JP4270728B2 - ポリマー碍子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FRPコアと、このFRPコアの外周面に設けた外被胴および笠部からなる外被部と、FRPコアの少なくとも一端部に設けた接続部と、から構成されたポリマー碍子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、FRPコアと、このFRPコアの外周面に設けた外被胴および笠部からなる外被部と、FRPコアの少なくとも一端部に設けた接続部とから構成されたポリマー碍子が、種々の用途に使用されている。このような従来のポリマー碍子は、FRPコアとゴムからなる外被部とから構成されている。また、外被部は、FRPコアの外周面全体に設けられた外被胴と、この外被胴から突出する笠部とから構成されている。そして、FRPコアの両端部には、他の部品との接続部を設けている。
【0003】
上述した構成のポリマー碍子において、外被部は、FRPコアを使用環境から守り過酷な環境下でも絶縁を維持できる外被ゴムから構成されている。この外被部を構成する外被ゴムには、環境を配慮したり、使用者からの要求もあり、従来は黒、青、赤(煉瓦色)、グレー等の様々な色が付けられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した構成の従来のポリマー碍子は、その軽量さや汚損時の電気特性が従来の磁器・ガラス碍子に比べて良好であるため、近年使用が広まってきている。しかしながら、絶縁部分を構成する部材が上述したように全て有機材料であるため、長期的な使用の間にその周囲環境によっては、部材の劣化が進展することがある。最悪の場合には、碍子自体が離断し、深刻な状況になることもある。
【0005】
とりわけ、外被部を構成する外被ゴムに発生する劣化(例えば、エロージョンやトラッキング等)の現象は、外から目視等で確認することができるので、点検時に深刻な状況になる前に取替等の対策を講じることができる。一方、ポリマー碍子の内部に発生する劣化(FRPコアのクラック、FRPコアと外被ゴムの界面に発生するエロージョンやトラッキング等)は、その外側が外被部を形成する黒、青、赤(煉瓦色)、グレー等の濃い色で着色された外被ゴムに覆われているために、それら劣化現象を外から捉える事はできない問題があった。また、ポリマー碍子の内部欠陥を検出すべく、各種の取り組みが実施されつつあるが、未だ確立された手段はないのが現状である。
【0006】
本発明の目的は上述した課題を解消して、ポリマー碍子の内部に発生する欠陥を非破壊の状態で検出することのできるポリマー碍子を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリマー碍子は、FRPコアと、このFRPコアの外周面に設けた外被胴および笠部からなる外被部と、FRPコアの少なくとも一端部に設けた接続部と、から構成されたポリマー碍子において、前記外被部を透明または半透明なゴムで構成するとともに、FRPコア内部とFRPコア外周部とを異なる色の材料で構成することにより、FRPコアに発生する欠陥をFRPコア外周部の色の変化により検出できるよう構成したことを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、外被部を透明または半透明なゴムで構成するという簡単な手段をとることで、非破壊の状態で外部から外被部を見るだけで、ポリマー碍子内部に発生する深刻な劣化(FRPコアのクラック、接着不良によるFRPコアと外被ゴム界面に発生するトラッキングやエロージョン)を容易に検出することができる。
【0009】
本発明の好適な具体例として、外被部を構成する透明または半透明なゴムとしては、顔料・染料を用いない液状射出成形(LIM)用シリコーンゴム、シリコーンポリマーとシリカの混合HTVゴム、または、シリコーンポリマー、シリカと三水和アルミナの混合HTVゴムを使用することが好ましい。なお、HTVゴムとしては、ミラブルタイプのゴムを好適に使用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のポリマー碍子の一例の構成を示す図である。図1に示す例において、ポリマー碍子1は、FRPコア2とゴムからなる外被部3と接続部6から構成されている。また、外被部3は、FRPコア2の外周面全体に設けられた外被胴4と、この外被胴4から突出する笠部5とから構成されている。そして、FRPコア2の両端部には、接続部6を設けている。
【0011】
上述したポリマー碍子1の構成は従来のポリマー碍子の構成と同じである。本発明のポリマー碍子1での特徴は、外被部3を透明または半透明なゴムで構成することにより、外部から外被部3を見てポリマー碍子1の内部に発生する欠陥を非破壊状態で検出できるよう構成した点である。
