JP4265337B2 - カラーインクジェット記録装置及びカラーインクジェット記録方法 - Google Patents

カラーインクジェット記録装置及びカラーインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、カラーインクジェット記録装置、及びカラーインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット方式のフルカラープリンタが広く用いられている。このインクジェット方式によるプリンタには、発熱素子が発生する気泡の力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式や、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形によってインク滴を飛ばすピエゾ方式等がある。
フルカラー印字では、通常、減法混色の三原色であるイエロー(黄色)、マゼンタ(赤色染料名)及びシアン(緑味のある青色)の3色のインクを用い、必要に応じて、文字や画像の黒色部分に専用されるブラック(黒)を加えた4色のインクを用いて行なわれる。
これらは、色材たるインクを印字ヘッドのインク吐出ノズルからインク滴にして噴射させて、そのインク滴を紙、布などの被記録材に吸収させて文字や画像等の記録(印字、印刷)を行なうものであり、特別な定着処理を要することなく、構成も簡単で、個人用のプリンタとして広く使用されている。(例えば、特許文献1参照。)
図9は、そのような従来のフルカラー印字を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)の構成を模式的に示す斜視図である。同図に示すプリンタ1は、家庭で個人的に使用される小型のプリンタであり、キャリッジ2に印字を実行する印字ヘッド3とインクを収容しているインクカートリッジ4が取り付けられている。
キャリッジ2は、一方ではガイドシャフト5により滑動自在に支持され、他方では歯付き駆動ベルト6に固着している。これにより、印字ヘッド3及びインクタンク4は、図の両方向矢印Bで示す装置本体(プリンタ1)の幅方向、つまり印字の主走査方向に往復駆動される。この印字ヘッド3と装置本体の不図示の制御装置との間にフレキシブル通信ケーブル7が接続され、このフレキシブル通信ケーブル7を介して制御装置から印字データと制御信号が印字ヘッド3に送出される。
この印字ヘッド3に対向し、印字ヘッド3の上記主走査方向に延在して、装置本体のフレーム8の下端部にプラテン9が配設されている。このプラテン9に接して用紙10が給紙ローラ対11(下のローラは用紙10の陰になっていて図では見えない)と排紙ローラ対12(下のローラは同様に陰になって見えない)により図の矢印Cで示す印字副走査方向(図の斜め左下方向)に間欠的に搬送される。
この用紙10の間欠搬送の停止期間中に、印字ヘッド3は、モータ13により歯付き駆動ベルト6及びキャリッジ2を介して駆動されながら、用紙10に近接した状態でインク滴を噴射して紙面に印字する。この用紙10の間欠搬送と印字ヘッド3による往復移動時の印字との繰り返しによって用紙10の全面に印字を行う。そして、印字で消費されたインクは、インクカートリッジ4から印字ヘッド3に補給される。
印字ヘッド3とインクカートリッジ4の構成では、キャリッジに印字ヘッド3が固定されていて、この印字ヘッド3にインクカートリッジ4が着脱自在に係合して一体化するようになっているものや、又は印字ヘッド3とインクカートリッジ4とが共にヘッドユニットとして初めから一体に構成されてキャリッジ2に着脱自在に固定されるものとがある。図9に示すプリンタ1は、印字ヘッド3とインクカートリッジ4とがヘッドユニットとして一体に構成されているものを示している。
この図9に示すインクカートリッジ4は、内部が3つのインク室14に別れており、各インク室14の中には、特には図示しないが、インクが重力で外部に無用に流出しない程度の適度の状態でインクを保持するための多孔質材料からなるインク吸収部材が配設され、マゼンタ、シアン、イエローの3色のインクが夫々充填されている。
これら3つに仕切られたインク室14の下部には、それぞれ印字ヘッド3にインクを補給するインク補給孔が形成されている。各インク室14の上記3色のインクは、インク補給孔からインク流路を通じて、印字ヘッド3の各色に対応するインク吐出ノズル列に夫々補給される。
