JP4273097B2 - 冷凍多層デザート - Google Patents

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Description

本発明は、ソース又はゲル状物の上層と、ゲル状物の下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器に導入された、喫食時に解凍する冷凍多層デザートに関し、更に詳細には、冷凍保存時及び解凍時には多層構造が維持され、喫食時に多層を混合することにより、下層のゲル状物等とは食感が異なる均一な新たなゲル状物を形成することができ、喫食時に食感の変化や形態の変化を楽しむことができる冷凍多層デザートに関する。
従来から、ゼラチンやペクチン等のゲル化形成物質を利用したデザートが数多く提案され市販されている。近年においては、味のみならず、外観や食感等にも工夫がなされ、例えば、特許文献1〜3には、ゲルを利用した上層及び下層を有する多層タイプのデザートが提案されている。
これら文献に記載されたデザートは、いずれも一対のゲル形成物質の一方を下層に、他方を上層に配合し、これら上層及び下層の界面に予めゲル膜を形成させることによって上層と下層との保存時における混合等を防止した多層タイプのデザートである。そして、これらはいずれも喫食時に上層と下層の味等を同時に味わうことが意図されたデザートであって、ゲルの食感を変化させ全く新たな食感のゲルを形成するために上層と下層とを喫食時に混合することが意図されたデザートではない。しかも、いずれもチルドにおける保存が意図される程度のゲル強度を有するデザートであるため、一対のゲル形成物質を別の層に配合しているが、これらは喫食時に混合しても新たな食感の均一ゲルが得られ難いものである。
一方、低メトキシペクチン等のゲル化剤を配合したペースト状のデザート用素材が従来から知られている。該デザート用素材は、カルシウムを含む牛乳等を混合させることにより、低メトキシペクチン等のゲル化剤にカルシウムを反応させてゲルを形成しデザートを完成させるものである。このようなデザート用素材は、ペーストからゲルへの形態の変化と、新たに形成されるゲルの食感とが味わえるデザートであって、一対のゲル形成物質を利用する点では上述の従来における多層タイプのデザートと共通するが、全く異なる嗜好を意図したデザートである。
ところで、前記形態が変化するデザートは、混合時において一対のゲル形成物質を速やかに反応させる必要があるため、混合前においては液体やペースト等の流動性を有する形態とする必要があり、また、これらを混合前に接触させた状態で保存すると、混合撹拌しなくてもゲル化反応が経時的に進行するため、保存時においては別個にしておく必要があるのが実状である。
特開昭62−248464号公報 特開平2−135062号公報 特開平5−199844号公報
本発明の目的は、所定容器内にゲル状物を含む多層を一体的に収容しており、喫食時においてスプーン等により混合撹拌することにより、元のゲル状物とは食感が異なる均一な新たなゲル状物を容易に形成しうる、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍する冷凍多層デザートを提供することにある。
本発明によれば、ソースである上層と、ゲル状物である下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器内に導入された、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍する冷凍多層デザートであって、反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の一方を下層に、他方を上層にそれぞれ含み、前記下層全体又は前記上層全体に対して、前記ゲル形成物質として、アルギン酸塩0.5〜5.0質量%と乳酸カルシウム0.02〜0.5質量%とを、ジェランガム0.05〜1.5質量%と乳酸カルシウム0.04〜0.5質量%とを、LMペクチン1.0〜5.0質量%と乳酸カルシウム0.04〜0.8質量%とを、もしくはキサンタンガム0.2〜1.0質量%とローカストビーンガム0.2〜1.0質量%とを含み、下層のゲル状物が、上層のソースと0〜30℃において混合することにより、各層に含有された前記一対のゲル形成物質が反応し、該下層のゲル状物とは食感が異なる均一な新たなゲル状物を形成することを特徴とする冷凍多層デザートが提供される。
また本発明によれば、ゲル状物である上層と、ゲル状物である下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器内に導入された、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍する冷凍多層デザートであって、反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の一方を下層に、他方を上層にそれぞれ含み、前記下層全体又は前記上層全体に対して、前記ゲル形成物質として、アルギン酸塩0.5〜5.0質量%と乳酸カルシウム0.02〜0.5質量%とを、ジェランガム0.05〜1.5質量%と乳酸カルシウム0.04〜0.5質量%とを、LMペクチン1.0〜5.0質量%と乳酸カルシウム0.04〜0.8質量%とを、もしくはキサンタンガム0.2〜1.0質量%とローカストビーンガム0.2〜1.0質量%とを含み、上層及び下層のゲル状物が、10℃において流動性を示さないが、所望容器から解放することにより自重により該容器内における形態を実質的に保持し得ない変形を生じ、且つ上層及び下層のゲル状物を0〜30℃において混合することにより、各層に含有された前記一対のゲル形成物質が反応し、該上層及び下層のゲル状物とは食感が異なる均一な新たなゲル状物を形成することを特徴とする冷凍多層デザートが提供される。
