JP4278886B2 - ナット定着装置および補強構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、鉄骨構造、木構造等の建築物をブレースで補強する補強構造や、土木構造物を補強する補強構造に利用できる。
【0002】
【背景技術】
従来、ビルや住宅等の建築構造物において、地震力、風圧力等による建物の変形を防ぐための補強としてブレースを備えた補強構造がある。ブレースは、柱や梁で構成された長方形の構面の対角線に設けられた斜材であって、地震力や風圧力によって構面が変形しようとすると、この構面の変形に引張応力によって抵抗するものである。
また、擁壁や橋梁等の土木構造物において、砂、粘土、シルト等で形成された比較的流動性の高い構造体について、その変形を防止するために補強材を備えた補強構造がある。補強材は、鋼棒、鋼線、FRP等で形成され、その両端が構造体の2点に係合されることにより、構造体が変形して膨張しようとする場合に、この膨張による変形に引張応力によって抵抗するものである。
【0003】
図8(A)には、ブレースを用いた従来例に係る補強構造100の立面図が示されている。
補強構造100は、建物の構造の一部を力学的モデルに置き換えたものであり、略正方形状に形成された基本構造40と、この基本構造40の対角線同士を連結することにより補強するブレース45,46とを含んで構成されている。
【0004】
基本構造40は、2本の柱41,42と、これら柱41,42の下端間を連結しかつ地盤47上に設けられた下梁44と、柱41,42の上端間を連結する上梁43とを備えている。
柱41は、その上端の連結部分Aで上梁43と連結され、その下端の連結部分Bで下梁44と連結されている。
柱42は、その上端の連結部分Cで上梁43と連結され、その下端の連結部分Dで下梁44と連結されている。
【0005】
各連結部分A、B、C、Dは、水平方向を軸として回動自在とされており、基本構造40は不安定構造となっている。
また、各連結部分A〜Dには、互いに隣接する柱41,42および上、下梁43,44に跨設されかつ挿通孔51を有するプレート50が設けられているが、これらプレート50は、各連結部分A〜Dの回動運動を妨げないようになっている。
【0006】
ブレース45は、柱42および上梁43の連結部分Cのプレート50と、柱41および下梁44の連結部分Bのプレート50とを連結するものである。
ブレース46は、柱41および上梁43の連結部分Aのプレート50と、柱42および下梁44の連結部分Dのプレート50とを連結するものである。
各ブレース45,46は、各プレート50の挿通孔51に挿通されるボルト部材52と、このボルト部材52の両端に螺合されて各プレート50の外側に係合された2つのナット部材53とを含んで構成され、各プレート50同士が近接する方向に変形しても内部応力は発生しないが、離隔する方向に変形すると各ボルト部材52に引張応力が発生するようになっている。
したがって、各ブレース45,46によって、補強構造100は一次不静定構造とされている。
また、ボルト部材52の両端のナット部材53同士の距離は、連結部分B−C間の距離、連結部分A−D間の距離と等しく、Lとなっている。
【0007】
図8(B)には、補強構造100に水平力Pを付与した場合の立面図が示されている。
補強構造100において、柱41の連結部分Aに水平力Pを図8(B)中矢印方向(以降、正の向きと呼ぶ)に加えると、柱41の上端は正の向きにδだけ移動する。
この時、連結部分A−D間の距離は縮まるが、ブレース46はプレート50の外側に係合されているため、ブレース46に引張力も圧縮力も作用しない。
一方、連結部分B−C間の距離は伸びるため、ブレース45に引張力が作用し、ブレース45が基本構造40の変形に抵抗することとなる。
【0008】