図10は、従来の印字ヘッドとインクカートリッジが別体型のフルカラーインクジェットプリンタの構成を模式的に示す斜視図である。同図に示すプリンタ15は、印字ヘッド16がキャリッジ17に保持されて、プラテンローラ18と対向している。キャリッジ17は、ガイドシャフト19により滑動自在に保持され、歯付きベルト21に係合している。歯付きベルト21は、モータ22が正逆両方向に回転することにより不図示のギアを介して正逆に回転駆動される。これにより、印字ヘッド16は、プラテンローラ18に沿って、用紙23の図の両方向矢印Aで示す幅方向(主走査方向)に摺動しながら用紙23に文字や画像等を印字する。
プラテンローラ18は、補助ローラ24との間に用紙23を挟持し、モータ25に駆動されて用紙23を縦方向(副走査方向)へ間欠的に搬送し、これによって印字ヘッド16による印字が行順次に進行する。
上記のキャリッジ17には黒インクカートリッジ26とカラー用インクカートリッジ27の2種類のインクカートリッジが着脱自在に装着されている。黒インクカートリッジ26には黒インクが収容されており、カラー用インクカートリッジ27は内部が3つのインク室に分かれて、イエロー、マゼンタ、及びシアンの3色のインクが収容されている。
上記2例のプリンタは、いずれも発熱素子が発生する気泡の力やピエゾ抵抗素子の変形による力でインク滴を飛ばすものであるが、他には、インクの自由表面に超音波を集束させ、そのエネルギーによって自由表面からインク液滴を吐出させる所謂音響インクジェットプリンタも知られている。(例えば、特許文献2参照。)
また、上記のような従来のカラー画像の形成方式に対し、新規な方式として、光や熱等の外部刺激に応答するマイクロカプセルを含有するインク層を予めコーティングした専用の記録紙を用い、これに画像情報に対応した光や熱を付与して画像形成を行う装置も提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
特開2000−334975号公報(段落[0010]〜[0012]、図10) 特開2001−301156号公報(段落[0039]〜[0042])、図2) 特開平11−58832号公報(段落[0027]〜[0036])、図1、図2)
しかしながら、上記従来のインクジェット方式のフルカラープリンタは、印刷を行うと、印刷の内容によって、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のインクの使用量がそれぞれ異なって、それぞれ別のタイミングでインクの補充またはインクカートリッジの入れ換えが必要であり、色ごとのインクカートリッジの管理が面倒であるという問題を有している。
特に3色(マゼンタ、シアン、イエロー)のインクカートリッジを一体型のインクカートリッジにしたものでは、1色でも使い尽くすと他の色のインクが残っていてもインクカートリッジを交換しなければならないから、使用者にとって維持費としての経済的負担が大きいという問題がある。
また、マイクロカプセルを含有するインク層を予めコーティングした専用の記録紙を用いる方式のカラー画像形成装置の場合は、基本的に記録紙全面にインクを塗布することから、インクの使用形態に無駄が見られコストアップの原因になる。また普通紙が使用できないという問題もある。さらに、複数色の印字工程を繰り返すことから、色ずれ管理が難しく、装置の複雑化が避けられないという問題を有している。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、色ごとのインクの管理が無用で使い勝手が良く且つインクに無駄の生じないカラーインクジェット記録装置及びカラーインクジェット記録方法を提供することである。
先ず、第1の発明のカラーインクジェット記録装置は、所定の共振周波数の超音波によって破壊可能なカプセル保護壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを溶媒中に分散したマイクロカプセル含有インクを用いるカラーインクジェット記録装置であって、画像情報に対応して上記マイクロカプセル含有インクをインク滴としてインク吐出口より用紙に吐出し付着させるインク滴吐出手段と、上記用紙に付着したマイクロカプセル含有インクに対し、画像情報の色成分情報に対応した所定の共振周波数の超音波を付与して上記複数種の小径マイクロカプセルのうち所定の小径マイクロカプセルのカプセル保護壁を破壊することにより、上記用紙に付着したマイクロカプセル含有インクを所望の色に発色させるインク発色手段と、を有して構成される。
