JP4278082B2 - 回胴表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスロットマシンやパチンコ機などの遊技機に用いられる回胴表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駆動輪と従動輪とに所定幅を有する無端帯状の図柄表示体を巻き掛け、駆動輪をステップモータで駆動して図柄表示体を回転させるベルトタイプの回胴表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、本出願人は、図柄表示体の幅方向両端側の裏面においてその周方向、即ち、図柄表示体の回転方向に沿って凹部と凸部とを交互に連続して形成するとともに、駆動輪の軸方向両端側の外周面にその周方向に沿って上記図柄表示体の凹部及び凸部に係合する凸部及び凹部を交互に連続して形成した構成を記載した出願を行っている(特願2002−188515号)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−293128号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の構成では、ベルトタイプの図柄表示体の幅方向の両端部にその回転方向に沿って所定の間隔を隔てて孔(図柄表示体側係合部)をあけ、駆動輪には、上記孔間の間隔と同間隔で突起(駆動輪側係合部)を設け、この突起を上記孔に係合させてモータの動力を図柄表示体に伝達することにより図柄表示体を回転駆動するようにしている(スプロケットタイプ)。しかし、このスプロケットタイプでは、孔間隔や図柄表示体の張り具合により、モータの回転負荷が大きくなり、回転しにくくなるおそれがあった。
また、特願2002−188515号に開示した構成では、図柄表示体の幅方向両端側の裏面において周方向に沿って均等な間隔を隔てて複数の凹部(図柄表示体側係合部)が形成され、駆動輪の軸方向両端側の外周面において周方向に沿って上記各凹部に係合するように当該凹部間の間隔と同じ間隔を隔てて複数の凸部(駆動輪側係合部)が形成されているので、駆動輪と図柄表示体の凹凸係合数が多く凹凸部間の係合摩擦が大きくなり、モータの回転負荷が大きくなってしまうことが判明した。
【0005】
そこで、本発明はモータの回転負荷を小さくできる回胴表示装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による回胴表示装置は、所定幅を有して表面に複数の図柄が配置された無端帯状の図柄表示体を駆動輪と従動輪とに巻き掛けて駆動輪をモータで駆動させることにより上記図柄表示体を回転させる回胴表示装置において、上記図柄表示体は弾性材料により形成され、上記図柄表示体の裏面における幅方向両端部には、上記図柄表示体の周方向に凸部を介して均等な間隔を隔てて設けられた複数の凹部により形成された図柄表示体側係合部を備え、上記駆動輪の外周面には、上記図柄表示体側係合部の凹部と係合するように駆動輪の周方向に駆動輪側凹部を介して均等な間隔を隔てて設けられた複数の駆動輪側凸部により形成されて上記モータの回転を上記図柄表示体に伝達する駆動輪側係合部と、上記駆動輪側係合部と上記図柄表示体側係合部との凹凸係合により上記駆動輪に取付けられた図柄表示体の駆動軸軸方向への移動を阻止して駆動輪に対する図柄表示体の外れを防止する規制部とを備え、上記規制部が、上記駆動輪側凹部の底面から上記駆動輪の径方向外側及び軸方向中心側に向けて立上る傾斜面に形成され、上記駆動輪側係合部の互いに隣り合う駆動輪側凸部の中心間の間隔が、上記図柄表示体側係合部の互いに隣り合う凹部の中心間の間隔より2以上の整数倍広く形成されたので、駆動輪と図柄表示体の係合数を少なくでき係合摩擦を小さくできるので、モータの回転負荷を軽減できる。
また、図柄表示体側係合部は上述のように図柄表示体の幅方向両端側にそれぞれ設けられ、駆動輪側係合部は上記各図柄表示体側係合部に対応するよう駆動輪の外周面に設けられた構成とすることで、図柄表示体の幅方向両端側に均等に駆動力を与えることができるようにした。
