JP4267973B2 - ロールベーラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、牧草、紙くずやゴミ等の密度が小さい被圧縮物を回転させながら圧縮して円柱状のロールベールに圧縮するロールベーラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロールベーラは、密度が小さい被圧縮物を回転させながら圧縮して円柱状のロールベールに圧縮する圧縮室を形成すべく円環状に配置された複数の回転ローラを備えている。圧縮室の上方には、被圧縮物が所定の密度に達してロールベールになった後に、回転ローラとロールベールとの間に紐を供給して、紐をロールベールの外周へと巻きかけて結束させる結束装置が設けられている。圧縮室の前方には、紐ロールが設けられており、この紐ロールから引っ張られた紐が、結束装置と紐ロール間に設けられたガイド手段を介して結束装置へと案内されている。ガイド手段は、リング状部材の内部に紐を挿通させて、紐がその内周面に対して摺動することでその送り方向を変更するようになっている。
【0003】
図5に示すように、結束装置8は、紐7を圧縮室2側へと繰り出すための繰出ロール15と、この繰出ロール15に隣接して同期回転する押さえロール16とが設けられている。繰出ロール15と押さえロール16の外周面には、紐7との摩擦抵抗を大きくするために、ロール長手方向に延びる溝17がそれぞれ形成されている。この繰出ロール15と押さえロール16の紐7の流れ方向上流側には、ロールベール1へ紐7を固く巻き付けるべく紐7に張力を与えるための紐ブレーキ18が設けられている。
【0004】
紐7は、結束装置8の待機状態から繰出ロール15と押さえロール16とに挟まれており、ロールベール1が所定の密度になった時点で繰出ロール15が回転して、紐7を圧縮室2側へと繰り出すようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−239922号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のロールベーラでは、紐7と紐ブレーキ18及びガイド手段9との摩擦抵抗、固く巻かれた紐ロール6から紐7を引き出す際の引出抵抗等が、繰出ロール15及び押さえロール16間に挟まれている紐7に掛かる。そのため、繰出ロール15及び押さえロール16は、上述の抵抗に打ち勝って紐7を引き、圧縮室2側へと繰り出さなければならない。特に紐7の繰出開始時には、紐7が静止している状態からの静摩擦係数がかかるので、摩擦抵抗が大きい。
【0007】
しかし、繰出ロール15と押さえロール16の表面の溝17には、紐7の表面から剥がれた紐カスや紐7に含まれる油(特にサイザル紐の場合には多く含む)、或いは被圧縮物の塵や水分等が埋まり、表面の凹凸が減少していくので、繰出ロール15と押さえロール16の表面と紐7との摩擦抵抗が低下してしまう場合がある。そのため、紐ブレーキ18やガイド手段9との摩擦抵抗が大きい紐7の繰出開始時に、繰出ロール15の表面が紐7に対して滑り、紐7を圧縮室2側に繰り出すことができない場合があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題を解決するために案出されたものであって、その目的は、紐を圧縮室側へと確実に繰り出すことができるロールベーラを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、牧草、紙くずやゴミ等の密度が小さい被圧縮物を回転させながら圧縮して円柱状のロールベールに圧縮する圧縮室と、該圧縮室の前側部を囲繞する固定フレームと、上記圧縮室の後側部を囲繞して上記固定フレームに対して上方に展開する展開フレームと、上記固定フレームに設けられた紐ロールと、この紐ロールからの紐を上記ロールベールへ巻きかけて結束させるべく上記圧縮室内へ上記紐を供給する結束装置と、上記紐を上記紐ロールから上記結束装置へと案内するガイド手段とを備えたロールベーラにおいて、上記ガイド手段が、上記固定フレームに設けられ上記紐ロールからの紐を摺動自在に支持してその進行方向を変える固定側ガイド部材と、上記展開フレームに設けられ上記紐を摺動自在に支持してその進行方向を変える展開側ガイド部材とを有し、上記展開フレームを上方に展開した際の紐ロールから上記固定側ガイド部材及び展開側ガイド部材を通して上記結束装置まで案内された紐経路長さが、上記展開フレームを閉じた際の上記紐経路長さよりも長くなるように上記固定側ガイド部材及び展開側ガイド部材をそれぞれ配置したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な第一の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
