JP4273753B2 - 温水洗浄便座 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座と便蓋を開閉駆動する温水洗浄便座に関し、詳しくは、便座と便蓋を開閉駆動するのに加えて、便器本体の内部の洗浄・脱臭をも一つの駆動モータを使って一連におこなえるようにして、構成を簡素化しながら使いやすくし、商品価値を高めようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、便座と便蓋を開閉駆動する温水洗浄便座は、例えば、一つの駆動モータの出力を便座側及び便蓋側に欠歯歯車により切替えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
又、便座と便蓋を開閉駆動する温水洗浄便座は、例えば、一つの駆動モータの出力を便座側及び便蓋側にカムにより切替えるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1及び2においては、便座及び便蓋を単独にて駆動する機構であり、しかも、便器本体の内部を洗浄及び脱臭する機能を備えていないものである。
【0005】
ところで、便座と便蓋を開閉駆動する構成に加えて、便器本体の内部を洗浄及び脱臭する機能部を備える温水洗浄便座においては、便器本体の内部を洗浄及び脱臭する機能の駆動部は、便座及び便蓋を駆動する駆動部とは別にするのであり、構成が複雑になるのであり、当然に、便座及び便蓋の開閉動作に便器本体の洗浄及び脱臭機能部(洗浄・脱臭ノズル)の動きを連動させるなどできないものであり、使い難いものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−111959号公報(図1)
【0007】
【特許文献2】
特開平11−99092号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、便座と便蓋の開閉機能に加えて、便器本体の内部の洗浄・脱臭をおこなう機能を備えながら、一つの駆動モータを使って、便座と便蓋の開閉動作に連動して、便器本体の内部の洗浄・脱臭をおこなう機能部の動作をおこなえるようにし、構成を簡素化しながら使いやすくして商品価値を高めることができる温水洗浄便座を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明においては、便蓋2と便座3を開閉駆動する開閉駆動機構イと、便蓋2の閉じ位置をロックする便蓋ロック手段51と、便器本体1の内部を伸縮自在となって洗浄及び脱臭する洗浄・脱臭ノズル21と、洗浄・脱臭ノズル21を伸縮駆動するノズル駆動機構ロと、洗浄・脱臭ノズル21に温水、ミストあるいは高温スチームを切替え供給する供給部50とを備え、便蓋ロック手段51で便蓋2を閉じ位置にロックした状態で洗浄・脱臭ノズル21より便器本体1内に高温スチームを噴射可能にしていることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成によれば、便蓋2と便座3の開閉駆動ができるうえに、便器本体1の内部を温水、ミストあるいは高温スチーム等で洗浄及び脱臭することができ、温水洗浄便座の機能を高めながら、便座3及び便蓋2の開閉動作に連動してノズル駆動機構ロを作動させて便器本体1の内部の洗浄・脱臭をおこなうことができ、しかも、便蓋2を閉じ姿勢でロックした安全な状態で高温スチームによる洗浄・脱臭がおこなえるので、使いやすく、温水洗浄便座の商品価値を大幅に高めることができる。
【0011】
請求項2の発明においては、一つの駆動モータ19の駆動力を開閉駆動機構イとノズル駆動機構ロとに連動して伝達する連動伝達機構ハを備え、開閉駆動機構イとノズル駆動機構ロは、一つの駆動モータ19で駆動して成ることを特徴とするものである。この構成によれば、駆動は一つの駆動モータ19として駆動構成を簡素化することができる。
【0012】
請求項3の発明においては、ノズル駆動機構ロは、便蓋2及び便座3の開閉位置に応じて作動可能に構成していることを特徴とするものである。このような構成によれば、便蓋2及び便座3の開閉位置に応じてノズル駆動機構ロが作動され、例えば、便蓋2の閉じ位置においてノズル駆動機構ロが作動されて使用後に自動的に洗浄・脱臭をおこなうことができる。又、例えば、ノズル駆動機構ロは、便蓋2が開で便座3が閉位置において作動され、使用前のプレ洗浄がおこなえ、汚れが付くのを低減でき、脱臭もおこなえる。又、例えば、ノズル駆動機構ロは、便座3の開位置において作動して、男性の小便に際して、プレ洗浄・脱臭ができ、汚れが付くのを低減でき、洗浄水を流すことで小便の飛散を防止することができる。
【0013】
請求項4の発明においては、洗浄・脱臭ノズル21の伸縮位置を電気的に検知する電気的検知手段を設けていることを特徴とするものである。このような構成によれば、洗浄・脱臭ノズル21の伸縮制御を電気的におこなえ、かつ、機械的な制御にリンクできる。
【0014】
請求項5の発明においては、洗浄・脱臭ノズル21の上下噴射角度の調整を機械的手段にておこなうことを特徴とするものである。このような構成によれば、洗浄・脱臭等における噴出角度を簡素な構成で適正値にしやすい。
【0015】
請求項6の発明においては、洗浄・脱臭ノズル21に近接させて局部洗浄ノズル53を設けていることを特徴とするものである。このような構成によれば、人体の局部を洗浄する局部洗浄ノズル53を洗浄・脱臭ノズル21により洗浄・脱臭・殺菌をおこなうことができる。
【0016】
