JP4269041B2 - 新規な環状テトラペプチド誘導体とその医薬用途 - Google Patents

新規な環状テトラペプチド誘導体とその医薬用途 Download PDF

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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩と該化合物のヒストンデアセチラーゼ阻害剤並びにMHC class−I分子発現促進剤としての応用、並びに、前記するヒストンデアセチラーゼ阻害作用あるいはMHC class−I分子発現促進作用を利用した、抗癌剤等の医薬用途を有する当該環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自己の組織細胞は免疫細胞による誤った傷害を防ぐため、本来外部から侵襲した異物、病原体等と区別するための抗原提示分子としてMHC class−I分子をその細胞表面に発現している。免疫系は、 MHC class−I分子を識別することで、自己の組織細胞であるとして、その攻撃対象から除いている。他方、本来自己細胞ではあるが、癌化した細胞、あるいは癌化ウイルスに感染した細胞では、正常な自己細胞と異なり、癌化に伴う蛋白質、あるいは癌化ウイルス由来蛋白質が生産され、これら非自己蛋白質に由来する抗原がMHC class−I分子により提示される。免疫細胞、特には、細胞傷害性T細胞は、この非自己蛋白質に由来する抗原を認識することで、癌細胞、あるいは癌化ウイルス感染細胞を排除することができる。
【0003】
しかしながら、ある種の癌細胞あるいは癌化ウイルス感染細胞においては、このMHC class−I分子の発現が低下しており、前記の免疫系による排除機構を回避し、癌化組織の伸長・拡大、癌化ウイルス感染の長期持続化、拡大が引き起こされることが報告されている。これら癌細胞あるいは癌化ウイルス感染細胞の造腫瘍性抑制を目的とした研究において、低下したMHC class−I分子の発現を回復させることで治療効果が達成されることを示唆する結果が報告されており、例えば、アデノウイルス12型で形質転換した癌細胞や自然発症メラノーマにおいて、低下しているMHC class-I分子の発現をMHC class-I遺伝子の導入により高めてやることで、これら癌細胞の造腫瘍性が消失することを田中らが報告している(Tanaka, K., Isselbacher, K.J., Khoury, G., and Jay, G. Science 228, 26-30, 1985; Tanaka, K., Gorelik, E., Watanabe, M., Hozumi, N., and Jay, G. Mol. Cell. Biol. 8, 1857-1861, 1988等を参照)。
【0004】
ところで、 MHC class−I分子の発現は、その自己組織細胞の細胞増殖後、分化過程の一環として起こるものであり、この過程での内因性蛋白質の翻訳を促進することで、 MHC class−I分子の発現も促進されることが期待される。内因性蛋白質の翻訳を調整している機構は幾つかあるが、遺伝子発現に重要な役割を果たしていると考えられるものの一つに、核遺伝子クロマチン中にその構造蛋白質として含まれるヒストン蛋白のアセチル化がある。具体的には、クロマチンは、4種類のコアヒストン8量体に遺伝子DNAが巻き付き、所謂ヌクレオソーム構造と称される基本単位をなし、更にこれが高次構造を形成しているが、そのコアヒストンのN末端付近は塩基性アミノ酸に富んだテール状をとり、前記ヌクレオソーム上のDNAをさらに被う構造をとる。このテール域付近のリジン残基は、可逆的なアセチル化の代謝回転を被っており、ヌクレオソーム自体の構造制御、あるいは、遺伝子DNAに作用する他の蛋白質(転写因子群、サイレンサー蛋白質群、RNAポリメラーゼなど)との結合制御を介する転写制御に密接に係わっているとされている。
【0005】
ヒストンのアセチル化に依存する遺伝子発現制御の査証として、ヒストンの高アセチル化は、その領域に存在する遺伝子からの発現誘導を促進し、一方脱アセチル化は、ヘテロクロマチンと称される転写不活性な領域を形成することが報告されている。即ち、クロマチンの構造蛋白質であるヒストンとそのアセチル化は、染色体遺伝子の全域に及ぶものであるにも係わらず、その機能は特定の遺伝子の発現に大きな影響を及ぼし、いわば核内情報伝達にかかわる厳密な制御に関与することが示唆されている。ヒストンのアセチル化を行う酵素は、ヒストンアセチルトランスフェラーゼであり、逆に脱アセチル化を行う酵素は、ヒストンデアセチラーゼであり、この両酵素はヒストンアセチル化レベルの動的な代謝回転を調整している。
【0006】
ヒストンデアセチラーゼの作用が亢進すると、細胞の適正な分化や形態正常化が阻害されるが、このヒストンデアセチラーゼの酵素活性を阻害すると、ヒストンからの脱アセチル化が抑制される結果、ヒストン高アセチル化が引き起こされ、分化や形態正常化に必要な遺伝子発現が誘導される。この現象は、ヒストンデアセチラーゼに対する酵素阻害物質である、図1に示すトリコスタチンA(trichostatin A)や図2に示すトラポキシン(trapoxin)類縁体を用いた研究によりある程度確認されている。加えて、これら阻害物質を更に高い濃度で細胞に作用させると、細胞周期の阻害が引き起こされ、結果として増殖阻害が起こる。なお、トリコスタチンAは、低濃度で非拮抗的な酵素阻害作用を示し、また、可逆的な阻害剤であるが、トラポキシン類縁体は、競争的な阻害作用を示すが、不可逆的な阻害剤である。また、ヒト細胞由来のヒストンデアセチラーゼの酵素活性サブユニットは、トラポキシンと類似する環状テトラペプチド化合物のK-trapを用いたアフィニティーカラムで精製されたとの報告がなされており、トラポキシン等に見られる環状テトラペプチド構造が当該酵素活性サブユニットと選択的な分子間結合を形成することの有力な査証が与えらている。
【0007】
上述するとおり、ヒストンデアセチラーゼに対する酵素阻害物質は、細胞分化又は形状正常化を起こす薬剤となるので、分化過程の一環としておこるMHC class−I分子発現に対しても促進作用を示す可能性があるものの、これまでのところ、それを確認させる報告はされていない。従って、自己組織細胞でのMHC class−I分子発現に対する促進作用を示すヒストンデアセチラーゼ酵素阻害物質の探索・提案が待望されている。また、上の述べた通り、ヒストンデアセチラーゼ酵素阻害物質は高濃度において、細胞周期の阻害を引き起こし、結果として増殖阻害が起こる作用を示すので、MHC class−I分子発現促進に伴う、造腫瘍性の抑制、並びに、免疫系による癌細胞の排除、加えて、細胞増殖の阻害作用も寄与した複合的な抗癌作用を示す、新規なMHC class−I分子発現促進に由来する抗癌剤の提案も待たれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、自己組織細胞でのMHC class−I分子発現に対する促進作用を示す新規なヒストンデアセチラーゼ酵素阻害物質を提供することを目的とする。
また、本発明は、該ヒストンデアセチラーゼ酵素阻害物質を有効成分として含有する医薬組成物を提供することも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)、(I')、(I'')又は(I''')で示される環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0010】
【化5】
Figure 0004269041
【0011】
【化6】
Figure 0004269041
【0012】
【化7】
Figure 0004269041
【0013】
【化8】
Figure 0004269041
【0014】
(式中、R11、R12、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素、非芳香族環状アルキル基若しくは置換基を有することもある芳香環が結合してもよい炭素数1〜6の直鎖アルキル基、又は非芳香族環状アルキル基若しくは置換基を有することもある芳香環が結合してもよい炭素数3〜6の分岐のアルキル基を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、鎖上に炭素数1〜6の分岐鎖を有してもよい鎖長炭素数1〜5の直鎖アルキレン基を表し、また前記直鎖アルキレン基上の分岐鎖は該アルキレン鎖上に縮合環構造を形成してもよい。但し、一般式(I''')においては、R11、R12、R21及びR22の少なくとも1つはシクロヘキシルメチル基である。)
