JP4274359B2 - 動力伝達用無端帯状体におけるテンション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関におけるタイミングチエン又はタイミングベルト等のように、二つの動力伝達輪体の間に巻掛けした動力伝達用無端帯状体において、当該無端帯状体を緊張するためのテンション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関において、そのクランク軸の回転をカム軸に伝達するために、前記クランク軸上における主動スプロケットと、前記カム軸上における従動スプロケットとの間に巻掛けしたタイミングチエン(又はタイミングベルト)は、当該タイミングチエンのうち前記両スプロケット間において緩み側になる部分の外側に、このタイミングチエンの長手方向に沿って延びるように薙刀状に形成したガイド体を接触して、このガイド体を、ばね等のテンショナにて、内向き方向に押圧付勢することにより、所定のテンションで緊張するように構成していることは、例えば、特許文献1及び2に記載されているとおり、良く知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−311395号公報
【特許文献2】
特開2002−89636号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このテンション装置において、前記ガイド体は、その一端部を一方のスプロケットにできるだけ近接するように延長するという構成にすることが、チエン外れの防止とか、或いは、チエンの噛合音を低減する等の意味から好ましいことである。
【0005】
しかし、このように構成すると、前記タイミングチエンにおける過度の延びに追従して、前記ガイド体が大きく内向きに移動したとき、このガイド体における一端部が一方のスプロケットに対して、大きな力で過度に押し付けられることになるから、大きな騒音が発生するばかりか、この部分にチエンが噛み込むという故障が発生するおそれがある等の問題があった。
【0006】
本発明は、これらの問題を解消したテンション装置を提供することを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明の請求項1は、
「主動側動力伝達輪と従動側動力伝達輪との間に無端帯状体を巻掛けし、この無端帯状体のうち前記両動力伝達輪間において緩み側になる部分の外周面に、この無端帯状体に沿って延びるように構成したガイド体を接触し、このガイド体を、油圧又はばねのテンショナにて、内向きの方向に押圧して成るテンション装置において、
前記ガイド体における一端部を、当該一端部が前記動力伝達輪に対して接触するか、或いは前記無端帯状体を動力伝達輪との間に挟む状態になったとき、外向き方向に折れるように構成した。」
ことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2は、
「主動側動力伝達輪と従動側動力伝達輪との間に無端帯状体を巻掛けし、この無端帯状体のうち前記両動力伝達輪間において緩み側になる部分の外周面に、この無端帯状体に沿って延びるように構成したガイド体を接触し、このガイド体を、油圧又はばねのテンショナにて、内向きの方向に押圧して成るテンション装置において、
前記ガイド体における一端部を、弾性に抗して外向き方向に屈曲できるように構成した。」
ことを特徴としている。
【0010】
【発明の作用及び効果】
前記請求項1の記載によると、ガイド体が、無端帯状体の延びに追従して内向きに移動することによって、その一端部が動力伝達輪体に対して接触したとき、この一端部は、外向き方向に折れることにより、この一端部における動力伝達輪体に対する押圧接触が解除されるから、激しい騒音が発生すること、及び、無端帯状体の噛み込みが発生することを確実に低減できる。
【0012】
また、前記請求項2の記載によると、前記一端部が動力伝達輪体に対して接触したときにおける過度の押圧を、その弾性に抗しての外向き方向への屈曲によって緩和することができるから、激しい騒音が発生すること、及び、無端帯状体の噛み込みが発生することを確実に低減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、内燃機関に適用した場合の図面について説明する。
【0014】
図1は、第1の実施の形態を示す。
【0015】
この図において符号1は、内燃機関のシリンダブロック(図示せず)におけるクランク軸を、符号2は、前記内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)における吸気弁(図示せず)に対するカム軸を、符号3は、前記内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)における排気弁(図示せず)に対するカム軸を各々示す。
【0016】
前記クランク軸1に嵌着した主動側のスプロケット(動力伝達輪体)4と、前記両カム軸2,3に嵌着した従動側のスプロケット(動力伝達輪体)5,6との間には、タイミングチエン(無端帯状体)7を巻掛けすることにより、前記クランク軸1の回転を半分に減速して両カム軸2,3を伝達して、この両カム軸2,3を矢印の方向に回転するように構成されている。
【0017】
前記タイミングチエン7のうち緩み側の部分、つまり、前記クランク軸1上のスプロケット4と、吸気弁用のカム軸2上のスプロケット5との間の部分には、前記タイミングチエン7の長手方向に沿って延びるように薙刀状に形成したガイド体8を、当該ガイド体8がタイミングチエン7の外周面に接触するように配設して、このガイド体8における下端部、つまり、前記主動側スプロケット4側の端部を、前記内燃機関のシリンダブロックに対してピン9にて回転自在に枢着する一方、前記ガイド体8を、前記シリンダブロック又はシリンダヘッド等に設けた油圧又はばね式のテンショナ10にて内向き方向に回動するように付勢することにより、前記タイミングチエン7を所定のテンションで緊張するように構成している。
