JP4271824B2 - 配線用ボックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建築壁面の裏側に配置され、内部にケーブルや配線器具が配線、収容される配線用ボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の配線用ボックスは特開平9−289720号公報に開示される構成のものが知られている。この配線用ボックスは合成樹脂材料により開口を有する四角箱状に形成されている。その側壁又は底壁には、それらの長さ方向全体にかけて、ケーブルを配線用ボックス内を貫通して挿入可能な切欠き部が形成されている。また、配線用ボックスの一側壁には所定厚さを有するとともに、四角形状をなす取付部が形成され、その取付部には取付孔が形成されている。
【0003】
例えば、木造建築の大壁に配線用ボックスを設置する場合、大壁配置前の状態において、柱間に架設された木ずりを切除し、さらに、木ずり内に充填された断熱材等を除去して配線用ボックス挿入用の孔を形成する。そして、その孔から配線用ボックスを木ずり内に挿入し、取付孔において、取付ねじを使用して柱等に取付部を介して配線用ボックスが取り付けられる。
【0004】
そして、その配線用ボックス内にケーブルを配線する際は、配線用ボックスの近傍に配置されたケーブルの下方を把持し、配線用ボックスの横側又は裏側から、ケーブルを配線用ボックス内を横切らせるように移動させてケーブル全体を切欠き部から挿入する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、配線用ボックス内にケーブルを配線する際、木ずり等が障害となるため、配線用ボックスの横側又は裏側に手を挿入して、ケーブルを把持して切欠き部から配線用ボックス内へ挿入する作業を行なうのは非常に困難であるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ケーブルの配線作業性を向上させることができる配線用ボックスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の配線用ボックスは、前面に開口を有する有底箱状に形成されたボックス本体の側壁には、同側壁にケーブルを貫通させるための配線貫通部と、前記ボックス本体の開口側から前記配線貫通部内へのケーブルの貫通配線を可能とするように、ボックス本体の開口側に臨むとともに配線貫通部に連通する連通部とを備え、前記ボックス本体の開口側には、連通部が形成された側壁に沿って被探知部が備えられ、前記被探知部は、金属材料を含んで構成され、金属探知器により探知可能であるとともに、前記ボックス本体の開口側からの前記連通部へのケーブルを挿入する際に、ボックス本体の底壁方向へ押し開かれてケーブルが前記連通部を通過した後、開口側に復帰するように設けられているものである。
【0009】
請求項2に記載の発明の配線用ボックスは、請求項1に記載の発明において、前記被探知部はケーブルの挿入により押し開かれた後に復帰すべき可撓性を有する被探知用フィルムであるものである。
【0010】
請求項3に記載の発明の配線用ボックスは、請求項2に記載の発明において、前記被探知用フィルムはケーブルの挿入により破断された後、ボックス本体の底壁方向へ変形して押し開かれるものである。
【0011】
請求項4に記載の発明の配線用ボックスは、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記被探知用フィルムには、開口側から連通部へ挿入されるケーブルの軸線方向に沿って延びる切込部が連通部に対応するように形成されているものである。
【0012】
請求項5に記載の発明の配線用ボックスは、請求項4に記載の発明において、前記切込部は被探知用フィルムの幅方向の両側に設けられているものである。
【0013】
請求項6に記載の発明の配線用ボックスは、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記配線貫通部及び連通部のうち少なくともいずれか一方を閉鎖する位置には、前記ボックス本体の開口側から配線貫通部内へのケーブルの通過を可能とすべく変形又は除去可能な閉鎖部が設けられているものである。
【0016】
請求項7に記載の発明の配線用ボックスは、請求項6に記載の発明において、前記閉鎖部は、ボックス本体の開口側から連通部へのケーブルの挿入又は連通部へのケーブルの挿入さらには配線貫通部へのケーブルの挿入を可能とすべく変形可能であるとともに、配線貫通部内へ貫通配線されたケーブルの配線貫通部からボックス本体の開口側への抜け出しを規制する抜け止め部材である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、合成樹脂製の配線用ボックス11は、有底四角箱状のボックス本体12に取付部13が一体形成されて構成されている。上記ボックス本体12は相対向する一対の短側壁14及び相対向する一対の長側壁15とより構成される周壁16と、周壁16の一端側を閉塞する底壁17とにより一面が開口されて構成されている。一方の長側壁15の外面には取付部13が設けられている。
【0019】
