JP4274781B2 - Mg合金処理方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外気と隔離された空間でのMg合金処理方法に関する。より詳細には、本発明は、鋳造欠陥の少ない良質な金属塊であるMg合金を連続的に得るための、減圧状態での金属の連続鋳造を行う処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外気と隔離された減圧状態または加圧状態の空間で物品を処理しようとする場合、通常その隔離空間の圧力を開放し、常圧としてから物品の搬出入を行う。また、圧力が常圧であっても、特殊雰囲気で物品を処理しようとする場合、隔離空間に物品を搬入してから隔離空間に特定の気体を満たさなければならず、物品の搬出入を行う度に気体の導入工程が必要となっている。
【0003】
例えば、金属の鋳造において、鋳造欠陥を減少させるために真空鋳造や減圧鋳造が行われることがある。真空鋳造または減圧鋳造を行わずに成形した場合に生じる鋳造欠陥、例えばボイドを巻き込んだ場合の金属塊21の模式図を図11に示す。図に示すように、結晶粒界23の周辺にボイド24が発生している。また、鋳造欠陥を減少させるために特殊雰囲気の下で鋳造が行われることもある。これらの方法で成形された金属塊を真空状態または減圧状態にされた隔離空間から搬出する場合、隔離空間を常圧にし、また金属塊を特殊雰囲気になっている隔離空間から搬出する場合、隔離空間の内部気体を外部に排気している。搬出後、新たに金属塊を成形するときは、隔離空間内を再び真空状態または減圧状態にし、また隔離空間内を再び特殊雰囲気下に戻すため、不活性ガス等を隔離空間内に導入している。
【0004】
よって、複数の金属塊を特殊圧力下または特殊雰囲気下で連続的に処理する場合は、圧力操作または内部気体の排気と導入(以下、内部気体の排気と導入を内部気体のチャージ・リークとする。)を頻繁に行わなければならず、生産におけるサイクルタイムを長期化してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、圧力操作または内部気体のチャージ・リークの回数を減らすために、成形した金属塊を切り取ったり、ローラに巻いたりして隔離空間に貯留し、一定量貯留してから隔離空間を開放して金属塊を取り出すという方法も考えられている。(例えば、特許文献1、2参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開平11−179499号公報
【特許文献2】
特開2000−107871号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構造のものでは、圧力操作や内部気体のチャージ・リークの回数は減らすことはできるものの、依然として成形した金属塊を隔離空間から取り出す際と新たな成形を行う際とに圧力操作やチャージ・リークが必要なため生産のサイクルタイムの長期化という問題があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、複数の物品を特殊圧力下や特殊雰囲気下で連続的に処理する場合に、隔離空間の開放を伴うことなく物品の搬出をすることにより、圧力操作やチャージ・リークを必要とせず、生産のサイクルタイムを長期化させることなく連続的な処理が実施できるMg合金処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0019】
発明の第1態様によれば、溶解されたMg合金、不活性ガスが導入され1800〜2400Paの圧力で制御された処理室内へ供給される工程と、
上記処理室内へ供給され溶解されたMg合金を二つの冷却ローラで挟んで冷却しかつ成形して成形金属にする工程と、
上記成形金属が鉱物油内を通って、上記処理室内へ上記成形金属を搬出させる工程と、
を順次に行うことを特徴とするMg合金処理方法を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において同一部在には、同一の参照符号を付している。
【0021】
本発明の第1の実施形態にかかる隔離空間での物品処理装置の概略図を図1に示す。
【0022】
物品処理装置200は、一端に第1上端開口51と他端に第2上端開口50とを備えている大略U字形状の筒状の搬送管205と、搬送管205の第1上端開口51に接続されている容器201と、容器201内に外部58と遮断された空間を形成するように搬送管205に注入された液体10と、容器201内と第2上端開口50との間に液体10を通って設けられている搬送装置230と、搬送装置230を駆動する駆動部226と、制御部600とを備えている。ここで、容器201は処理室の一例であり、搬送管205は搬送通路の一例である。
【0023】
容器201は物品1を所定圧力下または特殊気体下で処理する室を形成し、容器201の材質として例えば、ステンレスが用いられる。なお、容器201の下部を容器下部53とし、容器下部53は下部の一例である。また、容器201内の液体10が存在しない空間を隔離空間20とし、隔離空間20内の気体は、液体10により第2上端開口部50を通じて外部58の外気との出入りができないようになっている。即ち、液体10は隔離空間20と外部58の外気とを遮断する役目があり、例えば、有機溶剤、鉱物製油、シクロヘキサンや灯油や重油等の常温で液体である炭化水素、水または水溶液等が用いられる。
【0024】
また、容器201には、外気と遮断された隔離空間20内の圧力を所定圧力にする圧力調整装置202が設けられている。圧力調整装置202は、例えば、ポンプやバルブ等を備えており、制御部600に接続されていて、制御部600の制御の下、物品1を処理する際に適した圧力に隔離空間20内をすることができるようになっている。
【0025】
また、容器201には、外気と遮断された隔離空間20内に所定の特殊気体を導入する気体導入・排気装置203が設けられている。ここで、気体導入・排気装置203は、ガス充填装置の一例である。気体導入・排気装置203は、例えば、ポンプやバルブやタンク等を備えており、制御部600に接続されていて、制御部600の制御の下、物品1を処理する際に適した特殊気体を隔離空間20に導入でき、また隔離空間20外に排気できるようになっている。
