JP4280206B2 - レールの防音構造 - Google Patents

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Description

この発明は、レールの振動により発生する騒音を低減するレールの防音構造に関する。
従来のレールの防音構造(従来技術1)は、ゴム又は合成樹脂とモルタルとの混合物からなるモルタル系制振材をレール腹部に接着している(例えば、特許文献1参照)。この従来技術1では、レール上を車両が通過するときにこのレールから発生する振動をモルタル系制振材によって抑制し、レールからの騒音を低減している。
従来のレールの防音構造(従来技術2)は、鉛などの制振性を有する一対の防音材と、この一対の防音材をそれぞれ保持する一対の金物と、この一対の金物をそれぞれ締め付ける一対の締め付けねじなどを備えている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術2では、レール腹部の両側面にそれぞれ防音材を配置し、締め付けねじを締め付けることによって金物を防音材に押し付けて、レール腹部の両側面にそれぞれ防音材を固定している。
従来のレールの防音構造(従来技術3)は、ブチルゴムなどの制振部材と、レール腹部の一方の側面にこの制振部材を押し付けるばね鋼などからなる押圧板などを備えている(例えば、特許文献3参照)。この従来技術3では、曲げ治具などによって押圧板を予め変形させてレールに固定するための折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部をレールに掛け止めして制振部材を固定している。
従来のレールの防音構造(従来技術4)は、磁性粉を含有する高分子粘弾性体層と、この高分子粘弾性体層を拘束する拘束板とが積層された分割構造の磁性複合型制振材によってレールを被覆している(例えば、特許文献4参照)。この従来技術4では、高分子粘弾性体層がレールに密着するように、レールの左右から磁性複合型制振材をそれぞれ装着しており、この磁性複合型制振材によってレールを被覆してレールの振動によって発生する騒音を低減させている。
特開昭52-109206号公報
特開平10-152801号公報
特開2001-342602号公報
特開平10-159896号公報
従来技術1では、モルタル系制振材を接着剤によってレール腹部に固定する必要がある。このため、施工時にレールを下地処理する工程や、モルタル系制振材をレールに固定するまで保持する工程など多くの作業工程が必要になり、作業時間が長時間になり作業が煩わしいという問題点があった。また、レールの交換時や点検時などにモルタル系制振材をレールから簡単に取り外すことができず、交換作業や点検作業が困難であるという問題点があった。さらに、従来技術1では、制振効果を高めるためにはモルタル系制振材を厚くする必要があり、厚みが増すと重量も増加するため、モルタル系制振材をレールに接着剤によって強固に固定することができない問題点があった。
従来技術2では、一対の防音材をそれぞれ一対の締め付けねじによって締め付けてレールに固定する構造である。このため、防音材をレールに装着するときに、レールの所定の装着位置に防音材を位置決めした状態で締め付けねじを締め付ける必要があり、取付作業に手間がかかるという問題点があった。また、従来技術2では、防音効果を高めるために防音材を厚くすると重量が増加するため、防音材をレールに締め付けねじによって強固に固定することができない問題点があった。
従来技術3は、曲げ治具などによって押圧板に折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部をレールに掛け止めして制振部材をレールに固定している。このため、種々のレールの形状に合わせて折り曲げ部を形成する必要があり、製造コストが高くなるという問題点があった。また、従来技術3では、制振効果を高めるために制振部材を大型にすると制振部材の重量増によって折り曲げ部がレールから脱落するおそれがあり、制振部材をレールに強固に固定することが困難であるという問題点があった。さらに、従来技術3では、曲げ治具を使用して押圧板を加工する手間がかかり、施工性が損なわれてしまう問題点があった。
従来技術4では、高分子粘弾性体層の磁力によって磁性複合型制振材をレールに固定する構造であるため、磁性複合型制振材が大型化して重量が増加すると、磁性複合型制振材をレールに磁力だけでは十分に固定できなくなる可能性があった。このため、従来技術4では、磁力が不十分であると磁性複合型制振材とレールとの間に隙間部が形成され、この間隙部から発生する振動や騒音を低減することができず、防音制振効果が低減してしまうという問題点があった。また、従来技術4では、列車の振動によって磁性複合型制振材をレールから脱落するのを防止するために磁性粉の充填率を高くすると、高分子粘弾性体層のゴム成分量が低下することになり、粘弾性に伴う内部損失(制振性能)も低下してしまう問題点があった。さらに、従来技術4では、高分子粘弾性体層に磁性粉を練り混ぜて混合する必要があるため、製造工程が複雑になり製造に手間がかかりコストが上昇してしまう問題点があった。
