JP4270950B2 - エンジンのピストン冷却構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダボアを有するシリンダブロックに前記シリンダボアの一部を形成する挿入筒部が設けられ、前記シリンダブロックとは別体であるクランクケースに、前記挿入筒部を該クランクケースに挿入した状態で前記シリンダブロックが結合され、シリンダボアに摺動自在に嵌合されるピストンを冷却するためのオイルを噴出するオイルジェットが前記クランクケースに設けられるエンジンのピストン冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランクケースにオイルジェットが設けられ、そのオイルジェットからピストンに向けてオイルを噴射することにより、ピストンを冷却するようにしたものが、たとえば特許文献1および特許文献2等で既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
実公昭61−31134号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平9−68042号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところでクランクケースに挿入される挿入筒部がシリンダブロックに設けられており、上記従来のものでは、その挿入筒部との干渉を避けるために、挿入筒部の先端に対向する位置でオイルジェットがクランクケースに設けられており、オイルジェットおよびピストン間の距離が比較的長くなり、ピストンの冷却効率が高いとは言い難い。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、オイルジェットがピストンにより近接した位置でクランクケースに設けられるようにしてピストンの冷却効率を向上せしめたエンジンのピストン冷却構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シリンダボアを有するシリンダブロックに前記シリンダボアの一部を形成する挿入筒部が設けられ、前記シリンダブロックとは別体であるクランクケースに、前記挿入筒部を該クランクケースに挿入した状態で前記シリンダブロックが結合され、シリンダボアに摺動自在に嵌合されるピストンを冷却するためのオイルを噴出するオイルジェットが、クランクケースとは別体に形成されてクランクケースに固定されるエンジンのピストン冷却構造において、前記挿入筒部を挿入させる挿入孔と、該挿入孔の内面に開口し前記オイルジェットの一部を嵌合させる取付け孔とが前記クランクケースに形成され、前記挿入筒部の先端部には、クランクケース内に向けて開放した略U字状に形成された開口部が設けられ、前記オイルジェットの外周面には、前記挿入孔に一面が係合する鍔部が一体に設けられると共に、その鍔部よりもシリンダボア側に位置するオイルジェット先部が、前記オイル噴出孔を前記ピストンに指向させるようにして前記開口部に配置され、前記鍔部の他面は、前記オイルジェットの前記取付け孔からの離脱を阻止し得るように前記開口部の周囲で前記挿入筒部の外面に対向していることを特徴とする。
【0008】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、シリンダブロックが備える挿入筒部の先端よりもピストン側に近接した位置でクランクケースにオイルジェットを設けることが可能となり、オイルジェットおよびピストン間の距離を短縮し、ピストンの冷却効率を向上せしめることができる。
【0009】
また口部が、クランクケース内に向けて開放した略U字状に形成されて前記挿入筒部の先端部に設けられ、イルジェットが、該オイルジェットの部を開口部に配置するようにしてクランクケースに固定されるので、オイルジェットをよりピストン側に近接させることができ、しかもクランクケースにシリンダブロックを結合すべく挿入筒部をクランクケースに挿入する際に、挿入筒部がオイルジェットと干渉することはなく、組立性の向上に寄与することができる。
【0010】
さらに挿入筒部を挿入させる挿入孔と、該挿入孔の内面に開口する取付け孔とがクランクケースに設けられ、前記取付け孔に嵌合されるオイルジェットには、前記開口部の周囲で前記挿入筒部の外面に近接、対向する鍔部が一体に設けられるので、鍔部が挿入筒部の外面に当接することでオイルジェットの取付け孔からの離脱が阻止されることになり、オイルジェットをクランクケースに固定するための専用の備品を不要として、部品点数を低減しつつオイルジェットをクランクケースに確実に固定することができる。
【0011】