【0026】
搬送管205は、物品1を隔離空間20から物品処理装置200外の外部58に搬送する通路であり、また液体10が注入される管であり、搬送管205の材質として、例えばステンレス等が用いられている。大略U字形状の搬送管205は、第1縦管部205aと水平管部205bと第2縦管部205cとを備えている。上下方向に沿って延在する管である第1縦管部205aは、第1上端57に第1上端開口51を備え、第1下端部76に第1下端開口70を備えている。一方、上下方向に沿って延在する管である第2縦管部205cは、第2上端56に第2上端開口50を備えて外部58と通じ、第2下端部75に第2下端開口71を備えている。さらに、横方向に沿って延在する管である水平管部205bは、両端に左端面61と右端面60とを備えている。第1縦管部205aの第1上端57は容器201の容器下部53に開口して接続され、水平管部205bの右端面60は第1縦管部205aの第1下端部76に接続され、第2縦管部205cの第2下端部75は水平管部205bの左端面61に接続される。よって、このように接続された第1縦管部205aと第2縦管部205cと水平管部205bとで大略U字形状の管を形成するようになっている。ここで、第1縦管部205aは第1管部、第1上端57は第1管部一端、第1下端部76は第1管部他端、水平管部205bと第2縦管部205cとは第2管部、第2上端56は第2管部一端、右端面60と第2下端部75は第2管部他端のそれぞれ一例である。
【0027】
水平管部205bには、液体10が完全に注入されるようになっている。即ち、隔離空間20内が大気圧のとき、第1縦管部205aに注入されている液体10は第1液体基準面96より上方にあり、第2縦管部205cに注入されている液体10も第2液体基準面97より上方にあるようになっている。なお、図1における液体10の液面の高さは容器201内を減圧した状態を示している。
【0028】
また、図1における搬送管205は、第1縦管部205aと第2縦管部205cと水平管部205bとによって大略U字形状をなす管にて構成されているが、これに限らず、水平管205bを除いて、第1下端部76と第2下端部75とを接続して、大略V字形状をなす管にて構成しても良い。
【0029】
搬送装置230は、物品処理装置200外の外部58から液体10を通って隔離空間20内に物品1を搬入し、隔離空間20内で処理された物品1を隔離空間20から液体10を通って物品処理装置200外の外部58へ搬出する装置であり、駆動部226によって搬送装置230を動作させる。駆動部226は制御部600に接続されており、制御部600の制御の下、隔離空間20と物品処理装置200外の外部58との間で物品1を自在に搬入でき、搬出できるようになっている。搬送装置230としては、例えばベルトコンベア、ロボット等を用い、駆動部226としては、例えば、駆動モータ等を用いることができる。また、物品1の搬入、搬出を搬送装置230ではない手動で行うことも可能である。
【0030】
また、隔離空間20内で処理する物品1として例えば、金属材料、樹脂成形品、ガラス材料、セラミックスがある。ただし、隔離空間20内に液体10の蒸気が充満するため、該蒸気と反応する物品1は適さない。また、隔離空間20内で処理された物品1は、例えば固体であるが、液体10を通って外部58に搬出されるため、液体10による悪影響を受けない形態、性状を有する必要がある。
【0031】
なお、隔離空間20内での処理の例として、減圧状態や特殊雰囲気下で処理される半導体や液晶の生膜処理及び、高温下で処理される食品等の真空包装処理及び、クリーンルーム内で処理される薬品等の充填包装処理等が挙げられる。
【0032】
また、物品1を搬送する通路として上記大略U字形状した管に限定されるものではなく、上位概念として図2に示すような構造でも良い。即ち大略U字形状の搬送管205を管ではなく搬送通路207に置きかえることもできる。このようにすることで、搬送装置230を搬送通路207内において、どこにでも配置することができる。
【0033】
次に、図3に上記実施形態である物品処理装置200の一具体的実施例として、金属、例えばMg合金の連続鋳造を減圧状態で行うことができる連続鋳造処理装置800を模式的に示す。本実施形態の連続鋳造処理装置800の外形寸法は、一例として、全高2m、全長4m、全幅1.5mである。図1で説明した物品1の具体例として、固形であるMg合金を固体金属30a、溶融したMg合金を溶融金属30b、溶融したMg合金を所定の形状に成形し冷却により固体化したものを成形金属30cとする。ここで、固体金属30aは固体の金属の一例である。
【0034】
処理装置800は、一端に第1上端開口51と他端に第2上端開口50とを備えている大略U字形状の筒状の搬送管205と、第1上端開口51と同じ大きさの穴が容器下部53に形成され上面に容器上部開口52を備えていて容器下部53が第1上端開口51で搬送管205に接続されている筒状の容器201と、容器上部開口52に溶解室下部86が接続されている溶解装置100と、容器201内に外部と遮断された空間を形成するように搬送管205に注入された液体10と、容器201内と第2上端開口50との間に液体10を通って設けられている搬送装置230と、溶解装置100の下方で液体10に浸漬しないように配置されている冷却装置220と、制御装置600とを備えている。ここで冷却装置220は金属加工装置の一例である。
【0035】
溶解装置100は、固体金属30aを溶解して溶融金属30bとし、容器201に溶融状態である溶融金属30bを供給する装置であって、溶解室101と加熱ヒータ102と注湯装置104と温度センサ110とを備えている。
【0036】
溶解室101は、固体である固体金属30aを溶解室101内に供給する投入穴103が側面に形成されており、溶解室101の溶解室下部86が容器201の容器上部開口52に隙間無く接続されている。
【0037】
また、溶解室101の壁内には、溶解室101内に供給された固体金属30aを加熱することにより溶融し液状の溶融金属30bにするための加熱ヒータ102が収納されている。加熱ヒータ102として、例えば、誘導コイルが使用されている。
