JP4267831B2 - ステータコアの製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の単位コアが繋ぎ桟を介して連結された形態の帯状コアを環状に曲げ加工することによりステータコアを製造するステータコアの製造装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、回転電機のステータコアを製作する手段としては、上記したように帯状コアを環状に曲げ加工するために、まず略環状に仮曲げした後、放射状に並ぶ複数のシリンダ装置のロッドによって複数の単位コアを個別に押圧して中央に配した治具を介して環状に形成するようにしている。この場合、複数のシリンダ装置による単位コアの押圧力にはばらつきが生じ易く、その他、上記シリンダ装置による押圧力を受けて単位コアが所定位置よりずれる虞れもあるなど、そのため環状に形成する成形精度が低下し、ステータコアの真円度が悪化する虞れがあるとともに、常に均一な品質を供することが容易でなかった。
【0003】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、帯状コアを精度良く環状に曲げることができて効率良く製造できるステータコアの製造装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のステータコアの製造装置は、第1の手段として、コイル巻装部に絶縁樹脂製のスプールを装着した複数の単位コアを繋ぎ桟を介して連結してなる帯状コアと、この帯状コアを上面に載置するとともに上方向に節動的に屈曲可能なプレート部材を有する鉄心クランプ装置と、この鉄心クランプ装置を段階的に屈曲変位させるシリンダ装置とを具備し、前記帯状コアを曲げ加工することにより繋ぎ桟を折り曲げ環状のステータコアを製造する装置において、前記帯状コアの単位コアが有するスプールに係合凹部を形成するとともに、該凹部に対応して前記プレート部材の上面に係合凸部を突設し、これら凹凸部を係合させて帯状コアを鉄心クランプ装置に設置するようにしたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0005】
斯かる手段によれば、帯状コアを鉄心クランプ装置のプレート部材上面に設置するに際して、夫々に設けた係合凸部と係合凹部とを係合して設置することで位置決めができ、且つその所定位置に容易には移動できない拘束状態に帯状コアを保持できる。従って、曲げ加工が適確にでき曲げ精度が向上することはもとより、均一な品質を確保して効率良く製造できる。また、係合凹部は単位コアのスプールを有効利用して設けることができるとともに、容易に形成できる点でも有効である。
【0006】
そして、請求項1記載の装置において、鉄心クランプ装置の係合凸部と相対する位置に、該凸部側に向って進退可能なクランプロッドを有するコアクランプ機構を設け、該コアクランプ機構を介して前記係合凸部との間に帯状コアを挟持するようにしたことを特徴とする(請求項2の発明)。
【0007】
斯かる手段によれば、帯状コアの浮き上がりを抑制できて該コア全体を固定保持するのに有効で、鉄心クランプ装置の作動変位に対しても所定位置に確実に把持でき、やはり効率良く曲げ精度に優れた曲げ加工が期待できる。
【0008】
また、請求項1記載の装置において、鉄心クランプ装置の上方には、帯状コアが巻回されて環状に形成するための円筒状の芯金治具が配設され、該芯金治具の外周面には巻回される前記帯状コアの一部と係合する回り止め部材を突設したことを特徴とする(請求項3の発明)。
【0009】
斯かる手段によれば、円筒状の芯金治具に対し、帯状コアを無駄な滑動を阻止できるので、環状に曲げ加工された帯状コアの両端部の接合部に段差が生じるのを防止でき、しかも溶接位置が一定になるなど、結果として一層曲げ精度の向上に繋がり高品質のステータコアを製造できる。
【0010】
更に、上記目的を達成するために本発明のステータコアの製造装置は、第2の手段として、コイル巻装部に絶縁樹脂製のスプールを装着した複数の単位コアを繋ぎ桟を介して連結してなる帯状コアと、この帯状コアを上面に載置するとともに上方向に節動的に屈曲可能なプレート部材を有する鉄心クランプ装置と、この鉄心クランプ装置を段階的に屈曲変位させるシリンダ装置とを具備し、前記帯状コアを曲げ加工することにより繋ぎ桟を折り曲げ環状のステータコアを製造する装置において、前記鉄心クランプ装置には、そのプレート部材が所定以上に屈曲するのを阻止するストッパ部材を設けたことを特徴とする(請求項4の発明)。
【0011】
斯かる手段によれば、鉄心クランプ装置に設置した帯状コアをシリンダ装置により曲げ加工するのであるが、ストッパ部材によりプレート部材が所定角度を超えた屈曲変位は阻止されるので、各単位コアを均等に折り曲げることができ、以って全体を円環状とするための曲げ精度をより高めるのに有効である。
【0012】
そして、請求項1または4記載の装置において、鉄心クランプ装置のプレート部材は、各単位コアに対応する複数の単位プレートを屈曲可能に連結してなり、そのうち少なくとも両端部の単位コアを載置する単位プレートにあっては、該単位コアの載置される外周面域と同等の幅広の形状としたことを特徴とする(請求項5の発明)。
【0013】
斯かる構成によれば、特に帯状コアの両端部が環状の曲げ形成が不十分となるのを防止でき、両端部の位置ずれをなくして接合を容易ならしめ円環状の精度を高めることができる。
【0014】
また、請求項1または4記載の装置において、鉄心クランプ装置には、帯状コアに巻装されたコイルの口出し線を外部に導出するための凹溝を有することを特徴とする(請求項6の発明)。