また、図示しないが、水平力Pを負の向きに加えていくと、歪みδは負の向きに徐々に増加する。この時、連結部分B−C間の距離は縮まるため、ブレース45に引張力も圧縮力も作用しないが、連結部分A−D間の距離は伸びるため、ブレース46に引張力が作用し、ブレース46が基本構造40の変形に抵抗することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、正の向きに水平力Pが作用した場合、ブレース45に引張力が作用して弾性変形するが、ブレース45の弾性限界を超えると、ブレース45は塑性変形し、水平力Pを解除しても残留歪みが生成する。その後、再び正の向きに水平力Pが作用した場合、既に生成した残留歪みに重ねて残留歪みが生成されて、残留歪みが蓄積されるという現象が発生していた。
【0010】
図9には、従来例に係る補強構造100に付与された水平力Pとこの水平力Pによる歪みδとの関係が示されている。
(ST1−1)
補強構造100において、柱41の連結部分Aに水平力Pを正の向きに加えると、柱41の上端は正の向きにδだけ移動する。この時、ブレース45に作用する引張力をTとし、この引張力Tによってブレース45に発生した歪みをYとすると、補強構造100の水平力P、歪みδは、以下の式で表される。
【0011】
【数1】
Figure 0004278886
【0012】
また、ブレース45の断面積をS、ヤング係数をEとすると、ブレース45の引張力Tと歪みYとの関係、および水平力Pと歪みδとの関係は、以下のようになる。
【0013】
【数2】
Figure 0004278886
【0014】
よって、水平力Pを0から徐々に増加させると、歪みδも0から増加し、ブレース45の弾性限度までは、加えた水平力Pに比例して歪みδが増大する。ここで、ブレース45の弾性限度における補強構造100の水平力P、歪みδをそれぞれP、δとする。なお、弾性限度は、厳密には比例限度と異なるが、両者を区別することが困難であるため、ここでは同じ意味として扱う。
【0015】
(ST1−2)
水平力Pが、弾性限度における水平力Pを超えると、ブレース45のボルト部材52の塑性変形が始まり、水平力PがほぼPのままであっても歪みδがδから増大する。歪みδがδに達するまで水平力Pが加わったものとする。
【0016】
(ST1−3)
その後、水平力Pを徐々に減少させると、歪みδも徐々に減少するが、水平力Pが完全に除去されて0になっても歪みδは0とならず、補強構造100にブレース45の塑性変形による残留歪みδ(=δ−δ)が生成される。
【0017】
(ST1−4)〜(ST1−6)
今度は、水平力Pを負の向きに加えていくと、ブレース45には圧縮力も引張力も作用せず、ブレース46に引張力が作用するから、歪みδは0から負の向きに徐々に増加する。したがって、(ST1−1)〜(ST1−3)と原点に関して点対称のグラフとなる。負の向きに加えた水平力Pによって、残留歪み−δが生成される。
【0018】
(ST1−7)
再び、水平力Pを正の向きに加えると、ブレース45に引張力が作用するが、補強構造100には残留歪みδが既に生成されているため、水平力Pがほぼ0の状態であっても、歪みδが−δからδまで増加する現象(以降、スリップ現象と呼ぶ)が発生する。
したがって、歪みδは、残留歪みδから増加することになり、弾性限度(水平力P、歪みδ)までは、加えた水平力Pに比例して歪みδが増加し、結果的には(ST1−3)を逆に辿るグラフとなる。
【0019】
(ST1−8)
水平力Pが、弾性限度における水平力Pを超えると、ブレース45の塑性変形が始まり、水平力PがほぼPのままであっても歪みδがδから増大する。歪みδがδに達するまで水平力Pが加わったものとする。
【0020】
(ST1−9)
その後、水平力Pを徐々に減少させると、歪みδも徐々に減少するが、水平力Pが完全に除去されて0になっても、歪みδは0とならず、補強構造100にブレース45の塑性変形による残留歪みδ(=δ−δ)が生成される。この残留歪みδは、最初に正の向きに加えた水平力Pによって生成した残留歪みδと、2回目に正の向きに加えた水平力Pによって生成した残留歪みとの和となっている。
【0021】
(ST1−10)〜(ST1−12)
さらに、水平力Pを負の向きに加えると、ブレース46に引張力が作用するが、(ST1−7)と同様にスリップ現象が発生して、水平力Pがほぼ0の状態であっても、歪みδがδから−δまで減少する。したがって、歪みδは残留歪み−δから負の向きに徐々に増加し、(ST1−7)〜(ST1−9)と原点に関して点対称のグラフとなる。