この発明の課題は、被覆部材をレールに強固に固定することができ、製造や施工が容易で防音効果を向上させることができるレールの防音構造を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、レール(R)の振動によって発生する騒音を低減するレールの防音構造であって、軟質弾性体層(9a,9b)と硬質弾性体層(10a,10b)とを有する積層構造の被覆部材(8)と、前記被覆部材を前記レールに着脱自在に固定する固定部材(11)とを備え、前記被覆部材は、少なくとも前記レールの腹部(R3)及び底部(R2)の略全面を覆い、このレールの左右両側面から着脱自在に装着可能な分割構造を有する右側被覆部材(8a)と左側被覆部材(8b)とを備え、前記固定部材は、前記右側被覆部材を保持する右側保持部材(11a)と、前記左側被覆部材を保持する左側保持部材(11b)と、前記右側保持部材と前記左側保持部材とを着脱自在に連結する連結部材(11c)とを備え、前記連結部材は、前記被覆部材を前記レールに装着したときにこのレールの側方に位置し、ボルト(11h)とナット(11i)とを上下方向から締結させて前記右側保持部と前記左側保持部とを着脱自在に連結前記被覆部材は、前記軟質弾性体層が粘弾性材による発泡体によって形成されており、この発泡体の前記レールと接触する側にこのレールの腐食を防止する防錆層(12)を有し、前記防錆層は、前記発泡体の前記レールと接触する側に塗布又は含浸されていることを特徴とするレールの防音構造(7)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレールの防音構造において、前記被覆部材は、前記レールと接触する側に前記軟質弾性体層を有し、前記レールと接触する側とは反対側に前記硬質弾性体層を有することを特徴とするレールの防音構造である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項に記載のレールの防音構造において、前記軟質弾性体層は、前記騒音を吸収する吸音機能を有することを特徴とするレールの防音構造である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のレールの防音構造において、前記硬質弾性体層は、前記振動を抑制する制振機能を有することを特徴とするレールの防音構造である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のレールの防音構造において、前記被覆部材は、前記軟質弾性体層の上端面(9c,9d)の略全面を前記硬質弾性体層によって覆うことを特徴とするレールの防音構造である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のレールの防音構造において、前記被覆部材は、前記レールをまくらぎに締結するレール締結装置の設置間隔と略等しい長さに形成されており、前記まくらぎ及び前記レール締結装置と干渉する部分を除き、少なくとも前記レールの腹部及び底部の略全面を覆うことを特徴とするレールの防音構造である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のレールの防音構造において、前記被覆部材は、前記レール上を車両が通過するときに発生する騒音を減衰させる防音壁部(14)を備えることを特徴とするレールの防音構造である。
請求項8の発明は、請求項に記載のレールの防音構造において、前記防音壁部は、音源側に吸音部(15)を備えることを特徴とするレールの防音構造である。
この発明によると、被覆部材をレールに強固に固定することができ、製造や施工が容易で防音効果を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着状態を示す平面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着状態を示す側面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の展開図である。図4は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。図5は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の側面図である。なお、以下では、軌道を構成する平行な一対のレールのうち一方のみを図示し、他方については図示を省略する。
図1〜図5に示すレールRは、鉄道車両の車輪Wを支持し案内してこの鉄道車両を走行させる部材である。レールRは、鉄道車両の車輪Wと接触するレール頭部R1と、まくらぎ1に取り付けられるレール底部(フランジ部)R2と、レール頭部R1とレール底部R2とを繋ぐレール腹部(ウェブ部)R3とを備えている。図4及び図5に示す車輪Wは、レールRと回転接触する部材であり、レール頭部R1の頭頂面と接触して摩擦抵抗を受ける踏面W1と、車輪Wの外周部に連続して形成されたフランジ面W2とを備えている。
