに大別される。そこで、本システムにおいては、このようなポンプの特性に応じて、異なる対策を施している。
【0100】
具体的には、液冷媒ポンプ22の吸込側において、第3の蓄熱側温度検出器54にて検出された温度と、圧力検出部53にて検出された圧力に基づいて、液冷媒ポンプ22の吸込み口の過冷却度SCpinが演算部55において演算される。この過冷却度SCpinは、第3の蓄熱側温度検出器54による検知温度をTpin、圧力検出部53による検知圧力に相当する飽和液温度をTspinとすると、SCpin=Tspin−Tpinで表される。このように過冷却度SCpinが演算されると、この過冷却度SCpinに基づいて演算部55にて目標回転数が演算され、その回転数となるように液冷媒ポンプ22の回転数が制御される。
【0101】
たとえば、過冷却度SCpinが5℃以下となった場合、キャビテーションによる影響が小さい液冷媒ポンプ22の場合には、目標回転数を増加させることにより冷媒流量を増加させて、冷却能力を回復させる。また、キャビテーションに対して前記のような問題の生じる液冷媒ポンプ22の場合、目標回転数を減少させてSCpinを回復させることによりキャビテーションの発生を抑制する。
【0102】
このように本システムにおいては、液冷媒ポンプ22の状況とその特性に応じて回転数を調整することにより、キャビテーションによる影響を低減することができる。なお、このような回転数の調整システムは、他の実施の形態においても同様に適用することができる。
【0103】
実施の形態5.
図8は、この発明にかかる実施の形態5における蓄熱式冷凍システムを示す構成図である。本実施の形態は概略的に、実施の形態3の基本構成に対して、圧縮機10による空調運転の冷媒経路(一次側サイクル)と、液冷媒ポンプ22による空調運転の冷媒経路(二次側サイクル)とを相互に切り離し、これら両サイクル間における熱交換を中間熱交換器を介して行なう蓄熱式冷凍システムに関するものである。なお、特に説明なき構成は上述した実施の形態3と同じであり、同じ構成を同符号にて示す。
【0104】
図8に示すように、本システムは、蓄熱槽20の一端が蒸気側接続口4に直接接続されており、この蓄熱槽20からは蓄熱材20bが蓄熱材搬送ポンプ60によって外部に循環されている。そして、この循環経路の一部は、中間熱交換器61に引き込まれている。また、蒸気側接続口7とブリッジ経路28が直接接続されており、この接続経路の一部は、中間熱交換器61に引き込まれている。そして、この中間熱交換器61を介して、一次側サイクルにおける蓄熱材20bと、二次側サイクルにおける冷媒とが相互に熱交換可能となっている。
【0105】
先に説明した実施の形態1〜3では、一次側サイクルと二次側サイクルとが相互に連通されており、液冷媒ポンプ22による冷却運転時や暖房運転時に必要な空調能力が得られない場合、液冷媒ポンプ22に加えて圧縮機10を用いたバックアップ運転を行うことが可能である。これに対して、本実施の形態では、一次側サイクルと二次側サイクルとが切り離されており、上記のようなバックアップ運転は行なうことができないが、二次側サイクルのみで冷却や暖房を行なうことが可能となっている。このような分離型の冷媒経路構成は、たとえば、蓄熱槽20あるいは蓄熱用熱交換器20aの伝熱面積が十分に大きく、液冷媒ポンプ22による空調運転のみで必要な空調負荷が十分まかなえる場合に適したものである。
【0106】
このように構成された本システムにおける運転動作について説明する。本システムの運転モードとしては、少なくとも、圧縮機による冷熱蓄熱運転、液冷媒ポンプによる蓄熱利用冷房運転、圧縮機による温熱蓄熱運転、液冷媒ポンプによる蓄熱利用暖房運転の4つのモードがあり、これらを相互に切り替えて運転を行なうことができる。なお、各運転動作において、四方弁11やブリッジ経路28の開閉設定、および、蓄熱用減圧装置21や室内側減圧装置31の開度調整は、特に説明なき場合を除いて、実施の形態3の対応する運転動作と同じである。
【0107】
(冷熱蓄熱運転(圧縮機10))
