JP4278014B2 - 画像作成方法及び画像作成装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、四角形のブロック等の所望の形状の多角形パターンを多数配列したパターンを作成し、それらの多角形パターンに所望のテクスチャの絵柄を貼り込むための方法、及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図17に示すように、木目柄等の適宜な絵柄を四角形のブロックとして切り出して、タイル状に貼り付けた画像が知られており、このような画像は、壁紙や床材等の建材用として広く採用されている。なお、図17では木目柄を用いた場合を示しているが、四角形のブロックに切り出す絵柄としては木目柄に限らず、石目柄あるいはその他の任意の絵柄を用いることができることは当然である。また、四角形のブロックに限らず、図18(a)、(b)、(c)に示すような多角形のブロックのパターンを多数配列し、それら配列した多角形のブロックの一つ一つの閉領域にそれぞれ所望の絵柄を貼り付けることも行われている。なお、図18(a)に示すものはインレイと称されているブロックが配列されたブロックパターンであり、同図(b)に示すものは六角形のブロックが配列されたブロックパターンであり、同図(c)に示すものはヘリンボーンと称されているブロックが配列されたブロックパターンである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17に示すような画像を作成する場合、あるいは図18(a)〜(c)に示すようなブロックパターンの一つ一つの閉領域に所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける場合、従来においては、作業者が手作業によって、適宜な絵柄の印刷物あるいはフィルムから、ブロックパターンの一つ一つの閉領域の形状に実際に切り抜き、配置して作成していた。
【0004】
しかし、このような画像が床材や壁紙等の建材として利用される場合には、作成する画像のサイズは1m×1m程度の大きなサイズの画像となることが多く、また多数の多角形のブロックが配列されるため、作業者の作業負担が非常に大きいばかりでなく、その修正も非常に面倒なものであった。
【0005】
そこで、本発明は、所望の形状の多角形のブロックを多数配列したブロックパターンの作成、及び作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対する所望のテクスチャの絵柄の貼り付けを容易に行うことができる画像作成方法及び画像作成装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の画像作成方法は、入力装置と、モニタと、画像処理装置とを用いる画像作成方法であって、入力装置から四角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズが設定された場合において、画像処理装置により、x−yの直交座標系を定義して、前記設定されたサイズの矩形の4頂点の座標値を定めて該4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、当該サイズに応じた矩形をモニタに表示する第1の工程と、前記第1の工程において前記設定されたサイズに応じた矩形がモニタに表示されている状態において、入力装置から所定のx軸上の座標値が設定されたとき、画像処理装置により、当該設定されたx軸上の座標の位置からy方向に直線を描画して、ストライプ状のパターンを作成してモニタに表示する第2の工程と、前記第2の工程においてストライプ状のパターンがモニタに表示されている状態において、入力装置から一つ一つの四角形のブロックの左下の頂点の座標値が設定されたとき、画像処理装置により、当該設定された座標の位置からx方向に、隣接するストライプ状のy軸に平行な線までの直線を描画してブロックパターンを作成してモニタに表示すると共に、当該ブロックパターン中の四角形のブロックの個数及びそれら全ての四角形のブロックの4頂点座標値を記憶する第3の工程と、前記第3の工程で作成したブロックパターンの一つ一つの四角形のブロックに対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第4の工程とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の画像作成装置は、入力装置と、モニタと、画像処理装置とを備える画像作成装置であって、画像処理装置は、入力装置から四角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成の指示、作成する画像の縦横のサイズの設定された場合においては、x−yの直交座標系を定義して、前記設定されたサイズの矩形の4頂点の座標値を定めて該4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、当該サイズに応じた矩形をモニタに表示する第1の処理を行い、当該第1の処理によって前記設定されたサイズに応じた矩形がモニタに表示されている状態において、入力装置から所定のx軸上の座標値が設定されたときには、当該設定されたx軸上の座標の位置からy方向に直線を描画して、ストライプ状のパターンを作成してモニタに表示する第2の処理を行い、更に、前記第2の処理においてストライプ状のパターンがモニタに表示されている状態において、入力装置から一つ一つの四角形のブロックの左下の頂点の座標値が設定されたときには、当該設定された座標の位置からx方向に、隣接するストライプ状のy軸に平行な線までの直線を描画してブロックパターンを作成してモニタに表示すると共に、当該ブロックパターン中の四角形のブロックの個数及びそれら全ての四角形のブロックの4頂点座標値を記憶する第3の処理、及び前記第3の処理で作成したブロックパターンの一つ一つの四角形のブロックに対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第4の処理を行うことを特徴とする。
請求項3記載の画像作成方法は、入力装置と、モニタと、画像処理装置とを用いる画像作成方法であって、入力装置から六角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向への六角形のブロックの配列個数が設定された場合において、画像処理装置により、x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、六角形のブロックのサイズを、前記設定された作成画像のサイズ内に設定された横方向及び縦方向の個数の数だけ収まるサイズとして隙間無く六角形のブロックを配列してブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、当該ブロックパターン中の全ての閉領域の個数及びそれら各閉領域の頂点の座標値をパターンデータとして記憶する第1の工程と、前記第1の工程で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の工程とを備えることを特徴とする。