図2に示すように、平形ケーブル(以下ケーブルと略す)18は、2本又は3本の導線がポリ塩化ビニル等の絶縁材料により被覆され、扁平状に形成されたものである。前記一対の短側壁14には、ボックス本体12の開口から底壁17方向へ所定長さだけ、幅がケーブル18の短辺側の幅よりわずかに広く、かつ長辺側の幅より狭い連通部19が形成されている。その連通部19の内端縁からは円形状をなし、幅がケーブル18の長辺側の幅より広く形成された配線貫通部20が形成されている。連通部19及び配線貫通部20は相対向する短側壁14において、それぞれ対向する位置に形成されている。そして、ケーブル18は、その短辺側がボックス本体12の開口側から連通部19を通過し、配線貫通部20に貫通配線されるようになっている。
【0020】
図1に示すように、対向する他方の配線貫通部20内には、一対の折り取り部21により連結され、配線貫通部20を閉塞する閉鎖部のうちの変形防止部材としての円板状のノック部22が設けられている。そのため、配線用ボックス11の運搬時や保管時に、長側壁15側から外力が作用したり、その周辺温度が非常に高くなったりした場合、ノック部22により連通部19周辺の変形が受け止められる。そして、このノック部22を打ち抜いて除去し、他方の配線貫通部20を開放することにより、その配線貫通部20を前記一方の配線貫通部20と同様に使用することができるようになっている。
【0021】
図1及び図2に示すように、一対の短側壁14の内面において、対向する配線貫通部20の外縁に沿ってほぼ円弧状に形成され、その開口部が幅狭に形成された管接続部23が、その開口部をボックス本体12の開口側に開口するようにボックス本体12の内方へ突出形成されている。その管接続部23の開口部の開口幅は連通部19の幅と対応し、管接続部23の内周面は配線貫通部20の内周面と面一になっている。また、管接続部23の内周面中央には係止突条24が形成されている。
【0022】
両長側壁15の管接続部23の端面よりやや離れた位置には、その長側壁15に対して直交するようにボックス本体12内方向へ突出する電線管ストッパー25が形成されている。そして、図示されない外周面が蛇腹状をなす電線管又はその電線管内にケーブルが挿入されたケーブル入り電線管を配線貫通部20内に挿入し、さらに配線貫通部20内を介して管接続部23に、電線管を挿入可能になっている。
【0023】
このとき、配線貫通部20は電線管挿入孔として機能するとともに、電線管の凹条に前記係止突条24が係合して、電線管の上方への抜け出しを防止するようになっている。さらに、電線管の端部が電線管ストッパー25の上面に当接して、それ以上、電線管がボックス本体12内に入り込むのが防止されるようになっている。
【0024】
ボックス本体12の底壁17上において、一対の短側壁14の内面位置には円筒状をなす配線器具取付部26が、その先端部が開口に臨むように形成され、その中央には挿通孔27が形成されている。そして、図示しない配線器具取付枠からねじを挿通孔27にねじ込むことによりボックス本体12に配線器具取付枠を取り付けることができるようになっている。
【0025】
図1及び図2に示すように、ボックス本体12の両短側壁14に沿う位置には、一方の長側壁15の端面、配線器具取付部26の端面及び他方の長側壁15の端面にかけて、帯状をなす被探知部としての被探知用フィルム(以下、単にフィルムと称す)28が貼着されている。各挿通孔27の開口はこのフィルム28により閉塞されている。
【0026】
フィルム28は塩化ビニル樹脂層上にアルミニウム箔(以下、アルミ箔という)層、接着剤層及びポリエチレンテレフタレート層が積層されて厚さが40μmに形成されている。金属材料のアルミ箔層は剛性と可撓性を有し、その厚みはポリエチレンテレフタレート層より薄く形成されている。そのため、例えば、フィルム28が破断されて変形した後、元の位置に復帰するようになっている。また、壁の裏側に配線用ボックス11が配置されている場合、金属探知器によりフィルム28を探知して配線用ボックス11の位置を確認することができるようになっている。
【0027】
各連通部19からケーブル18の短辺側が通過できるように、ケーブル18を各連通部19の開口に対応させたとき、そのケーブル18の軸線方向、つまり、図1、図2及び図3(a)、(b)、(c)に示すように、連通部19の開口の中心線上に位置するフィルム28の幅方向の両側、フィルム28の上端縁及び下端縁には、各短側壁14側からフィルム28の内方へ延びる切込部29が形成されている。
【0028】
そのため、例えばケーブル18等によりフィルム28を、その上側又は下側から押圧したとき、切込部29からフィルム28を容易に破断することができるようになっている。そして、ボックス本体12の開口側から連通部19へのケーブル18の挿入によりフィルム28が破断された後、フィルム28はボックス本体12の底壁17方向へ変形して押し開かれる。さらに、フィルム28はケーブル18の挿入を許容し、前記連通部19からケーブル18の短辺側を通過させ、配線貫通部20にケーブル18を貫通配線することができるようになっている。ケーブル18が配線貫通部20に貫通配線された後、フィルム28はボックス本体12の開口側に臨むように復帰するようになっている。
【0029】