図1及び図2に示すまくらぎ1は、レールRを支持する支持体である。レール締結装置2は、レールRをまくらぎ1に締結する装置である。レール締結装置2は、例えば、レール底部R2とまくらぎ1との間に図示しない軌道パッドなどを挟み込み、締結ばね3によってレールRをまくらぎ1に締結して、鉄道車両が通過する際に発生する振動を吸収する。レール締結装置2は、図1及び図2に示すように、レールRを押さえ付けて締結する締結ばね3と、締結ばね3を支持するばね受台4と、締結ばね3を締め付ける締結ボルト5と、締結ばね3と締結ボルト5との間に挟み込まれる座金6などを備えている。
防音構造7は、レールRの振動によって発生する騒音を低減する構造である。防音構造7は、図1〜図5に示すように、被覆部材8と固定部材11などを備えている。防音構造7は、レールR上を車両が通過するときに発生する振動を抑制してこのレールRからの騒音を抑制する。
被覆部材8は、レール底部R2及びレール腹部R3の略全面を覆う部材であり、図3及び図4に示すように軟質弾性体層9a,9bと硬質弾性体層10a,10bなどを有する。被覆部材8は、レール底部R2及びレール腹部R3と密着可能なようにレール底部R2及びレール腹部R3の表面形状に沿った形状に形成されており、レールRと接触する側に軟質弾性体層9a,9bを有し、レールRと接触する側とは反対側(軟質弾性体層9a,9bの裏面)に硬質弾性体層10a,10bを有する。被覆部材8は、図3に示すように、レールRを挟み込むようにこのレールRの左右から着脱自在に装着可能な分割構造を有する右側被覆部材8aと左側被覆部材8bとを備えている。右側被覆部材8a及び左側被覆部材8bは、外観形状が左右対称の部材であり、右側被覆部材8aは軟質弾性体層9a及び硬質弾性体層10aが一体に形成されており、左側被覆部材8bは軟質弾性体層9b及び硬質弾性体層10bが一体に形成されている。
被覆部材8は、図1、図2及び図5に示すように、レール底部R2の底面を被覆可能なようにレール締結装置2の設置間隔(レールRの長さ方向におけるレール締結装置2の設置間隔)と略同じ長さに形成されている。被覆部材8は、可能な限り騒音低減効果を発揮するように、まくらぎ1及びレール締結装置2と干渉する部分を除き、レール底部R2及びレール腹部R3の略全面を覆う。被覆部材8には、図5に示すように、長さ方向の両端部にそれぞれ切欠部8c,8dが形成されている。切欠部8cは、レール締結装置2の締結ばね3との干渉を防止する逃げ部であり、レール締結装置2と電気的に絶縁するようにレール締結装置2との間に間隙部を形成している。切欠部8dは、まくらぎ1との干渉を防止する逃げ部である。ここで、図5に示す高さH1は、レール底部R2の高さに略等しい高さであり、高さH2はレール腹部R3の高さに略等しい高さである。長さL1は、隣接するまくらぎ1の間隔であり、長さL2はまくらぎ1の幅の半分であり、長さL3は締結ばね3の幅よりも僅かに長く設定されている。
図3及び図4に示す軟質弾性体層9a,9bは、硬質弾性体層10a,10bよりも剛性の低い弾性体層である。軟質弾性体層9a,9bは、剛体よりも相対的に軟質の弾性体であり、例えば常温でヤング率が1.0×103MPa以下であり、望ましくは粘性も兼ね備え、損失係数が0.05以上である。軟質弾性体層9a,9bは、吸音機能を有さない柔軟な弾性材や吸音機能を有さない柔軟な粘弾性体によって形成されている。このような軟質弾性体層9a,9bとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリルゴムなどの加硫ゴムや、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系TPE(熱可塑エラストマ)や、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合(EVA)樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコンなどのゲル、酢酸ビニル系、EVA系、アクリル樹脂系などのエマルジョン、ゴムラテックスなどが好ましい。軟質弾性体層9a,9bの上端面は、レール頭部R1の顎部に接触している。
硬質弾性体層10a,10bは、軟質弾性体層9a,9bよりも剛性の高い弾性体層である。硬質弾性体層10a,10bは、例えば、金属やヤング率が3.0×103MPa以上の剛体などからなる剛弾性体(高剛性弾性体)によって形成されている。硬質弾性体層10a,10bとしては、一般構造用圧延鋼材(SS鋼)、亜鉛めっき鋼板などの鋼材や、アルミ、ステンレスなどの金属や、フェノール、エポキシなどの熱硬化樹脂や、高密度のポリエチレン、ナイロンなどの熱可塑樹脂が好ましい。硬質弾性体層10a,10bは、図3及び図4に示すように、軟質弾性体層9a,9bが直射日光に曝されるのを防ぎ紫外線による劣化を抑制する。硬質弾性体層10a,10bの上端部は、レールRと電気的に絶縁可能なようにこのレールRとの間に僅かに間隙部を形成している。硬質弾性体層10a,10bは、軟質弾性体層9a,9bのレールRと接触する側とは反対側の表面に接着剤などによって貼り付けられ固定されており、硬質弾性体層10a,10bと軟質弾性体層9a,9bとの間には接着層が形成されている。この接着層は、エポキシ樹脂系、シアノアクリレート系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系などの反応型接着剤や、酢酸ビニル樹脂系、変性アクリル樹脂系などのエマルジョン型や、クロロプレンやシリコンなどの合成ゴム型や、エラストマー系、EVA系などのホットメルト型などの接着剤によって形成することが好ましい。