【0038】
また、溶解室101には、溶解室101内で溶融した溶融金属30bの温度を検出するための温度センサ110が設けられており、加熱ヒータ102とともに制御部600に接続されている。よって、制御部600の制御の下、溶解室101内の温度を温度センサ110により検出することで、溶解室101内の温度を設定温度に温度制御できるようになり、その結果、溶融金属30bの温度を知ることができるようになる。加熱ヒータ102の設定温度は、Mg合金の融点である大略650℃を超える、例えば大略700℃に設定できるようになっている。また、設定温度は700℃に限らず、処理する、即ち溶融する金属の融点より高く設定できるようになっている。
【0039】
また、溶解室101の材質としては、溶融状態である溶融金属30bを溶解室101内に蓄えるため、溶融金属30bの融点650℃に耐えうる、例えばステンレスまたは鋳鉄が好ましい。
【0040】
さらに、溶解室101の下部には注湯装置104が設けられ、注湯装置104は溶融金属30bを溶解室101から下方の容器201に所定量供給できるようになっている。注湯装置104は、容器201に注湯する開口の面積を変えることができる注湯口106と、その注湯口106の開口面積を変える駆動源である油圧装置とを備えており、油圧装置にはその油圧装置を制御する油圧バルブを備えている。
【0041】
また、油圧バルブは制御部600に接続されていて、制御部600の制御の下、注湯口106の開口面積を変えることによって、溶解室101内の溶融金属30bを容器201に注湯する注湯速度と注湯量を任意に変えることができるようになっている。
【0042】
容器201は、下方に搬送管205に注入された液体10と上方に溶解装置100とを備えることによって、容器201の内部において、外気と遮断された空間である隔離空間20を形成している。隔離空間20は、高温の溶融金属30bを成形金属30cに処理する室であり、そのため容器201の材質としては耐熱性を備えた、例えば、ステンレスが用いられる。
【0043】
容器201には気体導入・排気装置203が設けられており、気体導入・排気装置203は、注湯装置104から供給される溶融金属30b即ち、溶融状態のMg合金が隔離空間20内で酸素と反応しないように隔離空間20内に例えば、アルゴンガス(以下Arガス)等の不活性ガスを導入でき、また排気することができるようになっている。気体導入・排気装置203は、例えば、空気ポンプまたは油圧ポンプと濃度検出器とタンクとを備え、制御部600に接続されていて、制御部600の制御の下、ポンプを動作させてタンクに貯蔵された特殊気体を隔離空間20内が所定の濃度になるまで導入でき、また排気できるようになっている。特殊気体として、不活性ガスと還元性ガスが使用でき、不活性ガスには例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等が使用でき、還元性ガスには例えば、水素ガス、一酸化炭素ガス等が使用できるようになっている。
【0044】
また、容器201には圧力調整装置202が設けられており、圧力調整装置202は、溶融金属30bが凝固するときに発生する例えば、ボイドの巻き込みのような鋳造欠陥を低減させるべく隔離空間20内を例えば、減圧できるようになっている。圧力調整装置202は、例えば、空気ポンプまたは油圧ポンプと圧力検出器とを備え、制御部600に接続されていて、制御部600の制御の下、隔離空間20内を所定の圧力に減圧または加圧できるようになっている。
【0045】
冷却装置220は、注湯口106からその下方に向かって供給される液状の溶融金属30bを冷却し、冷却と同時に溶融金属30bを成形金属30cに成形し、さらに冷却装置220の下方に備えられた搬送装置230に成形金属30cを供給する装置であり、冷却ローラ221a、221bと、回転軸222a、222bと、回転モータ225とを備えている。
【0046】
円柱形状の冷却ローラ221a、221bは、注湯口106より下方に向かって供給される溶融金属30bを各ローラの円周上の一部で接するようにかつ、溶融金属30bを挟むように隙間をあけて対向しかつ、溶融金属30bの溶融金属供給方向90に各ローラ221a、221bの軸方向が直交する方向に沿ってそれぞれ設けられている。冷却ローラ221a、221bには、その内部に冷却用通路が形成されており、その冷却用通路に冷却水を循環させることで冷却ローラ221a、221bを冷却し溶融金属30bを冷却するようになっている。なお、上述の冷却ローラ221a、221b内への冷却水の供給に限定されず、後述する回転軸222a、222b内にへ冷却水を供給しても良い。また冷却ローラ221a、221bには、回転軸222a、222bが容器201の外に突出するように設けられている。回転軸222a、222bには回転モータ225の出力軸が容器201の外で接続されて、回転モータ225の出力軸を回転させることで、冷却ローラ221aは冷却ローラ第1回転方向91の方向に回転し、冷却ローラ221bは冷却ローラ第2回転方向92の方向に回転するようになっている。よって、冷却ローラ221aと221bとは互いに逆回転するようになっていて、溶融金属30bを2つの冷却ローラ221aと221bとで挟んで、下方に送るようになっている。また、回転モータ225は制御部600に接続されており、制御部600の制御の下、回転モータ225の回転停止を自在にできるようになっている。また、回転モータ225内に設けられている回転角度検出センサ、例えばエンコーダによって回転モータ225の回転角度を検出し、制御部600によって回転制御できるようになっている。
【0047】
搬送管205は、冷却装置220から供給される成形金属30cを処理装置800外に搬出する経路であり、また液体10が注入される管である。搬送管205は、上端に第1上端開口51を備えて上下方向に沿って延在する管である第1縦管部205aと、上端に第2上端開口50を備えて上下方向に沿って延在する管である第2縦管部205cと、第1縦管部205aの第1下端開口70に一方の右端面60が接続され第2縦管部205cの第2下端開口71に他方の左端面61が接続されて水平方向に沿って延在する管である水平管部205bとにより形成されているような大略U字形状した管である。なお、搬送管205は、第1縦管部205aと第2縦管部205cと水平管部205bとによって大略U字形状をなす管にて構成されているが、これに限らず、水平管205bを除いて大略V字形状をなす管にて構成しても良い。
