JP6578314B2 - レース編地 - Google Patents

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本発明は、裁断後の縫製または熱圧着するための厚手部を有するレース編地に関する。
従来技術のレース編地は、たとえば、特許文献1に記載されている。この従来技術のレース編地は、鎖編糸よりも低い溶融温度を有する挿入糸が編込まれる部分を有し、鎖編組織は、第1ループ状部分と第2ループ状部分とが交互に連なってウエールが延びるウエール方向に複数段並び、注目する第2ループ状部分が、その第2ループ状部分のウエール方向前段の第1ループ状部分を挿通して、ウエール方向後段に向かって延び、かつ第2ループ状部分のウエール方向同段の第1ループ状部分を挿通して、ウエール方向後段の第1ループ状部分に連なることによって連鎖状に形成されてウエール方向に延びる。
挿入糸は、伸縮性を有し、挿入糸は、伸縮性および熱溶融性を有する芯糸に、被覆糸をらせん状に巻付けたカバーリング糸から成る。カバーリング糸は、それぞれ複数のループ状部分が連なって形成され、ウエール方向に垂直なコース方向に隣接するウエール間にわたって伸張させた状態で編込まれ、被覆糸間にらせん状の隙間が形成され、この隙間から芯糸が露出する状態となる。
このようなレース編地を、鎖編糸の溶融温度未満でかつ挿入糸の溶融温度以上の温度に加熱することで、挿入糸の一部が部分的に溶解する。溶解部分の一部は、鎖編糸に付着する。この状態で固化することで、挿入糸に接する鎖編糸が、挿入糸から遊離することを防ぎ、鎖編糸を挿入糸によって互いに接着させ、これによって鎖編糸の連結状態が維持され、糸のほつれを防止している。
特開2011−219876号公報
上記特許文献1に記載される従来技術では、レース編地を生地として用いた場合、裁断された複数のパーツを縫製または接着樹脂による熱圧着またはその他の方法によって接合し、女性用下着などの衣料を作製すると、各パーツの縫製される部分は、ミシンの針糸が挿通して鎖編組織に縫目が形成されるが、レースの穴目などの影響によって縫目に目飛びが発生し易く、目飛びによる製品不良や縫目の強度低下を防ぐために、縫目の終端は完止めなどのほつれ防止の処理が必要であり、手間を要するという問題がある。
また、接着樹脂による熱圧着の場合、加熱によって軟化した接着剤が生地から染み出した状態で硬化し、硬化した接着剤が着用者の肌に接触して皮膚障害を起こす可能性があり、着用感が悪いという問題がある。
本発明の目的は、縫製時の縫目の強度低下および熱圧着時の接着剤の染み出しを防止することができるレース編地を提供することである。
本発明は、ニードルループとシンカーループとが交互に連なるウエールを形成した鎖編糸を有し、前記ウエールが複数列を成す鎖編組織を有するレース編地であって、
隣接する2つのウエールのいずれか一方のウエールのシンカーループと、前記2つのウエールのいずれか他方のウエールのシンカーループとを、交互に挿通して前記鎖編組織に編込まれた第1挿入糸を有する厚手部と、
前記厚手部に連なる薄手部であって、互いに隣接する3つのウエールのうちの中央のウエールのシンカーループと、前記中央のウエールの一方側に隣接するウエールのシンカーループとを、予め定める第1のコースで交互に挿通し、かつ前記中央のウエールのシンカーループと、前記中央のウエールの他方側に隣接するウエールのシンカーループとを、前記予め定める第1のコース以外の予め定める第2のコースで交互に挿通して、前記鎖編組織に編込まれた第2挿入糸を有する薄手部と、を含むことを特徴とするレース編地である。
また本発明は、前記第1のコースと前記第2のコースとの間には、前記第2挿入糸が横渡りしない穴目が形成されていることを特徴とする。
また本発明は、前記第1挿入糸は、伸縮糸から成ることを特徴とする。
また本発明は、前記第2挿入糸は、伸縮糸から成ることを特徴とする。
また本発明によれば、鎖編組織に第1挿入糸が編込まれて厚手部が構成され、鎖編組織の一方側のウエールのシンカーループと中央のウエールのシンカーループとに予め定める第1のコースで交互に挿通され、かつ他方側のウエールのループと、中央のウエールのシンカーループとに、第1のコース以外の第2のコースで交互に第2挿入糸が挿通されて薄手部が構成されるので、裁断後の生地を厚手部を用いて縫製または熱圧着することができ、縫製時の縫目の強度低下および熱圧着時の接着剤の染み出しを防止することができる。
また本発明によれば、予め定める第1のコースと予め定める第2のコースとの間に穴目が設けられるので、高い通気性および図柄などのデザイン上の自由度を得ることができる。
また本発明によれば、第1挿入糸が伸縮糸から成るので、伸縮性を有する厚手部を容易に実現することができる。
