JP4264774B2 - 電子マネーシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子マネーシステムに関し、情報カードに金額データを記憶させて使用する電子マネーシステムに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、銀行やクレジット会社等で発行されるキャッシュカードやクレジットカードをユーザが使用する場合、これらのカードを受け付けるカード端末装置を設置した店舗において当該店舗の店員がカード端末装置にカードの磁気ストライプに記憶されたカード番号を読み取らせると共に、このときの利用金額を入力する。
【0003】
このとき、カード端末装置は、銀行やカード会社の管理コンピュータに通信回線を接続し、カード番号や利用金額等の情報を送信する。銀行やカード会社の管理コンピュータは、各ユーザが所有するキャッシュカードやクレジットカードの期限切れ状態、利用限度額に達しているか否かの状態、紛失届けの有無等を管理しており、カード端末装置から通信回線を介して送信されたカード番号や利用金額情報に基づいて、カードの使用可否を判断する。そして、当該カードが使用可能である判断結果が得られると、銀行やカード会社の管理コンピュータはそのカードについての使用許可情報を送信元であるカード端末装置に返送すると共に、利用金額についてカードの指定口座からの引き落とし手続等を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかるキャッシュカードやクレジットカードを使用するシステムにおいては、ユーザがこれを使用する毎にカード端末装置から銀行やカード会社の管理コンピュータに対してカード使用の承認要求を送信する必要があり、通信回線の接続処理が必要になる分、カードの使用時の処理が煩雑になる問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、現金に代用されたカードを一段と確実かつ有効に使用し得る電子マネーシステムを提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、情報カードにユーザが指定する金額を現金、キャッシュカード又はクレジットカードのいずれかの方法により所定の入金端末装置を用いて入金する入金端末手段と、入金端末装置から所定の通信回線を介して送信されたキャッシュカード番号、クレジットカード番号、ユーザの暗証番号及び金額をキャッシュカード又はクレジットカードを管理する管理センターへ送信する電子マネー管理手段と、情報カードに記憶されているデータの読み取りを複数の電子マネー端末装置を用いて行なう電子マネー端末手段とを具え、管理センターは、キャッシュカード番号、クレジットカード番号、ユーザの暗証番号及び金額に基づいて情報カードの使用の可否を判断し、その判断結果を電子マネー管理手段へ送信し、電子マネー管理手段は、判断結果を入金端末手段に送信し、入金端末手段は、判断結果により使用可の場合、ユーザが指定する金額を情報カードに残高金額として更新し、複数の電子マネー端末装置は、情報カードから受信した情報カードの残高金額から売り上げ金額を減算することにより電子マネー利用情報として電子マネー利用金額、情報カード番号及び利用日時情報を格納し、当該残高金額が不足している場合には不足分の金額をクレジット利用額として当該電子マネー端末装置の記憶部に格納するとともに、電子マネーログデータとして上記電子マネー管理手段へ送信することにより、電子マネー端末手段において情報カードが利用される毎に電子マネー管理手段への利用履歴データの送信を行う必要がなくなる。従つて電子マネー端末手段から電子マネー管理手段への利用履歴データの送信回数が少なくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0008】
(1)電子マネーシステムの構成
図1において1は全体として電子マネーシステムを示し、ICカード50の発行及び電子マネーの管理並びに決算を行う電子マネー管理部10と、ICカード50に電子マネー(金額データ)を入金する入金端末装置21x と、当該電子マネーが入金されたICカード50によるユーザの支払いを受け付ける各店舗3の電子マネー端末装置25x と、ユーザがICカード50を用いて商品を購入し得るようになされた自販機19x 及び当該自販機19x からICカード50の利用履歴(利用金額、日時等)を受信してこれを蓄積する自販機サーバ18とを有する。入金端末装置21x 、電子マネー端末装置25x 及び自販機19は複数設置される。
【0009】
図2に示すように、電子マネー管理部10においては、第1のLAN(Local Area Network)を構成するデータバスBUS1に各種サーバ(セキュリティサーバ11、電子マネーサーバ13、発行データサーバ14、発行装置15、総合サーバ16、アクセスサーバ17及び自販機サーバ18)が接続され、また第2のLANを構成するデータバスBUS2には各種端末装置(入金端末装置211 〜21n 、電子マネー端末装置251 〜25n 及び自販機191 〜19n )が接続されている。そして、第1のLAN及び第2のLANはアクセスサーバ17を介して接続される。
【0010】
電子マネー管理部10において、セキュリティサーバ11は、図3に示すように、記憶部11Bに格納された動作プログラムに従って動作するCPU11Aを有し、当該CPU11Aは、総合サーバ16と他の端末装置やサーバとの間でのデータの授受において、当該授受されるデータを通信部11Hを介して入力し、所定の暗号化キーを用いた暗号化及び相互認証部11Cによる通信先の認証処理等を行う。
【0011】
総合サーバ16は、図4に示すように、記憶部16Bに格納された動作プログラムに従って動作するCPU16Aを有し、各入金端末装置211 〜21n を介して入金された金額データ等の取引履歴情報や、各電子マネー端末装置251 〜25n に蓄積されたICカード50の利用履歴(ICカード番号、利用金額、日時等)を例えば第2のLAN、アクセスサーバ17、第1のLAN及びセキュリティサーバ11を介して通信部16Hから取り込み、データバスBUS16を介してデータベース16Cに格納する。
【0012】
また総合サーバ16は、銀行・クレジット会社管理コンピュータ100から供給されるユーザ指定口座からの引き落とし金額データを電子マネーサーバ13を介してデータベース16Cに格納するようになされている。
【0013】
