JP4263889B2 - 内外診兼用診療台 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、産婦人科、泌尿器科及び肛門科等の診察又は治療のための内診及び外診に兼用できる内外診兼用診療台に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、産婦人科は、外診室及び内診室を別室として構成し、それぞれに診察台及び診療台を設置している。外診及び内診それぞれにおいて、同様な超音波診断がなされるが、近年の超音波診断学の進歩に伴って、これまで共用できていた超音波断層装置が、外診用及び内診用それぞれに専用化し、また大型になってきている。このため、別室として構成した外診室及び内診室にそれぞれ専用の超音波断層装置を設置する必要が生じているが、別室に区画された各外診室及び内診室は共に狭く、専用化又は大型化する超音波断層装置を設置しにくい状況が生まれている。また、大型化する超音波断層装置は移動できないため、患者自身が外診室及び内診室を行き来しなければ、外診用又は内診用超音波診断を受けることができない問題もあった。
【0003】
本発明者は、上記問題を受けて、先に新たな内外診兼用診療台を提案している(特許文献1)。この内外診兼用診療台は、背板基準面Bに対して外診位における(患者の)背部と(患者の)脚部との屈曲角度相当の開度を有する臀部受基準面H、同背板基準面Bに対して着座位における(患者の)背部と(患者の)脚部との屈曲角度相当の開度を有する旋回基準面Sを設定し、患者の背部から腰部を支持する背板を背板基準面Bに配し、この背板の下端両側にあって患者の臀部を左右から支持する一対の略扁平な臀部受を正面視略V字状となるように臀部受基準面Hに対してそれぞれ傾斜させて配し、そして先端に脚受部を取り付けたアームの旋回面Tが正面視略V字状となるように旋回基準面Sに対してそれぞれ傾斜させてアームの旋回手段を各臀部受に設けた構成である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11-042258号公報(第4〜6頁、図1〜12)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記内外診兼用診療台は、内外診の間で患者の姿勢を移行できるように、背板、臀部受及び脚受部それぞれを適切に変位又は移動できるようにしているが、内診での利用が主であると想定し、主として内診に適した構成を外診にも利用できるようにしていた。例えば、上記内外診兼用診療台は、1軸で回動する脚受部駆動手段により脚受部を変位させ、閉脚部着座位(大腿は屈曲、内転)から診察位である砕石位(大腿を更に屈曲、外転)させる。しかし、前述のように患者の体位を大きく変化させる(閉脚部着座位から砕石位へ移行させる)脚受部の1軸駆動は、実際には脚受部駆動手段の回動範囲を大きくする必要があり、当然脚受部の変位距離も長くさせる結果、患者に負担を与えかねない。この解決手段として、上記内外診兼用診療台は、背板及び臀部受を屈曲状態で一体化し、前記回動範囲を極力小さくしながら、脚受部の変位距離も短くしていた。これは、内診から外診へと移行する場合を考慮したもので、やはり内診を主とした判断に基づく。
【0006】
ところが、外診を主として上記内外診兼用診療台を検討した場合、上述のような背板及び臀部の一体化は、外診時における患者の大腿を体幹軸に対して屈曲させた状態で固定することになっていた。こうした大腿を屈曲して固定する体位は、患者の腹部を弛緩させることになり、一般的な外診である腹部診察に適しているが、大腿を屈曲した体位は、超音波断層装置を用いて骨盤内の胎児の児頭を計測しようとすると、伸展位に比べて児頭第横径が表示されにくい問題がある。
【0007】