固定部材11は、被覆部材8をレールRに着脱自在に固定する部材である。固定部材11は、図3及び図4に示すように、右側保持部材11aと、左側保持部材11bと、連結部材11cなどを備えている。固定部材11は、被覆部材8の外側に着脱自在に装着される。
右側保持部材11aは、右側被覆部材8aを保持する部材であり、左側保持部材11bは左側被覆部材8bを保持する部材である。右側保持部材11a及び左側保持部材11bは、右側被覆部材8a及び左側被覆部材8bと密着可能なようにこれらの表面形状に沿った形状に形成されており、被覆部材8を挟み込むようにレールRの左右両側面から着脱自在に装着可能な分割構造を有する。右側保持部材11a及び左側保持部材11bは、例えば、薄板状のどぶ付けめっき鋼板やステンレス鋼板などによって形成されている。右側保持部材11a及び左側保持部材11bは、図1、図2及び図5に示すように、被覆部材8の長さ方向に間隔をあけて装着されている。図3に示すように、右側保持部材11aには一方の端部に接合部11dと貫通孔11fとが形成されており、左側保持部材11bには一方の端部に接合部11eと貫通孔11gとが形成されている。
連結部材11cは、右側保持部材11aと左側保持部材11bとを着脱自在に連結する部材である。連結部材11cは、図1及び図4に示すように、連結作業を容易に実施可能なように、被覆部材8がレールRに装着されたときにこのレールRの側方に位置するように配置されている。連結部材11cは、貫通孔11f,11gに挿入されるボルト11hと、このボルト11hに装着されるナット11iなどから構成されている。連結部材11cは、ボルト11hやナット11iなどがレールRの振動によって緩むのを防止するための緩み止め防止構造を備えている。
次に、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の作用を説明する。
レールR上を車両が通過してこのレールRが振動するとレールRと一体となって軟質弾性体層9a,9bが振動しようとする。軟質弾性体層9a,9bが柔軟な弾性材によって形成されている場合には、力学モデルとしてばね定数が小さい柔軟なばねを構成する。その結果、ばね定数の低下によって振動伝達率が低下し、レールRからの振動が硬質弾性体層10a,10bに伝播し難くなる。一方、軟質弾性体層9a,9bが柔軟な粘弾性材によって形成されている場合には、力学モデルとして柔軟なばねと減衰器(ダッシュポット)とを構成する。このため、ばね定数の低下によって振動伝達率が低下するとともに、粘性による振動減衰によってレールRの振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、レールRの振動が吸収され減衰する。その結果、レールRから外層の硬質弾性体層10a,10bに伝播する振動が低減するため、硬質弾性体層10a,10bの振動が低減し硬質弾性体層10a,10bからの放射音が低減する。特に、柔軟な粘弾性材が硬質弾性体層10a,10bによって拘束されている場合には、軟質弾性体層9a,9bのせん断変形の程度が振動時に高められるため、粘弾性材の内部損失が増大し制振能力が増幅させられる。以上の結果から、硬質弾性体層10a,10bによってレールRの略全面が被覆されているため、この硬質弾性体層10a,10bからの放射音の音響インピーダンスが低減し、レールR自体の放射音パワーが減少し防音効果が向上する。
次に、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着方法を説明する。
図3に示すように、レールRの右側側面に右側被覆部材8aを装着するとともに、レールRの左側側面に左側被覆部材8bを装着する、その後に、レールRの長さ方向に所定の間隔をあけて、右側保持部材11aを右側被覆部材8aに装着するとともに、左側保持部材11bを左側被覆部材8bに装着する。次に、ボルト11hを貫通孔11f,11gに挿入しナット11iをボルト11hに装着した後に、ナット11iとボルト11hとを締結し、右側保持部材11aと左側保持部材11bとを連結する。その結果、レール底部R2及びレール腹部R3が被覆部材8によって被覆され、被覆部材8がレールRに固定部材11によって固定される。レールRの交換作業や点検作業を実施する場合には、以上説明した手順と逆の手順によってレールRから被覆部材8が取り外される。
この発明の第1実施形態に係るレールの被覆部材には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、レール底部R2及びレール腹部R3の略全面を覆う被覆部材8が、レールRの左右両側面から着脱自在に装着可能な分割構造を有する右側被覆部材8aと左側被覆部材8bとを備え、右側被覆部材8aを保持する右側保持部材11aと、左側被覆部材8bを保持する左側保持部材11bとを連結部材11cが着脱自在に連結する。このため、被覆部材8が厚くなり重量が増加しても固定部材11によって被覆部材8をレールRに強固に固定することができる。その結果、従来のレール防音構造に比べてレールRに発生する振動を低減し、レールRからの音響放射を抑制することができるため、防音制振効果を向上させることができる。特に、鋼鉄道橋などの下部構造物にレールRから伝達される振動が抑制されるため、これらの下部構造物から発生する構造物騒音を低減することができる。また、従来のレールの防音構造のように軟質弾性体層9a,9bに磁性粉を混合する必要がないため、低コストで容易に製造することができる。
