JP4270416B2 - 地中推進配管方法に使用する地中推進配管装置 - Google Patents

地中推進配管方法に使用する地中推進配管装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地中推進配管方法に使用する地中推進配管装置に関し、特に打撃式推進機を利用したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
道路等を横断して地中配管を行う場合、開削工法では交通対策や安全対策の点で問題が多く、近年は非開削での地中配管が実施されつつある。このうち、ボーリングマシンを使用したものでは、パワーユニット等が大型となって比較的広い作業面積を要するとともに、掘削に伴う泥水の処理等が煩雑であるという問題がある。そこで、近年は、比較的短い距離を簡易に地中配管できるものとして、例えばグルンドマート(トラクトーテヒニーク パオル シュミット シュペツィアルマシーネン社 商品名)のような打撃式推進機が注目されている。
【0003】
この打撃式推進機は空圧で作動する内蔵ピストンによってヘッド部を打撃して土を圧密し、礫や石等を破砕しつつ地中を推進するもので、小型で、かつ泥水処理を必要としない等の特質を有している。
【0004】
このような打撃式推進機で複数並列した地中配管を行なう場合、到達域に達した打撃式推進機を回収するための到達立抗を発進立抗と同時に掘っておく必要があるために道路上の工事スペースを要するという問題があるとともに、軟質地盤等では打撃式推進機で掘削された穴が崩れてその後の配管が不能になるという問題がある。
【0005】
そこで、打撃式推進機の後端にワイヤ等で布設管を連結して、打撃式推進機の進行と同時に穴内に敷設管が引き込まれるようにする方法が採られるが、布設管の径が打撃推進機の外径より小さい場合にしか適用できず、しかも到達立抗を発進立抗と同時に掘っておく必要がある欠点は改善されない。
【0006】
また、所望の到達域に達したら打撃式推進機を後進に切り替えて穴内から取り出し、その後に布設管を穴内に押し込む方法を採用すれば到達立抗を同時に掘っておく必要はなくなるが、穴が崩れるおそれや打撃式推進機の外径よりも大きい管の布設ができないという問題点は解消されない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、到達立抗を同時に掘る必要が無いため工事スペースを縮小できるとともに、穴が崩れる等の問題も無く、しかも打撃式推進機の本体径よりも大きな管を非開削で埋設できる地中推進配管方法に使用する地中推進配管装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明、布設管(1)内に打撃式推進機(3)を脱出可能に挿入し、布設管(1)の前端開口に装着したカバー体(2)と、打撃式推進機(3)の後端部に連結したガイド部材(5A)に着脱可能に取り付けた保持具(7)とで布設管(1)を保持して、打撃式推進機(3)の地中進行に伴ってこれと一体に布設管(1)を地中内へ進入させることにより地中配管を行なう地中推進配管方法に使用する地中推進配管装置であって、布設管(1)の前端開口に装着されるカバー体(2)と、布設管(1)内に挿置されて、前端部(32)がカバー体(2)内に位置させられる打撃式推進機(3)と、打撃式推進機(3)の後端部に連結されて布設管(1)の後端開口より突出し、突出端に新たなガイド部材を連結可能なガイド部材(5A,5B)と、布設管(1)から突出するガイド部材(5A,5B)の外周に着脱可能に装着されて布設管(1)の後端を保持するとともに打撃式推進機(3)の推進方向へ付勢されている保持具(7)とを具備し、カバー体(2)は金属製の円筒体で、大径の後部(21)が布設管(1)の前端開口の外周に離脱可能に嵌装されるとともに、上記後部(21)を除いたカバー体(2)の前半部(22)は、打撃式推進機(3)の先端(31)を貫通させる開口を除いて当該打撃式推進機(3)の前端部(32)外周に沿ってこれを覆い前方に向けて小径となっている地中推進配管装置である。
【0009】
本発明においては、布設管内に打撃式推進機が挿置されるとともにカバー体と保持具によって布設管が保持されて、打撃式推進機の地中への進行に伴ってこれと一体に布設管が地中内へ進入させられる。これにより、打撃式推進機よりも大径の布設管を非開削で地中配管することができる。布設距離が長い場合には、新たなガイド部材および布設管を順次継ぎ足すことにより行なう。布設管は打撃式推進機と同時に地中内へ進入させられるから、打撃式推進機で形成された穴が崩れてその後の配管が不能になるという問題は生じない。さらに、複数並列して地中配管を行なう場合は、保持具をガイド部材から取り外すとともにガイド部材を引き出して、布設管内から打撃式推進機を推進立抗側へ取り出す。取り出した打撃式推進機を、新たなカバー体を設けた別の布設管内に挿置して当該布設管を地中配管する。全ての並列配管を終えた後に推進立抗を埋め戻し、到達立抗を掘って、各先頭の付設管に装着されたカバー体を取り出す。これにより、推進立抗と到達立抗を同時に掘っておく必要がないから、工事スペースを低減することができる。
【0011】
なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1には地中配管推進装置の断面を示す。図1において、地中に埋設されるPV(ポリビニル)の布設管1には前端(図の右方)開口にカバー体2が装着されている。カバー体2は金属製の円筒体で、大径の後部21が布設管1の外周に嵌装されるとともに、前半部22は前方へ向けて段付きに小径となっている。
【0013】
上記布設管1内には打撃式推進機たるグルンドマート3が挿置されており、その先端チゼル31がカバー体2の前端開口に挿通されて前方へ突出している。グルンドマート3の前端部の推進ヘッド32はその外周が前方へ向けて段付きに小径となっており、これは、段付きに小径となった上記カバー体2の内周面に沿って位置している。
【0014】
グルンドマート3の後端部には雌ネジ41を形成したガイド管連結用のアダプタ4が設けられて、上記雌ネジ41に端部外周の雄ネジ51を結合させて基部ガイド管5Aが連結されている。そして、この基部ガイド管5A内に、グルンドマート3に内蔵されたシリンダへ圧縮空気を供給するエアホース6が挿通されている。基部ガイド管5Aは布設管1の後端開口より後方へ突出しており、その外周にブッシュ71を介して保持具7が設けられている。保持具7は円筒状をなし、半割円筒状の二部材を、これらの開放縁に形成したフランジ部72で衝合して互いにボルト結合したものである。保持具7はその円周端面が上記布設管1の開口端面に当接して、カバー体2との間で布設管1を保持している。
【0015】
このような地中推進配管装置は図2に示すように、発進立抗P内に設けた発進台S上に載せられて配管を行なう地中に向けて位置させられる。装置の作動に先だって、保持具7の一部に形成されたワイヤ係止部73に図略のチェーンブロックから至ったワイヤ74が懸けられて、グルンドマート3に推進方向のバック支圧を与えている。グルンドマート3の後端部に連結された基部ガイド管5Aから引き出されたエアホース6は地上に設けられたオイラ61を経てエアコンプレッサ62に至っている。そして、このエアホース6には図2に示すように、予め必要数の布設管1(図2では1つのみ示す、以下同様)とこれらを互いに連結するためのソケット8、および上記基部ガイド管5Aにネジ連結されさらに互いが連結される必要数の主ガイド管5Bが通されている。なお、主ガイド管5の長さは、ソケット8により新たな布設管1を継ぎ足した際に、新たな布設管1の後端開口から主ガイド管5の後端部が常に所定長だけ突出するような長さに設定される。
【0016】
このような地中推進配管装置において、エアホース6を経てグルンドマート3に圧縮空気を供給すると、内蔵されたピストンが作動を開始してカバー体2を打撃し、図3に示すようにグルンドマート3がその外周に保持された布設管1を伴って地中に進入する。布設管1の後端が地中に入る手前で圧縮空気の供給を止めてグルンドマート3を停止させ、基部ガイド管5Aから保持具7を外す。この状態で基部ガイド管5Aに主ガイド管5Bを連結するとともに、ソケット8を介して新たな布設管1を連結し(図3)、新たな布設管1の後端開口から突出する主ガイド管5Bの後端部外周に保持具7を再度取り付けてその円周端面を新たな布設管1の開口端面に当接させることにより、これを保持する。
【0017】
グルンドマート3の地中進入に伴って主ガイド管5Bと布設管1を次々に連結する作業を繰り返しつつ、図4に示すように、カバー体2が所望の到達域Lに達したら、保持具7を主ガイド管5Bから取り外すとともに、順次主ガイド管5Bを発進立抗P内へ引き出して、布設管1内からグルンドマート3を取り出す。このようにして、グルンドマート3の本体径よりも大きな布設管1を簡易に地中配管することができる。取り出されたグルンドマート3は並列配管される他の布設管に使用される。全ての並列配管を終えた後に発進立抗Pを埋め戻し、到達域Lに到達立抗を掘って各配管の先頭の布設管1に装着されているカバー体2を取り出す。これにより、並列配管する際の道路上の工事スペースの低減が実現される。
【0018】
なお、上記実施形態では布設管をPV管としたが、鋼管等にも適用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明の地中推進配管方法および地中推進配管装置によれば、到達立抗を同時に掘る必要が無いため工事スペースを縮小できるとともに、穴が崩れる等の問題も無く、しかも打撃式推進機の本体径よりも大きな管を非開削で簡易かつ安価に埋設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す、地中推進配管装置の断面図である。
【図2】地中推進配管装置を使用した配管方法を示す断面図である。
【図3】地中推進配管装置を使用した配管方法を示す断面図である。
【図4】地中推進配管装置を使用した配管方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1…布設管、2…カバー体、3…グルンドマート、32…推進ヘッド、5A…基部ガイド管、5B…主ガイド管、6…エアホース、7…保持具。

