JP4264779B2 - 導体線の絶縁膜剥離装置 - Google Patents

導体線の絶縁膜剥離装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体線の絶縁膜剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型回転電機のステータコイルやロータコイルでは、ヘリカルリーマ式の樹脂膜剥離機(特開昭62−48471号公報参照)を用いて導体線の端部となる部位の電気絶縁性樹脂膜を剥離することが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヘリカルリ−マ式の樹脂膜剥離機は丸線剥離は可能であるが平角線剥離ができないため、回転電機の出力向上ができないという問題があった。
【0004】
すなわち、平角線の電気絶縁性樹脂膜の剥離に上記ヘリカルリーマ式の樹脂膜剥離機を用いると平角線外周に対するヘリカルリーマの相対移動の制御が容易でなく、十分な皮膜剥離品質を保証することが困難であった。
【0005】
また、本発明者らは、平角線のごとき断面非円形の導体線を一対の回転砥石で挟み、この回転砥石を自転させつつ導体線の周囲を公転させて、導体線を被覆する絶縁膜を全周にわたって剥離することを考えた。
【0006】
ところが、この回転砥石の自転、公転構成においても、回転砥石を導体線の全周にわたって導体線の外周から一定距離を保持しつつ公転させることは容易でなかった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、平角線など断面異形の導体線の電気絶縁性樹脂膜を剥離品質の低下を招くことなく剥離が可能な導体線の絶縁膜剥離方法およびその剥離装置を提供することをその目的としている。
【0008】
また、上記絶縁膜剥離により露出した裸の導体線部分は通常は他の導体線又はタ−ミナルなどに半田やろう材などの溶融型接合材を用いて接続されるので、溶融型接合材とのなじみ性に優れることが要望されていた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、簡素な工程で形成可能で溶融型接合材とのなじみ性に優れた絶縁膜被覆導体線を提供することをその目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の装置によれば、導体線を一対の回転砥石で挟み、この回転砥石を自転させつつ導体線の周囲を公転させて、導体線を被覆する絶縁膜を全周にわたって剥離する。
【0011】
本発明では特に、回転砥石を平角線など断面が非円形の導体線に所定圧力で弾性付勢しつつ上記剥離を行う点をその特徴とする。
【0012】
このようにすれば、断面が非円形の導体線であっても、回転砥石はその断面に沿って自在に公転して、与えられた弾性付勢力に応じた厚さ分だけ絶縁膜を剥離(研削)することができる。また、平角線など断面が非円形の導体線を装置に対してあらかじめ設定された基準の角度でセットする必要がなく、導体線がわずかにねじれていたり、上記セットのばらつきをゆうしていてもなんら問題なく、その外周に沿って所定量だけ剥離(研削)することができる。また、剥離すべき導体線の寸法、形状が異なっても問題なく剥離作業を行うことができる。また、弾性付勢力を調整することにより剥離深さを容易に変更することができる。更に、回転砥石を複数回公転させることにより剥離深さを徐々に必要量に達するまで増大することができるので、弾性付勢力の調節なしに種々の寸法の導体線に対応することができる。上記作用効果は、あらかじめ固定された周回軌道を公転する従来のヘリカルリ−マ機では実現し得ないものである。
【0013】
また、請求項記載の製造装置は、導体線の絶縁膜剥離方法を実現する装置であって、一対の回転砥石を自転、公転させるために、リングギヤの内周を公転、自転するプラネタリギヤにより回転砥石の軸に固定された砥石ギヤを自転、公転させる。
【0014】