請求項7の発明においては、洗浄・脱臭ノズル21は、伸縮方向を軸として揺動又は回動させる揺動手段54を備えていることを特徴とするものである。このような構成によれば、便器本体1の内面の全面を洗浄・脱臭することができる。
【0017】
請求項8の発明においては、便座3への着座を検知する着座検知手段を設け、着座検知手段の検知結果に基づいて、着座直後は温水とミストの噴出を繰り返し、その後、ミストの噴出のみとする制御をおこなう制御手段を備えていることを特徴とするものである。このような構成によれば、汚れ付き防止と脱臭を効果的におこなうことができる。
【0018】
請求項9の発明においては、便座3より人体が離れたことを検知する使用済み検知手段を設け、使用済み検知手段の検知結果に基づいて、便器本体1の内部の洗浄をおこなった後、便蓋2を閉じて高温スチーム洗浄をおこなう洗浄手段を備えていることを特徴とするものである。このような構成によれば、使用後において、自動的に便器本体1の内部の洗浄をおこない、その後、便蓋2を閉じて高温スチーム洗浄をおこなうことができ、一層、使いやすく、バリアフリーへの対応ができる。
【0019】
請求項10の発明においては、開閉駆動機構イ及びノズル駆動機構ロが温水洗浄便座本体57の中央部に配置され、便蓋2及び便座3の回動軸部58、59が温水洗浄便座本体57を挟み込むようにして接合されていることを特徴とするものである。このような構成によれば、開閉駆動機構イ及びノズル駆動機構ロの配置構成において有利となる。
【0020】
請求項11の発明においては、先端に噴出部31を備えた円筒体26を外部ケース25に伸縮方向を軸として回転自在に保持し、円筒体26より伸縮方向とは略直交する方向にリンクピン37を側方に突出し、リンクピン37にリンク41を枢支連結し、リンク41をクランク機構61によって上下方向に昇降させて円筒体26を左右方向に揺動させる揺動手段54を備えていることを特徴とするものである。このような構成によれば、噴出部31を備えた円筒体26の伸縮及び揺動を機械的におこなうことができ、ノズル駆動機構ロに組み込むことができる。
【0021】
請求項12の発明においては、円筒体26にラック22を形成し、ラック22にノズル駆動機構ロの欠歯ピニオン23を噛合していることを特徴とするものである。このような構成によれば、欠歯ピニオン23を連続回転させながら、ラック22を駆動したり駆動しない状態を得ることができ、噴出部31を備えた円筒体26の伸縮動作をノズル駆動機構ロに組み込むことができる。
【0022】
請求項13の発明においては、円筒体26の先端に噴出部31を上下首振り自在に設け、円筒体26が外部ケース25に最も収納された収縮時に噴出部31に当接して設定噴出角度に首振りをおこなうガイドブロック43を設けていることを特徴とするものである。このような構成によれば、洗浄・脱臭ノズル21の収縮状態において噴出部31の首振り角度を設定噴出角度にできながら、このような構成をノズル駆動機構ロに組み込むことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1(a)は駆動系統を示す側面図、同図(b)は概略斜視図である。図2は駆動系統を示す正面図である。
【0024】
便器本体(暖房便座機能を備えたものであってもよい)1には便蓋2及び便座3を回動自在に保持している。便蓋2の回転中心に便蓋従動軸4を軸受10にて回転自在に支持し、便蓋従動軸4に従動歯車5を固定している。便蓋従動軸4の延長線上には便座補助従動軸9を軸受10にて回転自在に保持している。便座補助従動軸9には補助従動歯車5aとプーリ7を設けている。
【0025】
便座3の回転中心に便座従動軸6を軸受10にて回転自在に保持している。便座従動軸6にプーリ8を設けている。プーリ7、8間にはベルト11が巻回されて便座補助従動軸9と便座従動軸6とが連結されている。
【0026】
便座従動軸6と平行に雄ねじ部12aを形成した中間軸12を軸受10及び送り雌ねじ付き軸受13にて保持して、中間軸12の回転に伴って中間軸12をねじ送りによる軸方向に移動自在にしている。中間軸12に従動側中間歯車14を設け、中間軸12の一端部には軸方向に長い駆動側中間歯車15を設けている。
【0027】
中間軸12と平行に駆動側歯車軸16を設け、駆動側歯車軸16の一端には駆動歯車17を設け、他端にはプーリ18を取り付けている。駆動モータ19からの駆動力を減速ユニット20よりベルト63を介して駆動側歯車軸16に伝達し、駆動歯車17が駆動側中間歯車15に噛合して中間軸12を駆動回転させるようにしている。
【0028】
しかして、図2及び図3に示すように、中間軸12における従動側中間歯車14が原点N(便座3及び便蓋2が閉じられている)において駆動モータ19が駆動されると、中間軸12が回転するとともに図2及び図3の右方向(矢印X方向)にねじ送りされ、従動側中間歯車14が従動側中間歯車14に噛み合って便蓋従動軸4を回転させて便蓋2を開き、便蓋2の開きが完了すると、従動側中間歯車14が従動歯車5より離れて補助従動歯車5aに噛み合って便座補助従動軸9を回転させ、ベルト11を介して便座従動軸6を回転させて便座3を開くようにしている。このように、便座3及び便蓋2を開閉駆動する構成を開閉駆動機構イと称する。
【0029】
図1(a)に示すように、便器本体1には、ノズル固定部64を設けて外部ケース25を保持している。外部ケース25には先端に噴出部31を備えた円筒体26を出入り自在に収納して洗浄・脱臭ノズル21を構成している。洗浄・脱臭ノズル21の円筒体26の内部には切替弁27を介して、例えば局部洗浄装置用のお尻洗浄用の温水タンク28、噴霧器(温水タンクの温水を噴霧化してもよい)29及び高温スチーム発生装置30を接続し、切替弁27の切替えによって、温水、ミスト及び高温スチームの所望のものを供給ホース65より供給することができるようにしている。このように、洗浄・脱臭ノズル21に温水、ミスト及び高温スチームを供給する構成を供給部50と称する。