本第一の実施の形態では、結束装置が展開フレーム内に取り付けられたロールベーラを例に挙げて説明する。
【0012】
図3に示すように、ロールベーラ10は、走行車輪19を軸支する固定フレーム4と、固定フレーム4に設けられた枢支軸21に枢支されて固定フレーム4と合わされて外殻を形成する展開フレーム5と、この展開フレーム5を枢支軸21を中心に固定フレーム4の後上方に展開させるための油圧シリンダ22とを有している。
【0013】
固定フレーム4の走行方向前方には、ロールベーラ10を図示しないトラクタ等に連結させる牽引桿23と、トラクタ等のPTO軸から供給される動力の伝達装置24とが設けられている。固定フレーム4の走行方向前方下部には、牧草や稲ワラ等の密度が小さい被圧縮物を圃場等から拾い上げるピックアップ装置25と、このピックアップ装置25で拾い上げられた被圧縮物を後述する圧縮室2へと送り込む搬送装置26とが設けられている。
【0014】
圧縮室2は、被圧縮物を回転させながら圧縮して円柱状のロールベール1に圧縮する空間であり、円環状に配置された複数の回転ローラ3で区画されている。回転ローラ3は機幅方向に延びた略円柱状に形成されている。回転ローラ3は、固定フレーム4内に収容される前側部と、展開フレーム5内に収容される後側部とで分割されている。
【0015】
前側部の回転ローラ3は、固定フレーム4にそれぞれ軸支されており、互いにチェーン(図示せず)等で連結され、図示しない駆動手段によって同期回転されるようになっている。圧縮室2の搬送装置26に隣接する部分は、回転ローラ3同士の間隔が広くされ、被圧縮物を圧縮室2内へ送り込むための入口27が形成されている。固定フレーム4には、ロールベール1に巻き掛ける紐7が巻かれた紐ロール6が取り付けられている。
【0016】
後側部の回転ローラ3は、展開フレーム5にそれぞれ軸支されており、展開フレーム5と一体的に上方に展開するようになっている。展開フレーム5の回動中心となる枢支軸21は、前側部の最上部の回転ローラ3のローラ軸と同軸となっている。後側部の回転ローラ3は、互いにチェーン(図示せず)等で連結され、図示しない駆動手段によって同期回転されるようになっている。この展開フレーム5側の駆動手段と固定フレーム4側の駆動手段とは、互いに同期回転する。圧縮室2の上方には、紐ロール6から引き出された紐7をロールベール1に巻き掛けて結束させるべく圧縮室2内へ紐7を供給する結束装置8が設けられている。
【0017】
結束装置8は、図3から図5に示すように、圧縮室2の側壁を構成する展開フレーム5の側板31間に架け渡された横桁32に設けられた繰出部33と、横行ガイド部34と、この横行ガイド部34を横行させる横行駆動部35とを備えている。
【0018】
繰出部33は、紐7を圧縮室2側へと繰り出すものである。繰出部33は、ロールベーラ10の機幅方向(図4中、左右方向)二箇所に設けられており、横桁32にブラケット36を介してそれぞれ固定されている。繰出部33は、機幅方向に延びる回転軸37に固定され、紐7を圧縮室2側へ繰り出すための繰出ロール15を備えている。繰出ロール15の隣には、この繰出ロール15とで紐7を挟み込んで回転する押さえロール16が設けられている。押さえロール16は、繰出ロール15と平行に設けられている。押さえロール16は、ブラケット36に回動自在に設けられた回動アーム38の先端に軸支されている。この回動アーム38とブラケット36間には押さえロール16を繰出ロール15側に引きつけるバネ39が設けられており、このバネ39の引張力によって押さえロール16を繰出ロール15側に付勢するようになっている。繰出ロール15と押さえロール16の外周面には、紐7との摩擦抵抗を大きくするために、軸方向に延びる複数の溝17がそれぞれ形成されている。また、押さえロール16には、紐7を圧縮室2側へ繰り出す方向へのみ回転するワンウェイクラッチ機能が設けられている。
【0019】
この繰出ロール15と押さえロール16の紐7の流れ方向上流側には、紐7をロールベール1へ固く巻き付けるべく紐7に張力を与えるための紐ブレーキ18が設けられている。紐ブレーキ18は、紐7を所定の力で挟み込んで張力を与えるようになっている。紐ブレーキ18の上方及び繰出ロール15の下方には、紐7の進行方向を変更させるガイド部材41が設けられている。ガイド部材41はリング材からなり、その内部に紐7を挿通させて、リング材の内周面に紐7が摺動して紐7の進行方向を変更するようになっている。