また、本発明は、前記の環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するヒストンデアセチラーゼ阻害剤およびMHC class−I分子発現促進剤を提供する。
さらに、本発明は、前記の環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、抗癌剤として使用されるとよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の環状テトラペプチド誘導体、その製造方法に関して、以下により詳しく説明する。加えて、該環状テトラペプチド誘導体の示す薬理活性につき概説する。
本発明の環状テトラペプチド誘導体は、上述する通り、一般式(I)〜(I''')の化学式で示される4種の互いに相関した構造の何れかにより示される。一般式(I)〜(I''')の化学式において、R11、R12、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素、非芳香族環状アルキル基若しくは置換基を有することもある芳香環が結合してもよい炭素数1〜6の直鎖アルキル基、又は非芳香族環状アルキル基若しくは置換基を有することもある芳香環が結合してもよい炭素数3〜6の分岐のアルキル基を表す。ここで、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、1-エチル-1-メチル-プロピル基、
1,1-ジメチルプロピル基等を挙げることができる。非芳香族環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。置換基を有することもある芳香環が結合する炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基としては、ベンジル基、4-メトキシベンジル基、3-インドリルメチル基、(N-メトキシ-3-インドリル)メチル基、4-ニトロベンジル基等を挙げることができる。
【0016】
一般式(I)〜(I''')の化学式において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、鎖上に炭素数1〜6の分岐鎖を有してもよい鎖長炭素数1〜5の直鎖アルキレン基を表す。ここで、炭素数1〜6の分岐鎖としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基を挙げることができる。前記分岐鎖は前記アルキレン鎖上に縮合環構造を形成してもよい。このような縮合環構造を形成するアルキレン鎖としては、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、2,3-ピリジレン基、4,5-ピリジニレン基、3,4-イソキサゾニレン、2,4-ピリジニレン、3,4-ピリジニレン、2,3-ピラジニレン、4,5-ピリミジニレン、3,4-ピリダジニレン、4,5-ピリダジニレン等を挙げることができる。
【0017】
先ず、一般式(I)〜(I''')の化学式で示される4種の分子構造が、以下に述べる通り、構造上、互いに密な相関関係を有し、その意味において、高い構造上の類似性を有する化合物群であることを説明する。
本発明の一般式(I)で示される環状テトラペプチド誘導体は、一旦それを構成する4つのアミノ酸を連結して、対応する鎖状テトラペプチド誘導体を調製し、次いで、この鎖状テトラペプチド誘導体を環化して得られるものである。即ち、次の一般式(II):
【0018】
【化9】
Figure 0004269041
【0019】
(II)
(式中、R1は、一般式(I)のR1と同じ基を表す)で示されるα−アミノ酸、一般式(III):
【0020】
【化10】
Figure 0004269041
【0021】
(式中、R21、R22は、それぞれ一般式(I)のR21、R22と同じ基を表す)で示されるα−アミノ酸、一般式(IV):
【0022】
【化11】
Figure 0004269041
【0023】
(式中、R3は、一般式(I)のR3と同じ基を表す)で示される環状のα−アミノ酸、一般式(V):
【0024】
【化12】
Figure 0004269041
【0025】
(V)
で示されるα−アミノ酸、これら一般式(II)〜(V)で示される4種のα−アミノ酸をペプチド結合により環状テトラペプチド骨格を形成したのち、前記一般式(V)の側鎖カルボキシル基をヒドロキサム酸に誘導したものである。
【0026】
本発明の一般式(I')で示される環状テトラペプチド誘導体は、前記の一般式(I)で示される環状テトラペプチド誘導体に対して、α炭素を含む環状側鎖を有するα-アミノ酸の位置を変更したものである。即ち、一般式(I)で表される環状テトラペプチド誘導体においては、一般式(II)のアミノ酸の位置がα炭素を含む環状側鎖を有するアミノ酸であるが、一般式(II')で示される環状テトラペプチド誘導体は、一般式(I)で一般式(III)に相当する位置がα炭素を含む環状側鎖を有するα-アミノ酸となっている。
【0027】
また一般式(I'')で示される環状テトラペプチド誘導体は一般式(I)での一般式(II)及び(III)に相当する位置がいずれもα炭素を含む環状側鎖を有するα-アミノ酸となったものである。
更に、一般式(I''')で示される誘導体は一般式(I)での一般式(II)及び(III)に相当する位置がいずれもα炭素を含む環状側鎖を有するアミノ酸ではない。
【0028】
本発明の一般式(I)で示される環状ペプチドにおいて、それを構成するα−アミノ酸の立体配置は、L−体、D−体の何れをも取り得るが、構造的な安定性の観点から、少なくとも一つのアミノ酸残基は、他のアミノ酸残基と異なる立体配置をとることが好ましい。具体的には、これら4種のα−アミノ酸の立体配置を、少なくとも1つ又は2つをD−体にとり、残りをL−体とすると良い。α炭素を含む環状構造を有するα-アミノ酸が分岐を有しない場合は光学的に不活性であるが、その場合は一般式(III)または(IV)のアミノ酸のいずれかがD-体であることが望ましい。
【0029】
より好ましくは、前記4種のアミノ酸のうち、(IV)で示されるものを、D−体に選択し、残る3種をL−体に選択する、あるいは、一般式(II)及び(IV)で示されるものを、D−体に選択し、残る2種をL−体に選択するとよい。なお、この環状ペプチドにおいて、本来の基質であるN−アセチル化リジンの側鎖に替わり、ヒストンデアセチラーゼの酵素活性点に対して近接する部位は、一般式(V)のアミノ酸の側鎖カルボキシル基から誘導されるヒドロキサム酸であるので、この一般式(V)のアミノ酸は、天然のリジンと同じく、L−体を選択するのが一層好ましい。
【0030】
環状テトラペプチドの残る部分は、前記の一般式(V)のアミノ酸に由来する側鎖ヒドロキサム酸構造をヒストンデアセチラーゼの酵素活性点に向け、保持する役割を持ち、この働きは、既知の不可逆的な阻害剤であるトラポキシン類縁体の環状ペプチド部の機能と実質的に同じものである。即ち、この環状テトラペプチドの残る部分によりて、ヒストンデアセチラーゼの酵素活性点近傍に分子間結合し、前記の一般式(V)のアミノ酸に由来する側鎖ヒドロキサム酸構造を酵素活性点上に固定する役割を持つ。
【0031】
従って、残る3種のα−アミノ酸は、その側鎖を利用してヒストンデアセチラーゼ蛋白質表面に結合できるものであれば、如何なるものでもよいが、一般式(IV)の環状アミノ酸は、前記の一般式(V)のアミノ酸に由来する側鎖ヒドロキサム酸構造の向く方向を固定する際、主に機能する。一般式(IV)の環状アミノ酸の環構造は、図2に示すトラポキシンBにおける天然のD−プロリンと同じ5員環、あるいは、図2に示すトラポキシンAにおける天然のD−ピペリジン−2−カルボン酸と同じ6員環の何れかが好ましい。従って、この環を構成する二価の基R3は、プロリンにおけるトリメチレン基、ピペリジン−2−カルボン酸におけるテトラメチレン基、あるいは、これら鎖長3又は4の直鎖炭化水素基に対応し、炭素−炭素二重結合を有する不飽和な直鎖炭化水素基が好ましい。あるいは、これら二価の炭化水素基において、アミノ窒素原子並びにカルボン酸のα位の炭素原子と結合を形成している、当該二価の基における遊離原子価の存在する炭素原子以外の炭素原子を、酸素、イオウ、又は窒素の何れかのヘテロ原子で置き換えたものでもよい。なかでも、 R3には、トリメチレン基、テトラメチレン基がより好ましい。
【0032】
