JP4269455B2 - 呼び樋の取り付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軒樋の雨水を縦樋に排水する呼び樋を軒天井に取り付ける構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建物の軒先部の外観を向上するため、偏平筒状の呼び樋を軒天井に埋設し、軒先の軒樋の適所に配置した集水器の背面の排水口と呼び樋の端部を接続し、軒樋に受けた雨水を集水器から軒天井の呼び樋を介して壁際の縦樋から排水するような施工が行われるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来例では呼び樋が軒天井に埋設されて外観良くできるが、軒天井板の下面と呼び樋の下面が面一になるように呼び樋が埋設されて呼び樋の下面が露出する構造であるため、呼び樋として特別なものを用意しなければならない。
【0004】
本発明は叙述の点に鑑みてなされたものであって、呼び樋として特別なものを用意しなくても外観よく施工できる呼び樋の取り付け構造を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の請求項1の呼び樋の取り付け構造は、軒先の軒樋1に配置した集水器2と壁際に配置した縦樋3とを接続する呼び樋4を軒天井に沿って取り付けた呼び樋の取り付け構造において、軒天井板5の上で軒天井内に内装するように呼び樋4を配置し、呼び樋4の下面側に位置する軒天井板5の厚さを他の部分より薄く形成して、呼び樋4の下に位置する厚さの薄い呼び樋用軒天井板5aに縦樋3を挿通する挿通孔6を設け、呼び樋用軒天井板5aの上面を挿通孔6に向けて高さの低くなる勾配面7として成ることを特徴とする。呼び樋4を軒天井板5の上に内装するために呼び樋4が外観上見えなく、呼び樋4は形状が自由で呼び樋4として特別なものを用意する必要がない。一般に市販の筒状の樋でも使用できる。また軒樋1から呼び樋4に排水する集水器2の位置と縦樋3の位置がずれても呼び樋4を斜めに振ることにより対応できる。また呼び樋4の下面側に位置する軒天井板5の厚さを他の部分より薄く形成することにより、軒樋1と呼び樋4の段差を小さくできるため、軒樋1から呼び樋4への排水性能がアップする。また呼び樋6から水漏れが発生しても勾配面7に沿って水が流れて挿通孔6から排出できるものであって、軒天井の他の部分に水が廻るという弊害を防止できると共に水漏れしていることを警告できる。
【0006】
また本発明の請求項2の呼び樋の取り付け構造は、呼び樋4の下に位置する厚さの薄い呼び樋用軒天井板5aを着脱自在に取り付けて成ることを特徴とする。呼び樋用軒天井板5aを取り外して呼び樋4のメンテナンスが容易にできる。
【0007】
また本発明の請求項3の呼び樋の取り付け構造は、請求項2において、挿通孔6の部分で呼び樋用軒天井板5aを2分割して成ることを特徴とする。この場合、縦樋3を取り外すことなく呼び樋用軒天井板5aの取り外しができてメンテナンスが容易にできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
先ず、図1乃至図3に示す基本構成の一例から述べる。屋根8の軒先には軒樋1を配置してあり、屋根8からの雨水を軒樋1に受けるようになっている。軒先の鼻板9の外面側には鼻隠し10を取り付けてあり、鼻隠し10には軒樋吊り具11の基部を取り付けてあり、軒樋吊り具11に軒樋1を吊り支持してある。軒樋1の長手方向の適所には横引き集水器と称される集水器2を装着してあり、軒樋1の雨水を集めるようになっている。かかる集水器2は軒樋1と同じ断面形状であり、背部から水平方向に筒状の排水口12を突設してある。軒天井には軒棟方向に長い野縁13を装着してあり、野縁13の下面側には軒天井板5を装着してある。野縁13や軒天井板5の軒先側の端部は上記鼻隠し10の野縁嵌合部17や軒天井板嵌合部25に嵌合させてある。
【0010】
軒天井板5には一般軒天井板5bと呼び樋用軒天井板5aとがある。一般軒天井板5bの厚さに比べて呼び樋用軒天井板5aの厚さを十分薄くしてあるが、一般軒天井板5bの下面も呼び樋用軒天井板5aの下面も同じ外観にしてある。呼び樋4を配置する部分以外には一般軒天井板5bが貼られるが、隣り合う一般軒天井板5bの端部同士は雌実14と雄実15とを嵌合することで接続されると共に各一般軒天井板5bは野縁13に取り付けられる。呼び樋用軒天井板5aは呼び樋4を配置する部分に取り付けられるもであり、呼び樋用軒天井板5aには縦樋3と通すための挿通孔6が穿孔されている。この呼び樋用天井板5aを取り付けるときは呼び樋用天井板5aの両側縁を一般軒天井板5aの下面に重ねて取り付けられる。図3(a)の例の呼び樋用軒天井板5aでは前端の両側に前スペーサ18を装着してあり、後端の両側に後スペーサ19を装着してある。この呼び樋用軒天井板5aを取り付けるとき、呼び樋用軒天井板5aの前スペーサ18を設けた部分を軒天井板嵌合部25に嵌合し、後スペーサ19の部分で呼び樋用軒天井板5aの下面から図3(a)の矢印の方向にビス等の固着具20を挿通し、固着具20を野縁13に打入して取り付けてある。図3(b)の例の呼び樋用軒天井板5aでは前端の両側に前スペーサ18を装着してあり、後端の両側に下方に突出する取り付け片21を設けてある。この呼び樋用軒天井板5aを取り付けるとき、呼び樋用軒天井板5aの前スペーサ18を設けた部分を軒天井板嵌合部25に嵌合し、取り付け片21から図3(b)の矢印の方向にビス等の固着具20を挿通し、固着具20を壁等に打入して取り付けてある。
【0011】
