JP4263907B2 - エアバッグ装置、エアバッグ装置の製造方法 - Google Patents

エアバッグ装置、エアバッグ装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートバイに搭載されるエアバッグ装置の構築技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
オートバイにエアバッグ装置を装着することによって乗員の保護を図る技術が知られている。例えば特開2001−219884号公報では、スクータタイプのオートバイにおいて、ヘッドパイプ等の車体構成部材と乗員の着座したシートとの間の空間にエアバッグを膨張させて展開するための技術が開示されている。この技術では、オートバイにおけるエアバッグ装置の装着可能性が提示されているが、さらに事故の際には、前方へ投げ出されようとする乗員を拘束するべく、エアバッグは非常に短い時間で膨張する必要があるため、エアバッグの確実な膨張を担保するための技術を構築する要請が高い。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−219884号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、オートバイにおいて、事故の際に乗員の保護徹底に資するべく、安全確実に膨張可能なエアバッグ構成技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
発明によれば、エアバッグを有するとともにオートバイに装着されるエアバッグ装置が構成される。このエアバッグ装置におけるエアバッグは、前記オートバイが前方衝突した際に前方へ移動しようとする乗員を拘束可能に膨張するよう構成される。これによって、事故の際に乗員がオートバイ前方へ投げ出されるのを阻止し、乗員の安全を効果的に確保する。
【0006】
ところで、このようにオートバイが前方衝突した際、その衝撃で前方に投げ飛ばされようとする乗員を拘束するべく、エアバッグは非常に短時間に乗員を拘束可能な大きさに膨張する必要がある。実際には、例えば膨張ガスをエアバッグ内に高圧・高速で導入することによりエアバッグを瞬時に膨張させるといった手法が多く採用されている。このためエアバッグの所定領域には、当該エアバッグが膨張する際、当該膨張方向に非常に強い引張り力が作用する可能性がある。
【0007】
本明細書において、「オートバイ」は、鞍乗車両、すなわち乗員がシートに跨って着座する形態の車両を広く含むものとし、例えば乗員シートの前方に燃料タンクが併設されたタイプの自動二輪車、乗員シートとハンドル支持用ヘッドパイプとの間に空間部が形成されたスクータタイプの自動二輪車のいずれも包含する。さらに自動二輪車以外に、三つ以上の走行輪を有しつつ乗員が鞍乗して着座する車両(例えばピザ宅配等に用いられる三輪式バイク、悪路走破用の三輪ないし四輪バギー式バイク)、さらにはスノーモービル等のように橇ないし無限軌道帯によって走行しつつ乗員が鞍乗して着座する車両についても上記「オートバイ」に広く包含されるものとする。
【0008】
本明細書における「前方衝突」には、オートバイが衝突対象物に向かって文字通り直進状態で衝突する形態のみならず、オートバイが衝突対象物に斜めに衝突する形態、あるいは直進状態を維持しつつ前方一部の箇所のみが衝突対象物と衝突する形態などを広く包含するものとする。また本明細書における「エアバッグ装置」は、典型的には、上記エアバッグおよび該エアバッグを膨張させるための手段、例えばインフレータ等をリテーナに収容して構成するのが好ましい。
【0009】
発明によれば、エアバッグを有するとともにオートバイに装着されるエアバッグ装置につき、エアバッグが縦糸と横糸とからなる布材によって形成されるとともに、オートバイが前方衝突した際に前方へ移動しようとする乗員を拘束可能に膨張するよう構成される。そして当該エアバッグは、縦糸および横糸の双方がエアバッグの膨張方向と交差するよう構成されたバイアス領域を有するよう構成される。このバイアス領域においては、縦糸および横糸の双方がエアバッグの膨張方向と交差するよう構成されることで、エアバッグが膨張する際に作用する張力に関する弾性係数が小さく構成される。換言すれば、当該バイアス領域においては、エアバッグの膨張方向と交差するように配置された縦糸および横糸が、当該エアバッグ膨張の際に生じる張力により、各糸の軸方向と交差する方向に引張り力を受ける。従って縦糸および横糸の軸方向に引張り力が作用する場合に比べ、エアバッグ膨張時の引張り力に対して布地が比較的大きく変形し易い構成が得られる。
【0010】
