JP4268098B2 - 通信用ケーブル - Google Patents

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本発明は、通信ケーブルにおける布設作業性やケーブル回収後のリサイクルを容易にした通信用ケーブルに関する。
一般的に通信ケーブルは、伝送媒体を樹脂層で被覆して構成されるが、布設環境温度の変化に対して伸縮(線膨張)が大きな樹脂材料の伸縮を物理的に抑える目的で樹脂内に線膨張係数が小さい抗張力体が設けられている。このような樹脂内に抗張力体を設ける技術として例えば特許文献1が開示されている。特許文献1においては、抗張力体と外周表面の樹脂の接合力を向上させるため、抗張力体の外周表面に接着性の熱可塑性樹脂層を溶融状態で供給した後、冷却固化する技術を用いている。接着性の熱可塑性樹脂としては、エポキシ変性、カルボン酸変性、マレインなどのポリオレフィン系接着性樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、各種脂肪酸のポリアミド共重合樹脂および塩素化ポリオレフィンから選択された接着性熱可塑性樹脂が開示されている。これらの開示された樹脂はいずれも極性を有するものであり、特許文献1においては、樹脂の極性に起因する接着力および溶融状態で抗張力体表面の凹凸に入り込んだ樹脂が冷却固化することによるアンカー効果により接合力の向上を達成しているものと理解できる。
また、光ファイバケーブル構成部材に関し、構成材料を効率よく分離し、リサイクル可能とするよう、2種以上の材料を集合させて形成してなり、光ファイバケーブルを構成する光ファイバケーブル用構成部材において、上記材料の境界面に沿って紐状の部材を挿入したものが特許文献2に開示されている。
特公平4−31364号公報 特開平7−56069号公報
しかしながら、特許文献1のケーブル構成においては、抗張力体と外周表面の樹脂が強固に接合し、抗張力体と樹脂の線膨張係数の差によるケーブル内の光ファイバの伝送損失増加を有効に抑制しうるが、リサイクルという思想は皆無であり、抗張力体と樹脂の分離はその強固な接合故に相当困難であると考えられる。また、ケーブル布設作業時、例えば、ケーブルを牽引する際に、ケーブル本体より抗張力体を剥き出し、抗張力体と牽引用ワイヤーロープとを接続したり、または、ケーブルをクロージャー内で固定する際、または、各家庭へケーブルを引き込む(FTTH)においても、抗張力体をケーブルより剥き出し、抗
張力体そのものを、専用治具へ固定するなどの布設作業が行われている。しかし、その際に抗張力体に強固に接合樹脂を専用工具や刃物などを用いて接着樹脂を完全に排除する必要があり作業性に難がある。
特許文献2に開示されたケーブル構成においては、リサイクルを考慮して抗張力体などと樹脂の間に樹脂を引き裂くための紐状部材を挿入させている。しかし、引裂用の紐状部材そのものをリサイクルすることが難しく、産業廃棄物となってしまうことから、環境面や経済面を考慮するとあまり好ましい構成とはいえない。また、ケーブルの種類によっては、引裂用の紐状部材を挿入させることのできないものもあり、その場合にはケーブルより抗張力体を合理的に分離する工法が確立されていないため、人の手により強引にケーブルより抗張力体を剥ぎ取るなどの作業が行われており、作業効率の低下や作業コスト高といった問題となっている。また、強引に剥ぎ取られた抗張力体には、カスとして樹脂が接合しているために、抗張力体のリサイクルを行う場合には、更に接合している樹脂を完全に除去する作業、工程が加わるためにリサイクルコストが更に高くなってしまい、場合によっては産業廃棄物として処理されてしまうこともある。
上記の問題を解決するため、請求項1に記載の通信用ケーブルは、抗張力体と、前記抗
張力体の外周に形成された樹脂層を備え、前記抗張力体と前記樹脂層との間にスチレン系の熱可塑性エラストマーからなる介在層を具備し、前記介在層には、脂環族飽和炭化水素系樹脂、水添テルペン系樹脂、パラフィン系樹脂のいずれかからなる粘着性付与材料が含まれており、前記介在層は、JIS Z0237「傾斜式ボールタック試験法」に規定する試験方法において25℃、傾斜角度30°における粘着性がNo.2以上10以下の範囲であることを特徴とする。
