JP2009045616A - 発泡スチロールの減容化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小規模な破砕処理であって、使用済みの発泡スチロールを容易に粉砕できる低価格で簡易型の発泡スチロールの減容化装置の提供。
【解決手段】上部に発泡スチロール5の投入を受け入れるためのホッパー4を有する。ホッパー4の下部位置に、回転自在な軸体12を配置し、この軸体12の外周に固定された破砕部材13が、投入された発泡スチロールを、回転しながら破砕する。支持体11の端部には、円板状の部材に歯14aが形成された固定歯部材14が配置されている。この固定歯部材14と対向して、軸体12端に固定され、円板状の部材に歯17aが形成された回転歯部材17が配置されている。発泡スチロール5は、固定歯部材14と回転歯部材17との間で粉砕される。
【選択図】図2

Description

本発明は、発泡スチロールを破砕して粉砕する減容化装置に関する。更に詳しくは、使用済み発泡スチロールを機械的に破砕し、粉砕し、減容化する減容化装置に関する。
発泡スチロールは、気泡を含有している材料であり、それぞれが独立した細かな空気の部屋(独立気泡)で仕切られていることから、熱伝導率が非常に低い、水を通さない、耐衝撃性能が高いなどの特徴を備えている。また、各種形状への成形加工も容易であり、従来より、容器、緩衝材、建材・土木等の幅広い分野で、例えば、魚、野菜等を運ぶ農水産物のための容器、保温、断熱性に優れた食品用容器、家電製品等を衝撃等から守る緩衝材や包装材、外気の遮断、保温、断熱性に優れた断熱建材、道路の基礎やトンネルの屋根、養殖イカダや浮桟橋用フロート等、さまざまな用途で利用されている。これらの発泡スチロールは、気泡を含有しているので嵩張り大きな容積を占める軽量物である。
又、発泡スチロールは、使用された後、回収して再資源化するためのルートにのらないものは廃棄処分される。再資源化する場合、形態を変えずにそのままの状態で回収することは、重量は軽いが容積が大きいので運搬コスト等がかかってしまう。そのため、小さく打ち砕いたり、粉砕したり、溶剤、熱でとかしたりして減容化(容積、体積を減らす)している。減容化された発泡スチロールは、回収され、プラスチックの原料、再生発泡スチロール、燃料等に再利用することができる。
この減容化において、大量に発泡スチロールを扱う大規模小売店、市場等の大規模な消費者は、発泡スチロール専用の減容化装置を備えて、発泡スチロールを破砕し減容化している。この減容化装置については、種々の原理のものが提案され、使用されており、例えば発泡スチロール等の廃棄物を破砕、搬送、圧縮を行うスクリュー羽根と破砕アームとを設けた減容機で、ホッパーに投入された発泡スチロールを、スクリュー羽根の回転で破砕しスクリュー軸方向に圧縮搬送するものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このスクリュー羽根の端部で、圧縮筒に押し込み粒子の小さい発泡スチロールとして取り出す装置である。
又、他の例として、発泡スチロールを粉状に処理する装置で、相互に送り方向先方に行くに従って次第に近接する略V字状に対向配設された研削加工部を有する装置で、一対の研削ベルトを相互に異なる速度で走行させ、この間に発泡スチロールを送り、粉状にするものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−351235号公報 特開2003−181834号公報 特開平08−267453号公報
発泡スチロールは、気泡を含有した形態からどうしても嵩張るものである。問題は使用した後の処理にある。使用済みの空になった容器等の発泡スチロールは、重量が軽く運搬は容易であるものの、容積が大きいので保管あるいは廃棄するには広いスペースを必要としていた。特に、大量に使用される場合は、廃棄等の処理負担が大きく、その処理の扱いには多くの時間を要し、本来の業務を圧迫し能率を低下させてしまうという問題があった。また、廃棄処分するための産業廃棄物処理場の確保がだんだん困難になりつつあり、再資源化が求められている。
前述したように、この発泡スチロールを破砕処理する装置は従来から知られている。しかし、その粉砕装置は、スクリュー軸を有するもの、研削ベルトで粉砕させるもの等種々のものがあるが、いずれも大型で処理能力の大きいものであった。従って、破砕処理する装置は高価であり、設備できる使用者は市場、大型ショッピングセンターなど大規模小売店等のように、大規模で大量に破砕処理する事業者に限定されていた。この発泡スチロールは、いわゆる小規模な魚屋、八百屋等のように、店舗スペース、売り場スペースが狭い小規模小売店でも使用され、使用後は何らかの形で処理しなければならない。