また本発明によれば、第2挿入糸が伸縮糸から成るので、伸縮性を有する厚手部を容易に実現することができる。
本発明の一実施形態のレース編地1の編成組織図である。 レース編地1の厚手部2を拡大した編成組織図である。 レース編地1の薄手部3を拡大した編成組織図である。 レース編地1を編成するためのバックジャカードラッシェル編機60の編成部を示す側方から見た断面図である。 鎖編み部の編み針72と地筬65との動作を説明するための模式的な断面図である。 ジャカードバー62および挿入糸用筬61の動作を説明するための模式的な断面図である。 本発明の他の実施形態のレース編地の厚手部2Aの一部を拡大した編成組織図である。 本発明の他の実施形態のレース編地の厚手部2Bの一部を拡大した編成組織図である。 本発明の他の実施形態のレース編地の厚手部2Cの一部を拡大した編成組織図である。 本発明の他の実施形態のレース編地の厚手部2Dの一部を拡大した編成組織図である。
図1は本発明の一実施形態のレース編地1の編成組織図であり、図2はレース編地1の厚手部2を拡大した編成組織図であり、図3はレース編地1の薄手部3を拡大した編成組織図である。なお、図1〜図3は、図解を容易にするため、ニードルループ24およびシンカーループ25の曲率を大きくし、鎖編糸21、第1挿入糸22および第2挿入糸23を離間させて模式的に示されている。
本実施形態のレース編地1は、厚手部2と、厚手部2に連なる薄手部3とを、含んで構成される。厚手部2と薄手部3との間は、図示していないが、第1挿入糸22または第2挿入糸23で連結されて編まれている。レース編地1は、熱セット工程で加熱されることによって、裁断前の編レースとして製造される。図2に示すように、厚手部2は、隣接する2つのウエール26のいずれか一方のウエール26のニードルループ24と、隣接する2つのウエール26のいずれか他方のウエール26のニードルループ24とを交互に挿通して鎖編組織に編込まれた第1挿入糸22を有する。
薄手部3は、図3に示すように、互いに隣接する3つのウエール26のうちの中央のウエール26のニードルループ24と、中央のウエール26の一方側に隣接するウエール26のニードルループ24とを、予め定める第1のコースC1で交互に挿通し、かつ中央のウエール26のニードルループ24と、中央のウエール26の他方側に隣接するウエール26のニードルループ24とを、予め定める第1のコースC1以外の予め定める第2のコースC2で交互に挿通して、鎖編組織に編込まれた第2挿入糸23とを有する。
上記の鎖編組織は、ニードルループ24とシンカーループ25とが交互に連なって、チェーンステッチ組織構造のウエール26を形成する鎖編糸21を有する。鎖編糸21は、地編編成糸とも呼ばれる。ウエール26は、適宜横振りされて各ウエール26がコース方向に連結される。
レース編地1は、複数の穴目が形成され、それらの穴目の形状および配置によって、単位面積あたりに配置される糸の量が密な柄部と、単位面積あたりに配置される糸の量が疎な下地部とが形成され、これらの柄部と下地部の形状および配置によって柄模様が形成される。このような柄模様入りのレース編地1は、たとえば女性用肌着などに用いられる。
第1挿入糸22および第2挿入糸23は、伸縮性を有する芯糸に、被覆糸を巻付けた糸である。芯糸は、熱可塑性合成樹脂から成る単繊維糸(フィラメント糸)であり、たとえばポリエステル系ポリウレタンから成る。被覆糸は、合成樹脂から成る複数の長繊維によって構成される長繊維糸(フィラメントヤーン)であり、たとえばポリアミド(商標名:ナイロン)から成る。
第1挿入糸22は、編成前の状態では、芯糸が露出しないように、被覆糸によって覆われている。第1挿入糸22は、芯糸の伸縮性を利用し、伸張させた状態で編成されている。第1挿入糸22は、伸張された状態では、被覆糸間にらせん状の隙間が形成され、この隙間から芯糸が露出する状態となる。このような第1挿入糸22は、合成樹脂から成る複数の長繊維によって構成される長繊維糸(フィラメントヤーン)であり、たとえばポリアミド(商標名:ナイロン)、レーヨン、ポリエステルなどから成る。
鎖編糸21は、鎖編みされることによって、ニードルループ24とシンカーループ25とが形成される。ニードルループ24とシンカーループ25とは、交互に連なって複数段並んで形成される。ニードルループ24とシンカーループ25とが交互に連なって、ウエール26が形成される。ウエール26は、ウエール方向Wに並んで複数形成され、それらが互いに連結されることで、鎖編組織、言い換えるとチェーンステッチ組織を形成する。また鎖編糸21が適宜横振りして、ウエール方向Wに隣接するウエール26を連結することで、ほつれ防止機能を有する鎖編組織を形成する。鎖編糸21が横振りする部分をラン止め部分42と称する。
