JP4271465B2 - くら乗り型車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動二輪車等のくら乗り型車両、とりわけくら乗り型車両をそのライフサイクルにわたって管理するためのタグの取付け方に関する。
【0002】
【従来の技術】
RFID(Radio Frequency IDentification)を用いて物品を管理する手法が徐々に普及しつつある。これは、IC(集積回路)と無線信号の送受信手段とが内蔵された小型のタグであるRFID(ICタグ、無線タグ、電子タグなどとも呼ばれる)を物品又はその梱包材に貼り付け、その物品の流通過程などにおいて、商品種別や商品個体を識別するための情報をRFIDから読み取れるようにして、どこにどの商品が在庫しているかなどといったことをコンピュータを用いて管理する手法である。
【0003】
また、特許文献1には、RFID(タグ)が車両等の物品の製造から廃棄に至るまで固着された状態に保つことによって、RFID内のICに記憶された当該物品固有の情報をコンピュータから読み出し可能にして、物品の製造から廃棄までを管理できるようにしたシステムの技術が開示されている。このシステムでは、製造から廃棄までの間に、在庫管理、出荷管理、流通管理、メンテナンス管理、顧客管理のいずれかを含むようになっている。そして、この特許文献1には、鋼板製のシャシフレームにRFIDを固着する技術(図2、図3、第0007段落)や、RFIDのアンテナを鋼板製シャシフレームから電磁遮蔽する電磁遮蔽板(図2、第0009段落)や、シャシフレームの側面、モノコックボディーの底面又はバンパにRFIDを固着する技術(図5、第0020段落)が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−169858号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術を用いてRFIDを車両のシャシフレームに固着した場合、そのシャシフレームは金属製の車体本体によって全体的に覆われるため、RFIDに対する読み書き信号(電磁波)が車体によって遮断されることとなっていた。このため、RFIDの情報を読み書きするためには、車体の下側に回りこんでRFID読み書き装置をシャシに近付ける必要があり、非常に不便であった。
本発明は、上記のような課題を解決するものであり、電磁波を遮断するものが無い位置にタグを取付け、RFIDの情報を読み書きし易いくら乗り型車両を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、車両を識別する識別情報が登録された記録媒体を内蔵したタグを搭載したくら乗り型車両において、前記タグを、樹脂部材からなる車両用シートの中であって前記車両用シート底部の上面に取付けたものであり、前記車両用シート底部の前端を前方に向け、又は前記車両用シート底部の後端を後方に向けて設け、前記前端又は前記後端の何れかの方にタグを取り付けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しこの発明の一実施形態について説明する。
図1は、同実施形態による車両管理システムの構成を示すブロック図である。図1において、符号10は車両情報管理サーバであり、この車両情報管理サーバ10は内部に制御部101(識別手段、情報出力手段、手配対象識別情報記憶手段、比較手段、所有者情報抽出手段、廃棄物管理票発行手段、投棄物品情報出力手段)と車両情報データベース102(物品情報記憶手段、部品構成情報記憶手段、所有者情報記憶手段、廃棄物処理情報記憶手段)とを備えている。また、20は、車両製造工場や車両の販売店や車両の修理工場や給油スタンドや車両の廃棄業者や税関や車両利用者宅などにそれぞれ設けられた端末である。なお、端末20には必要に応じてRFID読み書き装置(タグ情報読み取り手段)が接続されており、車両に設けられたRFIDや車籍証明証に埋め込まれたRFID内のメモリの情報を読み書きできるようになっている。なお、廃棄業者には、廃棄物の排出を行う排出事業者と、排出された廃棄物を収集・運搬する収集・運搬事業者と、廃棄物の中間処理を行う中間処理事業者と、中間処理後の最終処理を行う最終処理事業者などが含まれる。21は、例えば車両利用者が保有する携帯端末である。また、30は、通信ネットワークを介していわゆるウェブインタフェースを用いて車両を販売するために設けられている車両販売ウェブサイトのサーバである。