請求項4記載の画像作成装置は、入力装置と、モニタと、画像処理装置とを備える画像作成装置であって、画像処理装置は、入力装置から六角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向への六角形のブロックの配列個数が設定された場合には、x−yの直交座標系を定義して 、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、六角形のブロックのサイズを、前記設定された作成画像のサイズ内に設定された横方向及び縦方向の個数の数だけ収まるサイズとして隙間無く六角形のブロックを配列してブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、作成された画像中の全ての閉領域の個数及びそれら各閉領域の頂点の座標値をパターンデータとして記憶する第1の処理、及び前記第1の処理で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の処理を行うことを特徴とする。
請求項5記載の画像作成方法は、入力装置と、モニタと、画像処理装置とを用いる画像作成方法であって、入力装置からインレイのブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向へのインレイのブロックの配列個数及び隙間の幅、使用するインレイのパターンの指定、使用するインレイのパターンによってはブロック幅が設定された場合において、画像処理装置により、x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、指定されたインレイのブロックのサイズを、前記設定された作成画像のサイズ内に、横方向及び縦方向に、隣接するインレイのブロック間に前記設定された隙間の幅を設けて設定された個数の数だけ配列し、且つ最後に横方向及び縦方向の端部に前記設定された隙間の幅が設けられるサイズとして配列してブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、該ブロックパターン中に配列された全てのインレイのブロックの一つ一つの閉領域の個数、それら一つ一つの閉領域の頂点の座標値、及び隣接する閉領域の頂点と接している位置の座標値をパターンデータとして記憶する第1の工程と、前記第1の工程で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の工程とを備えることを特徴とする。
請求項6記載の画像作成装置は、入力装置と、モニタと、画像処理装置とを備える画像作成装置であって、画像処理装置は、入力装置からインレイのブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向へのインレイのブロックの配列個数及び隙間の幅、使用するインレイのパターンの指定、使用するインレイのパターンによってはブロック幅が設定された場合には、x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、指定されたインレイのブロックのサイズを、前記設定された作成画像のサイズ内に、横方向及び縦方向に、隣接するインレイのブロック間に前記設定された隙間の幅を設けて設定された個数の数だけ配列し、且つ最後に横方向及び縦方向の端部に前記設定された隙間の幅が設けられるサイズとして配列してブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、該ブロックパターン中に配列された全てのインレイのブロックの一つ一つの閉領域の個数、それら一つ一つの閉領域の頂点の座標値、及び隣接する閉領域の頂点と接している位置の座標値をパターンデータとして記憶する第1の処理、及び前記第1の処理で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の処理を行うことを特徴とする。
請求項7記載の画像作成方法は、入力装置と、モニタと、画像処理装置とを用いる画像作成方法であって、入力装置からヘリンボーンのブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向へのヘリンボーンのブロックの配列個数及び矢羽根長が設定された場合において、画像処理装置により、x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、前記設定された長さの矢羽根長を有するヘリンボーンのブロックのサイズを、前記設定された作成する画像のサイズ内に、縦方向に1列だけ前記設定された配列個数だけ収まるサイズとして配列し、次に、その1列のヘリンボーンのブロックの配列を横方向にミラー反転してコピーする処理を、横方向の配列個数が前記設定された配列個数になるように繰り返し、そのとき作成する画像のサイズから下側にはみ出た部分を切り出し、上側に平行移動して作成する画像の上部に組み込んでブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、該ブロックパターン中に作成された閉領域の個数、及びそれら各閉領域の頂点の座標値をパターンデータとして記憶する第1の工程と、 前記第1の工程で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の工程とを備えることを特徴とする。
請求項8記載の画像作成装置は、入力装置と、モニタと、画像処理装置とを備える画像作成装置であって、画像処理装置は、入力装置からヘリンボーンのブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向へのヘリンボーンのブロックの配列個数及び矢羽根長が設定された場合には、x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、前記設定された長さの矢羽根長を有するヘリンボーンのブロックのサイズを、前記設定された作成する画像のサイズ内に、縦方向に1列だけ前記設定された配列個数だけ収まるサイズとして配列し、次に、その1列のヘリンボーンのブロックの配列を横方向にミラー反転してコピーする処理を、横方向の配列個数が前記設定された配列個数になるように繰り返し、そのとき作成する画像のサイズから下側にはみ出た部分を切り出し、上側に平行移動して作成する画像の上部に組み込んでブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、該ブロックパターン中に作成された閉領域の個数、及びそれら各閉領域の頂点の座標値をパターンデータとして記憶する第1の処理、及び前記第1の処理で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の処理を行うことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る画像作成装置の一実施形態を示す図であり、図中、1は入力装置、2は画像処理装置、3はブロック形状記憶装置、4はテクスチャ画像記憶装置、5はモニタを示す。
【0008】
まず、図1に示す各装置の概略を説明する。
