これにより、第1気流発生装置による気流が、接着剤が塗布されたプレートの搬送方向と同じ方向になる。そのため、気流に乱れが生じにくくなり、プレートに塗布された接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。また、搬送体に付着したゴミが搬送体の移動に伴って気流中に漂っても、プレート積層部に積層された複数のプレートにゴミなどが付着しにくくなる。また、保持部で保持されたプレートの向きを容易に反転させることができるとともに、保持部の回動時においても気流に乱れが生じにくくなる。また、プレートの一方の面に接着剤が塗布されていても、その接着剤の塗布面が気流に直接さらされないので、接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。また、接着剤が塗布された一方の面が下方を向いているので、接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。また、気流が水平方向であるため、ゴミが舞い上がりにくくなる。
本発明において、前記保持部が、前記保持面に複数の吸引口が形成された内部通路を有していることが好ましい。これにより、保持部は、複数の吸引口がプレートにより塞がれた状態において、内部通路が減圧されることにより、プレートを吸着することができる。そのため、プレートの厚みが薄くても保持部で容易に保持することができる。
また、このとき、前記内部通路が、一以上の隔壁により互いに隔絶された複数の部屋に分けられていてもよい。これにより、内部通路の複数の部屋のうち少なくとも1つの部屋が減圧可能な状態(すなわち、1つの部屋に連通したすべての吸引口がプレートにより塞がれている状態)となるだけで、プレートを保持部で保持することが可能になる。
また、本発明において、前記保持部が前記プレートを保持しており、前記プレートが前記積層面に対して離隔及び接近する方向に前記保持部を移動させる移動手段をさらに備えていることが好ましい。これにより、複数のプレートを1枚ずつ積層していくに連れて生じる、プレート積層位置の変化に容易に対応することができる。
また、本発明において、前記保持部、前記搬送体、前記塗布装置及び前記プレート積層部を囲む第1カバーをさらに備えていることが好ましい。これにより、第1カバーによって外部からのゴミの侵入を抑制することができる。そのため、プレートにゴミなどがより付着しにくくなる。
また、このとき、前記第1カバーが、トンネル形状を有しており、前記第1気流発生装置が発生させた気流が、前記第1カバーの一方の開口から他方の開口に向かって流れていてもよい。これにより、第1カバーの延在方向が気流と同じ方向となる。そのため、装置の製造コストを低下させるとともに、装置の小型化に寄与する。つまり、第1カバーの延在方向と直交する方向に気流を生じさせようとすると、第1カバーの延在方向に沿って多数の気流発生装置を配置する必要がありコストが上昇するとともに、装置も大型化する。
また、このとき、前記第1カバーの他方の開口が、前記プレートを載せるトレイが搬入される搬入口であり、前記搬入口の近傍に前記トレイが載置されるトレイ載置部が備えられていてもよい。これにより、プレートが載置されたトレイが外部から第1カバー内に搬入されてきても、トレイ及びプレートに付着したゴミなどが、第1カバー内から排出されやすくなる。
また、このとき、前記第1カバーを囲む第2カバーと、前記2つのカバーの間の空間に前記搬送体を往復移動させるための移動機構とをさらに備えていてもよい。これにより、第1カバー内に外部からゴミなどが侵入しにくくなる。また、搬送体を往復移動させるときに移動機構からゴミが発生しても、第1カバー内にそのゴミが侵入しにくくなる。
また、このとき、空気を濾過するフィルタを有し、前記空間内に前記フィルタで清浄化させた空気からなる気流を発生させる第2気流発生装置をさらに備えていてもよい。これにより、第1カバーと第2カバーとの間の空間に外部からゴミなどが侵入しにくくなるので、第1カバー内にほとんどゴミなどが侵入しなくなる。
また、このとき、前記第2気流発生装置が発生させた気流が、前記空間内において、上方から下方に流れていてもよい。これにより、空間内のゴミが舞い上がりにくくなる。
これにより、気流と接着剤が塗布されたプレートの搬送方向とが同じ方向になる。そのため、気流に乱れが生じにくくなり、プレートに塗布された接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。また、保持部で保持されたプレートの向きを容易に反転させることができるとともに、保持部の回動時においても気流に乱れが生じにくくなる。また、プレートの一方の面に接着剤が塗布されていても、その接着剤の塗布面が気流に直接さらされないので、接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。また、接着剤が塗布された一方の面が下方を向いているので、接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。
本発明において、前記気流の方向において、前記プレート積層部より下流側に、前記接着剤が塗布される前の1又は複数のプレート載置する載置部を有し、前記塗布工程前に、前記塗布装置から前記プレート積層部に向かう方向の気流に抗して、前記プレートを保持した前記保持部を前記載置部から前記塗布装置まで搬送する前搬送工程をさらに備えていることが好ましい。これにより、プレートに付着したゴミなどが気流によって吹き飛ばされる。そのため、ほとんどゴミなどが付着していないプレートに接着剤を塗布することができる。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、ノズルが形成されたノズルプレートを含む複数のプレートが積層されたインクジェットヘッドの製造方法において、保持部に下方を向いて保持された前記プレートの一方の面に、接着剤を塗布する塗布装置により接着剤を塗布する塗布工程と、前記塗布工程後に、前記塗布装置から前記プレートが積層される積層面が下方を向くように形成されたプレート積層部に向かう水平方向の気流中において、前記プレート積層部よりも下方において前記プレートを保持した前記保持部を前記塗布装置から前記プレート積層部まで前記気流の方向に沿って搬送する主搬送工程と、前記主搬送工程後に、前記保持部が保持している前記プレートの前記一方の面が前記プレート積層部に積層された最下層にある前記プレートの下面と接するように、前記保持に保持された前記プレートを前記最下層にある前記プレートに積層する積層工程とを備えており、前記主搬送工程において、前記保持部によって保持され且つ前記接着剤が塗布された前記プレートの前記一方の面が下方を向いた状態で搬送され、前記積層工程が、前記塗布装置から前記プレート積層部に向かう方向の気流が前記プレートの前記一方の面に直接当たることなく前記プレートが上下反転するように前記保持部を回動させる回動工程を含んでいる。
これにより、気流と接着剤が塗布されたプレートの搬送方向とが同じ方向になる。そのため、気流に乱れが生じにくくなり、プレートに塗布された接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。したがって、インクジェットヘッドの歩留まりが向上するとともに、インクジェットヘッドの品質が向上する。また、保持部で保持されたプレートの向きを容易に反転させることができるとともに、保持部の回動時においても気流に乱れが生じにくくなる。また、プレートの一方の面に接着剤が塗布されていても、その接着剤の塗布面が気流に直接さらされないので、接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。また、接着剤が塗布された一方の面が下方を向いているので、接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。
