JP4263825B2 - 中間転写用の半導電性ベルト、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド樹脂に導電性フィラーを含有してなる半導電性ベルトに関し、特に電子写真記録装置の中間転写ベルトや転写搬送べルト等として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より電子写真方式で像を形成記録する電子写真記録装置としては、複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタやファクシミリ、それらの複合機等が知られている。この種の装置では装置寿命の向上などを目的として、感光ドラム等の像担持体上の像を中間転写ベルトに一旦転写し、それを印刷シート上に転写・定着させる中間転写方式等が一部採用されている。また装置の小型化等を目的に、搬送ベルトで印刷シートを搬送しながら転写を行う方式も採用されている。
【0003】
この様な中間転写ベルトや転写搬送ベルト等に用い得る半導電性ベルトとして、例えば特開平5−77252号公報及び特開平10−63115号公報には、機械特性や耐熱性に優れたポリイミド樹脂に導電性フィラーを分散してなる中間転写ベルトが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでに提案されているポリイミド樹脂からなる半導電性ベルトは可とう性と剛性のバランスが悪く、中間転写ベルトや転写搬送べルトとしての耐久性等が十分とは言えなかった。例えば、特開平10−63115号公報のベルトでは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンと重合物であるポリアミド酸(Uワニス−S)をポリイミド樹脂の原料とし、これに導電性フィラーを分散したベルトが開示されているが、このタイプの中間転写ベルトでは、可とう性が不十分で、切り裂き強度の低下が見られ、長期使用においてベルト端部から割れが生じ易いという問題がある。
【0005】
一方、ジアミン成分として、屈曲性を有する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのみを用いて製造したポリイミド製の半導電性ベルトも知られているが、引っ張り弾性率が十分でないため、中間転写ベルト等に使用すると、画像にズレが生じ易く、特にカラー画像の場合に色ズレの問題が顕著になる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、可とう性と剛性のバランスを改善することで、転写、搬送等の機能が良好で、耐久性にも優れる半導電性ベルトを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、ポリイミド樹脂の共重体化もしくはブレンド化、またその成分及び量などについて鋭意研究したところ、導電性フィラーの含有量と剛直成分(ハードセグメント)の比率の関係が特定条件を満たす場合に、可とう性と剛性のバランスが良好になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、ポリイミド樹脂に導電性フィラーを含有してなり、表面抵抗率が108〜1016Ω/□、体積抵抗率が108〜1016Ω・cmである中間転写用の半導電性ベルトにおいて、前記ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸残基である全芳香族骨格とジアミン残基であるp−フェニレン骨格とがイミド結合してなるA成分と、テトラカルボン酸残基である全芳香族骨格とジアミン残基であるジフェニルエーテル骨格とがイミド結合してなるB成分とを繰返してなる共重合体、及び/又は前記A成分を繰返し単位とする重合体と前記B成分を繰返し単位とする重合体とを混合してなるブレンド体であると共に、前記ポリイミド樹脂の全繰返し単位中の前記A成分のモル%をR、前記導電性フィラーのポリイミド樹脂100重量部に対する重量部数をWとするとき、65−W≦Rを満たすことを特徴とする。
【0009】
上記において、前記ポリイミド樹脂は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの共重合体であることが好ましい。
【0010】
また、前記導電性フィラーがカーボンブラックであることが好ましい。
【0011】
[作用効果]
本発明によると、実施例の結果が示すように、半導電性ベルトの可とう性と剛性のバランスが良好になるため、転写、搬送等の機能が良好で、耐久性にも優れる半導電性ベルトとなる。その理由の詳細は明確ではないが、次のように推測される。
【0012】
B成分は屈曲性のジフェニルエーテル骨格を有するため、そのモル比率を変えることで、可とう性と剛性のバランスを変化させることができる。一方、導電性フィラーはその量によって、ベルトの機械特性を変化させるが、上記のバランスへの影響が大きいため、導電性フィラーの含有量に応じて、A成分の適切なモル%の範囲を変える必要が生じる。その際、上記の条件を満たすことで、転写、搬送等の機能が良好で、耐久性にも優れる半導電性ベルトとなると考えられる。
【0013】