まず、圧縮機10を用いた冷熱蓄熱運転について説明する。まず、圧縮機10のみが運転されると、この圧縮機10で圧縮された蒸気冷媒は、四方弁の第1口11aから第2口11bを経て室外熱交換器12に流入し、室外空気へ放熱して液冷媒となる。この液冷媒は、液側接続口5を経て蓄熱用減圧装置21で減圧されて二相冷媒となり、蓄熱用熱交換器20aに流入して蓄熱槽20に冷熱を蓄えると共に、自らは蒸気化する。この蒸発冷媒は、蒸気側接続口4、四方弁の第4口11dから第3口11c、アキュームレータ13を順次介して圧縮機10の吸入側に戻る。
【0108】
(蓄熱利用冷却運転(液冷媒ポンプ22))
つぎに、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転について説明する。まず、液冷媒ポンプ22のみが運転されると、この液冷媒ポンプ22から吐出された液冷媒は、開閉弁28a、液側接続口6、液配管43、室内側減圧装置31を順次介して室内側熱交換器32に流入し、室内空気から吸熱して冷却を行なうと共に、自らは蒸発する。この蒸気冷媒は、蒸気配管44および蒸気側接続口7を介して中間熱交換器61に流入し、蓄熱材搬送ポンプ60によって蓄熱槽20から送られる蓄熱材20bに放熱して凝縮液化し、開閉弁28cを介して液冷媒ポンプ22に戻る。
【0109】
(温熱蓄熱運転(圧縮機10))
つぎに、圧縮機10を用いた温熱蓄熱運転について説明する。まず、圧縮機10のみが運転されると、この圧縮機10にて圧縮された蒸気冷媒は、四方弁の第1口11aから第4口11dを介して蓄熱用熱交換器20aに流入し、蓄熱材20bへ放熱して温熱を蓄えると共に、自らは凝縮液化する。この液冷媒は、蓄熱用減圧装置21で減圧され気液二相冷媒となり、さらに室外熱交換器12へ流入して室外空気から吸熱して蒸発する。この低温低圧の蒸気冷媒は、四方弁の第3口11cから第2口11b、およびアキュームレータ13を順次介して圧縮機10に戻る。
【0110】
(蓄熱利用暖房運転(液冷媒ポンプ22))
つぎに、液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用暖房運転について説明する。まず、液冷媒ポンプ22のみが運転されると、この液冷媒ポンプ22から吐出された液冷媒は、開閉弁28bを介して中間熱交換器61に流入し、蓄熱材20bから吸熱して蒸気化する。この蒸気冷媒は、蒸気側接続口7、蒸気配管44を順次介して室内側熱交換器32に流入し、室内空気へ放熱して暖房を行うと共に、自らは液化する。この液冷媒は、室内側減圧装置31で若干減圧され、液配管43、液側接続口6、開閉弁28dを順次介して液冷媒ポンプ22に戻る。
【0111】
さて、これまで説明したように本実施の形態のシステムでは、圧縮機10を用いる一次側サイクルと、液冷媒ポンプ22を用いる二次側サイクルとに冷媒経路を分離し、二次側サイクルのみで室内を冷却あるいは暖房することができる構成としたため、電力需要がピークを迎える夏季あるいは冬季昼間の時間帯に電力のピークカットができるという効果がある。
【0112】
さらに、このような分離型のシステムにおいては、実施の形態1〜4の如き一体型のシステムにない利点を有する。たとえば、実施の形態1においては、フロン系の冷媒や炭化水素系などの自然冷媒を用いた場合には、潤滑効果が小さいために液冷媒ポンプ22が摩耗し、摩耗紛が圧縮機10に流入してこの圧縮機10が破損等するといった現象が生じる。
【0113】
これに対して、本実施の形態では、一次側の冷媒経路と二次側の冷媒経路とが分離されているので、液冷媒ポンプ22で摩耗粉が発生してもこれが一次側に混入することがないため、圧縮機10が破損等することを防止することができる。したがって、液冷媒ポンプ22の出口部に摩耗粉を捕捉するフィルターを設置する必要がなくなるとともに、一層信頼性の高い蓄熱式冷凍システムを構築することができる。
【0114】
また、冷媒を、R22からR407Cなどの代替冷媒や、HC系の自然冷媒等へ交換する場合、一体型のシステムにおいては、圧縮機10の内部の潤滑油が室内ユニット3の方へも流入しているので、この室内ユニット3の配管洗浄等を行なう必要がある。これに対して本実施の形態では、二次側サイクルに圧縮機10がなく潤滑油を必要としないため、冷媒を入れ換えるだけて良く、冷媒交換に伴う配管洗浄などの作業が省略できる。従って、冷媒交換や空調機のリニューアル時には、ハードウェアの交換は室外ユニット1のみで良く、室内ユニット3の配管洗浄が必要ないリニューアル性の高い空調機を得ることができる。
【0115】
実施の形態6.