小規模小売店において、使用済みの発泡スチロールの大半はそのままの形態で廃棄されたり、店先の隅のスペースに置かれたりしているような状態である。従来の破砕処理装置を置くには、その装置が大きく、高価であることから小規模小売店等小規模使用者には設置されていないのが現状である。このため小規模小売店であっても店先、店内等に置けるような簡易で、かつ低価格の装置の開発が望まれていた。言い換えると、発泡スチロールは大規模小売店、市場等から回収されるため、他のプラスチックに比べリサイクル率はよいとされているが、さらにリサイクル率を向上させるためには小規模小売店等からの回収率を向上させなくてはならない。
また、発泡スチロールを回収して再資源化するにしても、容器等をそのままの形状で回収すると、このための回収用車両はかなりの割合分空気を運搬している状態となってしまう。すなわち、回収用車両が運搬のための消費するエネルギーに比べ、回収できる発泡スチロールの量が少なく回収コストを増大させ、発泡スチロールの再資源化(リサイクル)を阻む要因の一つとなっている。
本発明は、前述したような従来の技術の問題点を解決するためになされたものであり、次の目的を達成する。
本発明の目的は、小規模小売店等小規模使用者において、使用済みの発泡スチロールの回収、再資源化を行いやすくするために、発泡スチロールの粉砕処理を容易に行うことができ、簡素、かつ、省スペースに構成された簡易型の発泡スチロールの減容化装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するため次の手段を採る。
本発明1の発泡スチロールの減容化装置は、
発泡スチロールの投入を受け入れるためのホッパーを有する基体と、前記基体に、かつ、前記ホッパーの下方側に支持され回転自在な軸体と、この軸体の外周に固定され、投入された前記発泡スチロールを回転しながら破砕する破砕部材と、前記基体に設けられ前記軸体を回転駆動する駆動装置と、前記基体に固定された円板状の部材に、前記発泡スチロールを破砕する歯が形成された固定歯部材と、前記固定歯部材の前記歯と対向して前記軸体に固定され、前記破砕部材で破砕された前記発泡スチロールを粉砕するために、円板状の部材に歯が形成された回転歯部材とからなる。
本発明2の発泡スチロールの減容化装置は、本発明1において、
前記破砕部材は、前記軸体に固定されたスパイラル状の翼であることを特徴とする。
本発明3の発泡スチロールの減容化装置は、
発泡スチロールの投入を受け入れるためのホッパーを有する基体と、前記基体に、かつ、前記ホッパーの下方側に支持され回転自在な第1軸体と、この第1軸体の外周に固定され、投入された前記発泡スチロールを回転しながら破砕するために外縁に刃部を有し回転するレバー体と、前記基体に設けられ前記第1軸体を回転駆動する第1駆動装置と、前記基体に固定された円板状の部材に、前記発泡スチロールを破砕する歯が形成された固定歯部材と、前記固定歯部材の前記歯と対向して、前記レバー体で破砕された前記発泡スチロールを粉砕するために円板状の部材に歯が形成された回転歯部材と、前記基体に回転自在に支持され、前記回転歯部材が固定された第2軸体と、前記第2軸体を回転駆動する第2駆動装置とからなる。
本発明4の発泡スチロールの減容化装置は、本発明1ないし3において、
前記固定歯部材の前記歯と前記回転歯部材の前記歯は、前記円板状の部材に半径方向に沿って設けられ、相対回転状態で相互に反対向きとなる配置で交差する形状の歯であることを特徴とする。
本発明5の発泡スチロールの減容化装置は、本発明1ないし3において、
前記回転歯部材は、前記固定歯部材との間で対向する歯相互の隙間寸法を調整可能とする調整部材により位置調整されることを特徴とする。
本発明6の発泡スチロールの減容化装置は、本発明1ないし3において、
前記固定歯部材の前記歯と前記回転歯部材の前記歯は、面板に凹凸の段差形状を有して形成されていることを特徴とする。
本発明7の発泡スチロールの減容化装置は、本発明1ないし3において、
前記固定歯部材は、前記基体に着脱自在に設けられていることを特徴とする。
本発明8の発泡スチロールの減容化装置は、本発明1ないし3において、
前記固定歯部材及び前記回転歯部材の材質は、焼成により製造されたセラミックスであることを特徴とする。
本発明9の発泡スチロールの減容化装置は、本発明1ないし3において、
前記固定歯部材及び前記回転歯部材の材質は、天然又は人工の石材であることを特徴とする。
本発明10の発泡スチロールの減容化装置は、本発明3において、
前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とは、同一駆動源であり、前記第1軸体と前記第2軸体とは連動機構を介して連結されていることを特徴とする。