電子マネーサーバ13は、所定の通信回線で外部の銀行・クレジット会社コンピュータ100の間でデータの授受を行うと共に、総合サーバ16のデータベース16Cに格納された電子マネーに関する種々の情報に基づいて例えば1カ月に1回の割り合いで決済を行う。
【0014】
発行サーバ14は、発行装置15において発行されたICカード50のICカード番号及び当該ICカード50を所有するユーザのクレジットカード番号の組み合わせをデータベースに登録しておく。
【0015】
また、自販機サーバ18は、各自販機191 〜19n から送信されたICカード50の利用履歴(利用額、日時等)を蓄積し、例えば1日に1回の割合でこれを第2のLAN、アクセスサーバ17、第1のLAN及びセキュリティサーバ11を介して総合サーバ16のデータベース16Cに格納する。
【0016】
この電子マネーシステム1において、電子マネー管理部10の発行装置15は非接触で情報を書き込み又は読み取るようになされたIC(Integrated Circuit)カード50を発行し、各テナント企業の発行窓口2(図1)においてこれをユーザに配付する。このICカード50はメモリを有し、各ICカードごとに固有のICカード番号が当該メモリに予め記憶される。
【0017】
すなわちICカード50は、図5及び図6に示すように、電源供給用のバッテリを有しないバッテリレス型のICカードであり、例えば平板状の基板55を基台として、データ書込み読出し装置60から放射された電磁波を受信して電気信号に変換するコイル状のループアンテナ52と、送信データの変調又は受信データの復調を行う変復調回路53と、受信データの解析及び送信データの生成を行う制御部54とを有する。
【0018】
このICカード50においては、データ書込み読出し装置60から放射された電磁波をループアンテナ52で受信し、これを変調波として変復調回路53に送出する。変復調回路53は変調波を復調し、これをデータ書込み読出し装置60から送信された送信データD1として信号処理回路54に供給する。
【0019】
信号処理回路54はハードロジック回路又はCPU(Central Processing Unit) によって構成される制御部59と、ROM(Read Only Memory)57及びRAM(Random Access Memory)58からなるメモリ部を内部に有し、制御部59はROM57に書き込まれているプログラムに従って送信データD1をRAM58上で解析し、解析された送信データD1に基づいてRAM58に格納されている電子マネーに関する種々のデータD2を読み出して、これを変復調回路53に送出する。変復調回路53は、データD2を変調し、ループアンテナ52(図5)から電磁波としてデータ書込み読出し装置60に放射する。
【0020】
変復調回路53は、電磁波のエネルギーを安定した直流電源に変換する電源回路を内部に有しており、データ書込み読出し装置60から放射されてループアンテナ52で受信した電磁波を基に電源回路によって直流電源DC1を生成して制御部59に供給すると共に、受信した電磁波に基づいて生成したクロック信号CLK1を制御部54に供給し、また、各種制御用のコントロール信号CTL1を制御部54から受け取るようになされている。
【0021】
データ書込み読出し装置60は、データバスBUSを介して供給された種々の送信データを変復調回路61に入力し、変復調回路61はこれを電磁波として効率良く放射し得る所定の周波数帯域の搬送波を用いて送信データに基づく変調処理を施し、ループアンテナ62から電磁波として放射する。
【0022】
また、データ書込み読出し装置60は、ICカード50から放射された電磁波をループアンテナ62によって受信し、これを変調波として変復調回路61に供給する。変復調回路61は、変調波を復調し、これをICカード50から送信されたデータとしてデータバスBUSを介して信号処理部(図示せず)に供給する。
【0023】
このICカード50のRAM58は、電子マネーに関する種々の情報を記憶するようになされており、これらの情報はディレクトリによって管理された複数のファイルに格納される。すなわちICカード50のRAM58には、図7(A)に示すように、ディレクトリの上位情報であるICカード番号D11、ファイル及びディレクトリの定義情報D12及びファイルへのアクセスキーD13等からなる管理情報D10と、図7(B)に示すようにディレクトリ構造の下位情報である電子マネー情報D20とが記憶される。電子マネー情報D20としては、電子マネーの残高を表す残高データD22と、電子マネーの利用履歴を表す電子マネーログデータD23と、ユーザがICカード50を用いて買い物等を行う際に残高データD22が利用金額に対して不足している場合に当該不足分をクレジットカード利用分として支払い可能であるか否かをICカード50の配付時に予め登録するクレジットカード利用フラグ(後述する)D24と、その他ユーザに関する情報(社員番号や入出門データ)D25とが各ファイルに書き込まれる。
【0024】
かかるICカード50の配付を受けたユーザは、図1に示す入金端末装置21x によってICカード50に所望金額の現金に代わる金額データ(電子マネー)を現金又はキャッシュカード若しくはクレジットカードを用いて入力する。この入金端末装置21x は図8に示すように、ICカード50に対して非接触でデータの授受を行うカード通信部21D(図5のループアンテナ62及び変復調回路61と同様構成)と、キャッシュカードやクレジットカード40の磁気ストライプからデータを読み取るクレジットカード通信部21Eと、現金を投入する現金投入部21Jと、表示部21F及び操作部21Gが一体化されたタッチパネルと、利用の控えであるレシートを掃出するレシート掃出部21Iとをその外装部に有する。
【0025】
この入金端末装置21x を用いてICカード50に金額データ(電子マネー)を入力する入金方法として、ユーザが入金端末装置の現金投入部21Iに現金を投入することにより当該入金端末装置21x が投入された現金分の金額データをICカード50のRAM58に書き込む現金による入金方法、又はユーザが銀行発行のキャッシュカードやカード会社発行のクレジットカードをクレジットカード通信部21Eに挿入し操作部21Gを介して所望の金額を入力指定することにより入金端末装置21x が当該指定された金額データをキャッシュカード又はクレジットカードの指定口座からICカード50に移す方法がある。因みに、キャッシュカードとは銀行口座の預金を利用するためのカードを意味し、クレジットカードとは当該クレジットカードを発行したクレジット会社がユーザに対して所定金額を融資するためのカードを意味する。
【0026】
