JP4276567B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Description
そして、従来、この種のヘッドは、ウエイト部材を装着してウエイトバランスの調整を図っており、ソール部がヘッド本体に一体成形されたヘッドでは、当該ソール部やヘッド本体のサイド部にウエイト部材をネジ止めまたは溶接してウエイトバランスの調整を図り、また、ソールプレートがヘッド本体と別体に形成されたヘッドでは、ソールプレートにウエイト部材をネジ止めまたは溶接してウエイトバランスの調整を図っている。
また、溶接によるウエイト部材の取付構造にあっては、溶接不良による強度低下によって、同様にウエイト部材のガタ付きが生じてしまう虞があった。
しかし乍ら、図10のヘッド13の如く厚肉なウエイト部17をヘッド13のフェース側に設けてしまうと、ソールプレート11のフェース側の剛性が大きくなって打球時の反発力(ソールプレート11のフェース側やヘッド本体9のフェース部15の撓み)が損なわれ、これらの反発力を活かして十分な飛距離を確保することができず、打球感も硬いものとなっていた。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、厚肉なウエイト部をヘッドに設けてウエイトバランスの調整を図るに当たり、ウエイト部によって反発力や打球感を損なうことなく打球の飛距離と軟らかい打球感を確保し、併せてウエイト部とその周辺への応力集中を緩和したヘッドを提供することを目的とする。
即ち、中実で厚肉なウエイト部をソール部のフェース側に設けてしまうと、当該フェース側の剛性が大きくなって打球時の反発力が損なわれてしまう不具合がある。
しかし、請求項1に係る発明は、ソール部のフェース側にウエイト部を一体成形するに当たり、フェース部と平行に複数のスリットをウエイト部に設けると共に、当該各スリットの底部を、ソール部の他の部位の肉厚よりも薄肉な肉厚としたため、各スリットの薄肉な底部が撓み易くなってウエイト部全体の剛性が中実構造のウエイト部に比し下がり、ソール部のフェース側の剛性がウエイト部によって高まることがない。
このため、斯様に剛性が小さくスリットの底部が撓み易いウエイト部によって、打球時の反発力(ソール部のフェース側の撓みやフェース部の撓み)が損なわれることがなく、ボールはフェース部とその近傍の良好な反発力で遠くへ飛んでいくこととなる。
而も、打球感も軟らかいものとなり、ボールコントロールのフィーリングが向上する。
また、スリットはフェース部と平行に設けられているため、フェース中央からずれた打球に対して、各スリットの底部がフェース部と平行に撓み、打球の方向性が修正されてボールは方向性よく飛んで行くこととなる。
更にウエイト部周辺の底部も薄肉にされているため、ウエイト部への打球時の応力集中が緩和されることとなる。
従って、請求項1に係る発明によれば、ウエイト部によってヘッドの低重心化が図られ、且つウエイト部によってヘッドのフェース部とその近傍の反発力を損なうことがないため、斯かる反発力を利用して打球の飛距離を確保することができ、また、ウエイト部とその周辺への応力集中を緩和して強度的に優れたヘッドを提供することが可能となった。
そして、打球感も軟らかいものとなり、ボールコントロールのフィーリングが向上する。
更にまた、既述したようにスリットがフェース部と平行に設けられているため、フェース中央からずれた打球に対して、各凹状部の底部がフェース部と平行に撓むため、打球の方向性が修正されてボールの方向性が良好となる利点を有する。
尚、請求項1に於ける「直線状」とは、僅かに湾曲した形状も含み、例えばフェース面のバルジに合わせて凹状部を湾曲状に形成してもよい。
図1乃至図6は請求項1に係るヘッドの第一実施形態を示し、図1及び図2に於て、21はフェース側開口部23を除き、トップ部(クラウン部)25とフェース部27,サイド部29,ソール部31がステンレス合金やチタン,チタン合金等で一体に鋳造されたヘッド本体で、フェース部27に開口するフェース側開口部23に、ステンレス合金やチタン合金等を塑性加工(圧延やプレス成形)して設けたフェースプレート33が溶接されて中空な外殻体からなるヘッド35が形成されており、ヘッド本体21のフェース部27と当該フェースプレート33とでヘッド35のフェース部が構成されている。
而して、図2乃至図5に示すようにウエイト部45は、全体が球状に盛り上がったドーム形状をなし、その周辺に沿って、底部がソール部31の他の部位の肉厚t1より薄肉な肉厚t2(t1>t2)に形成された断面略半円形状の環状溝47が設けられている。