さらに請求項記載の発明は、上記請求項記載の発明の構成に加えて、前記クランクケースは、前記シリンダボアの軸線に平行である平面で一対のケース部材が相互に結合されて成り、クランクケースと反対側でシリンダブロックに結合されるシリンダヘッド側にオイルを給油する油路が、前記シリンダボアの軸線と平行な方向に延びて一方のケース部材および前記シリンダブロックに設けられ、前記油路に通じる前記取付け孔が、シリンダボアの軸線に直交する平面に軸線を配置するようにして前記一方のケース部材に設けられることを特徴とし、かかる構成によれば、クランクケースおよびシリンダブロックに油路を容易に形成し得るようにして加工性を高めることができる上に、オイルジェット専用の油路を不要として油路構造を単純化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図5は本発明の一実施例を示すものであり、図1はエンジンの縦断側面図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3矢視部拡大図、図4は図3の4−4線矢視図、図5は図3の5−5線断面図である。
【0014】
先ず図1において、このエンジンは、第1および第2バンクBA,BBを有した4サイクルのV型2気筒エンジンであり、第1および第2バンクBA,BBは、クランクケース11で回転自在に支承されるクランクシャフト12の軸線に直交する平面への投影図上では軸線をV字状に交差させるシリンダボア13…をそれぞれ有してクランクケース11に個別に結合されるシリンダブロック14…と、前記各シリンダボア13…にそれぞれ摺動自在に嵌合されるピストン17…の頂部を臨ませる燃焼室18…を前記各シリンダブロック14…との間に形成するようにしてクランクケース11とは反対側で各シリンダブロック14…に結合されるシリンダヘッド15…と、各シリンダブロック14…とは反対側で各シリンダヘッド15…にそれぞれ結合されるヘッドカバー16…とでそれぞれ構成される。
【0015】
各シリンダブロック14…には、円筒状のシリンダライナ19…がそれぞれ鋳込まれており、シリンダボア13…は各シリンダライナ19…の内面により形成される。
【0016】
図2を併せて参照して、第1バンクBA側のシリンダヘッド15には、燃焼室18に通じ得る一対の吸気弁口20…と、両吸気弁口20…を共通に通じさせるとともに第2バンクBB側でシリンダヘッド15の側面に開口する吸気ポート21と、燃焼室18に通じ得る単一の排気弁口22と、排気弁口22に通じるとともに第2バンクBBとは反対側でシリンダヘッド15の側面に開口する排気ポート23とが設けられるとともに、各吸気弁口20…をそれぞれ開閉する一対の吸気弁24…と、排気弁口22を開閉する単一の排気弁25とが、クランクシャフト12の軸線に直交する平面への投影図上で作動軸線をV字状に交差させるようにして開閉作動可能に配設される。
【0017】
シリンダヘッド15およびヘッドカバー16間には、両吸気弁24…および排気弁25に共通である単一のカムシャフト26と、該カムシャフト26の回転に従動して揺動するようにして両吸気弁24…およびカムシャフト26間に介装される一対の吸気側ロッカアーム27…と、前記カムシャフト26の回転に従動して揺動するようにして排気弁25およびカムシャフト26間に介装される排気側ロッカアーム28とを備える動弁装置29が収容されており、カムシャフト26の一端部には、タイミング伝動装置30を介してクランクシャフト12からの回転動力が1/2の減速比で伝達される。
【0018】
前記タイミング伝動装置30は、クランクシャフト12に固設される駆動スプロケット31と、カムシャフト26の一端部に固定される被動スプロケット32と、駆動および被動スプロケット31,32に巻き掛けられる無端状のタイミングチェーン33とから成り、シリンダブロック14およびシリンダヘッド15には、タイミングチェーン33を走行させるためのチェーン走行室34が形成される。またシリンダヘッド15には、先端を燃焼室18に臨ませる一対の点火プラグ35,36が取付けられる。
【0019】
第2バンクBB側でも、図示しない一対の吸気弁および排気弁が第1バンクBA側と同様にしてシリンダヘッド15に配設され、第1バンクBA側と同様に構成された動弁装置(図示せず)がシリンダヘッド15およびヘッドカバー16間に収容され、第1および第2バンクBA,BB間に配置される吸気装置37が、両シリンダヘッド15…の吸気ポート21…に接続される。
【0020】
クランクケース11は、第1および第2バンクBA,BBにおけるシリンダボア13…の軸線と平行な平面で相互に結合される第1および第2ケース部材40,41から成るものであり、クランクシャフト12が両ケース部材40,41で回転自在に支承される。