上記インク発色手段は、例えば超音波ラインヘッドであり、上記用紙の上記インク滴が付着した反対側面に当接して上記インク滴に対し上記用紙を介して上記超音波を付与するように構成される。
また、上記超音波ラインヘッドは、例えば上記用紙の搬送を案内する用紙案内部材を兼ねて構成される。
次に、第2の発明のカラーインクジェット記録方法は、所定の共振周波数の超音波によって破壊可能なカプセル保護壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを溶媒中に分散したマイクロカプセル含有インクを用いるカラーインクジェット記録方法であって、画像情報に対応して上記マイクロカプセル含有インクをインク滴としてインク吐出口より用紙に吐出し付着させるインク滴吐出工程と、上記用紙に付着したマイクロカプセル含有インクに対し、画像情報の色成分情報に対応した所定の共振周波数の超音波を付与して上記複数種の小径マイクロカプセルのうち所定の小径マイクロカプセルのカプセル保護壁を破壊することにより、上記用紙に付着したマイクロカプセル含有インクを所望の色に発色させるインク発色工程と、を含んで構成される。
上記インク発色工程は、例えば上記用紙の上記インク滴が付着した反対側面に当接した超音波ラインヘッドにより上記インク滴に対し上記用紙を介して上記超音波を付与する工程であるように構成される。
上記のように、本発明によれば、単一のインクカートリッジに収容されている一種類のマイクロカプセル含有インクを用いて4色の任意の色を発色させてフルカラー印刷を行なうことができるので、色ごとのインクの管理が不要で手数がかからず使い勝手の良いカラーインクジェット記録装置及びカラーインクジェット記録方法を提供することが可能となる。
またインクが一種類であるので、従来の3色のインクカートリッジ一体型のように使い切った色のインクと共に使い切らない残りの色インクを廃棄するというような無駄が無くなって経済的である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、一実施の形態におけるカラーインクジェット記録装置の主要部の構成を示す斜視図である。同図に示すように、カラーインクジェット記録装置30は、印字ヘッド31、キャリッジ32、ガイドシャフト33、歯付きベルト34、モータ35から成るキャリッジ駆動系と、プラテンローラ36、補助ローラ37、モータ38、超音波ラインヘッドユニット39から成る用紙搬送・印刷系とから構成されている。上記のキャリッジ32には、詳しくは後述するただ1種類の無色インクを収容した1個のインクカートリッジ40が着脱自在に装着されている。
上記の印字ヘッド31、キャリッジ32、ガイドシャフト33、歯付きベルト34、モータ35、プラテンローラ36、補助ローラ37、及びモータ38の構成及び機能は、図10に示したプリンタ15の印字ヘッド16、キャリッジ17、ガイドシャフト19、歯付きベルト21、モータ22、プラテンローラ18、補助ローラ24、モータ25の構成及び機能と同一である。
図1に示すカラーインクジェット記録装置30が、図10に示したプリンタ15と異なる点は、上述のようにキャリッジ32にただ1種類の無色インクを収容した1個のインクカートリッジ40が着脱自在に装着される点と、用紙41を搬送するプラテンローラ36の用紙搬送方向下流側に超音波ラインヘッドユニット39が配置されている点である。
上記の超音波ラインヘッドユニット39は、用紙41の下面から当接して支持し、用紙41を搬送方向へ案内すると共に、印字ヘッド31から用紙41の記録面(表面)に画像情報に応じて吐出された無色インク42に、所定の超音波を用紙41の裏面から用紙41を介して照射して、画像情報に応じた色に発色した発色インク42aを形成させる。
図2(a) 〜(e) は、上記印字ヘッド31のインク吐出ノズルにより無色インク42のインク滴が用紙41に吐出されるときの動作状態を示す図である。
先ず、図2(a) に示す待機状態において、印字ヘッド31のインク吐出ノズル43内にインクカートリッジ40から連結路44を介して供給される無色インク42は、インク吐出ノズル43の吐出口43aでメニスカス42−1を形成している。