入力装置1は、作成しようとする画像に関する種々の仕様を設定するためのものであり、キーボード、マウス等で構成される。どのような仕様を設定するかは後述する。
【0009】
画像処理装置2は、入力装置1から設定された仕様に基づいて、ブロックパターンの作成、及び作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対するテクスチャの絵柄の貼り込み等の処理を行う。動作の詳細については後述する。
【0010】
ブロック形状記憶装置3には、ブロックパターンを作成する場合に用いるブロックの基本的な形状が記憶されている。ここでは、図2(a)に示す正六角形(以下、単に六角形と称す)、同図(b)、(c)に示す2種類のインレイの形状、及び同図(d)に示すヘリンボーンの形状が記憶されているものとする。なお、図2(b)に示すインレイは、中央の四角形を4つの長方形で囲み、全体として四角形とした形状であり、図2(c)に示すインレイは、中央の四角形を4つの台形で囲み、全体として四角形とした形状である。従って、一つのインレイのブロックには5つの閉領域があることになる。図2(b)に示すインレイでは、図のHで示すブロック幅は任意に設定可能となされている。また、ヘリンボーンの形状については、図2(d)に示す矢羽根長Lは任意に設定可能となされている。
【0011】
テクスチャ画像記憶装置4には、作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に貼り込む絵柄の基となるテクスチャの画像が記憶されている。このテクスチャ画像は、所望の絵柄の画像の原稿を図示しないカラースキャナによって読み取り、テクスチャ画像記憶装置4に画像ファイルとして登録しておけばよい。
【0012】
なお、このような画像作成装置は、パーソナルコンピュータ等で構成することが可能である。
【0013】
以下、図1に示す画像作成装置の動作について、画像作成方法と共に説明する。
[四角形のブロックを配置したブロックパターン]
まず、図17に示すような四角形のブロックが配列されたブロックパターンを作成し、そのブロックパターンの一つ一つの閉領域に所望のテクスチャの絵柄を貼り込む場合の動作について説明する。なお、この場合にはブロックパターンの一つ一つの閉領域は四角形のブロックとなることは明らかである。また、ここでは、作成する画像の縦横のサイズ、及び一つ一つの四角形のブロックの幅、長さは顧客から指示されているものとする。
【0014】
この場合には、まず、作業者は入力装置1から四角形のブロックパターンの生成のメニューを選択する。そして、作成する画像の縦横のサイズを入力装置1から入力して設定する。この作成する画像のサイズは顧客から指示されたサイズである。これによって、画像処理装置2は、x−yの直交座標系を定義して、設定されたサイズの矩形の4頂点の座標を記憶する。このとき、4頂点の座標値を定めるについては、例えば当該矩形の左上の頂点を原点とすればよい。そして、画像処理装置2は、図3(a)に示すように、設定された作成画像のサイズに応じた矩形を描画してモニタ5に表示する。
【0015】
次に、作業者は、ストライプ状のパターンを作成するために、入力装置1から所定のx軸上の座標値を設定する。この設定する座標値は、ストライプ状のパターンの各ストライプの幅が顧客の指示通りになるような座標値とすることは当然である。これによって、画像処理装置2は、設定されたx軸上の座標値を記憶すると共に、設定されたx軸上の座標の位置からy方向に直線を描画して、ストライプ状のパターンを作成して、モニタ5に表示する。例えば、図3(b)の黒点「●」で示す位置の座標値を設定したとすると、画像処理装置2は図3(c)に示すストライプ状のパターンを作成して、モニタ5に表示する。
【0016】
次に、作業者は、顧客の指示に基づいて、一つ一つの四角形のブロックの左下の頂点の座標値を入力装置1から設定する。これによって、画像処理装置2は、設定された座標値を記憶すると共に、設定された座標の位置からx方向に、隣接するストライプの縦線までの直線を描画してモニタ5に表示する。例えば、図3(d)の黒点「●」で示す位置の座標値を設定したとすると、画像処理装置2は図3(e)に示すストライプ状のパターンを作成して、モニタ5に表示する。
【0017】
つまり、上述したストライプ状のパターンを作成するためにx軸上の座標値を設定すること、及び上述した一つ一つの四角形のブロックの左下の頂点を定めるための座標値を設定することは、それぞれの四角形のブロックを定める頂点の座標値を設定することに他ならない。
【0018】
以上の処理によって、ブロックパターンが作成されるが、画像処理装置2は、作成する画像の4頂点の座標値、及び、設定された各四角形のブロックを定める頂点の座標値とに基づいて、作成された四角形のブロック(閉領域)の個数、及び作成されたブロックパターン中の全ての四角形のブロックの4頂点の座標値を演算して記憶する。これが当該ブロックパターンのパターンデータとなる。例えば、いま図3(e)に示すブロックパターンが作成されたとすると、このブロックパターンには11個の四角形のブロックがあるが、画像処理装置2は、11個の四角形のブロックが作成されたことを認識して記憶すると共に、これら11個全ての四角形のブロックについて4頂点の座標値を求めて記憶するのである。
【0019】
以上のようにして、四角形のブロックが配列されたブロックパターンが作成されたら、次にこのブロックパターンの一つ一つの四角形のブロックに対してテクスチャの絵柄を貼り付ける。このテクスチャの絵柄の貼り付け方法としては、自動と手動の二通りがある。
【0020】
まず、自動で貼り付ける場合の動作について説明する。
この場合には、作業者は、入力装置1から、絵柄の自動貼り付けのメニューを選択すると共に、絵柄の貼り付けに用いるテクスチャの画像ファイルを指定する。この画像ファイルの指定に際しては、例えば、テクスチャ画像記憶装置4から適宜な画像ファイルを読み出してモニタ5に表示し、望ましいものであればその画像ファイルを指定するようにすればよい。
【0021】
画像処理装置2は、テクスチャ画像記憶装置4から指定されたテクスチャ画像を取り込み、ブロックパターンのパターンデータに基づいて、一つ一つの四角形のブロックに貼り込む絵柄を抽出する。その場合の処理の例を図4のフローチャートに示す。
【0022】
画像処理装置2は、まず、ブロックパターンのパターンデータから、四角形のブロックの個数と、各四角形のブロックのサイズ(貼り込み画像サイズ)を認識する(ステップS1)。ここでは四角形のブロックの個数はnum、テクスチャ画像のサイズはgw(横方向)×gh(縦方向)とする。
【0023】
次に、i=1として(ステップS2)、i番目、ここでは1番目の四角形のブロックに対する貼り込み絵柄を抽出するためのポインタを、指定されたテクスチャ画像の(tx(i),ty(i))の位置におく。ここで、当該ポインタのx座標tx(i)、及びy座標ty(i)は、例えば、RNDを[0,1]の範囲の値を発生する乱数を用いて、
tx(i)=RND×gw
ty(i)=RND×gh
と定める(ステップS3)。
【0024】