図9は、この発明にかかる実施の形態6における蓄熱式冷凍システムを示す構成図である。本実施の形態は概略的に、実施の形態5のシステムに対して、ブリッジ経路を四方弁に置換しており、また、液冷媒ポンプの冷媒流入側に液溜め容器を設けて構成されている。なお、特に説明なき構成は上述した実施の形態4、5と同じであり、同じ構成を同符号にて示す。
【0116】
本システムにおいては、ブリッジ経路を四方弁29にて置換している。したがって、実施の形態3のブリッジ経路28を実施の形態4において四方弁29にて置換したのと同様に、安価で簡素な冷媒経路構成を構成することができるという効果を奏する。また、液冷媒ポンプ22の冷媒流入側に液溜め容器52を設けたので、実施の形態4と同様に、液冷媒ポンプ22に対して液冷媒を確実に供給でき、液冷媒ポンプ22におけるキャビテーションの発生を防止でき、一層信頼性の高い蓄熱式空調機を構築することができるという効果を奏する。その他、運転モードの種類や、各運転モード下での運転条件等については実施の形態4、5と同様であるため、その説明を省略する。
【0117】
実施の形態7.
図10は、この発明にかかる実施の形態7における蓄熱式冷凍システムを示す構成図である。本システムは、実施の形態6のシステムに対して、分散配置された蓄熱ユニット2A、2Bと室内ユニット3A、3Bを備え、また、液冷媒ポンプ22の冷媒流入側に設けていた液溜め容器を省略したシステムにかかるものである。なお、特に説明なき構成は上述した実施の形態6と同じであり、同じ構成を同符号にて示すこととし、その構成や動作に関する説明は省略する。
【0118】
このように蓄熱ユニット2A、2Bを分散配置することの利点について説明する。この利点は、基本的には、実施の形態2で説明した利点と同様である。すなわち、本システムのように複数台の室内ユニット3A、3Bを設けた場合には、単体の場合に比べて全熱負荷が大きくなるため、蓄熱ユニット2を大型化する必要がある。特に、本システムでは、一次側サイクルと二次側サイクルとが相互に分離されており、液冷媒ポンプ22の蓄熱利用運転のみで冷却および暖房の全負荷をまかなう必要があるため、蓄熱槽20を大型化する必要があり、蓄熱ユニット2が一層大型化する。
【0119】
このように蓄熱ユニット2が大型化することは上述のように好ましくないため、本システムにおいては、上述のように分散配置された蓄熱ユニット2A、2Bを設けることで、設置面に対する重量負荷を低減でき、また、システム全体の信頼性を向上させることができる。なお、本実施の形態では、2台の蓄熱ユニット2のそれぞれに対して室内ユニット3および室外ユニット1がそれぞれ1台接続されている例を示したが、各蓄熱ユニット2に複数の室内ユニット3や複数の室外ユニット1を設置してもよい。
【0120】
実施の形態8.
図11は、この発明にかかる実施の形態8における蓄熱式冷凍システムの構成図である。本システムは概略的に、各ユニットを複数設けて複数の蓄熱冷凍サイクル系統を構成した蓄熱式冷凍サイクルにかかるものである。なお、特に説明なき構成は上述した実施の形態5と同じであり、同じ構成を同符号にて示すこととし、その構成や動作に関する説明は省略する。
【0121】
この図11に示すように、本実施の形態におけるシステムは、それぞれ複数の室外ユニット1A、1B、蓄熱ユニット2A、2B、および、室内ユニット群3A、3Bを備えて構成されている。この各室内ユニット群3A、3Bには、それぞれ複数の室内ユニット3が設けられている。そして、蓄熱ユニット2A、2Bと室内ユニット群3A、3Bとの間には、系統間熱交換ユニット9が配置されており、この系統間熱交換ユニット9を介して熱交換が可能となっている。
【0122】
このような構成において、室外ユニット1A、蓄熱ユニット2A、および、室内ユニット群3Aによって、第1の蓄熱冷凍サイクル系統が構成されており、室外ユニット1B、蓄熱ユニット2B、および、室内ユニット群3Bによって、第2の蓄熱冷凍サイクル系統が構成されている。本システムにおいては、このように第1の蓄熱冷凍サイクル系統と第2の蓄熱冷凍サイクル系統を設けているので、室外ユニット1Aや蓄熱ユニット2Aを、室外ユニット1Bや蓄熱ユニット2Bとは離れた位置に設置することができる。たとえば、室外ユニット1Aと第1の蓄熱ユニット2Aをビルの上方階に設置し、室外ユニット1Bと第2の蓄熱ユニット2Bをビルの下方階に設置することができる。
【0123】
つぎに、系統間熱交換ユニット9の構成について説明する。この系統間熱交換ユニット9には、中間熱交換器61が2個設置されている。すなわち、実施の形態5〜7における図8〜10に示したシステムにおいては、蓄熱ユニット2に中間熱交換器61を配置していたが、本システムにおいては、系統間熱交換ユニット9に中間熱交換器61が配置されている。そして、これら中間熱交換器61の蓄熱材入口部62は、蓄熱材搬送ポンプ60および開閉弁63A、63Bを介して蓄熱ユニット2A、2Bの両方に接続されている。また、中間熱交換器61の蓄熱材出口部64は、開閉弁65A、65Bを介して蓄熱ユニット2A、2Bの両方に接続されている。