Claims (1)

  1. 布設管内に打撃式推進機を脱出可能に挿入し、前記布設管の前端開口に装着したカバー体と、前記打撃式推進機の後端部に連結したガイド部材に着脱可能に取り付けた保持具とで前記布設管を保持して、前記打撃式推進機の地中進行に伴ってこれと一体に前記布設管を地中内へ進入させることにより地中配管を行なう地中推進配管方法に使用する地中推進配管装置であって、前記布設管の前端開口に装着されるカバー体と、前記布設管内に挿置されて、前端部が前記カバー体内に位置させられる打撃式推進機と、前記打撃式推進機の後端部に連結されて前記布設管の後端開口より突出し、突出端に新たなガイド部材を連結可能なガイド部材と、前記布設管から突出する前記ガイド部材の外周に着脱可能に装着されて前記布設管の後端を保持するとともに前記打撃式推進機の推進方向へ付勢されている保持具とを具備し、前記カバー体は金属製の円筒体で、大径の後部が布設管の前記前端開口の外周に離脱可能に嵌装されるとともに、前記後部を除いた前記カバー体の前半部は、前記打撃式推進機の先端を貫通させる開口を除いて当該打撃式推進機の前端部外周に沿ってこれを覆い前方に向けて小径となっている地中推進配管装置。
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