本発明において、最初に行われる前記塗布工程前に、前記保持部が保持している前記ノズルプレートの一方の面が前記プレート積層部の前記積層面に接するように、前記保持部が保持している前記ノズルプレートを前記プレート積層部に吸着させる吸着工程をさらに備えていることが好ましい。これにより、インクジェットヘッドを構成する複数のプレートのうち、最外層にあるノズルプレートからプレート積層部に保持させることができ、ノズルプレートの一方の面(インク吐出面)に接着剤が付着しない。そのため、ノズルプレートのインク吐出面に撥水膜が形成されておれば、その撥水性が保持される。また、ノズルプレートに直接接着剤が塗布されないので、ノズルが接着剤によって塞がらない。
また、本発明において、前記気流の方向において、前記プレート積層部より下流側に、前記接着剤が塗布される前の前記ノズルプレートを含む複数のプレートが載置される載置部を有し、前記保持部に保持された前記プレートを前記載置部から前記塗布装置又は前記プレート積層部に向かう方向に搬送する前搬送工程をさらに備えていることが好ましい。これにより、前搬送工程において、プレートに付着したゴミなどが気流によって吹き飛ばされる。そのため、ほとんどゴミなどが付着していないプレートをプレート積層部に積層及びプレートに接着剤を塗布することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの製造方法により製造されたインクジェットヘッドの概略斜視図である。図2は、インクジェットヘッドの平面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大平面図である。図3では、説明の都合上、本来アクチュエータユニット21の陰になって見ることができないノズル8、圧力室10及びアパーチャ12が実線で示されている。アクチュエータユニット21は、二点鎖線で示されている。図1に示すように、インクジェットヘッド1は、一方向(主走査方向)に細長い略直方体形状を有している。インクジェットヘッド1は、インク流路が形成された流路ユニット4と、流路ユニット4の上面に接着された4つのアクチュエータユニット21とを有している。これら流路ユニット4及びアクチュエータユニット21は共に、複数のプレートを積層して互いに接着させた積層構造を有している。
図2及び図3に示すように、流路ユニット4は、圧力室群9を構成する多数の圧力室10やノズル8が形成されている。流路ユニット4の上面には、4つの台形のアクチュエータユニット21が千鳥状になって2列に配列されている。各アクチュエータユニット21は、その平行対向辺(上辺及び下辺)が流路ユニット4の長手方向(主走査方向)に沿うように配置されている。また、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士が、流路ユニット4の幅方向(副走査方向)にオーバーラップしている。
アクチュエータユニット21が接着される流路ユニット4の上面は、図3に示すように、ノズル8にそれぞれ連通された圧力室10がマトリクス状に複数配列されている。1つのアクチュエータユニット21の接着領域に対応して、これらの圧力室10が集合し1つの圧力室群9を構成している。また、圧力室群9に対向する流路ユニット4の下面では、圧力室10に連通するノズル8もマトリクス状に多数配列されて、1つの圧力室群9に対応した1つのインク吐出領域を形成している。
流路ユニット4内には、図3において破線で示すように、共通インク室であるマニホールド流路5及びその分岐流路である副マニホールド流路5aが形成されている。1つのインク吐出領域に対応して、4本の副マニホールド流路5aが流路ユニット4の長手方向に延在している。流路ユニット4の上面に設けられているマニホールド流路5の開口部5bは、図示しないインク流出流路と接合されている。そして、図示しないインクタンクからインク流出流路を介してインクが供給され、マニホールド流路5及び副マニホールド流路5aにインクが分配されるようになっている。また、流路ユニット4の上面には、図1に示すように、複数の微少孔が形成されたフィルタ6が開口部5bを覆うように接着されている。流路ユニット4の長手方向の両端部には、厚み方向に貫通した位置決め孔2がそれぞれ形成されている。
次に、インクジェットヘッド1の断面構造について説明する。図4は、図3のIV−IV線における部分断面図である。図5は、インクジェットヘッドの分解斜視図である。図4に示すように、ノズル8は、圧力室10及びアパーチャ12を介して副マニホールド流路5aと連通している。そして、インクジェットヘッド1には、副マニホールド流路5aの出口からアパーチャ12、圧力室10を経てノズル8に至る個別インク流路32が圧力室10ごとに形成されている。
図4に示すように、インクジェットヘッド1は、流路ユニット4とアクチュエータユニット21とが貼り合わされたものである。そして、流路ユニット4は、上から、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28及びノズルプレート29が積層された積層構造を有している。
アクチュエータユニット21は、後で詳述するように、4枚の圧電シート41〜44(図6(a)参照)が積層され且つ電極が配されている。そのうちの最上層だけが電界印加時に電歪特性を示す活性層となる部分を有し、残り3層が非活性層とされたものである。なお、活性層を有する層数は、要求されるアクチュエータユニット21の変位量に応じて適宜決められるものであり、本実施形態のように1層に限るものではない。例えば、より大きな変位が必要であれば、活性層を有する層を増やせばよい。
図4及び図5に示すように、キャビティプレート22は、圧力室10となるほぼ菱形の孔が多数形成されている。さらに、位置決め孔2の一部となる孔2aが長手方向両端部にそれぞれ形成された金属プレートである。ベースプレート23は、各圧力室10とこれに対応するアパーチャ12とを連通させるための連通孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成されている。さらに、位置決め孔2の一部となる孔2bが長手方向両端部にそれぞれ形成された金属プレートである。アパーチャプレート24は、各アパーチャ12となる孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成されている。さらに、位置決め孔2の一部となる孔2cが長手方向両端部にそれぞれ形成された金属プレートである。サプライプレート25は、各アパーチャ12と副マニホールド流路5aとを連通させるための連通孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成されている。さらに、位置決め孔2の一部となる孔2dが長手方向両端部にそれぞれ形成された金属プレートである。マニホールドプレート26、27、28は、副マニホールド流路5aとなる孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための多数の連通孔が形成されている。さらに、位置決め孔2の一部となる孔2e〜2gが長手方向両端部にそれぞれ形成された金属プレートである。ノズルプレート29は、ノズル8が多数形成され且つ位置決め孔2の一部となる孔2hが長手方向両端部にそれぞれ形成された金属プレートである。なお、ノズルプレート29の下面(すなわち、インク吐出面となる流路ユニット4の底面には、撥水性を有する撥水膜(不図示)が形成されている。
これら8枚の金属プレートは、図4に示すような個別インク流路32が形成されるように、互いに位置合わせして積層される。この個別インク流路32は、圧力室10を最上部として、全体に上に凸の弓なり形状をした流路であり、この圧力室10を挟んで2つの流路から構成されている。このうち、一方の流路は、副マニホールド流路5aの上側縁部から上方に向かい、アパーチャ12で一旦水平に延在した後、圧力室10の一方端に至る流路である。また、他方の流路は、圧力室10の他方端から離れるようにして斜め下方に向かい、その後垂直下方にノズル8へと至る流路である。これによって、ノズル8への滑らかなインク供給が可能となっている。
