JP4270531B2 - 缶蓋の成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、補強用の環状溝であるカウンターシンク部を備えた缶蓋を成形するための装置に関し、特に、カウンターシンク部を、その溝内に金型部品を押し込むことなく、パネル部を缶蓋上面側に押圧することにより成形するようにした、缶蓋の成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸飲料やビールを内容物とする缶詰や、内容物の充填時に液体窒素を滴下した飲料缶詰など、缶の内圧が高い正内圧缶(陽圧缶)では、アルミニウム材料による缶蓋(上蓋や底蓋として缶胴の端部に巻締固着される缶の端板部)の耐圧強度を向上させるために、平坦なパネル部の外周にチャックウォール部とフランジカール部が形成されている所謂フラットシェルの缶蓋に対して、そのパネル部とチャックウォール部の間に、補強のための環状溝となるカウンターシンク部を形成するということが従来から一般的に行われている。
【0003】
そのようなカウンターシンク部をフラットシェルの缶蓋に対して成形するための方法としては、例えば、図10(A)に示すように、カウンターシンク部の溝の雄型となる部分を備えた金型部品を用いて、この金型部品の雄型部分を押し込むような形でカウンターシンク部の溝を成形するという方法が、例えば、特開昭60−238050号公報,特開昭63−125150号公報,特開平1−62234号公報,特公平2−61861号公報,特公平7−71710号公報,特公平7−94055号公報等によって従来から公知となっている。
【0004】
また、上記のような方法とは別の方法として、例えば、図10(B)に示すように、カウンターシンク部の溝内に金型部品を押し込むことなく、パネル部を缶蓋上面側に押圧するだけで、カウンターシンク部の溝を折り返して成形するという方法が、例えば、特公昭58−46369号公報,特開昭60−193834号公報,実開平2−131931号公報,特開平2−241632号公報,特開平3−66434号公報,特開平3−66435号公報,特開平3−275223号公報等によって従来から公知となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、缶の端板部(上蓋や底蓋)となる缶蓋については、材料コストの低減や缶の軽量化という観点から、材料の板厚を可及的に薄くするということが試みられているが、板厚を薄くすればする程、缶蓋の耐圧強度が低下して、缶内圧が高いと缶蓋が反転して外方に膨出する所謂バックリングを起こし易くなるのに対して、そのような缶蓋のバックリングを起き難くする(耐バックリング性を高める)ためには、補強のための環状溝となるカウンターシンク部を、溝の幅が小さく深さが大きなものとすることが望ましい。
【0006】
しかしながら、カウンターシンク部の溝を幅が狭く深いものに成形しようとすると、金型部品(溝の雄型)を押し込むような形でカウンターシンク部を成形する方法では、溝内に押し込まれる金型部品の先端部をアールの小さい尖ったものにする必要があることから、そのような金型部品(溝の雄型)を用いてカウンターシンク部を成形した場合、カウンターシンク部の溝底を傷付ける(金属板を被覆している保護被膜を傷付ける)ような虞があり、また、成形時にチャックウォール部が金型部品により引き伸ばされることでチャックウォール部にシワが発生するような虞も生じる。
【0007】
そこで、上記のような問題を回避するために、カウンターシンク部の溝内に金型部品を押し込むようなことなく、パネル部を缶蓋上面側に押圧するだけでカウンターシンク部を成形するという方法を採用した場合、上記の引用公報中に記載されているような従来の装置では、カウンターシンク部を成形するときのパネル部の押圧に抗して、内縁部がラッパ状のショルダー部分となっているフランジカール部を一つの金型部品により受けて固定しているため、この金型部品にフランジカール部が嵌まり込むことで、成形後の缶蓋を成形金型から取り出す際に、缶蓋が金型部品に拘束されてスムーズに取り出し難いという問題がある。
【0008】
そのため、図10(B)に示すように、パネル部の缶蓋上面側への押圧に対してフランジカール部が金型部品に嵌まり込まないように、上端面が略平坦な金型部品によってフランジカール部の頂面部分のみで押圧力を受けるようにした場合、該押圧力がショルダー部分にも作用することで、金型部品による支えがないショルダー部分は内方に膨らむように座屈して変形し、その後の製缶工程で缶蓋を取り扱うときに、シャッフル不良や巻き締めボディフック不良を起こす原因となる。