ここで、図9に示すように、入金端末装置21x においてCPU21Aは記憶部21Bに格納されているプログラムに従い、図10に示す入金処理手順を実行するようになされている。CPU21AはユーザがICカード50をカード通信部21Dに接近させると共に操作部21Gを介して入金開始操作を行うと、図10に示すステップSP10から当該入金処理手順に入り、続くステップSP11に移ってICカード50からカード番号等の情報を読み出すと共に入力操作部21Gを介してユーザが入金方法を入力するのを待ち受ける。
【0027】
ここで、ユーザが現金による入金を指定するとCPU21Aは現金投入部21Jの投入蓋を開けてユーザが現金を投入するのを待ち受ける。そしてユーザが現金を現金投入部21Jに投入すると、CPU21Aは当該投入された現金の金額を数える。
【0028】
これに対してユーザがキャッシュカード又はクレジットカード40を用いた入金方法を指定すると、CPU21Aは表示部21の表示によりユーザに対してキャッシュカード又はクレジットカード40のクレジットカード通信部21Eへの挿入を促すと共に入金金額の操作入力を促す。これによりユーザは所望の入金金額を操作部21Gを介して入力する。
【0029】
かくしてCPU21Aは、ユーザが指定した入金方法が現金による入金である場合、続くステップSP12からステップSP17に移って、このときユーザが現金投入部21Jに投入した現金の金額をカード通信部21Dを介してICカード50に送信すると共に、当該現金による入力分の金額データを通信部21Hを介して電子マネー管理部10の総合サーバ16に送信し格納する。これにより、ICカード50の制御部50は入金端末装置21x から送信された入金金額データをRAM58の電子マネー残高に加えることにより、当該電子マネーの残高を表す残高データD22(図7(B))を更新する。
【0030】
これに対して、ユーザが指定した入金方法がキャッシュカード又はクレジットカード40を用いた入金方法である場合、CPU21AはステップSP12からステップSP13に移り、クレジットカード通信部21Eに挿入されたキャッシュカード又はクレジットカード40の磁気ストライプからクレジットカード番号を読み出し、当該クレジットカード番号と、このときユーザが操作部21Gを介して入力したキャッシュカード又はクレジットカード40の暗証番号と、キャッシュカード又はクレジットカード40の使用要求及びその金額を通信部21Hを介して電子マネー管理部10(図1)に送信する。このとき、入金端末装置21x の相互認証部21Cは、CPU21Aが通信する通信先が正規の通信先であるか否かを判断するようになされている。
【0031】
そして、電子マネー管理部10は入金端末装置21x から送信されたクレジットカード番号、ユーザ入力の暗証番号、キャッシュカード又はクレジットカード40の使用要求及びその金額を通信回線を介してキャッシュカードやクレジットカードを管理する銀行・クレジット会社管理コンピュータ100に送信する。
【0032】
銀行・クレジット会社管理コンピュータ100は、ユーザが所有する各キャッシュカードやクレジットカードについて、そのキャッシュカード番号やクレジットカード番号と正規の暗証番号とを管理しており、このとき電子マネー管理部10から送信されたクレジットカード番号及びユーザ入力の暗証番号の組み合わせが正規の組み合わせである場合に、当該送信されたクレジットカードの使用要求を受け付ける。
【0033】
そして銀行・クレジット会社管理コンピュータ100は、このとき電子マネー管理部10から送信されたキャッシュカード番号やクレジットカード番号で指定された口座の残高の確認及び当該キャッシュカード又はクレジットカード40の期限、紛失届け情報等に基づくカード使用の可否を判断する。
【0034】
このとき指定された金額が指定口座に残っていると共にキャッシュカード又はクレジットカード40の使用が可能である場合には、銀行・クレジット会社管理コンピュータ100は当該金額の利用を承認し、その旨を電子マネー管理部10に返送すると共に、当該金額を指定口座から電子マネー管理部10の総合サーバ16に移す。これに対して指定された金額が指定口座で不足している場合又はキャッシュカードやクレジットカード40の期限や紛失届け情報等により当該カードの使用が承認されない場合、銀行・クレジット会社管理コンピュータ100は当該金額の利用を承認せず、その旨を電子マネー管理部10に返送する。
【0035】
電子マネー管理部10は承認判断結果を入金端末装置21x に送信することにより、入金端末装置21x のCPU21Aは図10のステップSP14において承認判断結果を通信部21Hを介して受信する。
【0036】
そして当該承認判断結果が承認可である場合、CPU21AはステップSP15からステップSP17に移ってユーザが指定した金額をICカード50に送信する。これにより、ICカード50の制御部50は入金端末装置21x から送信された入金金額データをRAM58の電子マネー残高に加えることにより、当該電子マネーの残高を表す残高データD22(図7(B))を更新する。
【0037】
そしてCPU21Aは、レシート掃出部21Iから当該取引内容を印刷したレシートを掃出し、ステップSP18において当該入金処理手順を終了する。
【0038】
これに対して、ステップSP14において受信した承認判断結果が承認不可である場合、CPU21AはステップステップSP15からSP16に移って、このときユーザがクレジットカード通信部21Eに挿入したキャッシュカード又はクレジットカード40の使用承認が得られない旨を表示部21Fに表示し、ステップSP18において当該入金処理手順を終了する。
【0039】
かくして、ICカード50に対してユーザ所望の金額データ(電子マネー)が現金を用いて入力されると、当該現金による入力分の金額データが入金端末装置21x から電子マネー管理部10の総合サーバ16に送信及び格納され、また、ICカード50に対してユーザ所望の金額データ(電子マネー)がキャッシュカード又はクレジットカード40を用いて入力されると、このとき銀行・クレジット会社管理コンピュータ100は、ICカード50に入力した金額データ(電子マネー)相当の金額データをこのときキャッシュカード又はクレジットカード40によって指定された口座から電子マネー管理部10に送信し、総合サーバ16に格納する。
【0040】
これにより、電子マネー管理部10の総合サーバ16はICカード50に入金された電子マネーの金額相当(現金入金分及び、キャッシュカード又はクレジットカード入金分を含む)の金額データを保持することになる。
【0041】