【0048】
水平管部205bには、液体10が完全に注入されるようになっている。即ち、隔離空間20内が大気圧のとき、第1縦管部205aに注入されている液体10は第1液体基準面96より上方にあり、第2縦管部205cに注入されている液体10も第2液体基準面97より上方にあるようになっている。なお、図3における液体10の液面の高さは容器201内を減圧した状態を示している。液体10が成形金属30cに付着することで防錆効果を発揮する、本実施形態での液体10は例えば、鉱物性製油を使用している。また、鋳造する金属の種類に合わせて液体10を例えば、有機溶剤、水または水溶液等に変更することを考慮すると、搬送管205の材質は耐腐食性、耐薬品性のある、例えばステンレス等が好ましい。但し、成形金属30cが高温のため、本実施形態においては、可燃性の液体10は使用できない。
【0049】
搬送装置230は、冷却装置220より下方に供給される成形金属30cを隔離空間20から搬送管205に充填されている液体10を通って第2縦管部205cの上方に形成される第2上端開口50まで搬送する、即ち処理装置800外に搬出する装置であり、複数の案内ローラ231a、231bと、複数の案内ローラ軸232a、232bと、案内ローラ回転モータ235とを備えている。
【0050】
1組の円柱形状の案内ローラ231a、231bは、冷却装置220より下方に向かって供給される成形金属30cを各ローラの円周上の一部で接するようにかつ、成形金属30cを挟むように隙間をあけて対向しかつ、成形金属30cの搬送方向95に各ローラ231a、231bの軸方向が直交する方向に沿って液体10の充填されている部分にそれぞれ設けられている。このように、案内ローラ231a、231bは、対向して設けられた2つの案内ローラ231aと231bとを1組として、大略U字形状した搬送管205の軸心に沿って第1上端開口51から第2上端開口50に向かって複数組配置されている。複数の案内ローラ231a、231bには、案内ローラ軸232a、232bがそれぞれ設けられており、案内ローラ軸232a、232bは容器201の外にそれぞれ突出している。1組の案内ローラ軸232a、232bには案内ローラ回転モータ235の出力軸が搬送管205の外で接続されて、案内ローラ回転モータ235の出力軸を回転させることで、1組のうちの一方の案内ローラ231aは案内ローラ第1回転方向93の方向に回転し残りの複数の案内ローラ231aも案内ローラ第1回転方向93の方向に同期回転し、他方の案内ローラ231bは案内ローラ第2回転方向94の方向に回転し残りの複数のローラ231bも案内ローラ第2回転方向94の方向に同期回転するようになっている。即ち、複数の案内ローラ231a、231bは、互いにそれぞれ逆回転かつ、同期回転するようになっていて、複数の案内ローラ231aと231bとで成形金属30cを挟んで、案内するように第1上端開口51から第2上端開口50に向かって成形金属30cを搬送できるようになっている。
【0051】
また、案内ローラ回転モータ235は制御部600に接続されていて、制御部600の制御の下、案内ローラ回転モータ235の回転停止を自在にできるようになっており、また案内ローラ回転モータ235内に設けられている回転角度センサ、例えばエンコーダによって案内ローラ回転モータ235の回転角度を検出することにより、制御部600によって案内ローラ回転モータ235を回転制御できるようになっている。また、回転モータ225に備えられているエンコーダによって、冷却装置220の冷却ローラ221a、221bから送られてくる成形金属30cの速度に合わせて制御部600により案内ローラ回転モータ235を回転制御できるようになっている。案内ローラ231a、231bの回転による成形金属30cの搬送速度は、例えば1mm/s〜100mm/sに設定できるようになっている。
【0052】
以上のように構成された処理装置800の溶解装置100と、冷却装置220と、搬送装置230と、圧力調整装置202と、気体導入・排気装置203の動作は、制御部600に格納されている動作制御プログラムによって動作制御されている。
【0053】
上記のように構成された、上記処理装置800は、以下の如く動作する。
【0054】
まず、溶解室101の壁内に設けられた加熱ヒータ102は、溶解室101内を加熱し、温度センサ110の溶解室101内の温度検出と制御部600の制御の下、溶解室101内を例えば、大略700℃になるように温度制御する。
【0055】
また、制御部600の制御の下、溶解室101内の温度制御と平行して、気体導入・排気装置203を動作させて、所定のガス、例えばArガス等の不活性ガスを隔離空間20内に導入し、隔離空間20内の空気をアルゴンガスに置換する。
【0056】
その後、制御部600の制御の下、圧力調整装置202を動作させ、隔離空間20内のArガス圧力を例えば、大略1800〜2400Paとなるように徐々に減圧し、隔離空間20内のArガス濃度を制御する。
【0057】
一方、冷却装置220の冷却ローラ221a、221b内のそれぞれの冷却通路に冷却水をそれぞれ循環させることで、冷却ローラ221a、221bを冷却して溶融金属30bの冷却に備える。
【0058】
以上の準備が完了すると、溶解室101に設けられた投入穴103から溶解室101内に固体である固体金属30aが投入される。なお、上記準備が完了する前に溶解室101内に固体金属30aが既に入っていても良い。
【0059】
溶解室101内に投入された固体金属30aが例えば幅2〜3mm、長さ8mm程度のチップ状にてなる場合、加熱ヒータ102により溶解室内が大略700℃に熱せられているため、例えば、約3分程で完全に溶解して溶融金属30bになる。なお、固体金属30aの溶融時間は、固体金属30aの大きさにより異なる。よって、本実施形態において、固体金属30aは、例えば、大略1分〜10分前後にて溶融可能な大きさとしている。溶解した液体である溶融金属30bはMgの融点である大略650℃になる。