【0022】
以上のことから、弾性限界における水平力Pを超える水平力Pが繰り返し作用した場合、ブレース45,46のボルト部材52に塑性変形による残留歪みがスリップ現象によって蓄積され、補強構造100の変形が徐々に大きくなっていくことが判る。
【0023】
したがって、建築構造物の補強構造において、地震や台風等によってブレースの弾性限界における水平力Pを超える水平力Pが繰り返し作用した場合、建物の変形が大きくなり、建物が損壊する可能性があった。
また、土木構造物の補強構造においても、建築構造物と同様に、構造体のクリープ現象や地震動による締め固めによってスリップ現象が発生し、構造体が損壊する可能性があった。
【0024】
本発明の目的は、弾性限界を超える引張力が繰り返し作用した場合でも、構造体の変形を抑制できるナット定着装置および補強構造を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のナット定着装置および補強構造は、次の構成を採用する。請求項1に記載の補強構造は、構造体にその一端側で係合されたボルト部材と、このボルト部材の他端側に螺合されて前記構造体に係合されたナット部材とを備えた補強構造において、前記ナット部材を前記ボルト部材に対して締付け方向に付勢するナット定着装置を備え、前記ナット定着装置は、前記ナット部材と前記構造体との間に介装されるプレート上に回転自在に固定された円筒形のドラムと、一端部分が前記ドラムに巻き回され他端部分が前記ナット部材の外周側面に連結された渦巻きばねとを備え、前記渦巻きばねは、前記ナット部材の外周側面を締付け方向に引っ張って付勢することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、例えば、地震や台風等によって弾性限界を超える引張力が繰り返し作用し、ボルト部材が塑性変形して構造体に係合されたナット部材が緩む場合でも、ナット定着装置の付勢力によってナット部材が自動的に回転され、これらの変形による歪みが解消されることになる。すなわち、ナット部材と構造体との間に隙間が生じてもすぐに解消されるから、ナット部材を常に構造体に定着させて、ボルト部材の塑性変形による残留歪みの蓄積を防止でき、構造体の変形を抑制できる。
また、ナット部材の外周側面を付勢するので、内周側を付勢する場合に比べて回転モーメントが大きくなるため、大きい回転力をナット部材に与えることができるから、ナット部材を容易に構造体に定着させることができる。
さらに、渦巻きばねでナット部材を締付け方向に引っ張ることにより付勢するので、ナット部材を締付け方向に押すことによって回転させた場合に比べ、渦巻きばね自体が座屈して付勢力が低下することがなく、付勢力をナット部材に安定して付与することができる。
そして、渦巻きばねの一端がドラムに巻き回され他端がナット部材に連結されているので、ボルト部材にコイルばねを支持させた場合に比べ、大型の渦巻きばねを用いることができ、大きな付勢力でナット部材を確実に回転させることができる。
また、ナット部材と構造体との間にプレートが介装され、渦巻きばねは、プレートを介して構造体に支持されているので、構造体を傷めることなく渦巻きばねを含むナット定着装置を取り付けることができ、構造体の耐力の低下を抑えることができる。
【0032】
請求項2に記載のナット定着装置は、構造体にその一端側で係合されたボルト部材の他端側に螺合され、かつ前記構造体に係合されたナット部材を前記構造体に定着させるナット定着装置であって、前記ナット部材と前記構造体との間に介装されるプレート上に回転自在に固定された円筒形のドラムと、一端部分が前記ドラムに巻き回され他端部分が前記ナット部材の外周側面に連結された渦巻きばねとを備え、前記渦巻きばねは、前記ナット部材の外周側面を締付け方向に引っ張って付勢することを特徴とする。この発明によれば、請求項1と同様に、地震や台風等によってボルト部材の弾性限界を超える引張力が繰り返し作用しても、繰り返し作用による歪みが蓄積することがなく、構造体の変形を抑制できる。