このようにしてICカード50には、現金、キャッシュカード又はクレジットカードによる種々の入金方法によりユーザ所望の金額データ(電子マネー)が入力される。そして、ユーザは当該金額データが入力されたICカード50を用いて各店舗での買い物等を行うことができる。
【0042】
各店舗には、例えばPOS(Pointing On Sale)レジスタを接続してなる電子マネー端末装置25x (251 〜25n )が設けられている。この電子マネー端末装置25x は、図11に示すように、当該電子マネー端末装置25x が設置された店舗の店員が操作する本体部25Jと、ICカード50を使用するユーザがICカード50を近づけることにより当該ICカード50との間で利用に際してのデータの受渡しを非接触で行うICカード書込み読取り部25Kを有する。
【0043】
本体部25Jの外装部には表示部25F及び操作部25Gが一体化されたタッチパネルを有し、操作部25Gとして四則演算キー25G1 、ファンクションキー25G2 、百円キー25G3 及び千円キー25G4 等が設けられている。各ファンクションキー25G2 には、利用頻度の高い商品の値段を予め設定することができ、本体部25Jを操作する店員は、ファンクションキー25G2 及び四則演算キー25G1 を例えば「F1×3+F2×2」のように操作することにより、複数の商品購入に対して容易にその値段を入力することができる。因みに、百円キー25G3 及び千円キー25G4 は、店員が商品の値段を四則演算キー25G1 の数字キーを用いて入力する際に使用される。
【0044】
また、ICカード書込み読取り部25Kは、ICカード50に対して非接触でデータの授受を行うカード通信部21D(図5のループアンテナ62及び変復調回路61と同様構成)と、取引内容が表示される表示部25Lとをその外装部に有する。この電子マネー端末装置25x を用いる場合、ユーザがICカード50を電子マネー端末装置25x のICカード書込み読取り部25Kにかざす(接近させる)行為を行うことにより、当該ユーザにICカード50の利用意思(すなわち消費意思)があると判断するようになされている。
【0045】
表示部25Lは、本体部25Jにおいて店員が操作部25Gを介して入力した売上金額が表示される売上金額表示部25L1 と、ICカード50の残高が不足した際に、当該不足金額を表示する差引額表示部25L2 と、このときICカード50を利用した後のICカード50の電子マネー残高を表示する残高表示部25L3 とを有する。
【0046】
そして、図12に示すように、電子マネー端末装置25x においてそのCPU25Aは記憶部25Bに格納されているプログラムに従い、図13に示すICカード使用手順を実行するようにされている。CPU25AはユーザがICカード50をICカード書込み読取り部25Kのカード通信部25Dに接近させると共に、店員が本体部25Jの操作部25Gを操作することにより取引開始操作を行うと、図13に示すステップSP20から当該ICカード使用手順に入り、続くステップSP21に移ってICカード50からカード番号等の情報及び後述する過去の利用履歴データを読み出すと共に操作部25Gを介して店員が売上金額を入力するのを待ち受ける。
【0047】
ここで、店員が商品の値段を操作部25Gを介して入力すると、CPU25Aは続くステップSP22に移り、当該売上金額に基づいてICカード50のRAM58に格納されている残高データD22(図7(B))から売上金額分を減算すると共に、当該減算した電子マネー利用金額を電子マネー端末装置25x の記憶部25Bの電子マネー利用額記憶領域にICカード50のカード番号及び利用日時情報と共に格納する。因みに、利用日時は、本体部25Jに設けられたタイマ25Tにより検出される。
【0048】
ここで、ICカード50に格納されている電子マネーの残高に対して消費しようとする金額が高い場合、CPU25Aは表示部25F及び差引額表示部25L2 に表示すると共に、続くステップSP23からステップSP24に移り、ICカード50に記憶されているクレジットカード利用可能フラグ(図7(B))を読取り、利用可能状態であればステップSP25に移ってこのときの不足分をクレジットカード利用額として電子マネー端末装置25x の記憶部のクレジットカード利用額記憶領域に格納する。
【0049】
これにより、ICカード50の残高から取り込んだ金額は電子マネー端末装置25x の記憶部25Bに電子マネー利用情報としてICカード50のカード番号及び利用日時情報と共に格納され、クレジットカード利用額として消費された金額は電子マネー端末装置25x の記憶部25Bにクレジットカード利用情報としてICカード50のカード番号及び利用日時情報と共に格納される。
【0050】
因みに、ICカード50をユーザに配付する際、ユーザが利用するカード会社発行の利用可能なクレジットカードの番号と当該ユーザに配付されるICカード50のカード番号とを電子マネー管理部10の発行データサーバ14(図2)において登録すると共にICカード50のRAM58のクレジットカード利用フラグD24(図7(B))を利用可能状態としておくようになされている。そして、電子マネー管理部10は、定期的にカード会社に対して当該クレジットカードの番号によりそのカードの使用可否を、有効期限、支払いの遅延の有無、盗難や紛失の届け出の有無等により確認する。
【0051】
当該確認の結果登録されているクレジットカードが使用不可である場合、電子マネー管理部10は各電子マネー端末装置25x (251 〜25n )に対して、使用不可であるクレジットカードの番号が登録されているユーザのICカード50のカード番号とクレジットカードが使用不可である旨を表す情報を送信する。これにより、各端末装置25(251 〜25n )は、そのICカード50が使用されたとき、電子マネーの残高が不足してもクレジットカードの利用分として割り振ることなく、残高が不足していることを表示部25F及び25Lに表示すると共に、当該ICカード50のメモリのクレジットカード利用可能フラグを利用不可に設定する。
【0052】
ICカード50のメモリに設定したクレジットカード利用可能フラグが利用不可に変更されると、各電子マネー端末装置25x (251 〜25n )は当該ICカード50に予め入金された電子マネーの消費のみを行うことになる。従って、この場合電子マネー端末装置25のCPU25Aは図13のステップSP24からステップSP26に移り、クレジットカード利用不可である旨を表示部25F及び25Lに表示する。
【0053】
そして、一連のICカード50の利用に関する処理が完了すると、電子マネー端末装置25のCPU25Aは、ステップSP27に移って、このときの利用履歴をICカード50のRAM58に電子マネーログデータD23(図7(B))として書き込んだ後、ステップSP28において当該ICカード使用手順を終了する。