そして、次に、tx(i)+w(i)>gwまたはty(i)+h(i)>ghの何れかが成り立つかどうか判断する(ステップS4)。ここで、w(i)及びh(i)は、それぞれ、現在絵柄を貼り込む対象となっているi番目、ここでは1番目の四角形のブロックの幅及び長さである。従って、ステップS4では、ポインタの位置を左上の頂点として、当該四角形のブロックの領域が、テクスチャ画像からはみ出すかどうかを判断していることになる。
【0025】
画像処理装置2は、ステップS4の判断で、貼り込み絵柄として抽出した領域がテクスチャ画像からはみ出すと判断した場合には、ステップS3に戻ってポインタの位置を定め直し、ステップS4の判断を行う。
【0026】
しかし、ステップS4の判断で貼り込み絵柄として抽出した領域がテクスチャ画像からはみ出さないと判断される場合には、当該ポインタの位置を左上の頂点として当該四角形のブロックのサイズの矩形領域の絵柄を抽出コピーして、当該i番目の四角形のブロックに対する貼り込み絵柄として登録する。そして次に、iの値をi=i+1と1だけインクリメントして(ステップS5)、このインクリメントされたiの値がブロック個数numより大きいか否かを判断する(ステップS6)。
【0027】
ステップS6の判断でiの値がnum以下である場合には、画像処理装置2はステップS3に戻ってi+1番目の四角形のブロックについての貼り込み絵柄を抽出する処理を行う。しかし、ステップS6でiの値がnumを越える場合には、画像処理装置2は処理を終了する。そして、画像処理装置2は、以上のようにして全ての四角形のブロックに対する貼り込み絵柄を抽出すると、それらの抽出した貼り込み絵柄を記憶し、各四角形のブロックに対して対応する貼り込み絵柄を貼り込み、合成してモニタ5に表示する。
【0028】
これによって、作業者は、モニタ5の画面を観察することによって、どのような画像が得られたかを観察することができる。そして、修正の必要がなければ入力装置1から登録を指示する。この登録の指示がなされると、画像処理装置2は、当該ブロックパターンのパターンデータと、各貼り込み絵柄のデータとを対応させて、ハードディスクやフロッピーディスク等の所定の記憶装置(図1には図示せず)に登録する。
【0029】
なお、以上は1つのテクスチャ画像が指定された場合の動作であるが、複数のテクスチャ画像を指定した場合には、各四角形のブロックに対する貼り込み絵柄を抽出するに際しては、まず、乱数等によってどのテクスチャ画像から抽出するかを選択し、次にその選択されたテクスチャ画像に対して上述した処理を行えばよい。
【0030】
以上、自動で貼り付ける場合の動作について説明したが、次に、手動で絵柄を貼り付ける場合について説明する。
この場合には、作業者は、入力装置1から、絵柄の手動貼り付けのメニューを選択する。この手動貼り付けが選択されると、画像処理装置2は、モニタ5の表示画面を2分割して、一方の表示領域に作成したブロックパターンを表示する。
【0031】
次に、作業者は絵柄の貼り付けに用いるテクスチャの画像ファイルを指定する。これによって、画像処理装置2は指定されたテクスチャ画像を分割された他方の表示領域に表示する。その場合の表示の例を図5に示す。図5ではモニタ5の表示画面はA,Bに2分割され、左側の表示領域Aには作成されたブロックパターンが表示されている。図5では右側の表示領域Bには何も記載されていないが、実際には指定されたテクスチャ画像が表示される。
【0032】
この状態で、作業者は絵柄を貼り込む四角形のブロックを入力装置1で指示する。これは入力装置1のマウスを用いて絵柄を貼り込む四角形のブロックの内部をクリックすることによって行う。これによって画像処理装置2は、クリックされた位置を取り囲む四角形のブロックを認識して、当該四角形のブロックの形状をテクスチャ画像の表示領域内に表示する。例えば、図5の状態において、左側の表示領域に表示されているブロックパターンの左上端の四角形のブロックの内部をクリックしたとすると、当該四角形のブロックの形状が図6に示すように表示領域Bに表示される。
【0033】
そして、この状態では、画像処理装置2は、マウスが操作されると、その操作に応じた量だけ表示領域Bの四角形のブロックの表示位置を移動させる。従って、作業者はマウスを操作して、表示領域Bの四角形のブロックを所望の位置に移動させ、貼り込み実行を指示すればよい。これによって、当該四角形のブロックに対して貼り込む絵柄を任意に選択することができる。なお、貼り込み実行の指示は、例えばマウスをクリックすることによって行うようにすればよい。
【0034】
そして、貼り込み実行が指示されると、画像処理装置2は、貼り込み実行が指示された時点における四角形のブロック内の絵柄を抽出コピーして、当該四角形のブロックに対する貼り込み絵柄として登録する。
【0035】
以上の操作を、全ての四角形のブロックに対して行うことによって、手動により貼り込み絵柄を選択することができる。
【0036】
以上、自動による絵柄の貼り付け、手動による絵柄の貼り付けを説明したが、自動による絵柄の貼り付けと、手動による絵柄の貼り付けとを併用することも可能である。例えば、最初に自動による絵柄の貼り付けを行った後、貼り付け絵柄の修正を行いたい四角形のブロックについて手動によって絵柄の貼り付けを行うことが可能である。
【0037】
[六角形のブロックを配置したブロックパターン]
以上、四角形のブロックが配列されたブロックパターンを作成し、そのブロックパターンの一つ一つの閉領域に所望のテクスチャの絵柄を貼り込む場合の動作について説明したが、次に、六角形のブロックが配列されたブロックパターンを作成し、そのブロックパターンの一つ一つの閉領域に所望のテクスチャの絵柄を貼り込む場合の動作について説明する。
【0038】
この場合には、まず、作業者は入力装置1から六角形のブロックパターンの生成のメニューを選択する。そして、作成する画像の縦横のサイズ、横方向に六角形のブロックをいくつ配列するか、その配列個数、及び縦方向に六角形のブロックをいくつ配列するか、その配列個数を設定する。
【0039】
これによって、画像処理装置2は、x−yの直交座標系を定義して、作成する画像のサイズの矩形の4頂点の座標を記憶すると共に、ブロック形状記憶装置3から六角形のブロック形状を読み出し、その読み出した六角形のブロックのサイズを、設定された作成画像のサイズ内に、設定された縦方向及び横方向の個数の数だけ収まるサイズとして、隙間無く六角形のブロックを配列してブロックパターンを作成する。そして、配列された全ての六角形のブロックについて、その頂点の座標値を求めて記憶する。このとき、頂点の座標値を定めるについては、例えば当該作成する画像の矩形の左上の頂点を原点とすればよい。
【0040】
そして、画像処理装置2は、作成したブロックパターンをモニタ5に表示する。例えば、作成する画像のサイズが図7(a)に示すようであり、縦方向の配列個数及び横方向の配列個数が共に3個であるとすると、ブロックパターンは図7(b)に示すようになる。なお、矩形を六角形で埋め尽くすことはできず、図7(b)のイ、ロで示すような六角形でない閉領域が生じるが、この場合には、画像処理装置2は、このようなものについても一つの閉領域として認識し、その頂点の座標値を求める。従って、画像処理装置2は、図7(b)のイで示す閉領域については三角形の閉領域として認識し、その3つの頂点の座標値を求め、図7(b)のロで示す閉領域については四角形の閉領域として認識し、その4つの頂点の座標値を求める。