【0060】
固体金属30aを投入して大略3分前後以上経過後、即ち固体金属30aが溶解して液体の溶融金属30bになった後、注湯装置104が動作する。即ち、油圧バルブを開いて、油圧装置の駆動により注湯口106の開口面積を所定の面積に開口し、溶解室101内の所定量の溶融金属30bを容器201の隔離空間20に所定速度で注湯する。
【0061】
注湯口106から下方、即ち隔離空間20に所定量の溶融金属30bが所定速度で供給されると、回転モータ225がその所定速度に合わせて一方向に回転し、冷却ローラ221aと221bとが、互いに逆回転するように回転する。溶融金属30bが、冷却ローラ221aと221bとに挟まれるように冷却ローラ221aと221bの大略接線上を下方に向かって送られる。溶融金属30bは、冷却ローラ221aと221bとに接すると冷却ローラ221aと冷却ローラ221bにより冷却され、さらに冷却ローラ221aと221bとに挟まれることにより圧延されて所定の厚みになるように成形して下方の案内ローラ231aと231bに向かって送り出される。なお、この隔離空間20内で冷却ローラ221aと221bとにより溶融金属30bが圧延されるとき、隔離空間20内は減圧されているためボイドの巻き込みのような鋳造不良は軽減できる。図10に示すように減圧鋳造で成形した場合、金属塊21の結晶粒界23の周辺にはボイドの発生は見られない。
【0062】
また、隔離空間20内にはArガスが充填されているため、隔離空間20内での溶融金属30b及び圧延成形後の成形金属30cが酸化するのを軽減できるようになっている。
【0063】
さらに、回転モータ225が回転すると案内ローラ回転モータ235は回転モータ225の回転速度に合わせて一方向に回転し、複数の案内ローラ231aと231bも互いに逆回転するように同期回転する。よって、冷却ローラ221aと221bによって下方に送り出される成形金属30cが、複数の案内ローラ231aと231bとに挟まれて、かつ案内されながら液体10の中を通過し、容器201の第2上端開口50に向かって送られる。成形金属30cは液体10を通過して処理装置800外に搬出されることで、成形金属30cが搬出されるときも隔離空間20は液体10により外気と遮断を保ったままであり、また成形金属30cの表面に液体10の例えば、鉱物油の被膜が形成され、成形金属30cが酸化されるのを防ぐようになっている。
【0064】
上記実施形態によれば、隔離空間20を液体10によって外気と遮断し、隔離空間20で処理された物品1を液体10を通って物品処理装置200外に搬出し、また物品処理装置200外から液体10を通って隔離空間20に物品1を搬入することにより、隔離空間20と連続鋳造処理装置800との間で隔離空間20の開放を伴わずに連続して物品1を搬出入することができる。即ち、隔離空間20内で処理された物品1を物品処理装置200外に搬出する毎に、また物品1を物品処理装置200外から隔離空間20内に搬入する毎に隔離空間20内の圧力調整またはガスの導入、排気を行わずに物品1の処理ができ、処理のサイクルタイムを短縮することができる。
【0065】
また、隔離空間20を液体10によって外気と遮断し、隔離空間20で成形された成形金属30cを液体10を通って連続鋳造処理装置800外に隔離空間20の開放を伴うことなく搬出することにより、隔離空間20内の圧力調整またはガスの導入、排気などを生産の当初に一度行えば、連続して、または間欠して成形金属30cを生産することができ、即ち、隔離空間20内で圧延成形された成形金属30cを連続鋳造処理装置800外に搬出するたびに隔離空間20内の圧力調整またはガスの導入、排気を行わずに生産でき、生産のサイクルタイムを短縮することができる。
【0066】
また、隔離空間20内に成形金属30cを蓄えることなく、連続して連続鋳造処理装置800外に搬出することができるため成形金属30cを蓄えるスペースが不要となり装置が小型化できるようになる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0068】
例えば、その第1変形例を図4に示す。
【0069】
物品処理装置900は、図2の物品処理装置700の搬送通路207内に搬送装置230とは異なる働きをする第3搬送装置230aを備えている。第3搬送装置230aは、搬送装置230とは異なる働き、例えば、搬送装置230が物品1を隔離空間20内に搬入する働きのときは、第3搬送装置230aは物品1を隔離空間20から搬出する働きをするようになっている。
【0070】
このような物品処理装置900は、搬送装置230及び第3搬送装置230aのいずれか一方にて、外部58から隔離空間20に物品1を搬入し、いずれかの他方にて、隔離空間20から外部58にへ物品1を搬出できるようになっているため、物品1の搬入と搬出とを同時に別経路でそれぞれ行うことができ、生産性を向上することができる。
【0071】
また、図2の搬送通路207に代えて図1の搬送管205に別の搬送装置を設けた物品処理装置300を以下に説明する。
【0072】
図5に示す物品処理装置300は、図1における物品処理装置200に第3搬送通路209と、第4搬送装置230bとをさらに備えている。
【0073】
第3搬送通路209は、図1における第1縦管部205aに設けられており、水平管部205eと縦管部205fとを備えている。水平管部205eは、両端に左端57eと右端76eとを備えており、横方向に沿って延在した管である。また、縦管部205fは、上端56fに上端開口50fと下端部75fに下端開口71fとを備えており、上下方向に沿って延在した管である。水平管部205eの左端57eは第1縦管部の第3下端開口72に接続され、一方、縦管部205fの下端開口71fは右端76eに接続される。
【0074】
よって、物品処理装置300は、搬送管205と第3搬送通路209とを備えるようになっていて、第3搬送通路209にも液体10が注入されている。
【0075】
水平管部205eには、液体10が完全に注入されるようになっている。即ち、隔離空間20内が大気圧のとき、縦管部205fに注入されている液体10は第2液体基準面97より上方にあるようになっている。なお、図5における液体10の液面の高さは容器201内を減圧した状態を示している。