【0009】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、カウンターシンク部を備えた缶蓋を成形するための装置において、耐バックリング性を高めるためにカウンターシンク部の溝を幅が狭く深いものとしても、缶蓋のショルダー部分を変形させたりカウンターシンク部の溝底を傷付けたりすることなくカウンターシンク部を成形することができ、しかも、成形後の缶蓋を装置からスムーズに取り出すことができるようにすることを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、平坦なパネル部の外周にチャックウォール部とフランジカール部が成形されているフラットシェルの状態から、補強のための環状溝であるカウンターシンク部を、その溝内に金型部品を押し込むことなく、パネル部を缶蓋の下面側から上面側に向けて押圧することにより、パネル部とチャックウォール部の間に成形するようにした、複数の金型部品を備えた缶蓋の成形装置において、カウンターシンク部の成形時にパネル部を缶蓋の下面側から上面側に向けて押圧する力に対し、缶蓋の上面側でフランジカール部を固定的に支持するための金型部品として、フランジカール部の内縁部であるラッパ状のショルダー部分を支持するショルダーサポートと、フランジカール部の頂面部分を支持するノックアウトリングとを、それぞれ別個の金型部品として設けると共に、成形後の缶蓋を装置から取り出す際に、固定的に設置されたショルダーサポートに対して可動的に設置されたノックアウトリングを移動させることで、ショルダーサポートを缶蓋から離した状態で、ノックアウトリングにより缶蓋を移動させるように構成することを特徴とする
【0011】
上記のような缶蓋の成形装置によれば、カウンターシンク部の成形時に、カウンターシンク部の溝内に金型部品が押し込まれないため、カウンターシンク部の溝底が傷付けられたり、チャックウォール部が引き伸ばされてシワを発生させたりするようなことなく、また、パネル部を押圧する力に抗して、フランジカール部を頂面部分だけでなくショルダー部分でも金型部品により固定的に支持していることから、該押圧力によってフランジカール部のショルダー部分が変形させられるようなことはない。
【0012】
また、缶蓋の成形が完了した後は、フランジカール部のショルダー部分を支持する金型部品であるショルダーサポートが固定された状態で、フランジカール部の頂面部分を支持する金型部品であるノックアウトリングだけが成形品の抜き方向に移動することで、フランジカール部を金型部品に嵌まり込ませることなく、成形済みの缶蓋を成形位置から排出位置に移動させることができて、その後で缶蓋を装置の金型部分から排出する際には、金型部品に邪魔されることなく缶蓋をスムーズに排出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の缶蓋の成形装置の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の一実施形態に係る缶蓋の成形装置について、図1〜図4は、缶蓋成形の各段階での金型部分の状態をそれぞれ示し、図5は、装置の上側金型部品の駆動構造を示し、図6は、装置の下側金型部品の固定及び可動構造を示すものである。また、図7〜図9は、缶蓋成形の各段階における缶蓋の成形部分の状態をそれぞれ拡大して示すものであり、図10は、本発明に対する各比較例の装置における缶蓋の成形部分をそれぞれ拡大して示すものである。
【0014】
本実施形態の成形装置は、金型の上下方向の動きにより一回の一往復動で金属板から缶蓋を裏返し(フランジカール部がパネル部よりも下方に位置する)の状態に成形するための装置であって、装置の金型部分1は、図1に示すように、金属板からブランクを裁断するために下側で固定刃となるダイカッター11と上側で可動刃となるパンチカッター12を有すると共に、それらの内側に、上側の可動金型部品としてドローリング13とパンチコアリング14とパンチコア15を、下側の固定金型部品としてショルダーサポート16とダイコア17を、下側の可動金型部品としてノックアウトリング18とパネルフォームリング19をそれぞれ有するものである。
【0015】
上側の可動部品は、図5に示すように、パンチカッター12とドローリング13とパンチコアリング14がアウタースライド21により上下往復動され、パンチコア15がインナースライド22により上下往復動されるものであって、パンチカッター12がアウタースライド21に対して固定的に連結され、パンチコア15がインナースライド22に対して固定的に連結されているのに対して、ドローリング13とパンチコアリング14は、それぞれ個別のエアー圧により常に下方に付勢された状態で、アウタースライド21に対してそれぞれの所定範囲だけ可動的に連結されている。
