JP4272508B2 - 橋桁支持体 - Google Patents
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Description
また、橋台や橋脚等の橋桁支持体は、大型でかつ剛性が大きいため固有周期が小さく、短周期の地震が発生すると、この地震の振動と共振して大きな被害を生じる場合があるが、上記のような制振装置では短周期の地震によって橋桁支持体に共振が生じた場合は、それを制振するのは困難な場合もある。
さらに、橋台や橋脚等の橋桁支持体が鉄筋コンクリート製である場合、マスコンクリートとなるので、温度応力に起因するひび割れが発生したり、地震等によってひび割れが発生する場合があるが、これらのひび割れの発生位置によっては、橋桁支持体に大きな悪影響を及ぼしかねない。
橋桁支持体1の壁部3の内部が、壁厚方向と直交する方向でかつ水平方向において複数の分割体10に分割されており、隣接する分割体10,10の間に縁切り部材15が介在されており、
前記壁部3の表面に、ひび割れを誘発する溝状の誘発目地16が隣接する前記分割体10,10の境界部に沿って上下方向に形成されていることを特徴とする。
また、前記縁切り部材としては、例えば鉄板等を使用することができるが、これに限るものではない。要は、隣接する分割体の縁を切り、地震等の際に、分割体10ごとに挙動させることができるものであればよい。
また、本発明を橋脚に適用する場合、壁式橋脚に適用するのが好ましい。
また、壁部を複数の分割体に分割し、それらの間に縁切り部材を介在した簡単な構造であるので、施工やコスト面でも優れたものとなる。
また、温度応力や地震等に起因してひび割れが発生する場合は、隣接する分割体の境界部に沿って上下方向に形成された誘発目地部に発生するので、ひび割れの発生位置を制御でき、よって、ひび割れによる橋桁支持体への悪影響を防止できる。つまり、ひび割れは、誘発目地に半強制的に発生させるものであり、分割体どうしは縁切り部材によって縁が切られているので、このひび割れによって橋桁支持体に構造的な悪影響が及ぶのを防止できる。
前記溝状の誘発目地16には弾性材17が充填されていることを特徴とする。
また、壁部が複数の分割体によって構成されているので、温度応力に起因するひび割れが発生し難くなり、さらに、温度応力や地震等に起因してひび割れが発生する場合は誘発目地部に発生するので、ひび割れの発生位置を制御でき、よって、ひび割れによる橋桁支持体への悪影響を防止できる。さらに、誘発目地に弾性材が充填されているので、誘発目地にひび割れが発生した際に、このひび割れを弾性材によって覆い隠すことができる。
図1は橋台(橋桁支持体)の正面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は図2におけるX円部の拡大図である。
フーチング部2および壁部3の下端部は地盤に埋設されており、フーチング部2は地盤に打ち込まれた複数の基礎杭6…によって支持されている。パラペット部5の厚さは梁部4より薄く形成されており、パラペット部5と梁部4とは側面視において略L字状に形成されている。そして、パラペット部5より前方の梁部4の上面が、桁受け部7となっており、この桁受け部7に橋桁(図示略)の端部が設置されて下方から支持されるようになっている。
前記分割体10はそれ自身で1本のコンクリート柱を構成するように、主鉄筋11および帯鉄筋12が配筋されている。
つまり、図2に示すように、4つの分割体10のうち、左右に位置する分割体10,10では、それぞれ主鉄筋11…が平断面視において略コ字状または略逆コ字状に配筋されている。また、中央部に位置する2つの分割体10,10では、それぞれ主鉄筋11…が平断面視において平行に配筋されている。
また、帯鉄筋12は平断面視矩形リング状のものであり、前記主鉄筋11を取り囲むようにして配筋されている。また、複数の帯鉄筋12,12は左右方向において等間隔に配筋されている。
この縁切り部材15は鉄板で形成されたものであり、図3に示すように、隣接する分割体10,10の境界部に配置される縁切板15aと、この縁切板15aの両端部に、該縁切板15aと直交してそれぞれ形成されたフランジ板15bとを備えた構成となっている。そして、縁切り部材15は、そのフンランジ板15bの両端部をそれぞれ、隣接する分割体10,10の帯鉄筋12,12の出隅部に当接することによって、コンクリート打設前の隣接する分割体10,10の帯鉄筋12,12間に位置決めされている。
このように、各分割体10を構成する主鉄筋11および帯鉄筋12、縁切り部材15を図示しない型枠内に配筋してコンクリートを打設することによって、複数の柱状の分割体10からなる壁部3が形成され、隣接する分割体10,10どうしは縁切り部材15によって縁切りされ、地震等の際には分割体10毎に挙動することになる。
この誘発目地16は、その部分に半強制的にひび割れを発生させるものであり、壁の上下方向に沿ってその上端から下端まで形成されている。誘発目地16には、シーリング材等の柔軟性のある弾性材17が充填されており、弾性材17の表面は壁部13の表面とほぼ面一になっている。
したがって、従来の大型で一体型の橋台に比して、短周期の地震の際における共振を防止できる。
また、壁部3を複数の分割体10に分割し、それらの間に縁切り部材15を介在した簡単な構造であるので、施工やコスト面でも優れたものとなる。
そして、温度応力や地震等に起因してひび割れが発生する場合は、分割体10の境界部に対応する部位に形成された誘発目地部16に発生するので、ひび割れの発生位置を制御でき、よって、ひび割れによる橋台1への悪影響を防止できる。このひび割れは、誘発目地16に半強制的に発生させるものであり、分割体10,10どうしは縁切り部材15によって縁が切られいるので、このひび割れによって橋台1に構造的な悪影響が及ぶのを防止できる。
さらに、誘発目地16に弾性材17が充填されているので、温度応力や地震等に起因して、誘発目地にひび割れが発生した際に、このひび割れを弾性材17によって覆い隠すことができる。
また、縁切り部材15のフンランジ板15bの両端部をそれぞれ、隣接する分割体10,10の帯鉄筋12,12に当接することによって、コンクリート打設前の隣接する分割体10,10の帯鉄筋12,12間に位置決めしたので、縁切り部材15の位置決めが容易であり、また、コンクリート打設に伴って縁切り部材15の位置がずれるのを防止できる。
また、本実施の形態では、壁部3を等分割して複数の同幅の分割体10を形成したが、不等分割して幅の異なる分割体を形成してもよい。
3 壁部
10 分割体
15 縁切り部材
16 誘発目地
17 弾性材
Claims (2)
- 橋桁の端部または中間部を支持する橋台や橋脚等の橋桁支持体であって、
橋桁支持体の壁部の内部が、壁厚方向と直交する方向でかつ水平方向において複数の分割体に分割されており、隣接する分割体の間に縁切り部材が介在されており、
前記壁部の表面に、ひび割れを誘発する溝状の誘発目地が隣接する前記分割体の境界部に沿って上下方向に形成されていることを特徴とする橋桁支持体。 - 前記溝状の誘発目地には弾性材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の橋桁支持体。
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