JP4274391B2 - カラーフィルタ用印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルタの製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルタの製造工程は、ガラス基板上に真空成膜法等を用いてクロムを成膜する工程と、フォトレジストを塗布しフォトマスクを配置して露光、現像、クロムエッチング、フォトレジスト剥離を行いストライプ状パターンあるいは格子状パターン等からなるブラックマトリックスを形成する工程と、ブラックマトリックスの上から着色用感材を塗布した後、フォトマスクを配置し露光し現像を行い着色パターンを形成し、この着色パターンをR、G、B3色について繰り返して複数の着色層を形成する工程と、これら着色層の上に必要に応じて保護層(オーバーコート層)を形成する工程と、酸化インジウム錫を成膜し透明導電層(ITO)を形成する工程とからなる。
【0003】
上記のようにカラーフィルタの高精細の着色パターンの形成には、フォトリソグラフィー法が用いられているが、この方法は、多数の工程を経て製造され、また、量産には大がかりな装置を必要としている。これに対して、印刷によってパターンを形成する方法は、量産に好適な方法であるが、印刷によって得られるパターンはその精度において、フォトリソグラフィーに比べて劣るという問題点があった。
【0004】
従来、高精細パターンを印刷する方法としては、例えば特開昭62−85202号公報に見られるグラビアオフセット法が知られているが、ブランケット(中間胴)から被印刷体への転写の際に形状の変化が生じ、版形状が正確に再現されず、版形状を数10μmのレベルで再現することは困難であった。
【0005】
この問題を解決するために、本発明者は、別途、表面に粘弾性を有する層を設けた印刷基材に、凹版内のインキを転写する高精細印刷方法を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の高精細印刷方法により高精細のグラビア印刷が可能になったが、多色印刷に適用する場合は、新たな問題を生じる。通常、グラビア印刷方式による多色印刷においては、印刷ラインに沿って複数の印刷ユニットを配置して多色印刷する方式が行われている。
【0007】
しかしながら、グラビア印刷方式での多色印刷の際の見当合わせは、アライメントマークの検出、印刷基材のテンションコントロール、位置補正等により精密制御する必要があり、これによっても高精細印刷パターンにおいては、見当あわせに限界があり±100mμ以下にすることは困難であった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであって、簡単に高精細の着色パターンを印刷することができるカラーフィルタ用印刷装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のカラーフィルタ用印刷装置は、印刷基材7の印刷ラインLに沿って配設されたカラー印刷ユニットCと、カラー印刷ユニットCの下流側に配設された転写装置とを備え、カラー印刷ユニットCのグラビア胴4の外周面には各色毎にスパイラル状の凹溝からなる着色パターン5が形成され、各色の着色パターン5に独立して各色のインキを供給可能にしたことを特徴とする。なお、上記構成に付加した番号は、本発明の理解を容易にするために図面と対比させるもので、これにより本発明が何ら限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図3は、本発明で採用されるグラビア印刷方式を説明するための図である。
【0011】
印刷装置1において、インキ2は回転するファニッシャーローラ3に均一に付着され、次いで、ファニッシャーローラ3と接触して回転するグラビア胴4上に形成された印刷パターン5にインキが充填され、さらに、印刷パターン5のインキの表面がドクター6によって整形される。次いで、印刷基材7が連続的にグラビア胴4の表面に供給され、グラビア胴4と反対の面から回転する圧胴8によって押圧され、印刷基材7の面上にグラビア胴4の印刷パターン5に充填されたインキパターン9が転写される。
【0012】
図4は、図3において、グラビア胴から印刷基材にインキが転写される過程を示す図である。図4(A)において、印刷基材7は、圧胴8によってグラビア胴4の表面に所定の圧力によって密着させられるが、印刷基材7が背面から圧胴8により加圧されてグラビア胴4のパターン非形成部10に接触させられると、印刷基材7の支持体11の表面に形成されたタック層12がパターン非形成部10に密着する。
【0013】
タック層12は、グラビア胴4の回転に伴って、接触部を変えながら移動する。図4(A)に示すように、印刷基材7の表面が印刷パターン5と接触して印刷基材7側へのインキの転写が始まった段階では、印刷パターン形成部の近傍13では、印刷基材7の表面のタック層12は、依然としてグラビア胴4のパターン非形成部10と密着している。回転に伴って移動した印刷基材7は、図4(B)に示すように、印刷パターン5の近傍のパターン非形成部14に一部が接触した状態で転写が進むので、正確に位置決めが行われた状態で転写が完了することになる。
【0014】
上記印刷基材7の支持体11は、厚さが10〜50μmで、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の合成樹脂製フィルム等の強度が大きくまたヤング率も大きな合成樹脂フィルム等が好適である。また、タック層12は、厚さが20〜50μmで、粘弾性もしくはタック性を有し、具体的にはグラビア胴への粘着性、インキの転写の際の溶剤の吸収によるインキの増粘特性とともに、加熱によって支持体から容易に剥離する剥離性を有する材料、例えばシリコン系コポリマーとしてジメチルポリシロキサン、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−イソシアネートエチル、メタクリレート、またはジメチルポリシロキサンまたはメチルフェニルポリシロキサンまたはメチルフロロポリシロキサンが好ましい。このタック層12は、インキの転写の際に表面の粘弾性もしくはタック性により、転写されたインキパターンの形状が正確に再現されるという特徴を有している。
【0015】
図5は、図4においてタック層へのインキの転写を説明するための図である。印刷基材7の支持体11には、強度が大きな合成樹脂フィルムを使用している。これらの基材が、インキ中の溶剤が浸透しないために、転写したインキは、徐々に表面より溶剤が揮発して転写インキパターン15の形状が安定した状態になるが、支持体11上に形成したタック層12は、インキの溶剤を吸収する作用を有しているので、インキがタック層12に転写された際にインキ中の溶剤16がタック層12へ吸収されて、インキパターン中の溶剤が減少し、インキは粘度を高めることとなり、パターン形状の保持性が良好になる。このような特性は、タック層への転写の開始時から発現するために、タック層12上へインキパターンの形状が正確に転写される。