また、複数の駆動輪側係合部は上述のように均等な間隔を隔てて設けられた構成とすることで、図柄表示体に一定間隔で駆動力を与えることができるようにした。
また、複数の図柄表示体側係合部は上述のように均等な間隔を隔てて設けられた構成とすることで、図柄表示体の回転中に駆動輪側係合部が同じ図柄表示体側係合部に集中連続して係合しないように設定できるので、図柄表示体の耐久性を向上させることができる。
また、図柄表示体側係合部は上述のように図柄表示体の裏面に設けられた凹部とし、駆動輪側係合部は当該凹部に係合する凸部とすることで、図柄の大きさを大きくでき、図柄表示体の耐久性も向上させることができる。
また、駆動輪は、上述のような規制部を備えたことにより、駆動輪の剛性を向上させた。
また、上記従動輪は、上述のような規制部を備えたので、従動輪の剛性が向上するとともに、図柄表示体側係合部と係合する従動輪側係合部を備えないので、図柄表示体の回転時に図柄表示体の凸部が従動輪の小輪部の外周上に面接触した状態で送られるので、凹凸係合による係合摩擦が生じず、凹凸による動力伝達部を備えた構成の従動輪を用いる場合に比べてモータの回転負荷を軽減できるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1から図7は本発明の実施形態を示す図であって、図1は回胴表示装置91を構成する1組の図柄表示機構1の外観を分解して示した図、図2は図柄表示機構1の駆動輪11の斜視図、図3は駆動輪11と図柄表示体2の係合関係を示す断面図、図4は従動輪を示す斜視図、図5は駆動輪11の軸方向端部側と図柄表示体2の幅方向端部側との関係を示す断面図、図6は1組の図柄表示機構1の外観図、図7は回胴表示装置91の外観図である。
【0008】
図1を参照し、図柄表示機構1について説明する。図柄表示機構1の図柄表示体2は、例えばウレタン系エラストマー(ウレタン系ゴム弾性体)または熱可塑性エラストマー(例えば、東レ・デュポン株式会社製の商品名ハイトレル(登録商標))またはポリカーボネート等の材料を主成分とした乳白色の透光性を有する帯状の両端を互いに接続したような形状の無端状に形成されたものである。図柄表示体2は、ウレタン系エラストマーまたは熱可塑性エラストマーまたはポリカーボネート等の材料を主成分とした帯状の両端を両面粘着材または溶剤系接着剤などの接着剤で互いに接続してもよいが、成形型で無端状に形成すれば、図柄表示体2の無端状の形状保持性能が高くなる。
【0009】
図柄表示体2は、複数の種類の異なる図柄4を周方向に一定間隔または所定間隔に配置した状態で備える。図柄4がイソシアネート硬化による二液反応形の速乾性インキを用いた印刷でされれば、図柄表示体2との親和性もよく、図柄4の耐久性も向上する。図柄表示体2が透光性を有するので、図外のバックライトを図柄表示体2の内側面(第2面)の方向から図柄表示体2の2本の仮想線L1,L2で挟まれた図柄表示領域に投光して図柄4を照明表示することができる。
【0010】
図柄表示体2の内側面(裏面)における図柄表示領域よりも外側に位置する両端部(周方向と直交する帯幅方向の両端の部分)には動力伝達部5を備える。動力伝達部5は凹部6と凸部7とが図柄表示体2の周方向に一定間隔で交互に連続した形態である。凸部7は図柄表示体2の内側面から図柄表示体2の径方向内側に突出し、凹部6は周方向に隣接する2つの凸部7の互いに向き合う斜面と当該2つの凸部7の間における図柄表示体2の内側面とで形成される。即ち、図柄表示体側係合部としての複数の凹部6の各々が凸部7を介して均等な間隔を隔てて設けられている。動力伝達部5は図柄表示体2と一緒に成形型で図柄表示体2の内側面に形成すれば、図柄表示体2と動力伝達部5とが1つにまとまった単一体となり、それの一体性が増す。図柄表示体2の仮想線L1,L2で挟まれた図柄表示領域に図柄4を設け、図柄表示体2の図柄表示領域よりも外側に位置する両端部に動力伝達部5を設けたので、図柄4と動力伝達部5とが重なり合わないように領域分けされて配置されて、図柄4を表示する部分の厚さを一様とすることができ、図柄の見栄えがよくなる。
【0011】