【0054】
この結果、電子マネー端末装置25の記憶部25Bには、ICカード50を利用した際の利用履歴として、予めICカード50に格納されている電子マネーによる利用額及び当該電子マネーが不足した際にクレジットカードの利用に振り換えられたクレジットカード利用額とが分けて記録される。因みに、このとき記憶部25Bには利用日時及びICカード番号が利用額と共に利用履歴情報として記録される。
【0055】
ここで、ICカード50のRAM58に書き込まれる電子マネーログデータD23(図7(B))は、図14(A)に示すように、例えば12の項目からなる32[byte]のデータで1つの利用履歴ブロックを構成し、当該利用履歴ブロックが過去15ブロック分だけサイクリックに書き込まれるようになされている。
【0056】
この利用履歴ブロックには、当該ブロックに書き込まれる利用時の通信をICカード50で特定するための通信特定情報D231 と、当該利用履歴における電子マネーの利用形態(入金、消費等の利用形態と、消費が電子マネー残高を利用したものであるか又はその不足分をクレジットカード利用に振り換えたものであるかの種別)を表すログタイプ情報D232 と、利用日時情報D233 と、使用した電子マネー端末装置25x の番号を表すターミナル番号情報D234 と、当該利用履歴における取引(利用)金額情報D235 と、ICカード利用時における通信データの暗号化キーのバージョンを表すキーバージョン情報D236 と、取引(利用)後のICカード内の電子マネー残額を表す利用後残額情報D237 と、当該取引(利用)時の電子マネー端末装置25x とICカード50との通信において電子マネー端末装置25x が当該通信を特定するための通信特定情報D238 と、上述のキーバージョン情報D236 で指定されたキーを用いて表現されたサイン情報D239 とを有する。
【0057】
このようにICカード50の制御部59は各利用ごとに1つの利用履歴ブロック(図14(A))からなる電子マネーログデータD23として形成するようになされている。この場合の利用単位とは、ICカード50に予め格納されている電子マネーによる利用と、当該電子マネーが不足した際にクレジットカード利用分に振り分けられた利用とを別々の単位(利用履歴)としており、これらの利用単位ごとに別々の利用履歴ブロックを形成するようになされている。
【0058】
このようにしてICカード50を利用するごとに作成される電子マネーログデータD23は、図13について上述したICカード使用手順のステップSP28においてICカード50のRAM58に書き込まれる一方、図13について上述したステップSP22及びステップSP25において電子マネー端末装置25の記憶部25Bにも蓄積される。
【0059】
この場合、電子マネー端末装置25のCPU25Aは、図14(B)に示すICカード50を特定するカード特定情報D23Aを電子マネーログデータD23(図14(A))に付加して記憶部25Bに書き込む。
【0060】
すなわち、カード特定情報D23Aは、当該カード特定情報23Aを付加する電子マネーログデータD23において利用されたICカードを表すICカード番号D23A1 と、このとき電子マネーログデータD23を書き込む電子マネー端末装置25x が電子マネーログデータD23が作成されたカード利用時の電子マネー端末装置25x と同一であるか否かを表す取引ターミナルフラグD23A2 と、当該電子マネーログデータD23を電子マネー端末装置25x に書き込む際の通信データの暗号化キーのバージョンを表すキーバージョン情報D23A3 と、キーバージョン情報D23A3 で指定されたキーを用いて表現されたサイン情報D23A4 とを有する。
【0061】
因みに、電子マネー端末装置25x のCPU25Aは、電子マネーログデータD23を、当該電子マネーログデータD23が作成されたカード利用時においてICカード50のRAM58に書き込むと共に、当該電子マネーログデータD23にカード特定情報D23Aを付加して電子マネー端末装置25x の記憶部25Bに書き込む。ここで、ICカード50に書き込まれた電子マネーログデータD23は、過去15回の利用分だけICカード50に蓄積されており、これらの電子マネーログデータD23は、新たに当該ICカード50が利用されるごとに当該ICカード50を利用した電子マネー端末装置25x にカード特定情報D23Aと共に書き込まれる。
【0062】
従って、電子マネー端末装置25x は、ICカード50が利用されるごとに、当該ICカード50に書き込まれている過去15回の利用分の電子マネーログデータD23を記憶部25Bに書き込むようになされており、当該書込む過去の電子マネーログデータD23のターミナル番号情報D234 が他の電子マネー端末装置25x を表す情報であると、カード特定情報D23Aの取引ターミナルフラグD23A2 により、当該電子マネーログデータD23が他の電子マネー端末装置25x による取引を表すものであることを表示するようになされている。そしてこの表示は、電子マネー管理部10による決済時に使用される。
【0063】
因みに、図15に示すように、ICカード50(501 、502 ……50n )を使用する際に、当該各ICカード50(501 、502 ……50n )に蓄積されているそれぞれの過去15回使用分の電子マネーログデータD23(11)〜D23(151) 、D23(12)〜D23(152) 、D23(1n ) 〜D23 (15n ) が毎回電子マネー端末装置25x に書き込まれることにより、同一の電子マネー端末装置25x に対して同一のICカード50を複数回使用すると、当該電子マネー端末装置25x には同一の電子マネーログデータD23が書き込まれる場合が生じるが、この場合電子マネー端末装置25のCPU25Aは図14に示した電子マネーログデータD23の通信特定情報(Card Transaction S/N (A))D231 に基づいて同じ電子マネーログデータD23を破棄する。
【0064】
これにより、1つの電子マネー端末装置25x には、ICカード50(501 、502 、……50n )が使用されたときこれらのICカード50(501 、502 、……50n )から読み取られた過去15回使用分の電子マネーログデータD23と、当該使用時に発生した新たな電子マネーログデータD23が重複なく記憶される。
【0065】
