JP4277298B2 - 廃発泡スチロールの破砕装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃発泡スチロールを減容化するために、その前段階として廃発泡スチロールを破砕する破砕装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の廃発泡スチロールの破砕装置は、回転軸の回りに多数の刃を植設して回転駆動させる回転刃と、回転する刃間に固定的な刃を配置した固定刃とを有し、それらの間に廃発泡スチロールを投入しそれを破砕していた。
あるいは、一対の互いに逆向きにに回転する回転刃間に廃発泡スチロールを供給し、それを破砕する装置が知られていた。そしてその回転刃の下方には比較的細かい金網が円弧状に形成され、その金網の目から通過する破砕体のみを破砕装置から取り出していた。そしてその網目を通過しない粗破砕体は、再度、一対の回転刃等に供給して破砕し、その金網の網目を通過する程度まで粗破砕体が破砕されるように循環させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転刃を用いる破砕装置は、廃発泡スチロールを一定の大きさ以下に破砕するのに長時間を要する欠点があった。
そこで本発明は、廃発泡スチロールを迅速に細かく破砕することができる新たな破砕装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、粗く破砕された廃発泡スチロールの粗破砕体を周方向に回転しながら軸方向に搬送する螺旋羽根(1)を有する搬送装置(2)と、
その搬送装置(2)の先端の開口に取付られた剛性のある網状体(3)と、
を具備し、
その網状体(3)の網目(3a)が、菱形に形成された金属板のエクスパンション型金網よりなり、その各網目が捩じられて、その縁が斜めに形成され、それ自体が刃部を構成するものからなり、
前記搬送装置(2)により粗破砕体を前記網状体(3)に押圧すると共に、周方向に回転させて、その網状体(3)の網目(3a)の縁で粗破砕体を細かく破砕してその網目(3a)から流出させるように形成した廃発泡スチロールの破砕装置である。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
前記搬送装置(2)の上流側に、廃発泡スチロールの粗破砕装置(4)が設けられ、
その粗破砕装置(4)は、回転軸(5)の回りに多数の破砕板(6)が軸方向および周方向に互い離間して放射状に取付られ、その破砕板(6)の平面が回転軸(5)の軸線に対して同一方向に斜めに取付られ、その斜面により粗破砕体を前記螺旋羽根(1)側に移動するように前記回転軸(5)の回転方向が決定される廃発泡スチロールの破砕装置である。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、請求項2において、
粗破砕装置(4)の回転軸(5)と前記搬送装置(2)の回転軸(7)とが一体に形成された廃発泡スチロールの破砕装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の廃発泡スチロールの破砕装置の実施の形態につき説明する。
図1は本発明の廃発泡スチロールの破砕装置の一部破断正面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は同破砕装置の平面図、図4はその粗破砕装置4に用いられる破砕板6の平面図及び正面図である。また、図5は図3のV−V矢視図、図6は図5の説明的斜視略図、図7は図3の VII− VII矢視断面図である。
【0009】
この例の装置は、粗破砕装置4と搬送装置2と網状体3及び回収容器12を有する。粗破砕装置4はケーシング4aの底部に回転軸5が配置され、その回転軸5の外周に多数の破砕板6が植設固定されている。ケーシング4aの下部は、図7に示す如く断面円弧状に形成され、その内面が破砕板6の回転軌跡の先端に近接する回転面の一部を構成する。さらに、ケーシング4aの下部には、多数の固定刃14が並列されている。各固定刃14は、軸方向に隣合う各破砕板6に隣接して位置されている。
【0010】
回転軸5は、この例では図6に示す如く断面正方形の棒状に形成され、その各面に破砕板6がフランジ部6bを介して固定されている。この破砕板6は、その平面が回転軸5の軸線に対して、その回りに同一方向の斜めに全て取付けられている。このようにすることにより、回転軸5を矢印の回転方向13のように回転するとき、粗破砕された廃発泡スチロールは回転軸5の回転に伴って、破砕板6の右端側から左端側に移動され、矢印の搬送方向11の方向に搬送される。これは、多数の破砕板6の夫々があたかも螺旋羽根の一部を構成するように配置されている場合の搬送と同等の搬送作用による。なお、破砕板6の回転方向先端側には刃部6aが形成されている。
【0011】
回転軸5の後端には図1及び図3に示す如くスプロケット8が固定され、それとモータ9のスプロケット8との間にチエーン10が巻回されている。また、粗破砕装置4の回転軸5の先端には、搬送装置2の回転軸7の後端が一体に固定されている。
【0012】
搬送装置2の回転軸7の外周には、螺旋羽根1が設けられている。そして回転軸5と共に回転する回転軸7によって粗破砕された廃発泡スチロールは図1において左方に移動し、それが網状体3に押さえつけられながら回転させられる。するとそれが、網状体3の網目3aの縁によって、米粒大に細かく破砕され、その網目3aから回収容器12内に流出する。
この網状体3は、金属板のエクスパンション型金網から形成されている。即ち、金属板に多数のスリットを間欠的に互いに平行に形成し、その金属板を長手方向に引っ張ることにより図2に示す網状体3を形成する。そしてこの網状体3の網目3aが捩じられて、その縁が斜めに形成され、それ自体が刃部を構成する。