このほか、患者を側臥位にする場合、当然に患者の背部から脚部に至って連続して直線状となる水平なベッドが必要になるが、上述のように背板及び臀部受が屈曲した状態で一体化した上記内外診兼用診療台は、こうした水平なベッドにすることはできない。更に、着座位から内診位である仰臥砕石位へ移行すると、患者の臀部の支持点(臀部の重心の法線方向支持位置)が座骨結節から上方へ移動し、背板が傾倒するに従って患者の身体が背板上方へ移動するが、この体位移行に伴う患者の身体の移動は、陰裂を視点下方から視点上方へと移動させてしまい、内診指の挿入を困難にする。そして、臀部に密着する臀部受が、膣洗浄液や血液等の汚物により汚染されやすい。このように、先に提案した内外診兼用診療台は、依然内診に最適化されており、外診の各種利用態様に対しては不十分な利用しかできない。そこで、こうした外診に際する患者の体位に自由度を持たせ、より細やかな体位の変更が可能な内外診見料診療台を開発するため、検討した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
検討の結果開発したものが、基台上に患者を支持する背板、臀部受及び脚受部を備えてなり、臀部受に対して背板が起立した状態で患者が離着席する内外診兼用診療台において、脚受部を臀部受に対して変位させる水平回動部及び垂直回動部からなる脚受部駆動手段を基台に設けてなり、前記水平回動部及び垂直回動部の単独駆動又は協働駆動により、脚受部に従う患者の脚部を臀部に対して屈伸運動、内外転運動及び内外旋運動させる内外診兼用診療台である。本発明の内外診見料診療台は、脚受部に要求される複雑な立体的な運動を大きく2つの回動、すなわち水平回動及び垂直回動に分解することで脚受部駆動手段の構造を簡素化しながら、前記水平回動及び垂直回動の組み合わせにより、脚受部に従う患者の脚部を臀部に対して屈伸運動、内外転運動及び内外旋運動を連続的にできるようにする。患者は、背板を60〜90度、好ましくは70〜80度起こした状態で着座位となる。着座した際に、例えば同時に脚受部により大腿部を支えておけば、脚受部の前記運動によって仰臥砕石位、更には蹲踞位への移行が容易になる。
【0009】
具体的には、脚受部駆動手段は、臀部受下方かつ該臀部受奥に患者の体幹直交方向に延びる揺動軸を介して基台と接続され、臀部受手前に対して揺動により接近離反する脚受基部を備え、この脚受基部に水平回動部を軸着して、この脚受基部に対して水平回動部を水平回動させ、この水平回動部に垂直回動部を水平面に対して傾斜させて軸着し、垂直回動部の垂直回動に従う脚受部の軌道面を股関節に対して大腿の外転方向に傾けて垂直回動部を垂直回動させ、この垂直回動部から支持アームを介して脚受部を突設して構成する。これにより、水平回動部の水平回動による脚受部の変位に従って患者の大腿を股関節に対して内外転運動させ、垂直回動部の垂直回動による脚受部の変位に従って患者の大腿を股関節に対して屈伸運動させ、水平回動部の水平回動と垂直回動部の垂直回動との協働による脚受部の変位に従って患者の大腿を股関節に対して内外旋運動させることができる。この場合、屈曲運動と内外転運動との組合せが脚部の運動に適合しやすいように、垂直回動部は、垂直回動軸を水平面に対して傾斜させ、垂直回動部の垂直回動に従う脚受部の軌道面を股関節に対して大腿の外転方向に傾けているとよい。
【0010】