【0124】
なお、図11においては、蓄熱材搬送ポンプ60が、蓄熱ユニット2A、2Bから送出される蓄熱材合流部66と蓄熱材分岐部67との間に1個設置される例を示しているが、その位置については、蓄熱材合流部66と開閉弁63A、63Bの間や、蓄熱材分岐部67と二つの中間熱交換器61の蓄熱材入口部62との間に配置してもよく、また、一つに限らず複数個を並列または直列に設置してもよい。
【0125】
このように構成された本システムにおける運転動作について説明する。ただし、基本的な運転モードおよび運転条件の設定、および液冷媒ポンプ22を用いた蓄熱利用冷却運転および暖房運転の動作については、実施の形態5〜7と同様であるためその説明を省略する。以下においては、夏季昼間の冷却負荷ピーク時に、ビルの上方階の冷却負荷が、下方階の冷却負荷に比べて大きい場合の運転動作について説明する。なお、室外ユニット1Aと第1の蓄熱ユニット2Aがビルの上方階、室外ユニット1Bと第2の蓄熱ユニット2Bがビルの下方階に設置されているものとする。
【0126】
一般に、第1の蓄熱冷凍サイクル系統と、第2の蓄熱冷凍サイクル系統が相互に完全に独立して設けられている場合(本実施の形態では、開閉弁63B、65Bが閉止された状態に相当する)、上方階の方が冷却負荷が大きいため、蓄熱ユニット2Aの蓄熱材20bが完全に融解して温度が比較的高くなり、中間熱交換器61での熱交換量が低下して必要な冷却能力が得られなくなるという事態が発生する。しかしながら、下方階では上方階よりも冷却負荷が小さいため、蓄熱ユニット2Bの蓄熱槽20には十分な氷が残されたままの状態でその日の運転が終了する。つまり、二つの蓄熱冷凍サイクル系統の蓄熱槽20の蓄熱量が相互に不均等な状態となるため、システム全体としての運転効率が低下し、エネルギー的な損失が生じると共に、ランニングコストの増大を引き起こす結果になる。
【0127】
このため本システムにおいては、開閉弁63A、63B、65A、65Bを用いることにより、両サイクル系統の相互間で蓄熱量を均等に効率よく運用できるようにしている。たとえば、上記のように上方階の方が冷却負荷が大きい状況下では、開閉弁63A、65Aを閉状態、開閉弁63B、65Bを開状態にそれぞれ設定することにより、第1の蓄熱ユニット2で不足した冷熱を第2の蓄熱ユニット2の蓄熱槽20から得ることができる。すなわち、このような弁状態では、蓄熱材搬送ポンプ60により吸入された蓄熱ユニット2Bの蓄熱材20bは、開閉弁63Bを介して中間熱交換器61に流入し、この中間熱交換器61で室内ユニット群3Aを循環する冷媒と熱交換し、開閉弁65Bを介して再び蓄熱ユニット2Bの蓄熱槽20に戻される。
【0128】
また、上述の前提とは逆に、下方階の方が冷却負荷が大きい場合には、開閉弁63B、65Bを閉状態、開閉弁63A、65Aを開状態にそれぞれ設定することにより、蓄熱ユニット2Bで不足した冷熱を蓄熱ユニット2Aの蓄熱槽20から得ることができる。なお、当然のことながら、第1の蓄熱冷凍サイクル系統の室内ユニット3等の配置位置と、第2の蓄熱冷凍サイクル系統の室内ユニット3等の配置位置との関係は、上方階や下方階に限られず、冷却負荷が相互に異なる可能性のある任意の2位置に配置することができる。
【0129】
以上のように、本実施の形態では、蓄熱ユニット2A、2Bの少なくともいずれか一方の蓄熱材20bが中間熱交換器61に供給され、この中間熱交換器61において室内ユニット群3A、3Bと熱交換できる構造としているため、システム全体としての運転効率を向上させることができると共に、各系統の蓄熱槽20の蓄熱材20bを有効に運用することができる。
【0130】
さて、これまで本発明について説明したが、本発明はその特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲において、他の異なる形態にて実施されてよいものである。以下、このような他の形態について、さらに説明する。
【0131】
まず、蓄熱材20bは水(氷)に限られず、他の任意の流体媒体を用いることができる。たとえば、蓄熱材20bは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、または、塩化カルシウム等の溶質を、水に溶かし込んだ水溶液としてもよい。この場合には、凍結温度が溶質の濃度に応じて真水の場合よりも低下するので、蓄熱運転時の蒸発温度が真水の場合に比べてさらに低下する。したがって、室内側熱交換器32における冷媒の蒸発温度が空調用の場合よりも低温であることを要求される場合、たとえば、室内ユニット3がショーケースや冷凍庫である場合には、一層多くの冷熱を蓄熱することができ、適用範囲の広い蓄熱式冷凍システムを構築することができる。
【0132】