【0041】
従って、この場合には、ブロックパターンのパターンデータは、作成する画像の4頂点の座標値、及び、全ての閉領域の個数、及びそれら各閉領域の頂点の座標値となる。そして、画像処理装置2は、このパターンデータを記憶する。
【0042】
以上のようにして、ブロックパターンが作成されるが、この画像作成装置では、所望の頂点の位置を修正することが可能となされている。
【0043】
画像処理装置2は、モニタ5に表示されているブロックパターンにおいて、一つの頂点が指示され、移動された場合には、当該頂点を有する全ての閉領域を求め、それらの閉領域の当該頂点の座標値を、移動後の位置に変更する処理を行う。この所望の頂点の指示及び移動は、マウスにより所望の頂点をドラッグして、マウスを操作して所望の位置に移動させることにより行う。例えば、いまモニタ5に図8に示すようなブロックパターンが表示されているとき、図のAで示す頂点がドラッグされ、図のBで示す位置まで移動されたとすると、画像処理装置2は、当該指示された頂点の座標値を検知すると共に、当該頂点を有する閉領域を求める。この場合には、画像処理装置2は、図8のAで示す頂点は、図の▲1▼、▲2▼、▲3▼で示す閉領域で共有していることを検知する。そして、画像処理装置2は移動後の位置であるBの座標値を検知し、図の▲1▼、▲2▼、▲3▼の各閉領域のAの頂点の座標値をBの座標値に変更する。これによって、ブロックパターンは図9に示すように修正される。
【0044】
以上の操作を所望の頂点に対して行うことによって、手動によりブロックパターンを修正することができる。ブロックパターンの修正に伴ってパターンデータも変更されることは当然である。
【0045】
以上のようにして、所望のブロックパターンが作成されたら、次にこのブロックパターンの一つ一つの閉領域に対してテクスチャの絵柄を貼り付けるが、このテクスチャの絵柄の貼り付け方法は上述したと同様であるので、説明は省略する。ただ、自動により絵柄の貼り付けを行う場合、図4のステップS4においては、絵柄を貼り付けようとしている閉領域の領域がテクスチャ画像からはみ出すか否かを判断するようにする。
【0046】
[インレイのブロックを配置したブロックパターン]
以上、六角形のブロックが配列されたブロックパターンを作成し、そのブロックパターンの一つ一つの閉領域に所望のテクスチャの絵柄を貼り込む場合の動作について説明したが、次に、インレイのブロックが配列されたブロックパターンを作成し、そのブロックパターンの一つ一つの閉領域に所望のテクスチャの絵柄を貼り込む場合の動作について説明する。
【0047】
この場合には、まず、作業者は入力装置1からインレイのブロックパターンの生成のメニューを選択する。そして、2種類のインレイの何れを使用するか、そのパターンの指定、作成する画像の縦横のサイズ、インレイのブロックを縦方向、及び横方向にそれぞれいくつ配列するか、その配列個数、及び隙間の幅を設定する。また、図2(b)に示すインレイを指定した場合には、ブロック幅Hの値を設定する。
【0048】
ここで、隙間の幅については次のようである。インレイのブロックを配列する場合には、インレイのブロックを隙間無く配列するのではなく、図10に示すように隣接するインレイのブロック間に隙間δ1 を設けるのが通常であるので、この隙間δ1 の幅を設定するのである。また、例えば、図10に示すようなブロックパターンの一つ一つの閉領域に絵柄を貼り付けた画像を印刷するについては、図11に示すように、当該画像を縦横に何回か隙間無くコピーして大版の画像を作成して刷版を作成するのであるが、そのように作成した画像を縦横に隙間無くコピーしたときに隣接するインレイのブロック間に隙間ができて、インレイのブロックが綺麗に配列するように、図10に示すようにブロックパターンの左端または右端の何れか一方の端部、及び上端または下端の何れか一方の端部にそれぞれ隙間δ2 を設ける必要がある。上述したところからδ1 =δ2 とする。以上のことから、隙間δ1 (=δ2 )の幅を設定するのである。なお、図10では作成する画像の右端と下端に隙間δ2 が設けられているが、隙間δ2 は、左端と下端に設けてもよく、右端と上端に設けてもよく、左端と上端に設けてもよいものであるが、ここでは図10に示すように、隙間δ2 は作成する画像の右端と下端に設けるように定められているものとする。また、図11は、図10に示すブロックパターンの一つ一つの閉領域に絵柄を貼り付けた画像を縦方向及び横方向にそれぞれ2回ずつ隙間無くコピーした状態を示している。
【0049】
さて、ここでは図2(b)に示すインレイを用いるものとし、ブロック幅Hの値を設定し、縦方向及び横方向の配列個数を共に2個としたとすると、画像処理装置2は、x−yの直交座標系を定義して、作成する画像のサイズの矩形の4頂点の座標を記憶すると共に、ブロック形状記憶装置3から指定されたインレイのブロック形状を読み出し、その読み出したインレイのブロックのサイズを、設定された作成画像のサイズ内に、設定された縦方向及び横方向の配列個数だけ収まるサイズとして、インレイのブロックを配列してブロックパターンを作成する。このとき、画像処理装置2は、各インレイのブロックのブロック幅Hは設定された値とし、隣接するインレイのブロックの間、及び作成する画像の右端と下端には設定された値だけの隙間を設けることは当然である。
【0050】
そして、画像処理装置2は、配列した全てのインレイのブロックの一つ一つの閉領域について、その頂点の座標値を求めて記憶する。従って、一つのインレイのブロックについて着目すると、図12の▲1▼〜▲5▼の5つの閉領域について、それぞれ頂点の座標値が記憶されることになる。なお、この場合には、座標値を記憶する頂点は、実際の頂点だけではなく、隣接する閉領域の頂点と接している位置の座標値をも頂点として記憶する。従って、図12の▲1▼で示す閉領域については、図の黒丸「●」で示す頂点の座標値だけではなく、図の黒四角「■」で示す位置の座標値も頂点の座標値として記憶されることになる。図の黒四角「■」で示す位置は、隣接する閉領域▲2▼の右上の頂点と接する位置である。つまり、図の▲1▼で示す閉領域は見た目には四角形であるが、画像処理装置2は五角形として認識しているのである。図12の▲2▼〜▲4▼で示す閉領域についても同様である。頂点の座標値を定めるについては、例えば当該作成する画像の矩形の左上の頂点を原点とすればよい。
【0051】
従って、この場合には、ブロックパターンのパターンデータは、作成する画像の4頂点の座標値、及び、閉領域の個数、及びそれら各閉領域の頂点の座標値となる。そして、画像処理装置2は、このパターンデータを記憶する。
【0052】
そして、画像処理装置2は、作成したブロックパターンをモニタ5に表示する。従って、この場合には図10に示すようなブロックパターンが表示されることになる。
【0053】
以上のようにして、インレイのブロックが整然と配列されたブロックパターンが作成されるが、この画像作成装置では、所望の頂点の位置を修正することが可能となされている。