また、回転砥石を導体線に向けて弾性付勢するために、回転砥石および砥石ギヤをプラネタリギヤの軸に回動自在に保持される回動プレ−トに自転自在に保持し、さらにこの回動プレ−トを付勢機構により弾性付勢することにより回転砥石を導体線に弾性付勢する。
さらに、回転砥石をプラネタリギヤの周方向に回動させて回転砥石と導体線との接離を行う回転砥石接離機構を有し、この回転砥石接離機構は、周面形状のカム面を有してリングギヤと同軸に形成されるとともに軸方向に進退するカムリング、および、カムリングのカム面に係合してカムリングに付勢されることによりプラネタリギヤの軸の周囲を回動して回転プレ−トを回動させるカムロ−ラを有するので、簡素な構成で回転砥石接離機構を実現することができる。
【0015】
このようにすれば、簡素な構成で導体線を被覆する絶縁膜を全周にわたって剥離する製造装置を実現することができる。
【0016】
請求項記載の構成によれば請求項記載の導体線の絶縁膜剥離装置において更に、両プラネタリギヤは、リングギヤと同軸に形成されて自転によりプラネタリギヤを公転させるスピンドル軸に固定され、付勢機構は、基端がスピンドル軸に固定されて先端が回動プレ−トを付勢するスプリングを有する。
【0017】
このようにすれば、このスピンドル軸により両プラネタリギヤを駆動することができ、更に、スプリングの基端をこのスピンドル軸に係止できるので、付勢機構を簡素に構成することができる。
【0019】
請求項記載の構成によれば請求項1又は2記載の導体線の絶縁膜剥離装置において更に、カム面は、回転砥石が導体線の周囲を公転する際に、回転砥石の導体線への食い込み量を規制する領域をカム面の所定の角度範囲に有するので、断面が非円形の導体線形状に合わせ回転砥石が付勢されてスプリングが大きく圧縮されることにより回転砥石が強く導体線に弾性付勢されることを防ぐことができ、その結果として、簡素な構成により絶縁膜研削量が必要以上に増大するのを防止することができる。
【0022】
【発明を実施するための態様】
本発明の好適な態様を以下の実施例により説明する。
【0023】
【実施例1】
本発明のコイル導体の絶縁膜剥離方法を適用した剥離機の好適な実施例を図1に示すその径方向模式断面図、図2に示す軸方向模式断面図を参照して以下に説明する。ただし、図2では、理解を容易とするために、回転砥石2およびその駆動系は図示省略している。
(構成)
1、2は回転砥石、3はオルタネータのステータコイルとして用いられる平角線(絶縁膜被覆線)である。
【0024】
4、4は砥石軸、5、5は砥石ギヤ、6、6はプラネタリギヤ、7はプラネタリギヤ軸、8はリングギヤ、9、9はそれぞれ前側回動プレ−ト、10、10はそれぞれ後側回動プレ−ト、11、11はカムロ−ラ、12、12はカムリング、13、13はスプリング、14、14はスプリングホルダ、15はスピンドル軸である。15aは、平角線3を挿通させるための貫通孔である。
【0025】
一対の回転砥石1、2は、平角線3を挟んで対角配置されており、平角線3は剥離部近傍を加工時に回転しないように把持されている(把持機構は図示せず)。一対の両プレ−ト9、10は、平角線3を挟んで対角配置され、両プレ−ト9、10は一定長のスペ−サを挟んで3個のねじ10aにより固定されて両者の間に軸方向ギャップを形成し、この軸方向ギャップに砥石ギヤ5およびプラネタリギヤ6が収容されている。
【0026】
回転砥石1、2は一対の砥石ギヤ5とともにそれぞれ一対の砥石軸4に個別に固定され、砥石軸4は両プレ−ト9、10に回転自在に支持されている。一対の砥石ギヤ5は一対のプラネタリギヤ6と個別に噛合しており、一対のプラネタリギヤ6は一対のプラネタリギヤ軸7に個別に固定され、一対のプラネタリギヤ6はリングギヤ8の内周に噛合している。
【0027】
一対のプラネタリギヤ軸7は、スピンドル軸15の外周に互いに180度離れて固定されており、スピンドル軸15は図示しないモ−タにより回転可能となっている。
【0028】
一対の両プレ−ト9、10は、一対のプラネタリギヤ軸7に個別に回転自在に支持されており、これにより、回転砥石1、2は、砥石ギヤ5とプラネタリギヤ6との噛合を維持しつつプラネタリギヤ軸7の周囲を回動可能となっている。