【0020】
繰出ロール15の回転軸37は、一対のブラケット36間に架け渡され軸支されている。各繰出ロール15は、共に回転軸37に固定されており、同期回転するようになっている。回転軸37の一端は側板31を貫通して、機幅方向外側まで延出しており、その外側端部にはプーリ43が取り付けられている。このプーリ43は、繰出ロール15の繰出方向にのみ回転軸37が回転可能なワンウェイクラッチ機能付きである。図6に示すように、プーリ43には、結束装置8の近傍の回転ローラ3のローラ軸44に固定されたプーリ45に巻き掛けられた無端状のVベルト46が巻き掛けられている。Vベルト46は、各プーリ43、45間に緩く巻き掛けられており、各プーリ43、45間に設けられたクラッチプーリ47でVベルト46を押し付けることによって、Vベルト46が引っ張られ、ローラ軸44から回転軸37へと動力が伝達されるようになっている。クラッチプーリ47は、側板31から延びる回動アーム48の先端に設けられている。回動アーム48には、スプリング53の一端が接続されている。スプリング53の他端は、側板31の外側に設けられたモータ49のモータ軸51に取り付けられたレバー52に接続されている。モータ49の駆動によって、レバー52が回転し、スプリング53と共に回動アーム48を引きつけてクラッチプーリ47をVベルト46に押し付けるようになっている。
【0021】
横行ガイド部34は、図4及び図5に示すように、横桁32に機幅方向に沿って横行自在に設けられ、繰出部33から繰り出された紐7を、紐ガイド54で引っかけながら横行することによって、機幅方向に振り分けて圧縮室2に供給するためのものである。横行ガイド部34は、紐ガイド54と、横桁32に沿って走行するランナ55と、ランナ55の両端から繰出部33側へと延出して紐ガイド54を支持する紐ガイド支持部56とを有している。
【0022】
紐ガイド54は、釣り針状のフックにて構成され、ランナ55の両端の紐ガイド支持部56の先端にボルト・ナット等の締結手段57にてそれぞれ固定されている。これら紐ガイド54間の距離は、各繰出ロール15間の距離と同等となっている。ランナ55には、ボス部58が設けられており、ボス部58には、機幅方向に延びるスライドバー59が挿入されている。スライドバー59は、側板31間に架け渡されている。ランナ55には、後述するカラー68が挿入される縦方向に長い長孔69が形成されている。
【0023】
横行駆動部35は、横桁32に直交する方向に設けられた駆動軸61と従動軸62とを有している。駆動軸61には駆動スプロケット63が、従動軸62には従動スプロケット64がそれぞれ設けられ、これら駆動スプロケット63と従動スプロケット64間には、無端状のチェーン65が巻き掛けられている。チェーン65は、ランナ55に沿ってその近傍に設けられている。チェーン65には、ランナ55側に延びるピン67が設けられ、そのピン67には円筒状のカラー68が回転自在に設けられている。カラー68は、ランナ55の長孔69に挿入されている。長孔69の短手方向長さ(幅)は、カラー68の外径と略同等となっている。
【0024】
駆動軸61の隣には、プーリ軸71が軸支されており、プーリ軸71には、繰出部33に送られる紐7が巻き掛けられる巻掛プーリ72が設けられている。プーリ軸71には、駆動軸61に設けられた大径ギヤ73と噛合する小径ギヤ74が設けられており、紐7が走行することによって巻掛プーリ72が回転し、この回転力が小径ギヤ74、大径ギヤ73を介して駆動軸61に減速して伝達され、チェーン65が回転する。
【0025】
チェーン65が回転することによって、ランナ55の長孔69に挿入されたカラー68がランナ55を機幅方向に押しながら移動し、ランナ55と一体の紐ガイド支持部56及び紐ガイド54(横行ガイド部34)が横行するようになっている。
【0026】
紐ガイド54が横行して、紐7を機幅方向に移動させながら圧縮室2側へ送る紐通路部分には紐7を切断するナイフ76が設けられている。ナイフ76は、その刃77を機幅方向一方側に向くように備えており、紐ガイド54が横行を1サイクル終えたときに、紐7が刃77に向かって押し付けられ切断されるようになっている。
【0027】
結束装置8の側部の側板31には、紐ロール6からの紐7を機内側へ導入する導入孔75が二箇所形成されている。
【0028】