この状態で、発熱素子45が、不図示の制御装置からの画像情報に応じた通電により発熱駆動されると、発熱素子45上と無色インク42との界面に極微の多数の核気泡が発生し、これら多数の核気泡が合体して、同図(b) に示すように、膜気泡46が発生する。
そして、同図(c) に示すように、上記の膜気泡46が断熱膨脹により更に大きな膜気泡46´に成長して、インク吐出ノズル43内の無色インク42を吐出口43a側とインクカートリッジ40とに分断する。
この後、膜気泡46´が、同図(d) に示すように、更に大きな膜気泡46″に成長し、その圧力により周囲の無色インク42を押し遣り、これにより、インク吐出ノズル43から押し出されて大きく外部に突出した無色インク突出部42−2が形成され、更なる膜気泡46″の成長で、無色インク突出部42−2がインク吐出ノズル43の吐出口43−aから千切れ、無色インク滴42−3となって吐出され、図1に示す用紙41に向かって飛翔し、用紙41の記録面に着弾する。
この後、膜気泡46″は、急速に縮小して消滅し、図2(a) の状態に戻る。この動作周期はおよそ300μsec以下である。
図3は、印字ヘッド31のインク吐出ノズル43、用紙41、超音波ラインヘッドユニット39との位置関係及び動作状態を示す図である。尚、図3は、これらの位置関係を図1の矢印D方向から見た図である。尚、図3には、図1及び図2に示した構成と同一の構成部分には図1及び図2と同一の番号を付与して示している。
図3に示す位置関係において、用紙41は矢印E方向に搬送される。この用紙41に対してインク吐出ノズル43から吐出された無色インク滴42−3が着弾して、用紙41の記録面に無色インク画像42−4(図1では用紙上の無色インク42として示したもの)を形成する。
尚、図3ではインク吐出ノズル43を1個しか示していないが、図1に示す印字ヘッド31のインク吐出面(図1では下向きの面であるため蔭になって見えない)には、例えば40μmφの吐出口を有するインク吐出ノズル43が適宜の間隔で図の紙面奥行き方向に数十個並んで設けられている。そして、これらのインク吐出ノズル43から、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像情報のオア情報に応じて、上記の無色インク滴42−3が吐出される。
この用紙41の搬送方向下流側に配置されている超音波ラインヘッドユニット39は、図の紙面奥行き方向に延在して配置された円筒状で樹脂製のヘッドケース47と、その内部に収容されヘッドケース47の円筒軸に沿って配置された保持部48と、この保持部48の先端に、その長手方向に沿って保持された超音波ラインヘッド49から成る。
超音波ラインヘッドユニット39のヘッドケース47は用紙41の幅方向(搬送方向と直角な方向)に沿って用紙41の裏面に摺接しており、この摺接部分でヘッドケース47の外壁と用紙41の裏面との間に間隙が出来ないように全体が構成されている。
超音波ラインヘッド49は、用紙41に向けて所定の周波数の超音波51を照射する。特には図示しないが、超音波ラインヘッド49の超音波照射部とヘッドケース47の内壁との間には液体が充填されている。
殆ど全ての液体又は固体は超音波を効率よく強力に伝達する機能を有している。上記の超音波ラインヘッド49から照射された超音波は上記の液体を介してヘッドケース47の内壁から外壁へと効率よく伝達される。
そして、この超音波は、ヘッドケース47から用紙41の裏面から表面へ、その表面に密着する無色インク画像42−4へと効率よく伝達される。これにより、無色インク画像42−4が所定の色に発色して発色インク42aによるカラー画像が形成される。
ここで、本発明のカラーインクジェット記録装置30において使用される無色インク42について説明する。
図4(a),(b) は、上記のカラーインクジェット記録装置30において用いられる無色インク42の構成を示す図である。同図(a) は、インク42(無色インク42、以下同様)内において溶媒中に分散した小径マイクロカプセルを示す図であり、同図(b) は、他の例として同じくインク42′内において溶媒中に分散した大径マイクロカプセルの支持剤に内包される小径マイクロカプセルを示す図である。以下の説明において、インク42というときは、同図(a),(b) のいずれをも指すものとする。