次に、アクチュエータユニット21の構成について説明する。図6(a)は、アクチュエータユニット21と圧力室10との部分拡大断面図であり、図6(b)はアクチュエータユニット21の表面に形成された個別電極の形状を示す平面図である。
図6(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、それぞれの厚みが15μm程度で同じになるように形成された4枚の圧電シート41〜44を含んでいる。これら圧電シート41〜44は、1つの圧力室群9を構成する多数の圧力室10に跨って配置されるように連続した層状の平板(連続平板層)となっている。このように、圧電シート41〜44が多数の圧力室10に跨って配置されることで、例えば、スクリーン印刷技術を用いることにより圧電シート41上に個別電極35を高密度に配置することが可能となっている。そのため、個別電極35に対応する位置に形成される圧力室10おも高密度に配置することが可能となって、高解像度画像の印刷ができるようになる。圧電シート41〜44は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミック材料からなるものである。
個別電極35は、図6(b)に示すように、図3に示した圧力室10とほぼ相似である略菱形の平面形状を有している。その厚さは、略1μmである。個別電極35における一方の鋭角部は延出され、その先端には、略160μmの径を有する円形のランド36が設けられている。ランド36は、例えば、ガラスフリットを含む金からなり、図6(a)に示すように、個別電極35における延出部表面上に形成されている。
共通電極34は、上下から圧電シート41,42に挟まれて配置され、図示しない領域において接地されている。これにより、共通電極34は、すべての圧力室10に対応する領域において等しくグランド電位に保たれている。また、個別電極35は、フレキシブルフラット配線板(不図示)の独立したリード線とランド36を介してそれぞれ電気的に接続されるため、各圧力室10に対応して電位を選択的に制御することができるようになっている。
ここで、アクチュエータユニット21の動作について述べる。アクチュエータユニット21においては、4枚の圧電シート41〜44のうち圧電シート41だけが個別電極35から共通電極34に向かう方向に分極されている。フレキシブルフラット配線板を介して駆動信号を与えることによって、個別電極35を正の所定電位とすると、圧電シート41のうち個別電極35と対向する領域(活性領域)が圧電横効果のために分極方向と直角方向に縮む。その他の圧電シート42〜44は、電界が印加されないので自発的には縮まない。したがって、圧電シート41〜44において活性領域と対向する部分には、全体として、圧力室10側に凸となるユニモルフ変形が生じる。すると、圧力室10の容積が低下してインクの圧力が上昇し、図4に示したノズル8からインクが吐出される。その後、個別電極35がグランド電位に戻ると、圧電シート41〜44は元の形状に戻って圧力室10も元の容積に戻る。そのため、副マニホールド流路5aから個別インク流路32へとインクが吸い込まれる。
他の駆動方法としては、予め個別電極35に正電位を与えておき、吐出要求があるごとに一旦個別電極35をグランド電位とし、その後所定のタイミングにて再び個別電極35を正電位とする方法もある。この場合、個別電極35がグランド電位となるタイミングで圧電シート41〜44が元の状態に戻る。このとき、圧力室10の容積は初期状態(予め電圧が印加された状態)と比較して増加し、副マニホールド流路5aから個別インク流路32へとインクが吸い込まれる。その後、再び個別電極35に正電位が与えられると、上述の駆動方法と同様に、活性領域と対向する部分が圧力室10側に凸となるように変形し、圧力室10の容積低下によりインクの圧力が上昇し、ノズル8からインクが吐出される。
次に、インクジェットヘッド1の流路ユニット4を構成するプレート22〜29を積層するためのプレート積層装置50について以下に説明する。図7は、本発明の一実施形態によるプレート積層装置の概略側面図である。図8は、本発明の一実施形態によるプレート積層装置の概略正面図である。図7及び図8に示すように、プレート積層装置50は、プレート22〜29が載せられたトレイ51を載置するプレート載置部52と、プレート22〜29を水平搬送する搬送装置55と、プレート22〜28に接着剤を塗布する塗布装置58と、プレート22〜29が積層されるプレート積層部75とを含んでいる。
プレート載置部52は、水平方向に延在した架台53と、架台53の上面において水平方向に移動可能なスライダ54とを含んでいる。プレート22〜29が載せられたトレイ51を、スライダ54上に載置することで、スライダ54が図示しない移動機構により、トレイ51ごとプレート22〜29を水平方向に搬送する。このとき、トレイ51上には、流路ユニット4を構成する各プレート22〜29の積層順に、ノズルプレート29を先頭に整列して置かれている。つまり、ノズルプレート29を図7中右端として残りのプレート22〜28を並べ、図7中左端には、圧力室10が形成されたキャビティプレート22が置かれている。各プレート22〜28は、いずれも接着剤が塗布される面を下にして置かれている。なお、ノズルプレート29は、後述のように、接着剤が塗布されないが、そのインク吐出領域の表面を下にして置かれている。
図9は、図7に示す搬送装置55を示しており、(a)が正面図であり、(b)が側面図である。図9(a)、(b)に示すように、搬送装置55は、トレイ51上のプレートを保持する保持機構56と、保持機構56を水平搬送する搬送体57とを含んでなる。保持機構56は、下方にプレート22〜29を一枚ずつ吸着する吸着部(保持部)59と、吸着部59を上下方向(図9(b)中矢印A方向であって、吸着部59を搬送体57から離隔及び接近する方向)に移動させるエアシリンダ(移動手段)60とから構成され、さらに、エアシリンダ60のロッド61と吸着部59とを連結する連結部62と、吸着部59がロッド61の上下動により垂直方向に移動するようにガイドするガイド部材63とを備えている。吸着部59は、略直方体形状を有しており、下面(保持面)59aがプレート22〜29の平面形状とほぼ同形状となっている。吸着部59には、内部空間(内部通路)73が形成されている。内部空間73には、互いに直交した2つの隔壁64a,64bが設けられており、その内部が4つの部屋65に隔絶されている。また、吸着部59の下面59aには、対応する部屋65と連通する貫通孔66が複数形成されている。複数の貫通孔66は、各プレート22〜29に形成された複数の孔に対して共通に避けた位置に配置されている。これにより、吸着部59でプレート22〜29を吸着するときに、各プレート22〜29の孔を介して、貫通孔66と大気とが連通することがない。なお、4つの部屋65は図示しない4つのエアホースとそれぞれ接続されている。4つのエアホースは、各部屋65に空気の排出と供給を行うエア排出供給装置(不図示)に繋がれている。このエア排出供給装置のエア排出動作により、各部屋65内の空気が排出され後述の複数の貫通孔66が塞がれた状態において部屋65が大気圧未満に減圧される。一方、エア排出供給装置のエア供給動作により、各部屋65内の減圧状態が解除される。また、内部空間73が4つの部屋65に分けられていることで、1つの部屋65と連通する貫通孔65がプレート22〜29に形成された孔と重なっても、残りの3つの部屋65を所定の圧力まで減圧することができるため、吸着部59にプレート22〜29を確実に吸着することができる。また、吸着部59は、下面59aにおいて、プレートを吸着して保持するため、取り扱い性に劣る薄いプレートでも容易に保持することが可能になる。