図1及び図2に示すように、前記取付部13は所定厚さを有する四角形状に形成され、その取付部13には長側壁15を貫通して横方向に延びる長孔状の取付孔30が所定間隔をおいて3箇所に形成されている。そして、図2に示すように、建築物を構築するための構造体としての柱31に対して、取付孔30からねじ32をねじ込むことにより、配線用ボックス11を取付部13を介して柱31に取り付けることができるようになっている。
【0030】
次に、前記配線用ボックス11の作用について以下に記載する。
例えば、木造建築の大壁に配線用ボックス11を設置する場合、まず、大壁配置前の状態において、柱31間に架設された図示されない木ずりを切除し、さらに、その木ずり内に充填された図示されない断熱材等を除去して配線用ボックス11挿入用の孔を形成する。そして、その孔から配線用ボックス11を木ずり内に挿入し、取付孔30において、ねじ32を使用して柱31に取付部13を介して配線用ボックス11を取り付ける。
【0031】
このとき、配線用ボックス11の開口は、後に配置される大壁側に臨むように取り付けられるとともに、連通部19及び配線貫通部20が配線用ボックス11の上下に位置するように取り付けられる。
【0032】
次いで、前記配線用ボックス11の近傍に予め配線されたケーブル18を手で把持し、図3(a)に示すように、その短辺側を連通部19の開口に対応させるとともに、その連通部19の開口の近傍に位置するフィルム28に対応させる。そして、上端側又は下端側の切込部29をケーブル18により押圧する。又は切込部29間のフィルム28の中央部をケーブル18により押圧する。
【0033】
すると、フィルム28の幅方向の両側から切込部29が形成されているため、その部分だけフィルム28の他の部分よりフィルム28の幅方向への長さが短くなり、破断に対する強度が低くなっている。そのため、切込部29間のフィルム28は、切込部29が形成されていない部分より容易に破断することができる。
【0034】
また、図3(b)に示すように、フィルム28が破断されると、ケーブル18が連通部19内に入り込むとともに、フィルム28の破断された端部がケーブル18の押圧により底壁17方向へ押し開かれ、連通部19内へ挿入される。そのため、フィルム28の端部が連通部19の開口付近に残る場合と比較して、ケーブル18に対するフィルム28による抵抗を低減することができ、ケーブル18が連通部19の開口を容易に通過することができる。
【0035】
さらに、ケーブル18を配線貫通部20方向へ移動させると、ケーブル18が連通部19を通過し、配線貫通部20内に配線される。このとき、連通部19を通過させることによりケーブル18を配線用ボックス11の開口側からその内部に挿入し、配線貫通部20に配線することができる。従って、例えば、配線用ボックス11の底壁17や周壁16に、開口に連通しない切り欠き部が形成されている場合と異なり、ケーブル18を配線用ボックス11の裏側や横側に移動させる必要がなく、また、木ずり等が障害とならずにケーブル18を配線用ボックス11内に容易に挿入することができる。
【0036】
それと同時に、フィルム28の端部はケーブル18による底壁17方向への押圧が解除され、図3(c)に示すように、配線用ボックス11の開口側へ臨むように復帰する。そのため、そのフィルム28により、配線貫通部20に配線されたケーブル18が連通部19を通過して配線用ボックス11から抜け出るのを抑制することができる。
【0037】
次に、ケーブル18が配線された配線用ボックス11の開口側に大壁が配置され、配線用ボックス11が大壁の裏側に隠蔽設置される。そして、この配線用ボックス11に配線されたケーブル18に配線器具を接続する場合、まず、大壁の表側から金属探知器により、配線用ボックス11のフィルム28の位置を探知する。
【0038】
フィルム28はケーブル18の通過後、配線用ボックス11の開口側に臨むように元の位置に復帰している。そのため、ケーブル18の通過により底壁17方向へ折れ曲がったままの状態と比較して、開口側に臨むフィルム28の表面積は大きくなっている。従って、金属探知器によりフィルム28の位置を容易に探知することができ、その作業時間の短縮を図ることができる。
【0039】
前記第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 一対の短側壁14には、開口側に臨む一対の連通部19と、それらの連通部19に連通する配線貫通部20がそれぞれ形成されている。そして、フィルム28さらに連通部19からケーブル18を通過させて、ケーブル18を配線貫通部20に配線することができる。従って、配線用ボックス11の底壁17や周壁16に、開口と連通しない切り欠き部が形成されている場合と異なり、ケーブル18を配線用ボックス11の裏側や横側に移動させる必要がない。その結果、例えば、木造建築の大壁内に配線用ボックス11を隠蔽設置する場合、木ずり等が障害にならず、ケーブル18を配線用ボックス11内に容易に挿入することができ、その作業性を向上させることができる。
【0040】
・ フィルム28の各連通部19の開口の中心線上の対向する位置、つまり、連通部19に挿入されるケーブル18の軸線方向に沿う位置にはフィルム28の幅方向の両側からフィルム28の内方へ向かって切込部29が形成されている。そのため、ケーブル18によりフィルム28の切込部29が形成された部分を押圧したとき、フィルム28に切込部29が形成されていない場合よりも、フィルム28を容易に破断することができ、その作業効率を向上させることができる。