また、上記形態では、一つの冷媒経路中に室内側熱交換器32を1台あるいは2台設けた例を示したが、3台以上設けることも可能である。その他、室外ユニット1、蓄熱ユニット2、および、室内ユニット3を任意の数だけ設け、任意の比率で接続することが可能である。また、実施の形態8では、二つの蓄熱冷凍サイクル系統を設けた場合を示したが、三つ以上の蓄熱冷凍サイクル系統を設けてもよく、この場合においても、各冷媒経路における蓄熱材20bについて、一つまたはそれ以上の中間熱交換器61によって熱交換を行うことにより、各サイクル系統の蓄熱を有効に運用することができる。
【0133】
さらに、実施の形態1〜実施の形態8では、室外熱交換器12は室外空気に放熱する例を示したが、これに限るものではなく、冷却水、河川水、海水、下水、土壌、あるいは、使用しない室内空気等、室外空気以外の任意の環境に放熱するように構成されてもよい。また同様に、室内側熱交換器32は室内空気に放熱する例を示したが、これに限るものではなく、ショーケース、保温庫、冷暖房を行ないたい室外空気等、室内空気以外の任意の環境に放熱するように構成されてもよい。
【0134】
また、実施の形態1〜実施の形態8では、冷媒の循環駆動源として液冷媒ポンプ22を設けているが、冷媒の自然循環が可能な設置環境下においては、液冷媒ポンプ22を省略してもよい。たとえば、蓄熱ユニット2と室内ユニット3との間に、冷媒が自然循環するために必要な高低差がある場合には、冷媒を自然循環させるものとして、液冷媒ポンプ22を省略することができる。
【0135】
あるいは、液冷媒ポンプ22による循環と、自然循環とのいずれかを選択可能としてもよい。たとえば、液冷媒ポンプ22の周囲、たとえば、液冷媒ポンプ22の入口側近傍位置と出口側近傍位置とを相互に接続するバイパス配管を設け、蓄熱ユニット2と室内ユニット3の設置条件に応じて、液冷媒ポンプ22の運転と自然循環運転が選択可能となるように構成してもよい。このように自然循環を用いた場合には、蓄熱式冷凍システムの消費電力を更に低減することができる。
【0136】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、少なくとも圧縮機、室外熱交換器、利用側減圧装置、および、利用側熱交換器を順次配管で接続すると共に、蓄熱用熱交換器を備える蓄熱式冷凍システムであって、室外熱交換器の液側接続口と、利用側熱交換器の液側接続口との間を、第1開閉弁および液冷媒搬送手段を順次介して接続し、蓄熱用熱交換器の一端と、利用側熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側との間とを、第2開閉弁を介して接続し、蓄熱用熱交換器の他端と、室外熱交換器の液側接続口と第1開閉弁との間とを、蓄熱用減圧装置を介して接続したものであり、このシステムによれば、従来の氷蓄熱空調機に対して液冷媒搬送手段と少数の開閉弁を設けるだけで冷熱蓄熱運転等を行なうことができるので、従来に比べて簡易な構成で蓄熱式冷凍システムを構築することができ、電力需要がピークを迎える夏季昼間の時間帯に電力のピークカットができる。
【0137】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、前記蓄熱用熱交換器の一端と第2開閉弁との間と、液冷媒搬送手段と利用側熱交換器の液側接続口との間を、第3開閉弁を介して接続したことにより、圧縮機による冷却運転および冷熱蓄熱運転と、液冷媒搬送手段による蓄熱利用冷却運転に加えて、さらに圧縮機による蓄熱利用冷却運転等を行なうことが可能となる。
【0138】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、圧縮機の吐出側と室外熱交換器の蒸気側、および、利用側熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる冷却用蒸気冷媒流路と、圧縮機の吐出側と利用側熱交換器の蒸気側、および、室外熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる加熱用蒸気冷媒流路とを、相互に切り替えるための蒸気冷媒流路切り替え手段を備えたことにより、蒸気冷媒の循環方向を切り替えることができて、さらに圧縮機による暖房運転を行なうことが可能となり、簡易な構成によって冷房および暖房の兼用システムを構築することができる。
【0139】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、室外熱交換器の液側接続口と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と利用側熱交換器の液側接続口とをそれぞれ連通させる冷却用液冷媒流路と、利用側熱交換器の液側接続口と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と室外熱交換器の液側接続口とをそれぞれ連通させる加熱用液冷媒流路とを、相互に切り替えるための液冷媒流路切り替え手段を備えたことにより、液冷媒の循環方向を切り替えることができ、さらに、温熱蓄熱および液冷媒搬送手段による蓄熱利用暖房が可能となる。このため、冷却および暖房のピークカットを1台の液冷媒搬送手段で行うことができ、安価で簡易な冷媒経路を構成することができる。
