JP4276918B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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本発明は、電子線やイオン線等の荷電粒子線を用いる荷電粒子線装置に係り、特に、荷電粒子線の一部を透過させるための絞り穴を備えた荷電粒子線装置に関する。
走査型電子顕微鏡に代表される荷電粒子線装置では、細く集束された荷電粒子線を試料上で走査して試料から所望の情報(例えば試料像)を得る。また、荷電粒子線は絞り板によって不要な領域が除去され、試料上に必要なプローブ電流で最小のプローブ径が得られるようにする。この絞り板には常に荷電粒子線が照射されており、ハイドロカーボンなどのコンタミネーションが徐々に付着して絞り穴がふさがるため、一定期間使用したらに絞り板を交換する必要がある。
絞り板の交換頻度を低減するためにこの絞り板に複数の絞り穴が設けられている場合がある。このようなタイプの絞り板は真空外からの操作によってその位置を動かしたり、同じ絞り板に設けられた別の絞り穴に移動したりできる。
しかし、理想的な荷電粒子線を得るためには絞り穴は荷電粒子線の中心に正確に合わせる必要があり、その調整作業には熟練を要するため、未熟な作業者による調整不良によって装置の性能が劣化してしまう場合がある。また、絞りは図2に示したように絞り板8の絞り穴16の位置を真空外からの操作によって調整することができるのであるが、装置によっては人間の手の届かない位置に絞り調整機構が配置されていたり、絞り調整機構に触れることができる位置からは絞り穴の調整結果を確認するための表示部を見ることができなかったりする。
これらの問題を解決する方法として絞り穴の位置を自動調整できる機能を備えた自動制御タイプの絞りが提案されている。
絞りの位置を自動調整する技術として、特許文献1には、高精度に位置検出可能な検出センサーを荷電粒子線の中心に配置し、荷電粒子線に対する絞り穴の位置を測定し、その結果を絞りの制御部にフィードバックして絞り位置を最適化する手法が開示されている。また、特許文献2には、絞り穴に一対の電極を取付け、その電極に入射する荷電粒子の偏りを求めることによって荷電粒子の中心に絞り穴を合わせる手法が開示されている。
特開平6−349435号公報 特開平11−96952号公報
特許文献1に記載されている、検出センサーを使って荷電粒子線に対する絞り穴の位置を測定する方法は、通常観察する試料の代わりに専用の検出センサーを高真空に保たれた荷電粒子線の軌道上に配置する必要があり、作業が煩雑である。また、絞り穴は数μmの精度で位置を調整する必要があるのであるが、一時的に取り付けたり取外したりするセンサーの場合、センサー自体の位置再現性が問題となり、絞り穴位置を正確に測定できないという問題もある。
一方、特許文献2に記載されている、絞り穴に一対の電極を取付け、その電極に入射する荷電粒子の偏りを求めることによって荷電粒子の中心に絞り穴を合わせる手法は、絞り穴に取り付けるセンサーの位置をかなり厳密に管理しないと必要な精度を確保できない。
製作時にこのような厳しい管理を必用とする絞りはコストが高くなるという問題がある。他にも、本方式のセンサー表面にハイドロカーボンなどの不導体膜がコンタミネーションした場合、検出感度が低下したり、それによってセンサー間に誤差が生まれたりするという問題もある。
このような結果、熟練作業者が手動で調整した状態に匹敵するだけの絞り穴位置を簡便かつ安価に実現できる自動調整方式は提案されていない。
また、絞り板に複数の絞り穴が設けられている場合は、複数の絞り穴を順に使用して絞り板自体の寿命を長くすることができるのだが、そのためには1〜数ヶ月に一度の頻度で新しい絞り穴に変更する必要がある。交換頻度はそれほど高くないが、たくさんの装置を管理している場合などは逆にうっかり交換するタイミングを忘れてしまったり、どの装置がどの絞り穴を使用済みかなどの使用履歴を忘れてしまったりする可能性がある。
また、装置がクリーンルームなどの特別な部屋に設置されている場合は、絞り穴の変更や絞り板の交換のためにクリーンルームに入室する必要があり、作業者の負担になるという問題がある。