【0030】
円筒体26にラック22を形成し、後述する、ノズル駆動機構ロにおける欠歯ピニオン23を噛合し、戻りばね24に抗して円筒体26を突出して洗浄・脱臭ノズル21を伸張することができるようにしている。このように、洗浄・脱臭ノズル21を伸縮させる構成をノズル駆動機構ロと称する。円筒体26の先端には噴出部31を備えて巻きばねにより下方に首を振るように付勢され、巻きばねに抗して上方に首振り自在になっている。
【0031】
中間軸12に平行にノズル従動補助軸33とノズル従動軸32を設け、ノズル従動補助軸33を固定した状態で保持している。ノズル従動補助軸33には2個のプーリ付き歯車c、dを回転のみ自在に設けている。ノズル従動軸32にはプーリ付き歯車c、dに対向してプーリC、Dを設けている。プーリ付き歯車cとプーリC、プーリ付き歯車dとプーリDにベルト42c、42dを巻回している。ノズル従動軸32には欠歯ピニオン23を固定して洗浄・脱臭ノズル21の円筒体26に設けたラック22に噛合させている。
【0032】
しかして、大便で使用するときには、駆動モータ19にて駆動される中間軸12の従動側中間歯車14が便蓋従動軸4の従動歯車5に噛み合い、便蓋2の開き動作が完了した時点で、従動側中間歯車14がノズル従動補助軸33のプーリ付き歯車cに噛み合い、ベルト42c、プーリCを介してノズル従動軸32を駆動回転させ、欠歯ピニオン23、ラック22を介して円筒体26を突出して洗浄・脱臭ノズル21を伸張させ、便器本体1をプレ洗浄・脱臭するようにしている。
【0033】
又、男性の小便で使用するときには、駆動モータ19にて駆動される中間軸12の従動側中間歯車14が便座補助従動軸9の補助従動歯車5aに噛み合い、便座3の開き動作が完了した時点で、従動側中間歯車14がノズル従動補助軸33のプーリ付き歯車dに噛み合い、ベルト42d、プーリDを介してノズル従動軸32を駆動回転させ、欠歯ピニオン23、ラック22を介して円筒体26を突出して洗浄・脱臭ノズル21を伸張させ、便器本体1をプレ洗浄・脱臭、及び、洗浄水の供給等によって小便の飛散を防止するようにしている。
【0034】
ノズル従動補助軸33に平行に反転用軸34を軸を固定して設けている。ノズル従動補助軸33にはプーリ付き歯車c、dとは反対側に2個の歯車a、bを回転のみ自在に設けている。反転用軸34には歯車a、bに対向してプーリ付き反転歯車35a、35bを設けている。ノズル従動軸32にプーリ付き反転歯車35a、35bに対向してプーリA、Bを設けている。プーリ付き反転歯車35a、35bの各プーリとプーリA、Bにベルト36a、36bを巻回してある。
【0035】
しかして、用便を終えた後、人体検知センサー67のような着座検知手段により、便座3より人が離れたことの検知結果に基づいて駆動モータ19が逆回転駆動され、中間軸12の逆回転に伴って従動側中間歯車14、従動歯車5を介して便蓋従動軸4を逆回転させて便蓋2を閉じるのであり、便蓋2の閉じ動作の完了後において、中間軸12の一層の逆回転により中間軸12が送りねじ付き軸受13によって図2の左方(矢印Y方向)にねじ送りされ、従動側中間歯車14がノズル従動補助軸33の歯車aに噛み合い、プーリ付き反転歯車35a、反転ベルト36aを介してノズル従動軸32を正回転させて洗浄・脱臭ノズル21を伸張し、使用後の便器本体1の内部を洗浄・脱臭するようにしている。
【0036】
又、便座3及び便蓋2を開いた状態で男性が小便を終えた後、人体検知センサー67により、便器本体1より人が離れたことの検知結果に基づいて駆動モータ19が逆回転駆動され、中間軸12の逆回転に伴って従動側中間歯車14、補助従動歯車5a、便座補助従動軸9、ベルト11、プーリ8を介して便座従動軸6を逆回転させて便座3を閉じるのであり、便座3の閉じ動作の完了後において、中間軸12の一層の逆回転により中間軸12が送りねじ付き軸受13によってねじ送りされ、従動側中間歯車14がノズル従動補助軸33の歯車bに噛み合い、プーリ付き反転歯車35a、反転ベルト36aを介してノズル従動軸32を正回転させて洗浄・脱臭ノズル21を伸張し、男性の小便後の便器本体1の内部を洗浄・脱臭するようにしている。
【0037】
図1(a)、図2及び図4に示すように、反転用軸34に平行にクランク回転軸38を回転自在に設け、クランク回転軸38にプーリ44を固定している。プーリ44にはクランクピン40が突出されている。反転用軸34の反転歯車35bのプーリ45とプーリ44にベルト39を巻回している。
【0038】
しかして、便蓋2の閉じ動作が完了した後、中間軸12の一層の逆回転時に従動側中間歯車14がノズル従動補助軸33の歯車bに噛み合い、歯車bが反転歯車35bに噛み合い、ベルト39を介してクランク回転軸38を回転させることができるようにしている。
【0039】
クランク回転軸38のプーリ44より突出されているクランクピン40には揺動用のリンク41を枢支連結している。一方、洗浄・脱臭ノズル21側においては、円筒体26より円筒体26の伸縮方向とは略直交する方向にリンクピン37を側方に突出している。リンクピン37に上記リンク41を枢支連結してクランク機構61を構成し、リンク41を上下方向に昇降させて円筒体26を左右方向に揺動させる揺動手段54を構成している。
【0040】