ここで、垂直回動部による患者の大腿の移動(屈曲)は、主として股関節に対する大腿の変位を担うもので、例えば背板の傾倒に応じた脚部の変化を補うものではない。よって、着座位の状態から背板のみを傾倒させると、相対的に脚受部が下がり、体位移行に際して前記下降分だけ脚受部を持ち上げなければならない。そこで、脚受部駆動手段の水平回動部及び垂直回動部の基準となる脚受基部は、臀部受に対して接近離反自在に基台へ取り付け、水平回動部及び垂直回動部を一体に昇降自在としている。この脚受部駆動手段の臀部受に対する接近離反の運動は、直線運動(脚受部駆動手段が臀部受に対して同じ姿勢を保ったまま、直線的に接近離反する)でも、曲線運動(脚受部駆動手段が臀部受に対して姿勢を変化させながら、円弧軌道を描いて接近離反する)でもよい。この脚部駆動手段の移動による水平回動部及び垂直回動部の昇降は、前述の通り、相対的に下がる脚受部を持ち上げるもので、特に垂直回動部による脚受部の変位を補う意味を有するから、この観点から、円弧軌道を描いて臀部受に対して接近離反する脚受基部が好ましい。具体的には、臀部受奥に患者の体幹直交方向に延びる揺動軸を備え、臀部受手前に対して接近離反する脚受基部がよい。
【0011】
着座位や内診時における仰臥砕石位では、脚受部は患者の脚部を屈曲させ、大腿のみを支持すればよいが、外診時における仰臥伸展位では、患者が伸ばした脚部を安定して支持できるように、脚受部は患者の脚部全体、すなわち大腿及び下腿を同時に支持できることが望ましい。これから、脚受部に求められる機能が内外診において異なることが分かる。そこで、前記機能を充足するため、本発明の内外診兼用診療台において、脚受部は患者の大腿を支持する大腿受部と患者の下腿を支持する下腿受部とからなり、大腿受部を臀部受に対して変位させる脚受部駆動手段を基台に設け、大腿受部は前記脚受部駆動手段により上方内診位置及び下方外診位置の間で変位自在にし、下腿受部は大腿受部の延在方向及び延在直交方向の間で屈曲自在にこの大腿受部と連結する構成とした。これにより、本発明の脚受部は、着座位又は仰臥砕石位では上方内診位置に変位させた大腿受部に対して下腿受部を延在直交方向に屈曲させ、大腿受部及び下腿受部が形成する頂部で膝窩を支えながら、仰臥伸展位では下方外診位置に変位させた大腿受部に対して下腿受部を延在方向に延ばすことで患者の脚部全体を支持できるようになる。
【0012】
また、着座位から内診位である仰臥砕石位へ移行する際の患者の身体移動に関わる臀部の支持点(臀部の重心の法線方向支持位置)の移動に対応するため、本発明の内外診兼用診療台において、臀部受は略水平で、背板を前記臀部受に対して傾動させる背板駆動手段を基台に設けてなり、背板は前記背板駆動手段により起立離着席位置及び傾倒診察位置の間で傾動自在にし、背板が起立離着席位置にあるときは患者の臀部を尾骨下方から臀部受で支持し、背板が傾倒診察位置にあるときは患者の臀部を尾骨背面から背板の臀部受近傍位置で支持する構成とした。すなわち、臀部受は水平状態で位置固定し、この臀部受に対して相対的に背板を傾倒することとした。これにより、着座位から仰臥砕石位へと移行するために背板を傾倒させると、患者の身体の支持点は臀部受から背板へと移行するが、仰臥砕石位では臀部から臀部受が離隔することになるから、内診指の挿入は容易であり、臀部受が膣洗浄液や血液等の汚物により汚染される虞も軽減される。この場合、臀部受は、股関節を支持する両脇が突出し、股間に対応して凹む刳りを形成した平面視形状であるとよりよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明による内外診兼用診療台の一例について使用開始段階(患者は着座位)を表す側面図、図2は同内外診兼用診療台の使用開始段階を表す平面図、図3は本発明による内外診兼用診療台の一例について内診段階(患者は仰臥砕石位)を表す側面図、図4は同内外診兼用診療台の内診段階を表す平面図、図5は本発明による内外診兼用診療台の一例について外診段階(患者は仰臥伸展位)を表す側面図で、図6は同内外診兼用診療台の外診段階を表す平面図である。各平面図では、臀部受1を仮想線で表現し、臀部受1下方の脚受基部2ほかを図示している。本例の内外診兼用診療台は、高さ固定の基台3を用いているが、基台3は背板4、臀部受1及び脚受部5を全体として備えていれば、昇降自在や移動自在な構成でもよい。また、図示を省略するが、基台3には汚物受を内蔵してもよい。前記汚物受は、基台3から正面方向(図1中左)へ臀部受1が有する刳り6から覗くように出没自在に基台3へ内蔵し、例えば内診に際して汚物を受け止める。