【0008】
80は通信ネットワークであり、車両情報管理サーバ10や端末20や携帯端末21や車両販売ウェブサイトのサーバ30は、この通信ネットワーク80を介して相互に通信することが可能となっている。なお、携帯端末21は、携帯電話網81を介して通信ネットワーク80に接続できるようになっている。ここで、携帯電話網81と通信ネットワーク80とは、図示しないゲートウェイ装置等を介して接続されている。
【0009】
車両情報管理サーバ10内において、車両情報データベース102は、各車両に関して、その車両が工場から出荷される段階から廃棄処分とされる段階までのライフサイクル全体にわたる管理情報を保持している。また、制御部101は、後述するように、端末20や携帯端末21や車両販売ウェブサイトのサーバ30などとデータのやり取りを行いながら、車両情報データベース102に格納されているデータを参照したり、車両情報データベース102にデータを書き込んだりする。
なお、車両情報管理サーバ10や端末20や車両販売ウェブサイトのサーバ30は、コンピュータを用いて実現する。また、携帯端末21としては、携帯型電話端末(携帯電話端末あるいはPHS(登録商標、パーソナル・ハンディフォン・システム)端末)やPDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)などを用いる。これらの各装置は、内部にCPU(中央処理装置)を備えている。そして、これら各装置が行う処理の過程は、コンピュータプログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをCPUが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータに設けられたCPUが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0010】
次に、本システムにおいて、車両を個々に識別するための手段について説明する。車両には、車両IDによって識別可能なRFIDを設ける。このRFID72内には、半導体メモリが内蔵されており、この半導体メモリには書き替え禁止領域と書き替え可能領域との両方が存在している。そして、この書き替え禁止領域には、少なくとも車両を識別するための車両IDが予め書き込まれている。
図2は、RFIDを取付ける場所の概略を示す概略図である。図2において、符号90は人が乗るためのシートであり、このシートは樹脂部材によってできている。そして、前記のRFIDを、このシートの内部に設けることとする。
【0011】
図3(a)は、シートの長手方向の断面図であり、この図において符号71a、71b、71c、71d、71e、71fはそれぞれRFIDを固着する位置の例を示している。これら71a〜71fのいずれにRFIDを取付けても良いが、特に、71aや71fの位置に取付けた場合には、シート表面からRFIDまでの距離が短いため、より近くまでRFID読み書き装置を近付けることができる。なお、図3(a)のAA部でのシートの断面図が図3(b)である。
なお、図3(a)に示すように、シートを構成する樹脂部材は乗る人のための緩衝の役割を果たすために上下方向にある程度の厚みを持っている。従って、71b、71c、71d、71eの位置にRFIDを取付けた場合には、シート表面までの距離が比較的長くなる。一方、71a又は71fのように、シート内の前方又は後方の部分にRFIDを取付けた場合には、それぞれ前方又は後方のシート表面までの距離が比較的短くなる。従って、RFIDの読み書き信号(電磁波)の到達距離が比較的短い場合には、71aあるいは71fといったシート表面までの距離が相対的に短い位置にRFIDを設けることによって、RFIDにより近い場所まで読取装置を持っていくことが可能となり、読み書きがし易くなる。
【0012】
なお、図2および図3では自動二輪車(原動機付き自転車も同様)の場合についてRFIDの取付け位置を示したが、自動二輪車以外にも、自転車やパーソナルウォータークラフト(PWC)や4輪バギー車などのくら乗り型の乗り物においてシート内にRFIDを設けるようにすることができる。シートは電磁波を通す樹脂部材でできているため、このようにシート内部にRFIDを取付けることは、電磁波の信号を用いてRFIDの記憶情報を読んだり書いたりするために好都合である。また、くら乗り型の乗り物では、通常、シートの上方を覆う金属製の屋根などがないため、例えば、給油スタンドや修理工場や道路上などにおいて車両の停止位置などの上方にRFID読み書き装置を設置することもでき、好都合である。また、RFIDは、車両の製造から廃棄に至るまで車両に固着されるようにするが、RFIDをシート内に設けることによってRFIDが容易にはずれてしまうことがないという利点もある。