(2) この第1実施形態では、被覆部材8がレールRと接触する側に軟質弾性体層9a,9bを有し、レールRと接触する側とは反対側に硬質弾性体層10a,10bを有する。例えば、硬質弾性体層10a,10bのみによってレールRを被覆する場合には、レールRの振動が低減しても硬質弾性体層10a,10bが大きく振動し、この硬質弾性体層10a,10bから騒音が発生する可能性がある。この第1実施形態では、軟質弾性体層9a,9bの粘性抵抗による内部摩擦によってレールRの振動を抑制することができるとともに、軟質弾性体層9a,9bから硬質弾性体層10a,10bに伝わる振動を硬質弾性体層10a,10bによって抑制することができる。その結果、硬質弾性体層10a,10bから外部に放射する騒音を低減することができる。
(3) この第1実施形態では、被覆部材8がレールRに装着されたときに、このレールRの側方に連結部材11c位置するように配置されている。このため、被覆部材8をレールRに着脱するときにレールRが障害とはならず、連結部材11cを締め付けたり緩めたりする作業を容易に実施することができる。
(4) この第1実施形態では、軟質弾性体層9a,9bを粘弾性体によって形成することができる。この場合には、軟質弾性体層9a,9bがばねとダッシュポットとを構成するため、振動伝達率が低下するとともに、振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換されて振動が減衰する。その結果、レールR自体の放射音パワーが減少し、防音効果を向上させることができる。また、複雑な形状を有するレールRの表面に軟質弾性体層9a,9bが密着し追従可能になるため、レールRの表面の凹凸(不陸)が吸収され防音効果を向上させることができる。
(5) この第1実施形態では、レール締結装置2の設置間隔と略等しい長さに被覆部材8が形成されており、まくらぎ1及びレール締結装置2と被覆部材8とが干渉する部分を除く部分をこの被覆部材8が覆う。その結果、まくらぎ1及びレール締結装置2と干渉しない範囲内でレール底部R2及びレール腹部R3の略全面を可能な限り被覆部材8によって覆うことができるため、レールRからの騒音を低減することができる。
(第2実施形態)
この第2実施形態では、レールRからの騒音を吸収する吸音機能を有する吸音材によって、図3及び図4に示す軟質弾性体層9a,9bが形成されており、亜鉛めっき鋼板やアルミなどの通常の剛体によって硬質弾性体層10a,10bが形成されている。このような吸音材としては、柔軟な弾性材や柔軟な粘弾性材などである。柔軟な弾性材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂による繊維体や、ロックウール、グラスウールなどが好ましい。柔軟な粘弾性材としては、ウレタン、EPDM、クロロプレンなどの発泡体が好ましく、このような発泡体は吸音制振機能を有する粘弾性体であるため、吸音効果とともに制振効果も期待することができる。この第2実施形態では、軟質弾性体層9a,9bが騒音を吸収する吸音機能を有するため、レールRの騒音を抑制し防音効果を向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、レールRの振動を抑制する制振機能を有する制振材によって、図3及び図4に示す硬質弾性体層10a,10bが形成されており、吸音機能を有さない柔軟な弾性材や粘弾性材によって軟質弾性体層9a,9bが形成されている。このような制振材としては、ゴム層と金属板とからなる薄板状の樹脂積層型の制振鋼板(ニチアス株式会社製のメタラミネ(表品名))、株式会社神戸製鋼所製のダンプレ(表品名))や、クロム、鉛などが配合された鋼系の制振合金や、亜鉛などが配合されたアルミ系の制振合金や、アスファルト系やアクリル系、クロロプレン系などの制振塗料が塗布された金属板などが好ましい。この第3実施形態では、軟質弾性体層9a,9bが通常の弾性材又は粘弾性材のいずれの場合であっても、硬質弾性体層10a,10bが上記鋼板などの制振板である場合には、レールR自体の振動を低減するとともに、この硬質弾性体層10a,10b自体の振動も低減し、結果として硬質弾性体層10a,10bから放射される音を低減して防音効果を向上させることが期待される。
(第4実施形態)
図6は、この発明の第4実施形態に係るレールの防音構造の展開図である。図7は、この発明の第4実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。以下では、図1〜図5に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図6及び図7に示す連結部材11cは、被覆部材8がレールRに装着されたときにこのレールRの下方に位置するように配置されている。連結部材11cは、右側被覆部材8aの底部と左側被覆部材8bの底部とを接続しこれらに固定される固定金具11jと、この固定金具11jに形成された貫通孔11kに挿入されるボルト11mなどから構成されている。この第4実施形態では、連結部材11cがレールRの下方に位置するため、検測車がレールRに沿って移動しながら図1及び図2に示す締結ボルト5の緩みを検出するときにボルト11mを誤って検出してしまうのを防ぐことができる。