しかして、便蓋2の閉じ動作の完了後において、中間軸12の逆回転に伴うクランク回転軸38の回転により、クランク機構61及び揺動手段54によって噴出部31を備えた円筒体26の伸縮及び揺動を機械的におこなうことができ、ノズル駆動機構ロに組み込むことができるのである。
【0041】
更に、円筒体26にラック22を形成し、ラック22にノズル駆動機構ロの欠歯ピニオン23を噛合していて、欠歯ピニオン23を連続回転させながら、ラック22を駆動したり駆動しない状態を得ることができ、噴出部31を備えた円筒体26の伸縮動作をノズル駆動機構ロに組み込むことができるのである。
【0042】
図2に示すように、便蓋2と便座3の開閉駆動機構イ及び洗浄・脱臭ノズル21のノズル駆動機構ロが温水洗浄便座本体57の中央部に配置され、便蓋2及び便座3の回動軸部58、59が温水洗浄便座本体57を挟み込むようにして接合されているのであり、開閉駆動機構イ及びノズル駆動機構ロの配置構成において有利となる。
【0043】
図24に示すように、従動側中間歯車14は従動歯車5、補助従動歯車5a、歯車a〜dに側方から噛み合うのであり、これら従動歯車5、補助従動歯車5a、歯車a〜dにはギヤ部分にテーパー面73を形成して、噛み合い及び離反を円滑におこなえるようにしている。
【0044】
更に、補助従動歯車5aと中間軸12の軸受10間、及び、従動歯車5と中間軸12の送り雌ねじ付き軸受13間には、図2に示す原点N(便蓋2と便座3の閉じ状態)においては、従動側中間歯車14が補助従動歯車5aや従動歯車5に接触しないための軸送り方向可動スペースを設けている。それにより、便蓋2と便座3の開状態及び便蓋2と便座3の閉状態の時に、使用者が便蓋2と便座3を手動にて回動させた場合、従動側中間歯車14に従動歯車5及び補助従動歯車5aが干渉することがなく、従動歯車5及び補助従動歯車5aが空転するため、各歯車、駆動モータ19等に余分な過負荷をかけることを回避できる。
【0045】
従動歯車5と補助従動歯車5aとの間にも、軸送り方向可動スペースを設けてあって、便蓋開、便座閉状態時に、使用者が便蓋2と便座3を手動にて回動した場合、従動歯車5と補助従動歯車5aが干渉することなく空転するため、各歯車、駆動モータ19等に余分な過負荷をかけることを回避できる。
【0046】
ところで、上述のように構成された便蓋2と便座3の開閉駆動機構イ、洗浄・脱臭ノズル21を伸縮させるノズル駆動機構ロ、及び、開閉駆動機構イとノズル駆動機構ロとを連動する連動伝達機構ハにおいては、動作時に従動側中間歯車14より便蓋2と便座3に駆動力が同時に伝達されることがなく、このため、駆動トルクを小さくでき、かつ各歯車を小さく(歯厚小)できる等有利である。
【0047】
中間軸12の送り雄ねじ部12aを多条ねじとすることにより、少ない回転数で従動側中間歯車14を軸方向へ移動させることとなり、従動歯車5、補助従動歯車5aと噛み合う歯幅を確保することが可能となり、駆動力の伝達に有利である。
【0048】
便蓋従動軸4及び便座補助従動軸9については、トルクリミッタを設置した場合、トルクは最大で20〜30kgfcmで、それ以上になるとトルクリミッタが働き、便蓋従動軸4及び便座補助従動軸9は回動しないこととする。これにより、駆動動作中に手動にて動かされたとしても、各歯車、駆動部に余分な過負荷をかけることを回避できる。
【0049】
さらに、便座3と便蓋2の開閉動作終了時に従動側中間歯車14からのトルク伝達がなされないように従動歯車5、補助従動歯車5aに欠歯歯車を用い、従動側中間歯車14が空転するようにする。例えば、便蓋2の開動作時に欠歯歯車を用いれば、従動歯車5と従動側中間歯車14との軸送り方向の位置関係を考慮しなくてもよく位置調整が容易となる。
【0050】
次に、以上のように構成した便蓋2と便座3の開閉駆動機構イ及びノズル駆動機構ロの動作を説明する。
(1)大便をおこなう場合
1)動作スタートは、スタートボタン66による始動信号や人体検知センサー67及び開閉センサー70等による検知信号等による信号が信号処理部68、機構制御部69よりの制御信号により駆動モータ19を始動させる(図5参照)。
【0051】
2)便蓋2と便座3の閉状態を初期状態(原点N)として(図1(a)、図2参照)、駆動モータ19の(正)回転(矢印S方向)により、減速ユニット20を介して駆動側歯車軸16を減速回動させ、駆動歯車17、駆動側中間歯車15を介して中間軸12を回転させる。このとき、送り雌ねじ付き軸受13にて保持されている中間軸12が軸方向(図6矢印X方向)にねじ送りされ、従動側中間歯車14が中間軸12とともに回転移動して、便蓋従動歯車4を回転させることによって便蓋2が開いていく(図6参照)。
【0052】
3)便蓋2の開動作完了と同時に、従動側中間歯車14が回転移動して便蓋側従動歯車5と離れ、ノズル従動補助軸33の歯車cに噛み合って回転させるとともにベルト42cにて連結されているプーリCも回転し、欠歯ピニオン23がラック22を駆動して洗浄・脱臭ノズル21を突出させる。これと同時に従動側中間歯車14の位置検知により切替弁27を切替えて噴出部31より温水を噴出し、便器本体1の内部をプレ洗浄することにより、汚れ防止をおこなう(図8、図9参照)。
【0053】
洗浄・脱臭ノズル21は、欠歯ピニオン23の欠歯ヶ所を過ぎてラック22が噛み合わなくなると、戻りばね24によって洗浄・脱臭ノズル21の円筒体26が外部ケース25内に収納されて収縮する。この場合、ゆっくり収縮させるには、戻りばね24の部分の所にダンパーを取付けてもよい。最も収縮した位置において先端の噴出部31がノズル固定部64おけるガイドブロック43により下側から約30〜60度前後の傾きθを持って便器本体1の内部へ首を振るようにしている(図11参照))。これと同時に、従動側中間歯車14の位置検知により噴霧器29が作動されてミストを噴出し、便器本体1の内部の脱臭をおこなう(図11参照)。
