JP4266292B2 - 歯科材料及びキット並びに歯科硬化物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔に配置される歯科硬化物を調製するのに用いられる歯科材料に関し、詳しくは、重合性レジン成分と重合開始剤と硬化促進剤とを含む歯科材料ならびにキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
重合性レジン成分(モノマー成分)を含む歯科用組成物を重合・硬化させて調製された歯科硬化物は、その組成、特性、用途に応じて接着材、合着材、充填材、補綴材等に分類されて歯科分野で用いられている。
歯科用組成物を調製するにあたっては、通常、重合開始剤(重合触媒)の他に重合・硬化反応を促進させる作用を奏する物質が硬化促進剤として添加されている。例えば歯科硬化物が合着用セメント(グラスアイオノマー系)である場合、当該硬化物の原料たる歯科用組成物を歯科分野で要求される時間内(7.5分以内:JIS T 6607参照)で速やかに硬化させるための添加物として硬化促進剤が用いられている。
従来、かかる硬化促進剤として、種々のアミン、ペルオキシド、リン酸化合物、メルカプタン、ケトン等が用いられている。例えば、特開2002−145715号公報、特開2001−302429号公報、特開2000−178113号公報、特開2000−159621号公報、特表2000−513339号公報、特開平11−228327号公報、特開平8−245330号公報、特開平6−227935号公報には、硬化促進剤として種々のアミン類が添加された歯科用組成物が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアミン等の硬化促進剤は、口腔に配置される歯科硬化物の原材料たる歯科用組成物の硬化時間の調節に関して適切ではあるものの、人(患者、医師、歯科技工士等)や環境に優しいという観点からみて不十分であった。
例えば、アミンやメルカプタンは独特の臭いを発するものであり、歯科用組成物の調製時あるいは口腔への適用時において、臭いに敏感な患者や作業者に対し不快な思いをさせる場合もあり得た。また、ケトンやリン酸化合物は、使用済み品や余剰品の廃棄場所や廃棄方法に留意する必要もあった。
【0004】
そこで本発明は上述の従来の硬化促進剤に係わる課題を解決するべく創出されたものであり、その目的とするところは、歯科用組成物の硬化時間を適切に調節し得ると共に、人や環境に優しい硬化促進剤を備えて成る歯科硬化物製造用材料(以下「歯科材料」という。)及びキット並びに該歯科材料を用いて歯科硬化物を製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記課題を解決すべく本発明によって提供される歯科材料は、1種又は2種以上の重合性モノマーと、重合開始剤と、硬化促進剤とを主要構成要素とする。そして、かかる硬化促進剤は、アルカリ金属のハロゲン化物(好適例としてはナトリウムの塩化物又は臭化物)と水溶性カルボン酸(好適例としては酒石酸)とから実質的に構成されている。
本明細書において「歯科材料」とは、所定の歯科硬化物を製造するのに用いられる個々の原料物質(要素)の集合物をいう。従って、歯科材料を構成する各要素が合わさって一つの混合物(即ち歯科用組成物)を形成している場合に限定されず、当該混合物を形成する前段階で各要素が個別に包装されて寄り集められている形態のものも本明細書にいう歯科材料に包含される。
【0006】
本発明の歯科材料は、好ましくはキットの形態で取引きされる。すなわち、本発明によって提供される歯科硬化物製造用のキットは、上記本発明の歯科材料を本質的に内在するものであり、相互に独立した第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを備える。第1コンポーネント(構成物)には、1種又は2種以上の重合性モノマーが含まれる。第2コンポーネント(構成物)には、1種又は2種以上の重合開始剤が含まれる。そして、第1コンポーネント及び第2コンポーネントの少なくともいずれか一方には、アルカリ金属のハロゲン化物(好適例としてはナトリウムの塩化物又は臭化物)と水溶性カルボン酸(好適例としては酒石酸)とから実質的に構成される硬化促進剤が含まれる。
