JP4279448B2 - 建設機械のコンソール装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に設けられ、作業装置を操作するための操作レバーが取付けられる建設機械のコンソール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とによって大略構成されている。また、上部旋回体は、構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの後端部に搭載されたカウンタウエイトと、該カウンタウエイトの前側に位置して前記旋回フレームに搭載されたエンジンと、前記旋回フレームの左側前部に設けられたキャブとによって大略構成され、旋回フレームの前部には前述した作業装置が取付けられている。
【0003】
また、キャブ内には、床板上に位置してオペレータが着座する運転席が設けられ、該運転席の前側には、下部走行体を走行させる操作レバー等が配設されている。さらに、運転席の左,右両側には、コンソール装置が設けられ、該各コンソール装置には、作業装置を操作するための操作レバーがそれぞれ取付けられている。
【0004】
ここで、コンソール装置は、運転席側に支持され、前述した作業装置用の操作レバーが取付けられた内装フレームと、該内装フレームを覆うように設けられたアウタカバーとによって大略構成され、この種の従来技術によるコンソール装置は、例えば特開平11−181835号公報等によって知られている。
【0005】
この従来技術によるコンソール装置では、アウタカバーは、左カバーと右カバーとに2分割され、左,右のカバーを合わせることにより形成されている。そして、左,右のカバーを合せて形成されたアウタカバーには、操作レバーの基端側を覆う防塵カバー、エンジンスイッチ、ライトスイッチ、インジケータ、表示器、時計、ラジオ等が取付けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるコンソール装置は、左,右方向に2分割された左カバーと右カバーとによってアウタカバーを形成しているから、左,右のカバーによってアウタカバーを形成した後に、防塵カバーを取付け、さらに、各種スイッチ、インジケータ、表示器、時計、ラジオ等の端子を接続し、これらを上カバーに取付けるようにしている。
【0007】
このため、コンソール装置の内部を点検する場合、例えば操作レバーの減圧弁型パイロット弁、該パイロット弁に接続されたパイロットホース等を点検する場合には、左,右のカバーを分解して取外す前に、操作レバーの基端側を覆っている防塵カバー、各種のスイッチ、表示器等を取外し、これらの電気部品の配線端子を切離さなくてはならない。
【0008】
従って、従来技術によるコンソール装置は、内部の点検作業、メンテナンス作業等を行うときに、防塵カバー、スイッチ等の取外し作業、電気部品の配線端子の切離し作業等を行わなくてはならず、点検作業、メンテナンス作業に多大な手間を要してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、点検、メンテナンス作業を行うときのカバーの着脱作業を容易にし、作業性を向上することができるようにした建設機械のコンソール装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明による建設機械のコンソール装置は、運転席側に支持され作業装置を操作するための操作レバーが取付けられた内装フレームと、該内装フレームの上部側を覆うように取付けられた上カバーと、該上カバーとは別個に単独で前記内装フレームに取付け、取外し可能に設けられ、内装フレームの下側を覆う下カバーとを備え、前記下カバーの前側部分は締結部材を下側から上側に向けて締結することにより前記内装フレームに固定し、前記下カバーの後側部分は締結部材を後側から前側に締結することにより前記内装フレームに固定する構成したことにある。
【0011】
このように構成したことにより、下カバーは、内装フレームから上カバーを取外さなくても単独で取外すことができる。従って、コンソール装置の内部の部品、例えば操作レバーの減圧弁型パイロット弁、該パイロット弁に接続された油圧ホース等の点検作業、メンテナンス作業を行う場合には、下カバーだけを取外すことにより、パイロット弁、油圧ホースの点検作業、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、下カバーの前側部分を内装フレームに固定している締結部材は該下カバーの底面側に配置され、下カバーの後側部分を内装フレームに固定している締結部材は該下カバーの後面側に配置されるから、これらの締結部材を外部から見えにくい位置に配設することができる。