【0014】
本発明の内外診兼用診療台は、図1以下に見られるように、基台3に背板駆動手段7及び脚受基部駆動手段8を内蔵しており、背板4は臀部受1に対して傾動自在にし、脚受基部2は臀部受1奥に揺動軸9を備えて、臀部受1手前に対して揺動により接近離反させる。脚受部駆動手段10は、前記脚受基部2に設けた水平回動部11、この水平回動部11に設けた垂直回動部12からなり、この垂直回動部12から臀部受1を迂回して延びる支持アーム13端に脚受部5を構成する大腿受部14を取り付けている。そして、下腿受部15は大腿受部14前端に屈曲軸16を介して連結している。本例の下腿受部15は、大腿受部14に対して手動により屈曲又は連続関係を択一的に選択し、それぞれの関係で位置固定するが、例えば大腿受部14及び下腿受部15の屈曲軸16に動力を割り当て、脚受部駆動手段10の作動状態により自動的に屈曲又は連続関係を切り換えるようにしてもよい。また、安定した患者の脚部の支持には、大腿受部14及び下腿脚部15の支持面(断面湾曲状の緩やかな曲面)は、内向きに傾けておくとよい。
【0015】
各部の可動範囲は、それぞれの駆動手段により決定される。本発明は、単一の診療台として内外診を兼ねるものであり、必要とされる可動範囲は広く、例えば背板4は0〜80度(外診段階の伸展位〜着座位又は内診段階の仰臥砕石位)、脚受部5(具体的には大腿受部14)は水平回動で0〜45度(外診段階の伸展位又は着座位の閉脚〜内診段階の仰臥砕石位の開脚)、垂直回動で0〜90度(外診段階の伸展位又は着座位の伸展〜内診段階の仰臥砕石位の屈曲)となる。また、大腿受部14に対して下腿受部15は0〜90度の範囲で屈曲すればよく、脚受基部2は前記垂直回動を補う範囲で任意に決定できる。ここで、具体的な各駆動手段は、前記各部の可動範囲を実現できれば種類を問わず、従来公知の各種手段、例えば電動モータ、油圧モータ又は油圧シリンダや空気シリンダ等を用いることができる。
【0016】
まず、内外診兼用診療台は、図1及び図2に見られるように、使用開始段階では患者が着席しやすいように、背板4は背板駆動手段7により臀部受1に対して70〜80度の角度で起立させている。脚受基部2は脚受基部駆動手段8により下げており、かつ垂直回動部12も下げ、水平回動部11を閉じておくことで、左右一対の大腿受部14が近接した状態で臀部受1と面一になるようにしている。これから、背板4と大腿受部14とが形成する角度は100〜110度となる。また下腿受部15は、患者の着座の邪魔にならないように、大腿受部14に対して屈曲関係にして垂らしている。本発明では、臀部受1を基台3に対して略水平に位置固定し、前述のように、使用開始段階では大腿受部14が臀部受1に連続して平面を形成する。実際には、患者が着座位となった状態で大腿に対して若干股関節が上位にあるほうがずり落ちる感覚を与えることが少なく、また患者の姿勢が安定するため、臀部受1を微少な下り勾配にするか、大腿受部14の下方外診位置を臀部受1に対して微少な低位にするとよい。
【0017】
本例の臀部受1は、図2に明らかなように、股関節を支える左右の突出部17,17と、逆に股間に対応して凹んだ刳り6とからなり、およそ洋式便座を半割した平面視外観を備えている。左右の突出部17,17は、患者の臀部及び股関節から大腿部の一部を支えることで、患者の着座姿勢に十分な安心感を与える。刳り6の大きさは、内診段階において患者が仰臥砕石位となった状態で、汚物の排出や内診指の挿入が容易となるように、前記突出部17に対する相対量で決定するとよい。目安として、例えば左右の突出部17の長さを成人女性の大腿長44.2cmの約50%=20cmとした場合、各突出部17先端から幅16cm、深さ12cmで凹んだ刳り6を設ける。前記寸法の突出部17は、大腿の約20%、10cm程度を支え、残る10cmで股関節、すなわち着座位にある患者の臀部を支えることになる。
