JP4263865B2 - 超短パルスレーザーを用いた微細加工方法及びその加工物 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、超短パルスレーザーを用いた微細加工方法及びその加工物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナノメートル(nm;1メートルの10億分の1)サイズのナノ構造(概ね0.1nm〜200nmのサイズ)を有する材料及び部品の開発が従来より進められており、こうしたナノ構造を形成するための技術はナノテクノロジーと総称されている。ナノ構造を有する材料及び部品は、新規な物性や機能を発現することが知られており、電子デバイス等の電子・電気関連分野、マイクロマシン等の機械関連分野及び触媒等の化学分野といった多岐にわたる技術分野でその活用が図られている。
【0003】
ナノテクノロジーとしては、大別すると、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を利用した原子・分子レベルの操作技術を用いて原子・分子を数十〜数百単位で構築することでナノ構造を形成するボトムアップ技術と、LSI製造技術に代表されるリソグラフィ、電子ビーム加工、FIB(Focused Ion Beam)加工により100nm程度のナノ構造を形成するトップダウン技術が開発されている。
【0004】
一方、精密加工を行うための手段としてレーザー加工が用いられているが、レーザー加工の中で、近年、パルス幅が1ピコ秒(10−12秒)以下の超短パルスレーザー(フェムト秒レーザー)を用いたレーザー加工の開発が進められている。こうした超短パルスレーザーによる加工は、照射面での熱拡散が進む前に高速で加工が行われるため熱影響のきわめて少ない非熱微細加工が可能となる点、ガラスや石英等の透明材料の内部加工が可能となる点といった特徴を有しており、こうした特徴を生かして、例えば特開2001−300749号公報には、特定層の材料のみを除去するレーザー加工方法が記載されている。また、特開2001−239379号公報には、有機化合物材料に対して超短パルスレーザーを照射してその加工深さを制御する点が記載されており、特開2001−212685号公報には、アブレーションと熱伝導効果を考慮して高精密加工を行う点が記載されている。特開平11−207479号公報には、固体表面に損傷を与えずに固体内部のみを加工する方法として超短パルスレーザーを用いた点が記載されている。特開2001−236002号公報には、フェムト秒レーザーを光源として、ビームスプリッターにより2つのビームに分割して2ビームレーザー干渉露光方法によりホログラムを製造する方法が記載されている。また、超短パルスレーザーを偏光させて固体材料表面に照射を行う点についても研究がなされてきている(J.Bonse et al.,"The precision of the femtosecond-pulse laser ablation of TiN films on silicon",Applied Physics A 69,1999年12月22日,p.399-p.402 ; S.Baudach te al.,"Femtosecond Laser Processing of Soft Materials",The Review of Laser Engineering,2001年11月,p.705-p.709)。
【0005】
こうしたレーザー加工では、いろいろな種類の固体材料−例えば、金属、セラミックス、有機材料、半導体材料、誘電体、絶縁材料等で研究されてきているが、より精密に加工することに重点が置かれ、ナノレベルのより微細な加工については研究開発がなされていないのが現状である。