【0016】
すなわち、アウタースライド21には、二つの可動シリンダブロック23,24とパンチホルダー25が一体的に連結されており、インナースライド22には、ベースプレート26とパンチプレート27とクランパー28を介してコアシャフト29が一体的に連結されていて、パンチカッター12がパンチホルダー25に固定的に連結され、パンチコア15がコアシャフト29に固定的に連結されているのに対して、ドローリング13とパンチコアリング14は、各可動シリンダブロック23,24に設けられたそれぞれのシリンダとピストンを介して、それぞれ個別のエアー圧により常に下方に付勢された状態で、各可動シリンダブロック23,24に対してそれぞれの所定範囲だけ可動的に連結されている。
【0017】
アウタースライド21とインナースライド22は、図示していないクランクの回転駆動に連動してそれぞれ上下往復動するものであって、アウタースライド21とインナースライド22のそれぞれの上下往復動は、往復動のサイクルは同じ(両者の時間当たりの往復動数が同じ)ではあるが、往復動の始まるタイミングが異なり(アウタースライド21よりもインナースライド22の方が遅れたタイミングで動く)、往復動のストロークが異なる(アウタースライド21よりもインナースライド22の方が移動範囲が大きい)ようになっている。
【0018】
下側の可動部品であるノックアウトリング18とパネルフォームリング19は、図6に示すように、固定基盤31に一体的に連結された二つの固定シリンダブロック32,33のそれぞれに設けられた個別のシリンダとピストンを介して、それぞれ個別のエアー圧により常に上方に付勢された状態で、各固定シリンダブロック32,33に対してそれぞれの所定範囲だけ可動的に連結されており、対向する上側の可動部品(パンチコアリング14やパンチコア15)による上方からの押圧力によりエアー圧に抗して下降し、上方からの押圧力が解除されるとエアー圧により上限位置まで上昇するものである。
【0019】
なお、パネルフォームリング19を上方に付勢するエアー圧は一定であるが、ノックアウトリング18を上方に付勢するエアー圧は、例えば、アウタースライド21とインナースライド22を上下往復動させるために回転駆動されるクランクの角度の信号によって圧力を切り換える等の方法により、缶蓋の成形時と搬出時(缶蓋を金型内の成形位置から排出位置に移動させる時)とでは異なった圧力レベルとなるように制御されている。
【0020】
上記のような成形装置により金属板から缶蓋を連続的に成形するときの状態について以下に説明する。なお、図7〜図9において、白い丸は、固定部品を示し、黒い丸は、可動部品の停止状態を示し、白い矢印は、アウタースライドに対して可動的に連結された部品の移動を示し、黒い矢印は、アウタースライドに対して固定的に連結された部品の移動を示し、斜線の矢印は、下側可動部品のエアー圧に抗した移動を示し、太線の矢印は、インナースライドに対して固定的に連結された部品の移動を示すものである。
【0021】
缶蓋の成形に入る前の状態については、アウタースライド21やインナースライド22が上死点の近傍(両方が同時に上死点に位置することはない)に位置している状態で、図1に示すように、上側の各部品(パンチカッター12,ドローリング13,パンチコアリング14,パンチコア15)と、下側の各部品(ダイカッター11,ショルダーサポート16,ダイコア17,ノックアウトリング18,パネルフォームリング19)とは、上下方向で間隔を置いて離れていて、その間で下側の各部品に載せられるように材料の金属板2が送り込まれている。
【0022】
そのような状態から、アウタースライド21が下降することによって、図2に示すように、パンチカッター12とドローリング13とパンチコアリング14が揃って下降して、図7(A)に示すように、ドローリング13とダイカッター11により金属板2を挟持してから、ダイカッター11に対しオフセットされたパンチカッター12が下降して金属板2を剪断することにより、金属板2から缶蓋一個分のブランク2aが裁断される。
【0023】
そして、下側の固定部品であるダイカッター11によりドローリング13が下方への移動を停止されている状態から、更にアウタースライド21が下降を続けることで(なお、アウタースライド21に対してドローリング13が可動的に連結されているため、ドローリング13を停止してもアウタースライド21は下降できる)、図7(B)に示すように、パンチコアリング14は、裁断されたブランク2aの周辺部分をノックアウトリング18との間に挟持した状態で、ノックアウトリング18を押し下げながら下降し続ける。