【0015】
斯かる手段によれば、曲げ加工する際、コイルの口出し線を凹溝に収容しておくことで、鉄心クランプ装置のプレート部材等の屈曲変位する部位に該口出し線が噛み込むことを防止でき、コイルの破損とか装置の支障を来すなどの虞れを回避できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を永久磁石付き同期電動機のステータコアに適用した一実施例について、図1ないし図11に基づいて説明する。
まず、図9〜図11を参照して述べると、図9の(a)はヘリカル鉄心1に二点鎖線で示すコイル2が装着された形態を示している。このヘリカル鉄心1は、図示しない帯状鋼板を順送り形のプレス加工により所定形状に打抜き、これを所定枚数積層してレーザ溶接し単位コア1A〜1Fを形成するとともに、これら各単位コア1A〜1F間を繋ぎ桟3によって連結した帯状コアをなしたもので、このうち単位コア1Aと1Fとの間において分断された構成としている。そして、これら各単位コア1A〜1Fは略T字状をなしていて、円弧状の単位ヨーク4と直状の磁極ティース5、および円弧状端面を有する磁極片6とから構成され、該ヘリカル鉄心1は斯かる構成の帯状コアに相当するものである。
【0017】
しかるに、このヘリカル鉄心1を構成する積層鋼板は、図9(a)のB−B線で切断して示す図9(b)の断面図に示すように例えば2種類の第1の鋼板7および第2の鋼板8を交互に積層した構成としている。即ち、単位コア1A〜1Fを構成するうちの表層の第1の鋼板7にあっては、図9の(a)に示す各単位ヨーク4の図示左端部に後述するが三角形状のラップ部9を延出して形成している。また、単位コア1A〜1Fを構成するうちの第2の鋼板8にあっては、各ヨーク4の同図示右端部に同じく三角形状のラップ部9を延出して形成している。従って、これら鋼板7,8が交互に積層された状態では、図9の(b)の断面図から明らかなように、各ラップ部9が互い違いに対向する配列状態となしていて隙間が形成されている。
【0018】
しかして、図9(a)中において各単位コア1A〜1F間の繋ぎ桟3部位を中心に二点鎖線で示すように折り曲げることにより、図11(a)に示すように環状のステータコア12として製作されるのであるが(その曲げ加工手段等の詳細は後述する)、上記したラップ部9は、この曲げ加工時に各鋼板7,8の隣接する夫々のラップ部9,9が互いに交差し、本実施例では三角形状に相当する面域がラップ(重合)する部分を示している。従って、環状に形成されたステータコア12のラップ部9にあっては、図11(a)のC−C線で切断して示す同図(b)の断面図から明らかなように互のラップ部9,9が交差するように噛合して隙間のない積層形態を形成する。
【0019】
また、ヘリカル鉄心1には図9(a)および図10に示すように各磁極ティース5の外周囲である所謂コイル巻装部にスプール10が装着されている。特に本実施例におけるスプール10は、単位ヨーク4の円弧状外周面近傍にまで及ぶ広範囲に亘って覆う形態としており、その取付手段としては詳細な説明は省略するが該スプール10は絶縁性の合成樹脂材料により形成され、且つ各単位コア1A〜1Fの個々に対し2分割構成として、例えば図10の外側面図を参照して述べると磁極ティース5の両側方(図示上下方向)から分割スプール10a,10bを弾性的に嵌合し合うことで単位スプール10を構成するとともに装着されるようにしたものである。
【0020】
従って、斯かるスプール10の具体的形状につき、更に図9(a)および図10に基づき説明すると、これらスプール10は、各単位ヨーク4の外表面(ラップ部9を含む両端部は除く)および磁極片6の外表面を覆う部位は共に軸方向に大きく庇状に突出するとともに、これに伴い中間位置の磁極ティース5相当部位では凹んだ形状をなし(所謂コイル巻装部)、従って全体形状としては正にスプール(spool)形状をなしている(後述する図3も参照)。
【0021】
但し、径方向においては単位ヨーク4および磁極片6の端部である各円弧状周面までは延出しないようにしており、従って径方向には、特に図9(a)に示すように各単位コア1A〜1Fを形成する積層鋼板の僅かの表層部位(図中、寸法gおよびhで示す)が露出する形態にある。
このように、構成され装着されたスプール10の各磁極ティース5の外周囲部位、即ちコイル巻装部には、マグネットワイヤを直接巻回することで前記コイル2を装着してなるもので、これら各コイル2は軸方向視(図示平面視)では台形形状をなしている。
【0022】
また、図9(a)および図10に示すように、上記スプール10のうち帯状コアたるヘリカル鉄心1の両端部に位置する単位コア1Aおよび1Fにおいて、それの少なくとも片面側の分割スプール10b側(特に図10参照)に、反磁極片6方向の所謂外周面方向に開口する円形穴或は角形穴など適宜の穴形状をなした係合凹部11を夫々設けていて、更に具体的には該凹部11は単位コア1Aおよび1Fの表層(第1の鋼板7)面に沿って形成されている。但し、上記係合凹部11の位置は、ヘリカル鉄心1の方向性に制約がなければ分割スプール10a,10bの両方に設けて、後述する曲げ装置14へのセット作業を容易にすることも可能である。
【0023】
そして、前記したように図11に示すステータコア12は、ヘリカル鉄心1を複数の繋ぎ桟3を中心に円環状に折り曲げたものであり、各ラップ部9が噛合して両端部に位置する単位コア1Aと単位コア1Fとが接合する部分に軸方向に沿ってレーザー溶接が施されることにより、ステータコア12として円環状に保持される。尚、図11中の13は、ヘリカル鉄心1の両端部の接合部位にレーザー溶接がなされた溶接部(或は接合部とも謂う)を示したものである。