ナノレベルの微細加工に関しては、レーザー照射表面にレーザーの波長とほぼ等しい空間周期を有する周期的な微細構造(リップル)が発生することが知られており(D.J.Ehrlich et al.,"Time-resolved measurements of stimulated surface polariton wave scattering and grating formation in pulsed-laser-annealed germanium",Applied Physics Letter,American Institute of Physics,1982年10月1日,p.630-p.632 ; 豊田浩一他2名,"GaAsのレーザー励起エッチングにおける周期的表面リップルの形成",レーザー研究,1990年,第18巻 第7号,p.39-p.43)、こうしたレーザー波長と同程度のレベルまでの微細構造が研究されてきているに過ぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したナノテクノロジーの場合ボトムアップ技術は数nmレベルのナノ構造が形成可能であるものの、量産性の観点からみると実用化が難しいという課題がある。また、トップダウン技術については、量産性の観点からは十分実用化に耐えるものの100nm以下のレベルのナノ構造の形成は困難で技術的限界も指摘されている。また、レーザー加工においてもレーザー波長と同程度のレベルの微細構造までの研究がなされているだけである。本発明者らは、超短パルスレーザーを低フルーエンスで固体材料表面に照射したときにレーザー波長より小さいサイズの微細構造が形成される現象を知得した。そこで、本発明では、こうした知見に基づき超短パルスレーザーを用いてレーザー波長よりも小さいサイズの微細構造を形成する微細加工方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る微細加工方法は、所定波長のフェムト秒レーザーを、アブレーション閾値からアブレーション閾値の10倍までの範囲のフルーエンスで偏光制御して固体材料表面に照射することで、前記所定波長より小さいサイズの微細構造を形成することを特徴とする。本発明に係る別の微細加工方法は、所定波長のフェムト秒レーザーを、アブレーション閾値からアブレーション閾値の10倍までの範囲のフルーエンスで直線偏光させて固体材料表面に照射することで、その偏光方向と直交する方向に沿って配列された細長い突起部を含む微細構造を形成することを特徴とする。さらに、前記突起部の幅は、前記所定波長より小さく形成されることを特徴とする。さらに、前記突起部の幅は、前記所定波長の1/10〜3/5のサイズに形成されることを特徴とする。本発明に係る別の微細加工方法は、所定波長のフェムト秒レーザーを、アブレーション閾値からアブレーション閾値の10倍までの範囲のフルーエンスで直線偏光させて固体材料表面に照射することで、その偏光方向と直交する方向に沿って配列された細長い溝部を含む微細構造を形成することを特徴とする。さらに、前記溝部の幅は、前記所定波長より小さく形成されることを特徴とする。本発明に係る別の微細加工方法は、所定波長のフェムト秒レーザーを、アブレーション閾値からアブレーション閾値の10倍までの範囲のフルーエンスで円偏光させて固体材料表面に照射することで、粒状の突起部を含む微細構造を形成することを特徴とする。さらに、前記突起部の径は、前記所定波長より小さく形成されることを特徴とする。さらに、前記突起部の径は、前記所定波長の1/10〜3/5のサイズに形成されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る微細加工方法は、超短パルスレーザーを低フルーエンスで偏光制御して固体材料表面に照射するという簡便な方法により、照射するレーザーの波長より小さいサイズの微細構造を確実に加工することができる。そして、照射するレーザーの波長により微細構造のサイズを制御することができ、また、偏光を制御することで、微細構造の形状を変化させることが可能である。従来の超短パルスレーザーを用いた微細加工では、アブレーションを発生させることで微細加工を行っているが、加工速度や加工効率の観点から一般に高フルーエンスで照射することが多く、加工面のマクロな形状を問題にしており、照射面の微細構造についてはほとんど検討されていなかった。また、上述したリップル構造については、レーザーを照射した際に励起された表面電磁波と入射レーザー光との干渉によるものとされ、材料表面の凹凸に影響されるなど偶発的に形成されるものといえる。