また、絞り穴径を変えることによって、プローブ電流を大幅に変化させることができ、そのために絞り板に異なる穴径の絞り穴が設けられる場合があるのであるが、絞り穴変更後の調整作業に技術がいるため一部の熟練者以外はその機能を使うことができない。また、熟練者であっても調整に時間がかかるため、頻繁にその機能を使うことはできない。
本発明の目的は、絞り穴を任意の位置に容易に変更可能な荷電粒子線装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、絞り穴の位置を高精度に移動できる制御手段と、絞り板もしくは絞り穴の使用履歴を管理し、絞り穴もしくは絞り板の適当な交換時期を使用者に知らせる手段と、荷電粒子線を使用する必要が無い場合に可動絞り穴を荷電粒子線が当たらない位置までずらして絞り穴の寿命を延ばす手段と、遠隔操作によって可動絞りの状態確認と調整が実施可能な手段を備えた荷電粒子線装置を提供する。
本発明によれば、絞りの位置を意図的に頻繁に変更した場合に、絞り位置の調整作業を軽減し、複数の絞り穴の使用履歴を効果的に管理できる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。以下、荷電粒子線装置の一例として、走査電子顕微鏡を用いた説明を行うが、無論これに限られることはなく、例えば集束イオンビーム装置,透過型電子顕微鏡、或いは走査透過電子顕微鏡のような絞りを用いる他の荷電粒子線装置にも適用が可能である。
図1は、本発明の一例である走査電子顕微鏡の概略構成図である。陰極1と第一陽極2の間には、コンピュータ30(制御装置と称する場合もある)で制御される高圧制御電源20により電圧が印加され、所定のエミッション電流で一次電子線4が陰極1から引き出される。陰極1と第二陽極3の間には、コンピュータ30で制御される高圧制御電源20により加速電圧が印加され、陰極1から放出された一次電子線4が加速されて後段のレンズ系に進行する。一次電子線4は、レンズ制御電源21で制御された集束レンズ5で集束され、絞り板8の絞り穴16(開口と称することもある)で一次電子線の不要な領域が除去された後に、レンズ制御電源22で制御された集束レンズ6、および対物レンズ制御電源23で制御された対物レンズ7により、試料10に微小スポットとして集束される。対物レンズ7は、インレンズ方式,アウトレンズ方式、およびシュノーケル方式(セミインレンズ方式)など、種々の形態をとることができる。また、試料に負の電圧を印加して一次電子線を減速させるリターディング方式も可能である。さらに、各々のレンズは、複数の電極で構成される静電型レンズで構成してもよい。
一次電子線4は、走査コイル制御電源によって制御される走査コイル9で試料10上を二次元的に走査される。一次電子線の照射で試料10から発生した二次電子等の二次信号12は、対物レンズ7の上部に進行した後、二次信号分離用の直交電磁界発生装置11により、一次電子と分離されて二次信号検出器13に検出される。二次信号検出器13で検出された信号は、信号増幅器14で増幅された後、画像メモリ25に転送されて像表示装置26に試料像として表示される。
試料ステージ15は、試料を少なくとも一次電子線と垂直な面内の2方向(X方向,Y方向)に試料10を移動することができる。入力装置32からは、画像の取り込み条件
(走査速度,加速電圧など)やビーム傾斜条件(傾斜方向や傾斜角度)の指定、および画像の出力や記憶装置31への保存などを指定することができる。
絞り板8は絞り駆動および位置検出部17を備えており、コンピュータ30の制御命令に従って、絞り制御装置18によってその位置を可変することができる。
図1の構成を有する走査電子顕微鏡により、絞り穴位置を高精度に移動・制御できる機構の実施例について、その主要部分を抜粋した図3を用いて以下に詳細に説明する。
絞り板8は絞り板支持部42に取り付けられた状態で、真空外に配置されたX軸駆動機構45,Y軸駆動機構46によって電子光学系の鏡筒40の内部をX,Y方向に移動する。X,Y方向の移動量はX軸位置検出機構47,Y軸位置検出機構48によって検出される。絞り制御装置18はコンピュータ30から命令された位置に絞り板8が移動したかどうかをX軸位置検出機構47,Y軸位置検出機構48によって検出された絞り板8の位置情報を使って確認し、X軸駆動機構45,Y軸駆動機構46をフィードバック制御することによって絞り板8を目的の位置に正確に移動させる。例えばX軸駆動機構45,Y軸駆動機構46に研削ボールネジを使用した高精度モータを使用し、更に、X軸位置検出機構47,Y軸位置検出機構48に高分解能のリニアエンコーダを使用した場合、絞り板8の移動誤差を±2μm以下にすることができる。この移動誤差は電子光学系の性能確保のために必用な絞り穴位置再現性の要求精度を満たすものである。
