JP4279492B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、始動入賞口への入賞に基づいて変動表示ゲームを行う遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
発射装置より遊技領域に発射した遊技球が始動入賞口へ入賞した場合、大当り乱数を抽出記憶して、この大当り乱数に基づいて変動表示手段の変動表示領域で変動表示ゲームを行い、この変動表示ゲームで導出する結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機(パチンコ遊技機)がある。
【0003】
このような遊技機では、始動入賞口の入賞を始動入賞記憶として記憶してこの記憶を基に変動表示ゲームを実行するが、遊技者の発射操作が影響を与え、かつ、ランダム性を与えるために、始動入賞口の入賞時に変動表示ゲームの大当り乱数を取得し記憶している。また、このときに大当り図柄乱数等も取得し記憶するようになっている(大当りした場合、大当りの図柄によって特定遊技状態の発生が決まるため)。
【0004】
そのため、現在変動表示ゲーム中あるいは大当り遊技中に、遊技球が始動入賞口へ入賞した場合、その入賞時に変動表示ゲームの大当り乱数(ならびに大当り図柄乱数等)を取得し記憶しておいて、変動表示ゲームが終了するとあるいは大当り遊技が終了すると、その記憶しておいた乱数に基づいて新たな変動表示ゲームを行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような始動入賞記憶の上限(MAX)は4個となっており、MAXを超えた分の始動入賞口の入賞については、賞球の払い出ししかなく、変動表示ゲームの権利は生じない。
【0006】
したがって、リーチ等の発生中にMAXに至ると遊技者はいわゆる止め打ちをすることが多い。また、大当り中にはすぐにMAXに至ってしまい、せっかく始動入賞口に入賞しても、遊技者側からすると損をしているような気分になり、上限数をもっと多くしたり、上限数を撤廃するような遊技機が望まれている。
【0007】
しかしながら、このように始動入賞(始動入賞口の入賞)時に大当り乱数(ならびに大当り図柄乱数等)を取得する従来の方法では、始動入賞記憶の上限が増加するとそれに伴い乱数値の記憶量も増加する。すなわち、遊技制御装置のRAM容量には限りがあるので、上限をかなり大きく設定したり、また、上限を無くす等ということは困難である。
【0008】
この発明の目的は、RAM容量を増やすことなく、始動入賞記憶の上限を大きくすることができる遊技機を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技領域に設けられる始動入賞口への遊技球の入賞に関連して乱数を抽出してゲーム情報記憶手段に記憶し、該ゲーム情報記憶手段に記憶された乱数の判定結果に基づいて変動表示手段の変動表示領域で変動表示ゲームを行い、前記変動表示ゲームで導出する結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて未だ変動表示ゲームを行っていない始動入賞記憶の保留数を、第1の所定数を上限として記憶可能な保留数記憶手段と、前記保留数記憶手段に記憶される保留数に対応して前記ゲーム情報記憶手段の乱数の記憶制御を行う乱数記憶制御手段と、を備え、前記ゲーム情報記憶手段は、前記第1の所定数よりも少ない第2の所定数を上限として乱数を記憶可能に構成され、前記乱数記憶制御手段は、前記始動入賞口への遊技球の入賞数を加算した後に、前記保留数記憶手段に記憶されている保留数記憶が前記第2の所定数以下であった場合には、当該始動入賞口への遊技球の入賞時に抽出した乱数を前記ゲーム情報記憶手段に記憶するようにし、前記始動入賞口への遊技球の入賞数を加算した後に、前記保留数記憶手段に記憶されている保留数記憶が前記第2の所定数より多い場合には、前記第2の所定数の保留数記憶における最古の変動表示ゲームの終了時に、乱数により決定されたディレイ時間経過後に抽出した、当該始動入賞口への入賞に対応する乱数を前記ゲーム情報記憶手段に記憶するようにした。
【0018】
【発明の効果】
本発明では、前記始動入賞口への遊技球の入賞数を加算した後に、前記保留数記憶手段に記憶されている保留数記憶が前記第2の所定数以下であった場合には、当該始動入賞口への遊技球の入賞時に抽出した乱数を前記ゲーム情報記憶手段に記憶するようにし、前記始動入賞口への遊技球の入賞数を加算した後に、前記保留数記憶手段に記憶されている保留数記憶が前記第2の所定数より多い場合には、前記第2の所定数の保留数記憶における最古の変動表示ゲームの終了時に、乱数により決定されたディレイ時間経過後に抽出した、当該始動入賞口への入賞に対応する乱数を前記ゲーム情報記憶手段に記憶するようにしたので、限られた記憶量の範囲で始動入賞記憶の数(保留数)を十分大きくすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1は遊技機(パチンコ遊技機)の遊技盤1の正面図である。
【0028】
遊技盤1の表面には、ガイドレール2で囲われた遊技領域3のほぼ中央に画像表示装置(変動表示装置:変動表示手段)4が、遊技領域3の下方に大入賞口としての特別変動入賞装置5が配設される。
【0029】
画像表示装置4は、例えばLCD(液晶表示装置)、CRT(ブラウン管)等で構成され、複数の識別情報(識別図柄)を変動表示する変動表示ゲーム(組み合わせゲーム)等、遊技の進行に基づく画像が表示される。
【0030】
特別変動入賞装置5は、大入賞口ソレノイド6(図2参照)への通電により、球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。
【0031】
特別変動入賞装置5の直ぐ上方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)8を有する始動口7が、その左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲート20が配設される。