【0013】
廃発泡スチロールの粗破砕体は、網状体3によりさらに細かく破砕されて回収容器12に収納される。その回収物は、前記の如く廃発泡スチロールを米粒プコーンの大きさ及び形状にすることができる。なお、網状体3の網目の大きさを適宜変えることにより、廃発泡スチロールの破砕の大きさを変えることができる。
このように細かく破砕された廃発泡スチロールは、減容化のため図示しない減容液と攪拌されて柔らかい餅状に形成されたり、或いは押し固めて圧縮され、おこし状に固めて減容化した一次処理物とすることができる。さらには、その一次処理物を熱分解装置によって分解し、気化させた後に凝縮して燃料油等を生成することも可能である。
【0014】
【発明の作用・効果】
本発明の廃発泡スチロールの破砕装置は、搬送装置2により粗破砕体を網状体3に押圧すると共に周方向に回転させて、網状体3の網目3aの縁で粗破砕体を細かく破砕して網目3aから流出させるように形成したから、廃発泡スチロールを一定の大きさ以下に、迅速且つ確実に破砕することができる。しかも、構造が簡単で破砕効果の高いものとなる。
【0015】
さらに、その網状体3の網目3aが、菱形に形成された金属板のエクスパンション型金網よりなり、その各網目が捩じられて、その縁が斜めに形成され、それ自体が刃部を構成するものを用いたので、さらに効率の良い破砕装置となり得る。
上記構成において、搬送装置2の上流側に粗破砕装置4を設け、その回転軸5の回りに多数の破砕板6を設けることができる。そしてその破砕板6の平面を回転軸5の軸線の回りに、その軸線に対して同一方向に斜めに取付け、その斜面により粗破砕体を螺旋羽根1側に移動させることができる。このようにすることにより、粗破砕装置4は粗破砕と共に廃発泡スチロールの搬送を行うことができる。
【0016】
上記構成において、粗破砕装置4の回転軸5と搬送装置2の回転軸7とを一体に形成することができる。それにより、粗破砕装置4を含む破砕装置の構造を簡単にし、装置を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃発泡スチロールの破砕装置の一部破断正面図。
【図2】図1のII−II矢視断面図。
【図3】同破砕装置の平面図。
【図4】同装置の粗破砕装置4に用いられる破砕板6の平面図及び正面図。
【図5】図3のV−V矢視断面図。
【図6】図5の説明的斜視図。
【図7】図3の VII− VII矢視断面図。
【符号の説明】
1 螺旋羽根
2 搬送装置
2a 筒体
3 網状体
3a 網目
4 粗破砕装置
4a ケーシング
5 回転軸
6 破砕板
6a 刃部
6b フランジ部
7 回転軸
8 スプロケット
9 モータ
10 チエーン
11 搬送方向
12 回収容器
13 回転方向
14 固定刃
Claims (3)
- 粗く破砕された廃発泡スチロールの粗破砕体を周方向に回転しながら軸方向に搬送する螺旋羽根(1)を有する搬送装置(2)と、
その搬送装置(2)の先端の開口に取付られた剛性のある網状体(3)と、
を具備し、
その網状体(3)の網目(3a)が、菱形に形成された金属板のエクスパンション型金網よりなり、その各網目が捩じられて、その縁が斜めに形成され、それ自体が刃部を構成するものからなり、
前記搬送装置(2)により粗破砕体を前記網状体(3)に押圧すると共に、周方向に回転させて、その網状体(3)の網目(3a)の縁で粗破砕体を細かく破砕してその網目(3a)から流出させるように形成した廃発泡スチロールの破砕装置。 - 請求項1において、
前記搬送装置(2)の上流側に、廃発泡スチロールの粗破砕装置(4)が設けられ、
その粗破砕装置(4)は、回転軸(5)の回りに多数の破砕板(6)が軸方向および周方向に互い離間して放射状に取付られ、その破砕板(6)の平面が回転軸(5)の軸線に対して同一方向に斜めに取付られ、その斜面により粗破砕体を前記螺旋羽根(1)側に移動するように前記回転軸(5)の回転方向が決定される廃発泡スチロールの破砕装置。 - 請求項2において、
粗破砕装置(4)の回転軸(5)と前記搬送装置(2)の回転軸(7)とが一体に形成された廃発泡スチロールの破砕装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002307706A JP4277298B2 (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 廃発泡スチロールの破砕装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002307706A JP4277298B2 (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 廃発泡スチロールの破砕装置 |
Publications (2)
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JP2004141729A JP2004141729A (ja) | 2004-05-20 |
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JP2009045616A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-03-05 | Institute Of Technologists | 発泡スチロールの減容化装置 |
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