絞り板8は絞り穴16が一次電子線4の中心に合うように調整する必要がある。この状態を検出する方法としては特開平10−302689号公報で開示された方法などがある。本発明においては絞り穴16の最適な位置を検出する方法については特に規定しないが、何らかの手法で絞り穴16の位置を最適に調整された状態の絞り板8のX,Y位置をコンピュータ30の記憶媒体34に登録する。この登録された絞り板8の位置は、前述したように絞り制御装置18によって±2μmの精度で再現されるため、移動後に絞り板8の位置を再調整する必要は無い。
このように高精度に位置を調整(再現)することができる絞り移動機構を備えた走査電子顕微鏡では、何らかの理由で絞り板8の位置を動かしてしまった場合でも、十分な精度で絞り穴16の位置を再現できるため、電子光学系の性能を劣化することが無い。なお、予期しない原因により画像劣化が検出された場合、絞りと電子ビームの相対的な位置関係が何等かの原因によりずれてしまったことが考えられることから、絞りに対するビームの位置を走査することによって、像質が向上するビームの照射位置を検出する自己診断機能を設けるようにしても良い。
図4,図5は複数の絞り穴16を備える絞り板8の実施例を示したものである。
図4(a)は同じ穴径の絞り穴16を複数備えた絞り板8の実施例であるが、絞り穴
16は長時間(数ヶ月間)使用するとコンタミネーションなどが発生してその絞り穴がふさがり、使用できなくなるのであるが、複数の絞り穴が設けられているため絞り板自体の交換頻度は低減することができる。図4(b)は異なる穴径の絞り穴16を複数備えた絞り板の実施例であるが、穴径を変えることによってプローブ電流を変化させることができる。もちろん、図1に示した陰極1,第一陽極2,第二陽極3などの条件を変えてもプローブ電流を変化させることはできるが、これらの条件を頻繁に変化させると陰極1からの一次電子線4の発生状態が不安定になり、装置の性能が劣化する場合がある。これらの条件を変化させることでは大幅にプローブ電流を変えることはできない。これに対して、絞り穴径を変更する手法であればこのような問題が生じない。図4(c)は異なる穴径の絞り穴16をそれぞれ複数設けた絞り板8の実施例である。図4(a),図4(b),図4(c)では4つの絞り穴16を設けた実施例を示しているが、もちろん絞り穴の数も種類もこの限りではない。なお、図4の実施例では全ての絞り穴が直線的に配置されていたが、隣り合う絞り穴16同士が十分な距離(例えば、絞り板8に照射される一次電子線4のビームスポット径よりも大きい距離)離れてさえいれば、図5(a)のように2次元的に配置されていても、図5(b)のように同心円状に配置されていても良い。
図4,図5の実施例で示したように、絞り穴16を複数もつ絞り板8を効果的に使うためには、実施例1で示したような絞り穴16の位置を登録でき、かつ、その位置に絞り穴を正確に移動させることができる手段が必要である。具体的な使用例を図4(a)を使って説明する。まず、熟練者によって絞り穴16の位置を最適な位置に調整し、その位置を登録する。この作業を全ての絞り穴16に対して実施する。一般の使用者は登録された絞り穴16の位置情報を使用して任意の絞り穴16に変更する。この際の絞り穴16の位置再現精度は電子光学系の性能を劣化させない精度(例えば±2μm以内)を満足しているため、面倒な調整をしなくてもその絞り穴16を使用することができる。
前述したように、絞り穴16に一次電子線4を長期間(例えば数ヶ月)照射するとハイドロカーボンなどのコンタミネーションが発生し穴がつぶれて使用できなくなってしまう。また、一次電子線4の安定性を確保するため、一次電子線4は頻繁にON/OFFすることができない。そのため、一次電子線4を試料10に照射する必用が無い場合も絞り板8には一次電子線4が照射されるため、絞り穴16の寿命を無駄に費やしている。