図9(b)に示すように、搬送体57は、保持機構56を図中矢印B方向に180度回動させる(すなわち、吸着部59の水平な下面59aが下方を向く位置から上方を向く位置、図中2点鎖線で示す位置まで回動させる)回動機構67を含んでいる。これにより、吸着部59で保持したプレートの下面を上方に向けて、水平に保持することもできる。また、回動機構67の回動方向が後述する内カバー120の気流方向となっている。そのため、保持機構56の回動時においても気流に乱れが生じにくくなる。また、プレートの塗布された接着剤が気流に直接さらされないので、接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。回動機構67は、搬送体57を水平方向に移動させる移動機構68(後述する)に保持機構56を連結している。
図8に示すように、移動機構68は、図8中左右方向に延在し回動機構67が連結された支持桁69と、紙面垂直方向に延在するガイド軸70と、支持桁69と連結されガイド軸70に沿って水平移動可能な移動装置71とを備えている。支持桁69の両端下部は、架台72の上部に形成された水平面72aにおいて、水平移動可能に支持されている。このような移動機構68において、移動装置71が駆動されガイド軸70に沿って図8中紙面垂直方向に往復移動する。また、図7に示すように、支持桁69、支持桁69に連結された搬送体57及び搬送体57に連結された保持機構56が、図7中左右方向に往復移動可能となる。なお、水平面72aには、図8に示すように門型形状のフレーム49が固定されている。このフレーム49の中央部には、プレート積層部75の支持部材74が固定されている。
図10は、プレートが積層される積層面が形成されたプレート積層部75を示しており、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。プレート積層部75は、図7及び図8に示すように、搬送装置55よりも上方に配置されている。図10(a)、(b)に示すように、プレート積層部75は、搬送装置55の吸着部59よって搬送されたプレートを吸着する吸着部76と、吸着部76を貫通して配置された2本の位置決めピン77と、位置決めピン77を上下方向(図中矢印C方向)に移動させるエアシリンダ78とから構成され、さらに、エアシリンダ78のロッド79と位置決めピン77とを連結する連結板80と、位置決めピン77がロッド79の上下動により垂直方向に移動するようにガイドするガイド部材81と、エアシリンダ78及びガイド部材81を支持する支持部材74とを備えている。
吸着部76は、略直方体形状を有しており、下方を向く下面(積層面)76aの面方向が水平となっている。下面76aはプレート22〜29の平面形状とほぼ同形状となっている。吸着部76には、内部空間85が形成されている。内部空間85には、互いに平行な3つの隔壁82a〜82cと、3つの隔壁82a〜82cと直交する隔壁82dとが設けられており、これら隔壁82a〜82dにより、内部空間85が8つの部屋83に隔絶されている。また、吸着部76の下面76aには、対応する部屋83と連通する貫通孔84が複数形成されている。複数の貫通孔84は、上述した吸着部59に形成された貫通孔66と同様な位置に形成されている。これにより、吸着部76でプレート22〜29を吸着するときに、各プレート22〜29の孔を介して、貫通孔84と大気とが連通することがない。なお、8つの部屋83は図示しない8つのエアホースとそれぞれ接続されている。8つのエアホースは、上述したエア排出供給装置(不図示)と繋がれており、各部屋83に空気の排出と供給を行う。そのため、各部屋83内も同様に大気圧未満への減圧及び減圧解除を行うことができる。また、内部空間85が8つの部屋83に分けられていることで、1つの部屋83と連通する貫通孔84がプレートに形成された孔と重なっても、8つのうち7つの部屋83を所定の圧力まで減圧することができるため、吸着部76にプレートを吸着することができる。加えて、吸着部76が上述した吸着部59の部屋数よりも多い部屋数を有していることで、より確実にプレートを吸着することができる。したがって、プレート積層部75に複数のプレート22〜29が積層されても、これらプレート22〜29を脱落させずに保持することができる。
2つの位置決めピン77は、先端が先細形状となるテーパ部77aと円柱形状の円柱部77bとを有しており、吸着部76の隔壁82dの貫通孔を介して配置されている。これら位置決めピン77は、エアシリンダ77のロッド78が上下方向に移動することで、連結板80とともに垂直方向に移動する。また、円柱部77bの径が各プレート22〜29に形成された孔2a〜2hの径よりも若干小さくなっている。
図11は、図8に示す塗布装置58の概略構成図である。図11に示すように、塗布装置58は、巻回されている樹脂フィルム86を収納している収納部87と、巻き出された樹脂フィルム86を巻き取って回収する巻き取り部95とを備えている。収納部87と巻き取り部95との間には、樹脂フィルム86が搬送される経路に沿って、上流側から順に、巻き出された樹脂フィルム86の上面に熱硬化性接着剤を供給する接着剤供給部88と、供給された接着剤を樹脂フィルム86上に所定の厚さまで押し広げる接着剤層形成部89と、樹脂フィルム86上の接着剤層94をプレートに転写する接着剤転写部98とが配設されている。このうち、接着剤形成部89は、隣接配置された2つのスキージ91,92と2つのスキージ91,92との間で搬送される樹脂フィルム86を挟むように配置されたステージ93とを備えている。
巻き取り部95には、樹脂フィルム86が巻き付けられる軸部99と、軸部99を図中反時計回り方向に回転させるモータ100とを備えている。モータ100を駆動することで、軸部99が反時計回り方向に回転し収納部87に収納された樹脂フィルム86を巻き出しながら回収することが可能となる。収納部87とステージ93には、樹脂フィルム86の上面及び下面と接触するブラシ101,102がそれぞれ設けられている。これにより、収納部87からステージ93上に樹脂フィルム86が巻き出されるときに、樹脂フィルム86の上面及び下面に付着したゴミなどを掻き落とすことができる。樹脂フィルム86の上面に付着したゴミを掻き落とすことで、接着剤供給部88から樹脂フィルム86に供給された接着剤にゴミなどが混入しなくなる。また、樹脂フィルム86の下面に付着したゴミを掻き落とすことで、後述するように樹脂フィルム86に供給された接着剤をプレートに転写するときに、転写ローラ105の転写圧がゴミの付着箇所と付着していない箇所とでばらつくのを抑制することができる。
接着剤転写部98は、樹脂フィルム86の下面をステージ93とほぼ同じ高さレベルで支持するガイドローラ103と、ガイドローラ103によって支持された樹脂フィルム86の下面をエアシリンダ104の上下動により上方に押し上げる転写ローラ105と、これらガイドローラ103、エアシリンダ104及び転写ローラ105を支持しつつ図11中左右方向に水平移動させるスライダ106とを備えている。スライダ106の移動範囲は、各プレートの長手方向の全長より若干広めに設定されている。このような塗布装置58の構成により、後述するように、接着剤供給部88から樹脂フィルム86上に供給された接着剤を、2つのスキージ91,92により所定厚みとなるように引き延ばすことができる。さらに、樹脂フィルム86上に形成された接着剤層94を、プレートに転写するときには、エアシリンダ104を駆動させて転写ローラ105を上方に移動し、転写ローラ105とプレートとで接着剤層94が形成されている樹脂フィルム86を挟む。このように樹脂フィルム86がプレートに対して押圧されたまま、スライダ106を図11中の右方に水平移動することで、プレートの下面全体に接着剤が転写される。その後、転写ローラ105をエアシリンダ104で下方に移動させることで、プレートに対して接着剤の塗布が完了する。なお、熱硬化性接着剤としては、例えば二液混合タイプのものが用いられる。