また、ナット部材の外周側面を付勢するので、内周側を付勢する場合に比べて回転モーメントが大きくなるため、大きい回転力をナット部材に与えることができるから、ナット部材を容易に構造体に定着させることができる。
さらに、渦巻きばねでナット部材を締付け方向に引っ張ることにより付勢するので、ナット部材を締付け方向に押すことによって回転させた場合に比べ、渦巻きばね自体が座屈して付勢力が低下することがなく、付勢力をナット部材に安定して付与することができる。
そして、渦巻きばねの一端がドラムに巻き回され他端がナット部材に連結されているので、ボルト部材にコイルばねを支持させた場合に比べ、大型の渦巻きばねを用いることができ、大きな付勢力でナット部材を確実に回転させることができる。
また、ナット部材と構造体との間にプレートが介装され、渦巻きばねは、プレートを介して構造体に支持されているので、構造体を傷めることなく渦巻きばねを含むナット定着装置を取り付けることができ、構造体の耐力の低下を抑えることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1(A)には、本実施形態に係る建物の補強構造10の立面図が示されている。
補強構造10は、建物の構造の一部を力学的モデルに置き換えたものであり、上述した補強構造100と同様に、略正方形状に形成された構造体としての基本構造40と、この基本構造40の対角線同士を連結することにより補強するブレース45,46とを含んで構成されている。
ブレース45,46は、基本構造40の連結部分B、Aにその一端側で係合されたボルト部材52と、このボルト部材52の他端側に螺合されて基本構造40の連結部分C、Dに係合されたナット部材53とを備え、各連結部分A〜Dに設けられたプレート50上には、ナット定着装置20が設けられている。
【0034】
図2には、ナット定着装置20の全体斜視図が示されている。
ナット定着装置20は、ナット部材53をボルト部材52に対して締付け方向に付勢するものであって、円筒形のドラム22と、このドラム22に巻き回されナット部材53に連結された弾性部材、ここでは渦巻きばね23と、ドラム22をプレート50上に回転自在に固定する固定ボルト21とを備えている。
【0035】
ドラム22は、その中心軸に挿通孔26を有する円筒形の芯部24と、この芯部24の両端に拡がる鍔部25とを備えている。
固定ボルト21は、芯部24の挿通孔26に挿通されてプレート50に螺合されるようになっている。
渦巻きばね23は、帯状の板ばねを冷間加工によって芯部24の外周に渦巻状に複数回巻き回したものであって、巻き回された曲げ状態から、その一端を引っ張って直線状態にすることによって、この直線状態から曲げ状態への復元力によってばね作用を示すものである。
渦巻きばね23は、その他端がドラム22の芯部24にねじ等で連結されて支持されて、この芯部24の外周を巻き回された後、その一端がナット部材53の外周側面にねじ等で固定されることにより、ナット部材53の外周側面を締付け方向に引っ張って付勢するようになっている。
ここで、渦巻きばね23の両端を、各々ドラム22の芯部24およびナット部材53にねじで連結したが、これに限らず、ボルト、溶接等他の方法で連結されてもよい。また、芯部24に渦巻きばね23を巻き回す回数は特に限定されない。
【0036】
以上のような状態では、ナット部材53は、その下面にプレート50に接触する接触面53Aを有し、ナット部材53を締め付けることにより接触面53Aでプレート50を押圧している。このため、この押圧力に比例して、接触面53Aにナット部材53の締付け方向と反対方向の静摩擦力Fが発生し、渦巻きばね23の復元力によるナット部材53の締付け方向の力Bと釣り合った状態となっている。
【0037】
ナット定着装置20の取付方法としては、以下のようになる。
先ず、ボルト部材52をプレート50の挿通孔51に挿通し、ナット部材53を螺合して締め付けた状態としておく。ドラム22に渦巻きばね23を巻き回したものを工場にて製作した後、現場に運搬して、固定ボルト21によってプレート50に固定する。続いて、渦巻きばね23の一端側に引張力を付与して引出して伸びた状態で、ナット部材53の外周側面にねじで固定する。