【0024】
次に、帯状コアたるヘリカル鉄心1を円環状に曲げ加工し、前記ステータコア12を製作する曲げ装置について、図1〜図8に基づき説明する。
まず、図4は曲げ装置14全体の概略構成を示す正面図で、この曲げ装置14の二点鎖線で示すベース14aの底部には、シリンダ装置を構成する二つのシリンダ機構のうちの第1のシリンダ機構15を略中央に立設している。この第1のシリンダ機構15は、筒状のシリンダ16内を上下方向に進退可能なロッド17を有するとともに、該ロッド17の上端部には連結ブロック18が固定され、該ブロック18は垂直壁板状の基台19にボルト(符号aで示す)で締結され連結固定されている。換言すれば該基台19は、その略中央部を第1のシリンダ機構15により連結支持され、従って上下方向に移動可能に設けられている。
【0025】
一方、もう一つの第2のシリンダ機構20は、上記基台19に取着されたL字状の支持腕21を介して外郭を兼ねたシリンダ22が図示しないボルト締めにより固着されている。この第2のシリンダ機構20は、該シリンダ22内に上下方向に進退可能なロッド23を二組収容した言わば二連式の構成としている。即ち、各ロッド23は詳細は略すが図4では、前後に所定の間隔を置いて並設され(前方の一つのみ図示)、これらロッド23の上端部間に亘って前後方向に長い矩形板状のリフター24が連結固定されている。尚、シリンダ装置たるこれら第1,第2のシリンダ15,20は、例えば油圧制御により上下方向に進退移動されるようにしている。
【0026】
更に基台19には、中央上部にL字状の支持腕25がボルト(図中、符号bで示す)にて取着されていて、該支持腕25上に鉄心クランプ装置26を取付固定している。この鉄心クランプ装置26の具体構成については後述するが、上面には前記ヘリカル鉄心1を載置し把持して設置するとともに少なくとも上方向に節動的に屈曲可能な構成とした図示しないプレート部材27(図1等に基づき後述する)を有し、前記シリンダ装置と協同してヘリカル鉄心1を環状に曲げ加工するものである。
【0027】
そして、この鉄心クランプ装置26の上方に位置し、且つ前記第1のシリンダ機構15の直上に対応して円筒状の芯金治具28が配設されている。この芯金治具28の基端部は、ベース14aの直立壁部分に前方に突出するように取付固定されており、特に拡大して示す図8を参照して述べると、その構成は放射状のスリット29を有するコレット形のスリーブ30と、その内部の中心部位にスライド可能に挿入された軸芯31とから構成され、該軸芯31は図示しないシリンダ機構に連動してスライドし前後方向に進退移動可能に設けられている。
【0028】
従って、この芯金治具28のスリーブ30の外径は軸芯31が介挿された状態のとき、伸縮不能な所定の径寸法に拘束維持され先に図9の(a)等で示した各磁極片6の円弧状端面が形成する内径に相当する径寸法に設定される。加えて、本実施例では上記スリーブ30の下面中央に対峙して軸方向に長い板状の回り止め部材32を圧入固定しており、この一対の回り止め部材32の対峙する周方向の間隔は、前記磁極片6の円弧状端面を収容可能とすべく、例えば図9(a)に示す如く一つの円弧状周長さyに対応した寸法に設定してある。
【0029】
そしてまた、図4において上記芯金治具28の更に上方に位置して、左右に分離して配置されたガイドレール33が設けられている。これら各ガイドレール33は、具体的にはベース14aの直立壁部分に図示右方へ向うに従って上昇する傾斜状態に配置固定されるとともに、これらガイドレール33には夫々前後方向に一対のカム34(前方側のみ図示)がスライド可能に装着され、各カム34にはカム面34aおよびフック部34bが形成されている。これら各前後一対のカム34は一体的に連結されていて、例えば図示しないシリンダ機構を介して一体に連動する構成にあって、ガイドレール33に沿い前記芯金治具28に対して進退移動可能としている。
【0030】
尚、図中芯金治具28に対向する中央位置に例えばレーザ用の溶接トーチ35を設けている。この溶接トーチ35は、芯金治具28の軸方向に沿って移動可能な構成としており、環状に曲げ加工したヘリカル鉄心1の両端接合部13をレーザ溶接するためのもので、これによりステータコア12として円環状に結合した形態に保持するようにしている。
【0031】
しかして、前記した鉄心クランプ装置26の具体構成について、図1〜3に基づき説明する。そのうち、図1は鉄心クランプ装置26の平面図、図2は正面図で、図3は一部切欠して示す要部の側面図である。
まず、図1に示すように前後一対のリンクプレート36A〜36Fが夫々の隣合う間において、ボルトなどを利用した支軸37により回動可能に連結されて、所謂簡易なリンク機構を構成している。
【0032】
即ち、一対のリンクプレート36Aには、図1の(a)および図2に示すように、リンクプレート36Bの左端部が支軸37を介して回動可能に連結されている。次いで、各リンクプレート36Bの右端部には、リンクプレート36Cの左端部が支軸37を介して回動可能に連結されている。以下同様に、各リンクプレート36D,36E,36Fも支軸37を介して回動可能に順次連結されて、以ってリンク機構をなしている。
【0033】