図1,図2に示すように、駆動輪11は、薄肉な円筒状の周壁の中央部を周方向に間欠的に中抜きされているとともに軸方向(帯幅方向)に両側に存在する円形帯状の端部12,12を中抜きによる残存した複数本のステー13で互いに結合したかご形になっている。端部12の外周面側には動力伝達部14を有する。動力伝達部14の凹部15は端部12の外周面から内部に窪み、凹部15の軸方向外側は開放されている。動力伝達部14の凸部16は周方向に隣接する2つの凹部15の互いに向き合う斜面と当該2つの凹部15の間における端部12の外周面とで形成される。複数のステー13にはハブ17が各端部12,12の間の中央よりも一方に片寄る位置で結合する。ハブ17の中心部には小判形の異形孔に形成されたモータ軸取付部18を備える。
【0012】
実施形態では、駆動輪11の軸方向両端側、即ち、各端部12,12の外周面に、図柄表示体側係合部として凹部6と係合する駆動輪側係合部としての複数の凸部16を凹部15を介して周方向に均等な間隔を隔てて設け、この互いに隣り合う凸部16,16間の間隔を互いに隣り合う凹部6,6間の間隔より広くした。例えば、図3に示すように、隣り合う凸部16,16の中心間の間隔Hを、図柄表示体2に形成された隣り合う凹部6,6の中心間の間隔Wより2以上の整数倍広く設定する。言い換えれば、複数の駆動輪側係合部としての各凸部16を、均等な間隔を隔てて設けられた複数の図柄表示体側係合部としての各凹部6に対して間欠的に係合するように設けた。
上述した実施形態の構成によれば、駆動輪11と図柄表示体2の凹凸係合数を少なくでき凹凸部間の係合摩擦を小さくできるので、モータの回転負荷を軽減でき、比較的出力の小さいモータを使用できるようになる。
また、図柄表示体側係合部としての複数の凹部6を凸部7を介して均等な間隔を隔てて設けたので、図柄表示体2の回転中に駆動輪側係合部としての各凸部16が同じ凹部6に集中連続して係合しないように設定できるので、図柄表示体2の耐久性を向上させることができる。
また、図柄表示体側係合部としての各凹部6を図柄表示体2の幅方向両端側に設け、駆動輪側係合部としての凸部16を凹部6に対応するよう駆動輪11の軸方向両端側の外周面に設けたので、図柄表示体2の幅方向両端側に均等に駆動力を与えることができ、図柄表示体2をスムーズに安定に回転させることが可能となる。さらに、複数の駆動輪側係合部としての各凸部16を均等な間隔を隔てて設けたので、図柄表示体2に一定間隔で駆動力を与えることができ、図柄表示体2をよりスムーズに安定に回転させることができるようになる。
また、例えば特許文献1では、図柄表示体の両端部に設けられたスプロケット孔により図柄表示体側係合部を構成していたので、図柄の大きさが制約されるといった問題や、スプロケット孔の部分から図柄表示体が破損しやすいといった問題があったが、実施形態では、図柄表示体側係合部を図柄表示体2の裏面に設けられた凹部6としたことで、これら問題を解消できる。つまり、図柄4の大きさを大きくでき、図柄表示体2の耐久性も向上させることができる。
【0013】
従動輪21は、図1,図4に示すように、薄肉な円筒状の周壁の中央部を周方向に間欠的に中抜きされているとともに軸方向(帯幅方向)に両側に存在する円形帯状の端部22,22を中抜きによる残存した複数本のステー23で互いに結合したかご形になっている。ただし、従動輪21は、各端部22,22の外周面に凹凸による動力伝達部を備えない構成とした。即ち、各端部22の軸方向内側には大輪部24を有し、この大輪部24の軸方向外側にはこの大輪部24より若干小径の小輪部25を有する。これにより、図柄表示体2の回転時に図柄表示体2の凸部7が小輪部25の外周上に面接触した状態で送られるので、凹凸係合による係合摩擦が生じず、凹凸による動力伝達部を備えた構成の従動輪を用いる場合に比べてモータの回転負荷を軽減できるようになる。
【0014】