すなわち本発明では、布地の糸目を膨張方向と傾斜させることで、膨張時の張力に対する弾性係数を小さくし、大きな張力に対してエアバッグの比較的大きな変形を許容する構成とされるので、エアバッグに格別の補強アタッチメントを付加することなく、エアバッグを形成する布地の糸目の配置方向を調整するのみで合理的にエアバッグの膨張時の強度を確保することが可能となる。なおエアバッグの実用強度との関係において、布地の糸目の傾斜角、すなわち縦糸および横糸がエアバッグの膨張方向と交差する角度は概ね10度以上とするのが好ましい。本発明を構成する各要素の具体的な詳細については、上記請求項1に記載の発明と実質的に同等である。
【0011】
また本発明では、上記のエアバッグ装置において、膨張したエアバッグのうち、乗員に面する正面部がバイアス領域として形成されている。これにより上記発明に係るエアバッグ装置に関し、さらに乗員をエアバッグで拘束する際に、当該乗員の運動エネルギーによってエアバッグに作用する強い力に対しても、少なくとも乗員に向かう正面部をバイアス領域とすることでしっかりと対抗することが可能となる。本発明では正面部のみがバイアス領域として形成される態様、正面部および当該正面部以外の箇所がバイアス領域として形成される態様のいずれも好適に包含する。
【0012】
また本発明では、上記のエアバッグ装置におけるエアバッグは、当該エアバッグの左右側面部を形成するサイドパネルと、乗員に向かう正面部、頂部およびオートバイの前面部を形成するメインパネルとを有し、少なくとも、メインパネルのうちの正面部がバイアス領域として構成される。この構成により、エアバッグを複数のパネルを組み合わせることで合理的に形成するとともに、構成パネルの所要部のみにバイアス効果を簡便に付与することが可能となる。
【0013】
また本発明では、上記のエアバッグ装置におけるメインパネルは複数のパネル構成布を組み合わせることで構成される。かかる複数のパネル構成布のうち、乗員に向かう正面部を規定するパネル構成布についてはバイアス領域として構成される。一方、エアバッグ頂部を規定するパネル構成布については、エアバッグ膨張時に作用する引張り力が当該パネル構成布を構成する縦糸および横糸のうちの一方の軸方向に作用するよう構成される。「引張り力が縦糸および横糸のうちの一方の軸方向に作用する」とは、縦糸または横糸の一方がエアバッグ膨張時の引張り力の作用方向に延在する状態をいう。従ってエアバッグ頂部を規定する構成布については、エアバッグ膨張の際の引張り力に対する弾性係数が大きく設定され、エアバッグ膨張時の変形量が相対的に小さくなるように構成される。すなわち、エアバッグが膨張する際、膨張方向に向かって強く引張り力を受ける乗員正面部についてはバイアス領域を設定することで当該引張り力にしっかりと対抗し、エアバッグ頂部についてはエアバッグ膨張に際しての変形を抑制してエアバッグの展開形状を安定化する構成が得られ、これによりエアバッグが膨張する際の、強度確保と展開形状安定性とのバランスを図ることが可能となる。
【0014】
なお、上記のようにバイアス領域および非バイアス領域を適宜組み合わせて設定することでエアバッグ膨張の際の強度特性および安定性を両立を図る見地に立てば、例えばエアバッグ膨張時の引っ張り力が作用しやすい箇所、すなわちメインパネルのうちの乗員正面部およびオートバイ正面部、およびエアバッグの側面を規定するサイドパネルについてバイアス領域とする構成が好ましい。
【0015】
また本発明では、上記のエアバッグ装置と実質的に同等の作用効果を奏するエアバッグ装置の合理的な製造方法が提供される。すなわちエアバッグにバイアス領域を形成するステップが設定されたエアバッグ装置の製造方法が提供される。このバイアス領域では、エアバッグを形成する布地につき、縦糸および横糸の双方がエアバッグの膨張方向と交差するよう構成される。これにより、エアバッグに格別の補強アタッチメントを付加するといったステップを設定することなく、エアバッグを形成する布地の糸目の配置方向を調整するのみで合理的にエアバッグの膨張時の強度を確保することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態に係る自動二輪車100および当該自動二輪車100に設置されたエアバッグ装置111が図1に示される。自動二輪車100は本発明における「オートバイ」の一例に相当する。
【0017】
図1に示すように、自動二輪車100は、シート153、燃料タンク155、ハンドル157、ヘッドパイプ161を有する車体構成部151と、当該車体構成部151に取り付けられた前輪159および後輪163を有し、乗員はシート153に跨って搭乗する。前輪159は、ヘッドパイプ161を介してハンドル157に接続され、乗員101による操作を受ける。エアバッグ装置111は、車体構成部151を構成する燃料タンク155のシート153側境界領域に配置される。
【0018】
エアバッグ装置111は、上記燃料タンク155のシート153側境界領域に埋設状に配置されるリテーナ113と、当該リテーナ113内に収容されたインフレータ(便宜上、特に図示しない)およびエアバッグ121を主体として構成される。図1では、自動二輪車100が特に図示しない衝突対象物に前方衝突することでエアバッグ装置111が作動し、ロール状に巻かれたエアバッグ121がリテーナ113から転動状に展開されるエアバッグ装置111作動の初期状態を示している。