【0029】
一対のプラネタリギヤ6は、図示しないハウジングに固定されたリングギヤ8の内周に噛合しつつ公転可能となっており、これにより図示しない上記モ−タを駆動すると、スピンドル軸15がその軸心を中心として回転し、これによりプラネタリギヤ軸7、プラネタリギヤ6が自転しつつリングギヤ8の内周を公転する。上述したように、一対のプラネタリギヤ軸7には一対の両プレ−ト9、10が個別に支持されているので、一対の両プレ−ト9、10は両プラネタリギヤ軸7の公転とともに公転し、一対の両プレ−ト9、10の公転により、一対の砥石ギヤ5、一対の砥石軸4および一対の回転砥石1、2が公転する。また、一対のプラネタリギヤ6と個別に噛合する一対の砥石ギヤ5はプラネタリギヤ6の自転により自転し、これにより一対の砥石軸4および回転砥石1、2が自転する。
【0030】
スピンドル軸15の前端面には一対のスプリングホルダ14が互いに180度離れて固定され、一対のスプリングホルダ14には一対のスプリング13の基端部が支持されている。両スプリング13の先端はプレ−ト10を図1においてプラネタリギヤ軸7を中心として反時計方向に付勢し、これにより回転砥石1、2はそれぞれ平角線3に所定の力で押し付けられている。
【0031】
カムリング12は、スピンドル軸15の径外側に位置してハウジングに軸方向移動自在、スピンドル軸15と同軸に保持されており、かつ図示しないリニアアクチエ−タにより軸方向進退可能となっている。カムリング12は、図2に示すように、プレ−ト10に面して切頭円錐面(テ−パ−面)とその右側の円筒面よりなるカム面12aを有している。
【0032】
一対のプレ−ト10には一対のカムロ−ラ11が回転自在、個別に支持されており、プレ−ト10へのスプリング13の付勢力により両カムロ−ラ11はカムリング12のカム面12aに密着している。
(動作)
この装置の動作を以下に説明する。
【0033】
カムリング12を図2中、左方に前進させるとカムロ−ラ11がカム面12aの円筒面に乗り上げて両プレ−ト9、10はプラネタリギヤ軸7を中心としてスプリング13を圧縮しつつ時計方向へ回動し、これにより回転砥石1、2は互いに離れる。
【0034】
次に、平角線3が巻かれたドラムから取り出した平角線3の先端部を装置の軸心に沿って軸方向に送り込んでスピンドル軸15を挿通させた後、図示しない平角線送り装置にセットする。なお、平角線3は本装置の軸方向両側にて本装置の軸心に位置するようにガイドロ−ラやテンションロ−ラなどで保持される。
【0035】
次に、カムリング12を図2中、右方に後退させ、カムロ−ラ11をカムリング12のカム面12aから引き離す(図2参照)。これにより、スプリング13は両プレ−ト9、10を反時計方向に回動させ、回転砥石1、2は平角線3の外周に所定の力で押し付けられる。
【0036】
次に、予め回転しているスピンドル軸15により駆動されてプラネタリギヤ6が公転しつつ自転し、両プレ−ト9、10も公転し、プラネタリギヤ6は砥石ギヤ5、砥石軸4を通じて回転砥石1、2を回転させ、回転砥石1、2は平角線3の周囲を自転しつつ公転(周回)し、平角線3の絶縁膜を研磨する。
【0037】
本装置を所定時間運転した後、カムリング12を図2中、左方に前進させて回転砥石1、2を平角線3から離れさせ、平角線3を所定距離だけその延線方向すなわち本装置の軸方向へ送り、再度上記説明した剥離工程を実施する。
【0038】
上述した本発明の装置によれば上記説明した種々の作用効果を奏することができる。
【0039】
【実施例2】
本発明のコイル導体の絶縁膜剥離方法を適用した剥離機の好適な他の実施例を図3に示すその径方向模式断面図、図4に示す軸方向模式断面図を参照して以下に説明する。ただし、図4では、理解を容易とするために、回転砥石2およびその駆動系は図示省略している。ただし、理解を容易とするために、実施例1の構成要素と主要機能が共通する構成要素には同一符号を付すものとする。
(構成)
この実施例の装置は、実施例1の装置(図1、図2参照)において、
