JP4277252B2 - 車両用ペダル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、四輪自動車のアクセルペダル等の車両用ペダルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクセルペダルは、室内前方のダッシュパネルに取り付けられるペダルアームを有する。従来のペダルアームは、全体が丸棒部材から構成されている。設計時には、ペダルアームで最も強度を必要とする部分に合わせてその直径を決定しており、ペダルアームの全体的な強度は必要以上に頑強なものになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前方から車両に入力があった場合に、ダッシュパネルが後方すなわち室内側に移動すると、ペダルアームが頑強なために、アクセルペダルの全体がそのまま室内側に移動してしまう。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、アクセルペダルを取付けているダッシュパネルが入力により室内側に移動してもアクセルペダルの室内侵入量を抑えることができる車両用ペダルを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両用ペダルは、かかる課題を解決するためになされたものであり、車両のダッシュパネルに取り付けたペダルアームの下部が踏まれるとそれを被操作部へ伝える車両用ペダルにおいて、上記ペダルアームの中間部は、ブラケットを介して上記ダッシュパネルに回動自在に取付られており、上記ペダルアームの上部は、上記被操作部に接続しており、上記ペダルアームの上部と上記中間部との間に脆弱部が設けられ、上記ペダルアームの下部への踏み込みが解除されたときに上記ダッシュパネルに当接するスペーサが、上記脆弱部と上記被操作部への接続部分との間で且つ上記被操作部への接続部分の近傍において上記ペダルアームから上記ダッシュパネル側に向かって配設されており、上記ブラケットは、上記ペダルアームの下部が踏み込まれたときに上記ペダルアームの上記中間部より下側の位置で上記ペダルアームと当接するようなストッパー部を有している。
上記ペダルアームの上部が板状部材で形成され、該板状部材は、上記ペダルアームの回転方向に延びるフランジ部を有し、該フランジ部の途中に上記脆弱部を設けている。上記ペダルアームの下部は、踏板部を有する棒状部材で構成され、該棒状部材は、その長手方向に対して車幅方向に向かって略直角方向に延びた上端部を有し、該上端部が、ダッシュパネルに取り付けたブラケットで軸支されている。
また、上記ペダルアームは棒状部材からなり、上記脆弱部を切欠きで構成した。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る車両用ペダルの実施の形態について図面に基づいて説明する。
第1の実施形態では、図1に示すように、アクセルペダル1は、側面視がL字形状のペダルアーム2を有しており、このペダルアーム2の中間部は、ブラケット6を介してダッシュパネル71に回動自在に取り付けられている。ペダルアーム2の上部にケーブル72がつながれている。
このケーブル72は、ダッシュパネル71の貫通穴73に取付けたブッシュ74内に通されており、ダッシュパネル71の車両前方(同図における左方向)に設置した図示省略のエンジンのスロットバルブの操作部(被操作部)に接続している。乗員(図示省略)がペダルアーム2の下部を踏むと中間部を中心に回転し、ケーブル72が車両後方に引っ張られ、これによりスロットバルブの開度を大きくしてエンジン出力を上げる。ペダルアーム2は、後述するコイルバネにより図1における反時計方向に付勢されており、乗員の足がアクセルペダル1から離れると、スペーサ75がダッシュパネル71に当接するまで反時計方向に回動する。
【0006】
図4および図5に示すように、アクセルペダル1のペダルアーム2は、その上側を構成する板状部材3および、下側を構成する棒状部材4の2部品からなり、両者3、4は溶接にて互いに接合されている。このため、強度が必要な部分とそうでない部分とを分けることができる。
板状部材3は、本体部31とフランジ部32とからなる断面L字形状である。ペダルアーム2が取り付けられた状態におけるフランジ部32の下端部には、棒状部材4の径に対応した寸法の接合用穴33が設けられている。このフランジ部32の接合用穴33の近くには、組付け時にブラケット6と当接可能なストッパー部34が形成されている。一方、フランジ部32の上端部には、ケーブル用取付け穴35およびスペーサ用取付け穴36が設けられている。スペーサ用取付け穴36にはメネジが螺設されている。
