JP4263809B2 - 洗濯用ネット及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機で洗濯をする際、洗濯物を保護することを主な目的とする洗濯用ネットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、下着、ベビー用衣類、或いは靴下等の繊細で傷みやすい洗濯物を洗濯する場合、洗濯用ネットが使用されている。
この洗濯用ネットを使用する目的は、洗濯物が、洗濯機の撹拌翼で擦られたり、洗濯槽内面と接触したりして傷付くことを防止するためや、他の洗濯物と絡んで傷むことを防止すること等が挙げられる。
【0003】
例えば、1〜2足のストッキングを洗濯する場合は扁平形状の洗濯用ネットを使用し、ブラジャー等の立体形状の洗濯物の場合は、それらの形状に見合った立体形状の洗濯用ネット(実公2565868号)を使用する。
また、毛布のような大物を洗濯する場合等も立体形状の大型の洗濯用ネットを使用する。
【0004】
このように、洗濯物を保護するのに種々の洗濯用ネットが用いられているが、その機能として最も重要なことは、十分な洗濯効果が得られることである。
つまり洗濯物を保護する効果に加え、十分な洗濯効果が満たされなければならない。
そのため、従来の洗濯用ネットは、全面に穴目を有する経編ネットを用い、洗濯用ネット内に洗濯液が通過し易い形態にして、洗濯効果および保護効果を得ていた。
【0005】
更に、より機能を追求するものとして、洗濯用ネットの形態保持性を高めることが行われている。
すなわち、洗濯用ネットが液流により潰れたり、捻れたりして洗濯効果や保護効果が薄れることへの対策として、経編ネットに樹脂加工を施して剛性を上げ、これを扁平形状、或いは立体形状に縫製するとような対策が施されている。
また、他の形態保持性を高める方法として、立体経編ネットを用いる(特公平6ー75633)ことも行われている。
一方、保護効果を高めるために、ネット内面に起毛、植毛を施す(昭62−186896、昭63−200797))等の対策も講じられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような従来の洗濯用ネットにあっては、例えば、剛性を上げるために経編ネットに樹脂加工を施した場合、樹脂が表裏全面に渡って浸透し硬化する。
この硬化部分が洗濯用ネット内の洗濯物に擦れて傷付ける欠点につながるのである。
このことを回避するために、洗濯用ネット内面に起毛や植毛を施す方法があるが、樹脂加工を施した後、表面起毛を行うことは実質的に不可能であるし、また、起毛した別体の布帛等を縫い付けたり、植毛することは加工工程が多くなり、コスト的にも問題があった。
【0007】
これに対して起毛や植毛を先工程で行った後、片面樹脂加工を施す手段も考えられるが、表面のみの簡単な片面樹脂加工では満足に形態保持性が得られない。また、樹脂が多すぎると起毛部や植毛部の領域にまで樹脂が達してしまうため、本来の起毛部や植毛部が持つ保護効果を得られないことにもなる。
【0008】
また、立体経編ネットを用いて樹脂加工を回避した場合においては、立体経編ネットが表裏2枚の編地を接結糸で接結した構造となっているので、洗濯液中のゴミ等がその表裏2枚の編地間に絡まり易い。
そして一旦絡まると、除去することがまず不可能で洗濯液自体の通過性も悪くなる上、不衛生となる。
また表裏2枚の編地を接結糸で接結した構造のものは厚みがあり、縫製するのに苦労する等の製造上の問題があった。
【0009】
以上、述べたように、従来の洗濯用ネットは、形態保持性を向上させて洗濯効果を上げるための樹脂加工が、かえって保護性を低下させてしまう、或いはこれらの矛盾を回避するための手段がコスト高を生む、更にはこれらの施工が技術的に困難であるなどの多くの問題点があった。
本発明は、このような技術的問題点を解決するためになされたものである。
すなわち本発明は、形態保持性、保護性および洗濯効果の機能を向上させた洗濯用ネットおよび、その効率的な製造法を提供するものである。
【0010】
【問題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために、鋭意研究した結果、後加工によって形態保持性を発現する形態保持組織部3と、表面にパイル部Pや、後加工で、立毛部R、或いは起毛部Kを形成可能な保護性を有する保護組織部4とを同時一体編成して、その後、熱処理を施すことにより、良好な形態保持性、保護性および洗濯効果の機能を併せ持つことができることを見出し、この知見により本発明を完成させたものである。