【0016】
次いで、得られた印刷基材上に形成されたインキパターンを被印刷体へ転写する。図6は、被印刷体への転写方法を説明するための図である。印刷基材7は、支持体11上に転写インキパターン15を有しており、被印刷体17とともに転写ロール18に送られる。転写ロール18の加圧ロールは、所定の圧力及び温度に加圧、加熱されており、タック層から転写インキパターン15が被印刷体17に転写される。
【0017】
図1は、本発明のカラーフィルタ用印刷装置の1実施形態を示し、図1(A)は断面図、図1(B)は図1(A)のグラビア胴4の斜視図、図1(C)は着色パターンの模式図、図1(D)は印刷基材に転写された着色パターンの平面図、図1(E)は被印刷体に転写された着色パターンの平面図である。
【0018】
図1(A)において、印刷ラインLに沿って、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色パターンを印刷するためのカラー印刷ユニットCが配設されている。カラー印刷ユニットCは、図3で説明したグラビア胴4を備え、グラビア胴4には、インキ容器25、ポンプ26及びロータリジョイント27を経てインキが供給される構造となっている。供給ロール20に巻回された印刷基材7は、テンションロール21、圧胴8の周面及び転写装置24を経て巻取ロール22に巻回されている。図1(B)、(C)に示すように、グラビア胴4の外周面には、R、G、B三色についてスパイラル状の凹溝からなる着色パターン5が形成されている。
【0019】
図2は、図1に示したグラビア胴へのインキ供給構造を示す模式図である。グラビア胴4の外周面に形成されたR、G、B三色の着色パターン5は、それぞれグラビア胴4の内部に同心円状に形成されたインキ供給通路28を経て、ロータリジョイント27、ポンプ26、インキ容器25に接続されている。
【0020】
上記構成からなる本発明のカラーフィルタ用印刷装置の作用について説明する。カラー印刷ユニットCのグラビア胴4は、圧胴8の回転に同期して駆動され、インキ容器25から供給されるインキは、ポンプ26のコントロールにより印刷基材7上に、図1(D)に示すように、ストライブ状の着色パターン15が転写される。印刷パターンが転写された印刷基材7は、転写装置24の転写型24aにより被印刷体(ガラス基板)17に押圧、加熱され、図1(E)に示すように、所定の形状の着色パターン15aが被印刷体17上に転写され、以下、周知の方法でカラーフィルタが製造される。
【0021】
なお、本例においては、1枚の被印刷体に1つの着色パターン15aを転写するようにしているが、複数の着色パターンを転写するようにしてもよい。また、転写型24aは、被印刷体に印刷パターンが転写された際、カラーフィルタのパターン形状が形成される転写型を有すればどのような形状でもよいが、例えば1枚の被印刷体に1枚(1面)のカラーフィルタの着色パターンが転写される1つのベタ形状を有する転写型、1枚の被印刷体に2枚(2面)のカラーフィルタの着色パターンが転写される2つのベタ形状を有する転写型、さらに選択的に着色パターンを転写するものとしてストライブ形状の転写型等があげられる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、見当合わせが不要になり、簡単に高精細の着色パターンを印刷することができるカラーフィルタ用印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタ用印刷装置の1実施形態を示し、図1(A)は断面図、図1(B)は図1(A)のグラビア胴4の斜視図、図1(C)は着色パターンの模式図、図1(D)は印刷基材に転写された着色パターンの平面図、図1(E)は被印刷体に転写された着色パターンの平面図である。
【図2】図1に示したグラビア胴へのインキ供給構造を示す模式図である。
【図3】本発明で採用されるグラビア印刷方式を説明するための図である。
【図4】図3において、グラビア胴から印刷基材にインキが転写される過程を示す図である。
【図5】図4においてタック層へのインキの転写を説明するための図である。
【図6】被印刷体への転写方法を説明するための図である。
【符号の説明】
C…カラー印刷ユニット
L…印刷ライン
4…グラビア胴
5…着色パターン
7…印刷基材
24…転写装置
Claims (2)
- 印刷基材の印刷ラインに沿って配設されたカラー印刷ユニットと、該カラー印刷ユニットの下流側に配設された転写装置とを備え、前記カラー印刷ユニットのグラビア胴の外周面には各色毎にスパイラル状の凹溝からなる着色パターンが形成され、各色の着色パターンに独立して各色のインキを供給可能にしたことを特徴とするカラーフィルタ用印刷装置。
- 上記転写装置は、被印刷体へ転写されるサイズに対応するカラーフィルタのパターン形状の転写型を有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用印刷装置。
Priority Applications (1)
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JP14281498A JP4274391B2 (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | カラーフィルタ用印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14281498A JP4274391B2 (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | カラーフィルタ用印刷装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11334034A JPH11334034A (ja) | 1999-12-07 |
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Family
ID=15324257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14281498A Expired - Fee Related JP4274391B2 (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | カラーフィルタ用印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4274391B2 (ja) |
-
1998
- 1998-05-25 JP JP14281498A patent/JP4274391B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11334034A (ja) | 1999-12-07 |
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