しかるに、これら一対のリンクプレート36A〜36Fに位置して、前記したプレート部材27が平坦な水平状態に設けられている。即ち、このプレート部材27は、各一対のリンクプレート36A〜36Fに対応して夫々ボルト(図2に符号cで示す)にて締結され連結固定された矩形板状の単位プレート38A〜38Fから構成され、この単位プレート38A〜38Fは夫々隣接する個々の間において垂直面で接合した状態で並列している。従って、これらはリンクプレート36A〜36Fを介して前記したリンク機構により回動可能に連結されていても、その回動支点(支軸37)が上部に位置しているから、常態では下方向への回動は互いに干渉し合って阻止され水平な並列状態を維持できるプレート部材27を構成している。尚、各単位プレート38A〜38F間の上記隣接する接合面は、支軸37の軸心と一致するように構成されている。
【0034】
また、単位プレート38A〜38Fの各上面は下方に凹む円弧状をなしていて、これは前記単位コア1A〜1Fの円弧状外周面と一致する形状にしている。因みに、図1(a)中のA−A線で切断して示す同図(b)の一部断面図から明らかなように、円弧状幅寸法kは単位コア1A〜1F個々の円弧状幅寸法と同等に設定されている。従って、今、図1(a)に二点鎖線で示す帯状コアたるヘリカル鉄心1(コイル2等を除く積層鋼板のみの形状を示す)は、プレート部材27の単位プレート38A〜38F毎に単位コア1A〜1Fが個々に対応して載置されるようにしている。
【0035】
これに伴い、各繋ぎ桟3は各単位プレート38A〜38F間の上記接合面と一致するとともに、支軸37の軸心である回動中心とも一致する関係にある。
尚、図1(a)に示す各単位プレート38A〜38Fの各リンクプレート36A〜36Fへの取付基部には、支軸37の頭部が干渉して当らないように切欠部39が形成されている。
【0036】
そして、各単位プレート38A〜38Fのうち左右両端部に位置する単位プレート38Aおよび38Fには、図1(a)に示すようにその上面後部に位置して、係合凸部としてのピン40が圧入等により植設され上方に突出している。更に、同単位プレート38Aおよび38Fの上面には、上記各ピン40のやゝ手前から前端部に亘り断面が半円形状の長溝41を夫々形成している。
【0037】
また、両端部の前方に位置するリンクプレート36Aおよび36Fには、コアクランプ機構42を夫々設けている。特に図3は、図示手前側にリンクプレート36Fに設けたコアクランプ機構42を一部切断して具体的に示している。
尚、その同図示下方部分については、詳細は後述するが前記鉄心クランプ装置26が前記第1のシリンダ機構15を介して支持された具体構成を開示したものである。
【0038】
従って、ここでは図3に基づき上記コアクランプ機構42の構成につき説明すると、このコアクランプ機構42は、まず細管状の筒状体43を該リンクプレート36F内に挿入した状態にて固定しており、これは前記長溝41の延長線上に対向して配設している。そして、この筒状体43の内部には前後方向にスライド可能な棒状のクランプロッド44が貫通して設けられ、先端部(後端部)には径大で少なくとも前記長溝41より一部が上部に突出する形状の頭部44aをスライド可能に設ける一方、前端部には図1(a)からも明らかなように前方に大きく突出し、その端部に摘み45が一体的に取着されている。
【0039】
また、径大な頭部44aと筒状体43の後端部との間には、圧縮コイルスプリング等による弾性体46が常に圧縮した状態、所謂弾発力が蓄積された状態で組み込まれ、従って頭部44aを介してクランプロッド44は常に後方に移動するように弾発力が付勢されている。しかるに、クランプロッド44と一体化された前記摘み45のボス部と前記筒状体43との接合面47には、互に一部傾斜した同形状のカム面が形成されている。
【0040】
これにより、摘み45を回動操作した場合、傾斜カム面である接合面47が図示するように互に密着状態にあるときと、互の傾斜カム面がずれて接合面47に隙間を生じさせ、その隙間相当分クランプロッド44を前方にスライド移動させたときとに操作可能としている。尚、この図3において、上記コアクランプ機構42に把持された単位コア1fを中央部分で切断した断面構成にて示しているが、これに装着されたスプール10が前記したように庇状に突出した形状をなしていることが理解できる。また、もう一方のリンクプレート36Aに設けられたコアクランプ機構42も上記と同一構成である。
【0041】
そしてまた、前後一対の各リンクプレート36Aおよび36Fは、他のリンクプレート36B〜36Eに比して図2に示すように下方に大きく延出され、その下方部位に短円柱状のカムフォロア48を同じく前後一対設けている。この一対のカムフォロア48の前後間隔は、前記したガイドレール32に装備された前後一対のカム34(図4に前方側の一方のみ示す)の間隔と対応している。
更にリンクプレート36Aおよび36Fには、図1(a)および図2に示すように、その平坦な上面を前後方向に横切るようにして1条の凹溝49が夫々形成されている。この凹溝49は、詳細な作用は後述するがヘリカル鉄心1に装着されたコイル2の口出し線を外部に導出するために設けられたものである。
【0042】
そして更に、上記リンク機構を構成する各一対のリンクプレート36A〜36Fのうち、リンクプレート36Aから一つ置きにリンクプレート36Cそして36Eにあっては、図1,2に示すようにその上部にストッパ部材51,52,53を夫々ボルト(図中符号dで示す)により締着固定している。そのうちのストッパ部材52および53は、いずれも当該リンクプレート36Cおよび36Eより長い形状にあって、その両端部が隣接する単位プレート38Bおよび38Dの上方に臨む位置まで突出している。
【0043】
但し、ストッパ部材53の図示右端部はリンクプレート36F上面の平坦部を臨むとともに、ストッパ部材51の左端部はリンクプレート36A上面の平坦部に接合していて、右端部のみが単位プレート36Bの上方に臨んで突出している。このような各ストッパ部材51〜53の突出した両端部(ストッパ部材51は右端部のみ)は、特に図2から明らかなように外方向に傾斜面となした衝止部51a,52a,52b,53a,53bを有しており、特に衝止部53aは他のものの倍の長さを得るべく右端部全体を上方に傾斜させた形態としている。