以上、詳記したように、本発明の発泡スチロールの減容化装置は、小型、かつ、簡素に構成された簡易型のものとすることができ、信頼性向上、メンテナンスの容易性向上を図ることができた。また、設置スペースをとらない省スペースタイプで、発泡スチロールの廃棄処理が容易に能率よく行えるようになったため、小規模な小売り店等小規模使用者であっても低価格で設置することができ、発泡スチロールの減容化装置の普及拡大が図れる。言い換えると、小規模な小売り店等小規模使用者でも容易に減容化できるため、発泡スチロールの回収を容易にし、発泡スチロールの再資源化(リサイクル)に貢献でき、廃棄物削減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施の形態1〕
図1は、実施の形態1の発泡スチロールの減容化装置の全体を模式的に示す正面図で、図2は、発泡スチロールを破砕し粉砕する主要構造部分を示す断面図である。図1に示すように、発泡スチロールの減容化装置は、本体1がボックス形状になっていて、この内部に後述する搬送・圧縮装置等の各装置を内蔵している。この本体1には、この下部にキャスター2が取り付けられており、発泡スチロールの減容化装置(以下、減容化装置という。)を人が手動で押して移動させて、任意の場所に設置することができる。発泡スチロール5(図2参照)は、本体1の上方の正面に配置された投入部3から人手で投入される。
投入部3より大きなサイズの発泡スチロール5は、投入する人が手元で小さく砕いてから投入すればよい。本体1の投入部3には、ホッパー4が配置されている。被処理物(被破砕物)である発泡スチロール5は、ホッパー4の投入口から投入される。又、この実施の形態1では、図1に示すように、投入口の位置を本体1の正面の上方側としたが、本体1の上面を開放して投入口を有するホッパー4を配置し、真上から、ホッパー4の投入口に投入できる構成のものであってもよい。このホッパー4に投入された発泡スチロール5は、ホッパー4の内面に沿って搬送・圧縮装置6の一方の端部側に導かれる。この搬送・圧縮装置6は、スクリュー軸12の外周に固定された螺旋状の羽根であるスパイラル状の翼(以下、スパイラル翼と記載)13が設けられたものである。発泡スチロール5は、この搬送・圧縮装置6において、回転圧縮されながら所定の大きさに破砕された破砕発泡スチロール5aとなって、搬送・圧縮装置6の他方の端部側(スパイラル翼13の他方の端部側)に設けられた粉砕・圧縮装置7に導かれる。
この粉砕・圧縮装置7において、破砕発泡スチロール5aは細かく粉砕され容積が小さくなった粉砕発泡スチロール5bとなって、排出口8から排出回収される。スクリュー軸12の一方の端部である軸部12aは、本体1に軸方向の移動が規制されるとともに、支持体11に軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されている。他方の端部側は、スパイラル翼13が本体1の内壁に支持される簡易な構成となっている(図2参照)。これは扱う対象物が軽量の発泡スチロール5であることを考慮して簡素な支持構成としたものであるが、この図のような構成に限定されることはない。
搬送・圧縮装置6及び粉砕・圧縮装置7は、本体1内部に配置、固定されたモータ9によりベルト10を介して駆動される。この実施の形態1の減容化装置は、このように構成されているが、この減容化装置の特徴である粉砕・圧縮装置7を中心にさらに詳しく説明する。図2〜図7は、ホッパー4からの発泡スチロール5を破砕、粉砕し、回収するまでの一連の構造を示す図である。本体1の一部は、支持体11としてスクリュー軸12のスパイラル翼13を回転可能に支持している。即ち、支持体11の内部に形成された円筒状の内孔11aの周面で、スクリュー軸12のスパイラル翼13を回転自在に支持している。同時に、支持体11は、発泡スチロール5を粉砕・圧縮装置7に送るための移送路でもある。
又、図2に示すように、この実施の形態1では、発泡スチロール5を受け入れるホッパー4が、支持体11と一体構造になっている。即ち、ホッパー4と支持体11とが一体化された構造になっているが、ホッパー4を薄鋼板等で形成し支持体11にボルト等で取り付けて、着脱自在な構成にしたものであってもよい。この支持体11は、図示していないが本体1のフレームに固定されている。スクリュー軸12は、支持体11の下部のフレーム内に配置され、固定されたモータ9により、ベルト10を介して回転駆動される。スパイラル翼13は、支持体11に形成された円筒状の内孔11a内で、隙間を有して挿入されて配置されているので、この内孔11a内で回転自在に保持される。