【0054】
4)便蓋2に開閉センサー(例えば、リミットスイッチ等)70を取り付けておき、便蓋2が閉状態になるまで、洗浄・脱臭ノズル21からは何も噴出されないように制御する。
【0055】
用便後、使用者がトイレ室内から退出したことを人体検知センサー67により検知し、検知信号に基づいて便蓋2の閉動作をおこなう。この場合、駆動モータ19は逆回転駆動されて従動側中間歯車14は前記動作を逆にたどるが、洗浄・脱臭ノズル21は、欠歯ピニオン23が欠歯であるためラック22と噛み合わず、突出しない。また、洗浄・脱臭ノズル21は便蓋2が閉状態に戻っていないため、従動側中間歯車14の位置を検知しても、何も噴出されない。
【0056】
5)便蓋2の閉動作完了後も従動側中間歯車14は逆回転をおこない、ノズル従動補助軸33の歯車aを回転させるとともに反転歯車35aによりプーリAを洗浄・脱臭ノズル21が突出する方向へ回転させることにより、前記(1)3)と同様に洗浄・脱臭ノズル21が突出し始めると同時に再度便器プレ洗浄(図9参照)、及び便器内脱臭をおこなうことにより、使用後の洗浄・脱臭をおこなう。
【0057】
使用後の洗浄・脱臭動作完了後は、従動側中間歯車14は前記動作を逆にたどり、初期状態(原点N)に戻る。従動側中間歯車14の位置検知により駆動モータ19を停止させ、動作完了する。これにより、便蓋2と便座3の開閉動作、プレ洗浄および脱臭動作を1つの駆動モータ19にて簡素な構成にて動作させることが可能となる。
(2)男性が小便をおこなう場合
1)動作スタートは、便座開用のスタートボタン66による始動信号により駆動モータ19を始動させる。
【0058】
2)便蓋2と便座3の閉状態を初期状態(原点N)とし、便蓋2の開状態から洗浄・脱臭ノズル21の動作は(1)2)〜3)と同様である。
【0059】
3)便器内脱臭後、次に便蓋2の開動作完了と同時に、従動側中間歯車14が回転移動して、便蓋従動軸4の従動歯車5と離れ、便座補助従動軸9の補助従動歯車5aを回転させることによって、便座3が開いていく(図10参照)。
【0060】
4)便座3の開動作完了と同時に従動側中間歯車14が回転移動して補助従動歯車5aと離れ、ノズル従動補助軸33の歯車dを回転させるとともにプーリDを回転させ、前記(1)3)と同様に洗浄・脱臭ノズル21が突出し始めると同時に再度便器プレ洗浄(図13)、便器内脱臭をおこなうことになり、十分なプレ洗浄効果により小便の飛び散りを軽減し、また再度のミスト噴出は小便範囲をカバーする脱臭効果を持つ。
【0061】
5)操作ボタンのうち、便座開用スタートボタンによる始動の場合は、次回便蓋閉状態になるまで、洗浄・脱臭ノズル21からは何も噴出されないように制御される。男性の小便後、使用者がトイレ室内から退出すると、人体検知センサー67による検知結果による制御信号により、便蓋2と便座3は閉動作を逆にたどるが、洗浄・脱臭ノズル21は、欠歯ピニオン23が欠歯であるためラック22と噛み合わず、突出しない。また、洗浄・脱臭ノズル21は便蓋2の閉状態に戻っていないため、従動側中間歯車14の位置を検知しても、何も噴出されない。
【0062】
6)便座3、便蓋2の閉動作完了後は前記(1)5)と同様となる。
(3)便器内をスチーム洗浄する場合
1)動作スタートは、タイマーによるスタート信号、便器内洗浄スタートボタンによる始動信号により駆動モータ19をスタートさせる。
【0063】
2)動作開始時は駆動モータ19が逆回転駆動され、従動側中間歯車14がノズル従動補助軸33の歯車aに噛み合う方向に回転移動し、歯車aを回転させるとともに反転歯車35aによりプーリAを洗浄・脱臭ノズル21が突出する方向へ回転させ、洗浄・脱臭ノズル21が突出し始めると同時に従動側中間歯車14の位置検知による検知信号により温水を噴出し、便器洗浄をおこなう(図13参照)。洗浄・脱臭ノズル21は、欠歯ピニオン23が欠歯ヶ所を過ぎてラック22に噛み合わなくなると、戻りばね24によって洗浄・脱臭ノズル21が収縮する。
【0064】
3)更に従動側中間歯車14はノズル従動補助軸33の歯車bに噛み合う方向に回転し、歯車bを回転させるとともに反転歯車35bによりプーリBを洗浄・脱臭ノズル21が突出する方向へ回転させ、洗浄・脱臭ノズル21が突出し始め、歯車bによりプーリ付きクランク回転軸38が回転することにより洗浄・脱臭ノズル21が軸芯の回りに回転し、洗浄・脱臭ノズル21の先端の噴出部31は左右に首を振りながら便器本体1の中央へ突出する。従動側中間歯車14の位置検知により高温スチームを噴出し、便器本体1を高温スチームにて洗浄をおこなう。
【0065】
ところで、中間軸12の先端部には略円錐状のストッパー71を設けてあり、便蓋2側には凹所72を設けてあり、従動側中間歯車14が歯車bに噛み合う前に中間軸12がねじ送りされて先端のストッパー71が凹所72に係合して便蓋2の閉じ状態をロックするのであり、便蓋2をロックした状態で高温スチーム洗浄が安全におこなえる(図14参照)。ストッパー71は先が小径になって便蓋2の凹所72に円滑に誘い込まれるようになっている。このように便蓋2を閉じ状態にロックする構成をロック手段51という。
【0066】
4)高温スチーム洗浄が完了すると、中間軸12を逆回転させて従動側中間歯車14を歯車a、bの中間までもどすが、スチーム洗浄に強弱設定がある場合は前記3)を数回繰り返す。
【0067】