【0044】
このように構成された鉄心クランプ装置26は、図4に示されるように前記第1のシリンダ機構15に前記基台19を介して支持されている。具体的には、前記したように基台19は第1のシリンダ機構15に上下動可能に支持されている。そして、この基台19の中央上部に設けられた前記支持腕25は、図1および特には図3にて示したように溶接にてL字状に組立構成され、その水平で前方に長く延びた腕部25aに補助部材54を介在して前記した単位プレート38cとボルト(図中符号eで示す)を締結し連結固定している。以って、上記鉄心クランプ装置26は、基台19を介して第1のシリンダ機構15により上下動可能に支持されている。
【0045】
しかるに、基台19に設けられた前記第2のシリンダ機構20において、その上端部のリフタ−24の上方には特に図2に示すように前記リンクプレート36Eが位置しており、この一対のリンクプレート36Eの内側に夫々設けられた短円柱状のカムフォロア50と対向配置されている。従って、第2のシリンダ機構20が作動しロッド23が上昇したとき、リフタ−24がカムフォロア50を介してリンクプレート36Eを安定状態のもとに押し上げ上昇移動可能な構成としている。
【0046】
上記のように構成された曲げ装置14により、帯状コアたるヘリカル鉄心1を曲げ加工する動作について図4〜図8を中心に説明する。
特に図4〜図8は、曲げ加工の動作手順に基づく実施態様を示したもので、図4では曲げ装置14の全体構成と併せてヘリカル鉄心1を鉄心クランプ装置26にセットした状態を示している。尚、当該図中に示すヘリカル鉄心1は、図示簡素化のためスプール10やコイル2を除いた所謂積層鋼板による形状を二点鎖線にて示している。
【0047】
そこで、まず図1を参照して説明すると、ヘリカル鉄心1は図9(a)にて開示したようにスプール10およびコイル2を装着した形態にあるが、これをプレート部材27上に載置するに際して、まず両端部のリンクプレート36Aおよび36Fに設けられたコアクランプ機構42を操作して、クランプロッド44を手前に移動させておく。
【0048】
即ち、図3も併せて参照し説明すると、摘み45を回動操作することにより、そのボス部と筒状体43との接合面47に形成してある傾斜状のカム面が互いにずれて離反し、該摘み45が前方に移動する。従って、一体的なクランプロッド44も弾性体46に抗して、更に圧縮しながら前方たる反矢視方向にスライド移動する。
【0049】
次いで、プレート部材27の上面にヘリカル鉄心1を載置するのであるが、このとき図1(a)に二点鎖線で示す単位コア1Aおよび1Fのスプール10に形成された係合凹部11を、単位プレート38Aおよび38Fに植設した係合突部たるピン40に嵌め込み係合させた状態に配置する。これにより、単位コア1A〜1Fの円弧状外周面は各単位プレート38A〜38Fの個々に対応して載置されるとともに、各繋ぎ桟3は各単位プレート38A〜38Fの互いに隣接する接合面および支軸37の軸心と一致した態様を得る。この場合、スプール10は図9(a)に開示した如く単位ヨーク4の径方向外周面には突出することなく、即ち寸法g相当の表層部位が露出する形態にあり、従って該スプール10がプレート部材27上面に載置する際の妨げとなることはない。
【0050】
そして、この状態にて上記コアクランプ機構42を操作し、即ち摘み45を回動して接合面47が再び密着する方向に回動操作する。これにより、弾性体46の弾発力(復元力)にてクランプロッド44が矢視方向に移動し、単位コア1Aおよび1Fのスプール10からの露出部位(図9に寸法hで示す)を後方に押圧する。この結果、ヘリカル鉄心1はピン40と係合凹部11との係合と、一方ではクランプロッド44の頭部44aを介して後方に押圧される作用を受けて、該ヘリカル鉄心1はピン40とクランプロッド44との間に挟持される。
【0051】
従って、ヘリカル鉄心1は常に弾性体46の弾発力が付勢されており、その挟持方向への押圧作用が弛むことなく把持される。また、単位コア36Aおよび36Fは、具体的にはピン40とクランプロッド44の頭部44aとの間で挟持される場合、その弾発力は図3にて明示する如くスプール10ではなく単位コア36A,36Fの堅固な積層鋼板の表層部位にて受け止められるので強度的に優れ強く挟持するに適している。
斯くして、ヘリカル鉄心1全体はプレート部材27上の所定位置に所謂位置決めされた状態に設置され、且つ容易に移動することなく拘束状態にセットされる。また、この状態にて両端部の単位コア1A,1Fの各コイル2からの口出し線2a(図1のみに示す)を凹溝49内を通して前方外部に導出しておく。
【0052】
このように、ヘリカル鉄心1を鉄心クランプ装置26に設置してセットを終えると、図5に示すようにまず第1のシリンダ機構15が作動して、ロッド17を矢視方向に上昇せしめる。この結果、基台19は押し上げられるように上昇され、第2のシリンダ機構20および鉄心クランプ装置26とも、その状態を保持したまま上昇移動される。
【0053】
そして、芯金治具28に対向配置の一つの単位コア1Cにおいて、やがてその磁極片6の円弧状端面が上方の芯金治具28のスリーブ30に当接することによって、その位置で停止するとともに当該磁極片6は一対の回り止め部材32間に係合配置され、この押圧された状態で且つ容易に滑動しないように拘束状態に維持される。この場合、各磁極ティース5に装着されたスプール10は磁極片6の円弧状端面までは覆うことのないように、図9(a)に示したように寸法h相当の表層部位が露出した形態にあり、従って上記磁極片6の円弧状端面が芯金治具28の外周面に何ら支障なく接合することができる。尚、スリーブ30内には軸芯31が所定位置に挿入されていて、スリーブ30の径方向への伸縮作用は拘束されて該スリーブ30は所定の径大な状態に維持される。