【0007】
本発明の歯科材料及びキットでは、アルカリ金属のハロゲン化物(好適例としてはナトリウムの塩化物又は臭化物)と水溶性カルボン酸(好適例としては酒石酸)との組み合わせから成る硬化促進剤を使用する。これら化合物を組み合わせると、歯科用組成物の硬化反応(重合反応)を適切に促進することができる。
また、本発明に係る硬化促進剤は、アミン、メルカプタン等のような不快臭が生じない。このため、患者や作業者の臭覚を刺激して不快感を生じさせることなく、当該歯科材料延いては当該歯科材料から調製された歯科用組成物および歯科硬化物を取り扱うことができる。また、本発明に係る硬化促進剤は廃棄処理が比較的容易であり、環境に優しい。
【0008】
本発明によって提供される歯科材料及びキットとして好ましい一つは、前記アルカリ金属がナトリウムであることを特徴とする。
また、本発明の歯科材料及びキットとして好ましい他の一つは、前記カルボン酸として炭素数が9以下のジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸(特に好ましくは酒石酸)を含むことを特徴とする。
ナトリウムのハロゲン化物(塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等)及び/又は上記組成の比較的低分子量のカルボン酸(特に好ましくは酒石酸)を構成要素とする硬化促進剤を用いると、人や環境に優しく且つ硬化促進作用に優れる歯科用組成物を調製することができる。
【0009】
また、前記硬化促進剤はアルカリ金属原子1モル(例えばナトリウム原子1モル)に対して0.8〜1.2モルのカルボキシル基が存在するように構成されていることが特に好ましい。
かかる配合比のハロゲン化物(特に好ましくはナトリウムの塩化物又は臭化物)とカルボン酸(特に好ましくは酒石酸)とから実質的に構成された硬化促進剤を用いると、より硬化促進作用に優れる歯科用組成物を調製することができる。
【0010】
また、本発明の歯科材料及びキットとして好ましい他の一つは、重合開始剤として光重合開始剤を含む。上記硬化促進剤は、特に光重合(すなわち光硬化)を促進することができる。
【0011】
また、本発明の歯科材料及びキットとして好ましい他の一つは、主要構成要素としてさらにフルオロアルミノシリケートガラスと、α,β不飽和カルボン酸重合体とを有する。キットでは、前記第1コンポーネント及び第2コンポーネントのいずれか一方にはフルオロアルミノシリケートガラスが含まれており、他方にはα,β不飽和カルボン酸重合体が含まれる。
かかる構成の歯科材料及びキットによると、人や環境に優しく且つ硬化促進作用に優れるグラスアイオノマー系の歯科硬化物(セメント等)を製造することができる。
【0012】
また、本発明は、口腔に配置される歯科硬化物を製造する方法を提供する。この方法は、1種又は2種以上の重合性モノマーと、重合開始剤と、アルカリ金属のハロゲン化物(好適例としてはナトリウムの塩化物又は臭化物)及びカルボン酸(好適例としては酒石酸)から実質的に構成されている硬化促進剤とを含む歯科用組成物を調製する工程、および、前記歯科用組成物を硬化させて歯科硬化物を得る工程を包含する。この製造方法によると、人や環境に優しく且つ硬化促進作用に優れる歯科用組成物を調製することができる。
本発明の製造方法は、上述の歯科材料或いはキットのいずれかを用いて実施することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0014】
本発明の歯科材料及びキットは、1種又は2種以上の重合性モノマーと、重合開始剤と、硬化促進剤とを主要構成要素とすることで特定され得るものであり、重合開始剤及び硬化促進剤の作用・効果を損なわない限りにおいて他の成分を含み得る。
本発明の歯科材料は、その構成要素の内容に応じて、接着材、合着材、充填材、補綴材、或いはその他の歯科分野で利用される材料(硬化物)を製造するのに使用することができる。本発明の歯科材料は、その構成要素の内容に応じて、レジン系材料、グラスアイオノマー系材料等に分類され得るがかかる分類自体は本発明を把握するうえで特に意義はない。