図6はこの問題を解決する実施例を示したものである。図6(a)に示したように第一集束レンズ5で収束された一次電子線4aは一定のスポットサイズで絞り板8に照射される。通常使用状態では絞り穴16は一次電子線4aのスポットの中心に配置され、一次電子線4aの一部を一次電子4bとして透過させる。この状態を長時間(例えば数ヶ月)続けると絞り穴16はコンタミネーションによってふさがれてしまう。これに対して図6
(b)に示したように、絞り板8の絞り穴16が開いていない場所に十分な面積(例えば、絞り板8に照射される一次電子線4aのビームスポット径よりも大きい面積)の場所を設け、一次電子線4aを試料10に照射する必用が無いタイミングにはこの位置に絞り板8を移動させるようにする。これによって、一次電子線4aが無用に絞り穴16に照射されるのを低減し、絞り板8の交換頻度を低減することができる。
なお、この実施例では絞り板8を動かすことによって一次電子線4が絞り穴16に照射されないようにしたが、絞り板8の上部に設けられた偏向コイルによって一次電子線4aの軌道を曲げることによって絞り板8の絞り穴16が開いていない部分に一次電子線4が照射されるようにしても良い。
また、絞り板以外のもので一次電子線4aをさえぎったり、一次電子線4aが絞り板8から完全に外れた位置まで偏向する手法が提案されているが、これらは結局別の場所にコンタミネーションを発生させてしまうという別の問題が生じるので好ましくない。
実施例2,3で説明したように絞り穴16を意図的に変えたり、装置可動状態であっても絞り穴16に一次電子線4が当たらないように制御したりすると、どの絞り穴16をどれくらいの期間使用したのか把握することが難しくなる。このような使用状況においては各絞り穴の使用履歴を自動的に記録する手段が必要となる。この手段の実施例を、図7を使って説明する。
前述したように一次電子線4はコンピュータ30で制御される高圧制御電源20によってその動作状況が制御される。また、絞り板8はコンピュータ30の命令に従って絞り制御装置18によってその位置を制御されている。従って、いずれの動作もコンピュータがその状態を、経過時間を含めて記録できる。ここで、図7に示したように、一次電子線4の照射時間と、各絞り穴16の使用時間をそれぞれ記録する。
一次電子線4の照射時間と絞り穴16の使用時間が重なった部分を演算し、その時間をその絞り穴16に対する電子線照射時間であるとして記録する。このようにすればどの絞り穴16がどれだけ一次電子線4の照射を受けたか正確に把握することができる。また、どの絞り穴16が使用済みで、どの絞り穴16が未使用であるかも簡単に把握できる。更に、各絞り穴16の積算使用時間を目視で判断できるような表示を行えば、オペレータは絞り穴或いは絞り板の交換時期を容易に判断することができる。
なお、図7ではこの実施例では3つの絞り穴16の使用状態を管理しているが、この限りではない。また、絞り板8を交換した場合は記録を新たに開始する機能を備えても良い。
一次電子線4を試料10に対して斜めに入射させることによって試料ステージ15を傾けなくても試料10を斜めから観察した画像が得られる。この場合、一次電子線4の軌道が対物レンズ7の中心軸の外を通るため、軸外収差とよばれるひずみが生じる。この軸外収差を補正する技術の一つとして、絞り穴16の位置を意図的にずらす技術がある。図8にこの技術の概略を示す。一次電子線4bは偏向コイル19によって対物レンズ7に入射する軌道を変えられ、試料10に斜めに入射する。この際に発生する対物レンズ7の軸外収差を打ち消す軸外収差が第二集束レンズ6で発生するように、絞り穴16の位置を移動させて第二集束レンズ6に入射する一次電子線4bの軌道をかえる。これによって収差の少ない傾斜像を得ることができる。このときの絞り穴の位置はその他の場合と同様に±2μm程度の精度が必要となる。
一次電子線4bを斜めに入射させて試料10の傾斜像を観察する場合は使い勝手の面から、瞬時に一次電子線を傾斜させることと、瞬時に元の一次電子線を垂直に戻すことが要求される。このような機能を実現するためには、実施例1で示したような時間のかかる調整作業を必要としない高精度に絞り穴16の位置を移動できる手段を備えた走査電子顕微鏡が必要となる。