5)使用後は中間軸12及び従動側中間歯車14が初期状態(原点N)にもどる。
【0068】
6)この動作は定期的な洗浄が可能なように、1)のタイマーを設定しておくことによって汚れのつかない状態を保つことが可能となる。
【0069】
また、(1)〜(3)の洗浄動作中に、(便蓋開用、便座開用)スタートボタンあるいは人体検知センサー(この場合は前回使用者が離れて、次の使用者が来た場合)により、洗浄動作を中止することが可能となっている。これにより、洗浄動作中でも停止させて用をたすことができる。
【0070】
図25乃至図27は他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0071】
本実施の形態においては、洗浄・脱臭ノズル21の円筒体26又はラック22に位置検知用のリミットスイッチ又はエンコーダー74を設置して洗浄・脱臭ノズル21の突出位置を検知可能に構成し、洗浄・脱臭ノズル21が設定された位置に突出された検知結果に基づいて、温水、ミスト或いは高温スチームの状態、又は、噴出量を変更調整可能にしている。この場合、円筒体26の突出の動きを連動させるクランクピン40を備えているプーリ44の近傍にエンコーダー付きピニオン75を設置して円筒体26の突出位置を検知するようにしてもよい。
【0072】
本実施の形態においては、円筒体26を機械的に突出させながら、突出位置の検知結果に基づいて温水、ミスト或いは高温スチームの状態、又は、噴出量を変更調整することができて、便器本体1の汚れやすい部分を重点的に効率よく洗浄することができるものである。具体的には、例えば、便器本体1の内面上部にはトラップ水が溜まらないので、汚物が付着しやすく、噴出部31が左右方向に大きく揺動したときに温水又は高温スチームを大量に噴出すれば良好に洗浄できてよい。図26はブロック図であり、図27(a)(b)(c)は動作説明図である。
【0073】
図28は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0074】
本実施の形態においては、洗浄・脱臭ノズル21の下方に人体の局部を洗浄するお尻洗浄ノズルのような局部洗浄ノズル53を配設している。
【0075】
本実施の形態においては、用便後に局部洗浄ノズル53によってお尻等の人体の局部の洗浄をおこなって便蓋2を閉じた後、収縮した洗浄・脱臭ノズル21によって近接している局部洗浄ノズル53を温水、ミスト或いは高温スチームによって洗浄・脱臭・殺菌をおこなうことができる。
【0076】
図29及び図30は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0077】
本実施の形態においては、上記実施の形態におけるクランク回転軸38のプーリ44に代えてかさ歯車76を設け、かさ歯車76に噛み合わせて従動かさ歯車77を回転自在に支持し、従動かさ歯車77の歯車部分78に噛み合わせて送りギア79を設け、送りギア79にピニオンギア80を噛み合わせ、ピニオンギア80を洗浄・脱臭ノズル21の円筒体26に固定し、円筒体26をガイドピン81に回転及び伸縮自在に保持している。
【0078】
しかして、反転用軸34よりの駆動力を受けてかさ歯車76、従動かさ歯車77、歯車部分78、送りギア79を介してピニオンギア80を回転させるとともに軸方向に送り力を与え、円筒体26を回転(揺動)させるとともに突出させ、噴出部31の突出と左右方向の揺動をおこなうようにしている。
【0079】
更に他の実施の形態として、便座3への着座を検知する人体検知センサー67のような着座検知手段を設け、着座検知手段の検知結果に基づいて、着座直後は温水とミストの噴出を繰り返し、その後、ミストの噴出のみとする制御をおこなう制御手段を備えているものがある。具体的には歯車cを駆動する動作を繰り返す。温水タンク28が空の場合はミストのみの噴出をおこなう。
【0080】
本実施の形態においては、汚れ付き防止と脱臭を効果的におこなうことができる。
【0081】
更に他の実施の形態として、便座3より人体が離れたことを検知する使用済み検知手段(人体検知センサー67による)を設け、使用済み検知手段の検知結果に基づいて、便器本体1の内部の洗浄をおこなった後、便蓋2を閉じて高温スチーム洗浄をおこなう洗浄手段を備えているものである。具体的には、歯車aの駆動に続いて歯車bまで駆動する動作をする制御をおこなえばよい。
【0082】
本実施の形態においては、使用後において、自動的に便器本体1の内部の洗浄をおこない、その後、便蓋2を閉じて高温スチーム洗浄をおこなうことができ、一層、使いやすく、バリアフリーへの対応ができる。
【0083】
【発明の効果】
請求項1の発明においては、便蓋と便座を開閉駆動する開閉駆動機構と、便蓋の閉じ位置をロックする便蓋ロック手段と、便器本体の内部を伸縮自在となって洗浄及び脱臭する洗浄・脱臭ノズルと、洗浄・脱臭ノズルを伸縮駆動するノズル駆動機構と、洗浄・脱臭ノズルに温水、ミストあるいは高温スチーム等を切替え供給する供給部とを備え、便蓋ロック手段で便蓋を閉じ位置にロックした状態で洗浄・脱臭ノズルより便器本体内に高温スチームを噴射可能にしているから、便蓋と便座の開閉駆動ができるうえに、便器本体の内部を温水、ミストあるいは高温スチーム等で洗浄及び脱臭することができ、温水洗浄便座の機能を高めながら、便座及び便蓋の開閉動作に連動してノズル駆動機構を作動させて便器本体の内部の洗浄・脱臭をおこなうことができ、しかも、便蓋を閉じ姿勢でロックした安全な状態で高温スチームによる洗浄・脱臭がおこなえるので、使いやすく、温水洗浄便座の商品価値を大幅に高めることができるという利点がある。