さらに、リップル構造は、原理的にレーザー波長と同程度のサイズであり、レーザー波長より小さい微細構造を形成することはできない。これに対して、本発明者らは、低フルーエンスで偏光制御した超短パルスレーザーを固体材料表面に照射することで、レーザー波長より著しく小さいサイズの微細構造が形成されることを知得した。こうした現象は、これまで理解されてきたアブレーション現象には入らない新しい現象であることを示唆するものである。そして、本発明者らは、この微細構造のサイズがレーザー波長と正の相関関係があることに着目し、レーザー波長を変化させることで微細構造のサイズを制御することを可能にした。また、直線偏光−楕円偏光−円偏光と偏光制御することで、細長い突起部の形状から粒状の形状までさまざまな微細構造を形成することができる。さらに、超短パルスレーザーの照射回数により微細構造の凹凸の深さを調整することも可能である。このように、本発明の微細加工方法を用いると、ナノレベルの微細構造を確実に加工することができる。
【0009】
ここで、「フルーエンス」(fluence)とは、レーザーの1パルス当りの出力エネルギーを照射断面積で割って求めたエネルギー密度(J/cm2)である。一般に、「低フルーエンス」とは相対的にこの値が小さいことを言うが、ここでは、レーザーを材料表面に照射することで材料表面が蒸散する現象が生じるエネルギー密度の最小値(アブレーション閾値)近傍のフルーエンスを指している。この範囲ではレーザーの照射による熱影響がほとんどない。アブレーション閾値及び低フルーエンスの範囲は材料によって異なる。低フルーエンスの範囲は主にその材料の融点の違いにより異なり、通常アブレーション閾値の5倍程度を上限とする範囲で、材料によっては10倍程度の範囲まで熱影響がほとんど生じない場合もある。低フルーエンスの一例として、銅のレーザー加工では、アブレーション閾値が0.14J/cm2で、0.46J/cm2までレーザー照射による熱の影響がほとんど生じないという実験結果が発表されており、この場合低フルーエンスの上限はアブレーション閾値の3倍程度となっている。
【0010】
また、本発明に係る別の微細加工方法は、超短パルスレーザーを低フルーエンスで直線偏光させて固体材料表面に照射することで、その偏光方向と直交する方向に沿って配列された細長い突起部を含む微細構造を形成することができる。この微細加工方法は、上述した本発明の微細加工方法と同様に、これまでのレーザー加工において理解されているアブレーションの現象には入らない新しい現象に基づいているものであり、また、直線偏光と直交する方向に沿って配列された細長い突起部を形成することができることから、微細構造自体に指向性を持たせることが可能となる。さらに、照射するレーザー波長を適宜設定することで、細長い突起部の幅をレーザー波長の1/10〜3/5にすることができる。本発明に係る別の微細加工方法は、超短パルスレーザーを低フルーエンスで直線偏光させて固体材料表面に照射することで、その偏光方向と直交する方向に沿って配列された細長い溝部を含む微細構造を形成することができる。この微細加工方法も同様に、これまでのレーザー加工において理解されているアブレーションの現象には入らない新しい現象に基づいているものであり、また、直線偏光と直交する方向に沿って配列された細長い溝部を形成することができることから、これまでリソグラフィ技術で行われてきたような極めて細い線幅の加工に用いることができる。本発明に係る別の微細加工方法は、超短パルスレーザーを低フルーエンスで円偏光させて固体材料表面に照射することで粒状の突起部を含む微細構造を形成することができ、これも同様に、これまでのレーザー加工において理解されているアブレーションの現象には入らない新しい現象に基づいているものである。さらに、照射するレーザー波長を適宜設定することで、粒状突起部の径をレーザー波長の1/10〜3/5にすることができる。
【0011】