【0015】
本発明の歯科材料を構成する重合性モノマーとして、従来から歯科用組成物の調製に用いられていた種々のモノマーを用いることができる。メタクリレート系モノマー、アクリレート系モノマー(以下、両者を合わせて(メタ)アクリレートと表記する。)、ウレタン系モノマー等が好適であるがこれらに限られない。後述するグラスアイオノマー系セメントを構成する材料と一緒に用いる場合は、酸基(カルボン酸,リン酸、硫黄、ホウ酸等)を含まない重合性モノマーが好適である。
好適な(メタ)アクリレート系モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、好適なウレタン系モノマーとして、UDMA(ウレタンジメタクリレート)が挙げられる。例えば、UDMAに包含されるモノマーとして、ジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン([2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート)が挙げられる。
使用する重合性モノマーは、1種に限られず、2種以上のモノマー(例えば(メタ)アクリレート系モノマーとウレタン系モノマー)を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
本発明の歯科材料を構成する重合開始剤としては、歯科用組成物に含ませる開始剤として従来用いられていた光重合開始剤や化学重合開始剤を特に制限なく使用することができる。
例えば、光重合開始剤としては、カンファーキノン等のジケトン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド誘導体、等が挙げられる。その他、アミノアセトフェノン類が挙げられる。
また、化学重合開始剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ジt−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カリウム、m−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−フルオロベンゼンスルフィン酸ナトリウム等のスルフィン酸塩、等が挙げられる。その他、トリフェニルボラン、トリブチルボラン等のホウ素化合物が挙げられる。
本発明に係る歯科材料においては、光重合開始剤と化学重合開始剤とを併用してもよい。両者を併用することにより、化学重合による重合性モノマーの速やかな重合反応と、光照射による急激な光重合反応とを共に実現することができる。どちらのタイプ(又は両者)の重合開始剤を用いるかは、用途に応じて適宜決定するとよい。例えば、歯科硬化物がう蝕窩洞の充填材である場合は、化学重合開始剤及び光重合開始剤の併用が好ましい。インレーやクラウンの合着用として歯科硬化物を用いる場合は、化学重合開始剤が好ましい。使用する重合開始剤の種類に応じて、使用するモノマーの種類を適宜決定するとよい。
【0017】
本発明に係る硬化促進剤を構成する水溶性カルボン酸としては、炭素数が少ない比較的低分子のものが好ましい。一分子の炭素数が9以下であるものが特に好ましい。
この目的に好ましいカルボン酸としては、カルボキシル基を分子中1個有する乳酸、酢酸、グルコン酸、サリチル酸、または分子中2個有するシュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、グルタミン酸、あるいは分子中3個以上有するクエン酸やエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などが挙げられる。これらのうち、ヒドロキシカルボン酸であるものが特に好ましい。
一方、アルカリ金属のハロゲン化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの塩化物、臭化物等が挙げられる。塩化物が好適である。アルカリ金属としてはナトリウムが好ましい。塩化ナトリウムが特に好ましい。