図7に戻って、プレート積層装置50には、プレート積層部75と対向する位置にプレート受け取り部110が設けられている。プレート受け取り部110は、プレート積層部75から積層された複数のプレート22〜29からなる積層体115を受け取る受け部111と、受け部111を上方及び下方に移動させるエアシリンダ112とを備えている。このようなプレート受け取り部110により、プレート積層部75から解放された積層体115の下面を支持しつつ積層体115を保持することができる。したがって、保持機構56で積層体115の上面を再度、吸着して保持することが可能になる。また、プレート積層装置50には、塗布装置58の右方に後述の積層体115を載置する積層体載置部140が設けられている。積層体載置部140は、上面から突出した2つの位置決めピン141を有している。位置決めピン141は、上述した位置決めピン77とほぼ同形状であり、且つ、位置決め孔2と対応する配置に配置されている。
さらに、プレート積層装置50は、上述したプレート載置部52、搬送装置55、塗布装置58及びプレート積層部65を取り囲む内カバー120と、内カバー120をさらに取り囲み架台130上に形成された外カバー131とを備えている。
図12は、本発明の一実施形態によるプレート積層装置の概略外観図である。図12に示すように、外カバー131の上方には、2台の気流発生装置132が配置されている。気流発生装置132は、外カバー131と内カバー120との間の空間135に空気を供給しつつ上方から下方に向かう気流(図12中矢印E方向の気流)を発生させる。気流発生装置132は、内部にフィルタ132aを有しており、外部の空気を吸引して空気中に含まれるゴミなどをフィルタ132aで濾過する。さらに、このようにして清浄化した空気を空間135内に供給する。架台130の上面において、内カバー120の外側面と外カバー131の内側面との間には、複数の貫通孔136が形成されている。これにより、気流発生装置132により空間135に送り込まれた空気がこれら貫通孔136を通って外部に排出される。貫通孔136は内カバー120に関して両側に形成されていることで、空間135に送り込まれた空気は、空間135において、その流れをほとんど乱すことなくスムーズに上方から下方に流れる。また、外カバー131の図12中左右側には、開閉ドア141,142が設けられている。内カバー120は、開閉ドア141,142を結ぶように延在しており、開閉ドア141,142に向かって開口したトンネル形状となっている。なお、図12中に示す2点鎖線は、開閉ドア141,142が共に開けられた状態を示している。
また、外カバー131の開閉ドア142には、気流発生装置132と同様な構成を有する気流発生装置133が配置されている。この気流発生装置133は、内カバー120の開閉ドア142側の開口121から開閉ドア141側の開口122に向かって(図12中矢印F方向)水平な気流を発生させる。なお、この気流発生装置133もフィルタ133aを内部に有しており、清浄化した空気を内カバー120内に供給している。なお、開口122は、気流発生装置133による気流の下流側に位置しており、この開口122から複数のプレートが載せられたトレイ51が搬入される。つまり、開口122は、プレートの搬入口でもある。
以上のように、各気流発生装置132,133は、清浄な空気をそれぞれが対応する空間に供給するものであるが、各空間を外部に対して陽圧に保つ働きもしている。そのため、本実施形態のプレート積層装置50は、外部からゴミなどが供給も侵入もしにくい構成となっている。
内カバー120の両側面には、図12に示すように、水平方向に延在した開口125が形成されている。この開口125は、支持桁69の移動距離に対応した水平長さを有しており、図8に示すように、支持桁69が貫通状に配置されている。この支持桁69を両端部で支える架台72やその水平面72aは、内カバー120の外側に位置し、ちょうど外カバー131と内カバー120が作る空間135内に配置されている。さらに、この空間135内には、移動機構68のガイド軸70や移動装置71が配置されている。特に、ガイド軸70と移動装置71は、摺動部や可動部を有しており、移動装置71が移動するときに、ゴミなどが発生しやすい。そのため、その部分を内カバー120の外側に配置していることで、内カバー120内にゴミが侵入しにくくなる。また、内カバー120の両側面には、開口125の下方位置に開口126,127が形成されている。開口126は、図8に示す内カバー120の左側面に形成されており、接着剤層が形成された樹脂フィルム86が通過する通過口となっている。また、開口127は、内カバー120の右側面に形成されており、巻き取り部95の一部が配置される切り欠き部である。なお、接着剤の塗布装置58のうち、接着剤転写部98だけが内カバー120内に配置されており、他の部位はその外側の空間135内に配置されている。これにより、塗布装置58を容易にメンテナンスすることができる。
次に、上述したプレート積層装置50を駆動させてインクジェットヘッド1を製造する方法について、以下に説明する。図13は、インクジェットヘッド1の製造工程のフロー図である。図14は、プレート積層部75に流路ユニットを構成するプレートを積層させるときの積層工程図である。図15は、プレートに接着剤を塗布するときの塗布工程図である。図16は、流路ユニット4を構成するプレートが積層された積層体にフィルタを接着する接着工程図である。インクジェットヘッド1を製造するには、流路ユニット4及びアクチュエータユニット21などの部品を別々に作製し、それから各部品を組み付ける。図13に示すように、まず、ステップ1(S1)では、流路ユニット4を構成する各プレート22〜29に、パターニングされたフォトレジストをマスクとしたエッチングを施して、図5に示すような複数の孔が形成された各プレート22〜29を準備する。次に、ステップ2(S2)において、プレート積層装置50の3つの気流発生装置132,133から清浄化した空気を内カバー120及び外カバー131の各内側空間内に供給する。このとき、気流発生装置133から清浄化した空気を内カバー120内に供給して内カバー120内に図12中F方向の水平気流を発生させるとともに、内カバー120内を先に陽圧化しておく。次に、2つの気流発生装置132から清浄化した空気を空間135内に供給して外カバー131内に図12中E方向の鉛直下方への下降気流を発生させる。このように、気流の発生と空間の陽圧化を内側空間から外側空間の順に行うことで、ゴミなどが内カバー120の外側から内カバー120内に侵入するのを抑制することができる。本実施の形態では、すべての積層工程が完了するまで各気流発生装置の運転が継続される。
次に、ステップ3(S3)において、各プレート22〜29をトレイ51に順に載置して、プレート積層装置50の内カバー120の開口122からプレート積層装置50内に搬入する。このとき、トレイ51上には、各プレート22〜29が流路ユニット4における積層順に整列して置かれている。つまり、ノズルプレート29を気流の最上流側として、最下流側(開口122側)には、圧力室10が形成されたキャビティプレート22が置かれている。各プレート22〜28は、いずれも接着剤が塗布される面を下にして置かれている。なお、ノズルプレート29は、そのインク吐出領域の表面を下にして置かれている。そして、トレイ51をプレート載置部52のスライダ54上に載置する。このとき、スライダ54は、図7に示すように、プレート載置部52の左側端部(内カバー120の開口122近傍)に配置されている。