上述した本発明に係る微細加工方法は、金属、無機材料、有機材料といった固体材料全般に用いることが可能であり、固体材料に形成される微細構造のサイズもレーザー波長により適宜設定することができ、また、照射領域を適宜調整すれば、必要な領域に微細加工を施した固体材料を得ることができる。こうして微細加工を行った固体材料は、例えば、比表面積の増加、他部材との接触面積の減少による材料特性の改善や新たな機能の付加が期待できる。また、微細構造の深さについても調整が可能なことから、例えば、材料表面に形成した薄膜の一部のみ削除した固体材料を作成することも可能であり、こうした微細加工を施した材料表面に薄膜形成を行うと、薄膜の付着強度を向上することができる。
【0012】
本発明に係る微細加工方法を加工具に用いた場合、加工性能を向上させることができる。例えば、研磨体の表面に本発明に係る微細加工方法により微細な凹凸を形成すれば、非常に精密な表面加工が可能な研磨体とすることができる。また、微粒子を含む研磨液を併せて用いる場合にもナノレベルの凹凸と微粒子の組合せにより精密な表面加工が可能となる。さらに、直線偏光により形成された細長い突起部を含む微細構造を研磨体の表面に形成することにより、細長い突起部に沿った方向への研磨動作及び細長い突起部と直交する方向への研磨動作で異なる研磨を行うこともできる。その他にも、切断用工具や穴あけ用工具の加工表面をDLC等の高潤滑性硬質膜で被覆し、その表面に本発明に係る微細加工方法により微細な凹凸を形成することで、切削油を用いずに加工性能を向上させることができる等種々の加工具に適用可能である。
【0013】
本発明に係る微細加工方法を機械部品に用いた場合、機械部品の表面において生じる摩擦、摩耗、潤滑といったトライボロジー現象に関して、こうした現象が生じる表面に本発明に係る微細加工方法で上述した微細構造を形成することでトライボロジー特性を制御することができる。例えば、軸受等の機械部品同士の接触表面に本発明に係る微細加工を施せば、微細構造の凹凸のサイズを制御することにより接触面積を制御でき、トライボロジー特性を最適化することが可能となる。さらに、直線偏光により形成された細長い突起部からなる微細構造を形成すれば、細長い突起部に沿った方向と直交方向で異なる特性を付与することも可能となる。特にマイクロマシンの部品のように、こうしたトライボロジー特性を厳密に付与することが求められる場合などには、本発明に係る機械部品が有用である。
【0014】
本発明に係る微細加工方法を電子部品に用いる場合、例えばICや液晶表示装置のようにその製造過程において薄膜形成が行われているが、こうした薄膜を形成する表面への処理または薄膜形成後の表面への処理を行うことにより形成された薄膜の特性を改善することができる。また、従来のIC製造工程においては、リソグラフィ技術を用いて線幅0.25μmレベルの加工が行われており、さらに微細な加工を行うためには、今まで以上に波長の短いレーザーの開発が必要となるが、本発明に係る微細加工方法では、例えば直線偏光によりレーザー波長より小さいサイズの細長い突起部や溝部を形成できるので、波長の短いレーザーを用いる必要がなくなる。
【0015】
本発明に係る微細加工方法を記録媒体に用いる場合、例えば磁気ディスクのようにディスク表面にテクスチャーと称される微細な表面の凹凸が形成されているが、こうした表面の微細な加工を簡単に行うことができる。上述したように、本発明に係る微細加工方法では、微細な凹凸を精度よく形成できるため、品質の良いテクスチャーを形成した記録媒体を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について具体的に詳述する。図1は、超短パルスレーザーを用いた微細加工装置の構成図を示している。1はフェムト秒レーザー発振器であり、モード同期チタン・サファイアレーザーを用い、パルス幅が25fs(フェムト秒)、出力パルスエネルギー5nJ(ナノジュール)、波長800nmのレーザーを発振する。発振されたレーザーは、パルス伸長器2でパルス幅が伸長されて増幅器3でパルスエネルギーが増幅される。増幅されたレーザーパルスは、パルス圧縮器4でパルス幅が圧縮されて、パルス幅40fs、パルスエネルギー40mJ、繰り返し周波数10Hz、波長800nmの高強度なフェムト秒レーザーとなる。こうして得られたフェムト秒レーザーは、必要に応じて光減衰器5及び光波長変換器6を通過させることにより、その強度を減衰し出力波長を変換することができる。