各ニードルループ24は、大略的にU字状に形成されて、予め定めるウエール方向Wおよびウエール方向Wに直交するコース方向Cに並んで配置される。また各ニードルループ24は、コース方向一方となるコース方向前段に開く。
シンカーループ25は、コース方向Cに並ぶニードルループ24を連結する。たとえば1つのシンカーループ25に注目する。注目するシンカーループ25は、その一端部が、注目するシンカーループ25と同一段のニードルループ24の端部に連なる。注目するシンカーループ25は、一端部から他端部に向かうにつれて、注目するシンカーループ25aのコース方向前段のニードルループ24を一方側から他方側に挿通してコース方向後段に延びて、注目するシンカーループ25と同一段のニードルループ24を他方側から一方側に挿通してコース方向後段に延びて、注目するシンカーループ25のコース方向後段のニードルループ24の端部に連なる。
このようにして各ループ24,25が連鎖状に連結されて、コース方向Cに延びるウエール26が形成される。第1挿入糸22および第2挿入糸23などの各挿入糸は、ニードルループ24とシンカーループ25との間に挟まれることによって、ウエール26に編込まれる。
本発明において、コース方向Cは、編地のたて方向であり、レース編み立て方向を意味する。またウエール方向Wは、編地の横方向であり、レース編立て方向に対して、交差する方向を意味する。ニードルループ24は、コース方向Cおよびウエール方向Wに複数並んで配置される。またコース方向Cおよびウエール方向Wに並ぶ複数のニードルループ24は、予め定める仮想平面に沿って配列される。この場合、第1挿入糸22および第2挿入糸23などの鎖編組織に編込まれる各編込糸は、その仮想平面に対して一方に配置される。
本発明では、前記ニードルループ24に沿って延びる仮想平面に対して各挿入糸22,23が配置される方向を表方向と称し、各挿入糸22,23に対して仮想平面が配置される方向を裏方向と称する。図1および図2では、紙面に垂直な厚み方向Zのうち紙面から手前に遠ざかる方向を表方向とし、紙面に垂直な方向のうち紙面から奥に遠ざかる方向を裏方向とする。
レース編地1の表方向の面は、第1挿入糸22および第2挿入糸23などの編成糸によって、ニードルループ24が隠れる。したがってレース編地1の表方向の面は、裏方向の面に比べて、レース編地1に形成される柄模様およびレース模様が明確となる。
たとえば注目するシンカーループ25は、そのシンカーループ25のコース方向前段のニードルループ24を表方向に挿通して、そのシンカーループ25のコース方向同段のニードルループ24を裏方向に挿通して、コース方向後段のニードルループ24に連なる。
第1挿入糸22は、鎖編組織にレース模様を形成するための糸である。第1挿入糸22は、ウエール方向Wに隣接するウエール26にそれぞれ編込まれることで、ウエール方向Wに隣接する2つのウエール26を連結する。図2に示すように、第1挿入糸22は、ウエール方向Wに隣接する一方のウエール26から他方のウエール26にわたって延びる横振り部分と、ウエール26に編込まれる挿入糸編込み部分とを有する。
コース方向Cに並ぶ2つの横振り部分と、横振り部分が連結するウエール26とによって囲まれる空間には、編地の厚み方向に挿通する穴目30が形成される。第1挿入糸22および第2挿入糸23の横振り部分が選択的に配置されることで、穴目30の形状および配置が調整される。これによってレース編地1には、穴目30の配置および形状によって表わされるレース模様を形成することができる。ここで横振り部分とウエール26とによって囲まれる穴目30は、後述する柄糸によって埋められて、柄模様を形成する場合もある。
図4は、レース編地1を編成するためのバックジャカードラッシェル編機60の編成部を示す側面図である。レース編地1は、たとえばバックジャカードラッシェル編機60によって編成することができる。バックジャカードラッシェル編機(以下、単に「編機」と称する場合がある)60は、鎖編糸21、第1挿入糸22、第2挿入糸23を編み針72近傍に設けられる編成部73に向けて導糸する導糸手段を有する。本実施形態では、第2挿入糸23を編成部73に向けて導糸する導糸手段が、第1挿入糸22を編成部73に向けて導糸する導糸手段よりも、編機後方に配置される。ここで編機後方とは、編み針72の背面からフック部へ向かう方向である。
具体的には、編機が有する導糸手段は、挿入糸用筬61、ジャカードバー62,63、複数の柄筬64、および地筬65によって実現される。鎖編糸21は地筬65に通糸され、第1挿入糸22はジャカードバー62,63に通糸され、第2挿入糸23は挿入糸用筬61に通糸される。また柄模様を形成するための糸である柄糸がウエール26に編込まれる場合には、それらの柄糸は、複数の柄筬64に通糸される。以下、第2挿入糸23および第1挿入糸22のほかに、柄糸が編込まれる場合について説明する。