スクリュー軸12は、一方の端部である軸部12aが支持体11に軸方向の移動が規制されるとともに回転可能に支持され、他方は前述のとおりスパイラル翼13が支持体11の内孔11aの内周面に、回転自在に摺動により支持された構成になっている。スパイラル翼13は、板状のものを捻って螺旋状にしたものをスクリュー軸12に溶接等で固定されたものである。スクリュー軸12の回転とともにスパイラル翼13も回転し、ホッパー4から投入された発泡スチロール5を破砕させながら、ホッパー4側(一方の側)から移動させ中間排出側(他方の側)に導く。
支持体11の排出側の端部には、フランジ形状の固定歯部材14が支持体11と一体に設けられている。この固定歯部材14は、支持体11と一体になっているが、支持体11と分離した部材であってもよい。固定歯部材14は、平坦な破砕を形成する端面(側面)を有した円板状であり、その端面に歯14aが刻設されている。この歯14aの形状は、その円板の中心から外周に向かって渦巻き形状に凹凸部が設けられたものである。その断面形状は、凹凸部が、即ち、凸部15と凹部15aが交互に波状(例えば、三角波状)になった形状を有している(図4,6参照)。
一方、スクリュー軸12の排出側の端部には、回転歯部材17が設けられている。この回転歯部材17は、固定歯部材14と同様に円板状になっていて、端面(側面)に歯17aが刻設されていて、前記固定歯部材14の歯14aと対向している。回転歯部材17の歯14aと対向する側の面は、円板の半径方向に対して鋭角な角度を有するように形成されている(図2参照)。また、回転歯部材17と固定歯部材14との間に形成されている隙間は、中心部である内側から外周側に向かって相対的に狭くなっている。又、回転歯部材17の歯17aは、固定歯部材14の歯14aと同様に、中心から外周に向かって渦巻き形状に凹凸部が設けられたもので、その断面は凹凸部が即ち、凸部16と凹部16aが交互に、波状(例えば、三角波状)になった形状のものである(図3,5参照)。
この回転歯部材17の歯17aと固定歯部材14の歯14aの向きは、対向して設置されたとき、その歯面の凹凸部が相互にクロスして交差する方向となる。又、スクリュー軸12の端部の回転歯部材17は、固定歯部材14に対し軸方向の隙間を調整可能に取り付けられる。発泡スチロール5の粉砕状況に合わせ、固定歯部材14の歯14aと回転歯部材17の歯17aとの隙間を調整部材によって最適な寸法になるように調整できる。
この取り付け方法は、例えば図7に示すようにナット締結構造になっていて、即ち、ナット18を締め込む方向に回転させると、回転歯部材17をバネ部材19の付勢力に抗して軸方向に沿って押し込むようにして隙間を小さくし、逆に、ナット18を緩める方向に回転させると逆にバネ部材19の付勢力で隙間は広くなる。このようにして本体1の外部から隙間を調整し固定する。なお、この調整方法は、この実施の形態1に限定されるものでなく、公知の他の調整方法でもよいことはいうまでもない。
次に、投入された発泡スチロール5を破砕し粉砕する方法について説明する。発泡スチロール5は、ホッパー4にランダムに投入される。投入された発泡スチロール5は、回転するスクリュー軸12のスパイラル翼13の形状に沿って、支持体11の内孔11aとスクリュー軸12との間に押し込まれ破砕される。更に、発泡スチロール5は、尚も破砕されながら排出方向に移送され押し出される。次に、スパイラル翼13の他方の端部側に押し出された破砕発泡スチロール5aは、固定歯部材14の歯14aと回転歯部材17の歯17aとの間の隙間に押し込まれる。
押し込まれた破砕発泡スチロール5aは、固定歯部材14と回転歯部材17との相対回転でさらに擦りながら粉砕され、徐々に細かくなりながらテーパ状に隙間が小さくなっている外周側に押し出される。この狭い隙間の効果により、さらに粉砕が助長された破砕発泡スチロール5aは、粉粒状の粉砕発泡スチロール5bになって排出される。固定歯部材14の歯14aと回転歯部材17の歯17aとは、前述のように凹凸形状がクロスした状態で対向し相対回転するので、破砕発泡スチロール5aは歯面で擦り切られた状態、即ち石臼で穀物が粉砕されるような原理で粉砕される。このようにして粉砕された粉砕発泡スチロール5bは、本体1の下方向に落下し、排出口8から回収される。排出口8の近傍に回収箱または回収袋を備え付ければ、減容化された発泡スチロール(例えば、粉砕発泡スチロール5b)を排出口8周囲等に飛散させることなく容易に回収することができる。
〔実施の形態2〕
図8、図9は、減容化装置の実施の形態2を示す断面図である。この実施の形態2は、スクリュー軸22を、このスクリュー軸22の両端のベアリング25,26で、回転自在にころがり支持する構成になっていて、スパイラル翼23は、本体の支持体21に支持されずフリーである。又、スクリュー軸22をモータ9とベルト10で駆動する駆動機構は、前述したものと同様である。ホッパー24は支持体21に対し、着脱可能な構成になっていて、支持体21に対してはフランジ部21a,24aを介してボルトにより取り付けられている。支持体21には、固定歯部材27が着脱可能に取り付けられる構成になっている。この着脱はボルト27aにより行い、歯の摩耗が生じたとき等に、この固定歯部材27を交換することができる。