【0014】
請求項の発明によると、締結部材はねじ部材からなり、下カバーの底面前側寄りには、底面から上側に窪むことによりねじ部材のねじ頭を奥所に隠す凹窪部を形成したことにある。
【0015】
このように構成したことにより、ねじ部材によって下カバーの前側を内装フレームに固定したときには、外部に露出するねじ部材のねじ頭を凹窪部内に隠すことができる。
【0016】
請求項の発明によると、上カバーは、内装フレームに複数本のねじ部材を用いて取付け、取外し可能に設け、該各ねじ部材のうち、上カバーの前側に配置されたねじ部材は、操作レバーの基端側を覆う防塵カバー内に配置し、上カバーの後側に配置されたねじ部材は、上カバーの後面部分に配置したことにある。
【0017】
このように構成したことにより、ねじ部材を螺着し、または緩めることによって上カバーを内装フレームに対して取付け、取外しすることができる。また、上カバーの前側を内装フレームに固定しているねじ部材は、防塵カバー内に隠すことができ、上カバーの後側を内装フレームに固定しているねじ部材は、上カバーの後面に隠すことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械のコンソール装置を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図7に従って詳細に説明する。
【0019】
1は油圧ショベルの下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載された車体をなす上部旋回体で、該上部旋回体2は、構造体をなす旋回フレーム3と、該旋回フレーム3の後端部に搭載されたカウンタウエイト4と、該カウンタウエイト4の前側に設けられ、旋回フレーム3上に搭載されたエンジン(図示せず)等を覆ったエンジンカバー5と、前記旋回フレーム3の前部左側に配設された後述のキャブ7とによって大略構成され、旋回フレーム3の前側には、例えば土砂の掘削作業等を行なうための作業装置6が俯仰動可能に取付けられている。
【0020】
7は旋回フレーム3の前部左側に配設されたキャブで、該キャブ7は、外殻をなすキャブボックス8と、該キャブボックス8の下面側を覆うように設けられた床板9と、キャブボックス8の左側面に設けられたドア10とによって大略構成されている。
【0021】
ここで、キャブボックス8は、図1、図2に示すように、例えば薄肉の鋼板(金属パネル)をスポット溶接等の手段で固着することにより、前面部8A、後面部8B、左側面部8C、右側面部8Dおよび上面部8Eからなる箱状体として形成され、床板9はキャブボックス8の底部側を覆っている。また、ドア10は、キャブボックス8の左側面部8Cに設けられ、オペレータはこのドア10を開,閉することによりキャブ7内へと乗降可能となっている。
【0022】
11はキャブボックス8内に位置して床板9上に設けられた運転席で、該運転席11は、床板9に設けられた台座11Aと、該台座11A上に設けられたシート11Bとによって構成されている。また、台座11Aの左,右方向両側には、後述するコンソール装置12,24が取付けられている。また、運転席11の前側には、下部走行体1を走行するための走行用操作レバー(図示せず)が床板9上に設けられ、運転席11の左,右方向の両側には、コンソール装置12,24を介して作業用操作レバー21,21′が配設されている。
【0023】
12は運転席11の左,右方向の左側に取付けられた左側のコンソール装置で、該コンソール装置12は、図3に示す如く、後述する内装フレーム13、上カバー17、下カバー19、作業用操作レバー21等によって構成されている。
【0024】
13は例えば金属板を用いて強度部材として形成された内装フレームで、該内装フレーム13は、図4に示すように、後述する側面フレーム板14と操作レバー取付板15とによって大略構成されている。
【0025】
14は内装フレーム13の外枠を構成する側面フレーム板で、該側面フレーム板14は、左,右方向に離間して前,後方向に延びた左側面板14A,右側面板14Bと、左側面板14A,右側面板14Bの後端部を連結した後面板14Cとによって前,後方向に長尺なコ字状をなしている。また、左側面板14A,右側面板14Bは、その前部側が下向きに傾斜した傾斜板部14A1,14B1となり、該傾斜板部14A1,14B1には、図4に示すように、操作レバー取付板15が一体的に固着されている。さらに、後面板14Cには、図5に示す如く、左,右方向のほぼ中央に位置して上,下方向に離間してナットを利用した上側ねじ穴部14D,下側ねじ穴部14Eが形成されている。