カムリング12の構造及びプレート10の構造(特にカムローラ11を支持するアームの角度)を変更したものである。すなわち、この実施例では、カムリング12のカム面12bは、先端側の切頭円錐面12cとその右側(図4中)の円筒面12dとからなるとともに、この切頭円錐面12cは図3に示すように所定角度範囲において徐々に径小となる付勢面12eをもつ。
【0040】
この実施例では、カムリング12は図4に示すように内周面にカム面12bをもつ。カムリング12を図4中左方に押し込むと、カムロ−ラ11はカム面12bの円筒面に乗り上げて両プレ−ト9、10はプラネタリギヤ軸7を中心としてスプリング13を圧縮しつつ時計方向へ回動し、これにより回転砥石1、2は互いに離れる。
【0041】
次に、平角線3が巻かれたドラムから取り出した平角線3の先端部を装置の軸心に沿って軸方向に送り込んでスピンドル軸15を挿通させた後、図示しない平角線送り装置にセットする。なお、平角線3は本装置の軸方向両側にて本装置の軸心に位置するようにガイドロ−ラやテンションロ−ラなどで保持される。
【0042】
次に、カムリング12をカムロ−ラ11をカムリング12のカム面12bの切頭円錐面12cの径内側にまで後退させる。これにより、スプリング13は両プレ−ト9、10を反時計方向に回動させ、回転砥石1、2は平角線3の外周に所定の力で押し付けられる。
【0043】
次に、予め回転しているスピンドル軸15により駆動されてプラネタリギヤ6が公転しつつ自転し、両プレ−ト9、10も公転し、プラネタリギヤ6は砥石ギヤ5、砥石軸4を通じて回転砥石1、2を回転させ、回転砥石1、2は平角線3の周囲を自転しつつ公転(周回)し、平角線3の絶縁膜を研磨する。
【0044】
研磨の進行に伴い、回転砥石1、2はプラネタリギヤ軸7を中心として反時計方向に回動するが、この回動は両プレ−ト9、10の公転の所定角度範囲において、カムロ−ラ11が付勢面12eに密着して付勢面12eにより径内側へ付勢され、これにより両プレ−ト9、10はスプリング13を圧縮しつつ時計方向へわずかに回動し、回転砥石1、2はわずかに平角線3の径外側へ退避することにより規制される。
【0045】
すなわち、付勢面12eは両プレ−ト9、10の反時計方向への回動を所定量以下に規制し、これにより回転砥石1、2による平角線3の研磨は所定厚さ未満に規制される。
【0046】
重要なことは、この付勢面12eがカム面12bの所定の角度範囲にのみ設けられていることであり、これにより平角線3の全周のうち所定の部分においてのみ厚さ方向の研磨量の規制が行われる。
【0047】
この実施例では、平角線3の長方形断面における2つの短辺を研磨する際に上記研磨量の規制が行われる。したがって、平角線3の断面とカムリング12の付勢面12eとの角度位置が厳密に調整される。この調整は、平角線3の長辺に接触して平角線3をガイドする図示しないガイドロ−ラの軸方向に対するリングギヤ8の付勢面12eの角度位置を設定することにより行われる。
(実施例効果)
この付勢面12eの設定により、平角線3の断面が長方形であり、回転砥石1、2が平角線3の断面の長辺に接する場合に比較して、回転砥石1、2が短辺に接する場合においてスプリング13の圧縮量が増大し、これにより短辺を研磨する場合において回転砥石1、2は平角線3に相対的に強く押し付けられて多く研磨してしまうという不具合を解消することができる。
【0048】
上記説明した実施例1又は2の装置により絶縁膜剥離された平角線3の一部を図5に示す。絶縁膜30を剥離されて裸の導体線31が露出する部位では、この裸の導体線31の外周面は、回転砥石1、2により周方向に形成された多数の条痕32をもつ。これら条痕32ははんだなどを被着させる場合においてその濡れ性がよく、接合強度が向上する。
(変形態様1)
以上説明した実施例では、両回転砥石1、2は、スピンドル軸15により駆動されて自転、公転する構成としたが、自転は独自の駆動源により高速回転させ、その公転は別の駆動源で低速に行うようにすることもできる。
(変形態様2)