【0084】
請求項2の発明においては、請求項1の効果に加え、一つの駆動モータの駆動力を開閉駆動機構とノズル駆動機構とに連動して伝達する連動伝達機構を備え、開閉駆動機構とノズル駆動機構は、一つの駆動モータで駆動することができるので、駆動構成を簡素化することができる。
【0085】
請求項3の発明においては、請求項1又は2の効果に加えて、ノズル駆動機構は、便蓋及び便座の開閉位置に応じて作動可能に構成しているから、便蓋及び便座の開閉位置に応じてノズル駆動機構が作動され、例えば、便蓋の閉じ位置においてノズル駆動機構が作動されて使用後に自動的に洗浄・脱臭をおこなうことができ、又、例えば、ノズル駆動機構は、便蓋が開で便座が閉位置において作動され、使用前のプレ洗浄がおこなえ、汚れが付くのを低減でき、脱臭もおこなえ、又、例えば、ノズル駆動機構は、便座の開位置において作動して、男性の小便に際して、プレ洗浄・脱臭ができ、汚れが付くのを低減でき、洗浄水を流すことで小便の飛散を防止することができるという利点がある。
【0086】
請求項4の発明においては、請求項1の効果に加えて、洗浄・脱臭ノズルの伸縮位置を電気的に検知する電気的検知手段を設けているから、洗浄・脱臭ノズルの伸縮制御を電気的におこなえ、かつ、機械的な制御にリンクできるという利点がある。
【0087】
請求項5の発明においては、請求項1乃至3のいずれかの効果に加えて、洗浄・脱臭ノズルの上下噴射角度の調整を機械的手段にておこなうから、洗浄・脱臭等における噴出角度を簡素な構成で適正値にしやすいという利点がある。
【0088】
請求項6の発明においては、請求項1乃至3のいずれかの効果に加えて、洗浄・脱臭ノズルに近接させて局部洗浄ノズルを設けているから、人体の局部を洗浄する局部洗浄ノズルを洗浄・脱臭ノズルにより洗浄・脱臭・殺菌をおこなうことができるという利点がある。
【0089】
請求項7の発明においては、請求項1の効果に加えて、洗浄・脱臭ノズルは、伸縮方向を軸として揺動又は回動させる揺動手段を備えているから、便器本体の内面の全面を洗浄・脱臭することができるという利点がある。
【0090】
請求項8の発明においては、請求項1の効果に加えて、便座への着座を検知する着座検知手段を設け、着座検知手段の検知結果に基づいて、着座直後は温水とミストの噴出を繰り返し、その後、ミストの噴出のみとする制御をおこなう制御手段を備えているから、汚れ付き防止と脱臭を効果的におこなうことができるという利点がある。
【0091】
請求項9の発明においては、請求項1の効果に加えて、便座より人体が離れたことを検知する使用済み検知手段を設け、使用済み検知手段の検知結果に基づいて、便器本体の内部の洗浄をおこなった後、便蓋を閉じて高温スチーム洗浄をおこなう洗浄手段を備えているから、使用後において、自動的に便器本体の内部の洗浄をおこない、その後、便蓋を閉じて高温スチーム洗浄をおこなうことができ、一層、使いやすく、バリアフリーへの対応ができるという利点がある。
【0092】
請求項10の発明においては、請求項1乃至3のいずれかの効果に加えて、開閉駆動機構及びノズル駆動機構が温水洗浄便座本体の中央部に配置され、便蓋及び便座の回動軸部が温水洗浄便座本体を挟み込むようにして接合されているから、開閉駆動機構及びノズル駆動機構の配置構成において有利となるという利点がある。
【0093】
請求項11の発明においては、請求項1又は7の効果に加えて、先端に噴射部を備えた円筒体を外部ケースに伸縮方向を軸として回転自在に保持し、円筒体より伸縮方向とは略直交する方向にリンクピンを側方に突出し、リンクピンにリンクを枢支連結し、リンクをクランク機構によって上下方向に昇降させて円筒体を左右方向に揺動させる揺動手段を備えているから、噴射部を備えた円筒体の伸縮及び揺動を機械的におこなうことができ、ノズル駆動機構に組み込むことができるという利点がある。
【0094】
請求項12の発明においては、請求項11の効果に加えて、円筒体にラックを形成し、ラックにノズル駆動機構の欠歯ピニオンを噛合しているから、欠歯ピニオンを連続回転させながら、ラックを駆動したり駆動しない状態を得ることができ、噴射部を備えた円筒体の伸縮動作をノズル駆動機構に組み込むことができるという利点がある。
【0095】
請求項13の発明においては、請求項11又は12の効果に加えて、円筒体の先端に噴出部を上下首振り自在に設け、円筒体が外部ケースに最も収納された収縮時に噴出部に当接して設定噴出角度に首振りをおこなうガイドブロックを設けているから、洗浄・脱臭ノズルの収縮状態において噴出部の首振り角度を設定噴出角度にできながら、このような構成をノズル駆動機構に組み込むことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示し、(a)は駆動系統を示す側面図、(b)は概略斜視図である。
【図2】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図3】 同上の概略駆動系統の一部を示す説明図である。
【図4】 同上の駆動系統を示す平面図である。
【図5】 同上のブロック図である。
【図6】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図7】 図6の状態の説明図である。
【図8】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図9】 図8の状態の説明図である。
【図10】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図11】 図10の状態の説明図である。