【0024】
そして、アウタースライド21が下死点に至る前に、図8(C)に示すように、パンチコアリング14が下側の固定金型部品であるショルダーサポート16によって停止された(アウタースライド21は未だ下死点にまで至らず、パンチカッター12は未だ下降している)時点で、パンチコアリング14の下降に連れてブランクの周辺部分が下方に引き込まれ、ダイカッター11とパンチコアリング14とノックアウトリング18とショルダーサポート16とパネルフォームリング19とで挟み込まれることにより、ブランクは、平坦なパネル部41の外周にチャックウォール部42とフランジカール部43が形成されたフラットシェル(カウンターシンク部が成形される前の缶蓋)に成形される。
【0025】
そのように、ブランクがフラットシェルに成形されている間、インナースライド22は、アウタースライド21の下降からタイミングを遅らせた状態で下降しており、インナースライド22に対して直接連結されているパンチコア15は、フラットシェルの成形が終了した時点(アウタースライド21が下死点に至る前)では、図8(C)に示すように、フラットシェルのパネル部41の位置にまで下降している。
【0026】
そのような状態からアウタースライド21が下降して下死点に位置しても、インナースライド22は更に下降を続け、それに連れてパンチコア15が下降することで、図8(D)に示すように、パンチコア15の側に形成された環状の凸部15aとパネルフォームリング19の側に形成された環状の凹部19aとによりパネル部41を噛み込むように、パンチコア15とパネルフォームリング19の間にパネル部41を挟み込んだ状態で、パンチコア15はパネルフォームリング19を押し下げながら更に下降する。
【0027】
すなわち、図3に示すようなアウタースライドが下死点の位置にある金型では、パンチカッター12とドローリング13とパンチコアリング14がそれぞれ下限位置で停止しているのに対して、パンチコア15だけが更に下降を続けており、インナースライドが下死点に達した時点で、図4に示すように、ドローリング13とパンチコアリング14がそのままの停止状態を続けている(パンチカッター12は上昇を始めている)と共に、パンチコア15はその下限位置で停止することとなる。
【0028】
そのようなパンチコア15の下降により、図8(D)に示すように、パンチコア15とパネルフォームリング19の間に挟み込まれたパネル部41が押し下げられる(缶蓋上面側に押圧される)のに対して、パネル部41の押し下げにより缶蓋全体が下方に移動しようとするのを、ノックアウトリング18とショルダーサポート16でフランジカール部43を受け止めて阻止していることにより、パネル部41の押し下げに連れてその外周部が徐々に折り返され、図9(E)に示すように、パンチコア15の下降が停止した時点(インナースライド22が下死点に達した時点)で、パネル部41とチャックウォール部42の間にカウンターシンク部44が成形されて、カウンターシンク部44を備えた缶蓋の成形が完了することとなる。
【0029】
なお、パンチコア15の下降によるカウンターシンク部の成形時にフランジカール部43を固定的に支持しているノックアウトリング18とショルダーサポート16について、フランジカール部43の頂面部分43bを支持するノックアウトリング18は、その上端面が実質平坦面に形成されており、また、フランジカール部43のショルダー部分43aを支持するショルダーサポート16は、チャックウォール部42の一部と接触することはあっても、チャックウォール部42の大部分と接触したりカウンターシンク部44の溝内にまで入り込まないように形成されている。
【0030】
ノックアウトリング18の上端面については、フランジカール部43の頂面部分43bの略平坦な曲面と合致するものであって、フランジカール部43の外端側での変形を防止するために、フランジカール部43の外端側で僅かに突出しているが、この突出の高さは、後で述べる缶蓋の装置外への排出時に邪魔にならないように、0.5mm以上とならないように形成されていることから、完全な平坦面ではないが、実質的には殆ど平坦面と変わらないものとなっている。
【0031】
インナースライド22が下死点の位置にまで下降して、カウンターシンク部35を備えた缶蓋の成形が完了した後、インナースライド22に固定的に連結されているパンチコア15は、インナースライド22が下死点から上昇するのと同時に上昇するが、アウタースライド21に対して可動的に連結されているパンチコアリング14は、アウタースライド21が下死点に至る前から下死点を過ぎた後までの所定の時間だけ、ショルダーサポート16により阻止された下限位置でその動きが停止されていることから、その分だけアウタースライド21の下死点からの上昇よりも遅れて上昇することとなる。