【0041】
・ フィルム28はケーブル18の通過により破断された後、配線用ボックス11の開口側に臨むように復帰する。そのため、大壁の表側からの金属探知器によるフィルム28の探知作業を容易に行うことができ、その作業時間を短縮することができる。
【0042】
・ フィルム28を構成するアルミ箔層は剛性と可撓性を有する材料により形成されるとともに、その厚みはフィルム28を構成するポリエチレンテレフタレート層より薄く形成されている。そして、フィルム28が破断されて底壁17方向へ押し開かれた後、開口側へ臨むように復帰する。そのため、フィルム28が底壁17方向へ折れ曲がったままの状態の場合と比較して金属探知器によるフィルム28の探知作業を容易に行うことができる。
【0043】
・ フィルム28が切込部29から破断されたとき、そのフィルム28の端部は底壁17方向へ押し開かれる。そのため、フィルム28の端部が連通部19の開口付近に残る場合と比較して、ケーブル18を容易に通過させることができる。
【0044】
・ 対向する他方の配線貫通部20内には、一対の折り取り部21により連結され、配線貫通部20を閉塞する円板状の変形防止部材22としてのノック部22が設けられている。配線用ボックス11の運搬時や保管時に、長側壁15側から外力が作用したり、その周辺温度が非常に高くなったりした場合、変形防止部材22により連通部19周辺の変形が受け止められる。
【0045】
(第2実施形態)
以下、各実施形態では前記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図4又は図5に示すように、一対の短側壁14の外面において、各配線貫通部20の外方位置には、配線貫通部20に沿ってほぼU字状に形成された管接続部23が、その開口部をボックス本体12の開口側に開口するように突出形成されている。
【0046】
図5に示すように、合成樹脂材料製の電線管37はその外周面の周方向に沿って形成された凹条38が所定間隔をおいて複数形成され、蛇腹状に形成されている。各管接続部23の外方側の中間部には、開口から管接続部23の奥方へ、管接続部23の周方向に沿って溝39がそれぞれ形成されている。図4及び図5に示すように、前記溝39より先端部側の管接続部23の開口部の端部には、内方へ突出し、その内周面が円弧状をなす規制部40が形成されている。また、その規制部40が対向する管接続部23の内周面には、管接続部23の横方向に沿って係止部としての突条41が突出形成されている。
【0047】
連通部19を閉鎖する位置には、ボックス本体12の開口側から配線貫通部20内へのケーブル18の通過を可能とすべく変形又は除去可能な閉鎖部としての変形防止部材22が設けられている。その変形防止部材22は各連通部19において、それらの一方の内側面から他方の内側面に向かって延びるように片持ち支持されている。それらの変形防止部材22の基端部は幅狭に形成されてヒンジ43となっている。そのヒンジ43により変形防止部材22を配線貫通部20方向へ折曲げ変形可能で、曲げられた変形防止部材22を原形状に復帰させることもできるようになっている。変形防止部材22と対向する内側面との間には隙間を有し、その隙間により変形防止部材22の曲げ変形及び戻し変形の操作を補助する補助手段が構成されている。
【0048】
さて、第2実施形態の配線用ボックス11の運搬時や保管時に、長側壁15側から外力が作用したり、その周辺温度が非常に高くなったりした場合、変形防止部材22の先端側が連通部19の他方の内側面に当接して、連通部19内の対向面同士を支持する。すると、その変形防止部材22によりボックス本体12の連通部19周辺の変形が受け止められる。
【0049】
第2実施形態の配線用ボックス11の使用の際は、電線管37の端部からケーブル18が突出するようにケーブル18が挿通された電線管37の端部を、配線用ボックス11の開口側から管接続部23方向へスライドさせて管接続部23の開口部から挿入する。すると、溝39によりその拡開及び縮径が円滑に行われ、電線管37の挿入が容易に行われる。
【0050】
電線管37が管接続部23に接続されたとき、管接続部23の内周面に形成された突条41が電線管37の凹条38に係止する。また、管接続部23の規制部40が電線管37を管接続部23内方へ押圧し、凹条38に突条41が強固に係止される。従って、突条41及び規制部40により電線管37が、その軸線方向及び側方へ抜け出るのを確実に防止することができる。
【0051】
さらに、フィルム28の上端側又は下端側の切込部29をケーブル18又は指により押圧し、フィルム28を破断してケーブル18をボックス本体12の開口側から連通部19へ挿入して通過させる。それに伴い、ケーブル18の配線貫通部20への貫通配線を可能とするようにケーブル18又は指により変形防止部材22を配線貫通部20方向へ押圧する。すると、変形防止部材22は配線貫通部20方向へ折曲げ変形される。このとき、変形防止部材22の基端部のヒンジ43及び変形防止部材22の先端部と連通部19の他方の内側面との間の隙間の補助により変形防止部材22の曲げ変形作業を容易に行うことができる。
【0052】