残る二つのα−アミノ酸は、天然に見出されるα−アミノ酸と同じ程度の嵩を有する側鎖を持つものが一般には、好ましい。即ち、図2に示すトラポキシン類縁体におけるチロシンのp−ヒドロキシベンジル基、フェニルアラニンのベンジル基、あるいはトリプトファンの3−インドリルメチル基程度の嵩を上限とするものである。特に好ましくは、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、シクロヘキシルアラニン、及び種々の環サイズを有する環状アミノカルボン酸が挙げられる。
【0033】
本発明の一般式(I')の環状テトラペプチド誘導体は、一般式(I)の環状テトラペプチド誘導体におけるα炭素を含む環状構造を有するα-アミノ酸の位置を変更したものであり、一般式(I)の環状テトラペプチド誘導体において、好ましい一般式(II)〜(V)のアミノ酸の選択は、一般式(I')の環状テトラペプチド誘導体においても、同様に好ましいものである。また、一般式(II)〜(V)のアミノ酸の立体配置に関しても、一般式(IV)の環状α−アミノ酸並びに一般式(II)のα−アミノ酸をD−体に選択し、残りの2種のα−アミノ酸をL−体とする、あるいは、その鏡像体となるように選択するとより好ましい。
【0034】
また、本発明の一般式(I'')の環状テトラペプチド誘導体は、一般式(I)の環状テトラペプチド誘導体における一般式(III)に示すα−アミノ酸もα炭素を含む環状構造を有するαアミノ酸に変更したものである。従って、一般式(II)〜(IV)のアミノ酸の選択は、一般式(I)の環状テトラペプチド誘導体において好ましい一般式(II)のアミノ酸の選択は、一般式(I'')の環状テトラペプチド誘導体においても、同様に好ましいものである。
【0035】
また、本発明の一般式(I''')の環状テトラペプチド誘導体は、一般式(I)の環状テトラペプチド誘導体における一般式(II)に示すα−アミノ酸をα炭素を含む環状構造を有さないアミノ酸に置き換えたものに相当する。従って、一般式(I)の環状テトラペプチド誘導体において、好ましい一般式(III)のアミノ酸の選択は、一般式(I'')の環状テトラペプチド誘導体においても、同様に好ましいものである。
本発明の一般式(I)の環状テトラペプチド誘導体は、上述するとおり、一般式(II)〜(V)に示す4種のα−アミノ酸を出発原料として、ペプチド鎖の形成・環化の工程により製造することができる。その工程の一例に関して、以下に概説する。
【0036】
(製造方法)
本発明の環状テトラペプチド誘導体は、一旦一般式(II)〜(V)に示す4種のα−アミノ酸がペプチド結合した鎖状のテトラペプチド中間体を調製し、しかる後に環状テトラペプチドとし、最終的に一般式(V)に示すα−アミノ酸の側鎖カルボキシル基をヒドロキサム酸構造に誘導することで製造することができる。以下のこの製造工程を概説する。なお、鎖状のテトラペプチド中間体は、目的とする環状テトラペプチド誘導体の何れのペプチド結合で開裂した構造を用いることができるが、以下の説明では、一般式(IV)で表される環状α−アミノ酸をC末に、一般式(V)で表されるα−アミノ酸をN末とする鎖状のテトラペプチド中間体を経る合成経路を例にとり説明する。
【0037】
(工程1)鎖状のジ、トリ、及びテトラペプチドの合成
まず、汎用のペプチド合成法に従い、一般式(III)及び一般式(IV)のアミノ酸を結合し、更に一般式(II)のアミノ酸を結合し、最後に、側鎖カルボキシル基をベンジルエステル化して保護した一般式(V)のアミノ酸を結合して鎖状テトラペプチドを形成する。
【0038】
なお、この過程において、原料アミノ酸のアミノ保護基にはBoc-基(tert-ブトキシカルボニル基)またはZ-基(ベンジルオキシカルボニル基)、またカルボキシル基保護のためにはtert-ブチルエステルを用い、DCC/HOBt法により縮合する。また、Z-基は酢酸中Pd-C触媒によって接触還元的に除去し、酢酸を留去した後、フリーアミンとして重曹水を用いて酢酸エチル中に抽出する。抽出液から回収した生成物の油状物を真空乾燥後の次の縮合に用いる。
上記全保護鎖状テトラペプチドはシリカゲルカラムを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0039】
(工程2)高々度希釈法による環状ペプチドの合成
トリフルオロ酢酸を用いて、上記全保護鎖状テトラペプチドのBoc-基及びtert-ブチルエステルの除去(脱保護)を行う。生成物は、反応液からトリフルオロ酢酸を留去後、エーテル及び石油エーテルで固化し、真空乾燥する。
一般式(VIII)で示されるペプチド使用予定量の1/10量をDMFに溶解し0.1mMの濃度になるように設定する。DMF溶液に氷冷下、第三級アミン、例えば、ジイソプロピルエチルアミン及びHATU(O−(7−Azabenzotriazol−1−yl)−1,1,3,3−tetramethyluronium hexafluorophosphate)を加え、室温で30分間撹拌する。引き続き、前記のDMF溶液に、一般式(VIII)で示されるペプチド使用予定量の1/10量とジイソプロピルエチルアミン及びHATUを追加し、室温で30分間撹拌する。前記の操作を計10回繰り返し環化反応を行う。反応終了後、反応生成物(環状ペプチド)を酢酸エチル中に抽出し、シリカゲルカラムを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0040】
(工程3)側鎖ヒドロキサム酸構造の導入
上記環状ペプチドの側鎖ベンジルエステルは、メタノール中Pd-C触媒によって接触還元的に除去し、メタノールを留去した後、真空乾燥し、カルボン酸として油状物を得る。
【0041】
前記の脱保護により得られた側鎖カルボン酸の環状ペプチド化合物及びHOBtをDMFに溶解し、氷冷下ヒドロキシルアミン塩酸塩、トリエチルアミン、次いでBOP試薬を添加し1時間撹拌した。反応終了後、DMFを留去し、水でデカンテーションを行った後、凍結乾燥により、最終生成物の白色粉末を得る。この白色粉末を少量のメタノールに溶解し、HPLCでセミ分取用カラムを用いて精製し、凍結乾燥により一般式(I)で示される目的物を得る。
【0042】
本発明の一般式(I')、(I'')、(I''')で示される環状テトラペプチド誘導体に関しても、上述する工程1に準じて、鎖状のテトラペプチドの合成を行い、次いで、工程2の条件を利用して環状テトラペプチドとし、さらに側鎖カルボキシル基を工程3に準じて、側鎖ヒドロキサム酸構造に変換することで調製することができる。
【0043】
上記の合成法に加え、上記化合物は、実施例において、具体的に示す固相合成法を利用した方法により合成を行うことができる。
本発明の環状テトラペプチド誘導体の薬学的に許容される塩とは、例えば、塩基性を示す窒素原子を含む誘導体では、塩酸塩などの薬学的に許容される無機酸との塩、酢酸塩などの薬学的に許容される有機酸との塩を意味する。
【0044】
本発明のMHC class−I分子発現促進剤は、上で説明した側鎖末端にヒドロキサム酸構造(ヒドロキシアミノカルボニル構造)を持つ環状テトラペプチド誘導体を有効成分とするものであり、試験例に示すとおり、優れた発現促進活性を有する。そのMHC class−I分子発現促進作用は、ヒストンデアセチラーゼ酵素阻害活性に付随するものであるが、ヒドロキサム酸構造を持つトリコスタチンAと同じく、この阻害は可逆的なものである考えられる。また、高い濃度投与で顕著となるヒストンデアセチラーゼ酵素阻害自体に起因する細胞増殖阻害、細胞周期の阻害作用のみならず、促進されたMHC class−I分子発現に起因する、細胞傷害性T細胞の関与する癌細胞や癌化ウイルス感染細胞の排除作用の相補的な効果で、高い治療効果を発揮する利点を持つ。加えて、不可逆的な阻害剤であるトラポキシン類縁体と比較するとき、正常組織細胞に対する副作用等、生体に対する好ましからざる影響の残留が少なく、治療効果と対比するとき、相対的な副作用が大幅に低減された薬剤としての応用が期待される。更に、本発明において提示した芳香環を含まないα-アミノ酸を組み合わせてヒドロキサム酸側鎖を有する環状テトラペプチドを構成することにより、チトクロームP-450等の代謝酵素によるアタックを受けにくい、生体内での安定性に優れた化合物となることが期待される。
【0045】