請求項2に記載の通信用ケーブルは、前記粘着性を有する介在層が、前記樹脂層と融
着して介在していることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、抗張力体と、その外周に形成された樹脂層の間には、スチレン系の熱可塑性エラストマーからなる介在層を具備し、前記介在層には、脂環族飽和炭化水素系樹脂、水添テルペン系樹脂、パラフィン系樹脂のいずれかからなる粘着性付与材料が含まれている。従って、従来技術のように、樹脂層の極性に起因した接着あるいは、抗張力体表面の凹凸に溶融状態で入り込んだ樹脂が冷却固化することによるアンカー効果によらなくても、抗張力体と介在層を互いに保持することができる。従って、抗張力体としての機能を確保するとともに、互いの部材を容易に分離することが可能となり、ケーブル布設時に行われる抗張力体の被覆除去作業や、使用後に回収されたケーブルの解体、リサイクル作業において、抗張力体とプラスチック部材との分離作業(被覆除去作業)性を向上させることが可能となる。
また、前記粘着性を付与した介在層が、JIS Z0237「傾斜式ボールタック試験法」に規定する試験方法において25℃、傾斜角度30°における粘着性がNo.2以上10以下の範囲という抗張力体として必要な介在層との保持力と分離作業性が有効に両立するケーブルを提供することができる。
請求項に係る発明によれば、前記粘着性を付与した介在層が、前記樹脂層とは融着して介在していることを特徴としているため、介在層と樹脂層は強固に接合し一体化するとともに、抗張力体と介在層は互いに分離可能なように保持力を確保することができる。即ち、樹脂層と抗張力体が互いに保持することで抗張力体としての機能を確保しつつ、分離性を改善したケーブルを提供することができる。
本発明の実施の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態としてのスロット型光ファイバケーブルの断面図である。図1において、スロット型光ファイバケーブル10は、伝送媒体収納部材としての樹脂層12に設けた溝14内に伝送媒体15を配置し、樹脂層12の外周を外被11で覆って構成されている。樹脂層12の略中心部には粘着性介在層16を介して抗張力体13が設けられている。
伝送媒体15としては、コア部分にガラスを用いた光ファイバやプラスチック材料を用いたプラスチック光ファイバ、またコア部分にメタル(銅、スズメッキ銅線、亜鉛メッキ銅線など)を用いたものなどを、単体や複合したものが適用できる。
抗張力体13としては、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維などの高抗張力繊維を単独やあるいは複合して用いることができる。また、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維などの高抗張力繊維を単独やあるいは複合したものを樹脂で固めたFRPロッドや、鋼線、銅線などを用いることができる。
樹脂層12は伝送媒体15を収納するものであり、例えば単心線の光ファイバやテープ状の光ファイバ心線などを収納して、ケーブルが受ける外力から伝送媒体を保護するものであり、プラスチック材料で形成されている。プラスチック材料としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどを単独やあるいは必要に応じて混合したものが適用できる。また、要求特性によっては、エンジニアリングプラスチックなどの弾性率、耐熱温度の高い材料などを用いることができる。
外被11はケーブルの最外層に設けられる被覆層であり、プラスチック材料で形成されている。プラスチック材料としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどを単独やあるいは必要に応じて混合したものが適用できる。