【0011】
即ち本発明は、(1)、形態保持性を付与するための形態保持組織部と、保護性を付与するための保護組織部の2組織が同時一体編成されている構成基布で形成されている洗濯用ネットであって、前記形態保持組織部が、融点の異なる、低融点合成樹脂と高融点合成樹脂を、芯鞘構造に紡糸してなる芯鞘構造糸で編成され、これを熱処理して剛性を上げ、形態保持性を得ている洗濯用ネットに存する。
【0013】
そしてまた、(2)、保護組織部がパイル部を有するパイル組織で編成されている上記(1)記載の洗濯用ネットに。
【0014】
そしてまた、(3)、保護組織部が起毛処理を施されている上記(1)記載の洗濯用ネットに存する。
【0015】
そしてまた、(4)、保護組織部がパイル組織で編成され、そのパイル部の上端がカットされた立毛部を有する上記(1)記載の洗濯用ネット。
【0016】
そしてまた、(5)、構成基布が経編地である上記(1)記載の洗濯用ネットに存する。
【0017】
そしてまた、(6)、保護組織部がウーリー加工糸で形成されている上記(2)〜(5)のいずれか1項記載の洗濯用ネットに存する。
【0018】
そしてまた、(7)、低融点合成樹脂と高融点合成樹脂を芯鞘構造に紡糸した芯鞘構造糸5で形成した形態保持組織部と、保護性付与のための保護組織部との2組織でなる構成基布で形成されている洗濯用ネットであって、形態保持組織部が穴目を有する経編ネット組織であり、保護組織部がパイル部を有する経編パイル組織であり、経編ネット組織と経編パイル組織が前記穴目を阻害しないように同時一体編成されており、これを熱処理して形態保持性を得ている洗濯用ネットに存する。
【0019】
そしてまた、(8)、 編成された構成基布により洗濯用ネットを製造する方法において、加熱処理により軟化、もしくは溶解した際に硬化する特徴を有する低融点合成樹脂素材と、該低融点合成樹脂素材に比して相対的な高融点の高融点合成樹脂素材とで形成される異融点糸で構成基布2を編成し、該構成基布2を加熱処理して前記低融点合成樹脂素材のみを軟化、もしくは溶融して硬化せしめ、構成基布2に形態保持性を付与し、その後、縫製して所定の形状の洗濯用ネットに形成する洗濯用ネットの製造方法に存する。
【0020】
そしてまた、(9)、編成された構成基布により洗濯用ネットを製造する方法において、加熱処理により軟化、もしくは溶解した際に硬化する特徴を有する低融点合成樹脂素材と、該低融点合成樹脂素材に比して相対的な高融点の高融点合成樹脂素材とで形成される異融点糸で構成基布2を編成し、その後、縫製して所定の形状の洗濯用ネットに形成し、その後、該洗濯用ネットを加熱処理して前記低融点合成樹脂素材のみを軟化、もしくは溶融して硬化せしめ、洗濯用ネットに形態保持性を付与する洗濯用ネットの製造方法に存する。
本発明は、その目的に沿ったものであれば、上記1〜7から選ばれた2つ以上を組み合わせた構成も採用可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづき詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1Aに示すように、第1の実施の形態において、立体方形構造に縫製された洗濯用ネット1を示す。
なお、図1Aにおいてパイル部Pを示すために一部を切り欠き状態で示している。
外面は、全面に穴目32を有する経編ネット組織31を採用して洗濯液の流出入(通過)を容易にし極力洗濯効果の機能を上げている。
内面は全面にパイル部Pを有し、洗濯物が洗濯用ネット内面と接触しても傷付かないよう保護している。
【0022】
洗濯用ネット1は具体的に構成基布2で形成され、該構成基布2は、その断面図を図1Bに模式的に示すように、形態保持組織部3と保護組織部4とからなる2層構造となっている。
この時、形態保持組織部3と保護組織部4との位置関係は、経編編成の原理上、外面に保護組織部4が位置し、次に形態保持組織部3が位置し、最内面に保護組織部4の一部であるパイル部Pが位置する構成となる。
【0023】
本実施例においては、形態保持組織部3は、図2Aに示すように穴目32を有する経編ネット組織31を採用している。
保護組織部4は、パイル組織として図2Bに示す鎖編パイル組織41を採用し、鎖編のシンカーループSがニードルループL上にパイル形状に表出して、パイル部Pを形成している。
ここで、その断面図を図2Cに示し(シンカーループSとパイル部Pは同部材)、参考までに図2Dに鎖編パイル組織41の立体構造を示す。