【0032】
それによって、アウタースライド21よりもインナースライド22の方が遅れたタイミングで上下動していることにより、アウタースライド21が下死点からの上昇を開始した後で、遅れてインナースライド22が下死点からの上昇を開始するにもかかわらず、アウタースライド21に対して可動的に連結されているパンチコアリング14の上昇は、その動きがアウタースライドとの可動範囲で吸収されて停止していることで、インナースライド22に対して固定的に連結されているパンチコア15の上昇と略同時(同時又は同時よりも僅かに早く)に始まるようになっている。
【0033】
この点について、缶蓋の成形が完了した後、アウタースライド21とインナースライド22の動きに直接連動して、フランジカール部43を押さえているパンチコアリング14が、パネル部41を押さえているパンチコア15よりも早いタイミングで上昇を始めると、パンチコアリング14の上昇に追従してノックアウトリング18が直ちに上昇することで、未だパネル部41がパンチコア15により押さえられた状態で、ノックアウトリング18によりフランジカール部43が持ち上げられることとなる。
【0034】
その結果、成形済みの缶蓋は、ノックアウトリング18の押圧力により、フランジカール部43がパネル部41の高さに近づくように変形させられて、缶蓋の高さの寸法が変わってしまうこととなるが、上記のようにパンチコアリング14をアウタースライド21に可動的に連結することで、アウタースライド21がインナースライド22より早く上昇しても、パンチコアリング14とパンチコア15は略同時に上昇するようにしておくことで、そのような成形済み缶蓋の変形を回避することができる。
【0035】
なお、パンチコアリング14とパンチコア15の上昇開始のタイミングを揃えても、上昇開始時がインナースライド下死点の状態では、インナースライド22よりもアウタースライド21の上昇スピードが僅かに速くなっていて、パンチコア15よりもパンチコアリング14の方が僅かに速く上昇することとなり、それによってパンチコアリング14の上昇に追従するノックアウトリング18の押圧力でフランジカール部43が持ち上げられて缶蓋の高さの寸法が低くなるような変形を起す虞がある。
【0036】
そこで、パンチコアリング14とパンチコア15の上昇スピードに僅かな差があっても、ノックアウトリング18の押圧力によって缶蓋が変形を起こすことのないように、ノックアウトリング18を上方に付勢するエアー圧のレベルを、缶蓋成形時(パンチコアリング14による押圧時)よりも缶蓋搬出時(パンチコアリング14の上昇時)の方が低くなるように制御している。
【0037】
このノックアウトリング18のエアー圧について、缶蓋の成形時のエアー圧は、適正範囲が14703920Nであって、1470N以下では板厚が薄い場合(特に0.25mmよりも薄い場合)にフランジカール部のショルダー部分にシワが発生し、3920N以上ではエアー残圧発生によりカウンターシンク部の深さに変形の起きる虞がある。一方、缶蓋成形後の搬出時(成形位置から排出位置までの移動時)のエアー圧は、適正範囲が4901470Nであって、490N以下では蓋搬出が遅れてエンドジャムしやすく、1470N以上ではカウンターシンク部の深さに変形が起きる虞がある。
【0038】
缶蓋の成形が完了してから、アウタースライド21とインナースライド22が上死点の近傍にまで上昇した時点では、図1に示すように、上側の各部品12,13,14,15と、下側の各部品11,16,17,18,19とは、上下方向で間隔を置いて離れており、成形済みの缶蓋3は、図中に二点鎖線で示すように、裏返しでフランジカール部をノックアウトリング18に載せた状態となっていて、そのような缶蓋3の排出位置から、図示していない適宜の手段により横方向(水平方向)に缶蓋3を押し出すことで、缶蓋3は金型による抵抗無くスムーズに金型部分1から外側に排出される。
【0039】
上記のように作動する本実施形態の缶蓋の成形装置によれば、カウンターシンク部の成形時に、図8(D)および図9(E)に示すように、パンチコア15の下降によりパネル部41を押し下げている(缶蓋上面側に押圧している)だけで、カウンターシンク部44の溝内にはどのような金型部品も押し込まれていないため、金型部品によりカウンターシンク部44の溝底を傷付けたりすることはなく、また、チャックウォール部42を引き伸ばしてシワを発生させたりするようなことはない。
【0040】