本発明の医薬組成物は、前記のMHC class−I分子発現促進作用を利用して治療効果を達成するものであるが、有効成分となる環状テトラペプチド誘導体の用量は、その治療目的、症状の程度、投与対象者の性別、年齢、体重等に応じて適宜決定されるものである。投与対象者が成人男子である場合、1日当たりの用量を0.1〜50mg/kgの範囲、好ましくは、0.5〜10mg/kgの範囲内に選ぶのが一般的であり、数回に分けて投与すると好ましい。この医薬組成物は、有効成分となる環状テトラペプチド誘導体にこの種のペプチド様化合物製剤に汎用される添加剤を加えて、投与経路に適する剤形とすることができる。細胞透過性に富むものであるので、多種の投与経路が利用することが可能であるが、ペプチドホルモンなどの投与に多様される投与形態、投与経路を取るのが好ましい。
【0046】
【実施例】
本発明の環状テトラペプチド誘導体とその製造方法、並びに、該環状テトラペプチド誘導体の有する優れた生理活性、即ち、 MHC class−I分子発現促進作用及びヒストンデアセチラーゼ酵素阻害活性に優れることを具体例により説明する。
なお、非天然型のアミノ酸残基の略号は、次のアミノ酸の残基を意味する。
【0047】
Aib:2-アミノイソ酪酸、Asu(NHOH):2-アミノ-8-ヒドロキサミドオクタン二酸、Acc5:1-アミノシクロペンタン-1-カルボン酸、Acc6: 1-アミノシクロヘキサン-1-カルボン酸、Acc7: 1-アミノシクロヘプタン-1-カルボン酸、Acc8: 1-アミノシクロオクタン-1-カルボン酸、1Ain:1-アミノインダン-1-カルボン酸、2Ain: 2-アミノインダン-2-カルボン酸、Pip:ピペコリン酸、Cha:アミノシクロヘキシルアラニン
【0048】
(参考例1) CHAP-15; cyclo ( -L-Asu(NHOH)-Aib-L-Phe-D-Pro- )の合成
工程1 Z-L-Phe-D-Pro-OtBu
Z-L-Phe-OH ( 2.25 g, 7.5 mmol ), H-D-Pro-OtBu ( 0.862 g, 5.0 mmol ) をDMF ( 10 mL ) に溶解し、氷冷下HOBt H2O ( 766 mg, 5.0 mmol ), BOP ( 3.3 g,7.5 mmol ), トリエチルアミン ( 1.75 mL, 12.5 mmol )を加え、2時間撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルに溶解し、10%クエン酸、4%NaHCO3および飽和食塩水で順次洗浄した。無水MgSO4 で乾燥後、濃縮、油状物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー ( CHCl3 / MeOH=99 / 1)で精製し、標記化合物1.403 g ( 62% )を油状物質として得た。
Rf= 0.83 ( CHCl3 / MeOH= 9 / 1)
【0049】
工程2 H-L-Phe-D-Pro-OtBu
Z-L-Phe-D-Pro-OtBu (1.403 g, 3.1 mmol )をPd-Cを用いて酢酸中、接触還元によりZ基を除去した。10時間反応を行い、Pd-Cを濾過し酢酸を濃縮後、4%NaHCO3で中和し酢酸エチルに抽出した。抽出液をNa2CO3で乾燥後、濃縮、標記化合物0.853 g, ( 86% )を得た。
Rf= 0.50 ( CHCl3 / MeOH= 9 / 1)
【0050】
工程3 Z-Aib-L-Phe-D-Pro-OtBu
H-L-Phe-D-Pro-OtBu ( 0.853 g、2.68 mmol )とZ-Aib-OH ( 954 mg、4.02 mmol )を上記工程1の方法に準じ縮合した。油状物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー ( CHCl3 / MeOH= 99 / 1)で精製し、標記化合物1.23 g ( 85% )を得た。
Rf= 0.75 ( CHCl3 / MeOH= 9 / 1)
【0051】
工程4 H-Aib-L-Phe-D-Pro-OtBu
Z-Aib-L-Phe-D-Pro-OtBu ( 1.23 g, 2.28 mmol )をPd-Cを用いて酢酸中、接触還元によりZ基を除去した。10時間反応を行い、Pd-Cを濾過し酢酸を濃縮後、4%NaHCO3で中和し酢酸エチルに抽出した。抽出液をNa2CO3で乾燥後、濃縮、標記化合物0.726 g、1.80 mmol ( 79% )を得た。
Rf= 0.50 ( CHCl3 / MeOH= 9 / 1)
【0052】
工程5 Boc-L-Asu(OBzl)-Aib-L-Phe-D-Pro-OtBu
H-Aib-L-Phe-D-Pro-OtBu ( 0.726 g, 1.80 mmol )とBoc-L-Asu(OBzl)-OH (1.02 g, 2.70 mmol ) を上記工程1の方法により縮合した。油状物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー ( CHCl3 / MeOH= 49 / 1)で精製し、標記化合物993 mg (72%)を得た。
Rf= 0.71 ( CHCl3 / MeOH= 9 / 1 )
【0053】
工程6 H-L-Asu(OBzl)-Aib-L-Phe-D-Pro-OH.TFA
Boc-L-Asu(OBzl)-Aib-L-Phe-D-Pro-OtBu ( 993 mg、1.30 mmol ) にトリフルオロ酢酸 (3 mL) を氷冷下で加え、Boc基および第三ブチルエステルの除去を2時間室温で行った。トリフルオロ酢酸留去後、エーテルおよび石油エーテル (1:5)で固化し、真空乾燥した。標記化合物737mg, (78%) を得た。
HPLC: Rt=8.66 min (column: Wako pak C4, 4.6x150 mm, 30-100% linear gradientCH3CN / 0.1% TFA over 30min, flow rate 1.0 mL / min )
【0054】
工程7 cyclo (-L-Asu(OBzl)-Aib-L-Phe-D-Pro- )
H-L-Asu(OBzl)-Aib-L-Phe-D-Pro-OH TFA ( 30 mg, 0.042 mmol )をDMF ( 400 mL) に溶解させ, 0.1 mMの濃度になるよう設定した。DMF溶液に10%DIEA/DMF ( 0.3 mL, 0.17 mmol )およびHATU (25 mg, 0.066 mmol ) を加え、室温で30分間撹拌した。この操作を計回10繰り返し環化反応を行った。反応終了後反応液を濃縮し、酢酸エチルに溶解させ、10%クエン酸、4%NaHCO3および飽和食塩水で順次洗浄した。無水MgSO4 で乾燥後、濃縮、油状物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー ( CHCl3 /MeOH=99 / 1)で精製し、標記化合物151 mg (61%) を得た。
Rf=0.78 ( CHCl3 / MeOH=9 / 1)
HPLC: Rt=18.15 min (column: MS GEL C18, 4.6x150 mm 30-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min, flow rate 1.0 mL / min )
【0055】
工程8 cyclo (-L-Asu-Aib-L-Phe-D-Pro- )
cyclo ( -L-Asu(OBzl)-Aib-L-Phe-D-Pro- ) ( 151 mg, 0.256 mmol )をメタノール5 mLに溶解させ、Pd-Cを用いて接触還元によりベンジルエステル基を除去した。5時間反応を行い、Pd-Cを濾過しメタノールを濃縮し, 標記化合物124 mg (97%) を得た。
HPLC: Rt=6.32 min (column: Wako pak C4, 4.6x150 mm, 30-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30min, flow rate 1.0 mL / min )
【0056】
工程9 cyclo (-L-Asu(NHOH)-Aib-L-Phe-D-Pro- )
cyclo ( -L-Asu-Aib-L-Phe-D-Pro- ) ( 124 mg, 0.248 mmol ) をDMF (3 mL ) に溶解し氷冷下、ヒドロキシルアミン塩酸塩 ( 86 mg, 1.24 mmol ), HOBt H2O ( 57 mg, 0.372 mmol ), BOP (165 mg, 0.372 mmol )を加え、トリエチルアミン ( 0.24 mL, 1.74 mmol )を添加した。2時間撹拌後、反応液を濃縮し1mLとしたのち、LH-20 (2x85cm)カラム(溶出液DMF)により精製した。凍結乾燥により標記化合物95 mg (74%) を得た。