【0021】
しかも第1および第2バンクBA,BBのシリンダブロック14…には、各シリンダボア13…の一部を形成する挿入筒部42…がそれぞれ設けられており、前記クランクケース11に設けられた一対の挿入孔43…に各挿入筒部42…が挿入された状態でクランクケース11に両バンクBA,BBのシリンダブロック14…が結合される。
【0022】
ところで、クランクケース11には、両シリンダブロック14…のシリンダボア13…にそれぞれ摺動自在に嵌合されるピストン17…に向けてクランクケース11側からオイルを噴出してピストン17…を冷却するためのオイルジェット44…が各ピストン17…に個別に対応して設けられる。
【0023】
図3〜図5を併せて参照して、シリンダブロック14の挿入筒部42には、クランクケース11に固定されるオイルジェット44からの噴出オイルが挿入筒部42を貫通してピストン17側に向かうのを許容する開口部45が設けられており、この開口部45は、クランクケース11内に向けて開放した略U字状に形成されて挿入筒部42の先端部に設けられる。
【0024】
一方、クランクケース11とは別部材であるオイルジェット44は、該オイルジェット44の一部を前記開口部45に配置するようにしてクランクケース11に固定されるものであり、クランクケース11には、オイルジェット44を取り付けるための取付け孔46が、挿入筒部42を挿入させる挿入孔43の内面に開口するようにしてクランクケース11の第1ケース部材40に設けられる。
【0025】
オイルジェット44は、一端を閉じた有底円筒状の大径円筒部44aと、大径円筒部44aよりも小径に形成されて大径円筒部44aの他端に同軸に連なる小径円筒部44bと、大径円筒部44aの中間部外面から外側方に張り出す鍔部44cとを一体に備える。
【0026】
このオイルジェット44の大径円筒部44aは、鍔部44cを第1ケース部材40に当接させるまで挿入孔43側から取付け孔46にたとえば軽圧入により嵌合されるものであり、小径円筒部44bの外面および取付け孔46の内面間には環状路47が形成される。しかも鍔部44cは、非円形形状に形成されるものであり、挿入孔43の内面には前記鍔部44cを収容、係合する係合溝48が設けられており、鍔部44cの係合溝48への係合により、取付け孔46の軸線まわりのオイルジェット44の位置は一定に定められる。
【0027】
クランクケース11の第1ケース部材40への取付け後で、シリンダブロック14がその挿入筒部42を挿入孔43に挿入するようにしてクランクケース11に結合されるものであり、オイルジェット44における大径円筒部44aの一端部は開口部45内に配置され、鍔部44cは、開口部45の周囲で挿入筒部42の外面に近接、対向する。
【0028】
オイルジェット44において、大径円筒部44aおよび小径円筒部44bには、大径円筒部44aの一端側で一端部を閉じたオイル通路49が同軸に設けられており、該オイル通路49の他端部は、小径円筒部44bの他端に圧入される鋼球50で閉じられる。しかも小径円筒部44bには、オイル通路49を環状路47に通じさせる複数の連通孔51…が設けられる。
【0029】
このようにオイル通路49の他端を鋼球50で閉じ、環状路47および連通孔51…を経てオイル通路49内オイルを導くようにすると、オイル中の不純物が環状路47の一部で詰まったとしてもオイル通路49においる確実に導くことができる。それに対し、鋼球50を省略し、オイル通路49の他端を取付け孔46に直接開放するようにすると、オイル通路49の他端が詰まったときにはオイル通路49に充分な量のオイルが供給されなくなり、オイルジェット44の交換が必要となるのである。
【0030】
挿入筒部42の開口部45内に位置する部分で大径円筒部44aの一端部には、シリンダボア13に嵌合されているピストン17側に臨む斜面52が形成されており、オイル通路49の一端に内端を通じさせるとともに外端を前記斜面52に開口させたオイル噴出孔53が、ピストン17に向けてオイルを噴出するようにしてオイルジェット44の先部、即ち大径円筒部44aの一端部に設けられる。
【0031】
ところで、クランクケース11を協働して構成する第1および第2ケース部材40,41のうち第1ケース部材40と、シリンダブロック14とには、シリンダヘッド15側にオイルを給油する油路54が、シリンダボア13の軸線と平行な方向に延びるようにして設けられており、シリンダボア13の軸線に直交する平面に軸線を配置した前記取付け孔46が、その内端を前記油路54に通じさせるようにして第1ケース部材40に設けられる。
【0032】