なお、金属製の屋根を有する乗用車やバスやトラックなど車両等の場合には、シート内にRFIDを取付けておいて、ハンディ型の読み書き装置を車両内部に持ち込むことによって、そのRFIDの情報を読み書きする。あるいは、乗用車のフロントウィンドウ付近あるいはリアウィンドウ付近にRFIDを取付ける。例えば、ダッシュボード部分にRFIDを取付けて、車外上方などから、RFIDの読み書きするようにしても良い。また、ダッシュボード部分を構成する樹脂部材の中にRFIDを取付けるようにしても良い。
【0013】
次に、本システムで用いる車籍証明証について説明する。図4は、車籍証明証券面の一例を示す概略図である。この図において、車籍証明証50は、車両毎に1枚発行される証明証であり、図示するように、その表面に、対象の車両の車種と年式(「モデル 2003」と表示)と製造番号と製造会社名とが記載されており、また、車両の写真が印刷又は貼付されている。また、符号72は、車籍証明証50内に埋め込まれているRFIDである。このRFID72内には、半導体メモリが内蔵されており、この半導体メモリには書き替え禁止領域と書き替え可能領域との両方が存在している。
なお、この車籍証明証は、車両を製造する製造業者や車籍を管理する公的機関等によって発行されるものとする。また、この車籍証明証のサイズは、例えば、縦5.3センチメートル、横8.5センチメートルのクレジットカードサイズ程度で、その材質はプラスチック等とする。
【0014】
次に、車両に設けられているRFIDおよび車籍証明証50に埋め込まれているRFID72が保持する情報について説明する。図5は、これらのRFID内のメモリに記憶されているデータの構成を示す概略図である。図示するように、メモリ内には書き替え禁止領域と書き替え可能領域とが存在している。書き替え禁止領域は、例えば、ROM(リードオンリーメモリ)を用いることによって書き換え禁止とする。また、あるいは、RFIDが備える制御機能により、書き換え禁止領域を書き替えないように制御する。
【0015】
書き替え禁止領域には、タグ種別コードと車両IDとが記憶されており、さらに予備領域が設けられている。タグ種別コードは、当該RFIDが車両に設けられたRFIDであるか車籍証明証に設けられたRFIDであるかを判別するためのコード情報である。車両IDは、車両を個別に識別するためのコード情報である。
また、書き替え可能領域には、所有者データと、部品構成データと、車両履歴データと、廃棄物管理票発行データとが記憶されており、さらに予備領域が設けられている。これら所有者データと部品構成データと車両履歴データと廃棄物管理票発行データは、後述するように、車両情報データベース102においても同様の情報が保持され管理されている。本システムでは、通信ネットワーク80を介して車両管理サーバ10と端末20とが通信可能となっているため、車両情報データベース102に記憶されているデータ(所有者データと部品構成データと車両履歴データと廃棄物管理票発行データ)とRFIDに記憶されているデータ(所有者データと部品構成データと車両履歴データと廃棄物管理票発行データ)とは、必要に応じて適宜、同期的に更新される。また、RFIDの記憶容量には限りがあるため、車両情報データベース102にはこれらの各データのフルセットを持たせておき、RFIDにはこれらの各データのサブセットのみを持たせるようにしても良い。
【0016】
次に、図6から図9までを参照しながら、車両情報データベース102が保持する各データについて説明する。但し、図6から図9までに示すデータは、車両毎に、RFID側にもその一部又は全部が保持されている。
図6は、車両情報データベースに含まれる所有者データのデータ構造を示す概略図である。図示するように、所有者データには、車両IDと対応付けられた所有者情報が含まれている。所有者情報とは、所有者の氏名、生年月日、住所等の情報である。
【0017】