そして、フェムト秒レーザーは、波長板7により偏光制御され、フィルター8及びレンズ9を通過して、試料台11に載置した固体材料からなる試料10の表面に照射される。波長板7は、直線偏光(縦方向、横方向)、円偏光など必要に応じ選択・制御される。直線偏光の方向を制御する場合はλ/2板を配置して必要な方向に設定すればよく、円偏光及び楕円偏光の場合には、λ/4板を配置して45度の位置にすれば円偏光に制御され、45度より小さい角度の位置にすれば楕円偏光に制御される。フルーエンスの調整は、光減衰器5及びフィルター8により行われるが、光減衰器5のみでも構わない。
【0017】
波長変換の一例として、パルス圧縮器4から出力されたレーザー(波長800nm)を波長267nmに変換するための構成図を図2示す。出力レーザーを、BBO(β−ホウ酸バリウム)結晶板20(厚さ0.2mm)、方解石の結晶板21(厚さ2mm)、波長板22及びBBO結晶板23(厚さ0.3mm)を通過させることにより波長267nmのレーザーを得ることができる。そして、波長板7、フィルター8及び凸レンズ9を通過させ、偏光制御したレーザーを試料10に照射する。図2では、第3高調波を発生させて波長を267nmに変換しているが、第2高調波(波長400nm)を利用することも可能である。
【0018】
上記の微細加工装置では、チタン・サファイアレーザーを用いているが、フェムト秒レーザーを発振することが可能なものであれば採用することができ、特にレーザーの種類には限定されない。
【0019】
【実施例】
図1に記載の微細加工装置を用いて、窒化物系セラミックス(TiN)膜、アモルファスカーボン(DLC)膜及びステンレス鋼(SUS304)の材料を試料として、その表面に微細加工を行った。
<実施例1>
ステンレス鋼基板上に形成した窒化物系セラミックス(TiN)からなる硬質膜(膜厚約2μm、硬度約Hv2100)に対して、図1の微細加工装置を用いて波長800nmでパルス幅40fsのレーザーを直線偏光(横(p)偏光及び縦(s)偏光)させフルーエンス0.2J/cm2で材料表面に照射した。スポット径は約200μm、繰り返し周波数10Hzで、照射回数は計300パルスである。
<実施例2>
実施例1において、円偏光させた以外は同一の条件で窒化物系セラミックス(TiN)からなる硬質膜に照射した。
<実施例3>
実施例1において、波長267nmでパルス幅150fsのレーザーを用いた以外は同一の条件で窒化物系セラミックス(TiN)からなる硬質膜に照射した。
<実施例4>
実施例3において、円偏光させた以外は同一の条件で窒化物系セラミックス(TiN)からなる硬質膜に照射した。
<実施例5〜8>
材料としてステンレス鋼基板上に形成されたアモルファスカーボン(DLC)からなる硬質膜を用い、それぞれ実施例1〜4と同一の条件で照射した。
<実施例9〜12>
材料としてステンレス鋼(SUS304)基板を用い、それぞれ実施例1〜4と同一の条件で照射した。
【0020】
図3及び図4は、実施例1におけるレーザー照射後の材料表面を電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で走査して描いた表面形状を示している。図3は、横(p)偏光させた場合の表面形状であり、左右方向に直線偏光させている。同様に、図4は、縦(s)偏光させた場合で、上下方向に直線偏光させている。また、図6は、実施例2におけるレーザー照射後の材料表面をFE−SEMで走査して描いた表面形状を示している。
【0021】
図3及び図4の表面形状を観察すると、偏光方向とほぼ直交する方向に沿って細長い突起部が多数形成されていることがわかる。突起部は、両端が先細で先端は丸くなっており、図3についてみると、個々の突起部の幅は100nm〜150nmでほぼ同じように形成されており、平均して約125nmであった。原子間力顕微鏡(AFM)で5μm四方の表面について測定を行った結果、平均面粗さは約33nm、最大高低差は約418nmで、3点の突起部でその高さは平均約70nmであった。図5は、図3の表面形状について偏光方向に沿って直線状に約5μm測定した結果をプロファイルしたもので、黒い部分が材料に相当する部分を示している。それぞれの突起部は先端が先細で丸く形成されており、また、突起部の間に形成された溝の幅は、突起部の幅よりも狭く形成され、さらに微細な加工が施されていることがわかる。