【0054】
次いで、図6に示すようにシリンダ装置の第2のシリンダ機構20が作動して二連式のロッド23を矢視方向に上昇させる。すると、リフタ−24が一対のリンクプレート36Eの内側の一対のカムフォロア50を押し上げ、この結果、該リンクプレート36Eとこれの両隣のリンクプレート36Dおよび36Fはプレート部材27の構成上、前記したように下方向には回動できないので、一つの支軸37(リンクプレート36Dの左端側)を中心に直状に連なったまま共に上方向に回動する。
【0055】
従って、これらリンクプレート36D,36E,36Fに連結固定された対応の単位プレート38D,38E,38Fも右上がりの傾斜状態に変位せられ、これに設置されたヘリカル鉄心1の一つの単位コア1Dの左側の繋ぎ桟3部分から折り曲げられ、やがて当該単位コア1Dの磁極片6が芯金治具28の外周面に押し付けられる。
但しこのとき、磁極片6が確実に芯金治具28に押圧されるように十分な曲げ加工を行うため第2のシリンダ機構20の上昇ストロークを十分に確保する必要があることから、必要以上に折り曲げ力が加わる虞れが生ずる。
【0056】
しかしながら、本実施例ではリンクプレート36Dに対応する単位プレート38Dが所定角度まで回動し屈曲すると、この左側に隣接し停止状態にあるリンクプレート36Cに設けられたストッパ部材52の右端部の衝止部52aが該単位プレート38Dの上面に衝止され、それ以上の回動を阻止される(特に図8参照)。従って、これらに対応する単位コア1Cと1Dとの間の繋ぎ桟3を中心とした折り曲げ加工は必要角度以上には進行しない。
尚、上記繋ぎ桟3にて折り曲げられることにより、図9および図11で示したように該当の隣接するラップ部9同士は、交互に噛合した状態にラップする。
【0057】
また、この状態にあっては、右端部のリンクプレート36Fに設けられた一対のカムフォロア48は、右方側のガイドレール33に沿って移動するカム34のカム面34aと対向する位置に達しており、一方、左端部のリンクプレート36Aに設けられた一対のカムフォロア48は、前記した第1のシリンダ機構15により基台19を介して鉄心クランプ装置26を上昇させたときに、既に左方側のガイドレール33に沿って移動するカム34のカム面34aと対向する位置に維持されている。
【0058】
従って、この状態から更に進行し、左右一対のカム34がガイドレール33に沿って図7中の矢視方向である芯金治具28に向って共に前進移動することによって更に曲げ加工が進められ、最終的に該図7に示すように各カムフォロア48がフック部34b領域に取り込まれる位置まで移動することによって、ヘリカル鉄心1の円環状の曲げ加工が終了する(特に要部を拡大して示す図8参照)。
即ち、まず先の図6の状態において左右のカム34が共に中央側に前進移動してくると、左右両端部のカムフォロア48はカム面34aにすくい上げられるようにして該カム面34aに沿って上昇移動させられる。
【0059】
これにより、両端部のリンクプレート36Aと単位プレート38Aおよびリンクプレート36Fと単位プレート38Fが夫々の支軸37を中心に上方向へ回動するが、殆ど同時に続いてカム34が前進するに伴い追従して夫々隣接するリンクプレート36Bおよび36Eも持ち上げられるようにして回動される。従って、各単位コア1A,1Fに続いて他の単位コア1B,1Eも夫々の繋ぎ桟3を中心に折り曲げられ、個々の磁極片6の円弧状端面が芯金治具28の外周面に押し付けられて、曲げ加工が進められる。そして、図7,8に示すようにカム34が最も前進し且つ各カムフォロア48が該カム34のフック部34B領域に至って円環状に形成される。
【0060】
しかるに、斯かる曲げ加工する場合も上記したと同様にストッパ部材51〜53が有効に作用して、必要以上の回動を阻止し曲げ加工が過大に行なわれることを防ぐ。即ち、まず左方側のカム34による曲げ加工にあっては、ストッパ部材51および52の各衝止部51aおよび52bがその間に位置する単位プレート38Bの上面に衝止されることで、それ以上の個々の回動が阻止される。
【0061】
また、右方側のカム34による曲げ加工にあっては、ストッパ部材53の衝止部53bが停止状態にある単位プレート38Dの上面に衝止されて、リンクプレート36Eのそれ以上の回動は阻止され、また衝止部53aはリンクプレート36Fの上部平坦面に衝止されてそれ以上の回動が阻止される。以って、シリンダ装置を介してプレート部材27による過大な曲げ加工が施されることはなく円環状に形成するための曲げ精度を向上することができる。
【0062】
更には、ヘリカル鉄心1を設置するプレート部材27を構成するうちの両端部の単位プレート38Aおよび38Fは、対応する単位コア1Aおよび1Fと同等の幅広形状としているから、該コア1A,1Fの分断側の先端部まで曲げ加工が有効に作用する。尚、このようなカム34による曲げ加工については、必要に応じ該カム34による進退移動を複数回繰り返し実行して、より確実に曲げ加工を行うことも可能である。
【0063】
しかして、上記曲げ加工が終了すると、その状態を保持したまま上記両端部に位置する単位コア1A,1Fとの接合部13を溶接により結合する。即ち、本実施例ではレーザ用の溶接トーチ35を利用してレーザ溶接され、且つ該トーチ35を軸方向に移動させながら接合部13の全長に亘って溶接され、以ってステータコア12としての環状形成を終え該構成に維持される。