前記ポリイミド樹脂が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの共重合体である場合、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンによりA成分が形成され、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルによりB成分が形成され、これらが共重合成分となるため、ブレンド体と比べて、導電性フィラーの分散性が良好になる。また、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物がビフェニル骨格を有するため、耐吸湿性や耐クリープ性でも優れた半導電性ベルトとなる。
【0014】
前記導電性フィラーがカーボンブラックである場合、導電性の調整に伴う機械特性の変動が小さく、上記のように可とう性と剛性のバランスを良好にすることで、更に機械特性を改善することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の半導電性ベルトは、ポリイミド樹脂に導電性フィラーを含有してなるものである。
【0016】
本発明におけるポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸残基である全芳香族骨格とジアミン残基であるp−フェニレン骨格とがイミド結合してなるA成分と、テトラカルボン酸残基である全芳香族骨格とジアミン残基であるジフェニルエーテル骨格とがイミド結合してなるB成分とを繰返してなる共重合体、及び/又は前記A成分を繰返し単位とする重合体とB成分を繰返し単位とする重合体とを混合してなるブレンド体である。但し、前述のような理由より、共重合体を使用するのが好ましい。
【0017】
かかる共重合体は、例えばA成分を形成するための全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物等の酸成分、及びp−フェニレン骨格を有するジアミン成分、並びにB成分を形成するための全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物等の酸成分(A成分と同じ場合は不要)、及びジフェニルエーテル骨格を有するジアミン成分を共重合することで得ることができる。また、ブレンド体は、例えばA成分を形成するための全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物等の酸成分、及びp−フェニレン骨格を有するジアミン成分を予め重合してポリアミド酸(重合ワニス)を得ると共に、B成分を形成するための全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物等の酸成分、及びジフェニルエーテル骨格を有するジアミン成分を予め重合してポリアミド酸(重合ワニス)を得た後、両者のポリアミド酸を混合してからイミド転化することで得ることができる。
【0018】
上記の全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、又はこれらの芳香環を低級アルキル基等で置換した化合物等が挙げられる。これらのうち、特に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
【0019】
また、p−フェニレン骨格を有するジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン又はその芳香環を低級アルキル基等で置換した化合物等が挙げられる。ジフェニルエーテル骨格を有するジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、 3,3’−ジアミノジフェニルエーテル又はこれらの芳香環を低級アルキル基等で置換した化合物等が挙げられる。
【0020】
本発明における導電性フィラーとしては、導電性もしくは半導電性の微粉末が使用でき、特に制限はないが、ケッチエンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が例示できる。そしてこれらを単独、あるいは併用して使用してもよい。本発明では、カーボンブラックを導電性フィラーとして使用するのが好ましいが、特に、平均一次粒子径が、5〜100nmのものが好ましく、特に10〜50nmのものが好ましい。平均一次粒子径が100nmを超えるものは、機械特性や電気抵抗値の均一性が不十分になり易い傾向がある。
【0021】
導電性フィラーの配合量はフィラーの種類、粒子径、分散状態によっても異なるが、ポリイミド樹脂(固形分)100重量部に対して、1〜50重量部の範囲が好ましく、2〜30重量部がより好ましい。本発明では、導電性フィラーを選択することと適当な配合量の組み合わせにより、中間転写ベルト等に適した表面抵抗率(108 〜1016Ω/□)と体積抵抗率(108 〜1016Ω・cm)の範囲に調整される。
【0022】
体積抵抗率等が高すぎるとトナー像の転写時に転写ベルトが著しく帯電することから像担持体と離れる際、剥離放電が起こり転写されたトナー像が飛散する。また、体積抵抗率等が低すぎる場合、転写ベルトと像担持体との間に過大な電流が流れることから、ベルトに転写されたトナー像が像担持体に戻ってしまう。かかる観点より、好ましくは、表面抵抗率が1010〜1015Ω/□、体積抵抗率が1010〜1015Ω・cmである。
【0023】
