JP4269282B2 - 歩行型草刈機の刈草排出装置 - Google Patents

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この発明は、刈取デッキの後側に左右一対の車輪と、後方に突出のハンドルを設けた歩行型草刈機の刈草排出装置に関するもので、左右中央部が両側部よりも小径の車輪小径部からの刈草後方排出を円滑に行わせるものである。
刈取デッキの後側に左右一対の車輪を配置し、これら左右の車輪間の車軸受け部を機体のブラケットに軸受けさせる技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開2002−36号公報(第6頁、図10)。
車輪の駆動によって機体を推進しながら、前部の刈取デッキ内で刈取られる草を、車輪中央部の小径部から後方へ排出させる草刈機においては、これら車輪小径部が狭いと刈草の排出性が悪く、機体の揺動やローリング性等が著しく、安定した円滑な草刈作用を維持し難い。一方、車輪の中央部を小径に形成すると、この小径部への草の巻付きが激しく、草刈作業を行っていると、刈草の後方への排出性が悪くなるという問題があった。
本発明は、車輪小径部への刈草の巻付きを防止できるとともに、刈草の後方排出を円滑に行わせることのできる歩行型草刈機の刈草排出装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、ブレード1を軸装2する刈取デッキ3の後側に、中央部が左右両側部よりも小径の車輪4を配置し、該刈取デッキ3の後側に排出される刈草を前記車輪4小径部4aから後方へ排出可能の歩行型草刈機において、車輪4の小径部4a外周面に複数の板状突起5を設け、この中央部には機体8に対して固定のブラケット9を垂設すると共に、該ブラケット9を、側面視車輪4小径部4aの下方域では、前記板状突起5先端回転軌跡Aよりも内側、且つ、後方域では回転軌跡Aよりも外方へ突出する形状に形成してなる歩行型草刈機の刈草排出装置の構成とする。
請求項1に記載の発明は、ブレード1を軸装2する刈取デッキ3の後側に、中央部が左右両側部よりも小径の車輪4を配置し、該刈取デッキ3の後側に排出される刈草を前記車輪4小径部4aから後方へ排出可能の歩行型草刈機において、車輪4の小径部4a外周面に複数の板状突起5を設けてあるので、該小径部4aのみが接地するような山状の畝上や凹凸刈取地面での作業時にも、板状突起5が地面を確実に掻き、安定した機体の推進駆動を行うことができる。
又、車輪4小径部4aの中央部には機体8に対して固定のブラケット9を垂設するとともに、該ブラケット9を、車輪4小径部4aの下方域では、前記板状突起5先端回転軌跡Aよりも内側になり、且つ、後方域では回転軌跡Aよりも外方へ突出する形状に形成してあるので、この小径部4aと刈取地面との間隔を広く形成して刈草の排出を行われ易くするとともに、板状突起5の回動によって巻掛けられる刈草は、該板状突起5回転軌跡Aよりも外方へ突出させたブラケット9によって掻き落とされて、小径部4aへの刈草の巻付きを防止することができる。
図例に基づいて、歩行型草刈機は、左右一対の車輪4と、後方には左右振替可能のハンドルフレーム15を有して、エンジン16の駆動によってこれら車輪4、及び前側の刈取デッキ3内のブレード軸2を伝動して、走行しながら芝草の刈取を行うことのできるハンドル走行操作形態の構成とする。機体8の主体を構成する伝動ケース17の左右両側部には、アクスルハウジング18を設け、この外側端に走行伝動ケース19を設け、下端部に車輪4を軸装する。この伝動ケース17の上側にはハンドルポスト20を立設して、上端部には後方位置から左右略真横位置に旋回して振替可能のハンドルフレーム15を取付ける。又、このハンドルフレーム15はハンドルポスト20のブラケット21に対して横方向のハンドルピン22の周りに上下回動させて、ハンドル高さを調節可能に構成している。このハンドルフレーム15の後端には把持操作用のハンドル23を設ける。このようなハンドルフレーム15の振替操作は、手動操作によって行う形態に構成することができるが、伝動ケース17内の伝動力によって振替えることのできる形態とすることもできる。この場合は、定位置のハンドルフレーム15に対して、機体8側を左右の車輪4の駆動によってハンドルポスト20の周りに旋回させて向きを変更するように構成することができる。