【0032】
普通変動入賞装置8は、普通電動役物ソレノイド10(図2参照)への通電により、始動口7への入口を拡開するように変換される。
【0033】
遊技領域3の各所には、N個(図1には4個のみ示す)の一般入賞口11が設けられる。遊技領域3の最下端には、アウト口12が設けられる。
【0034】
図示しない打球発射装置から遊技領域3に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることにより遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域3内の各所に配置された風車等の転動誘導部材13により転動方向を変えられながら遊技領域3表面を流下し、始動口7、一般入賞口11、特別変動入賞装置5に入賞するか、アウト口12から排出される。
【0035】
始動口7への入賞は、特別図柄始動センサ14(図2参照)により検出される。特別変動入賞装置5への入賞は、カウントセンサ15、継続センサ16(図2参照)により検出される。N個の一般入賞口11への入賞は、各一般入賞口11毎に備えられたN個の入賞センサ17A〜17N(図2参照)により検出される。また、普通図柄始動ゲート20への遊技球の通過は、普通図柄始動センサ21(図2参照)により検出される。
【0036】
始動口7への遊技球の入賞は、特別図柄始動記憶(始動入賞記憶)として記憶され、画像表示装置4の上部に、その特別図柄始動記憶数(保留数)の表示用の特別図柄記憶表示器18が設けられる。特別図柄記憶表示器18には、所定数の表示部18a〜18hが設けられ、これらの表示部18a〜18hの点灯色を変えていくことで、所定数の特別図柄始動記憶を表示可能になっている。この場合、表示部18a〜18hのいくつかを2桁の位を表すようにして表示するようにしても良い。また、表示部18a〜18hの代わりに7セグメントLED等を用いて表示するようにしても良く、また表示部18a〜18hと7セグメントLED等とを共用して表示するようにしても良い。
【0037】
普通図柄始動ゲート20への遊技球の通過は、普通図柄始動記憶として、例えば最大4回分を限度として記憶され、特別変動入賞装置5の右側にその普通図柄始動記憶の数を表示する普通図柄記憶表示器22が、特別変動入賞装置5の左側にLED等からなる普通図柄表示器23が配設される。
【0038】
始動口7、一般入賞口11、特別変動入賞装置5に遊技球が入賞すると、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が図示しない払出ユニット(排出装置)から排出され、図示しない供給皿(遊技者に対して賞球または貸球が払い出される皿)に供給される。
【0039】
遊技機の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が備えられる。また、遊技機には、音出力装置(スピーカ)が備えられる。
【0040】
図2は、遊技制御装置(大当り乱数記憶制御手段、記憶制御態様選択手段、始動入賞タイミング乱数記憶制御手段、変動タイミング乱数記憶制御手段、遊技状態監視手段、抽出タイミング可変手段)100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
【0041】
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM、遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAM(ゲーム情報記憶手段、保留数記憶手段)を内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
【0042】
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ14、一般入賞口センサ17A〜17N、カウントセンサ15、継続センサ16、普通図柄始動センサ21)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、大入賞口ソレノイド6、普通電動役物ソレノイド10、普通図柄表示器23等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0043】
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号または図示しないカード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し、賞球または貸球の排出を行わせる。
【0044】
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御すると共に、特別図柄記憶表示器(特図保留LED)18、普通図柄記憶表示器22の表示を制御する。
【0045】
音制御装置300は、スピーカからの効果音出力を制御する。なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみを許容するようになっている。
【0046】
表示制御装置150は、2D(2次元)および3D(3次元)画像の表示制御を行うもので、CPU151、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)152、DRAM153、154、インターフェース155、プログラム等を格納したPRGROM156、画像データ(図柄データ、動画キャラクタデータ、背景画データ、テクスチャデータ等)を格納したCGROM157、液晶を駆動するLCDインターフェース158等から構成される。
【0047】