【0026】
15は側面フレーム板14の前側位置に設けられた操作レバー取付板で、該操作レバー取付板15は、左,右の両端部が左側面板14A,右側面板14Bの上端縁に固着された上板部15Aと、該上板部15Aの前端から下向きに折り曲げられ、左,右の両端部が左側面板14A,右側面板14Bの前端縁に固着された前板部15Bと、該前板部15Bの下端部から前側に折り曲げられた下板部15Cとによってクランク状に形成されている。
【0027】
ここで、上板部15Aの中央には、作業用操作レバー21の減圧弁型パイロット弁21A先端が突出するパイロット弁取出し開口15Dが形成され、該取出し開口15Dの周囲には、前記パイロット弁21Aを固定するためのボルト(図示せず)が挿通される4個のボルト挿通孔15E,15E,…が穿設されている。また、上板部15Aの角隅には、各ボルト挿通孔15Eのさらに外側に位置して、上カバー17を固定するためのねじ部材18が螺着するナットを利用した4個のねじ穴部15F,15F,…が形成されている。さらに、下板部15Cには、下カバー19を固定するためのねじ部材18が螺着するナットを利用した2個のねじ穴部15G,15Gが左,右方向に離間して形成されている。
【0028】
16は側面フレーム板14の左側面板14Aと右側面板14Bとの間に取付けられたブラケットで、該ブラケット16は、内装フレーム13を運転席11側に取付けるために用いられるものである(図6、図7参照)。ここで、ブラケット16は、運転席11の台座11Aに取付けられるブラケット本体16Aと、該ブラケット本体16Aの上部側から左,右方向の外向きに突出し、内装フレーム13の側面フレーム板14を回動可能に支持するブラケット支持筒体16Bと、後述のゲートロックレバー23を取付けるゲートロックレバー支持筒体16Cとによって大略構成されている。そして、ブラケット16は、ブラケット支持筒体16Bを中心に、コンソール装置12がほぼ水平状態に配置された作業位置と、ゲートロックレバー23によってコンソール装置12の前側が上側に持ち上げられた作業禁止位置とに回動可能となっている。
【0029】
17は内装フレーム13の上側に取付け、取外し可能に取付けられた上カバーで、該上カバー17は、例えば樹脂材料を用いて形成され、後述の下カバー19と共に外装カバーを構成している。そして、上カバー17は、内装フレーム13の上面を覆う上面部17Aと、内装フレーム13の前,後と左,右を覆う前面部17B、後面部17C、左側面部17D、右側面部17Eとによって上側が閉塞された箱型状に形成されている。
【0030】
ここで、上面部17Aの前側位置には、作業用操作レバー21が通るレバー挿通穴17Fが設けられ、該レバー挿通穴17Fの周囲には、操作レバー取付板15の各ねじ穴部15Fに対応してねじ挿通孔17G,17G,…が穿設されている。また、上面部17Aの後側寄りには、各種スイッチ、インジケータ、表示器、時計、ラジオ等が装備されたパネル(いずれも図示せず)を取付けるための取付枠17Hが設けられている。さらに、後面部17Cには、図5に示す如く、側面フレーム板14の上側ねじ穴部14Dに対応する位置にねじ挿通孔17Jが穿設されている。
【0031】
このように構成された上カバー17は、内装フレーム13の上部側を覆うように該内装フレーム13上に被せられ、この状態で前側の各ねじ挿通孔17Gに締結部材としてのねじ部材18を挿通し、該各ねじ部材18の先端部を操作レバー取付板15のねじ穴部15Fに螺着する。また、後側のねじ挿通孔17Jにねじ部材18を挿通し、その先端部を側面フレーム板14の上側ねじ穴部14Dに螺着することによって内装フレーム13に対して取付けられている。
【0032】
19は上カバー17とは別個に単独で内装フレーム13の下側に取付け、取外し可能に取付けられた下カバーで、該下カバー19は、例えば樹脂材料を用いて形成され、前述した上カバー17と共に外装カバーを構成している。そして、下カバー19は、内装フレーム13の前,後と左,右を覆う前面部19A、後面部19B、左側面部19C、右側面部19Dと、内装フレーム13の下側を覆う底面部19Eとによって有底の箱型状に形成されている。
【0033】
ここで、右側面部19Dには、ブラケット16に対応する位置に大きな切欠部19Fが形成されている。また、後面部19Bには、図5に示す如く、側面フレーム板14の下側ねじ穴部14Eに対応する位置にねじ挿通孔19Gが穿設されている。さらに、底面部19Eは、前側寄りに位置して前側から後側に向けて漸次下向きに傾斜した傾斜底部19E1と、該傾斜底部19E1の後部からほぼ水平方向に延びた平坦端底部19E2とによって構成され、傾斜底部19E1には、後述の凹窪部20が一体的に形成されている。