HPLC: Rt=16.32 min (column: Wako pak C18, 4.6x150 mm, 10-100% linear gradient CH3CN / 0.1%TFA over 30min,.flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=516 ( M+H )+
【0057】
(実施例1) CHAP -54; cyclo ( - L-Asu(NHOH)-Acc5-L-Phe-D-Pro- )の合成上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。
HPLC: Rt=17.04 min ( column: MS GEL C18, 4.6x150 mm, 0-100%linear gradient CH3CN/0.1%TFA over 30min,.flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=542 ( M+H )+
【0058】
(実施例2) CHAP -55; cyclo ( -L-Asu(NHOH)-Acc6-L-Phe-D-Pro- ) の合成上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。
HPLC: Rt=18.25 min ( column: MS GEL C18, 4.6x150 mm, 0-100%linear gradient CH3CN/0.1%TFA over 30min,.flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=556 ( M+H )+
【0059】
(実施例3) CHAP -71; cyclo ( -L-Asu(NHOH)-Acc7-L-Phe-D-Pro- ) の合成
上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。
HPLC: Rt=19.24 min ( column: Wako pak C18, 4.6x150 mm, 0-100% linear gradient CH3CN / 0.1%TFA over 30 min, flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=570 ( M+H )+
【0060】
(実施例4) CHAP -76; cyclo ( -L-Asu(NHOH)-Acc8-L-Phe-D-Pro- ) の合成
上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。
HPLC: Rt=18.72 min ( column: Wako pak C18, 4.6x150 mm, 0-100% linear gradient CH3CN / 0.1%TFA over 30 min, flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=584 ( M+H )+
【0061】
(実施例5) CHAP -81; cyclo ( -L-Asu(NHOH)-2Ain-L-Phe-D-Pro- ) の合成
上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。
HPLC: Rt=18.20 min ( column: Wako pak C18, 4.6x150 mm, 0-100% linear gradient CH3CN / 0.1%TFA over 30 min, flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=590 ( M+H )+
【0062】
(実施例6) CHAP -82; cyclo ( -L-Asu(NHOH)-1Ain(f)-L-Phe-D-Pro- )の合成
上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。(1Ain(f)は、実施例7の1Ain(s)と同様に、2-アミノインダンカルボン酸で、HPLCで前者は速く、後者は遅く溶出されるもので、立体構造に差異があることは判明しているが、立体の構造は特定できていない)
HPLC: Rt=16.26 min ( column: Wako pak C18, 4.6x150 mm, 0-100% linear gradient CH3CN / 0.1%TFA over 30 min, flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=590 ( M+H )+
【0063】
(実施例7) CHAP -83; cyclo ( -L-Asu(NHOH)-1Ain(s)-L-Phe-D-Pro- )の合成
上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。
HPLC: Rt=17.13 min ( column: Wako pak C18, 4.6x150 mm, 0-100% linear gradient CH3CN / 0.1%TFA over 30 min, flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=590 ( M+H )+
【0064】
(実施例8) CHAP -91; cyclo ( -L-Asu(NHOH)- 2Ain-L-Phe-D-Pip-)の合成上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。
HPLC: Rt=19.07 min ( column: Wako pak C18, 4.6x150 mm, 0-100% linear gradient CH3CN / 0.1%TFA over 30 min, flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=604 ( M+H )+
【0065】
(実施例9) CHAP -90; cyclo ( -L-Asu(NHOH)- Acc8-L-Phe-D-Pip-)の合成上記CHAP-15の合成法に準じ合成した。
HPLC: Rt=20.08 min ( column: Wako pak C18, 4.6x150 mm, 0-100% linear gradient CH3CN / 0.1%TFA over 30 min, flow rate 1.0 mL / min )
FAB-MS: m/z=598 ( M+H )+
【0066】
(実施例10) CHAP-86;cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-)、
CHAP-87;cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha -L-Ile-L-Pip-)の合成
工程1 Boc-L-Ile-D,L-Pip-OBzl
Boc-L-Ile-OH 1/2 H2O (3.92 g, 16.8 mmol)、H-D,L-Pip-OBzl HCl (3.57 g, 12 mmol)およびHATU (7.75 g, 18 mmol)をDMF (15 mL)に溶解させ、氷冷下Et3N (4.76 mL, 30 mmol)を加え、終夜室温で撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチル (120 mL)で抽出し、10%クエン酸水溶液、4%NaHCO3水溶液、飽和食塩水でそれぞれ2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去した。真空乾燥後、フラッシュクロマトグラフィー (3.5 x 20 cm、展開溶媒 CHCl3 / MeOH=99 / 1)によって精製しBoc-L-Ile-D,L-Pip-OBzl (5.90 g, 13.8 mmol,収率 97%)油状物を得た。
Rf=0.50 (CHCl3 / MeOH=49 / 1)
【0067】
工程2 Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-OBzl