又、伝動ケース17の後端にはエンジン16が連結されて、主クラッチ、及び変速機構等を経て前記アクスルハウジング18内の車輪伝動軸24を伝動すると共に、前端部の刈取軸25を伝動する形態に構成している。伝動ケース17の前側には、刈取デッキ3が設けられる。この刈取デッキ3の下側には左右一対のブレード1軸2が垂直状に設けられて、これらブレード軸2の上端と前記刈取軸25との間にはベルト26が掛けわたされて、伝動回転される。刈取デッキ3の前面には、刈草を誘導する案内口27や、案内杆28等が設けられ、後方には刈取った草を排出する排出口29が形成されて、後方の車輪4間隔部に対向する。30は刈取デッキ3から前方に突出されたホイルアームで、この前端にはゲージホイル31が回転自在に軸装32される。33はブラケット、34は軸穴である。
前記車輪4は車軸35を有して、前記走行伝動ケース19と中央部のブラケット9軸受10との間にわたって回転自在に軸受けされ、走行伝動ケース19内のチェン49、スプロケット48機構や、サイドクラッチ等を介して伝動回転される。車輪4の外側端は車軸35の外側端部に位置して、最大回転径にして形成され、路上走行するときには路面を損傷しないように周面にゴムタイヤ4Gを設ける形態とすることができる。この車輪4の内側には、この車輪4の径よりも小径とする車輪4が一体構成される。この車輪4の周面は途中に段付部36を形成して、この段付部36から外側部6Aは大回転径に形成し、これに対して内側部6Bは小回転径に形成している。
前記ブラケット9は、ディスク形態で、左右車輪4小径部4a間の中央部に位置して、上方の機体8に一体のアクスルハウジング18乃至伝動ケース17部に一体構成している。このアクスルハウジング18に突出する取付ブラケット38にブラケット9の上端部を重合させてボルト39締めで取付けられる。このブラケット9の下部には軸受10を有して、前記左右の車軸35の内端部をこの軸受10に回転自在に軸受けする。又、このブラケット9の左右両側面には車輪4小径部4aの内端縁部7を接近させる。このブラケット9の左右両側面には、この小径部4aの内端縁部7に重合するカバー11を設けて、刈草等の巻込み侵入を阻止する。このカバー11の外周面には外側端部を小径とする段付部40を形成し、この段付部40よりも外側端部の小径部41の外周に、前記小径部4aの内側部6Bを回転自在に嵌合させている。ブラケット9の下端周縁部42は、該小径部4aの内側部6Bの回転周面よりも外周部に突出されて、刈草の巻付難い形態に形成される。とくに小径部4aの後側部においては、この小径部4a外周面に突出の板状突起5の回転軌跡Aよりも外方に突出する解放縁43が形成されて、小径部4aの回転によって付き回りされる刈草を後側へ解放落下させる形態にしている。尚、本実施例の車輪4は、段付部36の外側部6Aにも板状突起5を設けてある。
前記ハンドル23部には、主クラッチを入り切りする主クラッチレバー45や、左右の車輪4等の伝動クラッチを入り切りするサイドクラッチレバー46等を配置している。
刈取作業は、ハンドルフレーム15後端のハンドル23を把持して、機体8を前進Fさせるか、ハンドルフレーム15に対して機体8を左側Lに向けた状態で、この左側Lへ進行させるか、又は、ハンドルフレーム15に対して機体8を右側Rに向けた状態で、この右側Rへ進行させることによって刈取走行する。主クラッチレバー45で主クラッチを入りにすると、左右の車輪4が駆動されて、機体8を前方F、左方L、又は右方R等に進行させながら、刈取デッキ3内のブレード1が回転されて、草の刈取が行われる。この刈取られた草は刈取デッキ3後部の排出口29から後方へ排出されて、後側の車輪4の回転によって、下面の刈取地面と車輪4小径部4aとの間隔を後方へ排出される。この排出される刈草は、刈取地面との間隔を広く形成する小径部4aへの案内移行が行われ易く、外側部6Aの刈草は内側部6B寄りに移行され易い状態にある。このため、後方へ排出案内される刈草はこの内側部6Bの後側に沿って排出刈草条を形成される。そして、刈草の排出作用が円滑に行われ、車輪4による踏付を少なくして、安定した走行を行わせることができる。
このような刈草の車輪4小径部4aによる排出作用においては、小径部4aの内側部6Bへの移行によって、この内端縁部7に対する刈草の巻付き圧力が大きくなるが、この内端縁部7と中央部のブラケット9部との間にはカバー11が形成されるため、これらカバー11及びブラケット9等に対する巻付は少なく、内部の車軸35の軸受10部に対する侵入巻付を防止する。又、これら左右の車輪4は、中央部の小径部4a側がブラケット9によって軸受け10されるため、刈草排出時に大きい負荷、抵抗を受けても歪むことが少なく、安定した排出、走行姿勢を維持する。
前記車輪4は、外周にゴム製タイヤ4Gを設ける形態としたが、これに代えてディスク形態とすることもできる。この車輪4の外周にはスターホイル形態の歯形縁を形成して、刈取面に対する摩擦駆動性を高める形態とすることができる。