また、要求特性によっては、エンジニアリングプラスチックなどの弾性率、耐熱温度の高い材料などを用いることができる。また、ケーブルの布設環境に合わせて、紫外線劣化や熱などによる劣化などを防止することを目的として、カーボンブラック、紫外線防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カラー顔料などが適宜配合して用いることができる。また、ケーブルに難燃性を付与する目的で、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの難燃剤や赤リンなどの難燃助剤などを適宜配合して用いることができる。
粘着性介在層16は、常温(−30℃以上+70℃以下の範囲)で粘着性を有しており、ケーブルが使用される環境において、粘着性により抗張力体13と保持されている。即ち、粘着性介在層16は、粘着性により抗張力体13と互いに保持されるものの、抗張力体13の表面の凹凸に入り込んだ樹脂は常温では完全に固化することなくタック性を維持するため、アンカー効果による接合は比較的弱いものとなる。従って、粘着性介在層16から抗張力体13を長手方向に引き抜いた場合などには十分な保持力を確保して抗張力体としての機能を発揮するとともに、粘着性介在層16を介した樹脂層12と抗張力体13を分離しようとする場合にはその分離作業を容易にすることができる。
樹脂層12と粘着性介在層16の接合は、粘着性により保持力を確保したり、必要に応じて融着させてもよい。
粘着性介在層16を形成する樹脂としては、例えば熱可塑性エラストマー樹脂があり、その中でも熱安定性、長期安定性を考慮するとスチレン系の熱可塑性エラストマーが好ましい。スチレン含有量を適宜調整したり、粘着性をさらに付与する目的で、例えば、脂環族飽和炭化水素系樹脂、水添テルペン系樹脂、パラフィン系樹脂などを適宜調整することも可能である。その他にも、例えば、ポリエステル系のエラストマー樹脂やオレフィン系のエラストマー樹脂なども適用可能である。粘着性介在層は、成形後に粘着性を付与していればよく、成型方法としては、抗張力体の外表面に押出被覆したり、予めタック性の介在層をテープ状に形成し、抗張力体の外表面に巻き付けたり、あるいは縦添えしたりすることで得られる。また、樹脂層12と融着させる場合には、例えば、コモンヘッドの押出機を用いて、抗張力体の外表面に粘着性の介在樹脂とプラスチック層樹脂を同時に押出被覆するなどして形成することができる。
得られる粘着性樹脂の粘着性は、JIS Z 0237「傾斜式ボールタック試験法」で規定する試験方法おいて、25℃、傾斜角度30°でNo.2〜10の範囲が好ましい。抗張力体との保持力として、ケーブル布設時の抗張力体13を露出する作業やケーブルの布設環境での温度変化で発生するケーブル伸縮を抑制することが可能であり、また使用後のケーブルの解体、リサイクル作業における抗張力体13と樹脂層12との分離作業性もさらに容易となる。25℃、傾斜角度30°でNo.2未満の場合、抗張力体との密着性が弱くなり、布設後のケーブルが受ける温度変化により発生するケーブルの伸縮を抑えることが困難になり、通信ケーブルが光ファイバケーブルの場合は、ケーブルの伸縮により光ファイバに伸びや圧縮の力が加わり、伝送損失増加を発生させたり、最悪の場合は光ファイバを破断させてしまうなどの危険がある。25℃、傾斜角度30°でNo.10より大きい場合、粘着性が大きすぎてしまい、ケーブル布設時の抗張力体の露出作業やケーブル解体、リサイクル時の作業性が悪くなる。
図2は本発明の第2の実施形態としての光インドアケーブルの断面図である。図2において、光インドアケーブル20は、伝送媒体収納部材としての樹脂層22の内部に粘着性介在層26を介して抗張力体23が、中心介在27を介して伝送媒体25が設けられている。中心介在27はケーブルを曲げた際などの伝送媒体25に応力がかかるのを緩和するために設けられるものであり、材質としてプラスチック製のコルデルやパイプ、または光ファイバ単心線に紫外線硬化型樹脂やナイロン樹脂などを被覆したものが適用できる。