【0054】
画像処理装置2は、モニタ5に表示されているブロックパターンにおいて、一つの頂点が指示され、移動された場合には、当該頂点を有する全ての閉領域を求め、それらの閉領域の当該頂点の座標値を、移動後の位置に変更する処理を行う。この所望の頂点の指示及び移動は、マウスにより所望の頂点をドラッグして、マウスを操作して所望の位置に移動させることにより行う。例えば、いまモニタ5に図13に示すようなブロックパターンが表示されているとき、図のAで示す頂点がドラッグされ、図のBで示す位置まで移動されたとすると、画像処理装置2は、当該頂点の座標値を検知すると共に、当該頂点を有する閉領域を求める。この場合には、画像処理装置2は、図13のAで示す頂点は、図のイ、ロ、ハで示す閉領域で共有していることを検知する。そして、画像処理装置2は移動後の位置であるBの座標値を検知し、図のイ、ロ、ハの各閉領域のAの頂点の座標値をBの座標値に変更する。これによって、ブロックパターンは図14に示すように修正される。
【0055】
以上の操作を所望の頂点に対して行うことによって、手動によりブロックパターンを修正することができる。ブロックパターンの修正に伴ってパターンデータも変更されることは当然である。
【0056】
以上のようにして、所望のブロックパターンが作成されたら、次にこのブロックパターンの一つ一つの閉領域に対してテクスチャの絵柄を貼り付けるが、このテクスチャの絵柄の貼り付け方法は上述したと同様であるので、説明は省略する。ただ、自動により絵柄の貼り付けを行う場合、図4のステップS4においては、絵柄を貼り付けようとしている閉領域の大きさがテクスチャ画像からはみ出すか否かを判断するようにする。
【0057】
なお、以上の説明では、図2(b)に示すインレイを用いるものとしたが、図2(c)に示すインレイを用いる場合にも同様である。
【0058】
[ヘリンボーンのブロックを配置したブロックパターン]
以上、インレイのブロックが配列されたブロックパターンを作成し、そのブロックパターンの一つ一つの閉領域に所望のテクスチャの絵柄を貼り込む場合の動作について説明したが、次に、ヘリンボーンのブロックが配列されたブロックパターンを作成し、そのブロックパターンの一つ一つの閉領域に所望のテクスチャの絵柄を貼り込む場合の動作について説明する。
【0059】
この場合には、まず、作業者は入力装置1からヘリンボーンのブロックパターンの生成のメニューを選択する。そして、作成する画像の縦横のサイズ、ヘリンボーンのブロックを縦方向、及び横方向にそれぞれいくつ配列するか、その配列個数、及び図2(d)に示す矢羽根長Lを入力して指定する。
【0060】
これによって、画像処理装置2は、x−yの直交座標系を定義して、作成する画像のサイズの矩形の4頂点の座標を記憶すると共に、ブロック形状記憶装置3からヘリンボーンのブロック形状を読み出し、その読み出したヘリンボーンのブロックのサイズを、設定された作成画像のサイズ内に、設定された縦方向及び横方向の個数の数だけ収まるサイズとして、ヘリンボーンのブロックを配列してブロックパターンを作成する。このとき、画像処理装置2は、各ヘリンボーンの矢羽根長Lは設定された値とすることは当然である。
【0061】
ブロックパターンを作成するに際しての画像処理装置2の動作の例をより具体的に説明すると次のようである。例えば、まず、ヘリンボーンのブロックを縦方向に1列だけ指定された配列個数配列し、次に、その1列のヘリンボーンのブロックの配列を横方向にミラー反転してコピーする処理を、横方向の配列個数が指定された配列個数になるように繰り返す。例えば、いま、作成する画像のサイズが図15(a)のイで示すようであり、縦方向及び横方向の配列個数が共に4個であるとすると、上記の処理により図15(b)に示すようなパターンが作成される。しかし、このとき、図15(b)のロで示すように作成する画像のサイズからはみ出る部分が生じる。そこで、画像処理装置2は、この作成画像のサイズからはみ出た部分を切り出し、上側に平行移動させて、作成する画像の上部に組み込む処理を行う。図15(b)中の矢印はこのことを示している。この処理によって、図15(c)に示すブロックパターンが作成される。
【0062】
そして、画像処理装置2は、作成したブロックパターン内の全ての閉領域について、その頂点の座標値を求めて記憶する。従って、画像処理装置2は、例えば図15(c)のハで示す閉領域については三角形の閉領域として認識し、その3つの頂点の座標値を求め、図15(c)のニで示す閉領域についても三角形の閉領域として認識し、その3つの頂点の座標値を求める。
【0063】
従って、この場合には、ブロックパターンのパターンデータは、作成する画像の4頂点の座標値、及び、全ての閉領域の個数、及びそれら各閉領域の頂点の座標値となる。そして、画像処理装置2は、このパターンデータを記憶する。なお、頂点の座標値を定めるについては、例えば当該作成する画像の矩形の左上の頂点を原点とすればよい。
【0064】
そして、画像処理装置2は、作成したブロックパターンをモニタ5に表示する。上記の例では図15(c)に示すブロックパターンが表示されることになる。
【0065】
以上のようにして、ヘリンボーンのブロックを用いたブロックパターンが作成されるが、この画像作成装置では、所望の頂点の位置を修正することが可能となされている。
【0066】
画像処理装置2は、モニタ5に表示されているブロックパターンにおいて、一つの頂点が指示され、移動された場合には、当該頂点を有する全ての閉領域を求め、それらの閉領域の当該頂点の座標値を、移動後の位置に変更する処理を行う。この所望の頂点の指示及び移動は、マウスにより所望の頂点をドラッグして、マウスを操作して所望の位置に移動させることにより行う。例えば、いまモニタ5に図16(a)に示すようなブロックパターンが表示されているとき、図のAで示す頂点がドラッグされ、図のBで示す位置まで移動されたとすると、画像処理装置2は、当該頂点の座標値を検知すると共に、当該頂点を有する閉領域を求める。この場合には、画像処理装置2は、図16(a)のAで示す頂点は、図の▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼で示す4つの閉領域で共有していることを検知する。そして、画像処理装置2は移動後の位置であるBの座標値を検知し、図の▲1▼〜▲4▼の各閉領域のAの頂点の座標値をBの座標値に変更する。これによって、ブロックパターンは図16(b)に示すように修正される。
【0067】
以上の操作を所望の頂点に対して行うことによって、手動によりブロックパターンを修正することができる。ブロックパターンの修正に伴ってパターンデータも変更されることは当然である。
【0068】
以上のようにして、所望のブロックパターンが作成されたら、次にこのブロックパターンの一つ一つの閉領域に対してテクスチャの絵柄を貼り付けるが、このテクスチャの絵柄の貼り付け方法は上述したと同様であるので、説明は省略する。ただ、自動により絵柄の貼り付けを行う場合、図4のステップS4においては、絵柄を貼り付けようとしている閉領域の大きさがテクスチャ画像からはみ出すか否かを判断するようにする。