【0034】
20,20は操作レバー取付板15のねじ穴部15G,15Gに対応するように、傾斜底部19E1の前側に位置して左,右方向に離間して配設された左,右の凹窪部で、該各凹窪部20は、図4に示す如く、傾斜底部19E1から上向きに突出する有蓋の円筒状に形成され、その奥所にはねじ挿通孔20Aが穿設されている。そして、凹窪部20は、ねじ部材18をねじ挿通孔20Aに挿通し、その先端をねじ穴部15Gに螺着したときに、該ねじ部材18のねじ頭を奥所に隠し、外部から見えなくするものである。
【0035】
21はコンソール装置12に設けられた作業用操作レバーで、該各作業用操作レバー21は、作業装置6を操作したり、上部旋回体2を旋回動作させたりするものである。そして、作業用操作レバー21は、操作レバー取付板15のパイロット弁取出し開口15Dの位置に取付けられた減圧弁型パイロット弁21Aと、該パイロット弁21Aから上側に延びたレバー軸21Bとによって大略構成されている。また、パイロット弁21Aには、複数本のパイロットホース(図示せず)が接続されている。
【0036】
また、22は作業用操作レバー21のレバー軸21Bの基端側を覆うように設けられた蛇腹状の防塵カバーで、該防塵カバー22は、広がった基端側が上カバー17に取付けられ、窄まった先端側がレバー軸21Bに取付けられている。
【0037】
さらに、23はブラケット16の支持筒体16Cに取付けられたゲートロックレバーで、該ゲートロックレバー23は、前側に倒したときには、オペレータの乗降を規制すると共に、コンソール装置12をほぼ水平状態の作業位置に配置する。また、ゲートロックレバー23を上側に回動させたときには、オペレータの乗降を許可すると共に、コンソール装置12をその前側を上側に持ち上げた作業禁止位置に配置するものである。
【0038】
一方、24は運転席11の右側に位置して取付けられた右側のコンソール装置で、該コンソール装置24は、前述した左側のコンソール装置12と左,右方向で対象となる形状をなしており、各部材の形状についても大きく変わるところはない。従って、右側のコンソール装置24を構成する各部材を示す符号は、左側のコンソール装置12を説明するために使用した符号に「′」を付して記載している。なお、右側のコンソール装置24は、左側のコンソール装置12とほぼ同様の構成を有しているため、その構成についての説明を省略するものとする。
【0039】
本実施の形態による油圧ショベルは上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0040】
まず、キャブボックス8内のオペレータは運転席11に着席した状態で、走行用操作レバーを傾転操作することにより、作業現場等で下部走行体1を作動させて車両を前,後進する。そして、土砂等の掘削作業時には作業用操作レバー21,21′を手動で傾転操作することにより、作業装置6を動作させ、土砂を掘削作業等を行う。
【0041】
次に、本実施の形態の特徴部分であるコンソール装置12の組立作業と点検作業、メンテナンス作業を行うための分解作業について説明する。なお、右側のコンソール装置24の組立作業、分解作業は、左側のコンソール装置12の各作業とほぼ同様となるので省略するものとする。
【0042】
まず、コンソール装置12を組立てる場合の作業について述べる。この組立作業では、内装フレーム13の操作レバー取付板15に作業用操作レバー21を取付け、該操作レバー21の減圧弁型パイロット弁21Aに複数本のパイロットホースを接続する。
【0043】
次に、レバー挿通穴17Fに操作レバー21のレバー軸21Bを挿通させながら、上カバー17を内装フレーム13の上側に被せる。この状態で、4本のねじ部材18をねじ挿通孔17Gに挿通しつつ、操作レバー取付板15のねじ穴部15Fに上側から螺着、締結する。また、1本のねじ部材18を後側のねじ挿通孔17Jに挿通しつつ、側面フレーム板14の上側ねじ穴部14Dに後側から螺着、締結する。
【0044】
このようにして内装フレーム13の上側を覆うように上カバー17を取付けたら、該上カバー17の前側寄りに防塵カバー22を取付け、後側寄りの取付枠17Hに各種スイッチ、インジケータ等が装備されたパネルを取付け、これらの各種スイッチ、インジケータ等の配線端子を接続する。
【0045】