そして、各突片51の高さは、夫々、各突片51間の幅寸法L1、即ち、スリット49の幅寸法L1の4倍以内に設定されており、斯かる寸法設定によってウエイト部45全体の高さを抑えることで、ウエイト部45の重心Gを下げて重量集中を図っている。
而して、このように寸法設定することで、より低重心化が図られると共に、打球時の衝撃で各突片51が撓んだ際に、これらの衝突による異音(ビビリ音)の発生を確実に防止することができる。
更に各スリット49は、前記環状溝47と同一肉厚t2で形成された薄肉な底部を有し、また、各突片51への打球時の応力集中を低減するため、各スリット49の底部は前記環状溝47と共に断面半円形状に形成されて、各突片51の基部がR形状となっている。
本実施形態に係るヘッド35はこのように構成されているから、当該ヘッド35を装着したゴルフクラブでボールを打球すると、ボールはその衝撃で飛んでいくが、ウエイト部45をソール部31のフェース側に配置したことでヘッド35の低重心化が図られ、且つ図8のヘッド5に比し、重心からフェース面におろした垂線のフェース面上の点で定義されるスイートスポットSSが低く設定される。
また、上述したようにスリット49はヘッド35のフェース部と平行に設けられているため、フェース中央からずれた打球に対して、各スリット49の底部がフェース部と平行に撓み、打球の方向性が修正されてボールは方向性よく飛んで行くこととなる。
更にまた、既述したようにウエイト部45を構成する突片51が、図4及び図6の如く寸法設定(h1<h2,h3<h4)されて、ウエイト部45全体がドーム形状に形成されると共に、各突片51の基部がR形状とされ、ウエイト部45周辺の環状溝47の底部も薄肉な断面半円形とされているため、各突片51(ウエイト部45)への打球時の応力集中が緩和されることとなる。
更にまた、既述したようにスリット49はヘッド35のフェース部と平行に設けられているため、フェース中央からずれた打球に対して、各スリット49の底部がフェース部と平行に撓むため、打球の方向性が修正されてボールの方向性が良好となる利点を有する。
図7は請求項1の第二実施形態に係るヘッドに設けたウエイト部45-1の拡大平面図を示し、当該ウエイト部45-1は既述したウエイト部45と同様、ソール部31のフェース側に一体成形されている。
而して、ウエイト部45-1は、ヘッドのトゥ,ヒール方向及び前後方向に等間隔で並設された複数本の平面視正方形状の突起53で形成されており、各突起53間にスリット55,57がヘッドのトゥ,ヒール方向及び前後方向に区画形成されている。
また、図中、59はソール部31の他の部位より薄肉な肉厚に形成された平面視略円形状の薄肉部で、当該薄肉部59の周縁部を除く部位は均一な肉厚とされ、周縁部はR形状に形成されてソール部31から薄肉部59全体が窪んだ形状となっている。
そして、上述の如き構成からなるウエイト部45-1は、前記ウエイト部45と同様、ヘッドのスイートスポットを通るトップ,ソール方向の軸線にその重心を一致させてトゥ,ヒール方向の中央に設けられている。
そして、本実施形態は、ソール部31のフェース側にウエイト部45-1を一体成形するに当たり、ウエイト部45-1を複数本の突起53でドーム形状に形成して、各突起53間のスリット55,57の底部とその周辺をソール部31の肉厚よりも薄肉としたため、ウエイト部45と同様、各スリット55,57の薄肉な底部が撓み易くなってウエイト部45-1全体の剛性が下がることとなる。
23 フェース側開口部
25 トップ部
27 フェース部
29 サイド部
31 ソール部
33 フェースプレート
35 ヘッド
39 シャフト止着部
45,45-1 ウエイト部
47 環状溝
49,55,57 スリット
51 突片
53 突起
59 薄肉部
Claims (1)
- 打球面たるフェース部を備えた中空な外殻体からなり、前記フェース部近傍のソール部に厚肉なウエイト部を一体に突設したゴルフクラブヘッドに於て、
前記ウエイト部に、フェース部と平行に多数のスリットを直線状に形成し、各スリットの底部の肉厚及び当該スリットと連通するウエイト部周辺の肉厚を、ソール部の他の部位に比し薄肉にしたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
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