【0069】
以上のようであるので、この画像作成方法及び画像作成装置によれば、所望の形状の多角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成、そのブロックパターンの各閉領域に対するテクスチャ画像の絵柄の貼り込みを自動的に行うことができるので、オペレータの負担を従来に比較して大幅に軽減することができる。
また、ブロックパターンの各閉領域の形状の修正、閉領域に貼り込む絵柄の変更も容易に行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像作成装置の一実施形態を示す図である。
【図2】 図1のブロック形状記憶装置3に記憶されている、ブロックパターンを作成する場合に用いるブロックの基本的な形状の例を示す図である。
【図3】 四角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成のための処理を説明するための図である。
【図4】 ブロックパターンの一つ一つの閉領域に貼り込む絵柄をテクスチャ画像から自動的に抽出する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 ブロックパターンの一つ一つの閉領域に貼り込む絵柄をテクスチャ画像から手動で抽出する場合の処理を説明するための図である。
【図6】 ブロックパターンの一つ一つの閉領域に貼り込む絵柄をテクスチャ画像から手動で抽出する場合の処理を説明するための図である。
【図7】 六角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成を説明するための図である。
【図8】 六角形のブロックが配列されたブロックパターンの頂点の位置の修正を説明するための図である。
【図9】 六角形のブロックが配列されたブロックパターンの頂点の位置の修正を説明するための図である。
【図10】 インレイのブロックが配列されたブロックパターンの例を示すと共に、隙間δ1 を設けることの意味を説明するための図である。
【図11】 インレイのブロックが配列されたブロックパターンにおいて、隙間δ2 を設けることの意味を説明するための図である。
【図12】 インレイのブロックの一つ一つの閉領域における頂点について説明するための図である。
【図13】 インレイのブロックが配列されたブロックパターンの頂点の位置の修正を説明するための図である。
【図14】 インレイのブロックが配列されたブロックパターンの頂点の位置の修正を説明するための図である。
【図15】 ヘリンボーンのブロックが配列されたブロックパターンを作成する場合の処理の例を説明するための図である。
【図16】 ヘリンボーンのブロックが配列されたブロックパターンの頂点の位置の修正を説明するための図である。
【図17】 木目柄等の適宜な絵柄を四角形のブロックとして切り出して、タイル状に貼り付けた画像の例を示す図である。
【図18】 多角形のブロックのパターンを多数配列したパターンの例を示す図である。
【符号の説明】
1…入力装置、2…画像処理装置、3…ブロック形状記憶装置、4…テクスチャ画像記憶装置、5…モニタ。
Claims (8)
- 入力装置と、モニタと、画像処理装置とを用いる画像作成方法であって、
入力装置から四角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズが設定された場合において、
画像処理装置により、
x−yの直交座標系を定義して、前記設定されたサイズの矩形の4頂点の座標値を定めて該4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、当該サイズに応じた矩形をモニタに表示する第1の工程と、
前記第1の工程において前記設定されたサイズに応じた矩形がモニタに表示されている状態において、入力装置から所定のx軸上の座標値が設定されたとき、画像処理装置により、当該設定されたx軸上の座標の位置からy方向に直線を描画して、ストライプ状のパターンを作成してモニタに表示する第2の工程と、
前記第2の工程においてストライプ状のパターンがモニタに表示されている状態において、入力装置から一つ一つの四角形のブロックの左下の頂点の座標値が設定されたとき、画像処理装置により、当該設定された座標の位置からx方向に、隣接するストライプ状のy軸に平行な線までの直線を描画してブロックパターンを作成してモニタに表示すると共に、当該ブロックパターン中の四角形のブロックの個数及びそれら全ての四角形のブロックの4頂点座標値を記憶する第3の工程と、
前記第3の工程で作成したブロックパターンの一つ一つの四角形のブロックに対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第4の工程と
を備えることを特徴とする画像作成方法。 - 入力装置と、モニタと、画像処理装置とを備える画像作成装置であって、
画像処理装置は、
入力装置から四角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成の指示、作成する画像の縦横のサイズの設定された場合においては、x−yの直交座標系を定義して、前記設定されたサイズの矩形の4頂点の座標値を定めて該4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、当該サイズに応じた矩形をモニタに表示する第1の処理を行い、
当該第1の処理によって前記設定されたサイズに応じた矩形がモニタに表示されている状態において、入力装置から所定のx軸上の座標値が設定されたときには、当該設定されたx軸上の座標の位置からy方向に直線を描画して、ストライプ状のパターンを作成してモニタに表示する第2の処理を行い、
更に、
前記第2の処理においてストライプ状のパターンがモニタに表示されている状態において、入力装置から一つ一つの四角形のブロックの左下の頂点の座標値が設定されたときには、当該設定された座標の位置からx方向に、隣接するストライプ状のy軸に平行な線までの直線を描画してブロックパターンを作成してモニタに表示すると共に、当該ブロックパターン中の四角形のブロックの個数及びそれら全ての四角形のブロックの4頂点座標値を記憶する第3の処理、
及び
前記第3の処理で作成したブロックパターンの一つ一つの四角形のブロックに対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第4の処理を行う
ことを特徴とする画像作成装置。 - 入力装置と、モニタと、画像処理装置とを用いる画像作成方法であって、
入力装置から六角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向への六角形のブロックの配列個数が設定された場合において、
画像処理装置により、
x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、六角形のブロックのサイズを、前記設定された作成画像のサイズ内に設定された横方向及び縦方向の個数の数だけ収まるサイズとして隙間無く六角形のブロックを配列してブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、当該ブロックパターン中の全ての閉領域の個数及びそれら各閉領域の頂点の座標値をパターンデータとして記憶する第1の工程と、