ところで、本発明は、紐7を紐ロール6から結束装置8へと案内するガイド手段9を備え、ガイド手段9が、固定フレーム4に設けられ紐ロール6からの紐7を摺動自在に支持してその進行方向を変える固定側ガイド部材11と、展開フレーム5に設けられ紐7を摺動自在に支持してその進行方向を変える展開側ガイド部材12とを有し、展開フレーム5を上方に展開した際の紐ロール6から固定側ガイド部材11及び展開側ガイド部材12を通して結束装置8まで案内された紐経路長さが、展開フレーム5を閉じた際の上記紐経路長さよりも長くなるように固定側ガイド部材11及び展開側ガイド部材12をそれぞれ配置したことを特徴とする。
【0029】
図1に示すように、固定側ガイド部材11は第一ガイドリング81と第二ガイドリング82からなり、展開側ガイド部材12は第三ガイドリング83にて構成されている。なお、第一ガイドリング81は、設けていなくてもよく、紐ロール6から直接第二ガイドリング82に紐7を送るようにしてもよい。またガイド部材11、12は、リング状に限られるものではなく、紐7を掛けることができればフック状等の他の形状であってもよい。
【0030】
各ガイドリング81、82、83の配置を図2によって具体的に説明する。図中Dは、展開フレーム5の回動中心となる枢支軸21の位置、Pは固定フレーム4に設けられた第二ガイドリング82の位置、Qは展開フレーム5に設けられた第三ガイドリング83の展開フレーム5が閉じた状態での位置、Q’は第三ガイドリング83の展開フレーム5が展開した状態での位置、Rは結束装置8の導入孔75の展開フレーム5が閉じた状態での位置、R’は結束装置8の導入孔75の展開フレーム5が展開した状態での位置を示す。
【0031】
ここで、展開前の第三ガイドリング83の位置Qと展開後の位置Q’とを結ぶ直線L1をひき、展開フレーム5の回動中心の位置Dから直線L1へと垂線L2をひく。そして、第二ガイドリング82の位置Pを、垂線L2よりも第三ガイドリング83の展開前の位置Q側になるようにする。これによれば、展開フレーム5の展開後のPQ’長さが、展開前のPQ長さよりも長くなる。このとき、第三ガイドリング83と導入孔75とが共に展開フレーム5に設けられているので、展開フレーム5の展開状態に関係なく、QR長さとQ’R’長さは同じである。また、紐ロール6から第二ガイドリング82の長さも変化しない。従って、展開フレーム5を上方に展開した際の紐ロール6から固定側ガイド部材11及び展開側ガイド部材12を通して結束装置8まで案内された紐経路長さが、展開フレーム5を閉じた際の上記紐経路長さよりも長くなる。
【0032】
これによって、展開フレーム5を展開した後に閉じると、展開した状態での紐経路長さで紐ロール6から引き出された紐7は、展開フレーム5を閉じた状態での紐経路で弛んだ状態となる。
【0033】
以下、ロールベーラ10の作動と共に、本実施の形態の作用を説明する。
【0034】
まず、ピックアップ装置25及び搬送装置26を作動させて、被圧縮物を圧縮室2に送り込みながら、回転ローラ3を回転させて、圧縮作業を行う。そして、被圧縮物が所定の圧力まで圧縮されて、ロールベール1の成形が完了すると、成形完了を知らせるブザーが鳴り、これを聞いたオペレータはスイッチボックス(図示せず)の結束開始のスイッチを押す。そして、モータ49が作動し、モータ軸51及びレバー52が回転し、スプリング53及び回動アーム48を引っ張ってクラッチプーリ47がVベルト46を押し付ける。これによって、ローラ軸44からの回転力がプーリ45、Vベルト46、プーリ43へと伝達され、回転軸37が回転して、繰出ロール15が回転し始める。
【0035】
このとき、紐ロール6と結束装置8間の紐7は、前回の作業時にロールベール1を取り出した際に、展開フレーム5が一旦展開された後に閉じられているので、弛んだ状態となっている。よって、繰出ロール15と押さえロール16の溝17に、紐カス、油或いは被圧縮物の塵や水分等が埋まって表面の凹凸が減少し、繰出ロール15と押さえロール16の表面と紐7との摩擦抵抗が低下した場合でも、紐7を圧縮室2側に繰り出すことができる。
【0036】
すなわち、紐7が弛んだ状態になっているので、紐7を容易に引き出し始めることができ、紐7が張った状態から繰り出す場合のようにガイド手段9と紐7の静摩擦係数はかからない。また、紐7が引き出されて移動し始めた状態で、紐ロール6から紐7が引っ張られ始めることになるので、固く巻かれた紐ロール6からの円滑な引き出しが可能となる。
【0037】
そして、繰出ロール15と押さえロール16間に挟まれた紐7は、圧縮室2側へと繰り出されて、ロールベール1と回転ローラ3との間に引き込まれ、ロールベール1の外周への紐7の巻き掛けが開始される。