次に、ケーブル18を変形防止部材22を通過させて配線貫通部20方向へ移動させると、ケーブル18が配線貫通部20内に貫通配線される。フィルム28の端部は配線用ボックス11の開口側へ臨むように復帰し、さらに、配線貫通部20方向へ折曲げられた変形防止部材22を原形状に復帰させる。このときも、変形防止部材22のヒンジ43及び隙間の補助により変形防止部材22の戻し変形作業を容易に行うことができる。その結果、変形防止部材22とフィルム28とにより、配線貫通部20に配線されたケーブル18が連通部19を通過して配線用ボックス11から抜け出るのを抑制することができる。
【0053】
従って、第2実施形態の配線用ボックス11によれば、変形防止部材22により運搬時や保管時の外的要因、熱等により、連通部19や管接続部23周辺が変形したり破損したりするのを防止することができる。そのため、管接続部23への電線管37の接続及び連通部19へのケーブル18の通過、さらに配線貫通部20へのケーブル18の配線作業等を容易に行うことができるとともに、ケーブル18の破損等を防止することができる。
【0054】
さらに、変形防止部材22の基端部のヒンジ43及び隙間とにより、ケーブル18の押圧又は指により変形防止部材22を配線貫通部20方向へ容易に折曲げることができる。従って、ケーブル18の配線作業を容易に行うことができる。
【0055】
(第3実施形態)
図6及び図7(a)に示すように、第3実施形態の配線用ボックス11は第1実施形態と同様の構成のボックス本体12において、そのボックス本体12の開口と連通部19を介した配線貫通部20との間を閉鎖する位置、つまり、連通部19には閉鎖部としての抜け止め部材44が設けられている。この第3実施形態では、各抜け止め部材44は、それぞれ各連通部19において、それらの対向する内側面のうち、一方の内側面から連通部19の延びる方向に沿って基端部が片持ち支持されるとともに、他方の内側面方向へ延びて形成されている。各抜け止め部材44と対向する内側面との間には隙間を有し、その隙間により抜け止め部材44の弾性変形の操作を補助する補助手段が構成されている。
【0056】
また、各抜け止め部材44は各短側壁14と同じ面内に位置する平板状に形成されている。そして、その抜け止め部材44は基端部側を中心に、ケーブル18の配線貫通部20への貫通配線方向、つまり、ボックス本体12の内又は外方へ弾性変形可能に形成されている。一方、各抜け止め部材44は配線貫通部20側からボックス本体12の開口方向、即ち、ケーブル18の配線貫通部20への貫通配線方向に対して直交する方向へは弾性変形不能に形成されている。
【0057】
さて、第3実施形態の配線用ボックス11の運搬時や保管時に、長側壁15側から外力が作用したり、その周辺温度が非常に高くなったりした場合、抜け止め部材44の先端側が連通部19の他方の内側面に当接して、連通部19内の対向面同士を支持する。その結果、抜け止め部材44が変形防止部材として作用して、ボックス本体12の連通部19周辺の変形が受け止められる。
【0058】
配線用ボックス11の使用の際は、まず、フィルム28の上端側又は下端側の切込部29をケーブル18又は指により押圧し、フィルム28を破断してケーブル18をボックス本体12の開口側から連通部19へ挿入させる。次いで、図7(b)に2点鎖線で示すように、ケーブル18又は指により抜け止め部材44をボックス本体12の内方へ押圧して弾性変形させる。すると、抜け止め部材44による連通部19の閉鎖が解除されるとともに、ボックス本体12の開口と配線貫通部20が連通される。
【0059】
次に、ケーブル18を連通部19及び弾性変形された抜け止め部材44を通過させて配線貫通部20方向へ挿入すると、ケーブル18が配線貫通部20内に配線される。さらに、図7(c)に示すように、ボックス本体12内方向へ折曲げられた抜け止め部材44が、自身の弾性力により原形に復帰して元の状態に戻る。その結果、抜け止め部材44が、ボックス本体12の開口と連通部19を介した配線貫通部20との連通を閉鎖し、配線貫通部20に貫通配線されたケーブル18が連通部19を通過してボックス本体12の開口側へ抜け出るのが防止される。
【0060】
このとき、抜け止め部材44は連通部19の延びる方向に沿って片持ち支持されるとともに、各短側壁14と同じ面内に位置する平板状に形成されている。そのため、その抜け止め部材44が配線貫通部20からボックス本体12の開口方向、即ち、配線貫通部20に貫通配線されたケーブル18の軸線に対して直交する方向へ弾性変形するのが防止される。
【0061】
従って、第3実施形態の配線用ボックス11によれば、例えば、配線貫通部20に貫通配線されたケーブル18をボックス本体12の開口側へ引っ張ったとき、抜け止め部材44は、ボックス本体12の開口側へ変形しない。そのため、ケーブル18が配線貫通部20から連通部19を介し、さらにフィルム28を通過して配線用ボックス11外へ抜け出るのを防止することができる。その結果、配線用ボックス11からケーブル18が勢いよく飛び出て、その開口側に設けられた壁にケーブル18が勢いよく当たってその壁が損傷を受けるのを防止することができる。
【0062】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