【0019】
車体構成部151のうちの燃料タンク155の上方であって、自動二輪車100に搭乗した乗員101の前方側領域は、自動二輪車100が前方衝突を起こした際の乗員保護領域165として規定される。本実施の形態において「前方衝突」には自動二輪車100が前方側(図1中左側)の衝突対象物(便宜上図示を省略)に衝突する形態を広く包含する。乗員保護領域165は、前方衝突時の運動エネルギーによって乗員101が自動二輪車100前方に向かって移動しようとする場合に、当該乗員101をエアバッグ121によって拘束し保護するための空間として定義される。
【0020】
図2では、上記エアバッグ121が乗員保護領域165に向かって展開し、リテーナ113内のインフレータから供給されたガスを介して膨張を完了する直前の状態が示される。この状態においてエアバッグ121のうち、乗員101に向かう正面部領域は符号121aで示され、自動二輪車の進行方向前面部領域は符号121bで示され、またエアバッグ121の頂部領域は121cで示される。さらにリテーナ113内に設けられたインフレータから供給される膨張ガスによるエアバッグ121の膨張方向が符号Aで示される。
【0021】
本実施の形態に係るエアバッグ121の具体的な構成が図3に示される。エアバッグ121は、メインパネル123と、当該メインパネル123の両側部に組み合わされる一対のサイドパネル127とを有する。またメインパネル123は、図2に示す乗員101に向かう正面部121aに位置するよう配置される乗員側パネル構成布124と、同じく図2に示す自動二輪車100の前面部121bおよびエアバッグ121の頂部121cを構成する前面側パネル構成布125とを相互に縫着することで長尺帯状に形成される。そして、このように乗員側パネル構成布124および前面側パネル構成布125を組み合わせて構成されたメインパネル123の両側部に各サイドパネル127を縫着することで、エアバッグ121が形成される。
【0022】
ところで上記したメインパネル123およびサイドパネル125を構成する各パネル構成布は、それぞれ縦糸と横糸を交差状に編み込んだ布材によって形成されるが、本実施の形態では、エアバッグ121の膨張方向に対する当該縦糸と横糸の糸目の関係がパネル構成布毎に工夫されている。具体的には、メインパネル123を構成する前面側パネル構成布125については、図4に示すように布地を構成する縦糸133と横糸135とが交差状の糸目として編み込まれるとともに、当該縦糸133は、膨張時にエアバッグ121に生じる引張り力の作用方向Bと平行に延在するように設定される。
【0023】
従って、前面側パネル構成布125については、エアバッグ121が膨張する際の引張り力の作用方向Bに対し縦糸133の長軸方向が一致するため、当該引張り力に対して布地の変形許容量が比較的小さくなるように設定される。換言すれば、前面側パネル構成布125は、エアバッグ121膨張時の引張り力に対する弾性係数が大きくなるように設定される。
【0024】
一方、メインパネル123を構成する乗員側パネル構成布124と、両サイドパネル127を構成する構成布については、図5に示すように布地を構成する縦糸133と横糸135とが交差状の糸目として編み込まれるとともに、当該縦糸133および横糸135は、膨張時のエアバッグ121に生じる引張り力の作用方向Bに対し、ともに交差状に延在するように設定される。このように、エアバッグ121膨張時の引張り力に対し縦糸133および横糸135をそれぞれ交差させることで、当該引張り力に対する弾性係数を小さくし、布地の変形量が大きくなるように設定した領域については、これを「バイアス領域」と規定する。
【0025】
かかるバイアス領域の設定により、乗員側パネル構成布124およびサイドパネル127については、エアバッグ121が膨張する際の引張り力が縦糸133と横糸135の軸方向と交差状に作用するため、図6に示すように、当該引張り力に対して布地の変形許容量が比較的大きくなるように設定される。換言すれば、乗員側パネル構成布124およびサイドパネル127は、エアバッグ121膨張時の引張り力に対する弾性係数が小さくなるように設定される。なお布地の変形のし易さを利用したエアバッグ121の強度確保という見地より、縦糸133および横糸135の交差角は、引張り力の作用方向Bに対し10度以上に設定することが好ましい。本実施の形態では、縦糸133および横糸135が引張り力の作用方向Bに対し、それぞれ45度で交差するように構成されている。
【0026】