又、固定歯部材27を支持体21と切り離した部材とすることで、硬度の高い材質の部材にすることができ、又破砕処理性もよくなる。スクリュー軸22の端には、回転歯部材28がキーで固定されている。この回転歯部材28の歯部材29は、一体構造ではなく、別体のものとして、ボルト29aにより着脱可能に取り付けられる構成としている。このことは、固定歯部材27と同様に、摩耗等を考慮し硬度の高い部材にすることも可能であり、さらに歯の修正、交換等を歯部材29のみで容易に行なうことができる。
この回転歯部材28の歯部材29の端面(後端面)は、傾斜面となっている。この傾斜面により、スパイラル翼23から対向する固定歯部材27と歯部材29の隙間が形成されるので、スパイラル翼23から押し込まれ圧縮された破砕発泡スチロール5aは、この隙間に案内されることになる。又、スクリュー軸22の前端部には、回転歯部材28に沿い2つのナット30,31がネジ止めされている。一方のナット30は、回転歯部材28の円周溝28aとピン32を介して係合し、ナット30の回転で回転歯部材28はピン32を介して軸方向のみに移動可能である。
この移動により、固定歯部材27との隙間を調整する。回転歯部材28の位置が定まったら、他方のナット31を締めつけ、回転歯部材28をスクリュー軸22に固定する。この調整構造は、図7に示すようにバネ19を介する構造であってもよい。スクリュー軸22の端部は、支持体21にボルト33で固定されたステー34に、ベアリング26を介して回転可能に支持されている。従って、スクリュー軸22は、両端部をベアリング25,26により軸方向が規制された状態で回転可能に支持されている。ステー34は、スクリュー軸22を支持する部材として構成されるが、回転歯部材28等の回転体部分を全て覆うものではない。
従って、ステー34以外の回転体関係のむき出し部分には安全のためカバー、即ち上部カバー35、側面カバー36を取り付け上部と側面を覆うとよい。すなわち、使用者が、回転歯部材28等の回転体に誤って接触するのを防止する。下部は開放された構造にし、粉砕された粉砕発泡スチロール5bを排出し回収箱37に回収する。隙間を調整する必要が生じたときは、上部カバー35を外すことによりナット30,31の操作ができるので、隙間の調整を容易に行うことができる。
又、この実施の形態2は、前述した実施の形態1に比しスクリュー軸22を短くしている。スパイラル翼23は、ホッパー24に投入された発泡スチロール5を破砕する機能を有しているが、支持体21とスパイラル翼23に押し込められた発泡スチロール5は、入り口部分で破砕されると一定容積を維持して移動する。この移動部分の工程を短縮し、破砕直後の破砕発泡スチロール5aを粉砕圧縮工程へ導く構成としたものである。この構成にすることで、本装置そのものを小さくコンパクトにすることができる。
〔実施の形態3〕
次に、全体構成の異なる減容化装置の実施の形態3について説明する。図10,11は、減容化装置の実施の形態3の全体構成を示し、発泡スチロール5を上方から投入し、上下方向に砕いていく構造の減容化装置51である。図において、発泡スチロール5は、上方の投入口52からホッパー53に投入される。ホッパー53の下部には、破砕のため先端に刃部54を有するレバー体55の一端が、回転駆動される軸体56に固定されており、更にこの対称位置、即ち、約180度の角度を置いて配置されている。
この2本のレバー体55は、更に、複数組が並列に軸体56の軸線に沿って配置されており、例えば、この実施の形態3においては、4セット配置されている。軸体56は、モータ57の駆動によりベルト58を介して回転される。従って、軸体56が回転駆動されると、このレバー体55の刃部54は、回転軌跡59のように回転する。この回転軌跡は、断面形状がL字状のホッパー53の底板に跨っている。このために、発泡スチロール5がホッパー53に投入されると、L字状のホッパー53の底板上に搭載された発泡スチロール5に、直ちに刃部54が食いつき破砕することになる。
破砕された発泡スチロール5は、破砕室60に移送、又は落下し、破砕室60の傾斜案内板61から中間排出口62に誘導され案内される。中間排出口62に誘導され案内され破砕された発泡スチロール5は、粉砕室63に導かれる。中間排出口62の壁面には、固定歯部材64が歯を外側(図10,11における下側)に向けて固定されている。この固定歯部材64に対向して、回転歯部材65が回転自在に設けられている。この回転歯部材65は、回転軸66を介して支持体67に支持されモータ68によりベルト69を介して回転駆動される。