【0022】
図6の表面形状を観察すると、粒状の突起部が多数形成されていることがわかる。個々の突起部は、粒径が100nm〜200nmでほぼ円形状に同じように形成され、その粒径は平均して約150μmであった。AFMで2.5μm四方の表面について測定を行った結果、平均面粗さは約23nm、最大高低差は約218nmで、3点の突起部でその高さは平均約83nmであった。図7は、直線状に2.5μm測定した結果をプロファイルしたもので、黒い部分が材料に相当する部分を示している。それぞれの突起部は先端が先細で丸く形成されていることがわかる。
【0023】
実施例1での突起部の幅及び実施例2での突起部の粒径をそれぞれD1、D2とすると、波長λとの比はそれぞれD1/λ=0.2、D2/λ=0.2となり、波長に比べかなり小さいサイズの微細構造が加工されていることがわかる。また、図5及び図7からもわかるように、突起部間の溝の幅及び深さも同様若しくはそれ以下のサイズで形成されて表面積も増加するとともに、突起部の先端が先細に形成されているため、他の部材との接触面積を小さくすることができる。こうした突起部の形状及び溝の形状は、レーザーの照射回数によっても変更することができると考えられる。
【0024】
他の実施例についても、図3、図4及び図6に描かれた突起部と同様のものが形成されたことが観察された。その結果をまとめたのが、表1及び図8である。表1は、各実施例で形成された突起部のサイズと波長との比を示しており、図8は、各実施例で形成された突起部のサイズを縦軸にとり、横軸に波長の長さをとって両者の関係を示したグラフである。グラフにおいて、TiN[L]、TiN[C]は、それぞれ窒化物系セラミックス(TiN)に直線偏光を照射した場合と円偏光を照射した場合を表している。DLC、SUSについても同様である。
【0025】
【表1】
【0026】
表1についてみると、波長の1/10〜3/5の範囲のサイズの突起部が形成されており、波長に比べ小さいサイズの突起部が形成されていることがわかる。図8についてみると、波長800nmの場合に比べ波長267nmの場合の方が小さくなる傾向があり、材料の種類に関係なく一般的に正の相関関係があることがわかる。
【0027】
次に、比較例として、ステンレス鋼基板上に形成した窒化物系セラミックス(TiN)膜に波長532nmでパルス幅20nsのレーザーを直線偏光させ実施例1と同程度のフルーエンスで材料表面に照射した。スポット径は約200μm、繰り返し周波数10Hzで、照射回数は計300パルス行った。照射後の表面を観察すると、粒界状の多数の亀裂と亀裂に形成された多数の孔が観察されたが、図3、図4及び図6に示すような突起部は観察されなかった。別の比較例として、ステンレス鋼基板上に形成した窒化物系セラミックス(TiN)膜に、波長800nmでパルス幅40fsのレーザーを直線偏光させ、300J/cm2の高フルーエンスで材料表面に照射した。スポット径は約200μm、繰り返し周波数10Hzで、照射回数は計4パルスと少ないパルス数で行った。照射後の表面を観察すると、粒界状の多数の亀裂が観察されたが、図3、図4及び図6に示すような突起部は観察されなかった。
【0028】
以上ことから、図3、図4及び図6にみられる突起部からなる微細構造は、低フルーエンスの超短パルスレーザー(フェムト秒レーザー)を用いることで生じることが確認された。そして、この微細構造のサイズは上述した実施例からも明らかなように波長と正の相関関係があることから、波長を適宜選択することによりそのサイズを調整することが可能である。また、波長の3/5以下であることから、従来から知られている波長程度のリップルとは異なるものであることは明らかである。このことは、直線偏光、円偏光と偏光を制御することでその形状が細長い突起部から粒状の突起部に変化することからもその違いが明確で、本発明では偏光を制御することで微細構造の形状を変化させることもできる。上述した実施形態では、直線偏光と円偏光のみであるが、楕円偏光を用いれば細長い形状と粒状の形状の中間の楕円形状を形成することも可能である。