図5に示すように、駆動輪11における凹部15における内側端面28は凹部15の底面29から径方向外側及び軸方向中心側に向けて立上る傾斜面に形成されているので、この内側端面28が図柄表示体2の凸部7の矢印X1で示す方向の軸方向移動を阻止して、図柄表示体2の動力伝達部5と駆動輪11の動力伝達部14との外れ、即ち、駆動輪11に対する図柄表示体2の外れを防止する規制部として機能する。駆動輪11における凹部15の深さH1と図柄表示体2における凸部7の高さH2とを同一寸法(H1=H2)、または、深さH1を高さH2よりもわずかに深く(H1≧H2)すれば、凹部15と凸部7との嵌め合いによる接触面積が増加し、駆動輪11と図柄表示体2との間の動力伝達が良好となる。尚、規制部として機能する内側端面28は傾斜面でなくとも面であればよい。また、従動輪21においても、図4に示すように、小輪部25から大輪部24に向けて立上る面26から成る規制部を備えているので、従動輪21に対する図柄表示体2の外れを防止することができる。
【0015】
尚、特願2002−188515号に開示された構成では、モータ軸が取付けられるモータ軸取付部を有するハブを支持する支持アームは、駆動輪の軸方向の厚みが少ないので、駆動輪の剛性が少ない。そこで、実施形態1では、図2に示すように、モータ軸32が取付けられるモータ軸取付部18を有するハブ17を各端部12,12間の中央の位置で支持する支持アーム3は、駆動輪11の軸方向に延長する面を備えた平板で構成した。これにより、駆動輪11の剛性を向上できる。また、支持アーム3より延長してさらに軸方向に延長する面を有する補強リブ3aで補強することにより、駆動輪11の剛性をさらに向上できる。
また、図4に示すように、支持軸82が装着される軸受部27を支持する支持アーム3Bも従動輪21の軸方向に延長する面を備えた平板で構成することにより、従動輪21の剛性を向上できる。
【0016】
図1に戻り、ステップモータ31はモータ軸32,33がモータボディ34の軸方向両端に突出した両軸タイプになっている。一方のモータ軸32は外周面が2つの平坦で平行な切欠面32aを有する異形であって、駆動輪11のハブ17から離れた端部12の方向からモータ軸取付部18に挿入されて一緒に回転するようにハブ17に装着され、駆動輪11が一方のモータ軸32に一緒に回転するように結合される。
【0017】
このように駆動輪11と一方のモータ軸32とが結合された場合、モータボディ34の大半が駆動輪11の内部に非接触な状態で取り込まれる。モータボディ34の端部に設けられたブラケット37の側に突出した他方のモータ軸33がモータ取付ピース41に形成された逃孔42に挿入され、ブラケット37が逃孔42周りのモータ取付ピース41の外側面に接触し、ブラケット37とモータ取付ピース41とが図外の止ねじで互いに締結されることによって、モータボディ34とモータ取付ピース41とが互いに結合される。
【0018】
他方のモータ軸33は外周面に1つの平坦な切欠面を有する異形であって、他方のモータ軸33は小径な歯車51の中心に形成された半円形状の異形な取付孔52に挿入されて、他方のモータ軸33には小径な歯車51が一緒に回転するように装着される。モータ取付ピース41の逃孔42周りに固定的に取り付けられたシャフト43には小径な歯車51に噛み合わせられる大径な歯車61が回転可能に装着され、大径な歯車61よりも外側に突出したシャフト43には図外の止輪が装着されて、大径な歯車61がシャフト43から抜け止めされる。
【0019】
大径な歯車61にはステップモータ31の原点位置を検出するための被検出体62が図外の止ねじで一緒に回転するように取り付けられる。シャフト43よりも下部に形成された切欠部44周りのモータ取付ピース41にはステップモータ31の原点位置を検出するための検出器63の設けられた基板64が図外の止ねじで取り付けられることによって、検出器63が切欠部44に非接触に配置される。検出器63は他方のモータ軸33の回転に伴い、小径な歯車51と大径な歯車61とを介して被検出体62が検出器63を非接触に通過するごとに、検出器63がステップモータ31の原点位置としての検出信号を図外の制御装置に出力する。
【0020】
駆動輪11、ステップモータ31、小径な歯車51、大径な歯車61、シャフト43、基板64、検出器63、被検出体62が組み合わされたモータ取付ピース41が縦長な土台としての板状の機構本体71の上部に図外の止ねじで取り付けられることによって、モータ取付ピース41が機構本体71の上部に形成された開口部72を閉鎖する。モータ取付ピース41には検出器63から延設された配線を通すための配線孔73が開口部72の周囲に位置するように形成される。従動輪21の軸受部27は従動輪取付ピース81に固定的に設けられた支持軸82に挿入され、軸受部27から突出した支持軸82の端部には図外の止輪が装着され、従動輪21が支持軸82から抜け止めされる。