結局、中間排出口62に導かれた発泡スチロール5は、この回転歯部材65で受け止められる構成になり、回転とともに固定歯部材64との間で相対的に擦りながらさらに細かく粉砕される。固定歯部材64と回転歯部材65による粉砕構成は、前述と同様であるので、詳細な説明は省略する。粉砕された発泡スチロール5は、固定歯部材64と回転歯部材65の間の外周から吐き出され下方向へ落下し、回収受け台70の傾斜面に沿い装置外に回収される。
回転歯部材65は、支持体67とともに装置基体の壁面に取り付けられた位置調整装置71のネジ72により、上下方向に移動可能であり、固定歯部材64との間で隙間調整を行うことができる。このように、この実施の形態3の減容化装置は、発泡スチロールを上方から下方へ自重で移動させる構成となっている。このため横方向に移動させるタイプのものに比し、コンパクトで設置スペースを小さくできる利点がある。また、被処理物(被破砕物)である発泡スチロール5を重力を利用して、落下させているので、破砕するときのエネルギー損失が少ない。
〔実施の形態4〕
減容化装置の実施の形態4は、前述した実施の形態3の変形例で、その構成を図12に示す。図12は、減容化装置の実施の形態4の全体構成を示す部分側面断面図である。この実施の形態4は、レバー体55を直接モータ73により駆動する構造である。レバー体55の回転は低速であるので、モータ73は、例えば減速機付きのフラットモータであることが好ましい。又、回転歯部材65の回転駆動についてもモータ74を直結する構成である。
このような構造にすると、それぞれモータ73,74を個別に必要とする点においては前述の構成と変わらないが、ベルト駆動に伴なう機構は不要となり、コスト的に安価にすることも可能であり、またメンテナンスも簡素化される。しかし、レバー体55用のモータ73は、減容化装置51の本体から外方に張り出し、設置スペース(フロア面積)を大きくするのが欠点であるが、本体自体は前述の構成より幅を小さくすることが可能である。
〔実施の形態5〕
減容化装置の実施の形態5は、前述した実施の形態3の他の変形例で、その構成を図13に示す。図13は、実施の形態5の減容化装置51の全体構成を示す部分側面断面図である。この実施の形態5は、レバー体55及び回転歯部材65を1つのモータ75で駆動する構造のものである。モータ75からレバー体55の駆動は、前述したのと同様にプーリ、ベルト58を介して行われるが、回転歯部材65の回転駆動は1対のベベルギヤ76,77を介して行われ、回転の向きを変える構成により、レバー体55の回転駆動用と同じモータ75で行われる。
それぞれのベベルギヤ76,77は減容化装置51の支持部78,79で回転自在にベアリングを介して支持される。回転歯部材65は、上下方向に移動可能となるように、回転歯部材65とベベルギヤ77との間を、スプライン80を有した構造としている。即ち、回転歯部材65の軸部にはスプライン軸が形成され、ベベルギヤ77の軸部の内周には、スプライン穴が形成されている。そして、ベベルギヤ77側のスプライン穴に回転歯部材65側のスプライン軸が挿入され、スプライン軸とスプライン穴とが係合している。このようなスプライン80を備えた構造とすることにより、回転歯部材65は、このベベルギヤ77に回転駆動され、且つ上下方向にも移動可能な構成となっており、しかもモータ75により回転駆動可能となる。この構造は、1台のモータ75で、2つの回転体を駆動する構成であるが、構造が複雑になるので、コストを安価にするには設計上の工夫が必要となる。
〔実施の形態6〕
図14は、減容化装置の実施の形態6を示し、固定歯部材101と回転歯部材102を有する粉砕・圧縮装置103を個別の構成で示す断面図である。本体1の搬送・圧縮装置6、減容化装置51の破砕室60等の破砕装置から破砕されて搬送される破砕発泡スチロール104は、この粉砕・圧縮装置103に送り込まれ粉砕される。この粉砕・圧縮装置103の固定歯部材101と回転歯部材102は、人工的に製造されたセラミックス(例えば、焼成により製造されたセラミックス)、あるいは、天然又は人工の石材で作られたものである。
固定歯部材101と回転歯部材102が金属製であると、擦り合うときに静電気を発生させ、粉砕された発泡スチロールが周囲の機器にまとわり付いてしまう。このため発泡スチロールの除去処置等が必要となり、作業を複雑化させてしまうおそれがある。このため歯部材を静電気の発生しないセラミックス、又は石材の非金属体とした。交換を容易にし、定期的に交換するようにすれば、あるいは頻繁に使用しないような簡易な構造の場合には、固定歯部材101と回転歯部材102は硬質の木材であってもよい。
