JP4264793B2 - ランプロード方式記録媒体試験用テスター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、HDD(ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive))用の磁気記録媒体(以下、単に媒体またはディスクと称すこともある)とこの媒体への情報の記録再生用のヘッドとの間のインターフェースの状態を試験評価するための記録媒体試験用のテスター(スピンスタンド)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、HDDはCSS(Contact Start Stop)方式が主流であったが、最近、モバイル用途などの普及で衝撃に対して信頼性の高いランプロード方式のHDDが急速に広まっている。それに伴い、媒体・ヘッド間のインターフェースの機械的接触状態を試験検査するためのテスターとしてランプロード方式記録媒体試験用のテスターも登場してきているが、実際には、コスト的な制約もあり、従来のCSS方式のテスターの一部改造やオプション追加で対応しているのが現状である。すなわち、実際のテスターは、CSS方式のテスターでみられるディスクに平行な面内でのヘッド位置調整機構およびディスクに対するヘッド高さ調整機構に加えて、ランプ位置調整機構だけが備わっているのが一般的である。
図3は、このような従来のランプロード方式記録媒体試験用テスター(スピンスタンド)を示すものである。
【0003】
これはCSS方式のテスターをベースにしており、本体筐体(ベース)10上にスライド機構を介してスピンドルモータ取付板12が支持され、この取付板12上に固定フランジ11aを介して媒体Dを駆動するスピンドルモータ11が固定的に取り付けられている。そして先端にヘッドH(不図示)が取り付けられたヘッドジンバルアセンブリ15を駆動するボイスコイルモータ14がボイスコイルモータ取付板13に取り付けられている。このボイスコイルモータ14を取り付けた取付板13は高さ調節機構19を介して本体筐体10上に支持されている。媒体Dの外周のスピンドルモータ取付板12上にランプ位置調整機構17を介してヘッドHを媒体D上に導入、またここから待避させるためのランプ16が取り付けられている。ヘッドジンバルアセンブリ15の先端のヘッドHの底面と媒体Dの盤面を平行にするため、媒体Dを駆動するスピンドルモータ11とヘッドジンバルアセンブリ15を介してヘッドHを駆動するボイスコイルモータ14の回転軸が互いに平行になるようそれぞれ取付板12および13への取付位置がテスターメーカー側で調整されているため、これをユーザー側で補正する微調整機構は設けられていない。なお18は、媒体とヘッドの衝撃を測定するための、AE(Acoustic Emission)センサでヘッドジンバルアセンブリ15の基端部に取り付けられている。
【0004】
ランプ位置調整機構17は、ランプ16の媒体Dに対する位置の調整に使用する。また、高さ調節機構19は、媒体Dに平行な面内でのヘッドHの高さの調整に使用する。
CSS方式のテスターの場合、媒体とヘッドが静止・接触している状態から媒体を回転させてヘッドを浮上させ、また逆に回転していた媒体を静止して浮上していたヘッドを媒体上に着地させる。浮上または着地時の媒体・ヘッド間の摩擦力をストレインセンサで検出して評価する。このようなCSS方式HDD用の媒体・ヘッド間インターフェースのテストでは、ヘッドを駆動するボイスコイルモータの回転軸に対して、ディスクを回転させるスピンドルモータの回転軸の平行度が少々(0.5度程度以下)ずれていても、評価に支障は無かった。媒体・ヘッド間の摩擦力に対して、ヘッドジンバルアセンブリを撓ませてヘッドを媒体に押付ける力が支配的で、前述の軸の平行度ずれによるヘッド底面の媒体面に対する傾きの影響は無視できるからである。
【0005】
しかし、ランプロード方式の場合、周知のようにヘッドと媒体はほとんど接触しないため、ロード時とアンロード時の衝撃は微小となる。この微小な衝撃に対しては、媒体面に対するヘッド底面の傾き(ロール角、ピッチ角)が無視できず、0.2〜0.3度もあると衝撃特性が大きく変動してしまうことが実験的にも解析的にも解明されている。しかし、この程度の微小角度は、テスターメーカー側で調整しても、テスターユーザーへの搬送やユーザーでの装置移動、オリジナル治具を取り付けたときの締め付け、長期使用などで変動してしまう。