【0076】
また、第4搬送装置230bは、隔離空間20及び第3搬送通路209に設けられ、隔離空間20と外部58との間で液体10内を通り、物品1を搬送するようになっている。また、第4搬送装置230bは、搬送装置230とは異なる働き、例えば、搬送装置230が物品1を隔離空間内に搬入する働きのときは、第4搬送装置230bは物品1を隔離空間20から搬出する働きをするようになっている。
【0077】
ここで、水平管部205eは第5管部、縦管部205fは第6管部、左端57eは第5管部一端、右端76eは第5管部他端、上端56fは第6管部一端、下端部75fは第6管部他端のそれぞれ一例である。
【0078】
また、上記のように左端57eを第3下端開口72に接続させるに限らず、左端57eを第1縦管部205aの管の途中に接続しても良いし、容器201の容器下部53に接続しても良い。
【0079】
このような物品処理装置300は、搬送装置230及び第4搬送装置230bのいずれか一方にて、外部58から隔離空間20に物品1を搬入し、いずれかの他方にて、隔離空間20から外部58にへ物品1を搬出できるようになっているため、物品1の搬入と搬出とを同時に別経路でそれぞれ行うことができ、生産性を向上することができる。
【0080】
次に、第2変形例を説明する。第2変形例を説明する前にまず、圧力調整装置202によって、隔離空間20内を減圧または加圧した場合の液体10の挙動をを図6、図7をもとに考える。ここで、図6、図7の装置200は、図1に示した装置と同じものであり、液体10の挙動を示すための図であるため、搬送装置230、物品1、制御部600、駆動部226は省略している。
【0081】
隔離空間20を加圧した場合の液体10の変化を図6に示す。第1縦管部205a内に充填されている液体10の第1液面87は、隔離空間20内が加圧することにより下方へ押し下げられる。一方、図7に示すように隔離空間20内を減圧した場合、隔離空間20により第1液面87を吸引する力が生じて、第1液面87が上昇し、その結果、第2縦管部205cに充填されている液体10の第2液面88は下方へと移動する。
【0082】
隔離空間20内の加圧による第1液面87の下への移動量が大きすぎて第1縦管部205aの第1液体基準面96にまで到達した場合、隔離空間20内の気体が水平管部205bを通って第2上端開口50から外部58へ排出され、隔離空間20内の圧力が所定圧力でなくなり、また隔離空間20内に導入されていたガスも排出されてしまい、さらに第2縦管部205cの第2液面88が第2上端開口50を超えて、液体10があふれ出るようになる。
【0083】
逆に、隔離空間20内の減圧による第1液面87の上への移動量が大きすぎて第2縦管部205cの第2液面88が第2縦管部205cの第2液体基準面97にまで到達した場合、外部58の外気が第2上端開口50から水平管部205bを通って隔離空間20内に入り、隔離空間20内の圧力が所定圧力でなくなり、また、隔離空間20内に導入されていたガスの濃度も変化してしまい、さらに第1縦管部205aの第1液面87が上昇して隔離空間20が小さくなってしまう。このように、隔離空間20内の圧力と外部58の外気、即ち大気圧との差が大きいほど第1液面87、第2液面88の上昇量、下降量が増加する。
【0084】
よって、上記のように隔離空間20内の圧力を大気圧に比べて極端に高くしたり、低くしたりする場合、第1縦管部高さL1、第2縦管部高さL2を高くするとともに液体10の量を増やすことで上記の問題は解決される。しかし、第1縦管部高さL1、第2縦管部高さL2をそれぞれ十分に確保できない場合は、以下のように構成することで上記問題は解決される。
【0085】
装置高さ即ち、第1縦管部高さL1、第2縦管部高さL2を低くするために、第2の変形例として、図8に示すように、図1の物品処理装置200の搬送管205に圧力調整部410を取り付けた物品処理装置500とすることができる。圧力調整部410は、例えば、第2液面88に圧力を加圧するか減圧することで、第1液面87、第2液面88の上昇量、下降量がを抑えることができる。よって、物品処理装置500は、第1縦管部高さL1、第2縦管部高さL2を低くすることができ、部品を削減できコストダウンを図ることができるようになる。なお、図8における液体10の液面の高さは容器201内を減圧した状態を示している。
【0086】
第3の変形例として、図8における圧力調整部410の一具体例の構成を備える物品処理装置400を図9に示す。
【0087】
物品処理装置400は、図1における物品処理装置200の第2縦管部205cに2組の圧力調整部410を直列に備えた構成となる。
【0088】
それぞれの圧力調整部410は、第2容器201bと、圧力調整用搬送管208と、圧力調整管用搬送装置230hと、圧力調整用搬送管208に注入される第2液体10hとを備えている。ここで、第2容器201bは中間室の一例であり、圧力調整用搬送管208は第2搬送通路の一例であり、圧力調整管用搬送装置230hは第2搬送装置の一例である。
【0089】
第2容器201bは、物品処理装置200の第2縦管部205cの第2上端56に開口して接続されて、第2容器201b内の圧力は、容器201内の圧力と第2外部58hの圧力との間の所定圧力になるようになっている。ここで、容器201と第2容器201bとの外を第2外部58hとする。また、圧力調整用搬送管208内に注入された第2液体10hにより第2容器201b内は、第2外部58hと遮断され、搬送管205内に注入された第2液体10hにより、第2容器201b内は容器201内の室内気体から遮断されている。よって、第2容器201bは第2隔離空間20bを形成する。ここで、直列に配置されたそれぞれの第2容器201bのうち、容器201から最も遠い第2容器201bによって形成される隔離空間を第3隔離空間20cとする。第2隔離空間20b内と第3隔離空間20c内の圧力を上記のような所定圧力にするために圧力調整装置202を第2容器201bにそれぞれ設けても良い。
【0090】