また、図8の状態は絞り穴16に対して第一集束レンズ5で収束された一次電子線4aが偏心して(開口中心が荷電粒子線の光軸から外れて)照射されている。なお、本実施例で言うところの光軸とは、陰極1から放出される一次電子線が何の偏向も受けない状態で通過する軌道、或いは陰極1を始点とする試料10に対する垂線を指す。
このような状態を長く続けるとハイドロカーボンなどの不導体膜のコンタミネーションが絞り穴16に対して非対称に付着してしまう。一次電子線4が照射されると絞り板8上の不導体膜は帯電する。絞り穴16に対して不導体膜が大量に非対称に付着していた場合は、不導体膜の帯電が発生する非対称な静電レンズ効果によって、絞り穴16を透過した一次電子線bに補正できないほどの大きな収差が発生する。このような状態を避けるためには図8の状況が必要以上に続かないようにする必要がある。例えば5分間以上図8の状態が続いた場合は自動的に絞り穴16の位置を一次電子線4aの中心に戻すようにしたり、その絞り穴16に対する一次電子線4のトータルの照射時間に対する図8の状態の比率が一定値以上(例えば全体の5%)、所定時間に達した場合は自動的に絞り穴16の位置を一次電子線4aの中心に戻すようにしたりすればよい。他の開口に自動的に切り替えるような制御を行っても良い。
また、像表示装置26に、オペレータに対し他の絞り穴、或いは絞り板に交換することを促すような表示を行うようにしても良い。他にも単に警告を発したり、視覚、或いは聴覚で判断できる信号を発するようにしても良い。
以上のような構成によれば、絞り穴に形成される不均一なチャージアップを抑制しつつ、安定した傾斜ビームによる観察が可能となる。
図9を使って実施例1に遠隔操作の機能を追加した実施例を説明する。装置の制御の中心であるコンピュータ30を、ネットワーク接続手段35を使って遠隔操作用コンピュータ36に接続する。遠隔操作用コンピュータ36はコンピュータ30と同様の像表示装置
26,記憶装置31,入力装置32,操作画面表示部33,記憶媒体34が装備されている。このような形態をとれば装置の近くに行かなくても絞り穴16の位置調整および位置登録を実施したり、各絞り穴16の使用履歴を確認したりすることができる。また、絞り穴16使用状況から、絞り板8の交換時期を予測できるので、装置の保守計画を作成する際の手助けになる。
遠隔操作用コンピュータ36はネットワーク接続できるところであればどこでも配置できるため、例えば装置が設置されているクリーンルームの外や、装置が設置されている建物と別の場所から絞りの管理を実施することができる。これによって熟練者が複数の装置の絞りを管理する際の負担を軽減することができる。
本発明の一例である走査電子顕微鏡の概略構成図。 手動で操作される絞り機構の概略構成図。 本発明の実施例である絞り自動制御機構の概略構成図。 複数の絞り穴を持つ絞り板の概略図。 複数の絞り穴を持つ絞り板の概略図。 本発明の実施例での一次電子線を遮蔽する部分を備えた絞り板の概略構成図。 本発明の実施例での絞りの使用履歴を監視するための表示機能。 一次電子を試料に傾斜させる走査電子顕微鏡の概略構成図。 本発明の一例である遠隔操作を組合わせた走査電子顕微鏡の概略構成図。
符号の説明
1…陰極、2…第一陽極、3…第二陽極、4…一次電子線、5…第一集束レンズ、6…第二集束レンズ、7…対物レンズ、8…絞り板、9…走査コイル、10…試料、11…二次信号分離用直交電磁界(ExB)発生装置、12…二次信号、13…二次信号検出器、14…信号増幅器、15…試料ステージ、16…絞り穴、17…絞り駆動および位置検出部、18…絞り制御装置、19…偏向コイル、20…高圧制御電源、21…第一集束レンズ制御電源、22…第二集束レンズ制御電源、23…対物レンズ制御電源、24…走査コイル制御電源、25…画像メモリ、26…像表示装置、30…コンピュータ、31…記憶装置、32…入力装置、33…操作画面表示部、34…記憶媒体、35…ネットワーク接続手段、36…遠隔操作用コンピュータ、40…鏡筒、41…絞り機構部、42…絞り板支持部、43…X軸調整機構、44…Y軸調整機構、45…X軸駆動機構、46…Y軸駆動機構、47…X軸位置検出機構、48…Y軸位置検出機構。

Claims (4)