【0038】
その後、オペレータが結束開始8のスイッチを切る。これでモータ49が停止し、スプリング53が元に戻され、クラッチプーリ47が元の位置に戻される。これによって、クラッチプーリ47のVベルト46への押付けが解除され、回転ローラ3のローラ軸44から繰出ロール15の回転軸37への回転力の伝達が遮断される。その後も、繰出ロール15と押さえロール16は、ロールベール1と回転ローラ3間に引っ張られる紐7の走行によって回転するが、回転軸37に設けられたプーリ43がワンウェイクラッチ機能付きであるので、繰出ロール15及び押さえロール16は抵抗無く回転できる。
【0039】
圧縮室2から引っ張られる紐7は、横行駆動部35の巻掛プーリ72に巻き掛けられており、巻掛プーリ72を回転させる。巻掛プーリ72が回転すると、小径ギヤ74及び大径ギヤ73を介して、回転数が減少して、駆動軸61が回転する。これによって、駆動スプロケット63に巻き掛けられたチェーン65の回転と共にカラー68が移動する。カラー68は、ランナ55の長孔69に挿入されており、ランナ55を機幅方向に押しながら移動し、ランナ55と一体の紐ガイド支持部56及び紐ガイド54(横行ガイド部34)が横行する。
【0040】
具体的には、カラー68及び横行ガイド部34は、まず、図中右側へ移動し、従動スプロケット64部分で折り返して、左側へと移動し、駆動スプロケット63部分で折り返して、右側へと移動する。そして、横行ガイド部34が、元の位置へ戻ったところで、紐ガイド54から圧縮室2側へと延びる紐7がナイフ76の刃77へと押し当てられ切断される。これでロールベール1の結束作業が終了する。
【0041】
その後、油圧シリンダ22を縮退させて、展開フレーム5を上方に展開させて、ロールベール1を取り出す。このとき、紐7は繰出ロール15と押さえロール16とで挟まれているので、展開フレーム5の展開と共に紐ロール6から引き出される。このとき、紐ブレーキ18が紐7を挟んでいるので、展開フレーム5の展開時に、紐ブレーキ18のブレーキ力が、紐7を紐ロール6から引き出す方向に作用する。また、結束装置8内のガイド41や巻掛プーリ72と紐7との摩擦力も、紐7を紐ロール6から引き出す方向に作用する。さらに、押さえロール16に、紐7を圧縮室2側へ繰り出す方向へのみ回転するワンウェイクラッチ機能を設けているので、固く巻かれた紐ロール6から紐7を円滑に引き出すことができる。
【0042】
その後、展開フレーム5を閉じて、次のロールベール1の成形作業に移る。このとき、紐ロール6から結束装置8への紐経路長さが短くなるので、紐ロール6から引き出された紐7は、紐ロール6から結束装置8間の紐経路で弛んだ状態となり、次の結束作業まで待機する。このように、展開フレーム5を展開して閉じるといった通常の作業を行うだけで、紐7を弛ませることができる。
【0043】
次に、本発明の好適な第二の実施の形態を図7及び図8に基づいて説明する。
【0044】
本第二の実施の形態では、結束装置8が固定フレーム4に取り付けられたロールベーラ85を例に挙げて説明する。
【0045】
かかるロールベーラ85では、結束装置8が固定フレーム4の回転ローラ3の上方に設けられている。本第二の実施の形態の結束装置8も、第一の実施の形態の結束装置8と同様の構成であり、導入孔75から、紐ロール6から案内された紐7が導入される。なお、その他の構成については、第一の実施の形態と同様であるので、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0046】
本実施の形態では、展開フレーム5を上方に展開した際の紐ロール6から固定側ガイド部材11及び展開側ガイド部材12を通して結束装置8まで案内された紐経路長さが、展開フレーム5を閉じた際の上記紐経路長さよりも長くなるように固定側ガイド部材11及び展開側ガイド部材12が配置される。以下、固定側ガイド部材11及び展開側ガイド部材12について説明する。
【0047】
図7に示すように、固定側ガイド部材11は第一ガイドリング86と第三ガイドリング88からなり、展開側ガイド部材12は第二ガイドリング87にて構成されている。
【0048】
各ガイドリング86、87、88の配置を、図8によって具体的に説明する。図中Dは、展開フレーム5の回動中心となる枢支軸21の位置、Sは固定フレーム4に設けられた第一ガイドリング86の位置、Tは展開フレーム5に設けられた第二ガイドリング87の展開フレーム5が閉じた状態での位置、T’は第二ガイドリング87の展開フレーム5が展開した状態での位置、Uは固定フレーム4に設けられた第三ガイドリング88の位置、Rは結束装置8の導入孔75の位置を示す。
