図1〜図12は、本発明の実施の形態の例を示すものである。即ち、図1及び図2は本発明のディスクドライブ装置の一実施例を示す平面図及び底面図、図3はピックアップが搭載されたスライド部材の斜視図、図4〜図6はスライド部材の軸受部を示す図、図7はスライド部材の斜視図、図8は軸受部の正面図及び側面図、図9A〜Dはディスクドライブ装置に係る弾性部材を示す図、図10〜図12は本発明のディスクドライブ装置を用いたディスク記録及び/又は再生装置の一実施例を示す図である。
まず、図10〜図12を参照して、本発明のディスクドライブ装置を用いたディスク記録及び/又は再生装置の一実施例を説明する。図10に示すディスク記録及び/又は再生装置1は、情報記憶メディアであるディスク状記録媒体の一具体例として示す直径8cmの光ディスクDVD−R(Digital Video Disc−Recordable)を使用し、光学的な画像を撮像手段の一具体例を示すCCD(固体撮像素子)で電気的な信号に変換してDVD−Rに記録したり、液晶モニタ等の表示装置に表示できるようにしたもの(以下「光ディスク式撮像装置」という。)である。
しかしながら、本発明のディスク記録及び/又は再生装置としては、この実施例で示す光ディスク式撮像装置1に限定されるものではなく、光ディスク式レコーダ、光ディスク式プレーヤ、光磁気ディスク式撮像装置、光磁気ディスク式レコーダ、光磁気ディスク式プレーヤ、磁気ディスク式撮像装置、磁気ディスク式レコーダ、磁気ディスク式プレーヤ等のようにディスク状記録媒体を用いて情報信号の記録や再生を行うディスク記録及び/又は再生装置であれば、各種の電子機器に適用できるものである。
即ち、本発明のディスク記録及び/又は再生装置に使用されるディスク状記録媒体としては、DVD−Rに限定されるものではなく、DVD−RW、DVD−RAMその他の記録可能な光ディスク、再生専用の光ディスクを用いることができることは勿論のこと、これらと記録方式が異なる光磁気ディスク、磁気ディスク等のように他の記録方式のディスク状記録媒体を適用することができることは勿論である。これらのディスク状記録媒体に対応してディスクドライブ装置は、光ディスクを用いる場合にはディスクドライブ装置となり、光磁気ディスクを用いる場合には光磁気ディスクドライブ装置となり、磁気ディスクを用いる場合には磁気ディスクドライブ装置となる。
光ディスク式撮像装置1は、着脱自在に装着される光ディスク(DVD−R)を回転駆動して情報信号の記録(書き込み)及び再生(読み出し)を行う光ディスクドライブ装置3と、この光ディスクドライブ装置3の駆動制御等を行う図示しない制御回路と、被写体の像を光として取り込んでCCDに導くレンズ装置4と、これら光ディスクドライブ装置3等が収納される外装ケース5と、この外装ケース5に回動自在に取り付けられてディスク収納部6を開閉可能に覆うことができるディスク蓋7等を備えて構成されている。
図10〜図12に示すように、外装ケース5は、三重に重ね合わせるように組み合わされるディスク側パネル8、中央部パネル9及び表示装置側パネル10と、レンズ装置4の光軸方向の前後に配置されてこれらのパネル8〜10と組み合わされるフロントパネル11及びリアパネル12と、中央部パネル9の内側に配置される図に表れない仕切りパネルとからなり、これらのパネル8〜12によって中空の筐体が構成されている。そして、仕切りパネルのディスク側パネル8側の面に、マウントインシュレータを介して光ディスクドライブ装置3が弾性的に支持されている。これらのパネル8〜12は、互いに重ね合わされた適当な部分において、或いは他の部材を介して固定ネジからなる固着手段によって組立・分解可能に構成されている。
レンズ装置4は、外装ケース5の上部に内蔵された状態で固定されており、その対物レンズ15がフロントパネル11の上部を前方に貫通して前面に露出されている。図示しないが、外装ケース5の内部において、レンズ装置4の後方にCCDが配置されており、そのCCDの後方にビューファインダ16が配置されている。