CPU151は、PRGROM156に格納したプログラムを実行し、遊技制御装置100からの表示指令信号(コマンド)に基づいて、2Dの画像情報(図柄表示情報、動画キャラクタ画面情報、背景画面情報等)を作成したり、3Dの画像情報(オブジェクト)の座標演算(ジオメトリ演算)等を行い、これらの演算結果をDRAM153に格納する。
【0048】
VDP152は、DRAM153に格納された画像情報に基づいて、2Dまたは3Dの画像の描画を行ってフレームバッファとしてのDRAM154に格納する。そして、DRAM154の画像を所定のタイミング(垂直同期、水平同期)でLCDインターフェース158へ送出して、液晶からなる画像表示装置4に出力する。
【0049】
VDP152が行う描画処理は、2Dと3Dの点描画、線描画、トライアングル描画、ポリゴン描画を行い、さらに3D画像では、テクスチャマッピング、アルファブレンディング、シェーディング処理(グローシェーディング等)、陰面消去(Zバッファ処理等)を行って、CPU151が設定した3DオブジェクトをフレームバッファとしてのDRAM154へ描画する。
【0050】
VDP152と画像表示装置4の間のインターフェース158は、画像表示装置の種類に応じて適宜選択すればよく、ここでは画像表示装置4に液晶を用いたが、CRT、ELあるいはプラズマなどのディスプレイを採用する場合には、これらのディスプレイデバイスに対応するインターフェース158を用いればよい。
【0051】
CGROM157には、変動表示ゲームに用いる図柄、背景、動画キャラクタ等の2Dデータおよび3Dオブジェクトデータ、テクスチャデータを格納している。
【0052】
インターフェース155の手前には、信号伝達方向規制手段であるバッファ回路160を設けており、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみを許容し、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力を禁止している。
【0053】
次に、遊技制御装置100の遊技制御の内容および変動表示ゲームについて、図3〜図6に基づいて説明する
図3は始動口センサ(特別図柄始動センサ14)の監視処理を示す。
【0054】
ステップ1において、遊技領域3に打ち出された遊技球が始動口7に入賞して、これを特別図柄始動センサ14が検出したかを見る。
【0055】
入賞を検出した場合、ステップ2にて始動入賞記憶数(特別図柄始動記憶数:未だ変動表示ゲームを行っていない保留記憶数)が上限(例えば、100個)に達していないかを見る。
【0056】
始動入賞記憶数が上限に達していない場合、ステップ3に進み、始動入賞記憶数を+1する。これは、図6のように遊技制御装置100のRAM内に設定してある保留数記憶領域Pの記憶数を+1して行う。保留数記憶領域Pは、8ビットの場合、256まで記憶できる。
【0057】
次に、ステップ4にて始動入賞記憶数が所定値K以上かどうかを見る。所定値Kは、後述するように通常遊技状態のときは例えば「5」に、大当たり遊技中のときは例えば「20」に、確変中のときは例えば「10」に設定する。
【0058】
始動入賞記憶数が所定値K以上のときは、リターンする。
【0059】
一方、始動入賞記憶数が所定値K未満のときは、ステップ5、6に進み、それぞれ所定の乱数生成処理にて生成される大当たり乱数、大当たり図柄乱数を抽出して、図6のように遊技制御装置100のRAM内に設定してある大当たり関連乱数セーブ領域の大当たり乱数記憶領域F([A]、[B])、大当たり図柄乱数記憶領域Gに記憶する。大当たり乱数記憶領域F、大当たり図柄乱数記憶領域Gは、所定値K−1の記憶数分設定してあり、抽出した大当たり乱数、大当たり図柄乱数は、その始動入賞記憶数に対応する大当たり乱数記憶領域FN(N=1、2、…、K−1)、大当たり図柄乱数記憶領域GN(N=1、2、…、K−1)に記憶する。
【0060】
なお、大当たり乱数記憶領域Fは、F([A])、F([B])の2領域備えたので、8ビットの場合、256×256の乱数を設定できる。
【0061】
図4は特図(画像表示装置4)の普段処理を示す。この処理は、変動表示ゲームを実行するための1処理であり、変動表示ゲームに入っていないときかつ大当り遊技中にないときに行う。
【0062】
ステップ11において、始動入賞記憶数(特別図柄始動記憶数:未だ変動表示ゲームを行っていない保留記憶数)の有無を見る。
【0063】
始動入賞記憶数が無い場合、ステップ12にて普段状態設定処理を行う。これは、遊技のデモ演出の設定等を行う。この指令によって、表示制御装置150は画像表示装置4にデモ表示を行う。また、この普段状態設定処理にて、この図4の特図普段処理を再度実行するように指示し、始動入賞記憶数が0以外になるまでデモ演出が継続的に設定されることとなる。
【0064】
一方、始動入賞記憶数が有れば、ステップ13、14に進み、始動入賞記憶数つまり遊技制御装置100のRAMの保留数記憶領域Pの記憶数を−1すると共に、大当たり関連乱数セーブ領域の大当たり乱数記憶領域F([A]、[B])、大当たり図柄乱数記憶領域Gに記憶してある値をシフトする。
【0065】
このシフトは、大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1の値を所定の大当たり判定領域に、大当たり乱数記憶領域F2、大当たり図柄乱数記憶領域G2の値を大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1に、大当たり乱数記憶領域F3、大当たり図柄乱数記憶領域G3の値を大当たり乱数記憶領域F2、大当たり図柄乱数記憶領域G2に、…、大当たり乱数記憶領域FK−1、大当たり図柄乱数記憶領域GK−1の値を大当たり乱数記憶領域FK−2、大当たり図柄乱数記憶領域GK−2にシフトする。
【0066】
次に、ステップ15にて、ステップ13において減算する前の始動入賞記憶数が所定値K以上あったかどうかを判定する。
【0067】
所定値K未満の場合、そのままステップ19〜21に進み、所定値K以上の場合、ステップ16〜18の処理後、ステップ19〜21に進む。