【0049】
ここで、固定フレーム4に設けられた第一及び第三ガイドリング86、88の位置S、Uを焦点とし、第二ガイドリング87の展開フレーム5が閉じた状態での位置Tを通る楕円Wを描く。そして、第二ガイドリング87の展開フレーム5が展開した状態での位置T’が楕円Wよりも外側になるように、第一、第二及び第三ガイドリング86、87、88の位置を設定する。これによれば、楕円Wの性質上、展開フレーム5の展開後のST’U長さが、展開前のSTU長さよりも長くなる。このとき、第三ガイドリング88と導入孔75とが共に固定フレーム4に設けられているので、展開フレーム5の展開状態に関係なく、第三ガイドリング88と導入孔75間の長さURは変化しない。また、紐ロール6から第一ガイドリング86の長さも変化しない。従って、展開フレーム5を上方に展開した際の紐ロール6から固定側ガイド部材11及び展開側ガイド部材12を通して結束装置8まで案内された紐経路長さが、展開フレーム5を閉じた際の上記紐経路長さよりも長くなる。
【0050】
これによって、展開フレーム5を展開した後に閉じると、展開した状態での紐経路長さで紐ロール6から引き出された紐7は、展開フレーム5を閉じた状態での紐経路で弛んだ状態となる。
【0051】
従って、上記第二の実施の形態でも、上述の第一の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
なお、上記第一及び第二の実施の形態では、牧草や稲ワラ等を圧縮してロールベール1を形成するロールベーラ10、85について説明したが、被圧縮物は、これらに限られるものではなく、紙くずやゴミ等の密度が小さいものであれば、好適に圧縮することができる。
【0053】
また、上記実施の形態では、圧縮室2を回転ローラ3で構成したロールベーラ10、85について説明したが、これに限られるものではなく、回転ローラ3に代えて、ラドルバーや無端状ベルトを用いて圧縮室を構成するロールベーラであっても本発明を適用できるのは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、結束開始時に紐を圧縮室側へと確実に繰り出すことができるといった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロールベーラの好適な第一の実施の形態を示した要部拡大断面図である。
【図2】紐経路長さを説明するための説明図である。
【図3】本発明に係るロールベーラの好適な第一の実施の形態を示した全体断面図である。
【図4】結束装置を示した平面図である。
【図5】図4のV-V線断面図である。
【図6】図4のVI線矢視図である。
【図7】本発明に係るロールベーラの好適な第二の実施の形態を示した要部拡大断面図である。
【図8】紐経路長さを説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 ロールベール
2 圧縮室
4 固定フレーム
5 展開フレーム
6 紐ロール
7 紐
8 結束装置
9 ガイド手段
10 ロールベーラ
11 固定側ガイド部材
12 展開側ガイド部材
85 ロールベーラ

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  1. 牧草、紙くずやゴミ等の密度が小さい被圧縮物を回転させながら圧縮して円柱状のロールベールに圧縮する圧縮室と、該圧縮室の前側部を囲繞する固定フレームと、上記圧縮室の後側部を囲繞して上記固定フレームに対して上方に展開する展開フレームと、上記固定フレームに設けられた紐ロールと、この紐ロールからの紐を上記ロールベールへ巻きかけて結束させるべく上記圧縮室内へ上記紐を供給する結束装置と、上記紐を上記紐ロールから上記結束装置へと案内するガイド手段とを備えたロールベーラにおいて、上記ガイド手段が、上記固定フレームに設けられ上記紐ロールからの紐を摺動自在に支持してその進行方向を変える固定側ガイド部材と、上記展開フレームに設けられ上記紐を摺動自在に支持してその進行方向を変える展開側ガイド部材とを有し、上記展開フレームを上方に展開した際の紐ロールから上記固定側ガイド部材及び展開側ガイド部材を通して上記結束装置まで案内された紐経路長さが、上記展開フレームを閉じた際の上記紐経路長さよりも長くなるように上記固定側ガイド部材及び展開側ガイド部材をそれぞれ配置したことを特徴とするロールベーラ。
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