板状部材3は、図4および図5から明らかなように、必要な強度に応じて本体部31およびフランジ部32の各形状が長手方向に関して異なっている。ストッパー部34に隣接して、急激にフランジ部32の幅が小寸になって応力が集中し易くなっている脆弱部37が設けられている。この脆弱部37から上方では、上側に行くに従ってゆるやかにその幅が小寸になっている。ケーブル用取付け穴35が設けられた場所にはフランジ部32が形成されていない。図4に示すように、脆弱部37は、ケーブル用取付け穴35と接合用穴33との間に設けられ、具体的には接合用穴33に近い位置であり、より具体的には、ストッパー部34の、接合用穴33とは反対側の位置である。なお、図1に示すように、ストッパー部34は、乗員の足がアクセルペダル1から離れるとブラケット6に当接する。
【0007】
棒状部材4は、図4および図5に示すように、上端部41が長手方向に対して略直角方向に車幅方向に延びていて、棒状部材4の下端部42は、車体後方側に折り曲げられてその先端に踏板部43を取り付ける取付け部が形成されている。このような形状の棒状部材4は、その上端部41を板状部材3の接合用穴33に挿入した後に溶接にて接合されている。ペダルアーム2はこのように形成される。棒状部材4の上端部41は、板状部材3を貫通して突出している。棒状部材4の下端部42に踏板部43が溶接にて接合されている。
【0008】
次に、図1ないし図3を用いて、アクセルペダル1の車両への組付けについて説明する。特に図3に示すように、組付けに用いるブラケット6は、本体部61と該本体部61から延びる一対の翼部62、63を有する。本体部61に取付け穴64が設けられている。各翼部62、63は互いに対向しており、共通軸となる取付け穴65、66がそれぞれ設けられている。また、翼部63には、折れ曲って延びるストッパー部68(図2も参照)が形成されている。
まず、ブラケット6を締結具67にて取付け穴64を介してダッシュパネル71に固定する。アクセルペダル1にスペーサ用取付け穴36を介してスペーサ75を取り付けておき、また、踏板部43にゴム部材76を取り付けておく。
棒状部材4の上端部41をブラケット6の各翼部62、63の取付け穴65、66に挿入した後に、抜け防止のための止め輪77を取り付ける。その際、棒状部材4の上端部41がコイルバネ78内を通過するようにし、かつ、コイルバネ78の一端がブラケット6に、他端がアクセルペダル1にそれぞれ組み付ける。そして、アクセルペダル1のケーブル用取付け穴35にケーブル72を取り付けると、組付け作業が完了する。アクセルペダル1は、ブラケット6でダッシュパネル71に軸支されており、しかもコイルバネ78によってスペーサ75がダッシュパネル71に当接する方向に付勢されている。
【0009】
通常使用時には、アクセルペダル1の軸支部分より上方にはケーブル72を引く力のみが作用する。また、乗員がアクセルペダル1を強く踏み込んだ場合でも、アクセルペダル1の棒状部材4がブラケット6のストッパー部68に当接する。このため、アクセルペダル1の板状部材3に脆弱部37を設けていても、通常使用時にはアクセルペダル1の変形が起こらない。
一方、車両の前方から、ダッシュパネル71が室内側に移動するような入力があったとき、アクセルペダル1の脆弱部37は、アクセルペダル1が変形するきっかけをつくり、アクセルペダル1の室内側への侵入量を少なくすることができる。
【0010】
次に、第2の実施形態について図6ないし図8を用いて説明する。なお、アクセルペダル5の車両への組付けは、第1の実施形態と同じであるのでその説明を省略する。
アクセルペダル5のペダルアーム51は、同図に示すように、基本的に棒状部材で構成されており、ペダルアーム本体52、軸部53、踏板部54、ケーブル用フック55、スペーサ用ステイ56およびウェイト57を備えている。
ペダルアーム本体52は棒状部材で、図6に示すように、中間部に切欠き58を設けている。この切欠き58により、横断面が他の部分より小さくなり、第1の実施形態における脆弱部37と同様に作用するものが形成される。図6および図8に示すように、ペダルアーム本体52の上端部には、ケーブル用フック55、スペーサ用ステイ56およびウェイト57が固定され、図7の(a)および図8に示すように、下端部には踏板部54が固定されている。また、図7の(b)および図8に示すように、切欠き58より下側の位置に、長手方向に対して略直角方向に延びるとともに一方に突出するように軸部53が固定される。