Boc-L-Ile-D,L-Pip-OBzl (432 mg, 1 mmol)をTFA (3 mL)に溶解し、氷冷下30分放置した。反応液を留去後、減圧下乾燥しH-L-Ile-D,L-Pip-OBzl TFA (638 mg, 収率 144%)を得た。これを、DMF (5 mL)に溶解させ、Boc-D-Cha-OH (326 mg, 1.2 mmol)を加え、続いて氷冷下 HOBt H2O (230 mg, 1.5 mmol,1.5 当量), Et3N (0.52 mL, 3.7 mmol, 3.7 当量), BOP (663 mg, 1.5mmol, 1.5当量)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液を濃縮した後、酢酸エチル (100 mL)で抽出し、10%クエン酸水溶液、4%NaHCO3水溶液、飽和食塩水でそれぞれ2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去した。真空乾燥後、フラッシュクロマトグラフィー (2.4 x 14 cm、展開溶媒 CHCl3 / MeOH=99 / 1)によって精製しBoc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-OBzl (565 mg, 0.96 mmol,収率 96%)フォーム状物を得た。
Rf=0.27 (CHCl3 / MeOH=49 / 1)
【0068】
工程3 Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-OH
Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-OBzl (565 mg, 0.96 mmol)をMeOH (10 mL)に溶解し、Pd-C触媒 (250 mg)を加え、水素気流下で15時間撹拌しベンジルエステル基を除去した。Pd-C触媒を濾過した後、MeOHを留去し真空乾燥して、 Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-OH (459 mg, 0.93 mmol, 収率 97%)フォーム状物を得た。
【0069】
工程4 Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-L-Asu(OBzl)-OTmse
Boc-L-Asu(OBzl)-OTmse (535 mg, 1.1 mmol, 1.2当量)に氷冷下TFA (3 mL)を加え、30分間室温で放置しBoc基の除去をおこなった。TFA留去後、減圧下乾燥しH-L-Asu(OBzl)-OTmse TFA 油状物を得た。これをDMF (5 mL)に溶解させ、Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-OH (459 mg, 0.93 mmol)を加え、続いて氷冷下 HOBt H2O (213 mg, 1.4 mmol,1.5 当量), BOP (616 mg, 1.4 mmol, 1.5 当量), Et3N (0.48 mL, 3.5 mmol, 3.7 当量)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液を濃縮した後、酢酸エチル (100 mL)で抽出し、10%クエン酸水溶液、4%NaHCO3水溶液、飽和食塩水でそれぞれ2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去した。真空乾燥後、フラッシュクロマトグラフィー ( 2.4 x 20 cm、展開溶媒 CHCl3 / MeOH=99 / 1)によって精製しBoc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-L-Asu(OBzl)-OTmse (813 mg, 0.93 mmol, 収率 100%)油状物を得た。
Rf=0.20 (CHCl3 / MeOH=49 / 1)
【0070】
工程5 H-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-L-Asu(OBzl)-OH TFA
Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-L-Asu(OBzl)-OTmse (813 mg, 0.95 mmol)をDMF (2 mL)に溶解し、1M tetrabutylammonium fluoride THF溶液 (4 mL, 4 mmol, 4当量)を加え室温で30分放置した。反応液を濃縮した後、10%クエン酸水溶液を加えて、酸性にした後、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、酢酸エチルを留去した。真空乾燥後、Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-L-Asu(OBzl)-OH (696 mg, 0.91 mmol,収率 97%)を得た。Boc-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-L-Asu(OBzl)-OH (696 mg, 0.91 mmol)に氷冷下TFA (5 mL)を加え、30分間室温で放置しBoc基の除去をおこなった。TFA留去後、エーテル-石油エーテル (1:10)を加え固化させ、濾取、減圧下乾燥し、H-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-L-Asu(OBzl)-OH TFA (752 mg, 0.91 mmol,収率 100%)を得た。
【0071】
工程6 cyclo(-L-Asu(OBzl)-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-)
H-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-L-Asu(OBzl)-OH TFA (752 mg, 0.91 mmol)をDMF (5 mL)に溶解し、その内1 mLをDMF (455mL, 0.4 mM)に入れ、HATU (104 mg, 1.5当量), DIEA(0.63 mL, 4当量)のDMF (10 mL)溶液 1 mL を加え、室温で1時間撹拌した。同様の操作を5回繰り返し、環化反応を行った。反応液を濃縮した後、酢酸エチル (100 mL)で抽出し、10%クエン酸水溶液、4%NaHCO3水溶液、飽和食塩水でそれぞれ2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去した。真空乾燥後、フラッシュクロマトグラフィー (2.4 x 40 cm、展開溶媒 CHCl3 / MeOH=99 / 1)によって分離精製しcyclo(-L-Asu(OBzl)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-) (90 mg, 0.14 mmol, 収率 18%)、cyclo(-L-Asu(OBzl)-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-) (200 mg, 0.31 mmol.収率 40%)を得た。
【0072】
cyclo(-L-Asu(OBzl)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-)
Rf=0.45 (CHCl3 / MeOH=9 / 1)
HPLC:Rt=19.40 min (column:wakosil 5C4, 4.5 x 150 mm, 37-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
cyclo(-L-Asu(OBzl)-D-Cha-L-Ile-L-Pip-)
Rf=0.45 (CHCl3 / MeOH=9 / 1)
HPLC:Rt=16.80 min (column:wakosil 5C4, 4.5 x 150 mm, 37-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
【0073】
工程7 cyclo(-L-Asu(OH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-),
cyclo(-L-Asu(OH)-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-)