【0021】
従動輪取付ピース81はシャフト83と複数のスライダ84とばね係留部85とを備える。シャフト83が機構本体71の下部に従動輪21の方向に膨出するように形成された従動輪取付部74に形成された軸受部75に回転可能に装着されるとともに、スライダ84およびばね係留部85が従動輪取付部74に形成された複数の逃孔76に個別に挿入された後、スライダ84に止具86が従動輪取付ピース81の従動輪取付部74に対する上下方向の移動を確保するように結合されることによって、従動輪21を回転可能に支持した従動輪取付ピース81と従動輪取付部74とが互いに組み付けられる。
【0022】
その状態において、従動輪取付ピース81のばね係留部85と従動輪取付部74に設けられたばね係留部77とにコイルスプリングのようなばね78が掛け止められることによって、ばね78が従動輪取付ピース81を機構本体71の上部に取付られた駆動輪11との軸間隔を広げる方向に引っ張る。そして、図柄表示体2が駆動輪11と従動輪21と巻き掛けられることによって、図柄表示機構1が図6に示すような組み立てられた形態となる。
【0023】
そして、ステップモータ31が電力供給で回転駆動すると、図柄表示体2がばね78のばね力によるテンションを受けつつ図柄表示体2の動力伝達部5と駆動輪11の動力伝達部14との噛み合わせにより適切に回転する。図1および図6において、機構本体71は機構本体71の下部から内側に折り曲げられた底壁71a、底壁71aの前部から下方に折り曲げられた下機構取付部71b、機構本体71の上部前側から内側に折り曲げられた延設部71c、延設部71cの前部から上方に折り曲げられた上前機構取付部71d、機構本体71の上部後側から内側に折り曲げられた上後機構取付部71e、機構本体71の後部から内側に折り曲げられた補強部71fを備える。底壁71aおよび補強部71fが互いに結合されれば、機構本体71の強度が一層高くなる。下機構取付部71bには位置決め孔71gおよび取付孔71hを備え、上前機構取付部71dには取付孔71iを備える。
【0024】
図7を参照し、図6のように組み立てられた図柄表示機構1を3個用いて構成された回胴表示装置91について説明する。回胴表示装置91は図柄表示機構1を収納し得る大きさの前方左右開放状の躯体92を備える。躯体92は上壁93の後部に左右で相対峙する2本の切込94を介して内側に向けて突出するように押し出された係合部95、上壁93の前部から上方に折り曲げられた上フランジ96、底壁71aの前部から下方に折り曲げられた下フランジ97を備える。
【0025】
そして、図柄表示機構1が躯体92の内部に挿入され、図柄表示機構1の下機構取付部71bおよび上前機構取付部71dが躯体92の上フランジ96および下フランジ97の前側に配置され、下フランジ97に設けられた突起98と下機構取付部71bの位置決め孔71gとが互いに嵌め込まれ、機構本体71の上後機構取付部71eが躯体92の上壁93の内側面から一方の切込94、係合部95の上、他方の切込94を順に経由して上壁93の内側面に接触するように係合部95に嵌め込まれる一方、下機構取付部71bおよび上前機構取付部71dを図外の止ねじで上フランジ96および下フランジ97に締結することによって、3個の図柄表示機構1が躯体92に取り付けられる。また、機構本体71と対象形に形成された側壁99が機構本体71と同様に躯体92に取り付けられる。これによって、機構本体71と躯体92および側壁99で囲まれた前方開放状の空間に3個の図柄表示機構1の図柄表示体2が配置された回胴表示装置91となる。
【0026】
尚、上述した実施形態では、駆動輪11の各端部12,12において左右対称に凸部16を設けたが、図8に示すように左右非対象に凸部16を設けるようにしてもよい。これによれば、左右対称に凸部16を設けた場合に比べて全体として凹凸係合数を少なくでき凹凸部間の係合摩擦を小さくでき、モータの回転負荷を軽減できる。