抗張力体23、伝送媒体25、粘着性介在層26は前述した第1の実施形態と同様に構成される。本第2の実施形態において樹脂層22は外被を兼ねているのでケーブルの布設環境に合わせて、紫外線劣化や熱などによる劣化などを防止することを目的として、カーボンブラック、紫外線防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カラー顔料などが適宜配合して用いることができる。また、ケーブルに難燃性を付与する目的で、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの難燃剤や赤リンなどの難燃助剤などを適宜配合して用いることができる。
図3は本発明の第3の実施形態としてのドロップケーブルの断面図である。図3において、ドロップケーブル30は、第2の実施形態に支持線としての第二の抗張力体38を追加したものである。第二の抗張力体38としては単鋼線、撚鋼線、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維などの高抗張力繊維を単独やあるいは複合して用いることができる。また、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維などの高抗張力繊維を単独やあるいは複合したものを樹脂で固めたFRPロッドなどが適用できる。第二の抗張力体38は首部39によりケーブル本体部30´と連結されている。また、第二の抗張力体38も粘着性介在層36を介して樹脂層32の内部に設けられている。樹脂層32、抗張力体33、伝送媒体35、粘着性介在層36、中心介在37は前述の第2の実施形態と同様に構成される。
図4は本発明の第4の実施形態としての自己支持型ケーブルの断面図である。図4において、自己支持型ケーブル40は、中心部に集合した伝送媒体45を備え、その周囲に伝送媒体収容部材41を備え、その周囲に例えば4本の抗張力体43を配置し、抗張力体43の周囲には粘着性介在層46が設けられている。さらに支持線としての第二の抗張力体48を備え、その周囲にも粘着性介在層46が設けられている。伝送媒体収容部材41、および粘着性介在層46で覆われた抗張力体43、第二の抗張力体46は首部49を有する樹脂層42で一括被覆されて構成されている。伝送媒体45は第1乃至第3の伝送媒体15、25、35を例えばテープ状に集合されたものである。伝送媒体収容部材41は例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ナイロンなどの樹脂を紐状やテープ状、またはスプリットヤーン状に構成される。抗張力体43、粘着性介在層46、第二の抗張力体48、首部49は第3の実施形態と同様に構成される。
次に、本発明の第1の実施形態として図1に図示したスロット型光ファイバケーブルを用いた実施例の詳細を説明する。
図1に示すスロット型光ファイバケーブルを以下の諸元で試作した。中心に外径1.4mmφの単鋼線の抗張力体13を用い、その外周に、粘着性を付与した粘着性介在層16を設けた。粘着性介在層16は抗張力体13の周囲に押出成形により厚さ約0.2mmとなるように押出被覆し、粘着性介在層を完全に冷却した。粘着性介在層16としては、表1に示すよう粘着性の異なる樹脂を実施例1〜10として用いた。
粘着性介在層を完全に冷却した後、その外周に高密度ポリエチレン(密度0.953g/cm3)樹脂を用いて、樹脂層(伝送媒体収容部材)12を作成した。樹脂層12は、外径8mmで伝送媒体15を収納する溝8が幅1.4mm、深さ2.1mmで、長手方向に螺旋状にピッチ500mmとなるように回転ダイス式の押出機を用いて押出成形した。次いで、その外周に押巻テープ(図示していない)を1/3ラップで押さえ巻きし、さらにその外周に、低密度ポリエチレンにカーボンを約2.6%含有(密度0.936g/cm3)した樹脂を厚さ2.5mmとなるように、押出機にて押出成形することで外被11を成形し、外径13.5mmφのスロット型光ファイバケーブル10を形成した。なお、実施例1〜3及び7、8は抗張力体13と粘着性介在層16および粘着性介在層16と樹脂層12はいずれも融着していないものであり、実施例4〜6及び9、10は、抗張力体13とタック性介在層16とは融着しないが粘着性介在層16と樹脂層12とは融着したものである。実施例4〜6及び9、10は、抗張力体13に粘着性介在層16を押出被覆して、粘着性介在層16が冷却しないうちに樹脂層12を押出成形することで形成した。