本発明では、導電性フィラーの配合量に応じて適切なポリイミド樹脂の組成範囲が存在する。即ち、本発明の半導電性ベルトは、ポリイミド樹脂の全繰返し単位中の前記A成分のモル%をR、導電性フィラーのポリイミド樹脂100重量部に対する重量部数をWとするとき、65−W≦Rを満たすことを特徴し、好ましくは、70−W≦R≦100−(W/20)を満たす場合である。Rが小さ過ぎると、引張り弾性率が低下し易く、ベルトとしては、伸びが大きく使用が困難になる。Rが大き過ぎると、引き裂き強度が低下し易く、使用時に割れの発生が生じ易くなる傾向がある。
【0024】
本発明の半導電性ベルトは、例えば、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を合成する際に使用する溶媒に導電性フィラーを均一分散させた後、ジアミン成分(p−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等)と酸二無水物成分(3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等)を特定量添加し共重合してポリアミド酸溶液を得た後、このポリアミド酸溶液をベルト状に製膜し、加熱乾燥、イミド転化を行って製造することができる。また、その際、ポリアミド酸として、上記の如き混合物を使用することで、ポリイミド樹脂のブレンド体に導電性フィラーを含有してなる半導電性ベルトを製造することができる。
【0025】
上記したテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性などの点により極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジアルキルアミド類が好ましい。重合反応させる際のモノマー濃度は、5〜30重量%が好ましい。また、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は約0.5〜10時間である。
【0026】
ポリイミド樹脂に導電性フィラーを均一に分散する方法としては特に制限はなく、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液に導電性フィラーをプラネタリーミキサーやビーズミルや三本ロール等で混合・分散する方法や、ポリアミド酸合成時に使用する溶媒中に導電性フィラーをボールミルあるいは超音波等で分散後、この溶媒を用いてポリアミド酸を合成する方法等がある。
【0027】
製膜法については特に制限はなく、金型の内周面、あるいは外周面に導電性フィラーを含有するポリアミド酸を浸漬法、遠心成型法、コーティング法等により塗布した後、溶媒除去、イミド転化し、その後、金型より剥離することにより得ることが出来る。その際、イミド転化の加熱温度は、ポリイミド樹脂の種類にもよるが、例えば300〜450℃で行われ、イミド転化が十分完了するまで行うのが好ましい。また、必要に応じて、金型を離型処理してもよく、また、脱泡工程を行ってもよい。
【0028】
以上のようにして得られる本発明の半導電性ベルトは、引張り弾性率が3920N/mm2 以上で、かつ、引き裂き強度が2.94N/mm2 以上であることが好ましく、引張り弾性率が4900N/mm2 以上で、かつ、引き裂き強度が3.43N/mm2 以上であることがより好ましい。
【0029】
本発明の半導電性ベルトの厚さは、その使用目的などに応じて適宜決定しうるが、一般には強度や柔軟性等の機械特性などの点により、厚さ5〜500μmが好ましく、厚さ20〜200μmがより好ましい。
【0030】
本発明の半導電性ベルトは、前記のような電気特性および機械特性により、電子写真記録装置の中間転写ベルトや転写搬送べルト等として有用である。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0032】
実施例1−1
1847gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に乾燥したカーボンブラック(三菱化学社製,MA−100,平均一次粒子径22nm)77.0g(ポリイミド固型分100重量部に対し20重量部)をボールミルで6時間(室温)混合した。このNMPに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)294.2gとp−フェニレンジアミン(PDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)をモル比PDA/DDE=8/2でそれぞれ86.56g、40gを溶解し、窒素雰囲気中において、室温で4時間撹拌しながら反応させて、ポリアミド酸溶液を得た。
【0033】
内径300mm、長さ500mm、の内面に上記ポリアミド酸溶液をディスペンサーで厚さ400μmに塗布後、1500rpmで10分間回転させ均一な塗布面を得た。次に、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱、その後300℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に300℃で30分間加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目的とする中間転写ベルトを得た。この物の厚さは75μmであった。
【0034】
実施例1−2
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=5/5(それぞれ54.1g/100gであり、カーボンブラックの添加量はポリイミド固型分100重量部に対し20重量部)とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0035】