【0064】
このように、ヘリカル鉄心1は各単位コア1A〜1F間における各繋ぎ桟3にて折り曲げられるとともに、個々に隣接する各ラップ部9が交差状態に噛合して、その内外周が所定の円環状に形成される。そして、溶接を終え環状のステータコア12が完成すると、上記とは逆の手順でカム34が後退せられ、そして第2のシリンダ機構20が下降せられてプレート部材27は平坦状に復元する。更に、第1のシリンダ機構15が下降せられることにより、鉄心クランプ装置26は基台19と共に下降して図4に示す状態に復元する。
【0065】
一方、芯金治具28に嵌合した状態のステータコア12を取り外すべく、図示しないシリンダ機構が作動して軸芯31が後退移動させられる。この結果、径大に拘束保持されていたコレット形のスリーブ30は、その拘束から解除されスリット29を利用して伸縮可能な形態となるので、該スリーブ30の外周面に嵌合状態にあるステータコア12を前方に抜き取るようにすれば容易に取り外すことができる。
【0066】
以上説明したように本実施例によれば、帯状コアたるヘリカル鉄心1を鉄心クランプ装置26に設置するに際して、両端部に位置する単位コア1Aおよび1Fに設けた係合凹部11と、プレート部材27の上面に突出した係合凸部としてのピン40とを係合して設置するようにした。従って、ヘリカル鉄心1を設置する位置決めが容易にできるとともに、シリンダ装置の作動に伴いプレート部材27が屈曲しても容易には移動不能であること、および両端部に位置して上記凹凸係合がなされていることも相俟って当該所定位置に確実に保持できる。
この結果、曲げ装置14による曲げ精度が向上することはもとより、均一な品質を確保して効率良く製造できる。また、係合凹部11は単位コア1A〜1Fのスプール10を有効利用して設けることができるとともに、容易に形成できる点でも有効である。
【0067】
更には、鉄心クランプ装置26のプレート部材27は、各単位コア1A〜1Fに対応する複数の単位プレート38A〜38Fを屈曲可能にリンクプレート36A〜36Fにより連結した構成にあるが、そのうち少なくとも両端部の単位コア1Aおよび1Fを載置し且つ曲げ加工時に直接押圧する単位プレート38Aおよび38Fにあっては、該単位コア1A,1Fの載置される外周面域と同等の幅広の形状としたから、特にヘリカル鉄心1の分断する両端部の曲げが不十分となるのを防止でき、両端部の位置ずれをなくして接合を容易ならしめ、延いては円環状の精度を高めることができる。
【0068】
また、上記ピン40を利用した凹凸係合に加え、鉄心クランプ装置26には該ピン40と相対する側に、そのピン40方向に弾性体46の弾発力が付勢され進退可能なクランプロッド44を有したコアクランプ機構42を設け、該コアクランプ機構42を介して前記ピン40との間にヘリカル鉄心1を弾力的に挟持固定できるようにした。これにより、ヘリカル鉄心1の浮き上がりを抑制して全体を挟持固定するのに有効となり、曲げ加工時の鉄心クランプ装置42の作動変位に対しても所定位置に確実に把持できるとともに、結果として効率良く曲げ精度に優れた曲げ加工が期待できる。また、本実施例ではヘリカル鉄心1を弾性体46を主とした均等な押圧力により挟持固定するので該ヘリカル鉄心1を傷める虞れもなく把持できる点でも有効である。
【0069】
一方、ヘリカル鉄心1の内径部位の環状形成を兼ねた芯金治具28においては、そのスリーブ30の外周面に巻回されるヘリカル鉄心1の一部たる単位コア1Cの円弧状の磁極片6と係合する回り止め部材31を該スリ−ブ30に突設した。従って、ヘリカル鉄心1は芯金治具28とも不用意に滑動しない拘束状態に位置付けられるので、環状に曲げ加工されたヘリカル鉄心1の両端部(分断部)の接合部13に段差が生じるのを防止でき、その後に行なう溶接箇所が常に一定位置に設定できるなど、結果として曲げ精度の向上に繋がり高品質のステータコア12を提供できる。
【0070】
しかるに、上記したように第1,第2のシリンダ機構15,20等のシリンダ装置と節動的に屈曲可能なプレート部材27を有する鉄心クランプ装置26との協同作用によりヘリカル鉄心1の曲げ加工を行うに当り、通常は曲げ角度が不十分とならないように配慮されているが、これが逆に必要以上とする過大な曲げ角度の加工に繋がる虞れがある。これに対し、本実施例によればプレート部材27が所定角度を超えて屈曲変位するのを阻止するストッパ部材51〜53を設けたので、各単位コア1A〜1Fを均等に折り曲げることができ、以って全体を円環状とするための曲げ精度をより高めるのに有効である。
【0071】
また、鉄心クランプ装置26のプレート部材27は、リンク機構を構成するリンクプレート36A〜36Fを介して曲げ加工に必要な角度回動し所謂屈曲動作する。従って、曲げ加工時にはリンク機構等の回動部位が多く、ヘリカル鉄心1に巻装されたコイル2から導出された口出し線2aを噛み込んで、該コイル2を傷めたり回動部位の動きの妨げとなったりする虞れがある。しかるに、本実施例では両端部に位置するリンクプレート36Aおよび36Fの上面に前後方向に横切る凹溝49を設け、該凹部49に口出し線2aを引掛けるように通して前方外部に導出できるようにした。これにより、口出し線2aは表面上に徘徊することなく整理でき、リンク機構等の回動部位に噛み込む虞れも解消できる。