また、カウンターシンク部の成形時に、パンチコア15によるパネル部41の押し下げによって缶蓋全体が下方に移動しようとするのを、ノックアウトリング18とショルダーサポート16の2つの金型部品でフランジカール部43を受け止めて阻止していることにより、パンチコア15の押圧力でフランジカール部43のショルダー部分43aが変形するのを防止することができる。
【0041】
また、缶蓋の成形が完了した後、缶蓋を成形位置から排出位置にまで持ち上げるのに、図9(F)に示すように、位置が固定されたショルダーサポート16に対してノックアウトリング18だけを上昇させて、缶蓋をノックアウトリング18だけで持ち上げていることにより、フランジカール部43を金型部品に嵌まり込ませるようなことなく缶蓋を排出位置にまで移動させることができ、その後、缶蓋を金型部分1から外側に排出する際に、図1に二点鎖線で示すように、ノックアウトリング18に裏返しで載置された状態の缶蓋3を、金型による抵抗無くスムーズに横方向(水平方向)に押し出すことができる。
【0042】
さらに、本実施形態の成形装置では、図8(D)に示すように、パンチコア15とパネルフォームリング19に対して凸部15aと凹部19aをそれぞれ形成していることによって、カウンターシンク部の成形時に、凸部15aと凹部19aによる噛み込みによって、パネル部41の材料を逃がすことなく、パネル部41の外周部(パネル部41とチャックウォール部42の間)を折り返すことができると共に、パネル部41に対して凸部15aと凹部19aの噛み込みにより環状のビード部45をカウンターシンク部44に沿って成形できることから、缶蓋を一層強化した状態に成形することができる。
【0043】
また、本実施形態の成形装置では、同じサイクルでタイミングをずらせて直線往復動するアウタースライド21とインナースライド22に対して、アウタースライド21とインナースライド22の下死点におけるタイミング差の間はパンチコアリング14の動きを停止させていることで、缶蓋の搬出時には、パンチコアリング14をパンチコア15と略同時に上昇させることができて、パンチコアリング14とパンチコア15の上昇タイミングが異なることに起因する缶蓋の変形を回避することができる。
【0044】
そして、パンチコアリング14の動きを停止させている間に、ノックアウトリング18の付勢圧力を成形時のレベルから搬出時のレベルに切り替えるように、ノックアウトリング18のエアー圧を制御していることで、パンチコアリング14とパンチコア15を略同時に上昇させた後、パンチコアリング14とパンチコア15の上昇スピードが僅かに異なっても、パンチコアリング14の上昇開始までには、ノックアウトリング18のエアー圧を確実に缶蓋の搬出に適したレベルとしておくことができて、缶蓋の搬出開始時に缶蓋が変形するという事態を回避することができる。
【0045】
以上、本発明の缶蓋の成形装置の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記の実施形態では、アウタースライドとインナースライドのそれぞれによって駆動される複数の金型部品を用いて、フラットシェルの成形とカウンターシンク部の成形を一つの装置により連続して行うような装置として実施しているが、そのような装置に限らず、一つの装置で成形されたフラットシェルに対して、それとは別の装置でカウンターシンク部の成形を行うような装置として実施することも可能である。
【0046】
また、上記の実施形態では、各金型部品を上下方向に移動させて缶蓋を成形し、成形済みの缶蓋を横方向に押し出して排出するような装置として実施しているが、各金型部品を傾いた上下方向に配置したり、或いは、各金型部品を左右方向に配置して左右方向に移動させることで缶蓋を成形してから、成形済みの缶蓋を自重で下に落として排出するような装置として実施することも可能である。
【0047】
また、成形装置の細部の構造についても、例えば、上記の実施形態では、補強用のビード部を形成するために、カウンターシンク部を成形するときにパネル部を押圧する金型部品(パンチコアとパネルフォームリング)に対して、パネル部を噛み込むような環状の凸部や凹部を形成しているが、そのような凸部や凹部が形成されていない金型部品を用いてビード部のない缶蓋を成形するための装置として実施することも可能である等、適宜設計変更可能なものであることはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の缶蓋の成形装置によれば、溝内に金型部品を押し込むようなことなくカウンターシンク部を成形していることで、カウンターシンク部の溝底を傷付けたり、チャックウォール部を引き伸ばしてシワを発生させたりすることなく、カウンターシンク部の溝を深く幅が狭い状態