【0018】
内診段階として、着座位から仰臥砕石位への移行は、図3及び図4に見られるように、背板駆動手段7により背板4を角度0度に傾倒すると共に、脚受基部2を脚受基部駆動手段8により臀部受1下面へ接近するように起こして脚受部5が背板4の傾倒に追随するようにし、同時に垂直回動部12及び水平回動部11を駆動して大腿受部14を患者側に引き寄せながら開くことで実現する。実際には、医師に対して患者を横向きに座らせた後、背板4、臀部受1及び脚受部5が基台3に対して一体となり、医師に向けて旋回しながら上昇する運動が加わる。脚受基部2の上昇だけでは背板4の傾倒量に対応する脚受部5の変位量は補えないため、本発明では脚受基部2の上昇に加え、垂直回動部12の駆動によって、脚受部5全体が背板4の傾倒に追随する。仰臥砕石位では、背板4及び脚受部5(大腿受部14)の角度が80〜110度、好ましくは略90度となるようにする。下腿受部15は大腿受部14に対して屈曲したままであるが、大腿受部14に従う開脚によって、患者の下腿は下腿受部15に支持されるようになる。この場合、患者に不安を与えないためにも下腿受部15による下腿の支持が望ましく、この観点から下腿受部15の長さは大腿受部14と同長以上(本例)にすることが望ましい。
【0019】
また、患者毎に適切な仰臥砕石位は一様ではなく、内診によって求められる大腿の屈伸運動量、内外転運動量又は内外旋運動量は異なるので、大腿受部14の変位については、水平回動のみ(図4中仮想線参照)又は垂直回動のみ(図3中仮想線参照)としてもよいし、場合によっては脚受基部2の上昇のみであってもよい(図3及び図4中実線参照、着座位は緩やかな仰臥砕石位を起こした体位と見ることができる)。脚受基部2の昇降、大腿受部14の水平回動又は垂直回動を手動化し、患者自身の動きに合わせて大腿受部14が多少変位するようにしてもよい。また、垂直回動部12に一定の遊びを設けておくと、患者自身の脚部の動きによって適宜仰臥砕石位から蹲踞位へ、又はこの逆に移行できる。このほか、内診段階では医者の目線に合わせて患者を高くする必要もあり、体位の移行に合わせ、基台3に対して背板4、臀部受1及び脚受部5を一体に上昇させてもよい(図示省略)。
【0020】
外診段階として、着座位から仰臥伸展位への移行は、図5及び図6に見られるように、背板駆動手段7により背板4を角度0度に傾倒すると共に、脚受基部2及び大腿受部14はそのままとして、この大腿受部14に対して下腿受部15を起こして臀部受1、大腿受部14及び下腿受部15が面一になるようにして実現する。仰臥伸展位では、背板4及び脚受部5(大腿受部14及び下腿受部15)が略180度となる。本発明の内外診兼用診療台では、背板4を傾倒することで臀部の支持点が臀部受1から背板4下端へと移っていくため、患者の身体は相対的に上方へ移動する。また、大腿受部14及び下腿受部15の屈曲軸16が患者の膝窟に当たり、下腿受部15が患者の下腿を下方から支えるため、およそ患者の背部から下腿に至るまでを安定して支持できる。仮に下腿受部15の延長が必要な場合は、下腿受部15に連続する補助部材を別途取り付けてもよい(図示略)。
【0021】