【0018】
本発明の硬化促進剤を調製するにあたって、使用するカルボン酸及びハロゲン化物はそれぞれ1種に限られず、2種以上のカルボン酸やハロゲン化物を適宜組み合わせて用いることができる。
また、カルボン酸とアルカリ金属ハロゲン化物の配合比は、両者の間に顕著な量的不均衡が生じない程度であれば特に制限はないが、アルカリ金属原子1モルに対して0.8〜1.2モルのカルボキシル基が存在するような配合比が好ましい。アルカリ金属原子1モルに対して0.9〜1.1モルのカルボキシル基が存在する(典型的にはアルカリ金属原子とカルボキシル基とが実質的に等モル存在する)ように両者を配合するのが特に好ましい。このような配合比とすることにより、重合反応をより効果的に促進することができる。
【0019】
本発明の歯科材料及びキットには、上記主要構成要素の他、使用目的に応じて種々の副成分を含有させることができる。例えば、グラスアイオノマー系歯科硬化物(セメント材等)を製造するための歯科材料を得るには、上記の各主要構成要素(レジン系構成要素)の他に、フルオロアルミノシリケートガラス及びα,β不飽和カルボン酸重合体を含ませる。
【0020】
かかるフルオロアルミノシリケートガラスとしては、従来から歯科用グラスアイオノマーセメント調製用として用いられてきたものを特に制限なく使用することができる。シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、種々のフッ化物(例えばCaF2、BaF2、AlF3)の他、リン酸成分(AlPO4等)や亜鉛成分(ZnO等)を含み得る。
一方、α,β不飽和カルボン酸重合体としては、上記フルオロアルミノシリケートガラス(典型的には粉末)と混合された際に硬化反応を起こし得るものであればよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸の重合体又はそれら不飽和カルボン酸同士の共重合体或いはそれらカルボン酸と他のモノマー(例えばアクリルアミド、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化アリル、ビニルアセテート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート)との共重合体が挙げられる。アクリル酸の重合体及び共重合体が特に好ましい。
なお、特に限定しないが、フルオロアルミノシリケートガラス等を含む歯科材料から調製した歯科用組成物において好ましい粘度を実現させる等の観点から、使用するα,β不飽和カルボン酸重合体の分子量は、2000〜100000(質量平均分子量)が好ましく、5000〜50000の範囲が特に好ましい。
【0021】
本発明の歯科材料には、使用目的に応じて種々のフィラーを含ませてもよい。例えば、好適な非反応性無機系フィラーとしては、アルカリアルミノシリケートガラス、シリカ(石英、珪砂等)、窒化物(窒化ケイ素等)、各種シリケート(例えば長石、ボロシリケートガラス、カオリン、タルク)等が挙げられる。また、非反応性有機系フィラーとしては、ポリカーボネートやポリエポキシド等が挙げられる。
また、製造される歯科硬化物(合着用或いは接着用のセメント硬化物、充填物、補綴物等)の機械的特性、化学的特性および審美性を向上させる目的で種々の添加剤を添加することができる。例えば、本発明の目的を阻むものでない限り、防腐剤、着色剤、粘度調整剤、重合禁止剤、UV吸収剤、う蝕防止剤、界面活性剤、香料等を適宜配合してもよい。
【0022】
本発明の歯科材料及びキットを構成する各構成要素(成分)の形態に特に制限はない。従来の歯科材料と同様、典型的には、各構成要素はそれぞれ粉末又は溶液(分散液を包含する。以下同じ。)の形態で存在し得る。或いは、粉状物と適当な媒質とを組み合わせてペースト(又はスラリー)の形態で存在し得る。
例えば、主要構成要素として上記重合性モノマー、重合開始剤、硬化促進剤、フルオロアルミノシリケートガラス及びα,β不飽和カルボン酸重合体を有する歯科材料及びキットの場合、典型的には、重合性モノマー、硬化促進剤(例えば塩化ナトリウムと酒石酸)及びフルオロアルミノシリケートガラスは、粉末又はペーストの状態で維持・保管され得る。一方、重合開始剤及びα,β不飽和カルボン酸重合体は、溶液又はペーストの状態で維持・保管され得る。