【図12】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図13】 図12の状態の説明図である。
【図14】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図15】 図14の状態の説明図である。
【図16】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図17】 図16の状態の説明図である。
【図18】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図19】 図18の状態の説明図である。
【図20】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図21】 図20の状態の説明図である。
【図22】 同上の駆動系統を示す正面図である。
【図23】 図22の状態の説明図である。
【図24】 同上の従動歯車等の説明図である。
【図25】 同上の他の実施の形態を示し、(a)は駆動系統を示す説明図、(b)は(a)の状態の説明図である。
【図26】 同上のブロック図である。
【図27】 (a)(b)(c)は洗浄・脱臭ノズルの噴射部の首振りを示す説明図である。
【図28】 同上の更に他の実施の形態を示し、洗浄・脱臭ノズルと局部洗浄ノズルとの関係を示す説明図である。
【図29】 同上の更に他の実施の形態を示し、洗浄・脱臭ノズルの収縮状態の説明図である。
【図30】 同上の伸張状態の説明図である。
【図31】 同上の従動側中間歯車の位置、洗浄・脱臭ノズルの状態及び便座・便蓋の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 便器本体
2 便蓋
3 便座
50 供給部
イ 開閉駆動機構
ロ ノズル駆動機構
ハ 連動伝達機構
Claims (13)
- 便蓋と便座を開閉駆動する開閉駆動機構と、便蓋の閉じ位置をロックする便蓋ロック手段と、便器本体の内部を伸縮自在となって洗浄及び脱臭する洗浄・脱臭ノズルと、洗浄・脱臭ノズルを伸縮駆動するノズル駆動機構と、洗浄・脱臭ノズルに温水、ミストあるいは高温スチームを切替え供給する供給部とを備え、便蓋ロック手段で便蓋を閉じ位置にロックした状態で洗浄・脱臭ノズルより便器本体内に高温スチームを噴射可能にして成ることを特徴とする温水洗浄便座。
- 一つの駆動モータの駆動力を開閉駆動機構とノズル駆動機構とに連動して伝達する連動伝達機構を備え、開閉駆動機構とノズル駆動機構は、一つの駆動モータで駆動して成ることを特徴とする請求項1記載の温水洗浄便座。
- ノズル駆動機構は、便蓋及び便座の開閉位置に応じて作動可能に構成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の温水洗浄便座。
- 洗浄・脱臭ノズルの伸縮位置を電気的に検知する電気的検知手段を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の温水洗浄便座。
- 洗浄・脱臭ノズルの上下噴射角度の調整を機械的手段にておこなうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温水洗浄便座。
- 洗浄・脱臭ノズルに近接させて局部洗浄ノズルを設けて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温水洗浄便座。
- 洗浄・脱臭ノズルは、伸縮方向を軸として揺動又は回動させる揺動手段を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の温水洗浄便座。
- 便座への着座を検知する着座検知手段を設け、着座検知手段の検知結果に基づいて、着座直後は温水とミストの噴出を繰り返し、その後、ミストの噴出のみとする制御をおこなう制御手段を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の温水洗浄便座。
- 便座より人体が離れたことを検知する使用済み検知手段を設け、使用済み検知手段の検知結果に基づいて、便器本体の内部の洗浄をおこなった後、便蓋を閉じて高温スチーム洗浄をおこなう洗浄手段を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の温水洗浄便座。
- 開閉駆動機構及びノズル駆動機構が温水洗浄便座本体の中央部に配置され、便蓋及び便座の回動軸部が温水洗浄便座本体を挟み込むようにして接合されて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温水洗浄便座。
- 先端に噴射部を備えた円筒体を外部ケースに伸縮方向を軸として回転自在に保持し、円筒体より伸縮方向とは略直交する方向にリンクピンを側方に突出し、リンクピンにリンクを枢支連結し、リンクをクランク機構によって上下方向に昇降させて円筒体を左右方向に揺動させる揺動手段を備えて成ることを特徴とする請求項1又は7記載の温水洗浄便座。
- 円筒体にラックを形成し、ラックにノズル駆動機構の欠歯ピニオンを噛合して成ることを特徴とする請求項11記載の温水洗浄便座。
- 円筒体の先端に噴出部を上下首振り自在に設け、円筒体が外部ケースに最も収納された収縮時に噴出部に当接して設定噴出角度に首振りをおこなうガイドブロックを設けて成ることを特徴とする請求項11又は12記載の温水洗浄便座。
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