【0024】
そしてこの鎖編パイル組織41は、図3Aに示すように、形態保持組織部3である経編ネット組織31に同時編み込みされる。
これらの位置関係は、上記したように経編編成の原理上、その断面を図3Bに示すように、形態保持組織部3である経編ネット組織31が、鎖編みパイル組織41のニードルループLとパイル部Pの中間に位置する。
このことは、加熱処理により融着硬化する形態保持組織部3を柔軟な保護組織部4がサンドイッチ状に挟み込む構造となり、内には内包する洗濯物を保護し、外には洗濯機槽内の他の洗濯物を傷つけない効果が得られる。
経編パイル組織としては多くの種類が使用可能で、前記鎖編パイルのみに限定するものでは当然ないが、形態保持組織部3の穴目32に掛け渡るような組織は、その穴目32を塞ぐこととなるので留意を要する。
【0025】
そして、形態保持組織部3の経編ネット組織31は、図4に示す、融点の異なる低融点合成樹脂と高融点合成樹脂を芯鞘構造に紡糸した芯鞘構造糸300で編成されている。
本実施例の芯鞘構造糸300は、例えば鞘部301に低融点ポリエステルを、芯部に302に通常ポリエステルを使用したものである。
なお、このような芯と鞘部との融点の差を利用した糸は、一般的にいう一種の熱融着糸であり、例えば、カネボウ社のベルカップル(商標)等がある。
本実施例における鞘部301の低融点ポリエステルは150℃近傍で軟化し、155℃近傍で溶融する。
また、芯部302の通常ポリエステルは210℃近傍で軟化し、250℃近傍で溶融する。
【0026】
この芯鞘構造糸300は、加熱処理により軟化もしくは溶融した後、硬化する特徴を有する低融点合成樹脂素材と、該低融点合成樹脂素材に比して相対的な高融点の高融点合成樹脂素材とが合体された異融点糸としての機能を有していれば良く、必ずしも芯鞘構造である必要はない。
【0027】
また、保護組織部4の素材としては、例えば、ファイン・デニールのナイロン・マルチフィラメント糸(1本の構成フィラメントは極めて細い)を使用し、柔軟性を高めている。
【0028】
構成基布2は、芯鞘構造糸300の低融点ポリエステルが溶融する155℃近傍で所要形状に加熱処理される。
溶融した低融点ポリエステルは、形態保持組織部3の経編ネット組織31の領域に浸透固化し硬度を高めて本洗濯用ネット1自体の剛性に寄与し、その結果、形態保持性が付与される。
この時、形態保持組織部3のニードルループL同士が接着されることから、ニードルループ間の滑り自由度が奪われ、更に形態保持性が増加する。
また、鎖編パイル組織41のニードルループLを形態保持組織部3に固定する接着効果も得られる。
【0029】
以上の処理により、パイル部P以外は樹脂加工を施したと同様の効果が得られ、パイル部Pは柔軟な状態に保たれる。
このように加熱処理加工された構成基布2を立体方形構造の洗濯用ネット1に縫製する。
ここで、分割された構成基布2を幾枚かを一体に縫合して洗濯用ネット1の形に形成することになる。
【0030】
ところで、形態保持性を確保するための加熱処理加工については、洗濯用ネット1の形に縫製する前の段階で行うことでもよい。
この場合、加熱処理前の柔軟な状態で縫製でき、洗濯用ネット1の形に縫製した後、加熱処理して形態保持性を付与し付型することになる。
また、上記構成基布2はトリコット機、ラッシェル機、或いはダブル・ラッシェル機により常法により編成することができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、第1の実施の形態と全く同様の構成基布2において、加熱処理前に、パイル部Pの上端をカットし、図5に模式的に示すような立毛状態の立毛部Rを形成する。
立毛部Rは、これを起毛しても良いし、その後、更にシャーリング(立毛部の長さを一定に揃毛すること)することも可能である。
【0032】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、形態保持組織部を、第1の実施の形態と同様の経編ネット組織31(図2A)とし、保護組織部4も前記経編ネット組織31と全く同様の組織(図2A)とする。
そして、これら両同一組織を同時編み込みし、一体の構成基布2を得る。
素材的にも形態保持組織部3には、第1の実施の形態に示したと同様の芯鞘構造糸を使用し、保護組織部4には、これも第1の実施の形態と同様のファイン・デニールのナイロン・マルチフィラメント糸を使用する。
【0033】