次に、内装フレーム13の下側から下カバー19を被せ、この状態で、2本のねじ部材18を凹窪部20内に深く挿入し、ねじ挿通孔20Aを介して操作レバー取付板15のねじ穴部15Gに下側から螺着、締結する。また、1本のねじ部材18を後側のねじ挿通孔19Gに挿通しつつ、側面フレーム板14の下側ねじ穴部14Eに後側から螺着、締結する。これにより、下カバー19は、図3に示すように、内装フレーム13に取付けられた操作レバー21のパイロット弁21A、パイロットホース等を覆うことができる。
【0046】
しかも、上カバー17を内装フレーム13に固定している各ねじ部材18のうち、前側のねじ部材18は、防塵カバー22によって覆い隠され、後側のねじ部材18は、後面部17Cに配設されている。また、下カバー19を内装フレーム13に固定している各ねじ部材18のうち、前側のねじ部材18は、凹窪部20内の奥所に配設され、後側のねじ部材18は、後面部19Bに配設されている。これにより、いずれのねじ部材18も外部から見えにくい位置に配置することができる。
【0047】
次に、作業用操作レバー21のパイロット弁21A、パイロットホース等の点検作業、メンテナンス作業を行うときのコンソール装置12の分解作業について説明する。
【0048】
この場合には、凹窪部20内のねじ部材18と後面部19Bのねじ部材18とを緩めて取外し、下カバー19を下側に移動することにより、図7に示すように、上カバー17とは別個に下カバー19だけを内装フレーム13から取外すことができる。これにより、パイロット弁21A、パイロットホース等は、外部に露出した状態となるから、これらの点検作業、メンテナンス作業を行うことができる。
【0049】
かくして、本実施の形態によれば、下カバー19は、内装フレーム13の下側から螺着されるねじ部材18と、後側から螺着されるねじ部材18とにより、上カバー17とは別個に単独で内装フレーム13に取付ける構成としている。これにより、パイロット弁21A、パイロットホース等の点検作業、メンテナンス作業等を行う場合には、各ねじ部材18を緩めて取外すことにより、従来技術のように上カバー17、防塵カバー22、各種スイッチ等を取外す必要がなく、下カバー19だけを内装フレーム13から取外すことができる。この結果、パイロット弁21A、パイロットホース等の点検作業、メンテナンス作業を容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0050】
また、上カバー17を内装フレーム13に固定している前側のねじ部材18は、防塵カバー22によって覆い隠し、後側のねじ部材18は後面部17C後側から螺着し、さらに、下カバー19を内装フレーム13に固定している前側のねじ部材18は、底面部19Eに下側から螺着し、後側のねじ部材18は後面部19Bに後側から螺着している。従って、いずれのねじ部材18も外部から見えにくい位置に配置することができ、コンソール装置12,24の外観上の見栄えを良好にすることができる。
【0051】
しかも、下カバー19の底面部19Eには、傾斜底部19E1から上向きに突出する有蓋の円筒状をなす凹窪部20を設けているから、該凹窪部20内にねじ部材18を配設することにより、該凹窪部20内にねじ部材18のねじ頭を隠すことができ、外観上の見栄えをより一層良好にすることができる。
【0052】
なお、実施の形態では、運転席11の左,右に設けられた左側のコンソール装置12と右側のコンソール装置24との両方に特徴となる構成、即ち、上カバー17,17′と別個に下カバー19,19′を取付け、取外しする構成を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば左,右いずれか一方のコンソール装置だけに特徴となる構成を適用してもよい。
【0053】
また、実施の形態では、建設機械のコンソール装置として油圧ショベルに設けられたコンソール装置12,24を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイール式油圧ショベル等の他の建設機械に設けられたコンソール装置に適用してもよい。
【0054】
さらに、運転席11の少なくとも上側を覆っているキャノピ式の油圧ショベルに設けられたコンソール装置に適用してもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、コンソール装置は、運転席側に支持され作業装置を操作するための操作レバーが取付けられた内装フレームと、該内装フレームの上部側を覆うように取付けられた上カバーと、該上カバーとは別個に単独で前記内装フレームに取付け、取外し可能に設けられ、内装フレームの下側を覆う下カバーとによって構成しているので、下カバーは、内装フレームから上カバーを取外さなくても単独で取外すことができる。従って、コンソール装置の内部の部品、例えば操作レバーの減圧弁型パイロット弁、該パイロット弁に接続された油圧ホース等の点検作業、メンテナンス作業を行う場合には、下カバーだけを取外すことにより、パイロット弁、油圧ホースの点検作業、メンテナンス作業を容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0056】