次にこの施例の作用について説明すると、第1および第2バンクBA,BBにおいて、クランクケース11に設けられた挿入孔43に挿入される挿入筒部42を有するシリンダブロック14がクランクケース11に結合され、シリンダブロック14が備えるシリンダボア13に摺動自在に嵌合されるピストン17を冷却するためのオイルを噴出するオイルジェット44がクランクケース11に設けられるのであるが、シリンダブロック14の挿入筒部42には、クランクケース11に固定されるオイルジェット44からの噴出オイルが前記挿入筒部42を貫通してピストン17側に向かうのを許容する開口部45…が設けられている。
【0033】
したがってシリンダブロック14が備える挿入筒部42の先端よりもピストン17側に近接した位置でクランクケース11にオイルジェット44を設けることが可能となり、オイルジェット44およびピストン17間の距離を短縮し、ピストン17の冷却効率を向上せしめることができる。
【0034】
また開口部45は、クランクケース11内に向けて開放した略U字状に形成されて前記挿入筒部42の先端部に設けられ、クランクケース11とは別部材であるオイルジェット44が、該オイルジェット44の一部(即ち鍔部44cよりもシリンダボア13側の先部)を前記開口部45に配置するようにしてクランクケース11に固定されているので、オイルジェット44をよりピストン17…側に近接させることができる。しかもクランクケース11にシリンダブロック14を結合すべく挿入筒部42をクランクケース11に挿入する際に、挿入筒部42がオイルジェット44と干渉することはなく、組立性の向上に寄与することができる。
【0035】
またクランクケース11には、挿入筒部42を挿入させる挿入孔43と、該挿入孔43の内面に開口する取付け孔46とが設けられ、前記取付け孔46に軽圧入等で嵌合されるオイルジェット44には、開口部45の周囲で挿入筒部42の外面に近接、対向する鍔部44cが一体に設けられているので、鍔部44cが挿入筒部42の外面に当接することでオイルジェット44の取付け孔46からの離脱が阻止されることになり、オイルジェット44をクランクケース11に固定するための専用の備品を不要として、部品点数を低減しつつオイルジェット44をクランクケース11に確実に固定することができる。
【0036】
さらにクランクケース11は、シリンダボア13…の軸線に平行である平面で第1および第2ケース部材40,41が相互に結合されて成るものであり、シリンダヘッド15側にオイルを給油する油路54が、シリンダボア13の軸線と平行な方向に延びて第1ケース部材40およびシリンダブロック14に設けられ、油路54に通じる取付け孔46が、シリンダボア13の軸線に直交する平面に軸線を配置するようにして第1ケース部材40に設けられる。したがってクランクケース11およびシリンダブロック14に油路54を容易に形成し得るようにして加工性を高めることができる上に、オイルジェット44専用の油路を不要として油路構造を単純化することができる。
【0037】
図6は参考例を示すものであり、上記施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0038】
クランクケース11の挿入孔43に挿入されるようにしてシリンダブロック14に設けられた挿入筒部42の軸方向中間部には、前記挿入孔43のシリンダブロック14側端部に設けられた凹部57に臨むようにしてクランクケース11の第1ケース部材40に固定されるオイルジェット56からの噴出オイルが前記挿入筒部42を貫通してピストン17側に向かうのを許容する開口部55が設けられる。
【0039】
第1ケース部材40には、前記凹部57に一端を開口せしめた取付け孔58が、シリンダボア13の軸線を含む平面と斜めに交差する軸線を有するようにして設けられ、この取付け孔58の他端は、第1ケース部材40およびシリンダブロック14に設けられている油路54に連通する。
【0040】
オイルジェット56は、前記取付け孔58と同軸の噴出孔59を有するものであり、取付け孔58の一端部への螺合により、クランクケース11の第1ケース部材40に固定される。
【0041】
この参考例によれば、シリンダブロック14が備える挿入筒部42の先端よりもピストン17側に近接した位置でクランクケース11にオイルジェット56を設けることが可能となり、オイルジェット56およびピストン17間の距離を短縮し、ピストン17の冷却効率を向上せしめることができる。
【0042】
以上、本発明の実施例及び参考例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、クランクケースにシリンダブロックを結合すべくシリンダブロックが備える挿入筒部の先端よりもピストン側に近接した位置でクランクケースにオイルジェットを設けることが可能となるので、オイルジェットおよびピストン間の距離を短縮し、ピストンの冷却効率を向上せしめることができる。