内診段階又は外診段階から使用開始段階へ、すなわち仰臥砕石位又は仰臥伸展位から着座位へと復帰する場合、上記それぞれの体位の移行と逆の手順を採る。まず、内診段階からは、背板4を背板駆動手段7により起立させると共に、仰臥砕石位にある患者の脚部を閉脚かつ降ろすため、水平回動部11、垂直回動部12及び脚受基部2を初期位置へ復帰させる。本発明では、大腿受部14の水平回動及び垂直回動を組み合わせることで、無理のない股関節の動き(屈伸運動、内外転運動及び内外旋運動)を実現するので、仰臥伸展位から着座位への復帰に際しても負担はない。この場合、仰臥砕石位では大腿受部14に対して下腿受部15は屈曲関係にあるから、特に操作を要することはない。また、外診段階からは、背板4を背板駆動手段7により起立させると共に、仰臥伸展位にある患者の下腿を降ろすため、大腿受部14に対して下腿受部15を屈曲させればよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、内診はもちろん、患者の仰臥伸展位を要する外診にも十分対応できる内外診兼用診療台を提供する。具体的には、背板の傾動、大腿受部及び下腿受部からなる脚受部の水平回動及び垂直回動、そして脚受基部の昇降という各部の運動の組み合わせによって、使用開始段階に当たる着座位、内診段階の仰臥砕石位、そして外診段階の仰臥伸展位を満足に実現できるだけでなく、それぞれの体位間の移行も円滑にでき、患者に負担を与えない効果がある。このほか、大腿受部及び下腿受部に分かれる脚受部は、患者の膝の位置を大腿受部で規制することになるので、脚部が大腿受部内縁より外に位置するように構成すれば、体位移行に際して膝が擦れ合うこともなくなる不随効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内外診兼用診療台の一例について使用開始段階(患者は着座位)を表す側面図である。
【図2】同内外診兼用診療台の使用開始段階を表す平面図である。
【図3】本発明による内外診兼用診療台の一例について内診段階(患者は仰臥砕石位)を表す側面図である。
【図4】同内外診兼用診療台の内診段階を表す平面図である。
【図5】本発明による内外診兼用診療台の一例について外診段階(患者は仰臥伸展位)を表す側面図である。
【図6】同内外診兼用診療台の外診段階を表す平面図である。
【符号の説明】
1 臀部受
2 脚受基部
3 基台
4 背板
5 脚受部
7 背板駆動手段
8 脚受基部駆動手段
10 脚受部駆動手段
11 水平回動部
12 垂直回動部
Claims (2)
- 基台上に患者を支持する背板、臀部受及び脚受部を備えてなり、臀部受に対して背板が起立した状態で患者が離着席する内外診兼用診療台であって、脚受部を臀部受に対して変位させる水平回動部及び垂直回動部からなる脚受部駆動手段を基台に設けた内外診兼用診療台において、
脚受部駆動手段は、臀部受下方かつ該臀部受奥に患者の体幹直交方向に延びる揺動軸を介して基台と接続され、臀部受手前に対して揺動により接近離反する脚受基部を備え、該脚受基部に水平回動部を軸着し、該脚受基部に対して水平回動部を水平回動させ、該水平回動部に垂直回動部を水平面に対して傾斜させて軸着し、垂直回動部の垂直回動に従う脚受部の軌道面を股関節に対して大腿の外転方向に傾けて垂直回動部を垂直回動させ、該垂直回動部から支持アームを介して脚受部を突設して構成してなり、
水平回動部の水平回動による脚受部の変位に従って患者の大腿を股関節に対して内外転運動させ、垂直回動部の垂直回動による脚受部の変位に従って患者の大腿を股関節に対して屈伸運動させ、水平回動部の水平回動と垂直回動部の垂直回動との協働による脚受部の変位に従って患者の大腿を股関節に対して内外旋運動させることを特徴とする内外診兼用診療台。 - 脚受部は、患者の大腿を支持する大腿受部と患者の下腿を支持する下腿受部とからなり、大腿受部を臀部受に対して変位させる脚受部駆動手段を基台に設け、大腿受部は前記脚受部駆動手段により上方内診位置及び下方外診位置の間で変位自在にし、下腿受部は大腿受部の延在方向及び延在直交方向の間で屈曲自在に該大腿受部と連結した請求項1記載の内外診兼用診療台。
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