(1) 各実施形態において、ボックス本体12の両短側壁14側に設けられたフィルム28のうち少なくとも一方のフィルム28において、どちらか一方の連通部19のみに対応するように切込部29を形成しても良い。
【0063】
(2) 各実施形態において、ボックス本体12の両短側壁14側に設けられたフィルム28のうち少なくとも一方のフィルム28において、どちらか一方の短側壁14側の端縁のみに切込部29を形成しても良い。
【0064】
(3) 各実施形態において、図8に示すように、ボックス本体12の両短側壁14側に設けられたフィルム28のうち少なくとも一方のフィルム28において、少なくとも一方の連通部19のみに対応するように、フィルム28の幅方向に延びるようにフィルム28の中心に切込部29を形成しても良い。このように構成した場合も、フィルム28をケーブル18等により押圧したとき、フィルム28を容易に破断することができる。
【0065】
(4) 各実施形態において、図9に示すように、ボックス本体12の両短側壁14側に設けられたフィルム28のうち少なくとも一方のフィルム28において、少なくとも一方の連通部19のみに対応するように、フィルム28の幅方向全体に延びるようにフィルム28の中心にスリット33を形成し、フィルム28を予め破断しておいても良い。このように構成した場合も、ケーブル18がフィルム28を容易に通過することができる。
【0066】
(5) 各実施形態において、図10に示すように、ボックス本体12の両短側壁14のうち少なくとも一方の短側壁14に沿ってフィルム28の両端部が両長側壁15方向へ延びるように、フィルム28の中心を配線器具取付部26の端面に貼着し、フィルム28の各端部を各長側壁15の端面に貼着しないように片持ち状態にしても良い。このように構成した場合、ケーブル18を連通部19へ挿入するとき、フィルム28を破断する必要がないとともに、ケーブル18によりフィルム28を押圧したとき、フィルム28の端部は底壁17方向へ容易に押し開かれる。そのため、ケーブル18を配線貫通部20へ速やかに配線することができる。また、フィルム28を節約して、製造コストの低減を図ることができる。
【0067】
(6) 各実施形態において、図11に示すように、ボックス本体12の両短側壁14のうちの少なくともいずれか一方側において、一対の長側壁15の端面の対向する位置にフィルム28の一端を貼着し、そのフィルム28の他端を、両短側壁14に沿って配線器具取付部26方向へ延長して片持ち支持し、その他端を配線器具取付部26の端面に貼着しなくてもよい。このように構成した場合も、ケーブル18を連通部19へ挿入するとき、フィルム28を破断する必要がないとともに、ケーブル18によりフィルム28を押圧したとき、フィルム28の端部は底壁17方向へ容易に押し開かれる。そのため、ケーブル18を配線貫通部20へ速やかに配線することができる。また、フィルム28を節約して、製造コストの低減を図ることができる。
【0068】
(7) 各実施形態において、図12(a)に示すように、配線用ボックス11の少なくとも一端部において、一対の長側壁15の端面の対向する位置から所定幅及び所定の厚みを有する被押圧部34を延設し、その被押圧部34の先端を短側壁14に沿って配線器具取付部26方向へ延長し、その他端を配線器具取付部26に接合しない。そして、図12(b)に示すように、被押圧部34の長側壁15側の基端部において、その配線用ボックス11側を肉薄に形成して被押圧部34にヒンジ36を設け、被押圧部34を折り曲げ可能に構成する。さらに、図12(a)に示すように、被押圧部34の配線用ボックス11の開口側に被探知用フィルム、金属板等の被探知部材35を設けて被探知部28を構成しても良い。また、ヒンジ36を有する被押圧部34を金属材料により形成し、その基端部を一対の長側壁15の端面の対向する位置に接合してもよい。なお、管接続部23を省略する。
【0069】
このように構成した場合、ケーブル18等により被押圧部34を押圧すると、図12(b)の2点鎖線に示すように、被押圧部34はヒンジ36のヒンジ機能により底壁17方向へ折れ曲がり、ケーブル18が配線貫通部20に配線されたとき、ヒンジ36のヒンジ機能により配線用ボックス11の開口側へ臨むように復帰する。そのため、被探知部28を破断する場合と比較して被探知部28に対する押圧力を低減してケーブル18の配線貫通部20への配線作業を速やかに行うことができる。また、被押圧部34には被探知部材35が設けられているため、金属探知器による配線用ボックス11の探知作業を速やかに行うことができる。
【0070】
(8) 各実施形態において、各連通部19内及び各配線貫通部20内の少なくとも一方に図13に示すような変形防止部材22又は抜け止め部材44を架設し、その両端部を幅狭に形成してヒンジ43を形成する。さらに、変形防止部材22又は抜け止め部材44の中間部を幅狭に形成して、変形防止部材22又は抜け止め部材44の変形又は除去を補助する補助手段を構成しても良い。このように構成した場合、運搬時や保管時の外的要因等により、連通部19や配線貫通部20の周辺が変形したり破損したりするのを防止することができる。さらに、変形防止部材22又は抜け止め部材44の両端部のヒンジ43及び中間部の補助手段とにより、ボックス本体12の開口側から連通部19へのケーブル18の挿入に伴い、変形防止部材22又は抜け止め部材44をその中間部から配線貫通部20方向へ容易に変形又は除去することができる。