呼び樋用軒天井板5aの上面側にはこの上面に沿って呼び樋4が配置され、呼び樋4と一体に繋がった縦樋3が挿通孔6に挿通され、縦樋3が壁際に沿って配置され、呼び樋4の前端と集水器2の排水口12とが接続される。呼び樋4の上は必要に応じて不燃材料の被覆材22にて覆われる。このように施工され、軒樋1の雨水が集水器2を介して呼び樋4に導入され、呼び樋4から縦樋3に沿って排水される。上記呼び樋4は軒天井板5の上に位置して軒天井に内装されるために呼び樋4が外観上見えなくて呼び樋4として特別なものを用意する必要がない。また呼び樋用軒天井板5aは固着具20を外すだけで容易に取り外すことができ、呼び樋用軒天井板5aを取り外して呼び樋4のメンテナンスが容易にできる。また図4に示す集水器2のように排水口12に蛇腹部23のような自在曲げ部を設けると、軒樋1から呼び樋4に排水する集水器2の位置と縦樋3の位置がずれても呼び樋4を斜めに振ることにより対応でき、このとき呼び樋4が軒天井板5にて隠れているために問題なく施工できる。
【0012】
次に図5に示す参考例について述べる。本例の場合、呼び樋用軒天井板5aを左右の幅方向に中央で挿通孔6の部分を含めて2分割してあり、各分割天井板5a1,5a2を別々に軒天井に上記と同様に取り付けてある。このようにしてあると、縦樋3を取り外さなくても呼び樋用軒天井板5aの取り外しができ、呼び樋用軒天井板5aの取り外しが容易にできる。
【0013】
次に図6に示す実施の形態の例について述べる。本例の場合、呼び樋用軒天井板5aの上面に挿通孔6の部分が低くなる勾配面7を設けてある。このようにしてあると、呼び樋4から水が漏れても図6(b)の矢印のように挿通孔6に向かって水が流れて挿通孔6から排水される。このようにすると呼び樋3から水が漏れても一般軒天井板5に水が廻る弊害を防止できると共に挿通孔6からの水漏れにて水漏れを警告する役面を果たさせることができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明の請求項1の発明は、叙述の如く軒天井板の上で軒天井内に内装するように呼び樋を配置し、呼び樋の下面側に位置する軒天井板の厚さを他の部分より薄く形成して、呼び樋の下に位置する厚さの薄い呼び樋用軒天井板に縦樋を挿通する挿通孔を設け、呼び樋用軒天井板の上面を挿通孔に向けて高さの低くなる勾配面としているものであって、呼び樋を軒天井板の上に内装するために呼び樋が外観上見えなく、呼び樋は形状が自由で呼び樋として特別なものを用意する必要がないものであり、一般に市販の筒状の樋でも使用できるものであり、また軒樋から呼び樋に排水する集水器の位置と縦樋の位置がずれても呼び樋を斜めに振ることにより対応できるものであり、また呼び樋の下面側に位置する軒天井板の厚さを他の部分より薄く形成することにより、軒樋と呼び樋の段差を小さくできるため、軒樋から呼び樋への排水性能がアップするものであり、また呼び樋から水漏れが発生しても勾配面に沿って水が流れて挿通孔から排出できるものであって、軒天井の他の部分に水が廻るという弊害を防止できると共に、水漏れしていることを警告できるものである。
【0015】
また本発明の請求項2の発明は、呼び樋の下に位置する厚さの薄い呼び樋用軒天井板を着脱自在に取り付けているので、呼び樋用軒天井板を取り外して呼び樋のメンテナンスが容易にできるものである。
【0016】
また本発明の請求項3の発明は、請求項2において、挿通孔の部分で呼び樋用軒天井板を2分割しているので、縦樋を取り外すことなく呼び樋用軒天井板の取り外しができてメンテナンスが容易にできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における基本構成の一例の側面から見た断面図であり、(a)は一般軒天井板の部分で破断した断面図、(b)は呼び樋の部分で破断した断面図である。
【図2】 同上の正面から見た断面図である。
【図3】 (a)(b)は同上の呼び樋用軒天井板の斜視図である。
【図4】 同上の集水器の参考例の斜視図である。
【図5】 (a)(b)は同上の呼び樋用軒天井板の参考例を示す分解斜視図及び組み立て状態の斜視図である。
【図6】 同上の呼び樋用軒天井板の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は動作を説明する平面図である。
Claims (3)
- 軒先の軒樋に配置した集水器と壁際に配置した縦樋とを接続する呼び樋を軒天井に沿って取り付けた呼び樋の取り付け構造において、軒天井板の上で軒天井内に内装するように呼び樋を配置し、呼び樋の下面側に位置する軒天井板の厚さを他の部分より薄く形成して、呼び樋の下に位置する厚さの薄い呼び樋用軒天井板に縦樋を挿通する挿通孔を設け、呼び樋用軒天井板の上面を挿通孔に向けて高さの低くなる勾配面として成ることを特徴とする呼び樋の取り付け構造。
- 呼び樋の下に位置する厚さの薄い呼び樋用軒天井板を着脱自在に取り付けて成ることを特徴とする請求項1記載の呼び樋の取り付け構造。
- 挿通孔の部分で呼び樋用軒天井板を2分割して成ることを特徴とする請求項2記載の呼び樋の取り付け構造。
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JP36492999A Expired - Fee Related JP4269455B2 (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | 呼び樋の取り付け構造 |
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