同図(a) に示すインク42は、溶媒52中に複数種類(本例では4種類)の小径マイクロカプセル53(53m、53c、53y、53k)をランダムに分散して構成される。小径マイクロカプセル53m、53c、53y、及び53kは、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックを発色するカプセルである。これらの小径マイクロカプセル53は、所定の刺激(本例では後述するように超音波)によって破壊可能な小径カプセル壁54で囲繞されている。
また、同図(b) に示すインク42´は、溶媒52中に大径マイクロカプセル55をほぼ均等に分散して構成される。大径マイクロカプセル55内には、同図(a) と同様の4種類の小径マイクロカプセル53(53m、53c、53y、53k)が保持剤56中にランダムに分散されている。尚、同図(b) の小径マイクロカプセル53c´は、シアンに発色した状態を模式的に示している。
尚、上記のインク42及び42´は、いずれも発色前は、無色あるいは白系統の色をしている。
同図(a),(b) に示す小径マイクロカプセル53の直径は、例えば0.5μm〜2μm程度である。また、同図(b) に示す大径マイクロカプセル55の直径は例えば5μm〜10μmで構成され、これに内包される小径マイクロカプセル53は、それぞれの合計の体積が他とほぼ同一になるように、それぞれの個数が設定されている。
図5は、上記小径マイクロカプセル53m、53c、53y、及び53kの構造を説明する図である。小径マイクロカプセル53m、53c、53y、53kは、上述したように小径カプセル壁54で覆われ、この小径カプセル壁54内に一方の反応性物質である発色剤57を内包し、小径カプセル壁54の外側を他方の反応性物質である顕色剤58が覆っている。
そして、これら小径マイクロカプセル53m、53c、53y、53kの小径カプセル壁54の直径及び厚さ、あるいは材質が、それぞれ異なっている。このように小径カプセル壁54の直径、厚さ又は材質が異なって構成されていることにより、小径マイクロカプセル53m、53c、53y、53kは、それぞれその小径カプセル壁54を破壊する超音波の共振周波数を異ならせている。これにより、各小径マイクロカプセル毎に異なる共振周波数で破壊できる構造となっている。また、小径カプセル壁54の直径、厚さ、及び材質を異ならせることにより、異なる直径、厚さ、又は材質に対応して破壊の共振周波数も可変できるので、詳細な共振周波数の設定が可能となっている。
例えば、小径マイクロカプセルの直径が大きくなれば超音波の共振周波数は低い方向に移行し、小径カプセル壁54の厚さが厚くなれば共振周波数は高い方向に移行する。また、小径カプセル壁54の壁の材質が硬くなれば、共振周波数は高い方向に移行する。したがって、上記各要素に対応して各小径マイクロカプセル53m、53c、53y、53kはそれぞれ共振周波数が異なるように設計されている。
これにより、所定の刺激としての所定の共振周波数の超音波の照射により、4種類の小径マイクロカプセル53のうちの所定の小径マイクロカプセル53(例えば図4(a),(b) に示したシアンの小径マイクロカプセル53c(53c´))の小径カプセル壁54が破壊されて、発色剤57と顕色剤58とが互いに拡散混合してシアンの発色反応が生じる。
尚、各小径マイクロカプセル53m、53c、53y、53kの発色割合は、照射される超音波のエネルギー量によって可変可能である。したがって、マゼンタ(m)、シアン(c)、イエロー(y)の発色割合を制御し、自由な中間調を実現することができる。
図6は、上記の小径カプセル壁54を破壊する超音波を発振する超音波ラインヘッド49の外観斜視図である。同図に示す超音波ラインヘッド49は、その長手方向に後述する超音波素子が形成されている。以下、これについて具体的に説明する。
図7(a) は、超音波ラインヘッド49の上面図であり、同図(b) はその個別印加電極の上面図、同図(c) は同図(b) のD−D´矢視断面図、同図(d) は同図(c) のE−E´矢視断面図である。
本例の超音波ラインヘッド49は、同図(c),(d) に示すように、担持体59内に5層の部材を積層して構成される。最下層(第5層)には共通電極61−5(アース)が配設され、第4層には圧電素子である超音波素子61−4が配設され、第3層には主走査方向に短冊状に並んだ個別印加電極61−3が配設され、第2層には超音波素子61−4と超音波伝搬媒体との音響インピーダンスの差を軽減する為の音響インピーダンス整合層61−2が配設され、更に第1層には音響レンズ61−1が配設されている。