ビューファインダ16は外装ケース5の上部に露出されており、ファインダ移動機構によってレンズ装置4の光軸方向へ所定距離だけ進退移動可能に構成されている。このビューファインダ16は、前側を回動中心として後側が上下方向へ回動可能に構成されている。これによりビューファインダ16は、レンズ装置4の光軸と平行をなす水平状態から、後部を上方へ持ち上げた上向き状態まで所定角度範囲(本実施例では約90度)内で任意角度に角度調節可能とされている。このビューファインダ16の角度調整は、ファインダ移動機構の前端部から後端部までの如何なる位置においても行うことができるようになっている。
更に、外装ケース5の上部には、ビデオライトや外付けマイクロホン等のアクセサリーが着脱自在に装着されるアクセサリーシュー17が取り付けられている。アクセサリーシュー17はビューファインダ16の直前に配置されており、ビューファインダ16を後方へ移動させたときに、アクセサリーシュー17への挿入口が開口されるようになされている。この挿入口を開口させた状態においてアクセサリーの装着が可能であり、アクセサリーの装着後、ビューファインダ16を前方へ移動させると、その挿入口が閉口されてアクセサリーの取り外しが不能となる。このアクセサリーシュー17には、通常、不使用時に空間部分を埋める蓋体をなすシューキャップ18が装着される。
また、フロントパネル11の前面には、上から順にリモコン受光部20とマイク端子とステレオ方式の内蔵マイクロホン22が配置されている。リモコン受光部20は、リモコン操作のための受信部である。このリモコン受光部20は、焦点を自動的に調整する等のために用いられる赤外線を発光する赤外線発光部も兼ねている。また、マイク端子は映像端子と音声端子とからなり、これらの端子は端子カバー21によって開閉可能に覆われている。
図12に示すように、外装ケース5のリアパネル12には、電源バッテリー24が着脱自在に装着されるバッテリー収納部25が設けられている。バッテリー収納部25は、リアパネル12の背面及び下面に開口されており、電源バッテリー24は後方斜め下方から差し込み、また同方向へ取り出し可能とされている。更に、リアパネル12には、吊り下げ用ストラップのための2個の支持金具26a,26bが取り付けられている。2個の支持金具26a,26bのうち、一方の支持金具26aは外装ケース5の左サイドの下部に取り付けられ、他方の支持金具26bは外装ケース5の右サイドの上部に取り付けられている。
図10に示すように、外装ケース5の表示装置側パネル10には、表示装置28が姿勢変更可能に取り付けられている。表示装置28は、図示しない平板状の液晶モニタと、この液晶モニタが収納されたパネルケースと、このパネルケースを外装ケース5に対して姿勢変更可能に支持するパネル支持部とから構成されている。パネル支持部は、垂直軸を回動中心としてパネルケースを水平方向に略90度回動可能とした水平回動機能と、水平軸を回動中心としてパネルケースを前後方向に略180度回動可能とした前後回動機能とを有している。
これにより、表示装置28は、図10に示すように外装ケース5の側面に収納した収納状態と、パネルケースを90度回動させて液晶モニタを後方へ対向させた状態と、パネルケースを180度回動させて液晶モニタを前方へ対向させた状態と、それらの中間位置の状態とを任意に取ることができるようになっている。更に、表示装置側パネル10の上部には、複数の操作ボタンからなる操作部29が設けられている。
図11に示すように、外装ケース5の一方の側面には、ディスク状記録媒体が着脱可能に装着されるディスク収納部6が設けられている。ディスク収納部6は、光ディスクドライブ装置3の一部を露出させるための開口部を有する一定領域からなり、この実施例では、ディスク状記録媒体の一具体例として示す直径8cmの光ディスク(DVD−R)に対応する大きさの領域として形成されている。このディスク収納部6の略中央部には光ディスクドライブ装置3の回転駆動手段であるテーブル回転手段35が配置され、その略中央部に配置したターンテーブル36に対して、光ディスクが着脱可能に構成されている。