この状態においては、複数の電子マネー端末装置25x (251 、252 、……25n )に、各ICカード50(501 、502 、……50n )の同じ電子マネーログデータD23が記憶されていることになる。但し、これら各電子マネー端末装置25x に分散して記憶された同じ電子マネーログデータD23のうち、当該電子マネーログデータD23が発生した取引時(ICカード利用時)に使用した電子マネー端末装置25x に記憶される電子マネーログデータD23には、当該電子マネーログデータD23と共に記憶されているカード特定情報D23A(図14(B))の取引ターミナルフラグ(Terminal Transaction Flag) D23A2 (図14(B))が立っており、電子マネー管理部10に集められた電子マネーログデータD23のうち、取引ターミナルフラグが立っている電子マネーログデータD23のみが決済時に使用される。
【0066】
かくして、電子マネー端末装置25x にはICカード50を使用する毎の金額、カード番号、日時情報が利用履歴(電子マネーログデータD23)として蓄積され、電子マネー管理部10は、各電子マネー端末装置25x (251 〜25n )に蓄積されたICカード50の利用履歴を1日に1回まとめて取り込む。
【0067】
そして、電子マネー管理部10は、当該取り込まれた各端末装置25(251 〜25n )からのICカード利用履歴情報(電子マネーログデータD23及びカード特定情報D23A)のうち、クレジットカード利用情報について、所定の期間ごとに各ICカード50ごとにまとめて集計し、当該集計結果をそのICカード50のカード番号と共に予め登録されているクレジットカード番号に基づいて銀行・カード会社管理コンピュータ100に送信する。
【0068】
このとき、銀行・カード会社管理コンピュータはクレジットカードの利用に振り換えられた分の金額をユーザの口座から引き落とし、電子マネー管理部10に送信することにより総合サーバ16に蓄積する。
【0069】
従って、ユーザがICカード50を利用する際に電子マネー残高が不足した際にクレジットカード利用額として蓄積された金額は、まとめて銀行・カード会社管理コンピュータ100でユーザの口座から引き落とされ、電子マネー管理部10の総合サーバ16に格納される。
【0070】
このように、ユーザがICカード10を使用する際、電子マネー残高に不足が生じてクレジットカードでの利用に振り換えられても、その時直ちに銀行・カード会社管理コンピュータ100に対する引き落とし処理を行わず、後でまとめて引き落とすことにより、電子マネー管理部10から銀行・カード会社管理コンピュータ100への1回の通信で複数利用分の金額の引き落とし請求を行うことができる。このように、ICカード50の1回の使用ごとに通信費用が発生しないことにより、利用金額が小額であってもICカード50(クレジットカード)を利用することができる。
【0071】
そして、電子マネー管理部10は各端末装置25(251 〜25n )から1日に1回ずつまとめて総合サーバ16のデータベース16Cに取り込んだICカード50の利用履歴(電子マネーログデータD23及びカード特定情報D23A)に基づいて例えば1カ月に1回決済処理を行う。
【0072】
図16は電子マネー管理部10の電子マネーサーバ13が各電子マネー端末装置25x から定期的(例えば1日に1回の頻度)に電子マネーログデータD23図14(A))及びカード特定情報D23A(図14(B))の組み合わせデータ(利用履歴)を総合サーバ16に集め、当該総合サーバ16に蓄積された利用履歴を用いて決済処理を行う処理手順を示し、電子マネーサーバ13はステップSP40から当該処理手順に入ると、続くステップSP41において例えば1日に1回の頻度で各電子マネー端末装置25x から、これら電子マネー端末装置25x に蓄積された利用履歴を集め、総合サーバ16に格納する。
【0073】
そして、続くステップSP42において電子マネーサーバ13は、例えば1カ月に1回の頻度で行われる決済時であるか否かを判断し、決済時であるときステップSP43に移って、総合サーバ16に蓄積された利用履歴のうち、取引ターミナルフラグ(Terminal Transaction Flag) D23A2 が立っている利用履歴データを分別ログデータとして分別する。
【0074】
そして、電子マネーサーバ13は続くステップSP44に移り、分別ログデータと他の利用履歴データとを比較する。この比較結果が不一致である場合、このことは電子マネー端末装置25x のいずれかにおいてICカード50の使用時に発生した電子マネーログデータD23が失われたことを表しており、このとき電子マネーサーバ13はステップSP45において否定結果を得、ステップSP46に移る。
【0075】
ステップSP46において電子マネーサーバ13は、分別ログデータと一致しない他の利用履歴データを分別ログデータとする。これにより、失われた電子マネーログデータD23については、他の電子マネー端末装置25x においてICカード50の利用時に当該ICカード50から読み出された電子マネーログデータD23によって代用される。
【0076】
かくして電子マネーサーバ13は続くステップSP47において分別ログデータのみを用いて決済処理を行い、ステップSP48において当該処理手順を終了する。
【0077】
ここで、電子マネーサーバ13は、総合サーバ16からの処理開始命令に従って、図16の決済処理ステップ(ステップSP47)に入ると図17に示すステップSP30から決算処理手順に入り、続くステップSP31において電子マネー端末装置から集められた利用履歴(電子マネーログデータD23及びカード特定情報D23A)をその利用日時情報D233 (図14(A))に基づいて利用時間帯ごとに分類する。因みに、総合サーバ16のデータベース16Cには、各店舗に対する電子マネーシステム1の利用手数料が予め格納されており、当該利用手数料として売上金額に対する手数料率が時間帯ごとに異なる値として設定されている。この実施の形態の場合、ICカード50の利用時間が午前5時から午後5時の間(第1の時間帯)であるとき手数料率が5%とされ、午後5時から午前5時までの間(第2の時間帯)であるとき手数料率が7パーセントとして設定されている。
【0078】
従って、電子マネーサーバ13は図15のステップSP31において第1の時間帯及び第2の時間帯に分類された電子マネーログデータD23を、続くステップSP32において時間帯ごとの手数料率を用いて決済する。
【0079】
これにより、電子マネーサーバ13は、第1の時間帯において利用された利用金額には5%の利用手数料率を用い、第2の時間帯において利用された利用金額には7%の利用手数料率を用いて決済処理を行う。
【0080】