又、前記左右の車輪4は、左右各別に回転可能の構成であるが、この車軸35は、図5のように左右の車輪4にわたって単一軸として、左右両側の走行伝動ケース19間にわたって固定支持し、この車軸35の周りには、スプロケット48、車輪4、及び小径部4aの左右各ボス軸47を回転自在に軸受けして、走行伝動ケース19内のチェン49によって駆動回転する形態とすることもできる。この形態では、ブラケット9の軸受10で車軸35の中央部を支持する。
図6に示すように、前記刈取デッキ3の左右両側部に設けられるサイドカバー13は、前後一対のロッド51を有して、刈取デッキ3の側端部に固定のソケット52に嵌合させて、上下摺動自在に設ける。このソケット52内にはスプリング53を設けて、ロッド51を下方へ弾発させている。サイドカバー13の下端には柔かい合成樹脂板、又はゴム板等からなる弾性体12を取付けて、サイドカバー13と刈取面との間隔部を閉鎖する構成としている。前記刈取デッキ3の前方部を支持するゲージホイル31のホイル軸32は、ホイルアーム30のブラケット33の軸穴34に差替えて、刈取高さを調節することができる。この調節に伴ってサイドカバー13及び弾性体12が上下動して、弾性体12の下縁が常時刈取面に摺接できる状態にある。
このようなサイドカバー13は、刈取高さの調節はもとより、刈取面や刈取地面凹凸変化等に応じて、下端縁の弾性体12が常にこの刈取面に摺動状態にあるため、ブレード1によって刈取られて放射方向へ飛散される刈草は、これら横側のサイドカバー13乃至弾性体12に案内されて、後側の左右両車輪4間の間隔部から排出するものである。このときサイドカバー13の上下動と、この下端縁に沿う弾性体12の弾性作用によって、刈取面との間の間隙乃至間隔部は生じ難く、刈草の側方への飛出を防止することができ、特に前記左側L、又は右側Rの刈取形態では、これらの方向にハンドル23及び作業者が位置しているが、刈草の飛散を防止して安全な作業を行うことができる。又、このサイドカバー13の刈取面に対する摺動縁は弾性体12によるため、刈取面等との摺動抵抗を受けることによって歪み易く、摺動抵抗、乃至機体8の推進抵抗を小さくする。この弾性体12は、前記のような板状体に限らず、中空状のインシュレータ形態とすることもできる。
又、サイドカバー13は、図7、図8のように、後端部のボス部55を機体8側のヒンジ56に嵌合支持させて、前端側を上下動自在に構成する形態としたものである。前端部は、刈取デッキ3の前側に取付けられる集草杆57の左右両側端に下向きの案内部58を形成し、この案内部58にサイドカバー13前端の案内片59の案内穴を嵌合させて、一定高さにわたって上下動自在に設け、このサイドカバー13の自重によって常時下動させて、下端縁の弾性体12を刈取面に摺動させる。刈取作業時は、刈取デッキ3の左右両側端下縁と刈取面との上下間隔部が変化すると、これに伴ってサイドカバー13が機体8に対してヒンジ56の周りに上下回動して、この弾性体12が常に刈取面に接近摺動して、刈草の横側への飛出を防止する。このようなサイドカバー13の上下動は、後端部のヒンジ56の周りに上下回動することによって行われるため、構成が簡単であり、上下動も円滑に行われる。
このようなサイドカバー13の上下回動は、前端側をヒンジとして行わせる形態とすることもできる。即ち、前記ヒンジ56とボス部55をサイドカバー13の前端部に設け、案内部58と案内片59を後端部に設ける形態とする。
車輪部の要部平断面図。 車輪部の側面図。 草刈機全体の平面図。 その一部断側面図。 車輪部の別実施例を示す平断面図。 刈取デッキ部の実施例を示す要部側面図及び一部正面図。 刈取デッキ部の別実施例を示す全体平面図。 その側面図。
符号の説明
1 ブレード
2 ブレード軸
3 刈取デッキ
4 車輪
4a 小径部
5 板状突起
7 内端縁部
8 機体
9 ブラケット

Claims (1)

  1. ブレード(1)を軸装(2)する刈取デッキ(3)の後側に、中央部が左右両側部よりも小径の車輪(4)を配置し、該刈取デッキ(3)の後側に排出される刈草を前記車輪(4)小径部(4a)から後方へ排出可能の歩行型草刈機において、車輪(4)の小径部(4a)外周面に複数の板状突起(5)を設け、この中央部には機体(8)に対して固定のブラケット(9)を垂設すると共に、該ブラケット(9)を、側面視車輪(4)小径部(4a)の下方域では、前記板状突起(5)先端回転軌跡(A)よりも内側、且つ、後方域では回転軌跡(A)よりも外方へ突出する形状に形成してなる歩行型草刈機の刈草排出装置。
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