図7は、車両情報データベースに含まれる部品構成データのデータ構造を示す概略図である。図示する例のように、部品構成データは、車両毎(車両ID毎)にその部品構成に関する情報を木構造のデータとして保持しており、符号N1〜N7はこの木構造におけるノードである。ノードN1は、車両に対応しており、車両IDや車両登録日などのデータ項目を含む。この車両は、部品01、部品02、部品03、・・・から構成されており、これら各部品に関する情報は、それぞれ、ノードN2、ノードN6、ノードN7に格納されている。また、部品の構成は階層的になっている。例えば部品01は、さらに部品01−01、部品01−02、部品01−03、・・・から構成されており、これら各部品に関する情報は、それぞれ、ノードN3、ノードN4、ノードN5に格納されている。ノードN2〜N7の各々は、部品の名称を表わす部品名、部品の種別を識別するための部品コード、部品個体毎に振られている部品製造番号、部品製造時のロットを表わす部品ロット番号、部品が製造された日を表わす部品製造日、部品が車両に取付けられた日又は上位の部品に取付けられた日を表わす部品取付日、部品を取付けた理由(事象、例えば「新車製造」や「修理による交換」など)を表わす部品取付け理由などのデータ項目が含まれている。
なお、図7では、部品階層数が2階層の場合を例示しているが、階層数はいくつでも良い。
【0018】
図8は、車両情報データベースに含まれる車両履歴データのデータ構造を示す概略図である。図示する例のように、車両履歴データは、車両毎(車両ID毎)にその履歴情報を保持しており、日付と履歴概略と詳細の各データ項目を少なくとも含んでいる。履歴概略の項目の値は、例えば、「新車製造」、「所有者登録」、「所有者変更」、「給油」、「修理」、「登録抹消」、「廃棄物管理票発行」などである。これらの履歴情報は、それぞれの事象が発生する都度、端末20において情報が発生する。その情報は、車両に設けられたRFIDや車籍証明証のRFIDに必要に応じて書き込まれるとともに、端末20から制御部101に伝達される。制御部101は、その伝達された情報に基づいてデータベースへの書き込みを行う。
なお、履歴概略が「新車製造」の場合には、製造会社名や工場名が詳細データとして書き込まれている。履歴概略が「所有者登録」の場合には、所有者名や所有者住所などが詳細データとして書き込まれている。履歴概略が「給油」の場合には、給油所を特定する情報や給油量や給油時点の走行距離計情報などが詳細データとして書き込まれている。履歴概略が「修理」の場合には、修理工場名や修理内容の情報などが詳細データとして書き込まれている。履歴概略が「所有者変更」の場合には、新たな所有者名やその新たな所有者の住所などが詳細データとして書き込まれている。
【0019】
図9は、車両情報データベースに含まれる廃棄物管理票発行データの概略を示す。図示する例のように、廃棄物管理票発行データは、車両毎(車両ID毎)に、廃棄物管理票発行済フラグと廃棄物処理コードと排出事業者情報と収集・運搬事業者情報と中間処理事業者情報と最終処理事業者情報と、排出事業者の公開鍵と収集・運搬事業者の公開鍵と中間処理事業者の公開鍵と最終処理事業者の公開鍵などのデータ項目を含んでいる。廃棄物管理票発行済フラグは、既に廃棄物管理票(マニュフェスト)が発行されているか否かを表わす情報である。廃棄物処理コードは、廃棄物管理票が紙の形態で発行されているか電子的な形態で発行されているかを表わす情報である。なお、各公開鍵に対応する秘密鍵は、各事業者のコンピュータによって保持されている。また、各段階の事業者(例えば中間処理事業者)は、その処理内容に応じて複数の事業者であっても良く、その場合には事業者毎の公開鍵情報がこの廃棄物管理票発行データ内に保持される。
【0020】
図10は、車両情報管理サーバ10の制御部101が有する機能の一覧を示す概略図である。図示するように、本実施形態では、制御部101は、大別して、車両ライフサイクル管理系機能(a)と、手配系機能(b)と、廃棄・リサイクル系機能(c)とを有している。
さらに詳細に言うと、車両ライフサイクル管理系機能には、(1)新規車両登録、(2)新車販売(所有者新規登録)、(3)輸入、(4)中古車移転(所有者変更登録)、(5)輸出、(6)車両登録情報抹消(排出事業者登録)、(7)給油、(8)修理などの各機能が含まれている。また、手配系機能には、(11)車両盗難手配、(12)特定車種・特定部品手配、(13)不法投棄車両管理などの各機能が含まれている。また、廃棄・リサイクル系機能には、(21)廃棄物管理票(マニュフェスト)発行、(22)排出管理、(23)収集・運搬管理、(24)中間処理管理、(25)最終処理管理などの各機能が含まれている。以下、各機能の概要について説明する。