超音波素子61−4には、個別印加電極61−3と共通電極61−5が接続され、所望の小径カプセル壁54を破壊する超音波を発振するための超音波出力信号が供給される。超音波素子61−4は上記信号が印加されると歪みを生じ、所定の周波数で超音波振動が励起される。
超音波素子61−4で励起された超音波振動は音響インピーダンス整合層61−2を通して音響レンズ61−1で屈折され、指定位置(指定距離)に集束する。尚、音響インピーダンス整合層61−2は上記のように、超音波素子61−4と超音波伝搬媒体との音響インピーダンスの差を軽減する機能を有している。
図8は、上記超音波素子61−4の配設構成の一部を拡大してその作用とともに示す図である。同図は、例えば6個の超音波素子61−4を「1」〜「6」までの番号を付して拡大して示している。同図に示すように、互いに隣り合う超音波素子61−4は間隔dを有して配設されており、同時にm個の超音波素子61−4を時間遅延させながら駆動する。
例えば、同図に示すA点について考えると、同時にm個(例えば奇数の5個)の超音波素子61−4(「1」〜「5」)を時間遅延させて5個の超音波素子61−4の中心(A点)に強力な超音波をあてる。例えば、「1」の超音波素子61−4とA点の距離、「2」の超音波素子61−4とA点の距離、「3」の超音波素子61−4とA点の距離は少しづつ異なり、この距離差と超音波の伝搬速度から各超音波素子61−4の出力タイミングをずらし、所定のタイミングで超音波出力を行う。このように制御することにより、同時にA点に強力な超音波を照射することができる。
また、上記A点に限らず超音波素子61−4からの超音波出力のタイミングを調整することによって、超音波素子61−4の配設ピッチより狭い位置(例えば、1/2dの位置、B点)に複数の超音波素子61−4から出力された超音波ビームを集束させることもできる。すなわち、同時にm個(例えば偶数の6個)の超音波素子61−4(「1」〜「6」)を時間遅延させて6個の超音波素子61−4の中心(B点)に強力な超音波をあてる。これを順次A→B方向に繰り返すことによってインク42内の小径マイクロカプセル53の小径カプセル壁54への破壊力をA→B方向に移動させることができる。
これにより、図1及び図3に示したように、単一のインクカートリッジ40に収容されている一種類のマイクロカプセル含有インクを用いて用紙41の面に無色インクの画像(無色インク42、無色インク画像42−4)を形成し、この無色インクを所望の色に発色させて(発色インク42a)、フルカラー印刷を行なうことができる。
このように、単一のインクカートリッジ40に収容されている一種類のマイクロカプセル含有インクを用いるので、色ごとのインクの管理が不要で手数がかからず使い勝手の良いカラーインクジェット記録装置及びカラーインクジェット記録方法を提供することが可能となる。
また、インクが一種類であるので、従来の3色のインクカートリッジ一体型のように使い切った色のインクと共に使い切らない残りの色インクを廃棄するというような無駄が無くなって経済的である。
また、図3に示したインク吐出ノズル43からは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像情報のオア情報に応じた位置に無色インク滴42−3が吐出されるので、マイクロカプセル含有インクを特殊用紙の全面に塗布するような無駄がなく経済的である。
一実施の形態におけるカラーインクジェット記録装置の主要部の構成を示す斜視図である。 (a) 〜(e) はカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのインク吐出ノズルにより無色インクのインク滴が用紙に吐出されるときの動作状態を示す図である。 カラーインクジェット記録装置における印字ヘッドのインク吐出ノズル、用紙、及び超音波ラインヘッドユニットとの位置関係及び動作状態を示す図である。 (a),(b) はカラーインクジェット記録装置において用いられる無色インクの構成を示す図である。 小径マイクロカプセルの構造を説明する図である。 小径マイクロカプセルの小径カプセル壁を破壊する超音波を発振する超音波ラインヘッドの外観斜視図である。 (a) は超音波ラインヘッドの上面図、(b) はその個別印加電極の上面図、(c) は(b) のD−D´矢視断面図、(d) は(c) のE−E´矢視断面図である。 超音波ラインヘッドの超音波素子の配設構成の一部とその作用を説明する拡大図である。 従来のフルカラー印字を行う印字ヘッドとインクカートリッジ一体型のインクジェットプリンタの構成を模式的に示す斜視図である。 従来のフルカラー印字を行う印字ヘッドとインクカートリッジ別体型のインクジェットプリンタの構成を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1 プリンタ