【0006】
CSS方式のテスターをベースにしている図3に示した従来のランプロード方式のテスターには前記のとおりスピンドルモータとボイスコイルモータの回転軸相互の平行度を調整するための微調整機構がないため、もし平行度が大きくずれてしまった場合にはスピンドルモータ11を取り付けるフランジ部11aと取付板12との間にシムをはさんで補正し再固定するなど調整に手間がかかる。一旦手間をかけて調整し固定しても長期使用後には再調整が必要になるし、さらに、この傾き角と衝撃特性との依存関係を詳細に測定したいという要求もある。テスターユーザー側で自由自在に正確に補正できる微調整機構の付加が望まれているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ランプロード方式の記録媒体とヘッドのインターフェースの試験を行なうテスターにおけるヘッド底面と媒体面の平行度、すなわち、ボイスコイルモータの回転軸とスピンドルモータの回転軸との平行度を自在に微調整するこのできる調整機構を、従来のテスター構造を大きく変えることなく提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、HDD用磁気記録媒体とこれを駆動するスピンドルと、前記記録媒体にランプロード方式でロード、アンロードされるヘッドと、このヘッドを駆動するボイスコイルモータを備えたランプロード方式の記録媒体試験用テスターにおいて、前記ボイスコイルモータの回転軸に対して前記スピンドルモータの回転軸の平行度を微調整するための2本のマイクロメータヘッドを、スピンドルモータとこのモータの取付られるベースとの間に設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明によれば、前記のテスターにおいて、前記スピンドルモータとベースとの間に傾斜ステージを設け、このステージとベースとの間にマイクメータヘッドを設けるとともに、前記ステージに設ける前記スピンドルモータの固定用穴を長穴にして、このステージがスピンドルモータの回転軸の回りに変位可能にするのが好都合である。
【0010】
さらに、本発明によれば、前記のテスターにおいて、前記傾斜ステージ上に、ランプ固定機構およびランプ位置調整機構を備えるようにすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施例によるテスターの構造を示す。この図において図3の従来装置と同一の構成要素は同一の符号で示し詳細な説明を省略する。
この実施例の装置が図3の従来装置と異なる点は、スピンドルモータ11の軸の傾きを調整するための傾斜ステージ21を設け、これをスピンドルモータ11の固定フランジ11aと取付板12との間に挟み込み固定ネジ11bで取付板12に固定している点である。
【0012】
図2に傾斜ステージ21の詳細構造を示す。ステージ21にはマイクロメータと同様のネジ式の変位機構により変位され、先端が半球状にされた調整軸22aを備えたマイクロメータヘッド22が2本ステージ21の底面側へ突出するように取り付けられている。またステージ21の底面には半球状突起23が1個設けられている。2本のマイクロメータヘッド22と1この半球状突起23とは、120度間隔で配置されるため、ステージ21の底面がこれら3個の半球状突起によりスピンドルモータ取付板12上に安定的に3点支持される。媒体Dを駆動するためのスピンドルモータ11は、その固定フランジ11aがステージ21にかかるようにその中心のスピンドルモータ取付穴25内に収め、固定フランジ11aの上から固定ネジ11bをステージ21の取付穴25の周囲に設けた固定用長穴24に挿通して取付板12に捩じ込み固定する(図1参照)。
【0013】
このように構成されているため、この実施例の装置においては、スピンドルモータ11で駆動される媒体Dは、傾斜ステージ21と平行な位置に装着されるので、2本のマイクロメータヘッド22の先端22bの変位を調整することによって傾斜ステージ22の傾斜角度を調整することができ、したがって媒体Dの盤面の取付板12、すなわちベースとなる本体筐体10の上面に対する傾斜角度を自由に調整できる。なお、ランプ16の位置を調整するためのランプ位置調整機構17もこのステージ21に取り付けられており、マイクロメータヘッド22でステージを傾斜させても媒体の面とランプ16の面との相対角度(調整済みであれば両者は平行)は維持される。
【0014】