更に本発明によれば、ソースである上層と、ゲル状物である下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器内に導入された、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍する冷凍多層デザートであって、反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の一方を下層に、他方を上層にそれぞれ含み、下層のゲル状物の5℃における初期弾性が4〜55gf、且つ破断時荷重が6〜200gfであることを特徴とする冷凍多層デザートが提供される。
本発明の冷凍多層デザートは、ソース又はゲル状物である上層と、ゲル状物である下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器内に導入された、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍する冷凍多層デザートであって、前記ゲル状物が、喫食時においてスプーン等により多層を混合撹拌することにより、元のゲル状物とは食感が異なる均一な新たなゲル状物を容易に形成するので、喫食時に前記新たなゲル状物を形成するに際して、ゲル化剤を別に混合することなしに単に多層を混合撹拌するのみで別の食感が味わえるゲルの形成が可能となり、例えば、一部を多層状態で食した後に、混合撹拌して新たなゲル状物を形成することで、1つのデザートにおいて2つの食感を味わえることができる。更に、保存時においては冷凍されているので、上層と下層に別に配合した一対のゲル形成物質の反応が十分抑制されるので、喫食時に所望の新たなゲル状物の形成を効率良く行なうことができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の冷凍多層デザートは、ソース又はゲル状物である上層と、ゲル状物である下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器内に導入された、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍するデザートであって、反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の一方を下層に、他方を上層にそれぞれ含む。下層及び/又は上層が2層以上の場合には、少なくとも1層にゲル形成物質の一方若しくは他方を配合すれば良い。
上記反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質としては、例えば(1)アルギン酸又はアルギン酸塩と、カルシウム塩、マグネシウム塩等の2価以上の可食性金属塩、(2)ジェランガムと、カルシウム塩、マグネシウム塩等の2価以上の可食性金属塩、(3)低メトキシ(LM)ペクチンと、カルシウム塩、マグネシウム塩等の2価以上の可食性金属塩、(4)キサンタンガムとローカストビーンガム等との組合せが挙げられる。
前記反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の含有量は、ゲル形成物質の種類等によって異なり、アルギン酸塩と乳酸カルシウムとの場合は、下層全体又は上層全体に対して、前者が通常0.5〜5.0質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%、後者が通常0.02〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.2質量%である。ジェランガムと乳酸カルシウムの場合は、下層全体又は上層全体に対して、前者が通常0.05〜1.5質量%、好ましくは0.2〜0.8質量%、後者が通常0.04〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.2質量%である。LMペクチンと乳酸カルシウムの場合は、下層全体又は上層全体に対して、前者が通常1.0〜5.0質量%、好ましくは1.0〜3.0質量%、後者が通常0.04〜0.8質量%、好ましくは0.08〜0.6質量%である。キサンタンガムとローカストビーンガムの場合は、下層全体又は上層全体に対して、前者が通常0.2〜1.0質量%、好ましくは0.3〜0.6質量%、後者が通常0.2〜1.0質量%、好ましくは0.3〜0.6質量%である。尚、上記範囲を基にゲル形成物質の添加量を決定するに際しては、例えば、カルシウム塩のように牛乳、チーズ等といった原料中に元来含まれるものがある場合には、これを考慮して添加量を決定する必要がある。