この粉砕・圧縮装置103は、独立した構成になっていて、本体1に着脱可能である。フレーム105に固定された支持部106に、ベアリング107を介して支持軸108が回転自在に設けられている。この支持軸108の一部にはプーリ109が取り付けられ、駆動モータ111に直結されているプーリ112とベルト113を介して連結されている。駆動モータ111は、フレーム105と一体化されたステー110に固定されている。
従って、支持軸108は、駆動モータ111によりベルト113を介して回転自在である。他方、支持軸108の他端には、支持軸固定部材114を介して回転歯部材102が取り付けられている。支持軸固定部材114は、ボルト115を介して回転歯部材102と一体化している。支持軸固定部材114の中心の内孔には、雌ねじが形成され、この雌ねじと、支持軸108の上部の軸端の雄ねじと螺合している。支持軸108に対して、回転歯部材102の軸方向位置を相対的な長さ調整で定め、位置が定まったところでナット120を締め、支持軸108と支持軸固定部材114を一体化する。
この構成により、回転歯部材102は、支持部106にベアリング107で支持されているので、駆動モータ111の回転により支持軸108を介して回転駆動される。この回転歯部材102に対向して、上部にフレーム105に固定された固定歯部材101が配置、固定されている。固定歯部材101の中央部には、固定歯部材101を貫通する孔である貫通孔116が設けられている。破砕された発泡スチロールが、この貫通孔116に投入可能になっている。この固定歯部材101と回転歯部材102とは、所定の隙間(例えば、1mm程度)になるように調整する。具体的には、前述の支持軸固定部材114と支持軸108との螺合調整によって定める。
発泡スチロールが破砕され搬送される過程は、前述の場合と同様であるので破砕工程の詳細説明は省略する。破砕された破砕発泡スチロール104は次のようにして粉砕される。この粉砕・圧縮装置103は、基体の破砕装置の下部に設けられている。破砕された破砕発泡スチロール104は、上方から固定歯部材101の貫通穴116に矢印のように投入される。破砕発泡スチロール104は、固定歯部材101と回転歯部材102とを相対回転させることにより、双方の歯の隙間をとおして、石臼がすり砕くような作用をさせ、破砕発泡スチロールを更に細かく粉砕する。
粉砕された粉砕発泡スチロール117は、徐々に固定歯部材101及び回転歯部材102の外周側に移動しながら粉砕され外周縁の隙間から排出される。排出された粉砕発泡スチロール117は、フレーム105に固定されたカバー118内に回収され、フレーム105に設けられた回収シュート119から外部に排出される。この回収の効率を高めるために吸引方法による回収、あるいは回転歯部材102にかき寄せ板等を設け、回転歯部材102の回転に伴ない回収シュートへ集合させるようにして回収を容易にするなどを適宜行なわれる。排出された粉砕発泡スチロール117は、粉砕体として別置の回収装置で回収処理される。いずれにしても、本実施の形態の構成によれば、破砕、粉砕の2段構成になっているので、発泡スチロールは細かく砕ける上、後処理のし易い構成になっている。
以上、本発明の実施の形態の説明を行ったが、本発明はこの実施の形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、固定歯部材14、回転歯部材17、固定歯部材27、歯部材29、固定歯部材64、回転歯部材65が、人工的に製造されたセラミックス(例えば、焼成により製造されたセラミックス)、あるいは、天然又は人工の石材で作られたものであってもよい。
図1は、本発明の実施の形態1の発泡スチロールの減容化装置の全体を模式的に示す正面図である。 図2は、発泡スチロールの減容化装置の主要構成の断面図である。 図3は、回転歯部材の歯の構成を示す側面図である。 図4は、固定歯部材の歯の構成を示す側面図である。 図5は、図3のA−A断面図である。 図6は、図4のB−B断面図である。 図7は、回転歯部材の調整構造を示す部分断面図である。 図8は、実施の形態2の発泡スチロールの減容化装置の主要構成を示す断面図である。 図9は、図8のX矢視図である。 図10は、実施の形態3の発泡スチロールの減容化装置の全体構成を示す正面断面図である。 図11は、実施の形態3の発泡スチロールの減容化装置の全体構成を示す側面断面図である。 図12は、実施の形態4の発泡スチロールの減容化装置の全体構成を示す部分側面断面図である。 図13は、実施の形態5の発泡スチロールの減容化装置の全体構成を示す部分側面断面図である。 図14は、実施の形態6の発泡スチロールの減容化装置の粉砕・圧縮装置を示す断面図である。
符号の説明
1…本体
2…キャスター
3…投入部
4…ホッパー
5…発泡スチロール
6…搬送・圧縮装置
7…粉砕・圧縮装置
8…排出口
9…モータ