【0018】
そして、前記ガイド体8における上端部、つまり、吸気弁用スプロケット5側の一端部11には、当該一端部11をガイド体8からブレイクするための切欠溝12を設ける。
【0019】
この構成において、ガイド体8が、タイミングチエン7の延びに追従して内向きに移動することによって、その一端部11が吸気弁用スプロケット5に対して接触したとき、この一端部11は、図1に二点鎖線で示すように、その切欠溝12の箇所で外向き方向に折れて、吸気弁用スプロケット5から離れることになるから、前記一端部11における前記吸気弁用スプロケット5に対する過度な押圧接触が解除される。
【0020】
なお、この折れた一端部11′は、落下して、その下方に設けたボックス15内に入るように構成されている。これにより、折れ片が、他の部分等における回転を阻害するような不具合が発生することを回避できる。
【0021】
次に、図2及び図3は、第2の実施の形態を示す。
【0022】
この第2の実施の形態は、前記ガイド体8のうち前記吸気弁用スプロケット5側の一端部11aを、前記ガイド体8に対して外向きの方向に自在に回転するようにピン13にて連結し、この一端部11aと前記ガイド体8との間には、前記ピン13よりも内側にずれた部分に引っ張りばね14を装架して、この引っ張りばね14により、前記一端部11aをガイド体8に対して真っ直ぐの状態に保持するように構成したものである。
【0023】
この構成によると、ガイド体8が、タイミングチエン7の延びに追従して内向きに移動することによって、その一端部11aが吸気弁用スプロケット5に対して接触したとき、この一端部11aは、これに真っ直ぐの状態に保持する引っ張りばね14のばね力に抗してピン13を中心にして外向き方向に折れるように回動し、前記引っ張りばね14における作用線が前記ピン13の中心より外側に移動したとき、つまり、いわゆる支点越えしたとき、前記引っ張りばね14にて、図3に示すように、外向きに折れ曲がって、吸気弁用スプロケット5から離れることになるから、前記一端部11aにおける前記吸気弁用スプロケット5に対する過度な押圧接触が解除される。
【0024】
前記第1の実施の形態によると、ガイド体8を元の状態に復元することはできないが、前記第2の実施の形態による構成によると、ガイド体8を、当該ガイド体8に対して一端部11aを真っ直ぐに連結した状態に復元できるから、繰り返して使用できる利点がある。
【0025】
次に、図4は、第3の実施の形態を示す。
【0026】
この第3の実施の形態は、前記ガイド体8における一端部11bを、板ばね等の弾性体製にするか、或いは、板ばね等の弾性体を介してガイド体8に連結することにより、弾性に抗して外向き方向に屈曲できるように構成したものであり、この構成によると、前記一端部11bが吸気弁用スプロケット5に対して接触したときに、二点鎖線で示すように、その弾性に抗して外向きに屈曲するから、この弾性に抗しての外向き方向への屈曲によって、当該一端部11bが吸気弁用スプロケット5に対して過度に押圧されるのを緩和することができる。
【0027】
また、この第3の実施の形態の構成によると、前記ガイド体8における内向き移動が解消すると、その一端部11bは、弾性にて元の状態に自動的に復帰することになる。
【0028】
なお、前記した各実施の形態は、内燃機関において、回転をクランク軸からカム軸に伝達するタイミングチエンに適用した場合であったが、本発明は、これに限らず、タイミングベルトについても同様に適用できるほか、その他の動力伝達箇所における無端チエン又は無端ベルト等の無端帯状体に対しても適用できることはいうまでもない。特に、無端ベルト等の場合には、前記ガイド体における内向き移動にてこの無端ベルト等を動力伝達輪との間に挟む状態になったとき、折れる等して動力伝達輪から離れるように構成すれば良いのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す正面図である。
【図2】第2の実施の形態を示す要部拡大図である。
【図3】第2の実施の形態において作用を示す図である。
【図4】第3の実施の形態を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
1 クランク軸
2,3 カム軸
4 主動側スプロケット(動力伝達輪体)
5,6 従動側スプロケット(動力伝達輪体)
7 タイミングチエン(無端帯状体)
8 ガイド体
10 テンショナ
11,11a ,1 1c 一端部
Claims (2)
- 主動側動力伝達輪と従動側動力伝達輪との間に無端帯状体を巻掛けし、この無端帯状体のうち前記両動力伝達輪間において緩み側になる部分の外周面に、この無端帯状体に沿って延びるように構成したガイド体を接触し、このガイド体を、油圧又はばねのテンショナにて、内向きの方向に押圧して成るテンション装置において、
前記ガイド体における一端部を、当該一端部が前記動力伝達輪に対して接触するか、或いは前記無端帯状体を動力伝達輪との間に挟む状態になったとき、外向き方向に折れるように構成したことを特徴とする動力伝達用無端帯状体におけるテンション装置。 - 主動側動力伝達輪と従動側動力伝達輪との間に無端帯状体を巻掛けし、この無端帯状体のうち前記両動力伝達輪間において緩み側になる部分の外周面に、この無端帯状体に沿って延びるように構成したガイド体を接触し、このガイド体を、油圧又はばねのテンショナにて、内向きの方向に押圧して成るテンション装置において、
前記ガイド体における一端部を、弾性に抗して外向き方向に屈曲できるように構成したことを特徴とする動力伝達用無端帯状体におけるテンション装置。
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