【0140】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、少なくとも圧縮機、室外熱交換器、蓄熱用減圧装置、および、蓄熱用熱交換器を順次配管で接続して構成された一次側サイクルと、少なくとも液冷媒搬送手段、利用側減圧装置、および、利用側熱交換器を順次配管で接続して構成された二次側サイクルとを備え、これら一次側サイクルと二次側サイクルとの間には、一次側サイクルの蓄熱用熱交換器の蓄熱材と、二次側サイクルの冷媒との間において、熱交換を行なうための中間熱交換器を設けたことにより、簡易な構成によって液冷媒搬送手段による蓄熱利用冷却運転が可能となるので、電力需要がピークを迎える夏季あるいは冬季昼間の時間帯に電力のピークカットができる。特に、一次側サイクルと二次側サイクルを分離しているので、二次側サイクルのみで冷却や暖房を行なうことが可能となり、小負荷時の冷暖房を効率よく行なうことができる。
【0141】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、一次側サイクルには、圧縮機の吐出側と室外熱交換器の蒸気側、および、蓄熱用熱交換器の一端と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる冷却用蒸気冷媒流路と、圧縮機の吐出側と蓄熱用熱交換器の一端、および、室外熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる加熱用蒸気冷媒流路とを、相互に切り替えるための蒸気冷媒流路切り替え手段を備えたことにより、蒸気冷媒の循環方向を切り替えることができて、さらに圧縮機による暖房運転を行なうことが可能となり、簡易な構成によって冷房および暖房の兼用システムを構築することができる。
【0142】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、二次側サイクルには、中間熱交換器と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と利用側熱交換器の液側接続口とをそれぞれ連通させる冷却用液冷媒流路と、利用側熱交換器の液側接続口と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と中間熱交換器とをそれぞれ連通させる加熱用液冷媒流路とを、相互に切り替えるための液冷媒流路切り替え手段を備えたことにより、液冷媒の循環方向を切り替えることができ、さらに、温熱蓄熱および液冷媒搬送手段による蓄熱利用暖房が可能となる。このため、冷却および暖房のピークカットを1台の液冷媒搬送手段で行うことができ、安価で簡易な冷媒経路を構成することができる。
【0143】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、液冷媒流路切り換え手段を、4つの開閉弁を開閉することによって冷却用液冷媒流路と加熱用液冷媒流路とを相互に切り替えるブリッジ経路としたことにより、4つの開閉弁を設けるだけの簡易な構成によって液冷媒の循環方向を切り替えることができる。
【0144】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、液冷媒流路切り換え手段を、四方弁としたことにより、開閉弁を用いることなく液冷媒の循環方向を切り替えることができ、ブリッジ経路を用いる場合に比べて一層簡易な構成にてシステム構成を行なうことができる。
【0145】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、少なくとも圧縮機および室外熱交換器を室外ユニット、少なくとも蓄熱用減圧装置、蓄熱用熱交換器、および、液冷媒搬送手段を蓄熱ユニット、少なくとも利用側減圧装置および利用側熱交換器を利用側ユニットとしてそれぞれ構成し、これら室外ユニット、蓄熱ユニット、または、利用側ユニットのうち、少なくともいずれか一つを複数備えたことにより、各ユニットの小型化等を図ることができ、建物内の各フロアに対する設置スペースが小さくなるとともに、建物床面に対する重量負荷を低減することができる。また、故障時等における影響範囲を狭くすることができ、信頼性の高い蓄熱式冷凍システムを構築することができる。
【0146】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、少なくとも圧縮機および室外熱交換器を室外ユニット、少なくとも蓄熱用減圧装置、蓄熱用熱交換器、および、液冷媒搬送手段を蓄熱ユニット、少なくとも利用側減圧装置および利用側熱交換器を利用側ユニットとしてそれぞれ構成し、これら室外ユニット、蓄熱ユニット、および、利用側ユニットを備える蓄熱式冷凍サイクル系統を複数系統備え、上記中間熱交換器を介して、少なくともいずれか一つの蓄熱式冷凍サイクル系統の蓄熱用熱交換器の蓄熱材と、少なくともいずれか一つの他の蓄熱式冷凍サイクル系統の利用側ユニットの冷媒との間における熱交換を可能としたことにより、複数の蓄熱式冷凍サイクル系統の相互間において蓄熱を有効に利用することができ、システム全体として運転効率を向上することができる。