【0038】
図1(B)には、補強構造10に水平力Pを付与した場合の立面図が示され、図3には、水平力Pとこの水平力Pによる歪みδとの関係が示されている。また、図4(A)および図4(B)には、ブレース45およびブレース46に作用する引張力Tとこの引張力による歪みYとの関係が示されている。
【0039】
(ST2−1)
補強構造10において、柱41の連結部分Aに水平力Pを図1(B)中矢印方向(以降、正の向きと呼ぶ)に加えると、柱41の上端は正の向きにδだけ移動し、(ST1−1)と同様なグラフとなる。
すなわち、水平力Pを0から徐々に増加させると、図4(A)に示すように、ブレース45に引張力Tが作用して弾性変形し、歪みYが0から増加して、弾性限度までは、引張力Tに比例して歪みYが増大する。ここで、ブレース45の弾性限度における引張力T、歪みYをそれぞれT、Yとすると、補強構造10の弾性限度における水平力P、歪みδは、以下の式で表される。
【0040】
【数3】
Figure 0004278886
【0041】
このような補強構造10の変形に伴って、連結部分A−D間の距離がYだけ縮まるため、ブレース46のナット部材53はプレート50から離れようとするから、ナット部材53の接触面53Aのプレート50への押圧力が減少し、これに伴って静摩擦力Fが減少する(図2参照)。これに対し、ナット定着装置20の渦巻きばね23の復元力によるナット部材53の締付け方向の力Bは一定であるから、ナット部材53の締付け方向の力Bが静摩擦力Fより大きくなって、ナット部材53が締付け方向に回転する。
すると、ナット部材53が回転することによって、再びナット部材53の接触面53Aがプレート50に押しつけられて押圧力が増大し、この押圧力に比例して動摩擦力F´が発生して、ナット部材53の締付け方向の力Bに抵抗することとなり、締付け方向の力Bと釣り合ったところでナット部材53の回転が停止する。
したがって、図4(B)に示すように、ナット定着装置20によってナット部材53は常にプレート50に密着することとなるから、ナット部材53間の距離Yだけ縮まって、ブレース46の歪みYは、−Yとなる。
【0042】
(ST2−2)
ブレース45の引張力Tが弾性限度における引張力Tを超えると、つまり補強構造10に加える水平力PがPを超えると、(ST1−2)と同様に、ブレース45のボルト部材52の塑性変形が始まり、引張力TがほぼTのままであっても歪みYがYから増大する。ブレース45の歪みYがYに達するまで引張力Tが加わったものとすると、補強構造10の歪みδは以下の式で表される。
【0043】
【数4】
Figure 0004278886
【0044】
このような補強構造10の変形に伴って、連結部分A−D間の距離がさらにYまで縮まるため、ナット定着装置20によってブレース46の歪みYは−Yとなる。
【0045】
(ST2−3)
その後、水平力PをPから徐々に減少させると、ブレース45に作用する引張力TがTから減少し、これに伴って、ブレース45の歪みYもYから減少し、補強構造10の歪みδもδから減少する。このような補強構造10の変形に伴って、ブレース46のナット部材53はプレート50に弛みなく係合されているため、ブレース46に作用する引張力Tが発生し、0から徐々に増加するとともに、ブレース46の歪みYも−Yから増加する。
その結果、水平力Pが0になると、ブレース46によってブレース45に作用する引張力Tと、ブレース45によってブレース46に作用する引張力Tとが等しく釣り合う状態となるから、この時ブレース45およびブレース46に作用する引張力T、歪みY、補強構造10の歪みδは、以下の式で表される。
【0046】
【数5】
Figure 0004278886
【0047】
よって、補強構造10における(ST2−3)のグラフの傾きは、(ST2−1)のグラフの傾きの1/2となっている。
【0048】
(ST2−4)