以上の説明から明らかなように、ヘッドジンバルアセンブリ15のヘッド底面と媒体Dの盤面の平行度は2本のマイクロメータヘッド22で容易に微調整できる。さらに、スピンドルモータ11の回転軸に対してステージ21を回転できるように取付板12に設けた固定用の穴を長穴24としているので、ランプ16の円周方向の取り付け位置の調整および媒体Dの盤面の傾斜方向の調整ができる。2本のマイクロメータヘッドだけで傾斜方向と角度を自在に操作するには多少の計算が必要となるが、図2A、B、C方向などは、比較的簡単に傾斜角を決定でき、長穴24があることによりこの方向をある程度自由に変えることができる。例えば、簡単に傾斜角を決定できる方向をヘッドのシーク方向やそれと直角な方向に合わせることができる。
【0015】
なお、実施例として、独立した傾斜ステージ21をスピンドルモータ11の固定フランジ11aと取付板12との間に挟み込みネジでスライド板13に固定する構造を示したが、傾斜調整用マイクロメータヘッドやランプ位置調整機構をスピンドルモータ取り付けフランジに直付けした構造でも同様の効果を実現できる。本発明の主旨は、2本のマイクロメータヘッドと1個の支持点から成る媒体面の傾斜調整機構にある。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、HDD用磁気記録媒体とこれを駆動するスピンドルと、前記記録媒体にランプロード方式でロード、アンロードされるヘッドとこのヘッドを駆動するボイスコイルモータを備えたランプロード方式の記録媒体試験用テスタにおいて前記ボイスコイルモータの回転軸に対して、前記スピンドルモータの回転軸の平行度を微調整するための2本のマイクロメータヘッドをスピンドルモータとこのモータの取付られるベースとの間に設けるようにしたので、従来のテスター構造を大きく変えることなく、スピンドルモータとボイスコイルモータの回転軸の平行度、すなわちヘッド底面と媒体面の平行度、を微調整できるので、ランプロード方式の記録媒体に対する記録媒体・ヘッド間インターフェース特性の正確な検査ができるテスター(スピンスタンド)を安価に提供できる利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるランプロード方式記録媒体試験用テスターを示す斜視図。
【図2】本発明の実施例の要部を示す斜視図。
【図3】従来のランプロード方式記録媒体試験用テスターを示す斜視図。
【符号の説明】
11 :スピンドルモータ
11a:スピンドルモータ固定用フランジ
13 :スピンドルモータ取付板
14 :ボイスコイルモータ
15 :ヘッドジンバルアセンブリ
16 :ランプ
17 :ランプ位置調整機構
18 :AEセンサ
19 :ボイスコイルモータ位置調整機構
21 :傾斜ステージ
22 :傾斜用マイクロメータヘッド
23 :半球状突起
24 :固定用長穴
25 :スピンドルモータ取付用穴
Claims (3)
- HDD用磁気記録媒体とこれを駆動するスピンドルと、前記記録媒体にランプロード方式でロード、アンロードされるヘッドと,このヘッドを駆動するボイスコイルモータとを備えたランプロード方式の記録媒体試験用テスターにおいて、前記ボイスコイルモータの回転軸に対して前記スピンドルモータの回転軸の平行度を微調整するための2本のマイクロメータヘッドを、スピンドルモータとこのモータの取付られるベースとの間に設けたことを特徴とするランプロード方式媒体試験用テスター。
- 請求項1記載のテスターにおいて、前記スピンドルモータとベースのと間に傾斜ステージを設け、このステージとベースとの間にマイクロメータヘッドを設けるとともに、前記ステージに設ける前記スピンドルモータの固定用穴を長穴にして、このステージがスピンドルモータの回転軸の回りに変位可能にしたことを特徴とするランプロード方式記録媒体の試験用テスター。
- 請求項1または2記載のテスターにおいて、前記傾斜ステージ上に、ランプ固定機構およびランプ位置調整機構を備えたことを特徴とするランプロード方式記録媒体の試験用テスター。
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JP2001069840A JP4264793B2 (ja) | 2001-03-13 | 2001-03-13 | ランプロード方式記録媒体試験用テスター |
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