【0071】
(9) 各実施形態において、図14に示すように、各連通部19及び各配線貫通部20の少なくとも一方の両側面から内方へ互いに対向するように延びる変形防止部材22又は抜け止め部材44を形成し、その両基端部を幅狭に形成してヒンジ43を形成する。さらに、両変形防止部材22又は抜け止め部材44の先端部間に、変形防止部材22又は抜け止め部材44の変形又は除去を補助する補助手段としての隙間を構成しても良い。このように構成した場合、運搬時や保管時の外的要因等により、連通部19や配線貫通部20の周辺が変形したり破損したりするのを防止することができる。さらに、ケーブル18の押圧により両変形防止部材22又は抜け止め部材44を配線貫通部20方向へ容易に変形又は除去することができる。
【0072】
(10) 各実施形態において、どちらか一方の短側壁14のみに、配線貫通部20と連通部19とを1箇所又は3箇所以上形成する。そして、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の切込部29をフィルム28に設ける又は(7)に記載の被探知部材35を備えた被押圧部34を連通部19に対応するように設けても良い。
【0073】
(11) 各実施形態において、少なくとも一方の長側壁15に、配線貫通部20と連通部19とを少なくとも1箇所に形成する。そして、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の切込部29をフィルム28に設ける又は(7)に記載の被探知部材35を備えた被押圧部34を連通部19に対応するように設けても良い。
【0074】
(12) 各実施形態において、フィルム28の厚みを40μmより薄く又は厚く形成してもよい。
(13) 第2又は第3実施形態の配線用ボックス11の4つの配線貫通部20のうち少なくともいずれか1つに、一対の折り取り部21により連結され、配線貫通部20を閉塞する閉鎖部としての円板状のノック部22を設けてもよい。
【0075】
(14) 第2実施形態において、ケーブル18の端部が電線管37から突出するようにケーブル18が電線管37内に予め挿通固定されたケーブル入り電線管又は施工現場において、ケーブル18の端部が電線管37から突出するようにケーブル18を電線管37内に挿通した電線管37を管接続部23に接続しても良い。このように構成した場合も、電線管37及びケーブル18を配線用ボックス11に容易に接続、配線することができる。
【0076】
(15) 第2実施形態において、変形防止部材22を折り取り除去しても良い。このように構成した場合、変形防止部材22を折り取る前の運搬時や保管時の外的要因等により、連通部19や配線貫通部20の周辺が変形したり破損したりするのを防止することができる。
【0077】
(16) 第2実施形態において、連通部19及び配線貫通部20のうち少なくともいずれか一方に第3実施形態の抜け止め部材44を設けても良い。
(17) 第2又は第3実施形態において、閉鎖部としての変形防止部材22又は抜け止め部材44を省略してもよい。
【0078】
(18) 各実施形態において、ケーブル18による押圧、鋏、ナイフ等の切断手段又は指によりフィルム28を破断してフィルム28をボックス本体12の底壁17方向へ変形して押し開き、そのフィルム28にケーブル18を通過させた後、破断されたフィルム28を開口側に臨むように手で復帰させてもよく、復帰させなくてもよい。
【0079】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0080】
・ 前記ボックス本体の側壁には連通部が形成された側壁に沿うとともに、ボックス本体の内方へ延びる被探知部としての被探知用フィルムが備えられている又はボックス本体に備えられた配線器具取付部には、連通部が形成された側壁に沿うとともに、ボックス本体の側壁方向へ延びる被探知部としての被探知用フィルムが備えられている請求項1に記載の配線用ボックス。このように構成した場合、被探知用フィルムを節約して、製造コストの低減を図ることができる。
【0081】
・ 前記ボックス本体の側壁からは、連通部が形成された側壁に沿うとともに、ボックス本体の内方へ延びる被探知部が延設され、その被探知部は押圧による底壁方向への変形又は押圧解除による開口側への復帰が可能なヒンジ機能を備えたものである請求項1に記載の配線用ボックス。このように構成した場合、被探知部に対する押圧力を低減してケーブルの配線貫通部への配線作業を速やかに行うことができる。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の配線用ボックスによれば、ケーブルの配線作業性を向上させることができる。
【0084】
加えて、壁の表側からの金属探知器によるボックス本体の探知作業を容易に行うことができ、その作業時間を短縮することができる。
【0085】
請求項2に記載の発明の配線用ボックスによれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、被探知用フィルムを容易に破断することができ、ケーブルの配線作業を速やかに行うことができる。