光ディスクドライブ装置3は、シャーシ37を介して外装ケース5に固定されている。この光ディスクドライブ装置3が配置されたディスク収納部6は、ディスク側パネル8に側面部を回動自在に支持されたディスク蓋7によって開閉可能に覆われている。ディスク蓋7は、ディスク収納部6の形状に見合う形状とされていて、背面側に取り付けた蓋回動軸部38によって外装ケース5に固定されている。ディスク蓋7は、ディスク収納部6を覆う平面部7aと、この平面部7aの外周縁の略全周に亘って連続された周面部7bとを有している。このディスク蓋7の周面部7bは、ディスク側パネル8のディスク収納部6の外周側切欠き部と嵌り合うように構成されている。
蓋回動軸部38は、図示しないが、ディスク蓋7の背面側に設けた方形部7cを貫通する支持軸と、この支持軸の両端を固定的に支持する一対の軸受片を有する軸受部材とからなり、軸受部材をディスク側パネル8に固定することによってディスク蓋7が回動自在に支持されている。この蓋回動軸部38には、ディスク蓋7の最大開き角度(例えば、90度)を設定するストッパ部が設けられている。
このような蓋回動軸部38が、その支持軸の軸方向を上下方向に設定してディスク側パネル8に取り付けられている。これにより、ディスク蓋7が蓋回動軸部38を介してディスク側パネル8の後部に回動可能に支持されている。その結果、ディスク蓋7は、ディスク式撮像装置1の正面を前側として前開きによって側方へ略90度開放動作させることができる。なお、蓋回動軸部38には、一定の開放角度の範囲内においてディスク蓋7を任意の開放位置で静止させることができると共に、その開放角度を超えたときにはディスク蓋7を開放側へ付勢するようにバネ部材が装着されている。
ディスク側パネル8と中央部パネル9との間には、図示しないが、ディスク蓋7の蓋開閉機構が設けられている。この蓋開閉機構は、ディスク収納部6を閉じた状態のディスク蓋7を、その閉じ状態においてロックする機能と、そのロックを解除する機能とを有するものである。この蓋開閉機構に対応させて、ディスク蓋7の内面にはロック部材39が取り付けられている。
また、図12に示すように、ディスク側パネル8には、ディスク蓋7を囲うようにハンドベルト40が取り付けられている。ハンドベルト40は、外装ケース5の把持部5aを握るユーザーの手を支え、光ディスク式撮像装置1の取り落とし等を防止するものである。このハンドベルト40は、両端がディスク側パネル8に固定されたベルト部材41と、このベルト部材41に装着されてユーザーの手の甲部分に当接される保護パッド42とから構成されている。ベルト部材41の一端はディスク側パネル8の前側下部に固定された取付金具43に連結され、他端はディスク側パネル8の後側中途部に設けた貫通穴から内側に挿入されて、その内部に取り付けられた取付金具に固定されている。
図12に示すように、ディスク側パネル8の後部には、電源ボタン44とモード切換ダイヤル45と録画ボタン46が配置されている。モード切換ダイヤル45はリング状をなしていて、その穴内に電源ボタン44が収納されている。電源ボタン44はプッシュ・プッシュ方式のスイッチ手段からなり、その押圧動作によって電源バッテリー24からの電力供給がオン・オフされる。モード切換ダイヤル45は録画等の動作モードを選択するためのもので、その回動操作によって「静止画モード」と「動画モード」と「見る・編集モード」との3態様の中から任意のモードを選択することができる。また、録画ボタン46はプッシュ・プッシュ方式のスイッチ手段からなり、その押圧動作によって動画撮影のスタートとストップが繰り返される。
更に、ディスク側パネル8の後側上部には、シャッタボタン47とズームレバー48が配置されている。シャッタボタン47は静止画を撮影するためのもので、その押圧操作により、1回の押圧操作毎に1つの静止画が撮影される。また、ズームレバー48は撮影時や再生時等において画像を拡大したり縮小したりするためのもので、その操作量に応じて一定の範囲内で倍率を無段階に調整することができる。