【0068】
ステップ16では、大当たり乱数取得タイミングディレイ処理を行う。このディレイ処理では、ディレイ用乱数生成処理にて生成されるディレイ用乱数を基に、例えば0ms〜100ms位の範囲でディレイ時間Tを設定する。このディレイ時間Tの経過後、ステップ17、18の処理を行う。
【0069】
ステップ17、18では、それぞれ所定の乱数生成処理にて生成される大当たり乱数、大当たり図柄乱数を抽出して、遊技制御装置100のRAMの所定値K直前(所定値K−1)の始動入賞記憶数に対応する大当たり乱数記憶領域FK−1、大当たり図柄乱数記憶領域GK−1に記憶する。例えば、通常遊技状態の場合は、K=「5」であるので、大当たり乱数記憶領域F4、大当たり図柄乱数記憶領域G4が該当する。
【0070】
ステップ19では、停止図柄パターン乱数生成処理にて生成される停止図柄パターン乱数を取得し、図6のように遊技制御装置100のRAMの停止図柄パターン乱数記憶領域Qに記憶する。この停止図柄パターン乱数は、ハズレの停止図柄パターンを設定する。
【0071】
ステップ20では、変動パターン乱数生成処理にて生成される変動パターン乱数を取得し、図6のように遊技制御装置100のRAMの変動パターン乱数記憶領域Rに記憶する。この変動パターン乱数は、変動表示ゲームの変動パターン(変動表示時間等)を設定する。
【0072】
ステップ21では、変動表示ゲームの変動開始処理をセットする。
【0073】
この変動開始処理では、大当たり判定領域の大当たり乱数が大当たりあるいは特定の大当たりかどうかを判定して、大当たりあるいは特定の大当たりの場合は、大当たり判定領域の大当たり図柄乱数を基に大当たりあるいは特定の大当たりの図柄を決定する。そして、変動パターン乱数記憶領域Rの変動パターン乱数を判定して変動パターンを決定し、その大当たりあるいは特定の大当たりの情報(図柄情報等)ならびに変動パターンの情報を表示制御装置150に送信する。また、ハズレの場合は、停止図柄パターン乱数記憶領域Qの停止図柄パターン乱数によりハズレ図柄を決定し、そして変動パターン乱数記憶領域Rの変動パターン乱数を判定して変動パターンを決定し、図柄情報ならびに変動パターンの情報を表示制御装置150に送信する。
【0074】
この指令を基に表示制御装置150は変動表示ゲームを行う。即ち、画像表示装置4に図柄の変動表示を開始する。
【0075】
図5は遊技状態に基づいて所定値Kを変更するための基準数設定処理を示す。
【0076】
これは、ステップ31〜35のように通常遊技状態のときは所定値Kに例えば「5」を、特別遊技状態中(大当たり遊技中)は所定値Kに例えば「20」を、後述する特定遊技状態中(確変中)は所定値Kに例えば「10」を選択する。
【0077】
したがって、所定値K=「5」が選択される通常遊技状態の場合、変動表示ゲーム中でなく、始動入賞記憶(特別図柄始動記憶)が無い状態にあって、遊技球が始動口7に入賞すると(第1の入賞とする)、始動入賞記憶数(保留数記憶領域Pの記憶数)が「1」となり、その始動口7への入賞時に大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、始動入賞記憶数「1」に対応する大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1に一旦記憶された後、始動入賞記憶数を「0」にして、大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり判定領域にシフトされ、停止図柄パターン乱数ならびに変動パターン乱数が取得され、第1の入賞に基づく変動表示ゲームが開始される。
【0078】
次いで、第1の入賞に基づく変動表示ゲーム中(始動入賞記憶数「0」のとき)に、再び遊技球が始動口7に入賞すると(第2の入賞とする)、始動入賞記憶数が再び「1」となり、その始動口7への入賞時に大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、始動入賞記憶数「1」に対応する大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1に記憶されるが、第1の入賞に基づく変動表示ゲームが終了するまでは第2の入賞に基づく変動表示ゲームは開始されない。
【0079】
これに続き、第1の入賞に基づく変動表示ゲーム中(始動入賞記憶数「1」のとき)に、遊技球が続いて始動口7に入賞すると(第3、第4、第5の入賞とする)、始動入賞記憶数が「2」→「3」→「4」となり、それぞれ始動口7への入賞時にそれぞれ大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、それぞれ始動入賞記憶数「2」、「3」、「4」に対応する大当たり乱数記憶領域F2、F3、F4、大当たり図柄乱数記憶領域G2、G3、G4に記憶されるが、第1の入賞に基づく変動表示ゲームおよび第2の入賞に基づく変動表示ゲームが終了するまでは第3の入賞に基づく変動表示ゲームは開始されない。
【0080】
この場合、第1の入賞に基づく変動表示ゲームが終了すると(ハズレのとき)、始動入賞記憶数を「3」にして、大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり判定領域に、大当たり乱数記憶領域F2、大当たり図柄乱数記憶領域G2の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1に、大当たり乱数記憶領域F3、大当たり図柄乱数記憶領域G3の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり乱数記憶領域F2、大当たり図柄乱数記憶領域G2に、大当たり乱数記憶領域F4、大当たり図柄乱数記憶領域G4の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり乱数記憶領域F3、大当たり図柄乱数記憶領域G3にシフトされ、停止図柄パターン乱数ならびに変動パターン乱数が取得され、第2の入賞に基づく変動表示ゲームが開始される。