今度は、補強構造10に水平力Pを負の向きに加えると、ブレース46において、ブレース45による引張力Tに加えて、水平力Pによる引張力Tが徐々に増加し、弾性限度における引張力Tまでは、引張力Tに比例して歪みYが−Yから増大する。弾性限度におけるブレース46の歪み−Yは、以下の式で表される。
【0049】
【数6】
Figure 0004278886
【0050】
ブレース45においては、水平力Pによる補強構造10の変形によって、ブレース46による引張力TがTから徐々に減少し、ブレース46に作用する引張力Tが弾性限度における引張力Tに達すると同時に、ブレース45の引張力Tは0となり、歪みYは、YからYとなる。
したがって、補強構造10の水平力P、歪みδは、以下の式で表される。
【0051】
【数7】
Figure 0004278886
【0052】
(ST2−5)
ブレース46の引張力Tが弾性限度における引張力Tを超えると、つまり補強構造10に加える水平力がPを超えると、(ST2−2)と同様に、ブレース46のボルト部材52の塑性変形が始まり、引張力TがほぼTのままであっても歪みYが−Yから増加する。ブレース46の歪みYが0に達するまで引張力Tが加わったものとする(図4(A)参照)。
また、補強構造10の変形に伴って、連結部分B−C間の距離が縮まるため、ナット定着装置20によってブレース46のナット部材53間の距離が縮まって、ブレース45の歪みYは、Yから0となる。
したがって、補強構造10の歪みδは0になる。
【0053】
(ST2−6)
その後、水平力PをPから徐々に減少させると、ブレース46に作用する引張力TがTから減少し、これに伴って、ブレース46の歪みYも0から減少し、補強構造10の歪みδも0から減少する。よって、ブレース45のナット部材53はプレート50に弛みなく係合されているため、ブレース45に作用する引張力Tが発生し、この引張力Tは0から徐々に増加するとともに、ブレース45の歪みYも0から増加する。
その結果、水平力Pが0になると、ブレース46によってブレース45に作用する引張力Tと、ブレース45によってブレース46に作用する引張力Tとが等しく釣り合う状態となるから、ブレース45およびブレース46に作用する引張力T、歪みY、補強構造10の歪みδは、以下の式で表される。
【0054】
【数8】
Figure 0004278886
【0055】
よって、補強構造10における(ST2−6)のグラフの傾きは、(ST2−3)のグラフと同様になっており、ブレース45およびブレース46の引張力TはTにほぼ等しく、歪みYはYにほぼ等しくなっている。
【0056】
(ST2−7)
再び、補強構造10に水平力Pを正の向きに加えると、ブレース45において、ブレース46による引張力Tに加えて、水平力Pによる引張力が徐々に増加し、弾性限度における引張力Tまでは、引張力Tに比例して歪みYがYから増大する。弾性限度におけるブレース45の歪みYはYとほぼ等しくなっている。
ブレース46においては、水平力Pによる補強構造10の変形によって、ブレース45による引張力が徐々に減少し、ブレース45に作用する引張力Tが弾性限度における引張力Tに達すると同時に、ブレース46の引張力Tは0となり、歪みYは、−Yから−Yとなる。
この時、補強構造10の水平力PはPにほぼ等しく、歪みδはδにほぼ等しくなる。
【0057】
以上の挙動を繰り返すことにより、補強構造10に弾性限度における水平力Pが繰り返し作用した場合でも、スリップ現象が起こることなく、その変形を抑制できることが判る。
【0058】
したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)補強構造10にナット部材53を締付け方向に付勢するナット定着装置20を設けたので、例えば、地震や台風等によって弾性限界を超える引張力が繰り返し作用し、ボルト部材52が塑性変形して補強構造10に係合されたナット部材53が緩む場合でも、ナット定着装置20の付勢力によってナット部材53が自動的に回転され、塑性変形による歪みが解消されることになる。すなわち、ナット部材53とプレート50との間に隙間が生じてもすぐに解消されるから、ナット部材53を常にプレート50に定着させて、ボルト部材52の塑性変形による残留歪みの蓄積を防止でき、補強構造10の変形を抑制できる。