比較例1−1
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=4/6(それぞれ43.28g/120gであり、カーボンブラックの添加量はポリイミド固型分100重量部に対し20重量部)とする以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0036】
比較例1−2
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=10/0(それぞれ108.2g/0gであり、カーボンブラックの添加量はポリイミド固型分100重量部に対し20重量部)とする以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0037】
実施例2−1
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=9/1(それぞれ97.38g/20g)とし、かつカーボンブラックの添加量を38.5g(ポリイミド固型分100重量部に対し10重量部)とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0038】
実施例2−2
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=6/4(それぞれ64.97g/80g)とし、かつカーボンブラックの添加量をポリイミド固型分100重量部に対し10重量部とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0039】
比較例2−1
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=5/5(それぞれ54.1g/100g)とし、かつカーボンブラックの添加量をポリイミド固型分100重量部に対し10重量部とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0040】
比較例2−2
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=4/6(それぞれ43.28g/120g)とし、かつカーボンブラックの添加量をポリイミド固型分100重量部に対し10重量部とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0041】
実施例3−1
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=7/3(それぞれ75.74g/60g)とし、かつカーボンブラックの添加量を115.4g(ポリイミド固型分100重量部に対し30重量部)とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0042】
実施例3−2
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=4/6(それぞれ43.28g/120g)とし、かつカーボンブラックの添加量をポリイミド固型分100重量部に対し30重量部とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0043】
比較例3−1
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=3/7(それぞれ32.46g/140g)とし、かつカーボンブラックの添加量をポリイミド固型分100重量部に対し30重量部とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0044】
比較例3−2
実施例1−1において、PDAとDDEのモル比をPDA/DDE=10/0(それぞれ108.2g/0g)とし、かつカーボンブラックの添加量をポリイミド固型分100重量部に対し30重量部とする以外は、実施例1−1と同様にして、ポリアミド酸溶液を得た。その後、実施例1−1と同じ方法で製膜し、厚さ75μmの中間転写ベルトを得た。
【0045】
実施例4
1480.5gのNMP中に乾燥したカーボンブラック(三菱化学社製,MA−100,平均一次粒子径22nm)77.0g(ポリイミド固型分100重量部に対し20重量部)をボールミルで6時間(室温)混合した。このNMPにBPDA235.36gとPDA86.56gを溶解し、窒素雰囲気中において、室温で4時間撹拌しながら反応させて、ポリアミド酸溶液を得た。また、カーボンブラックを含まないNMP366.6gにBPDA58.84gとDDE40gを溶解し、窒素雰囲気中において、室温で4時間撹拌しながら反応させて、ポリアミド酸溶液を得た。両者のポリアミド酸溶液を30分間攪拌・混合してポリアミド酸混合溶液を得た。
【0046】
内径300mm、長さ500mm、の内面に上記ポリアミド酸混合溶液をディスペンサーで厚さ400μmに塗布後、1500rpmで10分間回転させ均一な塗布面を得た。次に、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱、その後300℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に300℃で30分間加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目的とする中間転写ベルトを得た。この物の厚さは75μmであった。