前記外装ケース5を構成するディスク側パネル8、中央部パネル9、表示装置側パネル10、フロントパネル11及びリアパネル12の材料としては、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)が好適である。しかしながら、ABSに限定されるものではなく、その他のエンジニアリングプラスチックを適用できることは勿論のこと、合成樹脂以外にもアルミニウム合金等の金属を用いることもできる。
外装ケース5の内部は仕切りパネルによって左右方向(レンズ装置4の光軸と交差する方向)に仕切られており、これにより、ディスク蓋7側の第1の室と表示装置側の第2の室とに分けられている。仕切りパネルは板状の部材からなり、固定ネジによって外装ケース5の内部に締付固定されている。仕切りパネルの材料としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)が好適であるが、スチール鋼、アルミニウム合金その他の金属を適用できることは勿論のこと、金属以外のエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。
図示しないが、外装ケース5の第1の室には光ディスクドライブ装置3が収納され、第2の室にはレンズ装置4と制御回路部等が収納されている。そのため、仕切りパネルの一面側には光ディスクドライブ装置3を支持するための複数個の支持突起が設けられ、他面側にはレンズ装置4やプリント基板等を支持するための複数個の支持片が設けられている。制御回路部は、例えば、マイクロコンピュータや記憶装置(RAM,ROM)、コンデンサや抵抗その他の電子部品と、これらの電子部品が搭載されるプリント基板等によって構成されている。
光ディスクドライブ装置3は、図1及び図2に示すように、仕切りパネル等のケース側の部材を介して外装ケース5に取り付けられるシャーシ37と、このシャーシ37に固定されるテーブル回転手段35と、ピックアップの一具体例を示す光学ピックアップ装置50と、この光学ピックアップ装置50をテーブル回転手段35に対して接近又は離反させるように光ディスク2の半径方向に所定範囲内で往復移動させるピックアップ送り手段であるピックアップ送り装置51等を備えて構成されている。
シャーシ37は、略D字形に形成された上面部37aと、この上面部37aの周縁に連続する側面部37bと、ケース側部材に取り付けるために側面部37bの周縁の4箇所に設けたインシュレータ取付部37cとを有し、電気を良く通す金属材料によって一体に形成されている。各インシュレータ取付部37cには連通孔52が設けられており、その連通孔52にはマウントインシュレータ53がそれぞれ装着されている。マウントインシュレータ53は絶縁性材料で形成されたゴム状弾性体からなり、それらのマウントインシュレータ53を介してシャーシ37がケース側部材を介して外装ケース5に弾性的に支持される。
シャーシ37の上面部37aには、光学ピックアップ装置50の上面を露出させるための開口部54が設けられている。開口部54は、上面部37aの略中央から側面部37bの円弧部に至る部分に大きく開口されており、その円弧側面部を除く他の3辺側に適当な幅の縁取りが設けられている。この上面部37aの縁取りのうち、円弧側面部に対向する中央縁取りの内側には、テーブル回転手段35が搭載されるモータベース55が取り付けられている。更に、上面部37aの中央縁取りの両側に連続された側部縁取りの内側には、ガイド部材の一具体例を示す2本のガイド軸56,57がモータベース55を挟むように所定の間隔をあけて互いに平行をなすように配置されている。2本のガイド軸56,57は、それぞれ金属製の真っ直ぐな丸棒によって形成されている。
テーブル回転手段35は、シャーシ37の下面に固定ねじ58aでねじ止めされたモータベース55と、このモータベース55上に搭載されて固定されたスピンドルモータ60と、このスピンドルモータ60の回転部に設けられたターンテーブル36とから構成されている。モータベース55は導電性を有する金属製の板体からなり、その一面にスピンドルモータ60がカシメ等の固着手段によって固定されている。なお、スピンドルモータ60は、シャーシ37に直接固定する構成としても良いことは勿論である。