前記溝8内には、厚さ0.32mm、幅1.1mmの4心テープ(0.25mm単心線を並列に4本並べて一括に被覆を施した光ファイバ)の伝送媒体15を5枚積層しそれぞれ収納した。
この実施例1〜実施例10の各スロット型光ファイバケーブルを用いて、以下の試験を実施し、得られた結果を表1に示した。
また、表1に参考試験として、実施例で製造したケーブルと同構成で粘着性介在層16のみを、従来の熱可塑性の接着性樹脂と置き換えたスロット型光ファイバケーブルを製造して表1に示す試験を実施した。
(温度特性試験)
実施例及として製造したケーブル1000mを、−30℃〜+70℃雰囲気中のヒートサイクル試験槽中に各温度で12時間放置した際の光ファイバ心線の伝送特性を、測定周波数1.55μmで3サイクル繰り返し測定した。
周波数1.55μm帯での伝送損失変動が、0.1dB/Km以下のものを優良(○と表示)として表1に表示し、0.1dB/Kmより大きいものを良(△と表示)として表1に表示した。
表1の結果より、特に粘着性介在層の粘着性がNo.2以上No.10の範囲の実施例のケーブルはケーブルが受ける温度変化に対しての伸縮に影響を受けていないことを示すものであり、粘着性を付与した介在層が従来の熱可塑性の接着性樹脂と同じ効果であることを示すものである。
(抗張力体の突き出し試験)
実施例として製造したケーブル10mを切り出し、ケーブルの両端末を垂直に切り落として、抗張力体の突き出し、及び引き込み量が測定できるように調整し、−30℃雰囲気中に12時間、+70℃雰囲気に12時間それぞれ放置後に、それぞれの温度雰囲気中で抗張力体5の突き出し量、及び引き込み量をノギスで測定した。
抗張力体の突き出し量、及び引き込み量のいずれかが3mm以下のものを優良(○と表示)として表1に表示し、突き出し量、及び引き込み量のいずれかが3mmより大きいものを良(△と表示)として表1に表示した。
表1の結果より、特に粘着性介在層の粘着性がNo.2以上No.10の範囲の実施例のケーブルはケーブルが受ける温度変化に対しての伸縮に影響を受けていないことを示すものであり、粘着性を付与した介在層が従来の熱可塑性の接着性樹脂と同じ効果であることを示すものである。
(抗張力体の被覆除去性(1))
実施例1〜3、7,8として製造したケーブル1mを切り出し、外被11より抗張力体13の外表面直上に到達するように、ケーブル分離治具(ケーブル断面方向に対して2分割が可能で、深さ調整が可能な刃がセットされているもの)をセットし、1mのケーブル全長長手方向に対して、180°毎に2箇所の切り込みを入れた。
ケーブル片端部の切り込みを左右に開いた際、2Kg以下の力で抗張力体と粘着性介在層が分離でき、且つ抗張力体の外表面に粘着性介在層の樹脂が付着していないもの、及び粘着性介在層と樹脂層とが容易に分離できるものを合格(○と表示)として表1に表示し、抗張力体と粘着性介在層が2Kg以上7Kg以下の力で抗張力体と粘着性介在層が分離でき、且つ抗張力体の外表面に粘着性介在層の樹脂が付着していないもの及び粘着性介在層と樹脂層とが容易に分離できるものを良(△と表示)として表1に示し、7Kg以上の力で引き剥がさないと分離できないもの、または分離後の抗張力体の外表面に粘着性介在層の樹脂が付着しているもの、及び粘着性介在層と樹脂層が強い力で引き剥がさないと分離できないものを不合格(×と表示)として表1に表示した。
表1の結果より、粘着性介在層を介在させることにより、抗張力体表面の被覆除去が容易であることを示すものである。また、プラスチック層と粘着性介在層の分離も容易であり、回収ケーブルの構成材料部材別の分別が容易になることを示すものである。