【0086】
請求項3に記載の発明の配線用ボックスによれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、破断されたフィルムの端部が連通部の開口付近に残る場合と比較して、ケーブルが連通部を容易に通過することができる。
【0087】
請求項4に記載の発明の配線用ボックスによれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、フィルムの破断作業をより一層容易に行うことができる。
【0088】
請求項5に記載の発明の配線用ボックスによれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、フィルムの破断作業を、フィルムの両側のどちらからも行えるため、その作業効率を向上させることができる。
【0090】
請求項6に記載の発明の配線用ボックスによれば、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加え、例えば、ボックス本体の変形や配線貫通部に貫通配線されたケーブルのボックス本体開口側への抜け出しを規制することができる。
【0094】
請求項7に記載の発明の配線用ボックスによれば、請求項6に記載の発明の効果に加え、ケーブルが配線貫通部からボックス本体外へ抜け出るのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の配線用ボックスを示す斜視図。
【図2】 配線用ボックスにケーブルを配線する状態を示す斜視図。
【図3】 (a)はケーブルを配線用ボックスに配線する前の状態を示す平面図、(b)はケーブルがフィルムを通過した状態を示す平面図、(c)はケーブルが配線貫通部に配線された状態を示す平面図。
【図4】 第2実施形態の配線用ボックスを示す斜視図。
【図5】 第2実施形態の配線用ボックスの使用状態を示す分解斜視図。
【図6】 第3実施形態の配線用ボックスを示す斜視図。
【図7】 (a)は第3実施形態の配線用ボックスを示す部分正面図、(b)は抜け止め部材を弾性変形させた状態を示す部分正面図、(c)は第3実施形態の配線用ボックスにケーブルを配線した状態を示す平面図。
【図8】 フィルムの別例を示す部分正面図。
【図9】 フィルムの別例を示す部分正面図。
【図10】 フィルムの別例を示す部分正面図。
【図11】 フィルムの別例を示す部分正面図。
【図12】 (a)は第1実施形態の別例を示す部分斜視図、(b)は図12(a)の12−12線断面図。
【図13】 変形防止部材又は抜け止め部材の別例を示す平面図。
【図14】 変形防止部材又は抜け止め部材の別例を示す平面図。
【符号の説明】
11…配線用ボックス、12…ボックス本体、16…周壁、17…底壁、18…ケーブル、19…連通部、20…配線貫通部、22…閉鎖部のうちの変形防止部材又はノック部、28…被探知部としての被探知用フィルム、29…切込部、33…スリット、34…被探知部を構成する被押圧部、35…被探知部を構成する被探知部材、36…被探知部及び補助手段を構成するヒンジ、44…閉鎖部としての抜け止め部材。
Claims (7)
- 前面に開口を有する有底箱状に形成されたボックス本体の側壁には、同側壁にケーブルを貫通させるための配線貫通部と、前記ボックス本体の開口側から前記配線貫通部内へのケーブルの貫通配線を可能とするように、ボックス本体の開口側に臨むとともに配線貫通部に連通する連通部とを備え、前記ボックス本体の開口側には、連通部が形成された側壁に沿って被探知部が備えられ、前記被探知部は、金属材料を含んで構成され、金属探知器により探知可能であるとともに、前記ボックス本体の開口側からの前記連通部へのケーブルを挿入する際に、ボックス本体の底壁方向へ押し開かれてケーブルが前記連通部を通過した後、開口側に復帰するように設けられている配線用ボックス。
- 前記被探知部はケーブルの挿入により押し開かれた後に復帰すべき可撓性を有する被探知用フィルムである請求項1に記載の配線用ボックス。
- 前記被探知用フィルムはケーブルの挿入により破断された後、ボックス本体の底壁方向へ変形して押し開かれるものである請求項2に記載の配線用ボックス。
- 前記被探知用フィルムには、開口側から連通部へ挿入されるケーブルの軸線方向に沿って延びる切込部が連通部に対応するように形成されている請求項2又は請求項3に記載の配線用ボックス。
- 前記切込部は被探知用フィルムの幅方向の両側に設けられている請求項4に記載の配線用ボックス。
- 前記配線貫通部及び連通部のうち少なくともいずれか一方を閉鎖する位置には、前記ボックス本体の開口側から配線貫通部内へのケーブルの通過を可能とすべく変形又は除去可能な閉鎖部が設けられている請求項1〜請求項5のいずれかに記載の配線用ボックス。
- 前記閉鎖部は、ボックス本体の開口側から連通部へのケーブルの挿入又は連通部へのケーブルの挿入さらには配線貫通部へのケーブルの挿入を可能とすべく変形可能であるとともに、配線貫通部内へ貫通配線されたケーブルの配線貫通部からボックス本体の開口側への抜け出しを規制する抜け止め部材である請求項6に記載の配線用ボックス。
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