【0072】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えばヘリカル鉄心1は第1の鋼板7および第2の鋼板8を1枚ずつ交互に積層して形成したが、これに代えて複数枚ずつ交互に積層して形成しても良いし、スプール10およびコイル2の装着手段についてもステータコア12(電動機)の形態に応じて適宜の構成にて採用すれば良い。その他、ピン40と係合凹部11との係合個所とかコアクランプ機構42についてもヘリカル鉄心1の両端部以外に配置することも可能であるなど、実施に際し本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できるものである。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のステータコアの製造装置は、シリンダ装置と協同して鉄心クランプ装置に設置した帯状コアを曲げ加工して環状のステータコアを製造する装置にあって、前記帯状コアを鉄心クランプ装置との間で凹凸係合させた状態に設置できるようにした。また、帯状コアが載置され鉄心クランプ装置が有する屈曲可能なプレート部材に対し、該プレート部材が必要以上に曲げられないようにストッパ部材を設けた装置とした。
【0074】
斯かる製造装置によれば、帯状コアを鉄心クランプ装置のプレート部材上面に凹凸係合させて設置することで位置決めができるとともに、その所定位置に帯状コアを容易には移動不能に保持できる。また、係合凹部は単位コアが有するスプールを有効利用して設けることができ、容易に形成できる。そして、曲げ加工時にはストッパ部材によりプレート部材が所定角度を超えた屈曲変位は阻止されるので、各単位コアを均等に折り曲げることができる。従って、曲げ精度が向上することはもとより、効率良く均一な品質を確保できるステータコアの製造装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す鉄心クランプ装置の(a)平面図、および(b)同要部の断面図
【図2】鉄心クランプ装置の正面図
【図3】鉄心クランプ装置の一部切欠して示す要部の側面図
【図4】曲げ装置の全体の概略構成を示す図
【図5】曲げ装置の動作を説明するための図
【図6】曲げ装置の進行した動作を説明するための図5相当図
【図7】曲げ装置の更に進行した動作を説明するための図5相当図
【図8】曲げ装置の動作を説明するため図7の要部を拡大して示す図
【図9】(a)はスプールおよびコイルを装着したヘリカル鉄心の平面図、(b)は同要部の断面図
【図10】ヘリカル鉄心の外側面図
【図11】(a)はステータコアの平面図、(b)は同要部の断面図
【符号の説明】
1はヘリカル鉄心(帯状コア)、1A〜1Fは単位コア、2はコイル、3は繋ぎ桟、10はスプール、11は係合凹部、12はステータコア、13は溶接部(接合部)、14は曲げ装置、15は第1のシリンダ機構(シリンダ装置)、19は基台、20は第2のシリンダ機構(シリンダ装置)、26は鉄心クランプ装置、27はプレート部材、28は芯金治具、30はスリーブ、31は軸芯、32は回り止め部材、33はガイドレール、34はカム、36A〜36Fはリンクプレート(リンク機構)、37は支軸、38A〜38Fは単位プレート、40はピン(係合凸部)、41は長溝、42はコアクランプ機構、44はクランプロッド、48,50はカムフォロア、および51〜53はストッパ部材を示す。
Claims (6)
- コイル巻装部に絶縁樹脂製のスプールを装着した複数の単位コアを繋ぎ桟を介して連結してなる帯状コアと、この帯状コアを上面に載置するとともに上方向に節動的に屈曲可能なプレート部材を有する鉄心クランプ装置と、この鉄心クランプ装置を段階的に屈曲変位させるシリンダ装置とを具備し、前記帯状コアを曲げ加工することにより繋ぎ桟を折り曲げ環状のステータコアを製造する装置において、
前記帯状コアの単位コアのスプールに係合凹部を形成するとともに、該凹部に対応して前記プレート部材の上面に係合凸部を突設し、これら凹凸部を係合させて帯状コアを鉄心クランプ装置に設置するようにしたことを特徴とするステータコアの製造装置。 - 鉄心クランプ装置の係合凸部と相対する位置に、該凸部側に向って進退可能なクランプロッドを有するコアクランプ機構を設け、該コアクランプ機構を介して前記係合凸部との間に帯状コアを挟持するようにしたことを特徴とする請求項1記載のステータコアの製造装置。
- 鉄心クランプ装置の上方には、帯状コアが巻回されて環状に形成するための円筒状の芯金治具が配設され、該芯金治具の外周面には巻回される前記帯状コアの一部と係合する回り止め部材を突設したことを特徴とする請求項1記載のステータコアの製造装置。
- コイル巻装部に絶縁樹脂製のスプールを装着した複数の単位コアを繋ぎ桟を介して連結してなる帯状コアと、この帯状コアを上面に載置するとともに上方向に節動的に屈曲可能なプレート部材を有する鉄心クランプ装置と、この鉄心クランプ装置を段階的に屈曲変位させるシリンダ装置とを具備し、前記帯状コアを曲げ加工することにより繋ぎ桟を折り曲げ環状のステータコアを製造する装置において、
前記鉄心クランプ装置には、そのプレート部材が所定以上に屈曲するのを阻止するストッパ部材を設けたことを特徴とするステータコアの製造装置。 - 鉄心クランプ装置のプレート部材は、各単位コアに対応する複数の単位プレートを屈曲可能に連結してなり、そのうち少なくとも両端部の単位コアを載置する単位プレートにあっては、該単位コアの載置される外周面域と同等の幅広の形状としたことを特徴とする請求項1または4記載のステータコアの製造装置。
- 鉄心クランプ装置には、帯状コアに巻装されたコイルの口出し線を外部に導出するための凹溝を有することを特徴とする請求項1または4記載のステータコアの製造装置。
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