【0023】
次に、本発明の歯科材料及びキットの調製について説明する。本発明の歯科材料の調製は、従来の歯科材料(粉末、溶液、ペースト)について行われている一般的な調製手段に準じればよく、特別な処理を必要としない。例えば、好ましくは平均粒径が0.01〜50μm程度の粉末状原料(例えば、塩化ナトリウム粉末、酒石酸、クエン酸等の低分子量カルボン酸粉末、フルオロアルミノシリケートガラス粉末、その他の無機系又は有機系フィラー)をそれぞれ用意した後、それらを適切な配合比で混合することによって所定の混合粉末材料を得ることができる。また、かかる粉末材料を所定の媒質(水等)に分散することによってペースト(スラリー)状材料を得ることができる。或いは、溶解可能な重合開始剤、硬化促進剤、α,β不飽和カルボン酸重合体、その他の無機系又は有機系フィラーを適当な配合比で水その他の溶媒に投入することによって、溶液状原料を得ることができる。
【0024】
なお、いくつかの原料を配合して一つの混合材料を調製する場合には、その組み合わせに留意することは従来の歯科材料(キット)を製造する場合と同様である。典型的には、一緒に存在することによって重合等の硬化反応が非コントロール下に開始され得る物質同士を混合して保管することは避ける。例えば、上述のフルオロアルミノシリケートガラス粉末とα,β不飽和カルボン酸重合体とは混合させずに保管することが望ましい。また、上述の重合性モノマー及び重合開始剤についても混合させずに保管することが望ましい。
従って、例えば、キットにおいて二つのコンポーネント(構成物)に上記の構成要素を割り振る場合、上記重合性モノマーとフルオロアルミノシリケートガラス(粉末)と硬化促進剤とを含むペースト状又は粉状の第1コンポーネントを調製し、上記α,β不飽和カルボン酸重合体と重合開始剤とを含むペースト状又は液状の第2コンポーネントを調製するとよい。かかる第1および第2のコンポーネントを備えるレジン配合型グラスアイオノマー系歯科硬化物製造用キットは、本発明によって提供されるキットの好適な一形態である。
【0025】
フルオロアルミノシリケートガラス等の不溶性粉末原料の粒径は歯科分野での使用において特に問題が生じない限り特に制限されるものではないが、BET法等に基づく平均粒径が0.1〜10μm程度であることが好ましく、平均粒径1〜5μmが特に好ましい。平均粒径が過剰に大きい粉体を用いると、それから得られる歯科硬化物の表面平滑性や審美性が損なわれる虞があり、或いは歯科セメントとして用いる場合は装着部位の封鎖性能を損なう虞もあるため好ましくない。また、平均粒径が過剰に小さい場合には、充填効率等は良いものの操作性の観点からは好ましくない。
【0026】
本発明の歯科材料(即ち各原料の集合物)及びキットを構成する各原料の質量(重量)割合は、用途に応じて異なり得るものであり特に制限はない。好ましくは、歯科用組成物を調製した際、硬化促進剤100質量部(重量部)に対して重合開始剤が1〜100質量部含まれるようにするとよい。また、重合開始剤は、その種類に応じて異なり得るので特に限定するものではないが、カンファーキノン等の光重合開始剤の場合、好ましくは、歯科用組成物を調製した際、重合性モノマー100質量部に対して0.1〜10質量部(特に好ましくは0.5〜5質量部)含まれるようにするとよい。歯科材料全体に占める他の構成要素それぞれの質量割合は、製造する歯科材料の使用目的に応じて適宜設定すればよい。
【0027】
例えば、レジン配合型グラスアイオノマー系歯科セメントを製造するための歯科材料の場合、歯科用組成物を調製した際に、重合性モノマー10〜20質量%、重合開始剤0.1〜2質量%、硬化促進剤1〜5質量%、フルオロアルミノシリケートガラス粉末40〜50質量%、α,β不飽和カルボン酸重合体15〜25質量%、水(脱イオン水)15〜25質量%となるように各構成要素の質量割合を定めるとよい。上述の第1及び第2のコンポーネントを備えるレジン配合型グラスアイオノマーセメント系歯科硬化物製造用キットの場合は、歯科用組成物(硬化物を得るための混合物)に含まれる各構成要素の質量比が上記範囲となるように予め二つのコンポーネントの組成及び配合比を決めておくとよい。