スピンドルモータ60は、モータベース55に固定される固定部と、その固定部に回転自在に支持された回転部とからなり、その回転部の上面にターンテーブル36が一体的に設けられている。ターンテーブル36は、光ディスク2のセンタ穴が嵌合されるディスク嵌合部36aと、光ディスク2のセンタ穴の周縁部が載置されるディスク載置部36bとを有している。ターンテーブル36のディスク嵌合部36aには、光ディスク2のセンタ穴の周縁部に係合して光ディスク2を保持する複数個(本実施例では3個)のロック爪61が周方向に等間隔に配置されている。各ロック爪61は、図示しないスプリングによって半径方向外側へ付勢されており、このスプリングのバネ力によるロック爪61の保持力で光ディスク2がターンテーブル36の所定位置に位置決めされて固定される。
このテーブル回転手段35の近傍に光学ピックアップ装置50が配設されている。光学ピックアップ装置50は、光ディスク2の情報記録面に対向されるピックアップレンズ62を有する二軸アクチュエータ63と、この二軸アクチュエータ63が搭載されたスライド部材64と、このスライド部材64に搭載され組み立てられたレーザダイオードやフォトダイオード等の電子部品と、同じくスライド部材64に搭載され組み立てられたビームスプリッタや反射ミラーその他の光学部品等から構成されている。
スライド部材64は、図7に示すような構成を有している。即ち、スライド部材64は、平面形状が適当な幅をもって略円弧状に形成された偏平な部材からなり、内側に半円形の凹部を設けることによってテーブル回転手段35にできるだけ近づくことができるようにしている。このスライド部材64の平面部には、前述した二軸アクチュエータ63や電子部品及び光学部品等を収納するための凹部81やレーザ光を通過させる光路82等が設けられている。
更に、スライド部材64の長手方向の一方には一対の第1の軸受部65a,65bが設けられ、長手方向の他方には第2の軸受部66が設けられている。一対の第1の軸受部65a,65bには、互いの中心線を一致させた状態で軸受孔83a,83bが設けられている。これらの軸受孔83a,83bには、第1のガイド軸56がスライド自在に挿通されている。この第1のガイド軸56で一対の第1の軸受部65a,65bをスライド自在に支持することにより、スライド部材64が移動する際の直進性を確保するようにしている。
また、第2の軸受部66には、側方に開口されたスリット状の軸受溝84が設けられており、この軸受溝84を設けることによって上下に対向された一対の軸受片66a,66bを形成している。この一対の軸受片66a,66b間には、第2のガイド軸57がスライド自在に挿通されている。図8A,Bに示すように、一対の軸受片66a,66bの内面には、円弧状に突出した摺動凸面85a,85bが設けられている。これらの摺動凸面85a,85bは、第2のガイド軸57の外周面と接触する面積を小さくして摺動摩擦抵抗を小さくすると共に、スライド方向の変更時に第2のガイド軸57に引っ掛かることなく滑らかに移動できるようにすることを目的として形成したものである。
更に、スライド部材64がスライド移動する際のガタを除去するために、第2の軸受部66には線形ばね87が取り付けられている。図9A〜Dに示すように、線形ばね87は、円弧状に形成された固定部87aと、その固定部87aの一端に連続すると共にL字状に形成された押圧部87bとから構成されている。図9B,Cに示すように、押圧部87bは、固定部87aに対して若干傾斜して形成されているが、固定部87aと押圧部87bは略同一平面上に位置するように形成されており、線形ばね87の大部分が第2のガイド軸57と平行をなす空間部において、ばね材の太さより少々広い程度のスペース内に収まるようにしている。