【0059】
(2)ナット定着装置20でナット部材53の外周側面を付勢したので、内周側を付勢する場合に比べて回転モーメントが大きくなるため、大きい回転力をナット部材53に与えることができるから、ナット部材53を容易にプレート50に定着させることができる。
【0060】
(3)ナット定着装置20に渦巻きばね23を設け、この渦巻きばね23に引張力を付与して直線状態からの復元力でナット部材53を締付け方向に引っ張って回転させたので、ナット部材53を締付け方向に押すことによって回転させる場合に比べ、渦巻きばね23自体が座屈して付勢力が低下することがなく、付勢力をナット部材53に安定して付与することができる。
【0061】
(4)プレート50に渦巻きばね23を支持させてナット部材53を回転させたので、ボルト部材52にコイルばねを支持させた場合に比べ、大型の渦巻きばねを用いることができ、大きな付勢力でナット部材53を確実に回転させることができる。
【0062】
〔第2実施形態〕
図5には、本発明の第2実施形態に係るナット定着装置30の全体斜視図である。
本実施形態において、ナット定着装置30は、第1実施形態と異なり、全体がコイルばねであって、その一端がボルト部材52の端部近傍に溶接されて支持され、その他端がナット部材53の外周面に溶接されて連結されている。
このようなナット定着装置30の取付方法としては、先ず、ボルト部材52をプレート50の挿通孔51に挿通し、ナット部材53を螺合して締め付けた状態としておく。その後、ナット定着装置30の一端をボルト部材52の端部近傍に溶接し、ナット定着装置30の他端をナット部材53の緩む方向に引っ張った状態で、つまり、コイルばねに剪断力を付与した状態で、ナット部材53に溶接固定する。
【0063】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)、(2)の効果に加え、以下の効果がある。
(5)ボルト部材52に反力をとりながらナット部材53を回転させるから、ナット部材53がボルト部材52と共回りすることがなく、ナット部材53をボルト部材52に対して確実に回転させることができる。
【0064】
〔第3実施形態〕
図6には、本発明の第3実施形態に係る補強構造60が示されている。
補強構造60は、地中に埋設された鉄筋コンクリート製のプレート61と、地上に設けられた鉄筋コンクリート製のプレート62と、これらプレート61,62の間に介装された構造体としての盛土層63と、この盛土層63を貫通してプレート61,62を連結する2つの補強材64とを備えている。
補強構造60は、補強材64がプレート61,62を介して盛土層63を締め付けることにより、盛土層63を構成する土粒子間の空隙を解消し、構造体としての耐力を向上させるようになっている。
【0065】
補強材64は、第1実施形態におけるブレース45,46と同様の構造を有し、その一端側のナット部材53がプレート61に埋設されてプレート61と一体化され、その他端側のナット部材53がプレート62に係合されている。
プレート62上には、ナット定着装置20が設けられ、補強材64のナット部材53に連結されている。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)〜(4)と同様の効果がある。
【0066】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第1実施形態では、ナット定着装置20を直接補強構造10のプレート50に支持したが、これに限らず、ナット部材53とプレート50との間にアンカープレートを介装し、このアンカープレートを介してナット定着装置20をプレート50で支持してもよい。
このようにすれば、補強構造10を傷めることなくナット定着装置20を取り付けることができ、補強構造10の構造耐力の低下を抑えることができる。
【0067】