【0081】
次に、第2の入賞に基づく変動表示ゲームが終了すると(ハズレのとき)、始動入賞記憶数を「2」にして、大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり判定領域に、大当たり乱数記憶領域F2、大当たり図柄乱数記憶領域G2の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1に、大当たり乱数記憶領域F3、大当たり図柄乱数記憶領域G3の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり乱数記憶領域F2、大当たり図柄乱数記憶領域G2にシフトされ、停止図柄パターン乱数ならびに変動パターン乱数が取得され、第3の入賞に基づく変動表示ゲームが開始される。
【0082】
第3の入賞に基づく変動表示ゲームが終了すると(ハズレのとき)、同様に第4の入賞に基づく変動表示ゲームが開始され、第4の入賞に基づく変動表示ゲームが終了すると(ハズレのとき)、同様に第5の入賞に基づく変動表示ゲームが開始される。
【0083】
一方、第1の入賞に基づく変動表示ゲーム中にあって始動入賞記憶数(保留数記憶領域Pの記憶数)「4」のとき(大当たり乱数記憶領域F1〜F4、大当たり図柄乱数記憶領域G1〜G4に大当たり乱数、大当たり図柄乱数の記憶値がある)、遊技球が始動口7に入賞した場合、順に第6、第7、…の入賞とすると、始動入賞記憶数が「5」→「6」→「…」となるが、所定値K(通常遊技状態の場合、「5」)以上のため、それぞれ始動口7への入賞時に大当たり乱数、大当たり図柄乱数は抽出されない。
【0084】
この場合、第6の入賞(始動入賞記憶数「5」)に対しては、第1の入賞に基づく変動表示ゲームが終了して(ハズレのとき)、第2の入賞に基づく変動表示ゲームが開始されるときに、大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、記憶される。即ち、第1の入賞に基づく変動表示ゲームが終了すると(ハズレのとき)、始動入賞記憶数を−1して、大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり判定領域に、大当たり乱数記憶領域F2、大当たり図柄乱数記憶領域G2の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり乱数記憶領域F1、大当たり図柄乱数記憶領域G1に、大当たり乱数記憶領域F3、大当たり図柄乱数記憶領域G3の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり乱数記憶領域F2、大当たり図柄乱数記憶領域G2に、大当たり乱数記憶領域F4、大当たり図柄乱数記憶領域G4の大当たり乱数、大当たり図柄乱数が大当たり乱数記憶領域F3、大当たり図柄乱数記憶領域G3にシフトされ、第2の入賞に基づく変動表示ゲームが開始されるのであるが、この際ディレイ用乱数に基づくディレイ時間Tが経過したときに、大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、始動入賞記憶数「4」に対応する大当たり乱数記憶領域F4、大当たり図柄乱数記憶領域G4に記憶される。
【0085】
また、第7の入賞(始動入賞記憶数「6」)に対しては、第2の入賞に基づく変動表示ゲームが終了して(ハズレのとき)、第3の入賞に基づく変動表示ゲームが開始されるときに、即ち、始動入賞記憶数を−1して、それぞれ大当たり乱数記憶領域F1〜F4、大当たり図柄乱数記憶領域G1〜G4の値がシフトされ、ディレイ用乱数に基づくディレイ時間Tが経過したときに、大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、始動入賞記憶数「4」に対応する大当たり乱数記憶領域F4、大当たり図柄乱数記憶領域G4に記憶される。
【0086】
また、第8、…の入賞(始動入賞記憶数「7」、「…」)に対しては、それぞれ第3、…の入賞に基づく変動表示ゲームが終了して(ハズレのとき)、それぞれ第4、…の入賞に基づく変動表示ゲームが開始されるときに、即ち、各々、そのときの始動入賞記憶数を−1して、それぞれ大当たり乱数記憶領域F1〜F4、大当たり図柄乱数記憶領域G1〜G4の値がシフトされ、ディレイ用乱数に基づくディレイ時間Tが経過したときに、入賞に対する大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、始動入賞記憶数「4」に対応する大当たり乱数記憶領域F4、大当たり図柄乱数記憶領域G4に記憶される。
【0087】
即ち、所定値K=「5」未満の始動入賞記憶に対しては、始動口7への入賞時に大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出、記憶され、所定値K=「5」以上の始動入賞記憶に対しては、前の始動入賞記憶に基づく変動表示ゲームが開始されるときに大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出、記憶される。
【0088】
これに対して、所定値K=「20」が選択される大当たり遊技中の場合、始動入賞記憶数(保留数記憶領域Pの記憶数)が所定値K=「20」未満の始動入賞記憶に対しては、始動口7への入賞時に大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、始動入賞記憶数に対応する大当たり乱数記憶領域F1〜F19、大当たり図柄乱数記憶領域G1〜G19に記憶される。また、所定値K=「20」以上の始動入賞記憶に対しては、大当たり遊技中のため、大当たり遊技の終了後に前の始動入賞記憶に基づく変動表示ゲームが開始されるときに大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出、記憶される。