2 キャリッジ
3 印字ヘッド
4 インクカートリッジ
5 ガイドシャフト
6 歯付き駆動ベルト
7 フレキシブル通信ケーブル
8 本体フレーム
9 プラテン
10 用紙
11 給紙ローラ対
12 排紙ローラ対
13 モータ
14 インク室
15 プリンタ
16 印字ヘッド
17 キャリッジ
18 プラテンローラ
19 ガイドシャフト
21 歯付きベルト
22 モータ
23 用紙
24 補助ローラ
25 モータ
26 黒インクカートリッジ
27 カラー用インクカートリッジ
30 カラーインクジェット記録装置
31 印字ヘッド
32 キャリッジ
33 ガイドシャフト
34 歯付きベルト
35 モータ
36 プラテンローラ
37 補助ローラ
38 モータ
39 超音波ラインヘッドユニット
40 インクカートリッジ
41 用紙
42、42′ 無色インク
42−1 メニスカス
42−2 無色インク突出部
42−3 無色インク滴
42−4 無色インク画像
42a 発色インク
43 インク吐出ノズル
43a 吐出口
44 連結路
45 発熱素子
46 膜気泡
47 ヘッドケース
48 保持部
49 超音波ラインヘッド
51 超音波
52 溶媒
53(53m、53c、53y、53k) 小径マイクロカプセル
53c´ シアン発色小径マイクロカプセル
54 小径カプセル壁
55 大径マイクロカプセル
56 保持剤
57 発色剤
58 顕色剤
59 担持体
61−1 音響レンズ
61−2 音響インピーダンス整合層
61−3 個別印加電極
61−4 超音波素子
61−5 共通電極

Claims (5)

  1. 所定の共振周波数の超音波によって破壊可能なカプセル保護壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを溶媒中に分散したマイクロカプセル含有インクを用いるカラーインクジェット記録装置であって、
    画像情報に対応して前記マイクロカプセル含有インクをインク滴としてインク吐出口より用紙に吐出し付着させるインク滴吐出手段と、
    前記用紙に付着したマイクロカプセル含有インクに対し、画像情報の色成分情報に対応した所定の共振周波数の超音波を付与して前記複数種の小径マイクロカプセルのうち所定の小径マイクロカプセルのカプセル保護壁を破壊することにより、前記用紙に付着したマイクロカプセル含有インクを所望の色に発色させるインク発色手段と、
    を有することを特徴とするカラーインクジェット記録装置。
  2. 前記インク発色手段は、超音波ラインヘッドであり、前記用紙の前記インク滴が付着した反対側面に当接して前記インク滴に対し前記用紙を介して前記超音波を付与することを特徴とする請求項1記載のカラーインクジェット記録装置。
  3. 前記超音波ラインヘッドは、前記用紙の搬送を案内する用紙案内部材を兼ねていることを特徴とする請求項2記載のカラーインクジェット記録装置。
  4. 所定の共振周波数の超音波によって破壊可能なカプセル保護壁で囲繞された複数種の小径マイクロカプセルを溶媒中に分散したマイクロカプセル含有インクを用いるカラーインクジェット記録方法であって、
    画像情報に対応して前記マイクロカプセル含有インクをインク滴としてインク吐出口より用紙に吐出し付着させるインク滴吐出工程と、
    前記用紙に付着したマイクロカプセル含有インクに対し、画像情報の色成分情報に対応した所定の共振周波数の超音波を付与して前記複数種の小径マイクロカプセルのうち所定の小径マイクロカプセルのカプセル保護壁を破壊することにより、前記用紙に付着したマイクロカプセル含有インクを所望の色に発色させるインク発色工程と、
    を含むことを特徴とするカラーインクジェット記録方法。
  5. 前記インク発色工程は、前記用紙の前記インク滴が付着した反対側面に当接した超音波ラインヘッドにより前記インク滴に対し前記用紙を介して前記超音波を付与する工程であることを特徴とする請求項4記載のカラーインクジェット記録方法。

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