【0044】
また挿入筒部の先端部に設けた開口部が、クランクケース内に向けて開放した略U字状に形成され、その開口部にオイルジェットの先部を配置するので、オイルジェットをよりピストン側に近接させることができ、しかも上記挿入筒部をクランクケースに挿入する際に、挿入筒部がオイルジェットと干渉することはなく、組立性の向上に寄与することができる。
【0045】
さらに上記挿入筒部を挿入させる挿入孔と、該挿入孔の内面に開口する取付け孔とがクランクケースに設けられ、その取付け孔に一部を嵌合させるオイルジェットには、前記開口部の周囲で挿入筒部の外面に近接、対向する鍔部が一体に設けられるので、鍔部が挿入筒部の外面に当接することでオイルジェットの取付け孔からの離脱が阻止されることになり、オイルジェットをクランクケースに固定するための専用の備品を不要として、部品点数を低減しつつオイルジェットをクランクケースに確実に固定することができる。
【0046】
さらに請求項記載の発明によれば、クランクケースおよびシリンダブロックに油路を容易に形成し得るようにして加工性を高めることができる上に、オイルジェット専用の油路を不要として油路構造を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のエンジンの縦断側面図である。
【図2】 図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】 図2の3矢視部拡大図である。
【図4】 図3の4−4線矢視図である。
【図5】 図3の5−5線断面図である。
【図6】 参考例の図3に対応した断面図である。
【符号の説明】
11・・・クランクケース
13・・・シリンダボア
14・・・シリンダブロック
15・・・シリンダヘッド
17・・・ピストン
40,41・・ケース部材
42・・・挿入筒部
43・・・挿入孔
・・・オイルジェット
44c・・鍔部
・・・開口部
46・・・取付け孔
53・・・オイル噴出孔
54・・・油路

Claims (2)

  1. シリンダボア(13)を有するシリンダブロック(14)に前記シリンダボア(13)の一部を形成する挿入筒部(42)が設けられ、前記シリンダブロック(14)とは別体であるクランクケース(11)に、前記挿入筒部(42)を該クランクケース(11)に挿入した状態で前記シリンダブロック(14)が結合され、シリンダボア(13)に摺動自在に嵌合されるピストン(17)を冷却するためのオイルを噴出するオイル噴出孔(53)を先部に有したオイルジェット(44)が、クランクケース(11)とは別体に形成されてクランクケース(11)に固定されるエンジンのピストン冷却構造において、
    前記挿入筒部(42)を挿入させる挿入孔(43)と、該挿入孔(43)の内面に開口し前記オイルジェット(44)の一部を嵌合させる取付け孔(46)とが前記クランクケース(11)に形成され、
    前記挿入筒部(42)の先端部には、クランクケース(11)内に向けて開放した略U字状に形成された開口部(45)が設けられ
    前記オイルジェット(44)の外周面には、前記挿入孔(43)に一面が係合する鍔部(44c)が一体に設けられると共に、その鍔部(44c)よりもシリンダボア(13)側に位置するオイルジェット(44)先部が、前記オイル噴出孔(53)を前記ピストン(17)に指向させるようにして前記開口部(45)に配置され、
    前記鍔部(44c)の他面は、前記オイルジェット(44)の前記取付け孔(46)からの離脱を阻止し得るように前記開口部(45)の周囲で前記挿入筒部(42)の外面に対向していることを特徴とする、エンジンのピストン冷却構造。
  2. 前記クランクケース(11)は、前記シリンダボア(13)の軸線に平行である平面で一対のケース部材(40,41)が相互に結合されて成り、クランクケース(11)と反対側でシリンダブロック(14)に結合されるシリンダヘッド(15)側にオイルを給油する油路(54)が、前記シリンダボア(13)の軸線と平行な方向に延びて一方のケース部材(40)および前記シリンダブロック(14)に設けられ、前記油路(54)に通じる前記取付け孔(46)が、シリンダボア(13)の軸線に直交する平面に軸線を配置するようにして前記一方のケース部材(40)に設けられることを特徴とする、請求項記載のエンジンのピストン冷却構造。
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