【0012】
外被部3を構成する透明または半透明なゴムとしては、ある程度の耐候性を有しFRPコア2や他の部品との接続部6との接着性の良好なゴムであれば、公知のゴムのいずれでも使用することができるが、液状射出成形(LIM)用シリコーンゴム、シリコーンポリマーとシリカの混合HTVゴム、または、シリコーンポリマー、シリカと三水和アルミナの混合HTVゴムを使用すると、耐候性や接着性の点で良好なため好ましい。
【0013】
ここで、液状射出成形用シリコーンゴム(LIM)は、複写機のローラー等で難燃性を向上させた白金を含むゴムであり、耐トラッキング性が良好なゴムである。この液状射出成形用ゴムは透明であり、シリコーンポリマーとシリカの混合HTVゴムはスリガラス色で、シリコーンポリマー、シリカと三水和アルミナの混合HTVゴムは乳白色である。
【0014】
また、FRPコア2の内部とFRPコア2の外周部とを異なる色の材料で構成することにより、FRPコア2に発生する内部欠陥をFRPコア2の外周部の色の変化により検出できるよう構成すると、内部欠陥の検出をより容易にすることができるため好ましい。すなわち、FRPコア2の外周部にクラック等が発生すると、FRPコア2の外周部の色のうちクラックの発生した部分の色がFRPコア2の内部の色となり外周部の色と異なることとなるため、簡単に内部欠陥を検出することができる。
【0015】
【実施例】
実際に、外被部3、FRPコア2の外周部、FRPコア2の内部のぞれぞれの色を以下の表1に示すように変化させたポリマー碍子1を準備した。準備の際、それぞれのポリマー碍子1に対して、FRPコア2と外被部3との界面にトラッキングを模擬した欠陥を作成するとともに、FRPコア2の外周部にクラックを模擬した欠陥を作成した。また、従来品として、以下の表1に示すように外被部3として色のついたシリコーンゴムを使用したポリマー碍子も準備した。
【0016】
そして、このようにして準備した本発明品及び従来品のポリマー碍子1に対して、目視により故意に作った欠陥が検出できるかどうかを確認した。また、IEC60587に基づくポリマー碍子1(外被ゴム)の耐トラッキング性を測定した。結果を以下の表1に示す。なお、表1中、本発明品及び従来品のそれぞれについては、各色の欄に記載のある色を変えて異なる色の組合せで作製した複数のポリマー碍子について試験した結果、すべてのポリマー碍子が表1に示す耐トラッキング性と欠陥検出結果を有したことを意味している。
【0017】
【表1】
【0018】
表1の結果から、外被ゴムの耐トラッキング性は、本発明品1〜3のいずれも従来品と同等の耐トラッキング性を有することがわかった。また、外被部3が透明または半透明の本発明品1〜3のポリマー碍子では、故意に作成したFRPコア2と外被部3との界面のトラッキング、および、FRPコア2の外周部のクラックを目視で検出することができるのに対し、従来品ではそれらのトラッキングおよびクラックを目視で検出できないことがわかった。さらに、本発明品1〜3の中でも、透明なLIM用のゴムを使用した場合が、それらのトラッキングやクラックを最も良く検出できることがわかった。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、外被部を透明または半透明なゴムで構成しているため、非破壊の状態で外部から外被部を見るだけで、ポリマー碍子内部に発生する深刻な劣化(FRPコアのクラック、接着不良によるFRPコアと外被ゴム界面に発生するトラッキングやエロージョン)を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマー碍子の一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ポリマー碍子、2 FRPコア、3 外被部、4 外被胴、5 笠部、6 接続部
Claims (2)
- FRPコアと、このFRPコアの外周面に設けた外被胴および笠部からなる外被部と、FRPコアの少なくとも一端部に設けた接続部と、から構成されたポリマー碍子において、前記外被部を透明または半透明なゴムで構成するとともに、FRPコア内部とFRPコア外周部とを異なる色の材料で構成することにより、FRPコアに発生する欠陥をFRPコア外周部の色の変化により検出できるよう構成したことを特徴とするポリマー碍子。
- 前記外被部を、顔料・染料を用いない液状射出成形(LIM)用シリコーンゴム、シリコーンポリマーとシリカの混合HTVゴム、または、シリコーンポリマー、シリカと三水和アルミナの混合HTVゴムから形成した請求項1記載のポリマー碍子。
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