例えば、重合性モノマー10〜20質量部とフルオロアルミノシリケートガラス粉末40〜50質量部と硬化促進剤1〜5質量部とを含む粉状の第1コンポーネントと、α,β不飽和カルボン酸重合体15〜25質量部と重合開始剤0.1〜2質量部とイオン交換蒸留水15〜25質量部とを含むペースト又は液状の第2コンポーネントとを備えるキットであれば、これら二つのコンポーネントを質量比1:1で混合することによって、目的とする歯科用組成物を調製することができる。
上記配合比の各構成要素から成る歯科用組成物は、JIS T 6607に基づく硬化時間(即ちビカー針による測定時間)が6分台〜7分台であり得る。このような硬化時間の歯科用組成物は、合着用歯科セメントを製造するのに好ましい。
【0028】
本発明の歯科材料及びキットは、歯科硬化物を製造するための歯科用組成物を調製するのに使用される。かかる歯科用組成物の調製自体は、従来の歯科材料を用いる場合と同様でよく、特に本発明を特徴付けるものではない。例えば、液状タイプの各材料に粉末タイプの各材料を所定の配合比で混合することにより、歯科用組成物を得ることができる。あるいは、粉末タイプの各材料を予め所定の配合比で混合しておき、その後に水等の媒質を添加して混練してもよい。
【0029】
得られた歯科用組成物は、用途に応じて口内或いは外部にて重合反応(硬化反応)を起こさせ、口腔内部の配置箇所に対応する形状(不定形状である場合を包含する。)の歯科硬化物を形成する。例えば、光重合開始剤を含む歯科用組成物の場合は、紫外線又は可視光線等を当該組成物に照射することにより、歯科用組成物中の重合性モノマーの重合・硬化を起こさせる。一方、化学重合開始剤を含む歯科用組成物の場合は、一般に歯科材料を混合すると同時に重合が開始される。かかる重合反応の進行速度、換言すれば硬化の速度は、重合開始剤及び/又は硬化促進剤の添加量を適宜変更することによって調節することができる。また、重合禁止剤,紫外線吸収剤等の助材を添加することによっても調節することができる。
【0030】
本発明によって提供されるキット(歯科用組成物調製用セット)には、本発明に係る歯科材料を内包する複数のコンポーネント(典型的には粉末、ペースト又は溶液のいずれかを含む複数の容器)の他、歯科用組成物を調製するのに用いられる器具を備える。この種の器具としては、計量カップ、各種のシリンジ、スパチュラ等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下に説明する実施例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0032】
[グラスアイオノマー系セメントの製造]
重合性モノマー、光重合開始剤(重合触媒)、フルオロアルミノシリケートガラス、α,β不飽和カルボン酸重合体、硬化促進剤及びイオン交換蒸留水から成る歯科材料を用意し、表1に示す組成の実施例1,2ならびに比較例1〜5の歯科用組成物を調製した。
【0033】
【表1】
【0034】
<実施例1> 4質量部の2-ヒドロキシエチルメタクリレート(以下「HEMA」という。)、10質量部のジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン(以下「UDMA」という。)、0.1質量部のカンファーキノン、46質量部のフルオロアルミノシリケートガラス粉末(市販のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により測定した平均粒径:4μm、成分:SiO2、Al2O3、CaF2、BaF2、AlF3、AlPO4、ZnO、但し全体の重量の約0.25%に相当する量の酒石酸を含む、比重:2.96)、20質量部のα,β不飽和カルボン酸重合体(質量平均分子量:ポリエチレングリコール(PEG)換算で20000〜40000)、20質量部のイオン交換蒸留水、ならびに、硬化促進剤としての1.2質量部の塩化ナトリウム及び1.5質量部の酒石酸を十分に撹拌、混合してペースト状の歯科用組成物を調製した。
【0035】