【0029】
そして、様々な種類の材料表面を加工することが可能なことから、アブレーション可能な材料一般に用いることができると考えられる。したがって、上記実施例以外にも、様々な有機材料への適用も考えられ、例えばポリイミドについては従来よりアブレーションが生じることが知られている。液晶表示装置の基板上に形成されたポリイミド膜に対してこれまで数十nm〜数百nm程度の配向処理を行ってきているが、こうしたポリイミド膜への配向処理として本発明の微細加工方法を直線偏光で施せば必要な領域に均一な指向性を備えた配向処理を行うことができる。また、透明なガラス基板に対しては、紫外線吸収層を表面に形成しておき、本発明の微細加工方法で波長267nmのレーザーを用いて円偏光させて照射すると、粒状の突起部からなる微細構造が表面に形成されて低い反射率のガラス基板を得ることができる。また、本発明の微細加工方法は、上記実施例のTiN膜やDLC膜のような硬質膜を簡単に微細加工できることから、研磨体表面にこうした硬質膜を形成しておき、本発明の微細加工方法によりその表面に微細構造を形成すれば、均一な研磨表面を形成できる。さらに、直線偏光により微細構造の突起部に指向性を持たせることもできる。切断用工具や穴あけ用工具に用いた場合には、その加工表面をDLC等の高潤滑性硬質膜で被覆し、その表面に微細な凹凸を形成することにより、切削油を用いずに加工性能を向上させることができる。
【0030】
また、マイクロマシンに用いられるような機械部品の場合、油類を使用しない機構が要求されているが、例えば表面に微細な凹凸を形成後固体潤滑膜を被覆させることにより、潤滑油が不要な軸受機構が可能になる。
【0031】
また、半導体を用いた電子部品では、近年量子ドットを用いた電子デバイスの研究が行われてきているが、例えば発光デバイスや単一電子トランジスタでの数十nm程度の量子ドットの形成には、本発明の微細加工方法を用いて円偏光させ粒状の量子ドットを形成することが考えられる。また、ICの製造工程でリソグラフィ技術を用いて行われている極細い線幅加工にも本発明に係る微細加工方法を直線偏光させて微細加工すれば、波長の短いレーザーを用いる必要がなくなる。
【0032】
また、記録媒体では、例えば、磁気ディスクのように、磁気ヘッドの粘着防止及び摩擦力の軽減のために形成されるテクスチャーと称する微細な表面凹凸の加工を行う場合、本発明の微細加工方法で円偏光させて照射すれば簡単にこうしたテクスチャーを形成できる。磁気ディスクの基板にガラスを用いた場合には、上述した低反射性のガラス基板と同様に紫外線吸収性を持たせて微細加工を行えばよい。紫外線吸収性を持たせるためには、紫外線吸収物質をガラスに含有させてもかまわない。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る微細加工方法によれば、超短パルスレーザーを低フルーエンスで偏光制御して固体材料表面に照射するという簡便な方法により、照射するレーザーの波長より小さいサイズの微細構造を確実に加工することができるとともに、本発明者らは、この微細構造のサイズがレーザー波長と正の相関関係があることに着目し、レーザー波長を変化させることで微細構造のサイズを制御することを可能にした。また、偏光を制御することで、微細構造の突起部や溝部の形状を変化させることもできる。さらに、超短パルスレーザーの照射回数により微細構造の凹凸の深さを調整することも可能である。
【0034】
また、超短パルスレーザーを直線偏光させて固体材料表面に照射することで、その偏光方向と直交する方向に沿って配列された細長い突起部や細長い溝部を形成することができ、超短パルスレーザーを円偏光させて固体材料表面に照射することで粒状の突起部を形成することができる。
【0035】