に成形することができると共に、パネル部の押圧によるカウンターシンク部の成形時に、フランジカール部を頂面部分だけでなくショルダー部分でも金型部品により固定的に支持していることで、パネル部の押圧によるフランジカール部のショルダー部分の変形を防止することができて、しかも、缶蓋の成形後は、フランジカール部のショルダー部分を支持する金型部品を固定した状態で、フランジカール部の頂面部分を支持する金型部品だけを成形品の抜き方向に移動させることで、成形済みの缶蓋を、金型部品に邪魔されることなく装置の外側にスムーズに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の缶蓋の成形装置の一実施形態について、缶蓋成形前の段階における金型部分の状態を示す縦断面図。
【図2】図1に示した装置の金型部分について、金属板からブランクを裁断する段階の状態を示す縦断面図。
【図3】図1に示した装置の金型部分について、ブランクがフラットシェルに成形されてからアウタースライドが下死点に位置した段階の状態を示す縦断面図。
【図4】図1に示した装置の金型部分について、インナースライドが下死点に位置してカウンターシンク部が成形された段階の状態を示す縦断面図。
【図5】図1に示した装置の金型部分の上側金型部品の駆動構造を示す縦断面図。
【図6】図1に示した装置の金型部分の下側金型部品の固定及び可動構造を示す縦断面図。
【図7】図1に示した装置の金型部分による缶蓋の成形について、(A)金属板からブランクを裁断する時の状態、および(B)ブランクの周辺部分を成形し始める時の状態をそれぞれ拡大して示す縦断面説明図。
【図8】図1に示した装置の金型部分による缶蓋の成形について、(C)ブランクからフラットシェルが成形された時の状態、および(D)フラットシェルにカウンターシンク部を成形し始める時の状態をそれぞれ拡大して示す縦断面説明図。
【図9】図1に示した装置の金型部分による缶蓋の成形について、(E)缶蓋の成形(カウンターシンク部の成形)が完了した時の状態、および(F)成形済みの缶蓋を成形位置から排出位置に移動させた時の状態をそれぞれ拡大して示す縦断面説明図。
【図10】本発明に対する各比較例(A)(B)のそれぞれについて、カウンターシンク部の成形状態を拡大して示す縦断面説明図。
【符号の説明】
1 装置の金型部分
14 パンチコアリング
15 パンチコア(パネル部を押圧する金型部品)
15a (パンチコアの)凸部
16 ショルダーサポート(ショルダー部分を支持する金型部品)
18 ノックアウトリング(フランジカール部を支持する金型部品)
19 パネルフォームリング(パネル部の押圧力を受ける金型部品)
19a (パネルフォームリングの)凹部
21 アウタースライド
22 インナースライド
41 パネル部
42 チャックウォール部
43 フランジカール部
43a (フランジカール部の)ショルダー部分
43b (フランジカール部の)頂面部分
44 カウンターシンク部

Claims (2)

  1. 平坦なパネル部の外周にチャックウォール部とフランジカール部が成形されているフラットシェルの状態から、補強のための環状溝であるカウンターシンク部を、その溝内に金型部品を押し込むことなく、パネル部を缶蓋の下面側から上面側に向けて押圧することにより、パネル部とチャックウォール部の間に成形するようにした、複数の金型部品を備えた缶蓋の成形装置において、カウンターシンク部の成形時にパネル部を缶蓋の下面側から上面側に向けて押圧する力に対し、缶蓋の上面側でフランジカール部を固定的に支持するための金型部品として、フランジカール部の内縁部であるラッパ状のショルダー部分を支持するショルダーサポートと、フランジカール部の頂面部分を支持するノックアウトリングとが、それぞれ別個の金型部品として設けられていると共に、成形後の缶蓋を装置から取り出す際に、固定的に設置されたショルダーサポートに対して可動的に設置されたノックアウトリングを移動させることで、ショルダーサポートを缶蓋から離した状態で、ノックアウトリングにより缶蓋を移動させるように構成されていることを特徴とする缶蓋の成形装置。
  2. カウンターシンク部の成形時にパネル部を押圧する金型部品と、その押圧力をパネル部を介して受ける金型部品とに対して、両方の金型部品の間に挟み込まれるパネル部の周辺部分を噛み込むように、両方の金型部品の対向面の一方に凸部が他方に凹部が、それぞれ環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の缶蓋の成形装置。
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