  1. 荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から放出される荷電粒子線を集束して試料上で走査する荷電粒子光学系と、前記荷電粒子線の走査によって試料から発生する二次信号粒子を検出する検出手段とを備え、前記二次信号粒子検出手段の信号を用いて試料像を形成する荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子光学系は、
    対物レンズと、
    当該対物レンズに前記荷電粒子線を照射する他のレンズと、
    前記対物レンズに対する前記荷電粒子線の入射軌道を変化させることで、前記対物レンズの中心軸に対し斜めの方向から、前記荷電粒子線を試料に入射させる偏向器を有し、
    前記荷電粒子線の一部だけを通過させるための絞り穴の開口中心を、前記対物レンズの中心軸に対し斜めの方向から、前記荷電粒子線が試料に入射するときに発生する軸外収差を打ち消す軸外収差を、前記他のレンズで発生するように、前記荷電粒子線の光軸外に、自動的に移動させる手段と、前記絞り穴の移動位置を検出する手段を備え、
    前記絞り穴の開口中心を移動させる手段は、当該絞り穴への照射時間が所定時間に達した場合には、前記開口中心を、前記荷電粒子線の中心へ移動、或いは当該開口を他の絞り穴に替えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 荷電粒子源と、前記荷電粒子源から放出される荷電粒子線を集束して試料上で走査する荷電粒子光学系と、前記荷電粒子線の走査によって試料から発生する二次信号粒子を検出する検出手段とを備え、前記二次信号粒子検出手段の信号を用いて試料像を形成する荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子光学系は、
    対物レンズと、
    当該対物レンズに前記荷電粒子線を照射する他のレンズと、
    前記対物レンズに対する前記荷電粒子線の入射軌道を変化させることで、前記対物レンズの中心軸に対し斜めの方向から、前記荷電粒子線を試料に入射させる偏向器を有し、
    前記荷電粒子線の一部だけを過させるための絞り穴の開口中心を、前記対物レンズの中心軸に対し斜めの方向から、前記荷電粒子線が試料に入射するときに発生する軸外収差を打ち消す軸外収差を、前記他のレンズで発生するように、前記荷電粒子線の光軸外に、自動的に移動させる手段と、前記絞り穴の移動位置を検出する手段を備え、前記絞り穴の開口中心を移動させる手段は、前記荷電粒子線を使用する必要がない場合に、前記絞り穴に荷電粒子線が照射されない位置まで移動させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2の荷電粒子線装置において、
    再び荷電粒子線装置を使用する必要が生じた場合に、自動的に元の絞り穴位置に戻す手段と、元の絞り穴位置に戻した際に当該絞り穴の位置を最適な位置に自動調整する手段を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 荷電粒子源と、前記荷電粒子源から放出される荷電粒子線を集束して試料上で走査する荷電粒子光学系と、前記荷電粒子線の走査によって試料から発生する二次信号粒子を検出する検出手段とを備え、前記二次信号粒子検出手段の信号を用いて試料像を形成する荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子光学系は、
    対物レンズと、
    当該対物レンズに前記荷電粒子線を照射する他のレンズと、
    前記対物レンズに対する前記荷電粒子線の入射軌道を変化させることで、前記対物レンズの中心軸に対し斜めの方向から、前記荷電粒子線を試料に入射させる偏向器を有し、
    前記荷電粒子線の一部だけを通過させるための絞り穴の開口中心を、前記対物レンズの中心軸に対し斜めの方向から、前記荷電粒子線が試料に入射するときに発生する軸外収差を打ち消す軸外収差を、前記他のレンズで発生するように、前記荷電粒子線の光軸外に、自動的に移動させる手段と、前記絞り穴の移動位置を検出する手段と、前記荷電粒子線の照射時間と前記絞り穴の使用時間が重なった時間を計算し、記録する手段を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
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