また、駆動輪側係合部としての複数の凸部16を均等な間隔を隔てて設けるようにした例を示したが、少なくとも、図3に示すような図柄表示体2が駆動輪11の外周において接する範囲において凹部6の数より凸部16の数が1つ以上少ない構成とすればよい。特に、図柄表示体2が駆動輪11の外周において180度以上の角度範囲で接するのであれば、駆動輪11の各端部12,12の外周には180度を隔てて凸部16を2個だけ設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、図柄表示体2の裏面両端部にタイミングベルト状の連続凹凸部を設けた例で説明したが、本発明は本実施形態に限らず、例えば、特許文献1のようなスプロケットタイプのものにおいても適用できる。つまり、図柄表示体の孔(図柄表示体側係合部)間の間隔よりも駆動輪の突起(駆動輪側係合部)間の間隔を2倍や3倍等にして駆動輪の突起と図柄表示体の孔との係合個数を減少させることにより、モータの回転負荷を軽減させることができる。
また、上記では、図柄表示体2の幅方向両端側の裏面に図柄表示体側係合部としての凹部6を設け、駆動輪11の軸方向両端側の外周面に駆動輪側係合部としての凸部16を設けたが、これら凹凸による係合部を図柄表示体2や駆動輪11の両端側以外に設けるようにしてもよい。例えば、図柄表示体2の幅方向中央側の裏面に図柄表示体側係合部としての凹部6を設け、駆動輪11の軸方向中央側に端部12と同様な円形帯状体を設けこの円形帯状体の外周面に凸部16を設けてもよい。この場合、従動輪21の軸方向中央側にも円形帯状体を設けこの円形帯状体の外周に図柄表示体の凸部7が入り込む凹部を設ければよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による回胴表示装置の図柄表示機構を示す分解斜視図。
【図2】 実施形態による駆動輪の斜視図。
【図3】 実施形態による駆動輪と図柄表示体の係合関係を示す断面図。
【図4】 実施形態による従動輪を示す斜視図。
【図5】 実施形態による駆動輪の軸方向端部側と図柄表示体の幅方向端部側との関係を示す断面図。
【図6】 実施形態による図柄表示機構の外観図。
【図7】 実施形態による回胴表示装置の外観図。
【図8】 他の実施形態による駆動輪の斜視図。
【符号の説明】
2 図柄表示体、6 凹部(図柄表示体側係合部)、11 駆動輪、
12 駆動輪の端部、16 凸部(駆動輪側係合部)、21 従動輪、
26 面(規制部)、28 内側端面(規制部)、31 ステップモータ。

Claims (2)

  1. 所定幅を有して表面に複数の図柄が配置された無端帯状の図柄表示体を駆動輪と従動輪とに巻き掛けて駆動輪をモータで駆動させることにより上記図柄表示体を回転させる回胴表示装置において、上記図柄表示体は弾性材料により形成され、上記図柄表示体の裏面における幅方向両端部には、上記図柄表示体の周方向に凸部を介して均等な間隔を隔てて設けられた複数の凹部により形成された図柄表示体側係合部を備え、上記駆動輪の外周面には、上記図柄表示体側係合部の凹部と係合するように駆動輪の周方向に駆動輪側凹部を介して均等な間隔を隔てて設けられた複数の駆動輪側凸部により形成されて上記モータの回転を上記図柄表示体に伝達する駆動輪側係合部と、上記駆動輪側係合部と上記図柄表示体側係合部との凹凸係合により上記駆動輪に取付けられた図柄表示体の駆動軸軸方向への移動を阻止して駆動輪に対する図柄表示体の外れを防止する規制部とを備え、上記規制部が、上記駆動輪側凹部の底面から上記駆動輪の径方向外側及び軸方向中心側に向けて立上る傾斜面に形成され、上記駆動輪側係合部の互いに隣り合う駆動輪側凸部の中心間の間隔が、上記図柄表示体側係合部の互いに隣り合う凹部の中心間の間隔より2以上の整数倍広く形成されたことを特徴とする回胴表示装置。
  2. 上記従動輪は、図柄表示体の幅方向両端側が対応する部位に図柄表示体の幅方向への移動を規制する規制部を備え、かつ、上記図柄表示体側係合部と係合する従動輪側係合部を備えないことを特徴とする請求項1に記載の回胴表示装置
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