cyclo(-L-Asu(OBzl)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-) (90 mg, 0.14 mmol)、cyclo(-L-Asu(OBzl)-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-) (200 mg, 0.31 mmol)をそれぞれMeOH (5 mL)、 MeOH-DMF (10:1)に溶解し、Pd-C触媒 (250 mg)を加え、水素気流下で15時間撹拌しベンジルエステル基を除去した。Pd-C触媒を濾過した後、酢酸を留去し真空乾燥して、cyclo(-L-Asu(OH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-) (76 mg, 0.14 mmol,収率 85%)、cyclo(-L-Asu(OH)-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-) (170 mg, 0.31 mmol,収率 99%)を得た。
【0074】
cyclo(-L-Asu(OH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-)
HPLC:Rt=12.64 min (column:wakosil 5C4, 4.5 x 150 mm, 37-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
cyclo(-L-Asu(OH)-D-Cha-L-Ile-L-Pip-)
HPLC:Rt=9.48 min (column:wakosil 5C4, 4.5 x 150 mm, 37-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
【0075】
工程8 cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-),
cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-)
cyclo(-L-Asu(OH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-) (76 mg, 0.14 mmol,)、cyclo(-L-Asu(OH)-D-Cha-L-Ile-D,L-Pip-) (170 mg, 0.31 mmol,)を、それぞれDMF (3 mL)に溶解し、HOBt H2O (LDLD体:32 mg, 0.21 mmol, 1.5当量, LDLD,LDLL mixture体:71 mg, 0.47 mmol, 1.5 当量)、NH2OH HCl (LDLD体:49 mg, 0.70 mmol, 5当量, LDLD,LDLL mixture体:108 mg, 1.6 mmol, 5 当量)を加え、氷冷下BOP (LDLD体:93 mg, 0.21 mmol, 1.5当量, LDLD,LDLL mixture体:206 mg, 0.47 mmol, 1.5当量),Et3N (LDLD体:0.12 mL, 0.84 mmol, 6当量, LDLD,LDLL mixture体:0.20 mL, 1.86 mmol, 6 当量)を加え、4時間撹拌した。反応終了後、生成したEt3N HClを濾過しDMFを留去した後、LDLD体はSephadex LH-20 (2.4 x 85 cm, DMF)ゲル濾過カラムにて精製、凍結乾燥しcyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-)(20 mg, 0.035 mmol)を得た。LDLD,LDLL mixture体は、少量のMeOHに溶かしHPLC(column : YMC-Pack C8 10 x 250 mm, 37% CH3CN/ 0.1% TFA)を用いて精製し、凍結乾燥しcyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-)(27 mg, 0.047 mmol, 純度 100%), cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Ile-L-Pip-)(51 mg,0.090 mmol,純度 93%)を得た。
【0076】
cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Ile-D-Pip-)
HPLC:Rt=21.34 min (column:wakosil II 5C18, 4.5 x 150 mm, 10-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Ile-L-Pip-)
HPLC:Rt=18.79 min (column:wakosil II 5C18, 4.5 x 150 mm, 10-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
FAB-MS (2,2'-dithiodiethanol):m/z=564 [M+H]+
【0077】
(実施例11) CHAP-84;cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha -L-Leu-L-Pip-)、CHAP-85;cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha -L-Leu-D-Pip-)の合成
標記環状テトラペプチドの合成は、実施例10 (CHAP86,CHAP87)に準じて行った。ただし、Boc-L-Leu-D,L-Pip-OBzlの合成については、BOP試薬 (1.5 当量)、HOBt H2O (1.5当量)を用いた。
【0078】
cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Leu-D-Pip-)
HPLC:Rt=20.89 min (column: wakosil II 5C18, 4.5 x 150 mm, 10-100% lineargradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Leu-L-Pip-)
HPLC:Rt=18.33 min (column: wakosil II 5C18, 4.5 x 150 mm, 10-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
FAB-MS (2,2'-dithiodiethanol):m/z=564 [M+H] +
【0079】
(実施例12) CHAP-78;cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Cha-L-Pip-)、CHAP-79;cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Cha-D-Pip-)の合成
標記環状テトラペプチドの合成は、実施例10 (CHAP86,CHAP87)に準じて行った。ただし、Boc-L-Cha-D,L-Pip-OBzlの合成については、DCC (1.3当量)、HOBt H2O (1.3当量)を用いた。
【0080】
cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Cha -D-Pip-)
HPLC:Rt=26.20 min (column: wakosil II 5C18, 4.5 x 150 mm, 10-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
cyclo(-L-Asu(NHOH)-D-Cha-L-Cha -L-Pip-)
HPLC:Rt=23.36 min (column: wakosil II 5C18, 4.5 x 150 mm, 10-100% linear gradient CH3CN / 0.1% TFA over 30 min)
FAB-MS (2,2'-dithiodiethanol):m/z=604 [M+H] +
【0081】
(試験例1) MHC class−I分子発現促進活性
本発明の環状テトラペプチド誘導体の有する MHC class−I分子発現促進作用を以下の試験により検証した。即ち、本試験において、癌細胞を用いて、本発明の環状テトラペプチド誘導体を作用させることで、 MHC class−I分子発現が促進されることを検証した。
【0082】
試験法
用いた癌細胞は、米国国立癌研究所より分譲を受けたマウスメラノーマ細胞であるB16/BL6細胞を使用した。該細胞の培養は、10% FBSを添加したMEM培地を用い、37℃、5%二酸化炭素存在下、水蒸気飽和したインキュベーターを用いて行った。