(抗張力体の被覆除去性(2))
抗張力体の被覆除去性(1)と同様の方法でケーブル2箇所に切り込みを入れた。ケーブル片端部の切り込みを左右に開いた際、2Kg以下の力で抗張力体と粘着性介在層が分離でき粘着性介在層の樹脂が抗張力体の外表面に付着していないもの、及び粘着性介在層と樹脂層とが融着しているものを優良(○と表示)として表1に表示し、抗張力体と粘着性介在層が2Kg以上7Kg以下の力で抗張力体と粘着性介在層が分離でき、且つ抗張力体の外表面に粘着性介在層の樹脂が付着していないもの、及び粘着性介在層と樹脂層とが融着しているものを良(△と表示)として表1に示し7Kg以上の力で抗張力体と粘着性介在層が強い力で引き剥がさないと分離できないものまたは分離後の抗張力体の外表面に粘着性介在層の樹脂が付着しているもの、を不合格(×と表示)として表1に表示した。
表1の結果より、粘着性介在層を介在させることにより、抗張力体表面の被覆除去が容易であることを示すものである。
(効果の確認)
以上、実施例により詳細に説明したように、本発明にかかる通信用ケーブルを用いることで、ケーブル布設時の抗張力体上の被覆除去作業が容易となることからケーブル布設コストの低減となる。
また、使用後のケーブルの解体、リサイクル作業において、抗張力体、プラスチック樹脂の分別作業が容易となることから、解体時間の削減となることから、コスト面から経済的効果が得られる。且つ、個々の材料に分別が可能であることから、産業廃棄物として処理されていた、例えば接着材付き抗張力体などの再利用(リサイクル)が可能となるため、環境面、経済面での効果も大である。
尚、前記実施例では、スロット型光ファイバケーブルを一例として詳細に説明したが、抗張力体を構成部材として設計され、抗張力体とプラスチック層との密着が要求される通信ケーブルであれば全てに適用が可能である。
Figure 0004268098
* 実施例(a)(実施例1〜3、7、8は、抗張力体と粘着性介在層とプラスチック層とは、それぞれ密着した状態で製造したものである。
* 実施例(b)(実施例4〜6、9、10)は、抗張力体と粘着性介在層とは密着した状態で、粘着性介在層とプラスチック層とは融着した状態で製造したものである。
* 実施例に使用した粘着性介在層の樹脂は、スチレン系の熱可塑性エラストマー樹脂のスチレン含有量、及び粘着性付与材料を適宜調整して表1のボールタックNo.を得た。
本発明の第一実施形態を示す端面図。 本発明の第二実施形態を示す端面図。 本発明の第三実施形態を示す端面図。 本発明の第四実施形態を示す端面図。
符号の説明
8 溝
10 スロット型光ファイバケーブル
11 外被
12 樹脂層
13 抗張力体
14 溝
15 伝送媒体
16 粘着性介在層
20 光インドアケーブル
22 樹脂層
23 抗張力体
25 伝送媒体
26 粘着性介在層
27 中心介在
30 ドロップケーブル
30’ ケーブル本体部
32 樹脂層
33 抗張力体
35 伝送媒体
36 粘着性介在層
37 中心介在
38 抗張力体
39 首部
40 自己支持型ケーブル
41 伝送媒体収容部材
42 樹脂層
43 抗張力体
45 伝送媒体
46 粘着性介在層
46 抗張力体
48 抗張力体
49 首部

Claims (2)

  1. 抗張力体と、前記抗張力体の外周に形成された樹脂層を備え、前記抗張力体と前記樹脂層との間にスチレン系の熱可塑性エラストマーからなる介在層を具備し、
    前記介在層には、脂環族飽和炭化水素系樹脂、水添テルペン系樹脂、パラフィン系樹脂のいずれかからなる粘着性付与材料が含まれており、
    前記介在層は、JIS Z0237「傾斜式ボールタック試験法」に規定する試験方法において25℃、傾斜角度30°における粘着性がNo.2以上10以下の範囲であることを特徴とする通信用ケーブル。
  2. 前記粘着性を有する介在層は、前記樹脂層と融着して介在していることを特徴とする請求項1に記載の通信用ケーブル。
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