以上説明した実施例では、回転砥石1、2を用いたが断面において全周に鋸歯を有する回転刃をもちいてもよいことはもちろんであり、本明細書における回転砥石はこの種の回転刃を含む概念である。
(変形態様3)
以上説明した実施例2では、付勢面12eをカムリング12のカム面12bに設けることにより、断面が非円形の導体線によるスプリングの圧縮量の変動を規制して、導体線の周方向各部位置における回転砥石1、2の剥離(研削)深さのばらつきの変動を規制したが、回転砥石1、2のプラネタリギヤ軸の周方向における移動によるスプリングの伸縮量がスプリングの弾性付勢力の変動率を、スプリングを長くすることにより低減するようにしてもよい。
【0049】
たとえば、スプリング軸長を2倍とすれば、一定のスプリングの伸縮量に対してスプリングの伸縮率は半分となり、スプリングの弾性付勢量の変動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の導体線の絶縁膜剥離装置の径方向模式断面図である。
【図2】 実施例1の導体線の絶縁膜剥離装置の軸方向模式断面図である。
【図3】 実施例2の導体線の絶縁膜剥離装置の径方向模式断面図である。
【図4】 実施例2の導体線の絶縁膜剥離装置の軸方向模式断面図である。
【図5】 実施例1又は2の導体線の絶縁膜剥離装置で形成された平角線の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
1、2は回転砥石、3は平角線(被覆線)、4は砥石軸、5は砥石ギヤ、6はプラネタリギヤ、7はプラネタリギヤ軸、8はリングギヤ、9は前側回動プレ−ト(回動プレ−トの一部)、10は後側回動プレ−ト(回動プレ−トの残部)、11はカムロ−ラ(回転砥石接離機構の一部)、12はカムリング(回転砥石接離機構の一部)、12aはカム面、13はスプリング(付勢機構)、14はスプリングホルダ、15はスピンドル軸(プラネタリギヤ駆動機構)、30は絶縁膜、31は裸の導体線、3は平角線(絶縁膜被覆導体線)

Claims (3)

  1. ハウジングに固定されたリングギヤ、
    モ−タにより駆動されるとともに前記リングギヤに噛合する一対のプラネタリギヤ、
    前記両プラネタリギヤを自転させ、かつ、前記リングギヤに沿って公転させるプラネタリギヤ駆動機構、
    前記両プラネタリギヤに別々に噛合するとともに、噛合側の前記プラネタリギヤの軸に回動自在に支持される回動プレ−トと、
    前記回動プレ−トに自転自在に支承されて前記プラネタリギヤと噛合する一対の砥石ギヤ、
    前記一対の砥石ギヤの軸に個別に固定されて導体線を挟持する一対の回転砥石、および、
    前記回転砥石を前記導体線へ弾性付勢する付勢機構、
    を備え、
    前記回転砥石を前記プラネタリギヤの周方向に回動させて前記回転砥石と前記導体線との接離を行う回転砥石接離機構を有し、
    前記回転砥石接離機構は、
    周面形状のカム面を有して前記リングギヤと同軸に形成されるとともに軸方向に進退するカムリング、および、前記カムリングの前記カム面に係合して前記カムリングに付勢されることにより前記プラネタリギヤの軸の周囲を回動して前記回転プレ−トを回動させるカムロ−ラ、を有することを特徴とする導体線の絶縁膜剥離装置。
  2. 請求項記載の導体線の絶縁膜剥離装置において、
    前記両プラネタリギヤは、前記リングギヤと同軸に形成されて自転により前記プラネタリギヤを公転させるスピンドル軸に固定され、
    前記付勢機構は、基端が前記スピンドル軸に固定されて先端が前記回動プレ−トを付勢するスプリングを有することを特徴とする導体線の絶縁膜剥離装置。
  3. 請求項1又は2記載の導体線の絶縁膜剥離装置において、
    前記カム面は、前記回転砥石が前記導体線の周囲を公転する際に、前記回転砥石の前記導体線への食い込み量を規制する領域を前記カム面の所定の角度範囲に有することを特徴とする導体線の絶縁膜剥離装置。
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