これにより、第1の時間帯において利用された利用金額からその5%の利用手数料が差し引かれると共に、第2の時間帯において利用された利用金額からその7%の利用手数料が差し引かれた金額が各店舗の利益となる。このようにして決済処理を行った後、電子マネーサーバ13は続くステップSP33に移って、決済処理の結果に応じた利益額を総合サーバ16のデータベース16Cに蓄積されている金額データから取り出して各店舗の口座に振り込む。このとき、電子マネーサーバ13は各店舗向けの振込明細資料をすべての利用の時間帯別明細と時間帯別の合計データとを出力して各店舗に配付する。
【0081】
そして、電子マネーサーバ13はステップSP34において当該決済処理を終了する。
【0082】
このように、時間帯ごとに電子マネー利用手数料率を変えることにより、比較的低額の商品の販売が多くなる昼間には、低い手数料率を設定すると共に比較的高額の商品の販売が多くなる夜間には、高い手数料率を設定することにより、各店舗における商品の値段設定に応じた手数料率を実現できる。
【0083】
(2)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、各ICカード50(501 、502 、……50n )を複数のユーザが使用する際、各ICカード50(501 、502 、……50n )には、過去15回使用分の電子マネーログデータD23が蓄積されている。この電子マネーログデータD23は新たな電子マネーログデータD23の発生ごとに古いものから順に捨てられる。従って、ICカード50には最新の15回分の利用履歴が格納されていることになる。
【0084】
そして、ユーザが当該ICカード50を使用すると、当該ICカード50に記憶されている過去15回使用分の電子マネーログデータD23がすべて電子マネー端末装置25x の記憶部25Bに蓄積される。従って、電子マネー端末装置25x には、このとき使用されたICカード50について、当該電子マネー端末装置25x 以外の電子マネー端末装置25x における利用履歴も蓄積される。
【0085】
従って、複数の電子マネー端末装置25x には、それぞれ同じ電子マネーログデータD23が存在することになる。但し、実際にICカード50の利用時に発生した電子マネーログデータD23には、取引ターミナルフラグD23A2 が立った状態で当該実際の取引時に使用された電子マネー端末装置25x 内に蓄積されている。
【0086】
そして、電子マネー管理部10は、各電子マネー端末装置25x からそれぞれにおいて蓄積された電子マネーログデータD23及びカード特定情報D23Aの組み合わせである利用履歴データを集め、決済を行う。このとき、各電子マネー端末装置25x から集められた利用履歴データのなかには、同一のデータ(但し取引ターミナルフラグD23A2 が立っているデータと立っていないデータとがある)が存在する。
【0087】
これらの利用履歴データのなかから、取引ターミナルフラグD23A2 が立っているデータのみを分別することにより、実際に取引が行われた電子マネー端末装置25x からの利用履歴データが集められる。このとき、例えばいずれかの電子マネー端末装置25x が故障して内部に蓄積されている利用履歴データが失われている場合には、当該失われた利用履歴データのなかの取引ターミナルフラグが立っているデータを他の電子マネー端末装置25x に蓄積されている同一の電子マネーログデータD23を用いて代用する必要がある。従って、電子マネー管理部10における決済時には、取引ターミナルフラグが立っている分別ログデータと、取引ターミナルフラグが立っていない他の利用履歴データとを比較し、分別ログデータが失われていると判断されるとき(不一致の比較結果が得られるとき)、他の利用履歴データを分別ログデータに代用することができる。
【0088】
このように、複数の電子マネー端末装置25x 内に同一の電子マネーログデータD23を格納することにより、いずれかの電子マネーログデータD23が失われた場合でも、他の電子マネー端末装置25x に格納されている電子マネーログデータD23を代用することができる。従って、各取引内容を表す同一の利用履歴データが複数蓄積されることにより、各電子マネー端末装置25x におけるICカード50の利用時に、電子マネー管理部10との通信を行うことなくオフラインで取引を行っても、利用履歴データの紛失を回避して確実に決済を行うことができる。
【0089】
この結果、電子マネー管理部10は例えば1日に1回の頻度で各電子マネー端末装置25x から利用履歴を集めるだけで良く、各電子マネー端末装置25x においてICカード50が使用される毎に利用履歴を電子マネー管理部10に送る場合に比べて、通信回数を少なくすることができデータ収集の処理が簡単になる。
【0090】
以上の構成によれば、複数の電子マネー端末装置25x にICカード50の同じ利用履歴データを蓄積することにより、1つの電子マネー端末装置25x に不都合が生じても、他の電子マネー端末装置25x に格納された利用履歴データを用いることができ、利用履歴データを確実に電子マネー管理部10に集めて決済することができる。
【0091】
かくするにつき、各電子マネー端末装置25x におけるICカード50の利用時ごとの電子マネー管理部10への利用履歴の送信が不要となり、少ない送信回数で利用履歴を確実に電子マネー管理部10に集めることができる。
【0092】
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、利用履歴に取引ターミナルフラグD23A2 を付加して電子マネー管理部10においてこれを集計する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電子マネー管理部10における決済時に各利用履歴(電子マネーログデータD23)の内容を比較し、当該比較結果が一致した電子マネーログデータD23を1つの利用履歴として決済を行うようにしても良い。また上述の実施の形態においては、非接触型のICカード50を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、接触型のICカードを用いるようにしても良い。
【0093】
また上述の実施の形態においては、取引ターミナルフラグD23A2 を用いて利用履歴を集計する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、電子マネー管理部10において各電子マネー端末装置25x を把握しておき、各電子マネー端末装置25x のうちいずれかが故障した際に、他の電子マネー端末装置25x から集めた利用履歴から故障した電子マネー端末装置25x において取引された利用履歴を探して、これを決済に用いるようにしても良い。この場合、利用履歴(電子マネーログデータD23)の中に記述されたターミナル番号情報D234 (図14(A))に基づいて故障した電子マネー端末装置25x において取引された際の利用履歴を用いるようにすれば良い。