(第5実施形態)
図8は、この発明の第5実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
図8に示す被覆部材8は、レールRと接触する側及びこのレールRと接触する側とは反対側に硬質弾性体層10a,10bを有し、これらの硬質弾性体層10a,10bの間に軟質弾性体層9a,9bを有する。このため、レールRが振動してこの振動が内側の硬質弾性体層10a,10bに伝わると、内側の硬質弾性体層10a,10bとレールRとの間の境界面のすべり摩擦によって振動が抑制される。また、内側の硬質弾性体層10a,10bからの振動が中間の軟質弾性体層9a,9bの内部損失によって抑制されるとともに、内側の硬質弾性体層10a,10bと内側の軟質弾性体層9a,9bとの間の境界面のすべり摩擦によって抑制される。その結果、この中間の軟質弾性体層9a,9bから外側の硬質弾性体層10a,10bに伝わる振動が低減し、外側の硬質弾性体層10a,10bから外部に放射する騒音を低減させる。この第5実施形態では、第1実施形態と同様に防音効果を向上させることができる。
(第6実施形態)
図9は、この発明の第6実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
図9に示す被覆部材8は、レールRと接触する側に硬質弾性体層10a,10bを有し、軟質弾性体層9a,9bと硬質弾性体層10a,10bとが互い違いに2層積層されている。このため、この第6実施形態では、第5実施形態に比べてより一層防音効果を向上させることができる。
(第7実施形態)
図10は、この発明の第7実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
図10に示す被覆部材8は、軟質弾性体層9a,9bのレールRと接触する側に、レールRの腐食を防止する防錆層12を有する。防錆層12は、フタル樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリウレア系、ウレタン樹脂系、ビニルエステル系の塗料型の防錆剤や、フッ素樹脂系などのコーティング型の防錆剤や、防錆グリースなどが塗布されて層形成されている。この第7実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、被覆部材8が防錆層12を備えるため、レールRと軟質弾性体層9a,9bとの間の境界面における腐食を防止することができる。
(第8実施形態)
図11は、この発明の第8実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
図11に示す被覆部材8は、軟質弾性体層9a,9bの表面を保護する保護層(保護袋)13を有する。この保護層13は、電気絶縁性、耐候性及び防水性などを有する柔軟な薄膜状のゴムや合成樹脂などによって形成されており、軟質弾性体層9a,9bの全体を袋状に被覆する。このような保護層としては、フッ素樹脂(テトロン(商品名))、ポリエステル、ナイロンなどによって形成することが好ましい。この第8実施形態では、軟質弾性体層9a,9bが直射日光に曝されるのを防ぎ紫外線による劣化を抑制することができるとともに、被覆部材8への雨水の浸入を抑制することができる。
(第9実施形態)
図12は、この発明の第9実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
図12に示す被覆部材8は、軟質弾性体層9a,9bの上端面9c,9dの略全面を硬質弾性体層10a,10bによって被覆している。硬質弾性体層10a,10bは、上端面9c,9dの略全面を覆うように上端部が略垂直に折り曲げられて屈曲部10c,10dが形成されており、この屈曲部10c,10dの先端部はレールRと電気的に絶縁するようにレールRと僅かに間隙部を形成している。この第9実施形態には、第8実施形態と同様の効果がある。
(第10実施形態)
図13は、この発明の第10実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
図13に示す被覆部材8は、防音壁部14を備えており、この防音壁部14はレールR上を車両が通過するときに発生する騒音を減衰させる部材である。防音壁部14は、硬質弾性体層10aと一体に形成され軌道面に対して略垂直に伸びており、建築限界Lを超えない範囲内に配置されている。ここで、建築限界Lとは、鉄道車両が安全に走行するために建築物などが入ってはならない軌道上に確保された空間である。防音壁部14とレール腹部R3との間に軟質弾性体層9aが形成されている。吸音部15は、レールRを車両が通過するときに発生する音を吸収する部材であり、防音壁部14の音源側(車両側)に接着剤などによって固定されている。この第10実施形態では、レールRからの騒音を低減することができるとともに、レールR上を車輪Wが移動するときに発生する転動音や空力音などのような車両の下部から発生する騒音も低減することができる。