上記した乗員側パネル構成布124および前面側パネル構成布125を相互に縫着して形成されるメインパネル123と、当該メインパネル123に縫着されるサイドパネル127とによって形成されたエアバッグ121の全体構成が図7に示される。図7に示すように、エアバッグ121が膨張する際の引張り力の作用方向Bに向かって比較的強い引張り力を受ける乗員側パネル構成布124およびサイドパネル127は、上記のようにバイアス領域として規定されることにより、引張り方向Bに対して比較的大きく変形することが許容され、エアバッグ121が膨張する際の強度を確実に確保することが可能となる。一方、メインパネル123を構成する前面側構成布125については、かかるバイアス領域が設定されておらず、図4に示すように布地の糸目を構成する縦糸133が引張り力の作用方向Bと同軸となるように設定されることで変形許容量が非常に小さく設定される。これにより前面側構成布125は、エアバッグ121が膨張する際の強い引張り力に対抗し、エアバッグ121の形状を安定的に保持する機能を奏する。
【0027】
かくして本実施の形態に係るエアバッグ装置111では、当該エアバッグ装置111が設置された自動二輪車100が前方衝突を起こした場合、図1および図2に示すようにエアバッグ121が乗員保護領域165に向かって迅速に展開・膨張することにより、衝突時の衝撃で前方に移動しようとする乗員101を乗員保護領域165にて拘束し、乗員101の安全を確保する。
【0028】
ところで、オートバイは、乗員101の四周が解放されており、エアバック121の容積が大きくなり易い。従って、エアバッグ121を迅速に展開・膨張させるには、エアバッグ121内にガスを高圧で導入する必要がある。その際、エアバッグ121には、その膨張方向Aに向かって強い引張り力が作用することになるが、上記のようにエアバッグ121のうち、当該引張り力が強く作用する乗員側パネル構成布124およびサイドパネル127については、バイアス領域を設定することにより、当該引張り力の作用する方向Bへ比較的大きく変形することが許容され、エアバッグ121の膨張時の強度を上げることができる。とりわけエアバッグ121には、リテーナ113内に折り畳まれて収容されていた当該エアバッグ121の折が解除されていく際に強い引張り力が作用し易い。すなわち膨張方向Aとは、特にエアバッグ121の突出方向をいう場合が多い。本実施の形態では、このようなエアバッグ121の折が解除される際の突出方向への強い引っ張り力に対し効果的に対処することが可能なバイアス領域が設定されることとなる。
【0029】
また乗員側パネル構成布124については、膨張したエアバッグ121によって前方に移動しようとする乗員101を拘束する際に乗員101の運動エネルギーによる強い力を受けることになるが、上記バイアス領域を設定することにより当該エアバッグ121の強度を確実に確保することが可能である。
【0030】
一方、前面側パネル構成布125については、エアバッグ121が膨張する際の引張り力に対して大きく変形することが規制されることで、当該引張り力に対抗し、エアバッグ121の形状を安定維持するよう機能する。
【0031】
以上により、本実施の形態によれば、事故の際に安全確実に展開・膨張するとともに、確実に乗員を拘束することが可能なエアバッグ装置121が得られることとなった。
【0032】
(変更例)
本実施の形態の変更例が図8に示される。この変更例はエアバッグ121の構成態様の変更に関する。従って上記実施の形態と同等の構成要素については便宜上その詳細な説明を省略する。図8に示すように、本変更例におけるエアバッグ221は、メインパネル223と、当該メインパネル223の両側部に組み合わされる一対のサイドパネル227とで構成される。メインパネル223は、図2に示す乗員101に向かう正面部121aに位置するよう配置される乗員側パネル構成布224と、図2に示す自動二輪車100の前面部121bに位置するよう配置される前面側パネル構成布225と、同じく図2に示すエアバッグ頂部121cに位置するように配置される頂部パネル構成布226とを適宜縫着することで長尺帯状に形成される。そして、このように乗員側パネル構成布224、前面側パネル構成布225および頂部パネル構成布226を適宜組み合わせて構成されたメインパネル223の両側部に各サイドパネル227を縫着することで、変更例に係るエアバッグ221が形成される。
【0033】
このエアバッグ221を形成する各パネル構成布のうち、頂部パネル構成布226については、図4に示すように縦糸133がエアバッグ膨張時の引張り力の作用方向Bと平行に延在するように糸目が設定され、乗員側パネル構成布224、前面側パネル構成布225、両サイドパネル227については、図5に示すように縦糸133および横糸135が当該引張り力の作用方向Bと概ね45度で交差するように糸目が設定されたバイアス領域として構成される。
【0034】