【0147】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、圧縮機の吸入口の前段にアキュームレータを設け、圧縮機を用いる所定の運転から液冷媒搬送手段を用いる所定の運転への切り換え時に、アキュームレータ内の余剰冷媒を回収するよう、蓄熱用減圧装置または利用側減圧装置の開度を調整可能としたことにより、液冷媒搬送手段を用いる運転時に液冷媒搬送手段に確実に液冷媒が供給される状態となり、冷媒量不足を生じることのない安定した運転を行うことができる。
【0148】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、液冷媒搬送手段の冷媒流入側に、液溜め容器を設けたことにより、過渡的に冷媒量不足が生じた場合等にも、液冷媒搬送手段に確実に液冷媒を供給することができ、一層安定した運転を行うことができる。
【0149】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、液冷媒搬送手段による液冷媒の流量を、当該液冷媒搬送手段の冷媒流入側の近傍における液冷媒の過冷却度に基づいて制御することにより、キャビテーションが生じた場合には冷媒搬送手段を制御してこれを回避することができ、より一層安定した運転を行うことができる。
【0150】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、液冷媒搬送手段の冷媒流入側の近傍における液冷媒の温度を検知する温度検出手段と、当該冷媒流入側の近傍における液冷媒の圧力を検出する圧力検出手段と、これら温度検出手段にて検出された温度と、圧力検出手段にて検出された圧力とに基づいて、上記液冷媒の過冷却度を算出する演算手段とを備えることにより、液冷媒の過冷却度を容易に算出することができ、冷媒搬送手段におけるキャビテーションを迅速かつ容易に回避することができる。
【0151】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、冷媒の自然循環を行うために液冷媒ポンプをバイパスするバイパス配管を設けたことにより、蓄熱槽と利用側熱交換器との設置条件に応じて液冷媒搬送手段による運転と冷媒自然循環運転とを切り替えることができ、蓄熱式冷凍システムの消費電力を一層低減することができる。
【0152】
つぎの発明にかかる蓄熱式冷凍システムは、蓄熱用熱交換器の蓄熱材を、水、または、水に不凍液を混合させた水溶液としたことにより、利用温度に応じた温度で蓄熱することができ、適用範囲の広い蓄熱式冷凍システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【図2】 図1に示したシステムに用いられる歯車ポンプの構成を示す模式図である。
【図3】 図1に示したシステムの各運転モードと開閉弁等の開閉状態との関係を示す図である。
【図4】 図1に示したシステムに用いられる蓄熱槽の構成を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態3における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態4における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態5における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態6における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態7における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態8における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【図12】 従来における蓄熱式冷凍システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット、2 蓄熱ユニット、3 室内ユニット、4、7 蒸気側接続口、5、6 液側接続口、8a〜8d 分岐点、9 系統間熱交換ユニット、10 圧縮機、11、29 四方弁、12 室外熱交換器、13 アキュームレータ、14 室外送風機、20 蓄熱槽、20a 蓄熱用熱交換器、20b 蓄熱材、20c 配管、20d 気泡吹出し孔、20e 気泡、20f 氷、21蓄熱用減圧装置、22 液冷媒ポンプ、22a ケーシング、22b、22c歯車、23、26、27、28a〜28d、50、51、63A、63B、65A、65B 開閉弁、24 第1の蓄熱側温度検出器、25 第2の蓄熱側温度検出器、28 ブリッジ経路、31 室内側減圧装置、32 室内側熱交換器、33 室内送風機、40、43 液配管、41、44 蒸気配管、52 液溜め容器、53 圧力検出部、54 第3の蓄熱側温度検出器、55 演算部、60 蓄熱材搬送ポンプ、61 中間熱交換器、62 蓄熱材入口部、64 蓄熱材出口部、66 蓄熱材合流部、67 蓄熱材分岐部。