<実施例2> 使用した硬化促進剤が2.1質量部の臭化ナトリウム及び1.5質量部の酒石酸であることを除き、実施例1と同様の配合比で各材料を混合してペースト状の歯科用組成物を調製した。
【0036】
<比較例1> 硬化促進剤を添加していないことを除き、実施例1と同様の配合比で各材料を混合してペースト状の組成物を調製した。
【0037】
<比較例2> 実施例1の硬化促進剤に相当する物質として0.8質量部の塩化ナトリウムのみ(酒石酸無添加)を添加したことを除き、実施例1と同様の配合比で各材料を混合してペースト状の組成物を調製した。
【0038】
<比較例3> 実施例1の硬化促進剤に相当する物質として1.2質量部の塩化ナトリウムのみ(酒石酸無添加)を添加したことを除き、実施例1と同様の配合比で各材料を混合してペースト状の組成物を調製した。
【0039】
<比較例4> 実施例1の硬化促進剤に代えて0.82質量部の水酸化ナトリウム及び1.5質量部の酒石酸を添加したことを除き、実施例1と同様の配合比で各材料を混合してペースト状の組成物を調製した。
【0040】
<比較例5> 実施例1の硬化促進剤に代えて1.45質量部の硫酸ナトリウム及び1.5質量部の酒石酸を添加したことを除き、実施例1と同様の配合比で各材料を混合してペースト状の組成物を調製した。
【0041】
[レジン系セメントの製造]
重合性モノマー、光重合開始剤、硬化促進剤及びイオン交換蒸留水から成る歯科材料を用意し、表2に示す組成の実施例3,4ならびに比較例6の歯科用組成物を調製した。
【0042】
【表2】
【0043】
<実施例3> 4質量部のHEMA、10質量部のUDMA、0.1質量部のカンファーキノン、1質量部のイオン交換蒸留水、ならびに、硬化促進剤としての0.117質量部の塩化ナトリウム及び0.15質量部の酒石酸を十分に混合して液状の歯科用組成物を調製した。
【0044】
<実施例4> 使用した硬化促進剤が0.206質量部の臭化ナトリウム及び0.15質量部の酒石酸であることを除き、実施例3と同様の配合比で各材料を混合して、液状の歯科用組成物を調製した。
【0045】
<比較例6> 硬化促進剤及び水を添加していないことを除き、実施例3と同様の配合比でHEMA、UDMA及びカンファーキノンを混合して、液状の組成物を調製した。
【0046】
[硬化時間等の評価]
次に、各実施例及び比較例に係る組成物の硬化時間をJIS T 6607に準じて測定した。
すなわち、ガラス板上に配置された円筒形の硬化時間試験用型(内径10mm×高さ5mm)内に上記実施例又は比較例の組成物を充填して表面を平らにする。各材料の混合開始(即ち組成物の調製開始)から2分経過した時点で、この型を37℃、相対湿度95〜100%の恒温器に移した。次いで、質量300g、針の断面積1mm2のビカー針を充填物の表面に静かに落とした。このとき、針跡が付くかどうかを調べた。この操作を繰返し、針跡が付かなくなったときを各材料の混合開始から起算してこの組成物の硬化時間とした。この試験を3回行い、その平均値を表3及び表4に示した。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
表3及び表4に示すように、重合性モノマー、フルオロアルミノシリケートガラス、ポリカルボン酸等の主成分含有量が略等しいにも拘わらず、各比較例の組成物と比較して各実施例の歯科用組成物は硬化時間が短くなっている。この結果は、本発明に係る硬化促進剤、即ちアルカリ金属ハロゲン化物と典型的には炭素数9以下の水溶性カルボン酸とを組み合わせて歯科用組成物に配合することによって当該組成物の硬化時間を著しく短縮し得ることを示すものである。
特にグラスアイオノマーセメント調製用として調製した二つの組成物(実施例1及び2)はいずれも6分台の硬化時間を実現している。従って、これら歯科用組成物は合着用セメントして好適である。
【0050】
使用した硬化促進剤における酒石酸とナトリウム化合物(塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等)の質量比(酒石酸/ナトリウム化合物)を表3及び4の該当欄に示した。