【0021】
(1)新規車両登録機能は、車両製造工場などの端末20から新規車両の車両IDや部品構成データなどを受信し、車両情報データベース102に新規車両のデータを登録する。このとき、車両に設けられるRFIDや車籍証明証に埋め込まれるRFIDなどに書き込む情報も同時に生成される。
(2)新車販売(所有者新規登録)機能は、販売店の端末20や車両販売ウェブサイトのサーバ30などから所有者の氏名・住所などのデータを受信し、車両情報データベース102の所有者データを登録する。
(3)輸入機能は、当該車両管理システムによる管理対象国(地域)からの輸入の場合には後述する中古車移転と同様の処理を行う。その他の国(地域)からの輸入の場合には、新たな車両として、その所有者データや部品構成データを登録するとともに、過去の履歴情報を車両履歴データとして登録する。輸入機能の処理に必要な機能は、例えば税関の端末20から受信する。
【0022】
(4)中古車移転(所有者変更登録)機能は、中古車販売店の端末20などから移転後の所有者の氏名・住所などのデータを受信し、車両情報データベース102に新たな所有者のデータを登録するとともに、車両履歴データを追加する。
(5)輸出機能は、当該車両管理システムによる管理対象国(地域)への輸出の場合には前述の中古車移転と同様の処理を行う。その他の国(地域)への輸出の場合には、所有者データを更新又は抹消するとともに、輸出野記録を車両履歴データとして追加する。輸出機能の処理に必要な機能は、例えば税関の端末20から受信する。
【0023】
(6)車両登録情報抹消(排出事業者登録)機能は、登録抹消を表わす情報を車両履歴データとして追加するとともに、廃棄物処理を請け負う第1の業者である排出事業者を車両情報データベース102に登録する処理を行う。
(7)給油機能は、給油スタンドの端末20から給油に関するデータ(給油量情報、走行距離計情報、給油地情報など)を受信し、これを車両履歴データとして登録する処理を行う。
(8)修理機能は、修理工場の端末20から修理に関するデータを受信し、これを車両履歴データとして登録する。また、修理において部品の交換等が行われた場合には、車両情報データベースの部品構成データの更新も行う。
【0024】
(11)車両盗難手配機能は、車両の盗難などの場合に、当該車両IDによる盗難手配を行う。盗難手配の情報は、税関や修理工場や給油スタンドなどの端末20に伝えられる。例えば、給油スタンドにおいて、給油のために車両が停止する位置で車両に設けられたRFIDから車両IDを読み取れるようにしておき、車両のRFIDから読み取った車両IDと盗難手配情報の車両IDとを比較することができるようにする。また、比較の結果、両者が一致した場合には、自動的に給油を中断させ、当該給油スタンドの場所の情報を車両情報管理サーバ側に通知するようにしてもよい。これらにより、盗難車両の所在を比較的容易に把握することが可能となる。
【0025】
(12)特定車種・特定部品手配機能は、例えば、特定ロットの部品の寿命が近付いてきた場合などに、車両情報データベース102の中の部品構成データを検索することによって該当部品を有している車両を特定し、その車両の所有者データを得る。これにより、所有者に対して部品交換等の案内を送ることが可能になる。また、車両履歴データの一部に、車検を受けた履歴や、タイヤなどの部品を交換した履歴や、メンテナンスあるいは点検などを行った履歴などを含めるようにしておき、この車両履歴データに基づいて、前回の車検・部品交換・点検などから所定期間経過したときに、次回の車検・部品交換・点検等の案内を送ることも可能になる。これらの案内は、所有者の住所宛てに郵送するようにしても良いし、所有者データとして電子メールアドレスを保持しておいてそのアドレス宛てに電子メールとして送るようにしても良い。また、部品の寿命の場合以外にも、例えばソフトウェアによる制御手段が組み込まれている部品において、そのソフトウェアの機能追加などのために所有者に対して案内を送るようにしても良い。
(13)不法投棄車両管理機能は、不法投棄された車両に関する情報を出力する。例えば、不法投棄された車両が発見された場合、投棄現場においてハンディ端末装置等(可搬型端末装置)を用いることによってその車両に設けられたRFIDから車両IDを読み取る。そして、この車両IDを車両IDを基に制御部101は、該当する車両の車両履歴データや所有者データを車両情報データベース102から読み出す。また、もしその車両が既に登録抹消されていて廃棄処理にまわっている場合には、後述する廃棄・リサイクル系の機能から車両情報データベース102に書かれたデータに基づいて、廃棄物処理の状況を追跡する。