圧力調整用搬送管208は、図1における物品処理装置200の大略U字形状の搬送管205と同一の構成をしており、第2液体10hが注入され、圧力調整用第1縦管部205gと、圧力調整用第2縦管部205hと、圧力調整用水平管部205jとを備えている。圧力調整用第1縦管部205gと圧力調整用第2縦管部205hと圧力調整用水平管部205jとは、この順で第1縦管部205aと第2縦管部205cと水平管部205bとに対応している。また、圧力調整用第1上端57gと圧力調整用第1下端部76gと圧力調整用第2上端56hと圧力調整用第2下端部75hと圧力調整用右端面60jと圧力調整用左端面61jとはこの順で、第1上端57と第1下端部76と第2上端56と第2下端部75と右端面60と左端面61とに対応している。即ち、圧力調整用第1上端57gは、第2容器201bの下部である第2容器下部53gに開口して接続されている。ここで、圧力調整用第1縦管部205gは第3管部、圧力調整用第1上端57gは第3管部一端、圧力調整用第1下端部76gは第3管部他端、圧力調整用水平管部205jと圧力調整用第2縦管部205hとは第4管部、圧力調整用第2上端56hは第4管部一端、圧力調整用右端面60jと圧力調整用第2下端部75hは第4管部他端、第2容器下部53gは第2下部のそれぞれ一例である。なお、図9における液体10及び第2液体の液面の高さは容器201内を減圧した状態を示している。
【0091】
また、図9における圧力調整用搬送管208は、圧力調整用第1縦管部205gと圧力調整用第2縦管部205hと圧力調整用水平管部205jとによって大略U字形状をなす管にて構成されているが、これに限らず、圧力調整用水平管205jを除いて、圧力調整用第1下端部76gと圧力調整用第2下端部75hとを接続して、大略V字形状をなす管にて構成しても良い。
【0092】
圧力調整管用搬送装置230hは、図1における搬送装置230に接続されて、第2容器201bと圧力調整用搬送管208を通って設けられ、容器201と第2容器201bと第2外部58hとの間で物品1を搬入搬出できるようになっている。
【0093】
このように構成された圧力調整部410を2組並列に設けた物品処理装置400において、隔離空間20、第2隔離空間20b、第3隔離空間20cの順で内部の圧力を外気の圧力に近づけることで、液面80と液面81の差、液面82と液面83との差、液面84と液面85との差をそれぞれ小さくできる。よって、それぞれの搬送管の高さを低くすることができ、物品処理装置400の高さを低くすることができる。
【0094】
また、物品処理装置400は、圧力調整部410を2組直列に設けているが、これに限らず、圧力調整部410を1組または3組以上設けても良い。
【0095】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0096】
【発明の効果】
本発明の物品処理装置によれば、処理室と、搬送通路と、液体と、搬出装置とを備え、搬送通路に注入された液体によって外部の気体から遮断された処理室内に上記液体を通って物品を搬入し、上記処理室で処理された物品を液体を通って外部に搬出することにより、上記処理室の開放を伴わずに上記処理室内と上記外部との間で連続して上記物品を搬出入することができる。よって、処理室内の圧力調整またはガスの導入、排気を行わずに上記物品の処理ができ、処理のサイクルタイムを短縮することができる。
【0097】
また、上記搬送通路は、第1管部一端が上記処理室の下部に開口し、上記処理室の上記下部から下方へ延在する中空の第1管部と、第2管部一端が上記外部に通じて、上記第2管部一端より下方にある第2管部他端が上記第1管部の第1管部他端に連通する中空の第2管部とを備えた管で構成することにより、上記と同様に上記処理室内と上記外部との間で上記処理室の開放を伴わずに連続して上記物品を搬出入することができ、かつ搬送通路を管にすることで搬送通路内に注入する上記液体の量を少量にすることもできる。
【0098】
また、上記搬送通路内に上記搬送装置とは異なる働きをする第3搬送装置をさらに備えることで、上記搬送装置及び上記第3搬送装置のいずれか一方にて、上記外部から上記処理室内に上記物品を搬入し、いずれかの他方にて、上記処理室内から上記外部にへ上記物品を搬出できる。よって、上記物品の搬入と搬出とを同時的に別経路でそれぞれ行うことができ、生産性を向上することができる。
【0099】
また、上記物品は金属であり、上記金属に対して上記処理室内にて減圧下及びガス充填下で処理を行う場合、上記処理室上部に設けられた溶解装置から供給される溶融金属を上記処理室内で冷却しかつ成形して成形金属にし、上記液体内に設けられている搬送装置によって液体を通って外部に上記成形金属を搬出することにより、上記処理室内と上記外部との間で上記処理室の開放を伴わずに連続して上記成形金属を搬出することができる。よって、上記処理室内で処理された上記物品を上記外部に搬出する毎に処理室内の圧力調整またはガスの導入、排気を行わずに上記溶融金属を処理でき、処理のサイクルタイムを短縮することができる。
【0100】
また、上記成形金属は上記処理室内にて上記減圧下で処理されことより、ボイドの巻き込みの少ない上記成形金属を成形することができる。
【0101】
また、上記成形金属は上記外部に上記液体を通って搬出されることにより、上記成形金属の表面に上記液体が付着し、上記成形金属の酸化を防止することができる。
【0102】
また上記した効果以外に以下の効果がある。
【0103】
上記処理室と上記外部との差圧を調整する圧力調整部を上記搬送通路にさらに備えることにより、上記処理室と上記外部との差圧を小さくすることができ、上記搬送通路の高さを低くすることができる。
【0104】
より具体的には、上記圧力調整部は、中間室と、第2搬送通路と、第2液体と、第2搬送装置とを備え、上記中間室は、上記第2管部の上記第2管部一端に開口して接続され、上記処理室と上記中間室との外部の外部気体の圧力と、上記処理室の上記室内気体の圧力との間の圧力に設定され、上記第2搬送通路は、第3管部一端が上記中間室の下部に開口し、上記下部から下方へ延在する中空の第3管部と、第4管部一端が上記外部に通じて、上記第4管部一端より下方にある第4管部他端が上記第3管部の第3管部他端に連通する中空の第4管部とを備えた管にてなり、上記第2液体は、上記中間室内の中間室内気体を上記外部の外部気体から遮断し、上記第2搬送通路に注入されることにより、上記処理室内と上記中間室及び上記中間室と上記外部とのそれぞれの差圧を小さくすることができる。よって、上記搬送通路及び第2搬送通路の高さを低くすることができる。