表3に示すとおり、実施例1の組成物の酒石酸/ナトリウム化合物(NaCl)の値は1.25である。この値から導かれるナトリウム原子(イオン)数に対する酒石酸のカルボキシル基数の比:COOH(モル)/Na(モル)は約1である。また、実施例2の組成物の酒石酸/ナトリウム化合物(NaBr)の値は0.71であり、COOH(モル)/Na(モル)は約1である。つまり、実施例1及び2の歯科用組成物は、いずれもナトリウム原子(イオン)1モルに対して約1モルのカルボキシル基(イオン化された基を包含する)が存在している。これら実施例の結果から明らかなように、ナトリウム等のアルカリ金属原子1モルに対して0.8〜1.2モルのカルボキシル基が存在するように構成された硬化促進剤が、特に効果的に硬化時間を短縮することができる。
【0051】
また、各実施例及び各比較例の歯科用組成物は、いずれも硬化促進剤としてアミン類を含んでいない。このため、組成物調製作業中にアミン等に由来する不快臭は発生しなかった(表中に無しと表示)。
以上の結果から明らかなように、本発明に係る硬化促進剤を用いることによって、適切な硬化時間を実現すると共に、人や環境に優しい(典型的には不快臭がない)歯科材料及びキット並びに該歯科材料から調製された歯科用組成物から成るセメント(合着材、修復材等)その他の歯科硬化物を得ることができる。
【0052】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
Claims (11)
- 1種又は2種以上の重合性モノマーと、重合開始剤と、硬化促進剤とを主要構成要素とし、
その硬化促進剤は、ナトリウムの塩化物又は臭化物と、酒石酸とから実質的に構成されている、歯科材料。 - 前記硬化促進剤は、ナトリウム原子1モルに対して0.8〜1.2モルのカルボキシル基が存在するように構成されている、請求項1に記載の歯科材料。
- 前記重合開始剤として光重合開始剤を含む、請求項1又は2に記載の歯科材料。
- 主要構成要素としてさらにフルオロアルミノシリケートガラスと、α,β不飽和カルボン酸重合体とを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の歯科材料。
- 相互に独立した第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを備え、
第1コンポーネントには1種又は2種以上の重合性モノマーが含まれており、
第2コンポーネントには1種又は2種以上の重合開始剤が含まれており、
第1コンポーネント及び第2コンポーネントの少なくともいずれか一方には、ナトリウムの塩化物又は臭化物と酒石酸とから実質的に構成される硬化促進剤がさらに含まれている、歯科硬化物製造用キット。 - 前記硬化促進剤は、ナトリウム原子1モルに対して0.8〜1.2モルのカルボキシル基が存在するように構成されている、請求項5に記載のキット。
- 前記重合開始剤として光重合開始剤を含む、請求項5又は6に記載のキット。
- 前記第1コンポーネント及び第2コンポーネントのいずれか一方にはフルオロアルミノシリケートガラスが含まれ、他方にはα,β不飽和カルボン酸重合体が含まれる、請求項5〜7のいずれかに記載のキット。
- 口腔に配置される歯科硬化物を製造する方法であって、
1種又は2種以上の重合性モノマーと、重合開始剤と、ナトリウムの塩化物又は臭化物及び酒石酸から実質的に構成されている硬化促進剤とを含む歯科用組成物を調製する工程、および、
前記歯科用組成物を硬化させて歯科硬化物を得る工程、
を包含する、歯科硬化物製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の歯科材料を用いて前記歯科用組成物を調製することを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
- 請求項5〜8のいずれかに記載のキットを用いて前記歯科用組成物を調製することを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
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