編成に当たっては、図6に模式的に示すように保護組織部4のシンカーループSを形態保持組織部3表面より浮き上がった状態に編み込む。
この状態の構成基布2に起毛処理を施して起毛部を形成することにより、表面を柔軟にして保護性を得る。
起毛処理の後、シャーリングを行うことも可能である。
このようにして得られた構成基布2を加熱処理し形態保持性を得た後、縫製し、洗濯用ネット1を形成することや、または縫製後に加熱処理して形態保持性を得て洗濯用ネット1を形成することについては、上記第1の実施の形態と同様である。
【0034】
(第4の実施の形態)
本実施の形態においては、形態保持組織部3に、図7Aに示すように、2系列の編成組織C1、C2で構成される経編ネット組織31を使用する。編成組織C1、C2はそれぞれ3本の編成糸H1、H2で形成される。そして編成組織C1にはナイロン糸を使用し、編成組織C2には芯鞘構造糸(熱融着糸)を用いる。ナイロン糸と芯鞘構造糸を交編して経編ネット組織31を形成することにより、洗濯用ネットの過度な硬化を防止できる他、生産コストを下げることができる。
【0035】
そして、上記の形態保持組織部3に、保護組織部4として、編成組織C2と全く同様の組織で、ナイロン・ウーリー加工糸を編み込む(図7Bの太線部)。
編成に当たっては、上記第3の実施の形態と同様に、保護組織部4のシンカーループSを形態保持組織部3表面より少々浮き上がった状態に編み込む。この状態の構成基布2に起毛処理を施し、起毛部Kを形成する。また、この起毛部Kをシャーリングして毛足をそろえることが可能である。加熱処理や縫製に関しては前述の実施の形態と同様である。
【0036】
このようにして形成された構成基布2は、編成原理上、その表側は、ナイロン糸とナイロン・ウーリー加工糸で形成されるニードルループが表出し、その内側はナイロン・ウーリー加工糸で形成されたシンカーループSで覆われ、表裏とも柔軟で洗濯物に損傷を与えることがない。
【0037】
以上、本発明についてその詳細を説明したが、本洗濯用ネット、並びにその製造法に関しては、これらの実施の形態に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で他の変形、組み合わせが可能であることは言うまでもない。
例えば、洗濯用ネットの構造として、本実施例では変形球形構造の洗濯用ネット1を示したが、その他、球型ネット(実公昭50−11300)、ドーム型ネット(上記、実公第2565868号)、扁平形状ネット等各種各様の形状が可能であることは言うまでもない。
【0038】
また、保護組織部4の素材に関しても柔軟で保護効果があり、形態保持組織部3に使用される低融点合成樹脂素材よりも相対的に高融点のものであれば如何なるものでも良い。
【0039】
更に、形態保持組織部3の経編ネット組織は、本実施例の組織に限定されることはなく他の組織を2重、3重に重ねて同時編成することが可能であるし、穴目を4角形状(例えばマーキゼット組織)にすること等も当然可能である。
【0040】
そして、素材的にも形態保持のための芯鞘構造糸(熱融着糸)だけでなく他の素材を交編することが可能である。
例えば、芯鞘構造糸とナイロン・フィラメント糸を引きそろえて編成することは極めて容易であり、強度、目付(単位面積あたりの重量)を増やすことができる。
【0041】
また、パイル部Pに起毛処理を施すことなど目的に応じた加工が可能であることもいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、低融点合成樹脂と高融点合成樹脂との二種類の融点を利用して加熱処理により形態保持性を付与せしめるものであり、保護性組織部と形態保持性との機能を区分して現出することが可能である。
本発明において、形態保持組織部3と保護組織部4とを同時一体編成し、形態保持組織部3に低融点合成樹脂素材と高融点合成樹脂素材からなる芯鞘構造糸5を用いている場合は、樹脂加工を施すことなく、加熱処理により容易に形態保持性を付与できるので、保護組織部4にまで樹脂が浸透せず保護性が保たれ、しかも無駄な加工工程を省略でき生産コストがかからない経済的効果も得られる。
【0043】
本発明において、形態保持組織部3と保護組織部4が別組織となっている場合は、形態保持組織部3に影響されることなく、保護組織部4に経編パイル組織や起毛用組織のような多様な保護用組織が採用でき、目的に応じた洗濯用ネットを容易に得ることができる。
【0044】