【0105】
また本発明の物品処理方法によれば、上記処理室の室内気体を上記外部の外部気体から遮断する上記液体を通って上記外部から上記処理室内に上記処理室を開放することなく上記物品の搬入をし、上記液体を通って上記処理室内から上記外部に上記処理室の開放することなく上記処理室内で処理された上記物品の搬出を行う。この結果、上記処理室内で処理された上記物品を上記外部に搬出する毎に、また上記物品を上記外部から上記処理室内に搬入する毎に処理室内の圧力調整またはガスの導入、排気を行わずに上記物品の処理ができ、処理のサイクルタイムを短縮することができる。
また本発明のMg合金処理方法によれば、溶解されたMg合金を、不活性ガスが導入された処理室内へ供給する工程と、上記溶解されたMg合金を冷却しかつ成形して成形金属にする工程と、上記処理室に配置された液体を通って、上記成形金属を搬出する工程とを順次に行う。この結果、上記Mg合金の上記成形金属を搬出する毎に処理室内の圧力調整またはガスの導入、排気を行わずにMg合金の処理ができ、処理のサイクルタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態にかかる物品を隔離空間で処理する物品処理装置構成を示す一部断面図にてなる概念図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態にかかる物品処理装置である図1の搬送管の別の例を示した隔離空間で処理する物品処理装置構成を示す一部断面図にてなる概念図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態にかかる物品処理装置の1具体的実施例である連続鋳造処理装置の構成を示す一部断面図にてなる概略図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の第1変形例の構成を示す一部断面図にてなる概略図である。
【図5】 本発明の第1実施形態の第1変形例の搬送通路を管に変えた場合の構成を示す一部断面図にてなる概略図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態にかかる図1における隔離空間内を加圧した場合の液面の様子を表した図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態にかかる図1における隔離空間内を減圧した場合の液面の様子を表した図である。
【図8】 本発明の第1実施形態の第2変形例の構成を示す一部断面図にてなる概略図である。
【図9】 本発明の第1実施形態の第2変形例の1具体的実施例の構成を示す一部断面図にてなる概略図である。
【図10】 本発明の第1実施形態による成形された金属塊の模式図である。
【図11】 従来の方法で成形された金属塊の模式図である。
【符号の説明】
1…物品、10…液体、10h…第2液体、20…隔離空間、20b…第2隔離空間、20c…第3隔離空間、21…金属塊、23…結晶粒界、24…ボイド、30a…固体金属、30b…溶融金属、30c…成形金属、50…第2上端開口、50f…上端開口、51…第1上端開口、52…容器上部開口、53…容器下部、56…第2上端、56f…上端、56h…圧力調整用第2上端、57…第1上端、57e…左端、57g…圧力調整用第1上端、58…外部、60…右端面、60j…圧力調整用右端面、61…左端面、61j…圧力調整用左端面、70…第1下端開口、71…第2下端開口、71f…下端開口、72…第3下端開口、75…第2下端部、75f…下端部、75h…圧力調整用第2下端部、76…第1下端部、76e…右端、76g…圧力調整用第1下端部、80…液面、81…液面、82…液面、83…液面、84…液面、85…液面、86…溶解室下部、87…第1液面、88…第2液面、90…溶融金属供給方向、91…冷却ローラ第1回転方向、92…冷却ローラ第2回転方向、93…案内ローラ第1回転方向、94…案内ローラ第2回転方向、95…搬送方向、96…第1液体基準面、97…第2液体基準面、100…溶解装置、101…溶解室、102…加熱ヒータ、103…投入穴、104…注湯装置、106…注湯口、110…温度センサ、L1…第1縦管部高さ、L2…第2縦管部高さ、200…物品処理装置、201…容器、201b…第2容器、202…圧力調整装置、203…気体導入・排気装置、205…搬送管、205a…第1縦管部、205b…水平管部、205c…第2縦管部、205e…水平管部、205f…縦管部、205g…圧力調整用第1縦管部、205h…圧力調整用第2縦管部、205j…圧力調整用水平管部、207…搬送通路、208…圧力調整用搬送管、209…第3搬送通路、220…冷却装置、221a…冷却ローラ、221b…冷却ローラ、222a…回転軸、222b…回転軸、225…回転モータ、226…駆動部、230…搬送装置、230a…第3搬送装置、230b…第4搬送装置、230h…圧力調整管用搬送装置、231a…案内ローラ、231b…案内ローラ、232a…案内ローラ軸、232b…案内ローラ軸、235…案内ローラ回転モータ、300…物品処理装置、400…物品処理装置、410…圧力調整部、500…物品処理装置、600…制御部、700…物品処理装置、800…物品処理装置、900…物品処理装置。

Claims (1)

  1. 溶解されたMg合金、不活性ガスが導入され1800〜2400Paの圧力で制御された処理室内へ供給される工程と、
    上記処理室内へ供給され溶解されたMg合金を二つの冷却ローラで挟んで冷却しかつ成形して成形金属にする工程と、
    上記成形金属が鉱物油内を通って、上記処理室外へ上記成形金属を搬出させる工程と、
    を順次に行うことを特徴とするMg合金処理方法。
JP2002340657A 2002-11-25 2002-11-25 Mg合金処理方法 Expired - Fee Related JP4274781B2 (ja)

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