線形ばね87の固定部87aは、一対の軸受片66a,66bの外側に巻き付けることによって当該一対の軸受片66a,66bを締め付けて固定する円弧状に形成された巻き締め部88aと、その巻き締め部88aの一端に連続すると共に一対の軸受片66a,66b間に挿入されることによって位置決めをなす位置決め部88bとを有している。また、押圧部87bの自由端側の先端には、第2のガイド軸57に弾性的に押圧されるフック89が設けられている。フック89は、図9Dに示すように、押圧部87bの先端を四角形に折り曲げ形成することによって強度を高め、クリープが生じ難い形状としている。線形ばね87の材質としては、ばね鋼が好適であるが、ばね材として用いることができる材料であればその他の金属であってもよく、また、エンジニアリングプラスチックを用いることもできる。
このような形状、構成を有する線形ばね87は、例えば、図3〜図6に示すようにして用いられる。図3は、二軸アクチュエータやその他の部品が搭載され組込まれたスライド部材64の第2の軸受部66に線形ばね87を装着した状態を示すもので、図4は、図3の要部を拡大して示す図である。線形ばね87は、その固定部87aを一対の軸受片66a,66bに巻き付けることによってスライド部材64に固定される。このとき、固定部87aを一対の軸受片66a,66bに装着し、その巻き締め部88aと位置決め部88bとで一対の軸受片66a,66bを締め付ける。
この際、固定部87aの位置決め部88bを一対の軸受片66a,66b間に差し込むようにする。また、押圧部87bは、下方に位置する軸受片66bの下側から回し込み、上方に位置する軸受片66a側にフック89が位置するようにする。これにより、固定部87aを位置決めして線形ばね87を、第2の軸受部66に対してしっかりと確実に固定することができる。
その後、図5及び図6に示すように、一対の軸受片66a,66b間に第2のガイド軸57を差し込み、線形ばね87のフック89を第2のガイド軸57の上面に当接させる。これにより、押圧部87bのばね力によってフック89が第2のガイド軸57に上方から押圧され、その第2のガイド軸57の下面に軸受片66bの摺動凸面85bが押し付けられる。その結果、第2のガイド軸5と第2の軸受部66との間のガタが除去され、ガタ付きを生じることなく第2のガイド軸5に沿ってスライド部材64をスムースにスライド動作させることができる。
なお、この実施例においては、線ばね87を第2の軸受部66に取り付けた例について説明したが、線ばね87は、第1の軸受部65a,65bのいずれか一方又は両方に取り付ける構成としてもよく、また、第1の軸受部65a,65bと第2の軸受部66の両方に設ける構成とすることもできる。
このようにスライド部材64は、第1のガイド軸56と第2のガイド軸57との2本のガイド軸56,57にガイドされてテーブル回転手段35に対して進退移動(接近及び離反)可能に構成されている。第1のガイド軸56及び第2のガイド軸57は、それぞれ軸方向の両端部において、シャーシ37の一対の支持部68,68にそれぞれ固定されて両端支持されている。図示しないが、第1のガイド軸56及び第2のガイド軸57の各端部は、押え板によって押えられており、その押え板を固定ねじ締め込むことにより、2本のガイド軸56,57がシャーシ37に固定されている。
なお、2本のガイド軸56,57は、いずれか1本のみを丸棒として形成し、他の1本はシャーシ37と一体に形成するようにしてもよい。また、ガイド軸56,57の断面形状は、円形とするのが好ましいが、これに限定されるものではなく、四角形や六角形等の多角形であってもよく、また、楕円形等であってもよい。図3及び図4において示す符号91は、スライド部材64の上面を覆うピックアップカバーであり、符号92は、二軸アクチュエータ63やレーザダイオード等に電力を供給するフレキシブル配線板である。
図示しないが、スライド部材64には、ピックアップ送り装置51の動力を伝達して当該スライド部材64をガイド軸56,57に沿ってスライド動作させる送りナットが設けられている。この送りナットと、2本のガイド軸56,57と、送りナットの歯部が摺動可能に係合されるねじ溝を有する送りねじ軸と、この送りねじ軸を回転駆動する原動機の一具体例を示す送りモータ等によってピックアップ送り装置51が構成されている。送りモータとしては、例えば、ステップモータが好適であるが、その他の直流電動機や交流電動機、或いは油・空圧シリンダ、揺動モータ等のアクチュエータを用いることもできる。