また、下カバーの前側部分は締結部材を下側から上側に向けて締結することにより内装フレームに固定し、下カバーの後側部分は締結部材を後側から前側に締結することにより内装フレームに固定する構成としているので、下カバーの前側部分を内装フレームに固定している締結部材は該下カバーの底面側に配置することができ、下カバーの後側部分を内装フレームに固定している締結部材は該下カバーの後面側に配置することができる。これにより、各締結部材を外部から見えにくい位置に配設することができ、外観上の見栄えを良好にすることができる。
【0057】
請求項の発明によれば、締結部材はねじ部材からなり、下カバーの底面前側寄りには、底面から上側に窪むことによりねじ部材のねじ頭を奥所に隠す凹窪部を形成しているので、ねじ部材によって下カバーの前側を内装フレームに固定したときには、外部に露出するねじ部材のねじ頭を凹窪部内に隠すことができ、外観上の見栄えをより一層良好にすることができる。
【0058】
請求項の発明によれば、上カバーは、内装フレームに複数本のねじ部材を用いて取付け、取外し可能に設け、該各ねじ部材のうち、上カバーの前側に配置されたねじ部材は、操作レバーの基端側を覆う防塵カバー内に配置し、上カバーの後側に配置されたねじ部材は、上カバーの後面部分に配置しているので、ねじ部材を螺着し、または緩めることによって上カバーを内装フレームに対して取付け、取外しすることができる。また、上カバーの前側を内装フレームに固定しているねじ部材は、防塵カバー内に隠すことができ、上カバーの後側を内装フレームに固定しているねじ部材は、上カバーの後面に隠すことができ、上カバーの取付構造においても見栄えを良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】キャブ内に設けた運転席、コンソール装置等を拡大して示す要部拡大斜視図である。
【図3】左側のコンソール装置を拡大して示す一部破断の正面図である。
【図4】内装フレームと上カバー、下カバーとの前側部分の取付構造を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図5】内装フレームと上カバー、下カバーとの後側部分の取付構造を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図6】内装フレーム、上カバー、下カバーを分解した状態で示す分解斜視図である。
【図7】内装フレームから下カバーだけを取外した状態を示すコンソール装置の分解図である。
【符号の説明】
2 上部旋回体(車体)
6 作業装置
11 運転席
12,24 コンソール装置
13 内装フレーム
17,17′ 上カバー
18 ねじ部材(締結部材)
19,19′ 下カバー
19A 前面部
19B 後面部
19C 左側面部
19D 右側面部
19E 底面部
20 凹窪部
21,21′ 作業用操作レバー
22,22′ 防塵カバー

Claims (3)

  1. 運転席側に支持され作業装置を操作するための操作レバーが取付けられた内装フレームと、該内装フレームの上部側を覆うように取付けられた上カバーと、該上カバーとは別個に単独で前記内装フレームに取付け、取外し可能に設けられ、内装フレームの下側を覆う下カバーとを備え、
    前記下カバーの前側部分は締結部材を下側から上側に向けて締結することにより前記内装フレームに固定し、前記下カバーの後側部分は締結部材を後側から前側に締結することにより前記内装フレームに固定する構成してなる建設機械のコンソール装置。
  2. 前記締結部材はねじ部材からなり、前記下カバーの底面前側寄りには、底面から上側に窪むことにより前記ねじ部材のねじ頭を奥所に隠す凹窪部を形成してなる請求項に記載の建設機械のコンソール装置。
  3. 前記上カバーは、前記内装フレームに複数本のねじ部材を用いて取付け、取外し可能に設け、該各ねじ部材のうち、上カバーの前側に配置されたねじ部材は、前記操作レバーの基端側を覆う防塵カバー内に配置し、前記上カバーの後側に配置されたねじ部材は、上カバーの後面部分に配置してなる請求項1またはに記載の建設機械のコンソール装置。
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