次に、ステップ4(S4)において、スライダ54を図7中右方に移動させてトレイ51上のノズルプレート29が水平に維持された吸着部59の下面59aと対向する位置に配置する。そして、エアシリンダ60を駆動させ吸着部59を下方に移動させて、吸着部59の水平な下面59aをノズルプレート29の上面に接触させる。こうすると、吸着部59の下面59aに形成された複数の貫通孔66がノズルプレート29によって塞がれるので、吸着部59の4つの部屋65を大気圧未満に減圧することで、下面59aにノズルプレート29が吸着される。これによって、ノズルプレート29が保持機構56により水平に保持されることになる。そして、エアシリンダ60を駆動してノズルプレート29を保持した吸着部59を上方に移動させる。
次に、ステップ5(S5)において、図7に示すような搬送装置55の位置(すなわち、プレート積層部75近傍位置であって保持機構56がプレート積層部75とプレートやプレートの積層体の受け渡しをする回動位置)で、搬送体57の回動機構67により保持機構56を180度回動させて、ノズルプレート29の下面(ノズルプレート29のインク吐出面)をプレート積層部75の下面76aと対向する位置に配置する。このとき、吸着部59の下面59aがノズルプレート29とともに上下反転して、ちょうどノズルプレート29を吸着部59の下面59aで下から支持した状態となる。また、このとき、回動機構67は、その回動方向が内カバー120内の気流方向と同じ方向になるように保持機構56を回動する。これにより、保持機構56の回動時においても内カバー120内の気流に乱れが生じにくくなる。また、吸着部59に吸着されたノズルプレート29が気流に直接さらされないので、ゴミなどが付着しにくくなる。
次に、ステップ6(S6)において、図14(a)に示すように、エアシリンダ60を駆動させ吸着部59を上方に垂直移動させる。このとき、ノズルプレート29の孔2hにプレート積層部75の下面76aから突出した位置決めピン77が挿入されるように、ノズルプレート29を垂直搬送する。そして、ステップ7(S7)において、ノズルプレート29の孔2hが位置決めピン77のテーパ部77aの中央近傍を横切るときに、吸着部59の4つの部屋65に圧縮エアを供給する。ここで、単に部屋65を大気解放して部屋65内の減圧状態を大気圧と同じになるようにすると、部屋65が大気圧まで復圧するのに時間を要することになる。しかし、本実施形態では、部屋65に圧縮エアを供給しているので、部屋65内の減圧状態を素早く大気圧以上にすることができる。これにより、ノズルプレート29を拘束していた吸着部59の吸着力がすみやかに解除されることになる。次に、ステップ8(S8)において、孔2hがテーパ部77aの中央近傍に達するまでの吸着部59の上昇速度よりも減速させて吸着部59を上昇させる。このように、ノズルプレート29の上昇速度を切り替えることで、ノズルプレート29の垂直搬送中に孔2hが位置決めピン77と接触したときに、ノズルプレート29が位置決めピン77にならって無理なくスムーズに位置決めされながら移動する。そのため、ノズルプレート29が位置決めピン77との接触によって損傷することがなくなる。さらに、他のプレートとの相対的な位置関係の精度が高いものとなる。そして、ノズルプレート29の上方を向いた下面をプレート積層部75の吸着部76の下面76aと接触させる。このとき、ノズルプレート29の上方を向いた下面が吸着部76の下面76aに形成された複数の貫通孔84を塞いでいる。なお、ステップ7の圧縮エアの供給開始と、ステップ8の上昇速度の切り替えとは、順番が逆になっても同時でもよいが、いずれの動作においても、少なくとも孔2hが位置決めピン77の円柱部77bに達する前に完了していることがよい。
次に、ステップ9(S9)において、図14(b)に示すように、ノズルプレート29と接触した状態でプレート積層部75の吸着部76の8つの部屋を大気圧未満に減圧する。こうすることで、ノズルプレート29がプレート積層部75の吸着部76に吸着される。そして、図14(c)に示すように、エアシリンダを駆動して吸着部59を下方に移動させ、位置決めピン77と吸着部59の動程が重ならない位置まで離隔させる。さらに、回動機構67により保持機構56を反対方向に回動させ、吸着部59を下面59aが下方を向いた水平状態に戻す。こうして、プレート積層部75の下面76aへのノズルプレート29の積層(ノズルプレート29に対する吸着工程)が完了する。以上のように、ノズルプレート29に対しては、接着剤が塗布されることはない。
次に、ステップ10(S10)において、スライダ54でトレイ51を気流の上流側に移動させるとともに、搬送装置55の吸着部59の下面59aをマニホールドプレート28の上面と対向する位置に再び配置する。そして、上述のステップ4と同様に、吸着部59を下方に移動させる。さらに、吸着部59の水平な下面59aをマニホールドプレート28の上面に接触させて、この下面59aにマニホールドプレート28を吸着する。これによって、マニホールドプレート28が保持機構56により水平に保持されることになる。そして、エアシリンダ60を駆動してマニホールドプレート28を保持した吸着部59を上方に移動させる。
次に、ステップ11(S11)において、気流発生装置133が作る気流に抗する水平方向に搬送装置55を移動させて、マニホールドプレート28の下面が塗布装置58と対向する位置まで搬送する(前搬送工程)。これにより、マニホールドプレート28にゴミが付着していても、気流によって吹き飛ばされる。そのため、ほとんどゴミなどが付着していないマニホールドプレート28に接着剤を塗布することができる。なお、吹き飛ばされたゴミは内カバー120の開口122から空間135に出て、さらに気流発生装置132による下降気流によって貫通孔136から外部に排出される。塗布装置58は、マニホールドプレート28が対向する(前搬送工程)前に、樹脂フィルム86に予め接着剤層94が形成された状態で待機している。この接着剤層94は、巻き取り部95による巻き取り動作で形成されたもので、樹脂フィルム86が収納部87から繰り出されると、その上流側から接着剤層形成部89を順次通過していく。このとき、接着剤供給部88から樹脂フィルム86上に供給された熱硬化性接着剤が、この接着剤層形成部89で2つのスキージ91,92により所定の厚みにまで引き延ばされて、接着剤層94に成形されている。このようにして、塗布装置58は、図15(a)に示すように、繰り出しの先端部が巻き取り部95近傍まで到達したところで停止され、マニホールドプレート28が搬送されてくるのを待っている。
次に、ステップ12(S12)において、図15(b)に示すように、マニホールドプレート28が塗布装置58と対向する位置に配置されたときに、エアシリンダ104を駆動させ転写ローラ105を上方に移動させる。そして、樹脂フィルム86及び接着剤層94をマニホールドプレート28と転写ローラ105とで挟み込む。さらに、ステップ13(S13)において、スライダ106を図15(b)中右方に水平移動させ、転写ローラ105でマニホールドプレート28を押圧しながら、その下面全体に接着剤層94を転写していく。そして、図15(c)に示すように、転写ローラ105がマニホールドプレート28の下面全体を走査し終わったところで、エアシリンダ104を駆動させ転写ローラ105を下方に移動させる。このように、マニホールドプレート28に対する押圧力を解放して、マニホールドプレート28への熱硬化性接着剤の塗布工程が完了する。
次に、ステップ14(S14)において、気流発生装置133による気流方向に搬送装置55を移動させて、マニホールドプレート28をプレート積層部75近傍の回動位置まで搬送する(主搬送工程)。この搬送中は、プレート28の下面が下方を向き且つその面方向が水平方向となっている。これにより、接着剤が塗布されたマニホールドプレート28の搬送方向と内カバー120内の気流方向とが同じ方向となるので、気流が乱れにくくなる。そのため、内カバー120内において、ゴミが乱れ舞うのを抑制することができ、接着剤にゴミが付着しにくくなる。さらに、マニホールドプレート28の下面が下方を向いているので、下面に塗布された接着剤に内カバー120内のゴミなどが付着しにくくなる。また、マニホールドプレート28の下面の面方向が水平方向であるため、下面に塗布された接着剤にゴミなどがさらに付着しにくくなる。