【0089】
また、所定値K=「10」が選択される後述する確変中の場合、始動入賞記憶数(保留数記憶領域Pの記憶数)が所定値K=「10」未満の始動入賞記憶に対しては、始動口7への入賞時に大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出され、始動入賞記憶数に対応する大当たり乱数記憶領域F1〜F9、大当たり図柄乱数記憶領域G1〜G9に記憶される。また、所定値K=「20」以上の始動入賞記憶に対しては、前の始動入賞記憶に基づく変動表示ゲームが開始されるときに大当たり乱数、大当たり図柄乱数が抽出、記憶される。
【0090】
なお、遊技状態の変化によって所定値Kが変更された場合、始動口7への入賞毎に大当たり乱数記憶領域F、大当たり図柄乱数記憶領域Gの数を増加、あるいは変動表示ゲームが開始される毎に大当たり乱数記憶領域F、大当たり図柄乱数記憶領域Gの数を減少することによって、変更後の処理に収束させるようにして良い。
【0091】
次に、変動表示ゲーム、大当たり遊技等の内容を説明する。画像表示装置4の変動表示ゲームの図柄は、例えば左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)とする。
【0092】
画像表示装置4の画面4aの変動表示領域に各図柄の変動表示が開始され、所定時間経過すると、順に(同時でも良い)停止(または仮停止)されていく。仮停止とは停止位置にて図柄を微少に変動させる状態を言う。
【0093】
そして、この過程でリーチ状態(例えば、左図柄と右図柄が大当たりの組み合わせを発生する可能性のある組み合わせ)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。リーチ状態の発生の有無は大当たり乱数やハズレの場合の停止図柄パターン乱数や変動パターン乱数に基づき決定する。
【0094】
リーチ遊技では、例えば中図柄の変動表示を極低速で行ったり、高速で行ったり、仮停止したり、逆転したり、種々の変動表示が行われる。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示等が行われる。
【0095】
そして、大当たり抽選の結果がハズレのときは、最終的に左図柄、右図柄、中図柄がハズレの組み合わせで停止され、変動表示ゲームが終了される。この左図柄、右図柄、中図柄は停止図柄パターン乱数に基づき決定する。
【0096】
この一方、リーチ遊技が大当たりつまり大当たり抽選の結果が大当たりであれば、中図柄が大当たりの図柄(大当たりの組み合わせ図柄)で停止(または仮停止)された後、左図柄、右図柄、中図柄が本停止されて大当たりが確定されると共に、この後、大当たりが特定の大当たりかどうかの再変動(全図柄の全回転変動)が行われて、左図柄、右図柄、中図柄が最終的に停止される。この最終的な図柄の組み合わせは大当たり図柄乱数に基づき決定する。
【0097】
そして、大当たりとなると、大当たり遊技が発生され、特別変動入賞装置5が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は、特別変動入賞装置5への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞または所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、特別変動入賞装置5内の継続入賞口への入賞(継続センサ16による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当たり遊技が発生すると、大当たりのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当たりの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当たり遊技の表示を指令する表示指令信号(コマンド)が送信され、画像表示装置4の画面4aに大当たり遊技の表示が行われる。
【0098】
この場合、大当たりが特定の大当たりであれば、大当たり遊技後に所定期間にわたって特定遊技状態が発生され、遊技球の始動口7への入賞割合が遊技者に有利になるように高められる。即ち、始動口7の普通変動入賞装置8が拡開されやすくなるように、普通図柄始動ゲート20の遊技球の通過によって抽出される乱数の当たり確率が高確率(確変)に切り替えられる。また、次回の大当たりの発生確率を高くしたり、遊技球の始動口7への入賞に基づく画像表示装置4の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮(時短)等が行われる。
【0099】
変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)にあるいは大当たり遊技が終了したときに、始動入賞記憶(特別図柄始動記憶)があれば、その始動入賞記憶に基づき、新たな変動表示ゲームが繰り返される。
【0100】
なお、普通図柄始動ゲート20を遊技球が通過すると、その通過または普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器23に当たり表示が行われて、始動口7の普通変動入賞装置8が所定時間にわたって拡開され、始動口7への入賞が容易にされる。
【0101】
このように、変動表示ゲームを行うのであり、始動口7へ入賞すると、未だ変動表示ゲームを行っていない保留数を記憶して、その記憶状態によって、始動口7への入賞に対応して大当り乱数、大当り図柄乱数を抽出記憶するのか、変動表示ゲームに対応して大当り乱数、大当り図柄乱数を抽出記憶するのかを選択するようにしたので、限られた記憶量の範囲で始動入賞記憶の数(保留数)を十分大きくすることができ、その始動入賞記憶を基に変動表示ゲームを実行することができる。
【0102】