また、第1実施形態では、ナット定着装置20の渦巻きばね23を引っ張った状態からの復元力でナット部材53を締付け方向に引っ張ることによって付勢したが、これに限らず、渦巻きばね23を巻く向きを逆にして、渦巻きばね23の縮んだ状態からの復元力でナット部材53を締付け方向に押すことによって付勢してもよい。
【0068】
また、第2実施形態では、ナット定着装置30に剪断力を付与して、ナット部材53の緩む方向に伸びた状態からの復元力でナット部材53を締付け方向に引っ張ることによって付勢したが、これに限らず、図7に示すように、ナット定着装置30のコイルばねを巻く向きを逆にしたナット定着装置31を用いて、ナット定着装置31の縮んだ状態からの復元力でナット部材53を締付け方向に押すことによって付勢してもよい。
【0069】
また、各実施形態では、弾性部材として、コイルばね、渦巻きばねを用いたが、これに限らず、板ばね等その他のばねを用いてもよい。
【0070】
【発明の効果】
本発明のナット定着装置および補強構造によれば、次のような効果が得られる。
ナット部材を締付け方向に付勢するナット定着装置を設けたので、例えば、地震や台風等によって弾性限界を超える引張力が繰り返し作用し、ボルト部材が塑性変形して構造体に係合されたナット部材が緩む場合でも、ナット定着装置の付勢力によってナット部材が自動的に回転され、これらの変形による歪みが解消されることになる。すなわち、ナット部材と構造体との間に隙間が生じてもすぐに解消されるから、ナット部材を常に構造体に定着させて、ボルト部材の塑性変形による残留歪みの蓄積を防止でき、構造体の変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る補強構造に水平力を付与する前および付与した後を示す立面図である。
【図2】前記実施形態に係るナット定着装置の全体斜視図である。
【図3】前記実施形態に係る補強構造に付与された水平力とこの水平力による歪みとの関係を示す図である。
【図4】前記実施形態に係る補強構造のボルト部材に作用する引張力とこの引張力による歪みとの関係を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るナット定着装置を示す全体斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る補強構造を示す断面図である。
【図7】本発明の変形例に係るナット定着装置を示す全体斜視図である。
【図8】従来例に係る補強構造に水平力を付与する前および付与した後を示す立面図である。
【図9】従来例に係る補強構造に付与された水平力とこの水平力による歪みとの関係を示す図である。
【符号の説明】
10,60,100 補強構造
20,30 ナット定着装置
23 弾性部材としての渦巻きばね
40 構造体としての基本構造
52 ボルト部材
53 ナット部材

Claims (2)

  1. 構造体にその一端側で係合されたボルト部材と、このボルト部材の他端側に螺合されて前記構造体に係合されたナット部材とを備えた補強構造において、前記ナット部材を前記ボルト部材に対して締付け方向に付勢するナット定着装置を備え、前記ナット定着装置は、前記ナット部材と前記構造体との間に介装されるプレート上に回転自在に固定された円筒形のドラムと、一端部分が前記ドラムに巻き回され他端部分が前記ナット部材の外周側面に連結された渦巻きばねとを備え、前記渦巻きばねは、前記ナット部材の外周側面を締付け方向に引っ張って付勢することを特徴とする補強構造。
  2. 構造体にその一端側で係合されたボルト部材の他端側に螺合され、かつ前記構造体に係合されたナット部材を前記構造体に定着させるナット定着装置であって、前記ナット部材と前記構造体との間に介装されるプレート上に回転自在に固定された円筒形のドラムと、一端部分が前記ドラムに巻き回され他端部分が前記ナット部材の外周側面に連結された渦巻きばねとを備え、前記渦巻きばねは、前記ナット部材の外周側面を締付け方向に引っ張って付勢することを特徴とするナット定着装置。
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