本発明において下層は、ゲル状物であって、その配合成分は、所望の味や風味、更には外観色等を考慮して公知の食材成分から適宜選択することができるが、前記反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の一方、並びに下層のゲル状物を形成するためのゲル形成物質を含み、且つ下層のゲル状物が、上層のソースと0〜30℃において混合することにより、各層に含有された前記一対のゲル形成物質が反応し、該下層のゲル状物とは食感が異なる均一な新たなゲル状物を速やかに形成する必要がある。また、下層のゲル状物に配合しうる前記食材成分は特に限定されないが、前記配合した一対のゲル形成物質の一方と反応する成分を含んでいない食材を使用する必要がある。
前記下層のゲル状物は、10℃において流動性を示さないが、所望容器から解放することにより自重により該容器内における形態を実質的に保持し得ない変形が生じることが好ましく、更には、0〜30℃において混合撹拌することにより流動性を示すペースト状に変化することが好ましい。
このようなゲル状物とした場合は、前述の特許文献1〜3に記載されるような下層と上層との境界において各層を分離しうる被膜の形成はなされず、凍結した場合には上層及び下層に配合された一対のゲル形成物質が反応することはないが、0〜10℃のチルドで本発明のデザートを保存する場合には、該下層のゲル状物に含まれる一方のゲル形成物質が上層のソースに反応して該ソースをゲル化させてしまう。
従って、本発明のデザートにおける下層のゲル状物は、凍結しなければ上層と経時的に反応するようなゲルであることが、喫食時の上層との反応を速やかにする点で好ましい。
尚、上層をゲル状物にする場合にも該下層のゲル状物と同様なゲル状態となるように調整することが好ましい。
前記下層のゲル状物のゲル強度は、5℃における初期弾性が4〜55gf、好ましくは5〜30gfであり、且つ破断時荷重が6〜200gf、好ましくは10〜50gfである。初期弾性又は破断時荷重の一方でも上記範囲外の場合には、上述の上層との混合時に所望の新たな食感のゲル状物を得ることができない。
本発明において、前記初期弾性とは、口径71mm、容量105mlのポリエチレン製のカップに、測定するゲル状物を高さ20mmに形成させ、品温を5℃に保持した状態で、レオメーターを用い、11.3mm直径の円柱プランジャーをカップに形成したゲル状物の表面中心部に1mm/秒の速度で垂直に降下させ、ゲル状物が3mm変形した際の当該プランジャーへの荷重を意味し、ゲルの変形し易さを示す。また、ゲル状物の破断時荷重は、上記初期弾性と同様の計測条件でプランジャーを降下させていった際、ゲル状物が最初に破断した時点の破断直前の最大の荷重を意味し、ゲルの壊れ易さを示す。
下層のゲル状物を上述のゲル強度となるように調整するには、下層をゲル化させるゲル化剤の種類や量を、下層を構成する食品素材や喫食する気温等に合わせて適宜試験を行なって容易に決定することができる。
前記ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、寒天、カラギーナン、カードラン、ペクチン等が挙げられる。
本発明のデザートにおいて上層は、ソース又はゲル状物であるが、ゲル状物にする場合は、上述の下層のゲル状物と同様なゲル状態に適宜調整することが好ましい。
上層がソースの場合には、前記一対のゲル形成物質の他方が配合されておれば、ソースの種類は特に限定されないが、ソースに配合しうる食材成分として、前記配合した一対のゲル形成物質の他方と反応する成分を含んでいない食材を使用する必要がある。
本発明において、デザートを収容する容器は、冷凍耐性を有する食品容器に使用しうる材質のものであれば特に限定されず、形状や大きさも適宜決定することができる。好ましくは、耐熱性、ガスバリヤ性を有する容器の使用が好ましい。
更に容器は、開口部を、ガスバリヤ性等を保持しうる蓋や、フィルム等により密封できる容器であることが好ましい。
本発明の冷凍多層デザートを製造するには、先ず、前述した下層のゲル状物原料を常法により混合し、原料液を調製する。続いて、該原料液を所望容器に充填した後、原料液の少なくとも上面部分がゲル化する程度に冷却若しくは凍結する。次いで、前述の上層のソース又はゲル状物原料を、少なくとも上面がゲル化若しくは固化した下層の上面に注入した後、容器の開口部を密封し、好ましくは−18℃以下に凍結することにより得ることができる。
得られた冷凍多層デザートは、通常、−10〜−35℃の冷凍状態で保管することができ、喫食時には、常温での自然解凍、若しくは2〜10℃程度に保持して解凍し、所望に応じてそのまま、若しくは多層を混合撹拌して新たな均一なゲルを形成させて食することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
下層をゲル化するためのゲル化剤粉末(商品名「FP1342」、新田ゼラチン社製、内容物(ローカストビーンガム43質量%、カラギーナン34質量%、リン酸カリウム7質量%及びブドウ糖16質量%))1.5g及び乳酸カルシウム粉末0.6gを混合した後、更に、果糖ぶどう糖液糖80gを混合し十分撹拌した。次いで、牛乳400g及びホイップクリーム65gを合わせて加熱し85℃達温して下層原料液を調製した。