以上の構成により、当該変更例に係るエアバッグ221では、事故の際のエアバッグ221膨張に伴って生じる引張り力に対し、エアバッグ221の側面を構成する全ての箇所がバイアス領域として構成され、比較的大きく変形することによってエアバッグ221の強度を確保する。またエアバッグ221の引張り力作用方向Bに交差して延在する頂部パネル構成布226については、非バイアス領域として構成されることで大きな変形が規制され、エアバッグ221全体の形状が崩れることを防止するというエアバッグ221の形状安定化作用を奏することとなる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、オートバイにおいて、事故の際に乗員の保護徹底に資するべく、安全確実に膨張可能なエアバッグ構成技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態である自動二輪車およびエアバッグ装置の全体を示す。図1では、エアバッグの展開・膨張の初期段階の状態が示される。
【図2】 本発明の実施の形態に係るエアバッグ装置につき、エアバッグの展開・膨張の最終段階の状態が示される。
【図3】 本発明の実施の形態に係るエアバッグの構成を示す。
【図4】 本実施の形態に係るエアバッグにおけるパネル構成布の糸目の状態を示す。図4は、縦糸がエアバッグ膨張時の引張り力と平行に延在する状態を示す。
【図5】 同じく本実施の形態に係るエアバッグにおけるパネル構成布の糸目の状態を示す。図5は、バイアス領域状とされたパネル構成布を示す。
【図6】 同じく本実施の形態に係るエアバッグにおけるパネル構成布の糸目の状態を示す。図6は、図5に示すバイアス領域状とされたパネル構成布に対し、エアバッグ膨張時の引張り力が作用した状態を示す。
【図7】 本実施の形態に係るエアバッグ装置の構造を斜視的に示す。
【図8】 本実施の形態の変更例に係るエアバッグの構成を示す。
【符号の説明】
100 自動二輪車
101 乗員
111 エアバッグ装置
113 リテーナ
121 エアバッグ
123 メインパネル
124 乗員側パネル構成布
125 前面側パネル構成布
127 サイドパネル
131 パネル構成布
133 縦糸
135 横糸
137 糸目
139 バイアス領域
141 膨張部
143 ロール巻き部
145 エアバッグ膨張方向
151 車体構成部
153 シート
155 燃料タンク
157 ハンドル
159 前輪
161 ヘッドパイプ
163 後輪
165 乗員保護領域
171 前方衝突時乗員移動方向
A エアバッグの膨張方向
B エアバッグ膨張時の引張り力の作用方向

Claims (5)

  1. エアバッグを有するとともにオートバイに装着されるエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、縦糸と横糸とからなる布材によって形成され、前記オートバイが前方衝突した際に前方へ移動しようとする乗員を拘束可能に膨張するよう構成されるとともに、前記縦糸および横糸の双方が前記エアバッグの膨張方向と交差するよう構成されたバイアス領域を有することを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項に記載のエアバッグ装置であって、
    膨張した前記エアバッグのうち前記乗員に面する正面部が前記バイアス領域として形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 請求項またはに記載のエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、当該エアバッグの左右側面部を形成するサイドパネルと、前記乗員に向かう正面部、頂部および前記オートバイの前面部を形成するメインパネルとを有し、
    少なくとも前記メインパネルのうちの正面部を前記バイアス領域として構成することを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 請求項に記載のエアバッグ装置であって、
    前記メインパネルは、複数のパネル構成布を組み合わせることで構成されるとともに、
    前記乗員に向かう正面部を規定するパネル構成布については前記バイアス領域として構成し、
    前記エアバッグ頂部を規定するパネル構成布については、前記エアバッグ膨張時に作用する引張り力が当該パネル構成布を構成する縦糸および横糸のうちの一方の軸方向に作用するよう構成されることを特徴とするエアバッグ装置。
  5. オートバイに装着されるエアバッグ装置の製造方法であって、
    前記オートバイが前方衝突した際に前方へ移動しようとする乗員を拘束可能に膨張するよう構成されるエアバッグにつき、縦糸と横糸とからなる布材によって形成するとともに、当該縦糸および横糸の双方が前記エアバッグの膨張方向と交差するバイアス領域を形成するステップを有することを特徴とするエアバッグ装置の製造方法。
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