Claims (12)

  1. 少なくとも圧縮機、室外熱交換器、利用側減圧装置、および、利用側熱交換器を順次配管で接続すると共に、蓄熱用熱交換器を備える蓄熱式冷凍システムであって、
    室外熱交換器の液側接続口と、利用側熱交換器の液側接続口との間を、第1開閉弁および液冷媒搬送手段を順次介して接続し、蓄熱用熱交換器の一端と、利用側熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側との間とを、第2開閉弁を介して接続し、蓄熱用熱交換器の他端と、室外熱交換器の液側接続口と第1開閉弁との間とを、蓄熱用減圧装置を介して接続し
    室外熱交換器の液側接続口と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と利用側熱交換器の液側接続口とをそれぞれ連通させる冷却用液冷媒流路と、利用側熱交換器の液側接続口と液冷媒搬送手段の吸込口、および、液冷媒搬送手段の吐出口と室外熱交換器の液側接続口とをそれぞれ連通させる加熱用液冷媒流路とを、相互に切り替えるための液冷媒流路切り替え手段を備えたことを特徴とする蓄熱式冷凍システム。
  2. 前記蓄熱用熱交換器の一端と第2開閉弁との間と、液冷媒搬送手段と利用側熱交換器の液側接続口との間を、第3開閉弁を介して接続したことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱式冷凍システム。
  3. 圧縮機の吐出側と室外熱交換器の蒸気側、および、利用側熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる冷却用蒸気冷媒流路と、圧縮機の吐出側と利用側熱交換器の蒸気側、および、室外熱交換器の蒸気側と圧縮機の吸入側とをそれぞれ連通させる加熱用蒸気冷媒流路とを、相互に切り替えるための蒸気冷媒流路切り替え手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱式冷凍システム。
  4. 液冷媒流路切り換え手段を、4つの開閉弁を開閉することによって冷却用液冷媒流路と加熱用液冷媒流路とを相互に切り替えるブリッジ経路としたことを特徴とする請求項に記載の蓄熱式冷凍システム。
  5. 液冷媒流路切り換え手段を、四方弁としたことを特徴とする請求項に記載の蓄熱式冷凍システム。
  6. 少なくとも圧縮機および室外熱交換器を室外ユニット、少なくとも蓄熱用減圧装置、蓄熱用熱交換器、および、液冷媒搬送手段を蓄熱ユニット、少なくとも利用側減圧装置および利用側熱交換器を利用側ユニットとしてそれぞれ構成し、これら室外ユニット、蓄熱ユニット、または、利用側ユニットのうち、少なくともいずれか一つを複数備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の蓄熱式冷凍システム。
  7. 圧縮機の吸入口の前段にアキュームレータを設け、圧縮機を用いる所定の運転から液冷媒搬送手段を用いる所定の運転への切り換え時に、アキュームレータ内の余剰冷媒を回収するよう、蓄熱用減圧装置または利用側減圧装置の開度を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の蓄熱式冷凍システム。
  8. 液冷媒搬送手段の冷媒流入側に、液溜め容器を設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の蓄熱式冷凍システム。
  9. 液冷媒搬送手段による液冷媒の流量を、当該液冷媒搬送手段の冷媒流入側の近傍における液冷媒の過冷却度に基づいて制御することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の蓄熱式冷凍システム。
  10. 液冷媒搬送手段の冷媒流入側の近傍における液冷媒の温度を検知する温度検出手段と、当該冷媒流入側の近傍における液冷媒の圧力を検出する圧力検出手段と、これら温度検出手段にて検出された温度と、圧力検出手段にて検出された圧力とに基づいて、上記液冷媒の過冷却度を算出する演算手段とを備えることを特徴とする請求項に記載の蓄熱式冷凍システム。
  11. 冷媒の自然循環を行うために液冷媒ポンプをバイパスするバイパス配管を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の蓄熱式冷凍システム。
  12. 蓄熱用熱交換器の蓄熱材を、水、または、水に不凍液を混合させた水溶液としたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の蓄熱式冷凍システム。
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