【0083】
被験化合物は、予めジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、濃度100 mM又は10 mMの原溶液に調製した。また、ヒストンデアセチラーゼ酵素阻害活性を有することが判明しているトリコスタチンA市販品(和光純薬より購入)を、同じくDMSOに溶解し、濃度5 mg/ml(16.54 mM)の原溶液に調製した。トリコスタチンAは、ヒストンデアセチラーゼ酵素阻害活性に起因するMHC class−I分子発現促進作用の陽性対照化合物とした。なお、被験化合物原溶液の溶媒として用いるDMSOは、本試験において不可避的に培地中へ混入することになるが、試験に用いられる混入量の範囲では、試験結果に影響を及ぼさないことは別途確認した。
【0084】
前記のB16/BL6細胞を5000個/wellの細胞密度で96穴マイクロプレートに播種し、各well当たり上記の培地200μl中で、24時間培養した後、被験化合物の原溶液所定量を培地に希釈した液10μlを添加し、引き続き72時間培養した。その後、各wellをPBS(リン酸緩衝液)で一回洗浄し、浮遊する細胞及び培地を除いた後、0.1%グルタルアルデヒド溶液で3分間処理し、細胞の固定を行った。
【0085】
固定した細胞表面に発現しているMHC class−I分子の量は、以下の方法で測定した。一次抗体として、マウスのMHC class−I分子に対する抗体である抗H-2KbDbDd抗体(市販品;明治乳業)を用い、二次抗体として、ビオチン化抗マウスIgG+M(市販品;ケミコン社)を用い、次いで、標識酵素として、ストレプトアビジン−β−ガラクトシダーゼコンジュゲート(市販品;BRL社)を反応させた。上記の方法で標識された酵素β−ガラクトシダーゼ量を、基質として、4-methylumbelliferyl-β-D-galactoside(市販品:販売元ナカライテック)を用い、酵素反応の生成物に起因する蛍光強度(励起:365nm、蛍光:450nm)をマイクロプレートリーダーで測定した。なお、被験化合物の添加量を零とした別のwellに対して、前記の一次抗体を添加せずに、それ以降は同じ操作を施し、この別のwellにおいて測定される蛍光強度をバックグランドの水準とした。実際に測定される値(バックグラウンドを含んだ見掛けの値)から、前記のバックグランドの水準を差し引いた値を、発現しているMHC class−I分子量を反映する真の測定値とした。
【0086】
なお、被験化合物の添加量を零とした群を参照群とし、この群において発現しているMHC class−I分子量の測定値を基準値とした。各被験化合物の添加濃度における、発現しているMHC class−I分子量は、前記の基準値を1とする相対値で表し、被験化合物の活性強度は発現を二倍に促進する濃度(Cx2)で比較した。本発明の環状テトラペプチド誘導体に対する評価結果の一例を表1に示す。この表1に示す環状テトラペプチドは何れもMHC class-I分子の発現促進活性に優れることが検証された。
【0087】
【表1】
Figure 0004269041
【0088】
(試験例2) histone deacetylase 酵素阻害活性
上述した試験例1における細胞系における効果が、実際に本発明の環状テトラペプチド化合物によるヒストンデアセチラーゼの酵素活性を阻害によることの査証を得る目的で、本発明の環状テトラペプチド化合物が、in vitroの系において、ヒストンデアセチラーゼの酵素活性を阻害することを以下の評価により検証した。
【0089】
試験方法
ヒストンデアセチラーゼの調製は基本的には吉田ら(J. Biol. Chem.265, 17174-17179, 1990)の方法に従って行った。酵素はB16/BL6細胞から部分精製したものを使用した。細胞をHDA buffer(15 mM リン酸カリウム、5%グリセロール、0.2 mM EDTA、10% 2-mercaptoethanol 、pH 7.5)に懸濁し、ホモジナイズした後、遠心で核を集め(2500×g, 10 min)、1 M (NH4)2SO4を含む同buffer中で再びホモジナイズした。超音波破砕し遠心して、採取した上清中の(NH4)2SO4濃度を3.5 Mまで上昇させ、ヒストンデアセチラーゼを沈殿させた。この沈殿物をHDA bufferに再溶解し、ゲル濾過でHDA bufferに溶媒交換し、粗histone deacetylase酵素液として用いた。
【0090】
基質として、合成基質ペプチド;[3H]acetylated histone H4 peptideを用いた。この[3H]acetylated histone H4 peptideは、ヒストンH4のN末ペプチド;SGRGKGGKGLGKGGAKRHRKVC(C末にはシステインをつけてある)を合成し、3H-無水酢酸で放射アセチル化し、基質として用いた。
【0091】
アッセイは被験化合物の存在下、合成基質液と酵素液を37℃で3時間インキュベートすることにより行った(反応容積100μl)。反応を25μlの1M HCl, 0.2 M酢酸を添加で止め、酵素反応で切り出された[3H]acetateを酢酸エチルで抽出して放射活性を測定した。なお、参照群として、被験化合物を反応系添加せず、同じ操作を行った。阻害活性は、参照群におけるhistone deacetylase酵素活性を50%阻害する濃度で表した(50%阻害濃度)。
評価結果の一例を表2に示す。この表2に示す環状テトラペプチドは何れもヒストンデアセチラーゼ酵素阻害活性に優れることが検証された。
【0092】
【表2】
Figure 0004269041
【0093】
【発明の効果】
本発明の環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩は、その優れたヒストンデアセチラーゼ酵素阻害活性に付随して、MHC class−I分子発現促進に優れた活性を有する。また、ヒストンデアセチラーゼ酵素阻害に由来する細胞増殖阻害、細胞周期の阻害作用も有しており、癌組織の拡大を抑制するので、前記のMHC class−I分子発現促進作用を利用して、免疫系による癌細胞の排除を格段に促進することができ、抗癌剤として極めて有用である。その際、本発明の環状テトラペプチド誘導体のヒストンデアセチラーゼ酵素阻害は可逆的なものであるので、不可逆的な阻害剤と比較して、正常な組織に対しては、細胞増殖阻害、細胞周期の阻害作用などの好ましからざる副作用が格段に少ない利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】トリコスタチンA、トラポキシンの分子構造並びにヒストン脱アセチル化阻害の作用を示す図。
【図2】トラポキシン類縁体の分子構造を示す図。

Claims (4)

  1. 一般式(I)又は(I’’’)で示される環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 0004269041
    Figure 0004269041
    (式中、R11、R12、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素、非芳香族環状アルキル基若しくは置換基を有することもある芳香環が結合してもよい炭素数1〜6の直鎖アルキル基、又は非芳香族環状アルキル基若しくは置換基を有することもある芳香環が結合してもよい炭素数3〜6の分岐のアルキル基を表し、R 1 R 3 、それぞれ独立して、鎖上に炭素数1〜6の分岐鎖を有してもよい鎖長炭素数1〜5の直鎖アルキレン基を表し、また前記直鎖アルキレン基上の分岐鎖は該アルキレン鎖上に縮合環構造を形成してもよい。但し、一般式(I’’’)においては、R11、R12、R21及びR22の少なくとも1つはシクロヘキシルメチル基である。)
  2. 請求項1記載の環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するヒストンデアセチラーゼ阻害剤。
  3. 請求項1記載の環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するMHC class−I分子発現促進剤。
  4. 請求項1記載の環状テトラペプチド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗癌剤。
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