【0026】
次に廃棄・リサイクル系機能について説明する。図11は、廃棄・リサイクル系機能における処理とデータの流れを示す概略図である。図11において、排出管理、収集・運搬管理、中間処理管理、最終処理管理は、制御部101が有する機能である。なお、この図で示す処理は、電子的な廃棄物管理票が既に発行されていることを前提とする。つまり、車両登録情報抹消の処理を行ったときに、連動して、廃棄物管理票発行の処理が行われ、電子データとしての廃棄物管理票(廃棄物管理票データ)が車両情報データベース102に記録されている。この廃棄物管理票データ内には車両IDが含まれており、この車両IDによって、廃棄物管理票データと車両情報データベース内の他のデータとを関連付ける。なお、廃棄物管理票データを車両情報データベース102に保持する代わりに、車両情報管理サーバ10内の他の記憶領域あるいは他のコンピュータ内の磁気ディスク等の記録媒体(図示せず)に記録して保持するようにしても良い。
【0027】
以下、図11の流れに沿って説明する。まず、制御部101が有する排出管理機能は、車両情報データベース102から廃棄対象の車両の車両IDを読み出し、排出情報(排出事業者に関する情報を含む)を付加する(ステップS110)。そして、通信ネットワーク80を介してこの車両IDおよび排出情報を含む情報を排出事業者の端末20に送信し暗号化を依頼する。排出事業者側では排出事業者の秘密鍵でこの情報を暗号化してから制御部101の排出管理機能に返す。排出管理機能は、返送された暗号化後の情報を排出事業者情報として車両情報データベース102に書き込むとともに、排出事業者の公開鍵も車両情報データベース102に書き込む(ステップS111)。
次に、制御部101が有する収集・運搬管理機能は、車両情報データベース102から排出事業者情報を読み出し、収集・運搬情報(収集・運搬事業者に関する情報を含む)を付加する(ステップS120)。そして、通信ネットワーク80を介してこの付加後の情報をを収集・運搬事業者の端末20に送信し、暗号化を依頼する。収集・運搬事業者側では収集・運搬事業者の秘密鍵でこの情報を暗号化してから制御部101の収集・運搬管理機能に返す。収集・運搬管理機能は、返送された暗号化後の情報を収集・運搬事業者情報として車両情報データベース102に書き込むとともに、収集・運搬事業者の公開鍵も車両情報データベース102に書き込む(ステップS121)。
【0028】
次に、制御部101が有する中間処理管理機能は、車両情報データベース102から収集・運搬事業者情報を読み出し、中間処理情報(中間処理事業者に関する情報を含む)を付加する(ステップS130)。そして、通信ネットワーク80を介してこの付加後の情報をを中間処理事業者の端末20に送信し、暗号化を依頼する。中間処理事業者側では中間処理事業者の秘密鍵でこの情報を暗号化してから制御部101の中間処理管理機能に返す。中間処理管理機能は、返送された暗号化後の情報を中間処理事業者情報として車両情報データベース102に書き込むとともに、中間処理事業者の公開鍵も車両情報データベース102に書き込む(ステップS131)。
次に、制御部101が有する最終処理管理機能は、車両情報データベース102から中間処理事業者情報を読み出し、最終処理情報(最終処理事業者に関する情報を含む)を付加する(ステップS140)。そして、通信ネットワーク80を介してこの付加後の情報をを最終処理事業者の端末20に送信し、暗号化を依頼する。最終処理事業者側では最終処理事業者の秘密鍵でこの情報を暗号化してから制御部101の最終処理管理機能に返す。最終処理管理機能は、返送された暗号化後の情報を最終処理事業者情報として車両情報データベース102に書き込むとともに、最終処理事業者の公開鍵も車両情報データベース102に書き込む(ステップS141)。
【0029】
以上のように、廃棄物の処理の各段階に応じてステップS110からS141までの処理を行い廃棄物の情報を管理することにより、廃棄処理の状況に関する情報を一元的に管理できる。また、この情報は各事業者の秘密鍵で暗号化されているため、対応する公開鍵を用いて復号化することによって、確実にその事業者が付加した情報であることが保証でき、廃棄物処理の過程を正確に追跡するのに充分な情報を車両情報データベース内に保持できる。また、廃棄物処理に関する情報は、当該車両の車両IDと関連付けられており、その車両IDは、車籍証明証や車両そのものに設けられたRFIDに書き込まれている車両IDと対応するものであるため、廃棄物として処理対象となっている車両個体を確実に識別することができる。