このような構成のため、従来の部品を利用して一部の変更により実施できることから、工作設備の変更や追加が少なくて済む。第2の実施形態の場合でも、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0011】
本発明は、車両のダッシュパネルに取り付けたペダルアームの下部が踏まれるとそれを被操作部へ伝える車両用ペダルにおいて、上記ペダルアームの中間部は、ブラケットを介して上記ダッシュパネルに回動自在に取付られており、上記ペダルアームの上部は、上記被操作部に接続しており、上記ペダルアームの上部と上記中間部との間に脆弱部が設けられ、上記ペダルアームの下部への踏み込みが解除されたときに上記ダッシュパネルに当接するスペーサが、上記脆弱部と上記被操作部への接続部分との間で且つ上記被操作部への接続部分の近傍において上記ペダルアームから上記ダッシュパネル側に向かって配設されており、上記ブラケットは、上記ペダルアームの下部が踏み込まれたときに上記ペダルアームの上記中間部より下側の位置で上記ペダルアームと当接するようなストッパー部を有しているので、ダッシュパネルが入力により室内側に移動したときにアクセルペダルが変形し、これによりアクセルペダルの室内侵入量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用ペダルを車両に取り付けた状態の概略側面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の分解斜視図である。
【図4】図1に示す車両用ペダルの側面図である。
【図5】図1に示す車両用ペダルの正面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る車両用ペダルの側面図である。
【図7】(a)は、図6の車両用ペダルの線A−Aによる断面図、(b)は、線B−Bによる断面図である。
【図8】図6の車両用ペダルの側面図である。
【符号の説明】
1 アクセルペダル
2 ペダルアーム
3 板状部材
31 本体部
32 フランジ部
33 接合用穴
34、68 ストッパー部
35 ケーブル用取付け穴
36 スペーサ用取付け穴
37 脆弱部
4 棒状部材
41 上端部
42 下端部
43 踏板部
5 アクセルペダル
51 ペダルアーム
52 ペダルアーム本体
53 軸部
54 踏板部
55 ケーブル用フック
56 スペーサ用ステイ
57 ウェイト
58 切欠き
6 ブラケット
61 本体部
62、63 翼部
64、65、66 取付け穴
67 締結具
71 ダッシュパネル
72 ケーブル
73 貫通穴
74 ブッシュ
75 スペーサ
76 ゴム部材
77 止め輪
78 コイルバネ
Claims (4)
- 車両のダッシュパネルに取り付けたペダルアームの下部が踏まれるとそれを被操作部へ伝える車両用ペダルにおいて、上記ペダルアームの中間部は、ブラケットを介して上記ダッシュパネルに回動自在に取付られており、上記ペダルアームの上部は、上記被操作部に接続しており、上記ペダルアームの上部と上記中間部との間に脆弱部が設けられ、上記ペダルアームの下部への踏み込みが解除されたときに上記ダッシュパネルに当接するスペーサが、上記脆弱部と上記被操作部への接続部分との間で且つ上記被操作部への接続部分の近傍において上記ペダルアームから上記ダッシュパネル側に向かって配設されており、上記ブラケットは、上記ペダルアームの下部が踏み込まれたときに上記ペダルアームの上記中間部より下側の位置で上記ペダルアームと当接するようなストッパー部を有していることを特徴とする車両用ペダル。
- 上記ペダルアームの上部が板状部材で形成され、該板状部材は、上記ペダルアームの回転方向に延びるフランジ部を有し、該フランジ部の途中に上記脆弱部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ペダル。
- 上記ペダルアームの下部は、踏板部を有する棒状部材で構成され、該棒状部材は、その長手方向に対して車幅方向に向かって略直角方向に延びた上端部を有し、該上端部が、ダッシュパネルに取り付けたブラケットで軸支されることを特徴とする請求項2に記載の車両用ペダル。
- 上記ペダルアームは棒状部材からなり、上記脆弱部を切欠きで構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ペダル。
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