前記第1の工程で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の工程と
を備えることを特徴とする画像作成方法。 - 入力装置と、モニタと、画像処理装置とを備える画像作成装置であって、
画像処理装置は、
入力装置から六角形のブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向への六角形のブロックの配列個数が設定された場合には、x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、六角形のブロックのサイズを、前記設定された作成画像のサイズ内に設定された横方向及び縦方向の個数の数だけ収まるサイズとして隙間無く六角形のブロックを配列してブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、作成された画像中の全ての閉領域の個数及びそれら各閉領域の頂点の座標値をパターンデータとして記憶する第1の処理、
及び
前記第1の処理で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の処理を行う
ことを特徴とする画像作成装置。 - 入力装置と、モニタと、画像処理装置とを用いる画像作成方法であって、
入力装置からインレイのブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向へのインレイのブロックの配列個数及び隙間の幅、使用するインレイのパターンの指定、使用するインレイのパターンによってはブロック幅が設定された場合において、
画像処理装置により、
x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、指定されたインレイのブロックのサイズを、前記設定された作成画像のサイズ内に、横方向及び縦方向に、隣接するインレイのブロック間に前記設定された隙間の幅を設けて設定された個数の数だけ配列し、且つ最後に横方向及び縦方向の端部に前記設定された隙間の幅が設けられるサイズとして配列してブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、該ブロックパターン中に配列された全てのインレイのブロックの一つ一つの閉領域の個数、それら一つ一つの閉領域の頂点の座標値、及び隣接する閉領域の頂点と接している位置の座標値をパターンデータとして記憶する第1の工程と、
前記第1の工程で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の工程と
を備えることを特徴とする画像作成方法。 - 入力装置と、モニタと、画像処理装置とを備える画像作成装置であって、
画像処理装置は、
入力装置からインレイのブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向へのインレイのブロックの配列個数及び隙間の幅、使用するインレイのパターンの指定、使用するインレイのパターンによってはブロック幅が設定された場合には、x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、指定されたインレイのブロックのサイズを、前記設定された作成画像のサイズ内に、横方向及び縦方向に、隣接するインレイのブロック間に前記設定された隙間の幅を設けて設定された個数の数だけ配列し、且つ最後に横方向及び縦方向の端部に前記設定された隙間の幅が設けられるサイズとして配列してブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、該ブロックパターン中に配列された全てのインレイのブロックの一つ一つの閉領域の個数、それら一つ一つの閉領域の頂点の座標値、及び隣接する閉領域の頂点と接している位置の座標値をパターンデータとして記憶する第1の処理、
及び
前記第1の処理で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の処理を行う
ことを特徴とする画像作成装置。 - 入力装置と、モニタと、画像処理装置とを用いる画像作成方法であって、
入力装置からヘリンボーンのブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向へのヘリンボーンのブロックの配列個数及び矢羽根長が設定された場合において、
画像処理装置により、
x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、前記設定された長さの矢羽根長を有するヘリンボーンのブロックのサイズを、前記設定された作成する画像のサイズ内に、縦方向に1列だけ前記設定された配列個数だけ収まるサイズとして配列し、次に、その1列のヘリンボーンのブロックの配列を横方向にミラー反転してコピーする処理を、横方向の配列個数が前記設定された配列個数になるように繰り返し、そのとき作成する画像のサイズから下側にはみ出た部分を切り出し、上側に平行移動して作成する画像の上部に組み込んでブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、該ブロックパターン中に作成された閉領域の個数、及びそれら各閉領域の頂点の座標値をパターンデータとして記憶する第1の工程と、
前記第1の工程で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の工程と
を備えることを特徴とする画像作成方法。 - 入力装置と、モニタと、画像処理装置とを備える画像作成装置であって、
画像処理装置は、
入力装置からヘリンボーンのブロックが配列されたブロックパターンの作成が指示されると共に、作成する画像の縦横のサイズ、横方向及び縦方向へのヘリンボーンのブロックの配列個数及び矢羽根長が設定された場合には、x−yの直交座標系を定義して、前記設定された作成する画像の4頂点の座標値をパターンデータとして記憶すると共に、前記設定された長さの矢羽根長を有するヘリンボーンのブロックのサイズを、前記設定された作成する画像のサイズ内に、縦方向に1列だけ前記設定された配列個数だけ収まるサイズとして配列し、次に、その1列のヘリンボーンのブロックの配列を横方向にミラー反転してコピーする処理を、横方向の配列個数が前記設定された配列個数になるように繰り返し、そのとき作成する画像のサイズから下側にはみ出た部分を切り出し、上側に平行移動して作成する画像の上部に組み込んでブロックパターンを作成してモニタに表示し、更に、該ブロックパターン中に作成された閉領域の個数、及びそれら各閉領域の頂点の座標値をパターンデータとして記憶する第1の処理、
及び
前記第1の処理で作成したブロックパターンの一つ一つの閉領域に対して所望のテクスチャの絵柄を貼り付ける第2の処理を行う
ことを特徴とする画像作成装置。
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