一方、LMペクチン末2.0gを混合し、更に果糖ぶどう糖液糖20.0gを添加して良く混合した。更に、苺果肉及び果汁の混合物20.0gと、水57.0gと、色素0.1gとを合わせて加熱し85℃達温して上層用ソースを調製した。
次に、ポリエチレン製のカップに、上記で調製した下層原料液30gを充填し、1次フリーザーで−35℃において表面を固化させた。続いて、固化した上面に上記で調製した上層用ソース20gを充填し、ポリプロピレン製フィルムで密封した後、2次フリーザーにて−35℃で完全に凍結させて2層の冷凍苺ソースミルクデザートを製造した。
得られたデザートを−18℃で24時間冷凍保存した後、20℃で自然解凍したところ、上層と下層は界面において明確に分離した状態で接していた。また、上層のソースが境界面以外にゲル化している状態は観察されなかった。次に、20℃においてスプーンを用いて10秒間混合撹拌したところ、下層のゲル状物とは異なる均一な新たなゲル状物が形成された。このゲル状物の食感は明らかに下層のゲル状物とは異なるものであった。
一方、解凍直後のデザートを容器から取出し、20℃において下層のゲル状物のみを皿上に載置したところ、流動性を示さないが、自重により容器内における形態を保持せずに変形した。更に、このゲル状物をスプーンで撹拌したところ流動性を示すペーストに変化した。
更に、上記で調製した2層の冷凍苺ソースミルクデザートを、−18℃で24時間冷凍保存する代わりに、5℃で48時間チルド保存したところ、上層と下層は界面においてにじみが観察され、更に、上層のソースのほとんどにゲル化が観察され、撹拌後の異なる食感が得られなかった。
上記で調製した下層のゲル状物のゲル強度を測定するために、以下の測定を行った。結果を表1に示す。
口径71mm、容量105mlのポリエチレン製のカップに、上記で調製した下層原料液40gを充填し、フリーザーで−18℃において凍結させた後、24時間冷凍保存した。次いで、解凍し、品温を5℃に保持した状態で、レオメーター(商品名レオナー RE33005、株式会社山電製)を用い、11.3mm直径の円柱プランジャーを、カップに形成した前記解凍後のゲル状物(高さ20mm)の表面中心部に1mm/秒の速度で垂直に降下させ、ゲル状物が3mm変形した際の当該プランジャーへの荷重を初期弾性とし、また、該初期弾性と同様の計測条件でプランジャーを降下させていった際、ゲル状物が最初に破断した時点の破断直前の最大の荷重を破断時荷重として測定した。測定は2〜3回行い平均値を算出した。尚、各測定は、ゲル状物をカップに入れた状態で測定した。
実施例2〜4、比較例1及び2
実施例1において、下層をゲル化するためのゲル化剤粉末(商品名「FP1342」(新田ゼラチン社製)量を、3.0g(実施例2)、4.0g(実施例3)、1.0g(実施例4)、5.0g(比較例1)又は0.5g(比較例2)に代え、デザートを調製した。得られたデザートは、実施例2及び4の場合、混合により上層と下層とのゲル化反応が生じ、実施例1と同様に品質も良好であった。実施例3では、混合がし難い感じはあったが、ゲル形成は行われ、品質も実施例1に比べやや劣る程度であった。一方、比較例1では、下層のゲル状物が硬く、上層との混合が困難で、だまが生じ、品質が十分でなかった。また、比較例2では、上層と下層との混合は可能であったが、混合後のゲル状物がペーストに近く、品質が十分ではなかった。
また、調製した各下層のゲル状物のゲル強度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
実施例5、6、比較例3及び4
実施例1において、下層をゲル化するためのゲル化剤粉末の代わりに、カラギーナン2.0g(実施例5)、3.0g(実施例6)、4.0g(比較例3)又は0.5g(比較例4)に代え、デザートを調製した。得られたデザートは、実施例5及び6の場合、混合により上層と下層とのゲル化反応が生じ、品質も実施例1と同様に良好であった。一方、比較例3では、下層のゲル状物が硬く、上層との混合が困難で、だまが生じ、品質が十分でなかった。また、比較例4では、上層と下層との混合は可能であったが、混合後のゲル状物がペーストに近く、品質が十分ではなかった。
また、調製した各下層のゲル状物のゲル強度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
実施例7、8、比較例5
実施例1において、下層をゲル化するためのゲル化剤粉末の代わりに、ゼラチン8.0g(実施例7)、12.0g(実施例8)又は4.0g(比較例5)に代え、デザートを調製した。得られたデザートは、実施例7及び8の場合、混合により上層と下層とのゲル化反応が生じ、品質も実施例1と同様に良好であった。一方、比較例5では、固まらず下層のゲル状物を調製することができなかった。
実施例7及び8で調製した各下層のゲル状物のゲル強度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004273097
比較例6