次に、この発明の実施例について説明する。
図14は、振動評価試験装置の構成図である。
図14に示す振動評価試験装置20は、レールRに打撃を加えたときに発生する振動を測定して制振効果を評価する試験装置である。振動評価試験装置20は、レールRに打撃を加えるインパルスハンマー21と、レール頭部R1の頭頂面に発生する上下方向の振動のみを検出する振動ピックアップ22と、インパルスハンマー21からの出力信号と振動ピックアップ22からの出力信号との時間波形及び伝達関数を解析する2チャンネルFFTアナライザ23などを備えている。振動評価試験装置20は、実施例1,2に係る試験体30によってレールRを被覆した状態で、振動ピックアップ22が装着されている側とは反対側のレールRの端部をインパルスハンマー21で打撃したときに発生する振動を測定する。
実施例1は、厚さ0.6mmの制振鋼板(株式会社ニチアス製のメタラミネ(商品名))の制振カバーと、この制振カバーとレールRとの間の5〜10mm程度の隙間に挟み込まれた厚さ10mmのEPDMの発泡ゴム吸音材とからなる試験体である。実施例2は、厚さ0.8mmの制振鋼板(株式会社ニチアス製のメタラミネ(商品名))の制振カバーと、この制振カバーとレールRとの間の5〜10mm程度の隙間に挟み込まれた厚さ10mmのEPDMの発泡ゴム吸音材とからなる試験体である。実施例1,2は、図1〜図5に示す被覆部材8に相当する。
図15は、振動評価試験の測定結果を示すグラフであり、図15(A)は比較例の測定結果を示し、図15(B)は実施例1の測定結果を示し、図15(C)は実施例2の測定結果を示す。
図15に示す測定結果は、周波数レンジ2kHz、平均回数20回のときの測定結果であり、上側の波形がインパルスハンマー21からの測定結果であり、下側の波形が振動ピックアップ22からの測定結果である。図15(A)に示す比較例は、レールRを被覆しない状態で打撃を加えたときの測定結果である。図15(B)(C)に示す実施例1,2は、図15(A)に示す比較例に比べて短時間で振動が減衰しており制振効果が高いことが確認された。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、レール底部R2及びレール腹部R3の略全面を被覆部材8によって被覆する場合を例に挙げて説明したが、車輪Wの踏面W1及びフランジ面W2と接触しない範囲内でレール頭部R1の一部も被覆部材8によって被覆することができる。また、この実施形態では、まくらぎ1及びレール締結装置2と干渉する部分を除き被覆部材8によって被覆する場合を例に挙げて説明したが、レールRを接続するレール継目板を電気的に絶縁可能な状態で被覆部材によって被覆することもできる。
(2) この実施形態では、軟質弾性体層9a,9bの上端面をレール頭部R1の顎部に接触させた場合を例に挙げて説明したが、上端面をレール頭部R1の顎部から僅かに離間させることもできる。また、この実施形態では、軟質弾性体層9a,9b及び硬質弾性体層10a,10bの材料構成について説明したが、柔軟な弾性材や粘弾性材によって軟質弾性体層9a,9bを形成し、制振鋼板や制振合金によって硬質弾性体層10a,10bを形成することもできる。
(3) この第7実施形態では、軟質弾性体層9a,9bのレールRと接触する側に防錆層12を形成した場合を例に挙げて説明したがこれに限定するものではない。例えば、軟質弾性体層9a,9bの全体に防錆剤を配合又は混合させたり、軟質弾性体層9a,9bの表面に防錆剤を配合又は含浸させたりして、軟質弾性体層9a.9bに防錆剤を含有させることもできる。軟質弾性層9a,9bに亜鉛硝酸などの気化質の防錆剤を配合することもできる。この場合には、気化質の防錆剤が使用に伴って徐々に発散し、レールRと軟質弾性体層9a,9bとの間の界面に防錆気化層を形成し、レールRの腐食を抑制することが期待できる。図8及び図9に示す硬質弾性体層10a,10bのレールRと接触する側に防錆層12を形成させたり、図8及び図9に示す硬質弾性体層10a,10bに防錆剤を含有させたりすることもできる。また、この第7実施形態では、被覆部材8側に防錆層12を形成する場合を例に挙げて説明したが、レールR側に防錆層12を形成することもできる。さらに、この第10実施形態では、軟質弾性体層9a,9b及び硬質弾性体層10a,10bをそれぞれ2層互い違いに積層した場合を例に挙げて説明したが、これらを3層以上互い違いに積層することもできる。