送りねじ軸は、送りモータの回転軸として構成されており、その外周面に螺旋状に延在されたねじ溝が設けられている。この送りねじ軸は、2本のガイド軸56,57と略平行をなすように配置されており、シャーシ37に設けた軸受部によって回転自在に両端支持されている。この軸受部に送りモータが固定されていて、その送りねじ軸のねじ溝に送りナットの歯部が噛合されている。
かくして、送りモータを駆動して送りネジ軸を回転駆動することにより、その送りネジ軸の回転力が送りナットを介してスライド部材64に伝達される。その結果、送りネジ軸の回転方向に応じて、光学ピックアップ装置50がテーブル回転手段35(ターンテーブル36、スピンドルモータ60等)に近づく方向とテーブル回転手段35から離れる方向とに選択的に移動される。これらテーブル回転手段35と光学ピックアップ装置50とピックアップヘッド送り装置51とシャーシ37とその他の関連機構、装置等によって光ディスクドライブ装置3が構成されている。
このような構成を有する光ディスクドライブ装置3が、図10〜図12に示す光ディスク式撮像装置1では、外装ケース5内の所定位置に取り付けられ、そのテーブル回転手段35のターンテーブル36がディスク収納部6の略中央部に配置されている。このディスク収納部6がディスク蓋7によって開閉される。即ち、ディスク蓋7は、蓋開閉機構によってディスク収納部6を閉じる蓋閉じ位置にロックされ、また、そのロックを解除することによってディスク収納部6が開放される。
この光ディスクドライブ装置3を備えた光ディスク式撮像装置1によれば、被写体を撮影することにより、その被写体の画像に対応したデジタル信号を発生させて、液晶ディスプレイ等の表示装置にその画像を表示したり、内蔵された記憶装置や外付けされる記憶装置等にその画像に対応した情報信号を記録したりすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、光ディスクドライブ装置、光磁気ディスクドライブ装置及び磁気ディスクドライブ装置等のディスクドライブ装置、並びにそれらのディスク記録及び/又は再生装置の装置全体の小型化を図ることができる。しかも、光ピックアップ、光磁気ピックアップ及び磁気ピックアップ等のピックアップが搭載されたスライド部材の摺動部分のガタを除去し、そのスライド部材をスムース且つ迅速にスライド動作させることができる。また、線形ばねをスライド部材に固定する際に、固定ねじ等の締結部品を必要としないため、組立工程等を簡単化できると共に、コストダウンを図ることができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、DVD−Rを記録媒体として用いたディスク式撮像装置に適用した例について説明したが、光磁気ディスクや磁気ディスク等を用いた他の記録方式のディスク状記録媒体を使用した撮像装置に適用できるものである。更に、本発明に係るディスク記録及び/又は再生装置としては、前述したディスク式撮像装置に限定されるものではなく、この種のディスクドライブ装置が用いられるパーソナルコンピュータ、電子辞書、DVDプレーヤ、カーナビゲーションその他各種の電子機器に適用できるものである。
1…光ディスク式撮像装置(ディスク記録及び/又は再生装置)、 2…光ディスク(ディスク状記録媒体)、 3…光ディスクドライブ装置、 4…レンズ装置、 5…外装ケース、 35…テーブル回転手段(回転駆動手段)、 36…ターンテーブル、 37…シャーシ、 50…光学ピックアップ装置(ピックアップ)、 51…ピックアップ送り装置(ピックアップ送り手段)、 56…第1のガイド軸(ガイド部材)、 57…第2のガイド軸(ガイド部材)、 60…スピンドルモータ、 64…スライド部材、 65a,65b…第1の軸受部、 66…第2の軸受部、 66a,66b…軸受片、 84…軸受溝、 87…線形ばね、 87a…固定部、 87b…押圧部、 88a…巻き締め部、 88b…位置決め部、 89…フック