本発明において、形態保持組織部3に、低融点合成樹脂素材と高融点合成樹脂素材からなる芯鞘構造糸5を用いた場合は、構成基布を縫製前、または縫製後に関わらず、加熱処理によって容易に形態付型が可能となり、目的に応じた製品展開が可能となる。
【0045】
本発明において、保護組織部4に経編パイル組織を用いている場合は、パイル部Pをそのまま使用する、或いはパイル部Pをカットして立毛部Rを形成する、或いはこれらを起毛する、更には起毛したものをシャーリングするなど多種多様な選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、本洗濯用ネットの外観図である。
図1Bは、構成基布の断面説明図である。
【図2】図2Aは、形態保持組織部としての経編ネット組織である。
図2Bは、鎖編パイル組織である。
図2Cは、鎖編パイル組織の断面図である。
図2Dは、鎖編パイル組織の立体構造である。
【図3】図3Aは、経編ネット組織に鎖編パイル組織を同時編み込みした構成基布である。
図3Bは、経編ネット組織に鎖編パイル組織を同時編み込みした構成基布の断面図である。
【図4】図4は、芯鞘構造糸の外観図である。
【図5】図5は、パイル部をカットした立毛部を有する構成基布の外観模式図である。
【図6】図6は、起毛部を形成するための構成基布の断面説明図である。
【図7】図7Aは、形態保持組織部としての経編ネット組織である。
図7Bは、形態保持組織部に保護組織部を編み込んだ組織図である。
【符号の説明】
1…洗濯用ネット
2…構成基布
3…形態保持組織部
31…経編ネット組織
32…穴目
4…保護組織部
41…鎖編パイル組織
300…芯鞘構造糸
301…鞘部
302…芯部
C1,C2…2系列の編成組織
H1,H2…編成糸
L…ニードルループ
P…パイル部
R…立毛部
S…シンカーループ
Claims (9)
- 形態保持性を付与するための形態保持組織部と、保護性を付与するための保護組織部の2組織が同時一体編成されている構成基布で形成されている洗濯用ネットであって、前記形態保持組織部が、融点の異なる、低融点合成樹脂と高融点合成樹脂を、芯鞘構造に紡糸してなる芯鞘構造糸で編成され、これを熱処理して剛性を上げ、形態保持性を得ていることを特徴とする洗濯用ネット。
- 保護組織部がパイル部を有するパイル組織で編成されていることを特徴とする、請求項1記載の洗濯用ネット。
- 保護組織部が起毛処理を施されていることを特徴とする、請求項1記載の洗濯用ネット。
- 保護組織部がパイル組織で編成され、そのパイル部の上端がカットされた立毛部を有することを特徴とする、請求項1記載の洗濯用ネット。
- 構成基布が経編地であることを特徴とする、請求項1記載の洗濯用ネット。
- 保護組織部がウーリー加工糸で形成されていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項記載の洗濯用ネット。
- 低融点合成樹脂と高融点合成樹脂を芯鞘構造に紡糸した芯鞘構造糸5で形成した形態保持組織部と、保護性付与のための保護組織部との2組織でなる構成基布で形成されている洗濯用ネットであって、形態保持組織部が穴目を有する経編ネット組織であり、保護組織部がパイル部を有する経編パイル組織であり、経編ネット組織と経編パイル組織が前記穴目を阻害しないように同時一体編成されており、これを熱処理して形態保持性を得ていることを特徴とする洗濯用ネット。
- 編成された構成基布により洗濯用ネットを製造する方法において、加熱処理により軟化、もしくは溶解した際に硬化する特徴を有する低融点合成樹脂素材と、該低融点合成樹脂素材に比して相対的な高融点の高融点合成樹脂素材とで形成される異融点糸で構成基布2を編成し、該構成基布2を加熱処理して前記低融点合成樹脂素材のみを軟化、もしくは溶融して硬化せしめ、構成基布2に形態保持性を付与し、その後、縫製して所定の形状の洗濯用ネットに形成することを特徴とする洗濯用ネットの製造方法。
- 編成された構成基布により洗濯用ネットを製造する方法において、加熱処理により軟化、もしくは溶解した際に硬化する特徴を有する低融点合成樹脂素材と、該低融点合成樹脂素材に比して相対的な高融点の高融点合成樹脂素材とで形成される異融点糸で構成基布2を編成し、その後、縫製して所定の形状の洗濯用ネットに形成し、その後、該洗濯用ネットを加熱処理して前記低融点合成樹脂素材のみを軟化、もしくは溶融して硬化せしめ、洗濯用ネットに形態保持性を付与することを特徴とする洗濯用ネットの製造方法。
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