即ち、変動表示ゲームに対応して大当り乱数等を抽出するだけであると、その抽出タイミングが一定となることがあるが、始動口7への入賞時の抽出タイミングと変動表示ゲーム時の抽出タイミングとを併せて行わせているので、ランダム性のある乱数取得を行いながら、乱数取得によりRAMの容量オーバーとなることを防止でき、始動入賞記憶の数(保留数)を十分大きくすることができる。
【0103】
また、保留数が所定数以下(所定値K未満)の場合、始動口7への入賞時に大当り乱数、大当り図柄乱数を抽出記憶する一方、所定数より多い(所定値K以上)場合には、保留数のみを記憶していくので、保留数の上限を撤廃したとしても大当り乱数等に関わる記憶が決められた量のメモリ使用量で済み、空きメモリをその他制御に使用可能にできる。
【0104】
この場合、その所定数の設定、例えば遊技における平均的な保留数を所定数としておけば、通常の遊技において大当り乱数等の取得タイミングをより遊技者操作に関連させることが可能である。
【0105】
また、遊技状態によってその所定数を異ならせる、つまり通常遊技中と大当たり遊技中と確変中とで判断基準の保留数を異ならせるので、遊技状態に応じた大当り乱数、大当り図柄乱数の取得タイミングのランダム性を得ることができる。
【0106】
この場合、大当たり遊技中、判断基準の保留数を通常遊技中よりも大きくするので、大当り乱数等の取得の遊技者操作によるランダム性を反映できる。例えば、大当たり遊技中は、始動口へ入賞しても変動表示ゲームが行われず、保留数が増加するだけである。したがって、始動口への入賞が全て保留状態となるのに判断基準が下の方であると、大当たり遊技後の変動表示ゲーム時ばかり大当り乱数等が取得される割合が高くなり、大当り乱数等の取得の遊技者操作によるランダム性が低くなってしまうが、このように保留記憶が増加する大当たり遊技中、判断基準の保留数を大きくすることによって、大当たり乱数等の取得の遊技者操作によるランダム性を一層反映できるようになる。
【0107】
また、始動口7への入賞割合が高くなる確変中も判断基準の保留数を通常遊技中よりも大きくするので、大当り乱数等の取得の遊技者操作によるランダム性を反映できる。例えば、こうした確変中は、変動表示ゲームを消化していっても、保留数が増え、高止まりする傾向にある。したがって、判断基準が下の方であると、変動表示ゲーム時ばかり大当り乱数等が取得される割合が高くなり、大当り乱数等の取得の遊技者操作によるランダム性が低くなってしまうが、このような確変中、判断基準の保留数を大きくすることによって、大当たり乱数等の取得の遊技者操作によるランダム性を一層反映できるようになる。
【0108】
一方、変動表示ゲーム時の大当り乱数、大当り図柄乱数の抽出タイミングを可変としている。即ち、変動表示ゲームの開始時にディレイ用乱数に基づくディレイ時間Tが経過したときに、大当たり乱数等を抽出するので、乱数の取得を偏りなく行える。例えば、変動表示ゲームが連続的に行われて、しかもハズレの変動表示ゲームが続いた場合、ハズレのゲームのときはゲーム時間はほぼ同じため、抽出タイミングが一定になりかねないが、このようにディレイ時間Tを設定することによって、抽出タイミングが偏るようなことはなく、大当り乱数等をランダムに取得することができる。
【0109】
なお、始動口7への入賞時に、始動入賞記憶数(保留数)を判定して、始動口7への入賞に対応して大当り乱数、大当り図柄乱数を抽出記憶するのか、変動表示ゲームに対応して大当り乱数、大当り図柄乱数を抽出記憶するのかを選択するようにしているが、予め始動入賞記憶数(保留数)を監視していずれかの態様を選択しておき、始動口7へ入賞した場合、選択しておいた態様を実行するようにしても良い。
【0110】
また、保留数が所定数より多い(所定値K以上)場合、変動表示ゲームの開始時に大当り乱数、大当り図柄乱数を抽出記憶するようにしているが、もちろん変動表示ゲームが開始される少し前、画像表示装置4における図柄の変動の開始時点、変動開始後の図柄の高速スクロール時等、変動表示ゲームの例えば左、右、中等の全ての図柄が最終的に停止する前のタイミングならいつでも良い。
【0111】
図7〜図9は本発明の第2の実施の形態を示す。これは、保留数の有無に基づいて大当り乱数、大当り図柄乱数の抽出タイミングを選択するようにしたものである。
【0112】
図7は始動口センサ(特別図柄始動センサ14)の監視処理を示す。
【0113】
ステップ51において、遊技領域3に打ち出された遊技球が始動口7に入賞して、これを特別図柄始動センサ14が検出したかを見る。
【0114】
入賞を検出した場合、ステップ52にて始動入賞記憶数(特別図柄始動記憶数:未だ変動表示ゲームを行っていない保留記憶数)が上限(例えば、100個)に達していないかを見る。
【0115】
始動入賞記憶数が上限に達していない場合、ステップ53に進み、始動入賞記憶数の有無を見る。
【0116】
始動入賞記憶数が有る場合、ステップ57で始動入賞記憶数を+1して、リターンする。
【0117】
一方、始動入賞記憶数が無い場合、ステップ54で始動入賞記憶数を+1して、ステップ55、56に進み、それぞれ所定の乱数生成処理にて生成される大当たり乱数、大当たり図柄乱数を抽出して、図9のように遊技制御装置100のRAM内に設定してある大当たり関連乱数セーブ領域の大当たり乱数記憶領域F([A]、[B])、大当たり図柄乱数記憶領域Gに記憶する。
【0118】
図8は特図(画像表示装置4)の普段処理を示す。この処理は、変動表示ゲームに入っていないときかつ大当り遊技中にないときに行う。
【0119】
ステップ61において、始動入賞記憶数(特別図柄始動記憶数:未だ変動表示ゲームを行っていない保留記憶数)の有無を見る。
【0120】
始動入賞記憶数が無い場合、ステップ62にて普段状態設定処理を行う。これは、遊技のデモ演出の設定等を行う。
【0121】
一方、始動入賞記憶数が有れば、ステップ63、64にて、始動入賞記憶数を−1すると共に、大当たり乱数、大当たり図柄乱数を記憶済みかを判定する。
【0122】