【0094】
また上述の実施の形態においては、各電子マネー端末装置25x に蓄積されたICカード50の利用履歴を1日に1回まとめて電子マネー管理部10が取り込むと共に、当該電子マネー管理部10が1カ月に1回決済を行う場合について述べたが、各電子マネー端末装置25x からの利用履歴の取り込みタイミング及び決済処理のタイミングは、種々のタイミングを適用することができる。
【0095】
また上述の実施の形態においては、ICカード50に過去15回分の利用履歴を保存する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の回数分の利用履歴を保存するようにしても良い。
【0096】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、情報カードにユーザが指定する金額を現金、キャッシュカード又はクレジットカードのいずれかの方法により所定の入金端末装置を用いて入金する入金端末手段と、入金端末装置から所定の通信回線を介して送信されたキャッシュカード番号、クレジットカード番号、ユーザの暗証番号及び金額をキャッシュカード又はクレジットカードを管理する管理センターへ送信する電子マネー管理手段と、情報カードに記憶されているデータの読み取りを複数の電子マネー端末装置を用いて行なう電子マネー端末手段とを具え、管理センターは、キャッシュカード番号、クレジットカード番号、ユーザの暗証番号及び金額に基づいて情報カードの使用の可否を判断し、その判断結果を電子マネー管理手段へ送信し、電子マネー管理手段は、判断結果を入金端末手段に送信し、入金端末手段は、判断結果により使用可の場合、ユーザが指定する金額を情報カードに残高金額として更新し、複数の電子マネー端末装置は、情報カードから受信した情報カードの残高金額から売り上げ金額を減算することにより電子マネー利用情報として電子マネー利用金額、情報カード番号及び利用日時情報を電子マネーログデータとして格納し、当該残高金額が不足している場合には不足分の金額をクレジット利用額として当該電子マネー端末装置の記憶部に格納するとともに、電子マネーログデータとして上記電子マネー管理手段へ送信することにより、複数の電子マネー端末装置に情報カードと同じ電子マネー利用情報を蓄積することができるので、電子マネー端末手段において情報カードが利用される毎に電子マネー管理手段への利用履歴データの送信を行う必要がなくなり利用履歴データの収集処理が一段と簡単にし得る電子マネーシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子マネーシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】電子マネー管理部の構成を示すブロック図である。
【図3】セキュリティサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】総合サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】情報カードの構成を示す略線的斜視図である。
【図6】情報カードの構成を示すブロック図である。
【図7】情報カードに書き込まれるデータを示す略線図である。
【図8】入金端末装置の外観を示す斜視図である。
【図9】入金端末装置の構成を示すブロック図である。
【図10】入金端末装置による入金処理手順を示すフローチャートである。
【図11】電子マネー端末装置の外観を示す斜視図である。
【図12】電子マネー端末装置の構成を示すブロック図である。
【図13】電子マネー端末装置の情報カード使用手順を示すフローチャートである。
【図14】電子マネーログデータの構成を示す略線図である。
【図15】電子マネーログデータの流れを示す略線的ブロック図である。
【図16】ログデータの分別処理手順を示すフローチャートである。
【図17】電子マネー管理部による決済処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……電子マネーシステム、10……電子マネー管理部、11……セキュリティサーバ、13……電子マネーサーバ、14……発行サーバ、15……発行装置、16……総合サーバ、17……アクセスサーバ、18……自販機サーバ、19x ……自販機、21x ……入金端末装置、25x ……電子マネー端末装置、50……ICカード、100……銀行・カード会社管理コンピュータ。
Claims (2)
- 情報カードにユーザが指定する金額を現金、キャッシュカード又はクレジットカードのいずれかの方法により所定の入金端末装置を用いて入金する入金端末手段と、
上記入金端末装置から所定の通信回線を介して送信されたキャッシュカード番号、クレジットカード番号、上記ユーザの暗証番号及び上記金額を上記キャッシュカード又は上記クレジットカードを管理する管理センターへ送信する電子マネー管理手段と、
上記情報カードに記憶されているデータの読み取りを複数の電子マネー端末装置を用いて行なう電子マネー端末手段とを具え、
上記管理センターは、上記キャッシュカード番号、上記クレジットカード番号、上記ユーザの暗証番号及び上記金額に基づいて上記情報カードの使用の可否を判断し、その判断結果を上記電子マネー管理手段へ送信し、
上記電子マネー管理手段は、上記判断結果を上記入金端末手段に送信し、
上記入金端末手段は、上記判断結果により使用可の場合、上記ユーザが指定する上記金額を上記情報カードに残高金額として更新し、
上記電子マネー端末手段は、上記情報カードから受信した上記情報カードの上記残高金額から売り上げ金額を減算することにより電子マネー利用情報として電子マネー利用金額、上記情報カード番号及び利用日時情報を電子マネーログデータとして格納し、当該残高金額が不足している場合には不足分の金額をクレジット利用額として当該電子マネー端末装置の記憶部に格納するとともに、上記電子マネーログデータとして上記電子マネー管理手段へ送信する
電子マネーシステム。 - 上記情報カードは、上記複数の電子マネー端末手段に対し非接触で上記データを送受信する非接触型情報カードである
請求項1に記載の電子マネーシステム。
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