この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着状態を示す平面図である。 この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着状態を示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の展開図である。 この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。 この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の側面図である。 この発明の第4実施形態に係るレールの防音構造の展開図である。 この発明の第4実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。 この発明の第5実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。 この発明の第6実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。 この発明の第7実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。 この発明の第8実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。 この発明の第9実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。 この発明の第10実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。 振動評価試験装置の構成図である。 振動評価試験の測定結果を示すグラフであり、(A)は比較例の測定結果を示し、(B)は実施例1の測定結果を示し、(C)は実施例2の測定結果を示す。
符号の説明
1 まくらぎ
2 レール締結装置
7 防音構造
8 被覆部材
8a 右側被覆部材
8b 左側被覆部材
8c,8d 切欠部
9a,9b 軟質弾性体層
9c,9d 上端面
10a,10b 硬質弾性体層
10c,10d 屈曲部
11 固定部材
11a 右側保持部材
11b 左側保持部材
11c 連結部材
12 防錆層
13 保護層
14 防音壁部
15 吸音部
R レール
1 レール頭部
2 レール底部
3 レール腹部
W 車輪

Claims (8)

  1. レールの振動によって発生する騒音を低減するレールの防音構造であって、
    軟質弾性体層と硬質弾性体層とを有する積層構造の被覆部材と、
    前記被覆部材を前記レールに着脱自在に固定する固定部材とを備え、
    前記被覆部材は、少なくとも前記レールの腹部及び底部の略全面を覆い、このレールの左右両側面から着脱自在に装着可能な分割構造を有する右側被覆部材と左側被覆部材とを備え、
    前記固定部材は、
    前記右側被覆部材を保持する右側保持部材と、
    前記左側被覆部材を保持する左側保持部材と、
    前記右側保持部材と前記左側保持部材とを着脱自在に連結する連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記被覆部材を前記レールに装着したときにこのレールの側方に位置し、ボルトとナットとを上下方向から締結させて前記右側保持部と前記左側保持部とを着脱自在に連結
    前記被覆部材は、前記軟質弾性体層が粘弾性材による発泡体によって形成されており、この発泡体の前記レールと接触する側にこのレールの腐食を防止する防錆層を有し、
    前記防錆層は、前記発泡体の前記レールと接触する側に塗布又は含浸されていること、
    を特徴とするレールの防音構造。
  2. 請求項1に記載のレールの防音構造において、
    前記被覆部材は、前記レールと接触する側に前記軟質弾性体層を有し、前記レールと接触する側とは反対側に前記硬質弾性体層を有すること、
    を特徴とするレールの防音構造。
  3. 請求項1又は請求項に記載のレールの防音構造において、
    前記軟質弾性体層は、前記騒音を吸収する吸音機能を有すること、
    を特徴とするレールの防音構造。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のレールの防音構造において、
    前記硬質弾性体層は、前記振動を抑制する制振機能を有すること、
    を特徴とするレールの防音構造。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のレールの防音構造において、
    前記被覆部材は、前記軟質弾性体層の上端面の略全面を前記硬質弾性体層によって覆うこと、
    を特徴とするレールの防音構造。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のレールの防音構造において、
    前記被覆部材は、前記レールをまくらぎに締結するレール締結装置の設置間隔と略等しい長さに形成されており、前記まくらぎ及び前記レール締結装置と干渉する部分を除き、少なくとも前記レールの腹部及び底部の略全面を覆うこと、
    を特徴とするレールの防音構造。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のレールの防音構造において、
    前記被覆部材は、前記レール上を車両が通過するときに発生する騒音を減衰させる防音壁部を備えること、
    を特徴とするレールの防音構造。
  8. 請求項に記載のレールの防音構造において、
    前記防音壁部は、音源側に吸音部を備えること、
    を特徴とするレールの防音構造。
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