【0047】
評価試験
以上の実施例、比較例で得た半導電性ベルトについて下記の特性を調べた。
【0048】
(1)表面抵抗率とそのバラツキ
ハイレスタIP MCP−HT260(三菱油化製、プローブHR−100)にて印加電圧100V、10秒値の測定条件による25℃、60%RHでの表面抵抗率を調べた。また、1本のベルトの10箇所を測定して、その変動幅により表面抵抗率のバラツキを評価した。○は表面抵抗率のバラツキが1桁以内におさまるものを、×は表面抵抗率のバラツキが1桁以内におさまらないものを表す。
【0049】
(2)体積抵抗率とそのバラツキ
ハイレスタIP MCP−HT260(三菱油化製、プローブHR−100)にて印加電圧100V、30秒値の測定条件による25℃、60%RHでの体積抵抗率を調べた。また、1本のベルトの10箇所を測定して、その変動幅により体積抵抗率のバラツキを評価した。○は体積抵抗率のバラツキが1桁以内におさまるものを、×は体積抵抗率のバラツキが1桁以内におさまらないものを表す。
【0050】
(3)引張り強度、伸び、弾性率
ダンベル3号の打ち抜き試験片(幅5mm)について、引張り強度(速度100mm/分)、弾性率および破断時の伸びを調べた。
【0051】
(4)引き裂き強度
トラウザー引き裂き法にて試験速度10mm/分で引き裂き強度を測定し、厚さで換算した。
【0052】
(5)画像転写性
実施例、比較例で得た半導電性ベルトを市販の複写機に、中間転写兼用の記録シート搬送ベルトとして組み込み、画像転写性のテストを行った。
【0053】
以上の評価結果を表1〜表4に示す。
【0054】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
以上の結果、A成分のモル%(R)が小さすぎる比較例では、引張り弾性率が小さく、画像転写性が悪くなり、A成分のモル%(R)が大きすぎる比較例では、引き裂き強度が小さいなどの理由から、ベルトの耐久性が劣っていた。
Claims (6)
- ポリイミド樹脂に導電性フィラーを含有してなり、表面抵抗率が108〜1016Ω/□、体積抵抗率が108〜1016Ω・cmである中間転写用の半導電性ベルトにおいて、
前記ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸残基である全芳香族骨格とジアミン残基であるp−フェニレン骨格とがイミド結合してなるA成分と、テトラカルボン酸残基である全芳香族骨格とジアミン残基であるジフェニルエーテル骨格とがイミド結合してなるB成分とを繰返してなる共重合体、及び/又は前記A成分を繰返し単位とする重合体と前記B成分を繰返し単位とする重合体とを混合してなるブレンド体であると共に、
前記ポリイミド樹脂の全繰返し単位中の前記A成分のモル%をR、前記導電性フィラーのポリイミド樹脂100重量部に対する重量部数をWとするとき、65−W≦Rを満たすことを特徴とする中間転写用の半導電性ベルト。 - 前記ポリイミド樹脂は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの共重合体である請求項1記載の中間転写用の半導電性ベルト。
- 前記導電性フィラーの配合量が、前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、1〜50重量部である請求項1又は2記載の中間転写用の半導電性ベルト。
- 前記導電性フィラーがカーボンブラックである請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写用の半導電性ベルト。
- 中間転写兼用の記録シート搬送ベルトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写用の半導電性ベルト。
- ポリイミド樹脂に導電性フィラーを含有してなり、表面抵抗率が、10 8 〜10 16 Ω/□、体積抵抗率が10 8 〜10 16 Ω・cmである中間転写用の半導電性ベルトの製造方法であって、
導電性フィラーを溶媒に分散させた分散液を調製する工程と、
前記分散液に、全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物成分、p−フェニレン骨格を有するジアミン成分、及び、ジフェニルエーテル骨格を有するジアミン成分を添加・重合してポリアミド酸溶液を調製する工程と、
前記ポリアミド酸溶液をイミド転化して前記ポリイミド樹脂を調製する工程と、を含み、
前記ポリイミド樹脂は、全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物成分と、p−フェニレン骨格を有するジアミン成分とがイミド結合を形成してなるA成分と、全芳香族骨格を有するテトラカルボン酸二無水物成分と、ジフェニルエーテル骨格を有するジアミン成分とがイミド結合を形成してなるB成分とを繰返してなる共重合体、及び/又は、前記A成分を繰返し単位とする重合体と、前記B成分を繰返し単位とする重合体とを混合してなるブレンド体から調製されるものであり、
前記ポリイミド樹脂の全繰返し単位中の前記A成分のモル%をR、前記導電性フィラーのポリイミド樹脂100重量部に対する重量部数をWとするとき、65−W≦Rを満たすように調製することを特徴とする中間転写用の半導電性ベルトの製造方法。
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