砂糖20g、カラギーナン1.0g、クエン酸0.2g、ストロベリーフレーバー0.1g、赤色102号0.002g、ペクチン0.5g及び水79gを加温溶解して下層原料液を調製した。得られた下層原料液を、ポリエチレン製のカップに30g充填し、3℃に冷却してゲル化させ下層を調製した。
一方、果糖ぶどう糖液糖16g、クエン酸0.2g、乳酸カルシウム0.25g及び水83gを混合し、その20gを上記のゲル状物上に充填し、これを上層とし、ポリプロピレン製フィルムで密封し、2層のデザートを調製した。
得られたデザートを20℃においてスプーンで混合したところ、だまが生じ、下層と上層のゲル化反応は生じなかった。また、得られたデザートを−18℃で24時間冷凍保存した後、20℃で自然解凍し、20℃においてスプーンを用いて10秒間混合撹拌したところ、だまは生じなかったが、下層と上層のゲル化反応も生じなかったため、下層のゲル状物とは異なる均一な新たなゲル状物の形成はできなかった。
上記で調製した下層のゲル状物のゲル強度を測定するために、以下の測定を行った。結果を表2に示す。
口径71mm、容量105mlのポリエチレン製のカップに、上記で調製した下層原料液40gを充填し、3℃で冷却しゲル化させた。得られたゲル状物を、品温5℃に保持した状態で、レオメーター(商品名レオナー RE33005、株式会社山電製)を用い、実施例1と同様に初期弾性及び破断時荷重を測定した。
Figure 0004273097

Claims (5)

  1. ソースである上層と、ゲル状物である下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器内に導入された、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍する冷凍多層デザートであって、
    反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の一方を下層に、他方を上層にそれぞれ含み、
    前記下層全体又は前記上層全体に対して、前記ゲル形成物質として、アルギン酸塩0.5〜5.0質量%と乳酸カルシウム0.02〜0.5質量%とを、ジェランガム0.05〜1.5質量%と乳酸カルシウム0.04〜0.5質量%とを、LMペクチン1.0〜5.0質量%と乳酸カルシウム0.04〜0.8質量%とを、もしくはキサンタンガム0.2〜1.0質量%とローカストビーンガム0.2〜1.0質量%とを含み、
    下層のゲル状物が、上層のソースと0〜30℃において混合することにより、各層に含有された前記一対のゲル形成物質が反応し、該下層のゲル状物とは食感が異なる均一な新たなゲル状物を形成することを特徴とする冷凍多層デザート。
  2. 下層のゲル状物が、10℃において流動性を示さないが、所望容器から解放することにより自重により該容器内における形態を実質的に保持し得ない変形が生じることを特徴とする請求項1記載の冷凍多層デザート。
  3. 下層のゲル状物が、0〜30℃において混合撹拌することにより流動性を示すペースト状に変化することを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍多層デザート。
  4. ゲル状物である上層と、ゲル状物である下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器内に導入された、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍する冷凍多層デザートであって、
    反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の一方を下層に、他方を上層にそれぞれ含み、
    前記下層全体又は前記上層全体に対して、前記ゲル形成物質として、アルギン酸塩0.5〜5.0質量%と乳酸カルシウム0.02〜0.5質量%とを、ジェランガム0.05〜1.5質量%と乳酸カルシウム0.04〜0.5質量%とを、LMペクチン1.0〜5.0質量%と乳酸カルシウム0.04〜0.8質量%とを、もしくはキサンタンガム0.2〜1.0質量%とローカストビーンガム0.2〜1.0質量%とを含み、
    上層及び下層のゲル状物が、10℃において流動性を示さないが、所望容器から解放することにより自重により該容器内における形態を実質的に保持し得ない変形を生じ、且つ上層及び下層のゲル状物を0〜30℃において混合することにより、各層に含有された前記一対のゲル形成物質が反応し、該上層及び下層のゲル状物とは食感が異なる均一な新たなゲル状物を形成することを特徴とする冷凍多層デザート。
  5. ソースである上層と、ゲル状物である下層との少なくとも2層が接して一体形成されるように所望容器内に導入された、冷凍状態で保存され、喫食時に解凍する冷凍多層デザートであって、
    反応によりゲルを形成する一対のゲル形成物質の一方を下層に、他方を上層にそれぞれ含み、
    下層のゲル状物の5℃における初期弾性が4〜55gf、且つ破断時荷重が6〜200gfであることを特徴とする冷凍多層デザート。
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