次に、ステップ15(S15)において、上述したステップ5と同様に、回動位置で回動機構67により保持機構56を180度回動させて、マニホールドプレート28の接着剤が塗布された下面をプレート積層部75の下面76aと対向する位置に配置する。この段階では、プレート積層部75には、既にノズルプレート29が保持されているので、マニホールドプレート28の接着剤が塗布された面は、このノズルプレート29の下面と対向することになる。この回動中には、マニホールドプレート28の下面が気流に直接さらされないので、塗布された接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。
次に、ステップ16(S16)において、上述したステップ6と同様に吸着部59を上方に垂直移動させて、マニホールドプレート28の孔2gに位置決めピン77を通す。そして、ステップ17(S17)において、上述したステップ7と同様に、マニホールドプレート28の孔2gが位置決めピン77のテーパ部77aの中央近傍を横切るときに、吸着部59のマニホールドプレート28に対する吸着力を解除する。次に、ステップ18(S18)において、上述したステップ8と同様に、吸着部59の上昇速度を切り替えて減速させる。そして、マニホールドプレート28の上方を向いた下面の接着剤をプレート積層部75の吸着部76により保持されたノズルプレート29の下面と接触させる。このとき、マニホールドプレート28は硬化前の熱硬化性接着剤の粘着力によりノズルプレート29に保持される。そして、エアシリンダを駆動して吸着部59を下方に移動させ、位置決めピン77と吸着部59の動程が重ならない位置まで離隔させる。さらに、回動機構67により保持機構56を反対方向に回動させ、吸着部59を下面59aが下方を向いた水平状態に戻す。こうして、プレート積層部75の下面76aに吸着されたノズルプレート29の下面へのマニホールドプレート28の積層(マニホールドプレート28に対する積層工程)が完了する。
次に、上述したステップ10〜18の工程を、残りの各プレート22〜27に対して行うことで、図14(d)に示すように、プレート積層部75に流路ユニット4を構成する8枚のプレート22〜29の積層が完了する。
次に、ステップ19(S19)において、図16(a)に示すように、エアシリンダ112を駆動してプレート受け取り部110の受け部111を上方に垂直移動させて、受け部111の上面をプレート積層部75に積層された積層体115の下面(キャビティプレート22の上面)と接触させる。そして、ステップ20(S20)において、図16(a)に示すように、エアシリンダ78を駆動して位置決めピン77を上方に垂直移動させる。このとき、位置決めピン77の先端がプレート積層部75の吸着部76内に収まる程度まで位置決めピン77を上昇させる。これにより、位置決めピン77と積層体115との嵌合が解除される。仮に、位置決めピン77を積層体115の位置決め孔2から抜かずに、積層体115への吸着力を解除しても、積層体115がその自重だけで位置決めピン77から抜けずに、受け部111で積層体115を受け取ることができない可能性がある。これは、8枚のプレート22〜29の位置決め精度を向上させるために、位置決めピン77と位置決め孔2との嵌め合いに余裕が少ないからである。しかし、上述のように積層体115から位置決めピン77を抜くことで、容易にプレート積層部75から積層体115を受け部111で受け取ることができる。
次に、ステップ21(S21)において、プレート積層部75の吸着部76の各部屋83内に圧縮エアを供給する。これにより、ノズルプレート29に対する吸着部76の吸着力が解除される。こうして、積層体115が受け部111に支持されることになる。そして、受け部111を下方に移動させて、積層体115の上面(ここでは、ノズルプレート29の下面)が吸着部59の下面59aの高さレベルよりも低い位置となるように配置する。
次に、ステップ22(S22)において、図16(b)に示すように、搬送装置55を水平移動して、吸着部59の下面59aと受け部111上の積層体115の上面とを対向させる。そして、エアシリンダ60により吸着部59を下方に垂直移動させて、吸着部59の下面59aをノズルプレート29の上面に接触させる。さらに、吸着部59の4つの部屋65を減圧することで、吸着部59の下面59aにノズルプレート29を吸着する。これによって、積層体115が保持機構56により水平に保持されることになる。そして、エアシリンダ60を駆動して積層体115を保持した吸着部59を上方に移動させる。
次に、ステップ23(S23)において、気流に逆らって水平方向に搬送装置55を移動させて、積層体115の下面(キャビティプレート22の上面)が塗布装置58と対向する位置まで搬送する。そして、積層体115が塗布装置58と対向する位置に配置されたときに、エアシリンダ104、スライダ106を駆動して、積層体115の下面全体に接着剤層94を樹脂フィルム86から転写する。こうして、積層体115の下面に熱硬化性接着剤が塗布される。
次に、ステップ24(S24)において、図7に示すように、搬送装置55を内カバー120内における気流に抗する方向に水平移動させ、さらに、気流の上流側に配置された積層体載置部140と積層体115の下面とが対向する位置に配置する。そして、ステップ25(S25)において、図16(c)に示すように、吸着部59を下方に垂直移動させて、積層体載置部140の位置決めピン141を位置決め孔2に通しつつ、積層体載置部140の上面において積層体115の開口5bに対応する位置に配置された10枚のフィルタ6と開口5bの周縁部とを接触させる。
次に、ステップ26(S26)において、吸着部59の4つの部屋65に圧縮エアを供給し、積層体115に対する吸着部59の吸着力を解除する。そして、吸着部59を上昇させる。こうして、8枚のプレート22〜29とフィルタ6とが積層することで構成された流路ユニット4となる積層体115の作製が完了する。
一方、アクチュエータユニット21を作製するには、図13に示すように、まず、ステップ27(S27)において、圧電セラミックスのグリーンシートを複数用意する。グリーンシートは、予め焼成による収縮量を見込んで形成される。そのうちの一部のグリーンシート上に、導電性ペーストを共通電極34のパターンにスクリーン印刷する。さらにもう一部のグリーンシート上に、導電性ペーストを個別電極35のパターンにスクリーン印刷する。そして、治具を用いて2枚のグリーンシート同士を位置合わせしつつ、個別電極35のパターンで導電性ペーストが印刷されたグリーンシートの下に、共通電極34のパターンで導電性ペーストが印刷されたグリーンシートを重ね合わせ、さらにその下に、導電性ペーストが印刷されていないグリーンシートを2枚重ね合わせる。ステップ28(S28)において、ステップ27で得られた積層体を公知のセラミックスと同様に脱脂し、さらに所定の温度で焼成する。これにより、4枚のグリーンシートが圧電シート41〜44となり、導電性ペーストが個別電極35及び共通電極34となる。その後、個別電極35の一方の鋭角部から引き出された先端にガラスフリットを含む金を印刷する。
なお、ステップ1〜ステップ26の流路ユニットとなる積層体の作製工程と、ステップ27〜28のアクチュエータユニット作製工程は、独立に行われるものであるため、いずれを先に行ってもよいし、並行しておこなってもよい。
次に、ステップ29(S29)において、ステップ1〜ステップ26で得られた積層体115の接着剤層上に、ステップ27〜ステップ28で得られたアクチュエータユニット21を4つ載置する。このとき、アクチュエータユニット21は、圧力室間の桁部に支持されるとともに個別電極35と圧力室10とが対向するように積層体115に対して位置決めされる。この位置決めは、予め作製工程(ステップ1〜ステップ28)において積層体115及びアクチュエータユニット21に形成された位置決めマーク(図示せず)に基づいて行われる。