大当たり乱数、大当たり図柄乱数を記憶済みの場合、そのままステップ65〜67に進み、記憶してない場合、ステップ68〜70の処理後、ステップ65〜67に進む。
【0123】
ステップ65では、大当たり乱数取得タイミングディレイ処理を行う。このディレイ処理では、ディレイ用乱数生成処理にて生成されるディレイ用乱数を基に、例えば0ms〜100ms位の範囲でディレイ時間Tを設定する。このディレイ時間Tの経過後、ステップ66、67の処理を行う。
【0124】
ステップ66、67では、それぞれ所定の乱数生成処理にて生成される大当たり乱数、大当たり図柄乱数を抽出して、遊技制御装置100のRAMの大当たり乱数記憶領域F、大当たり図柄乱数記憶領域Gに記憶する。
【0125】
ステップ68では、停止図柄パターン乱数生成処理にて生成される停止図柄パターン乱数を取得し、図9のように遊技制御装置100のRAMの停止図柄パターン乱数記憶領域Qに記憶する。
【0126】
ステップ69では、変動パターン乱数生成処理にて生成される変動パターン乱数を取得し、図9のように遊技制御装置100のRAMの変動パターン乱数記憶領域Rに記憶する。
【0127】
ステップ70では、変動表示ゲームの変動開始処理をセットする。
【0128】
この変動開始処理では、大当たり乱数記憶領域Fの大当たり乱数が大当たりあるいは特定の大当たりかどうかを判定して、大当たりあるいは特定の大当たりの場合は、大当たり図柄乱数記憶領域Gの大当たり図柄乱数を基に大当たりあるいは特定の大当たりの図柄を決定する。そして、変動パターン乱数記憶領域Rの変動パターン乱数を判定して変動パターンを決定し、その大当たりあるいは特定の大当たりの情報(図柄情報等)ならびに変動パターンの情報を表示制御装置150に送信する。また、ハズレの場合は、停止図柄パターン乱数記憶領域Qの停止図柄パターン乱数によりハズレ図柄を決定し、そして変動パターン乱数記憶領域Rの変動パターン乱数を判定して変動パターンを決定し、図柄情報ならびに変動パターンの情報を表示制御装置150に送信する。
【0129】
このようにすれば、保留数の上限を撤廃したとしても大当り乱数等に関わる記憶が最小のメモリ使用量で済み、空きメモリをその他制御に使用可能にできる。
【0130】
一方、各実施の形態にあって、図10に示すように、現変動表示ゲーム(前回の変動表示ゲーム)における結果態様の表示中に、大当たり乱数取得タイミングディレイ処理を行い、新たな変動表示ゲーム(第1の実施の形態にあっては、所定値K以上の始動入賞記憶に基づく変動表示ゲーム)の大当り乱数、大当たり図柄乱数を抽出するようにできる。
【0131】
このようにすれば、変動表示ゲームの開始タイミングを普段どおりにできる。例えば、変動表示ゲーム開始時点で遅延処理(大当たり乱数取得タイミングディレイ処理)を入れると変動開始ゲームも遅延して行われてしまいかねないが、結果態様を表示中であれば表示中に遅延処理を行え、変動表示ゲームの開始タイミングを普段どおりにできるのである。
【0132】
なお、実施の形態では、遊技機として第1種パチンコ遊技機に適用した例を示したが、第3種パチンコ遊技機や、その他の遊技機、例えばパチスロ、アレンジボール等の遊技機にも適用できる。
【0133】
また、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】制御系のブロック構成図である。
【図3】遊技制御の内容を示すフローチャートである。
【図4】遊技制御の内容を示すフローチャートである。
【図5】遊技制御の内容を示すフローチャートである。
【図6】遊技制御装置のRAMの記憶領域の説明図である。
【図7】第2の実施の形態の遊技制御の内容を示すフローチャートである。
【図8】遊技制御の内容を示すフローチャートである。
【図9】遊技制御装置のRAMの記憶領域の説明図である。
【図10】乱数抽出のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 遊技盤
4 画像表示装置
4a 表示画面
5 特別変動入賞装置
7 始動口
14 特別図柄始動センサ
18 特別図柄記憶表示器
100 遊技制御装置
150 表示制御装置

Claims (1)

  1. 遊技領域に設けられる始動入賞口への遊技球の入賞に関連して乱数を抽出してゲーム情報記憶手段に記憶し、該ゲーム情報記憶手段に記憶された乱数の判定結果に基づいて変動表示手段の変動表示領域で変動表示ゲームを行い、前記変動表示ゲームで導出する結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、
    前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて未だ変動表示ゲームを行っていない始動入賞記憶の保留数を、第1の所定数を上限として記憶可能な保留数記憶手段と、
    前記保留数記憶手段に記憶される保留数に対応して前記ゲーム情報記憶手段の乱数の記憶制御を行う乱数記憶制御手段と、
    を備え、
    前記ゲーム情報記憶手段は、前記第1の所定数よりも少ない第2の所定数を上限として乱数を記憶可能に構成され、
    前記乱数記憶制御手段は、
    前記始動入賞口への遊技球の入賞数を加算した後に、前記保留数記憶手段に記憶されている保留数記憶が前記第2の所定数以下であった場合には、当該始動入賞口への遊技球の入賞時に抽出した乱数を前記ゲーム情報記憶手段に記憶するようにし、
    前記始動入賞口への遊技球の入賞数を加算した後に、前記保留数記憶手段に記憶されている保留数記憶が前記第2の所定数より多い場合には、前記第2の所定数の保留数記憶における最古の変動表示ゲームの終了時に、乱数により決定されたディレイ時間経過後に抽出した、当該始動入賞口への入賞に対応する乱数を前記ゲーム情報記憶手段に記憶するようにしたことを特徴とする遊技機。
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