こうした本発明に係る微細加工方法は、金属、無機材料、有機材料といった固体材料全般に用いることが可能であり、固体材料に形成される微細構造のサイズもレーザー波長により適宜設定することができ、また、照射領域を適宜調整すれば、必要な領域に微細加工を施した固体材料を得ることができる。こうして微細加工を行った固体材料は、例えば、比表面積の増加、他部材との接触面積の減少による材料特性の改善や新たな機能の付加が期待できる。
【0036】
本発明に係る微細加工方法を加工具に用いた場合、例えば研磨体の表面に本発明に係る微細加工方法によりナノレベルの凹凸を形成すれば、非常に精密な表面加工が可能な研磨体とすることができる。また、切断工具や穴あけ工具等に用いればその加工性能を向上させることができる。機械部品に用いた場合、機械部品の表面において生じる摩擦、摩耗、潤滑といったトライボロジー現象に関して、こうした現象が生じる表面に上述した微細構造を形成することによりトライボロジー特性を制御することができる。電子部品に用いる場合、その製造過程において行われる薄膜形成工程で、こうした薄膜を形成する表面への微細加工または薄膜形成後の表面への微細加工を行うことにより薄膜の特性を改善することができ、極細い線幅加工にも適用が可能である。記録媒体に用いる場合、例えば磁気ディスクのようにディスク表面に形成されるテクスチャーと称される微細な表面の凹凸の加工を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微細加工方法を実施するための装置の構成図
【図2】図1中の波長変換器の構成図
【図3】実施例1(横(p)偏光の場合)の照射面をFE−SEMにより描いた表面形状を示す写真
【図4】実施例1(縦(s)偏光の場合)の照射面をFE−SEMにより描いた表面形状を示す写真
【図5】実施例1(横(p)偏光の場合)の照射面をAFMにより測定した結果について偏光方向に沿ってプロファイルした図
【図6】実施例2の照射面をFE−SEMにより描いた表面形状を示す写真
【図7】実施例2の照射面をAFMにより測定した結果について適当な方向に沿ってプロファイルした図
【図8】波長と突起部のサイズの関係を表したグラフ
【符号の説明】
1 フェムト秒レーザー発振器
2 パルス伸長器
3 増幅器
4 パルス圧縮器
5 光減衰器
6 光波長変換器
7 波長板
8 フィルター
9 レンズ
10 試料
11 試料台
20 BBO結晶板
21 方解石の結晶板
22 波長板
23 BBO結晶板
Claims (9)
- 所定波長のフェムト秒レーザーを、アブレーション閾値からアブレーション閾値の10倍までの範囲のフルーエンスで偏光制御して固体材料表面に照射することで、前記所定波長より小さいサイズの微細構造を形成することを特徴とする微細加工方法。
- 所定波長のフェムト秒レーザーを、アブレーション閾値からアブレーション閾値の10倍までの範囲のフルーエンスで直線偏光させて固体材料表面に照射することで、その偏光方向と直交する方向に沿って配列された細長い突起部を含む微細構造を形成することを特徴とする微細加工方法。
- 前記突起部の幅は、前記所定波長より小さく形成されることを特徴とする請求項2記載の微細加工方法。
- 前記突起部の幅は、前記所定波長の1/10〜3/5のサイズに形成されることを特徴とする請求項3記載の微細加工方法。
- 所定波長のフェムト秒レーザーを、アブレーション閾値からアブレーション閾値の10倍までの範囲のフルーエンスで直線偏光させて固体材料表面に照射することで、その偏光方向と直交する方向に沿って配列された細長い溝部を含む微細構造を形成することを特徴とする微細加工方法。
- 前記溝部の幅は、前記所定波長より小さく形成されることを特徴とする請求項5記載の微細加工方法。
- 所定波長のフェムト秒レーザーを、アブレーション閾値からアブレーション閾値の10倍までの範囲のフルーエンスで円偏光させて固体材料表面に照射することで、粒状の突起部を含む微細構造を形成することを特徴とする微細加工方法。
- 前記突起部の径は、前記所定波長より小さく形成されることを特徴とする請求項7記載の微細加工方法。
- 前記突起部の径は、前記所定波長の1/10〜3/5のサイズに形成されることを特徴とする請求項8記載の微細加工方法。
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