次に、ステップ30(S30)において、アクチュエータユニット21が載置された積層体115を図示しない加熱・加圧装置で熱硬化性接着剤の硬化温度以上に加熱しながら加圧する。これにより、8枚のプレート22〜29間及びキャビティプレート22とアクチュエータユニット21やフィルタ6との間の接着剤が硬化する。そして、ステップ31(S31)において、加熱・加圧装置から取り出された積層体を自然冷却する。こうして、流路ユニット4とアクチュエータユニット21とで構成されたインクジェットヘッド1が製造される。
以上のような本実施形態によるプレート積層装置50によると、図7に示すように、気流発生装置133による気流の上流側に塗布装置58が配置され、下流側にプレート載置部52が配置され、これら塗布装置58とプレート載置部52との間にプレート積層部75が配置されている。そのため、プレート22〜28に接着剤を塗布した後、プレート積層部75にプレート22〜28を搬送する方向が気流発生装置133による気流と同じ方向となる。そのため、気流に乱れが生じにくくなり、プレート22〜28に塗布された接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。
また、吸着部59を上下方向に移動させるエアシリンダを備えていることで、プレート積層部75に複数のプレートを1枚ずつ積層していくに連れて生じる、プレート積層位置の変化に容易に対応することができる。また、プレート積層装置50は内カバー120を備えていることで、内カバー120内にゴミなどが外部から侵入しにくくなる。さらにプレート積層装置50は、内カバー120の外側に外カバー131を備えていることで、外カバー131内にゴミなどが外部から侵入しにくくなる。そのため、内カバー120内に外部からのゴミがより一層侵入しにくくなる。また、空間135に移動機構68が存在しているので、搬送装置55を往復移動させるときに移動機構68からゴミが発生しても、内カバー120内にそのゴミが侵入しにくくなる。
また、外カバー131に気流発生装置132が設けられているので、空間135に外部からゴミなどが侵入しにくくなり、内カバー120内にほとんどゴミなどが侵入しなくなる。また、気流発生装置132が空間135内において、下降気流を発生させているので、空間135内のゴミが舞い上がりにくくなる。
また、気流発生装置133が、内カバー120内において、内カバー120の延在方向と同じ方向に気流を発生させているので、プレート積層装置50の製造コストを低下させるとともに、プレート積層装置50の小型化に寄与する。つまり、内カバー120の延在方向と直交する方向に気流を生じさせようとすると、内カバー120の延在方向に沿って多数の気流発生装置を配置する必要がありコストが上昇するとともに、装置も大型化する。
また、気流発生装置133が水平方向の気流を発生させているために、内カバー120内において、ゴミが舞い上がりにくくなる。また、プレート積層部75が搬送装置55よりも上方に配置されているので、搬送体57に付着したゴミが搬送体57の移動に伴って内カバー120内の気流中に漂っても、プレート積層部75に積層された複数のプレートにゴミなどが付着しにくくなる。また、内カバー120における気流の出口(開口122)近傍にプレート積載部52が配置されているため、複数のプレート22〜29が載置されたトレイ51が開口122から内カバー120内に搬入されてきても、トレイ51及び複数のプレート22〜29に付着したゴミなどが、内カバー120内から排出されやすくなる。
また、上述のようなプレート積層装置50の駆動によるインクジェットヘッド1の製造方法によると、内カバー120に対応する気流発生装置133を、外カバー131に対応する気流発生装置132よりも先に駆動するので、内カバー120内の空間から外カバー131内の空間(空間135)の順で、清浄な空気の供給と陽圧化が行われることになる。このため、内部で発生するゴミなどのすみやかな排出及び外部からのゴミなどの確実な侵入防止が可能となる。各気流発生装置132,133は、各工程中継続して運転されており、ゴミなどが付着しにくい環境下でインクジェットヘッド1の流路ユニット4が製造される。さらに本実施の形態では、内カバー120内の気流と接着剤が塗布されたプレート22〜28の搬送方向とが同じ方向になる。そのため、気流に乱れが生じにくくなり、プレート22〜28に塗布された接着剤にゴミなどが付着しにくくなる。したがって、インクジェットヘッドの歩留まりが向上するとともに、インクジェットヘッド1の品質が向上する。また、複数のプレート22〜29のうち、ノズルプレート29を最初にプレート積層部75に吸着させ、接着剤が塗布されたマニホールドプレート28をノズルプレート29に対して接着剤を介して粘着させているために、ノズルプレート29に接着剤を塗布する必要がなくなる。そのため、ノズルプレート29の下面(インク吐出面)に形成される撥水膜の撥水性が保持されるとともに、ノズルプレート29のノズル8が接着剤によって塞がらない。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述したプレート積層装置50には、内カバー120及び外カバー131が設けられているが、内カバー120及び外カバー131のうちいずれか一方又はその両方が設けられていなくてもよい。また、2つの気流発生装置132が気流発生装置133による気流と同じ方向の気流を発生させていてもよい。また、2つの気流発生装置132は設けられていなくてもよい。また、移動機構68は内カバー120内に配置されていてもよいし、外カバー131の外側に配置されていてもよい。また、トレイ載置部52が、内カバー120の開口121近傍に設けられていてもよい。気流発生装置133が内カバー120の延在方向と交差する方向に気流を発生させていてもよい。また、搬送装置55が回動機構67を備えていなくてもよい。また、プレート積層部75が搬送装置55よりも下方又は同一高さレベルに配置されていてもよい。また、吸着部59が、搬送時において、プレートを水平に保持していなくてもよい。また、気流発生装置133が水平方向と交差する方向に気流を発生させていてもよい。この場合、塗布装置58及びプレート積層部75がこの交差方向に沿って配置される。また、保持機構56がエアシリンダ(移動手段)60を有していなくてもよい。この場合、プレート積層部75が吸着部76を上下方向に移動させる移動手段を有することになる。また、保持機構56がエアシリンダ60以外の移動手段を有していてもよい。また、内部空間73が、内部に1だけ部屋を有しておればよい。つまり、複数の部屋を有していなくてもよい。また、プレート積層装置50は、吸着部59,76以外のプレート保持方法(例えば、プレートの両端部をプレート面方向から挟む方法など)を有する保持部を備えていてもよい。また、内カバー120内における気流に抗する方向にプレートを搬送する工程がなくてもよい。この場合、プレート載置部52が当該気流の最上流に配置される。また、ノズルプレート29を最初にプレート積層部75に保持させなくてもよい。この場合、ノズルプレート29を別工程でマニホールドプレート28に接着すればよい。また、本実施形態では、複数のプレート22〜29をプレート積層部75の下面76aに上から下に向かうように順に積層させているが、上方を向く積層面に下から上に向かうように順に積層させてもよい。さらに、本実施の形態では、塗布装置58において、下方を向いた各プレートの下面に対し、その下方より接着剤の転写を行っているが、上方を向いたプレートの上面に対し、その上方より接着剤の転写を行ってもよい。また、本実施形態におけるプレート積層装置50は、インクジェットヘッド以外の用途のプレート積層体に関しても適用することができる。