11…支持体
12…スクリュー軸
13…スパイラル状の翼
14…固定歯部材
17…回転歯部材

Claims (10)

  1. 発泡スチロール(5)の投入を受け入れるためのホッパー(4)を有する基体(1)と、
    前記基体(1)に、かつ、前記ホッパー(4)の下方側に支持され回転自在な軸体(12)と、
    この軸体(12)の外周に固定され、投入された前記発泡スチロールを回転しながら破砕する破砕部材(13)と、
    前記基体(1)に設けられ前記軸体(12)を回転駆動する駆動装置(9)と、
    前記基体(1)に固定された円板状の部材に、前記発泡スチロールを破砕する歯(14a)が形成された固定歯部材(14)と、
    前記固定歯部材(14)の前記歯(14a)と対向して前記軸体(12)に固定され、前記破砕部材(13)で破砕された前記発泡スチロール(5)を粉砕するために、円板状の部材に歯(17a)が形成された回転歯部材(17)と
    からなる発泡スチロールの減容化装置。
  2. 請求項1に記載の発泡スチロールの減容化装置において、
    前記破砕部材(13)は、前記軸体(12)に固定されたスパイラル状の翼(13)である
    ことを特徴とする発泡スチロールの減容化装置。
  3. 発泡スチロール(5)の投入を受け入れるためのホッパー(53)を有する基体と、
    前記基体に、かつ、前記ホッパー(4)の下方側に支持され回転自在な第1軸体(56)と、
    この第1軸体(56)の外周に固定され、投入された前記発泡スチロールを回転しながら破砕するために外縁に刃部(54)を有し回転するレバー体(55)と、
    前記基体に設けられ前記第1軸体(56)を回転駆動する第1駆動装置(57)と、
    前記基体に固定された円板状の部材に、前記発泡スチロールを破砕する歯が形成された固定歯部材(64)と、
    前記固定歯部材(64)の前記歯と対向して、前記レバー体(55)で破砕された前記発泡スチロール(5)を粉砕するために円板状の部材に歯が形成された回転歯部材(65)と、
    前記基体に回転自在に支持され、前記回転歯部材(65)が固定された第2軸体(66)と、
    前記第2軸体(66)を回転駆動する第2駆動装置(68)と
    からなる発泡スチロールの減容化装置。
  4. 請求項1ないし3から選択される1項に記載の発泡スチロールの減容化装置において、
    前記固定歯部材(14,64)の前記歯(14a)と前記回転歯部材(17,65)の前記歯(17a)は、前記円板状の部材に半径方向に沿って設けられ、相対回転状態で相互に反対向きとなる配置で交差する形状の歯である
    ことを特徴とする発泡スチロールの減容化装置。
  5. 請求項1ないし3から選択される1項に記載の発泡スチロールの減容化装置において、
    前記回転歯部材(17,65)は、前記固定歯部材(14,64)との間で対向する歯相互の隙間寸法を調整可能とする調整部材(18,19,72)により位置調整される
    ことを特徴とする発泡スチロールの減容化装置。
  6. 請求項1ないし3から選択される1項に記載の発泡スチロールの減容化装置において、
    前記固定歯部材(14,64)の前記歯(14a)と前記回転歯部材(17,65)の前記歯(17a)は、面板に凹凸の段差形状を有して形成されている
    ことを特徴とする発泡スチロールの減容化装置。
  7. 請求項1ないし3から選択される1項に記載の発泡スチロールの減容化装置において、
    前記固定歯部材(27,64)は、前記基体(1)に着脱自在に設けられている
    ことを特徴とする発泡スチロールの減容化装置。
  8. 請求項1ないし3から選択される1項に記載の発泡スチロールの減容化装置において、
    前記固定歯部材(14,27,64,101)及び前記回転歯部材(17,29,65,102)の材質は、焼成により製造されたセラミックスである
    ことを特徴とする発泡スチロールの減容化装置。
  9. 請求項1ないし3から選択される1項に記載の発泡スチロールの減容化装置において、
    前記固定歯部材(14,27,64,101)及び前記回転歯部材(17,29,65,102)の材質は、天然又は人工の石材である
    ことを特徴とする発泡スチロールの減容化装置。
  10. 請求項3に記載の発泡スチロールの減容化装置において、
    前記第1駆動装置(57)と前記第2駆動装置(68)とは、同一駆動源(75)であり、前記第1軸体(56)と前記第2軸体(66)とは連動機構(76,77,58)を介して連結されている
    ことを特徴とする発泡スチロールの減容化装置。
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