なお、図11の例では、排出事業者〜収集・運搬事業者〜中間処理事業者〜最終処理事業者の順に処理していくことを前提としているが、必ずしもこの順序でなくても良く、段階的に廃棄・リサイクル系の事業者の情報を暗号化しながら追加していけば良い。例えば、単一の事業者が例えば収集・運搬と中間処理の両方をまとめて行っていたり、中間処理がさらに複数の事業者による複数の段階に分かれていたり、廃棄物を構成する物質等に応じて処理事業者が分かれたりしていても良い。
【0030】
上述の車両情報管理サーバ10、端末20、携帯端末21、車両販売ウェブサイトのサーバ30などは内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した車両情報管理の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0031】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、タグ(RFID)を、樹脂部材の中に取付けたため、タグの読み書き信号(電磁波)は樹脂部材を透過する。よって、タグ読み書き装置を用いて容易にタグの情報を読み書きすることができる。 また、タグを、樹脂部材からなる車両用シートの中に取付けたことにより、車両シートの中のスペースを有効に利用することができる。つまり、シャシフレーム等にタグを設ける場合に比べて、新たに設計上の制約が生じにくいという利点がある。また、シートの中に取付けた場合、耐水、耐紫外線などの観点で有利でありタグの劣化を防止できるとともに、タグがはずれにくいため、振動等によってはずれてしまったり盗難にあったりする可能性が少ないという利点もある。
また、シートは外部空間に露出しているため、より一層電磁波の障害となるものが無く、車両の真上などからでも容易にタグの情報の読み書きを行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による車両管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態において、車両(自動二輪車)にRFIDを取付ける場所の概略を示す概略図である。
【図3】 同実施形態において、RFIDを取付ける場所をより詳細に示したシートの断面図である。
【図4】 同実施形態における車籍証明証の券面の一例を示す概略図である。
【図5】 同実施形態におけるRFID内のメモリに記憶されているデータの構成を示す概略図である。
【図6】 同実施形態における車両情報データベースに含まれる所有者データのデータ構造を示す概略図である。
【図7】 同実施形態における車両情報データベースに含まれる部品構成データのデータ構造を示す概略図である。
【図8】 同実施形態における車両情報データベースに含まれる車両履歴データのデータ構造を示す概略図である。
【図9】 同実施形態における車両情報データベースに含まれる廃棄物管理票発行データの概略を示す概略図である。
【図10】 同実施形態における車両情報管理サーバの制御部が有する機能の一覧を示す概略図である。
【図11】 同実施形態における廃棄・リサイクル系機能における処理とデータの流れを示す概略図である。
【符号の説明】
10…車両情報管理サーバ,20…端末,21…携帯端末,
30…車両販売ウェブサイトのサーバ,50…車籍証明証,
71a〜71f…RFID,72…RFID,80…通信ネットワーク,
90…シート,101…制御部,102…車両情報データベース
Claims (1)
- 車両を識別する識別情報が登録された記録媒体を内蔵したタグを搭載したくら乗り型車両において、
前記タグを、樹脂部材からなる車両用シートの中であって前記車両用シート底部の上面に取り付けたものであり、
前記車両用シート底部の前端を前方に向け、又は前記車両用シート底部の後端を後方に向けて設け、前記前端又は前記後端の何れかの方にタグを取り付けた
ことを特徴とするくら乗り型車両。
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