このような各導糸手段は、編み針72が鎖編糸21を捕捉する編成部73に向かって、放射状に並び、編み針72が鎖編糸21を捕捉する方向となる編機後方に向かうにつれて、地筬65、複数の柄筬64、ジャカードバー62,63、挿入糸用筬61の順に配置される。したがって各糸は、鎖編糸21、複数の柄糸、第1挿入糸22および第2挿入糸23の順で、予め定める編成位置から編機後方に並ぶ。
編み針72は、編機前後方向に直交する方向に複数並んで形成され、各編み針72を保持する保持手段となるニードルバー69に固定される。ニードルバー69は、各編み針72を昇降運動する。またニードルバー69が動作して、各導糸手段に導糸される各糸が予め定める編成位置に導かれる。
それぞれの導糸手段は、対応する各糸を、編み針72の昇降運動に同期して、編み針72に対して編機後方の空間で対応する各糸を、編み針72が並ぶ方向に移動させるオーバーラップ(編目編成運動)と、編み針72に対して編機前方の空間で対応する各糸を、編み針72が並ぶ方向に移動させるアンダーラップ(挿入運動)とを行う。またこれらのラップ運動に加えて編み針72が並ぶ方向に直交する方向に移動するいわゆるスイング(揺動運動)がなされる。具体的には、2つのスイング動作がある。
第1のスイング動作であるスイングイン(バックスイング)動作では、編み針72の側方を通過して、編み針72に対して編機後方の空間から編機前方の空間に対応する各糸を移動させる。また第2スイング動作であるスイングアウト(フロントスイング)動作では、編み針72の側方を通過して、編み針72に対して編機前方の空間から編機後方の空間に対応する各糸を移動させる。各導糸手段に取付けられたガイドが動作することによって、対応する各糸が編み針72のまわりを予め定められる経路に従って通過し、対応する各糸を含む編地が形成される。
穴目30は、2列の鎖編に対し、互いを横渡りする挿入糸が無く、それぞれの鎖編に挿通するか、または2列の鎖編から他のウエール26の鎖編に挿通させるなどして、穴目30を形成したい部分の2列の鎖編間に挿入糸の渡りを無くすことによって、任意形状の穴目30を形成することができる。
また編成部73は、ステッチコームバー71、トリックプレートバー68およびトングバー70を備える。トングバー70は、先端部に各編み針72に対応した複数のトング52が形成される。編機60は、導糸手段およびニードルバー69の動作によって、上述したレース編地1を編成する。そしてステッチコームバー71の編成補助作用によって編成されたレース編地1を補助編成し、トリックプレートバー68を通過させて、編成部の近傍に設けられる巻き取り部によって、レース編地1を巻き取る。
図5は、鎖編部分の編み針72と地筬65との動きを説明するために模式的に示す断面図であり、図5(1)〜図5(5)の順に鎖編糸21の鎖編部分の編成作業が進む。編み針72は、先端部に鎖編糸21を係止するフック部50が形成され、基端部に編み針幹51が形成される。またトングバー70の先端部には、フック部50によって形成される開口を開閉するためのトング52が形成される。編み針72およびトング52は、地筬65に対して個別に昇降可能に形成される。図5を用いて、まずウエール26の編成についてのみ説明し、ウエール26に編込まれる第1挿入糸22および第2挿入糸23については後述する。
図5(1)に示すように、地筬65が編み針72の前方に配置された状態で、フック部50が、鎖編糸21によって形成される新たなニードルループ24jを引っ掛け、トング52がフック部50の開口を塞ぐ。次に図5(2)に示すように、編み針72がトング52に対して地筬65に向かって上昇する。これによってフック部50の開口が開放されて、フック部50が引っ掛けた鎖編糸21のニードルループ24jがフック部50から抜け出て、編み針幹51に移動する。
次に図5(3)に示すように、地筬65が編み針72に対してバックスイングする。次に、地筬65がオーバーラップし、さらにフロントスイングする。これによって地筬65に導糸される鎖編糸21が、編み針72を巻き込むように移動して、新しいニードルループ24kを形成する。この新しいニードルループ24kは、フック部50によって引っ掛けられる。次に図5(4)に示すように、トング52がフック部50に向かって上昇し、フック部50の開口を塞ぐ。このとき編み針72には、編み針幹51に形成される古いニードルループ24jとフック部50が係止する新しいニードルループ24kとが形成される。
次に図5(5)に示すように、編み針72とトング52とがともに降下することによって、古いニードルループ24jが編み針72を抜出て、トリックプレート53側に移動する。そして地筬65が編み針72の前方に配置された状態で、フック部50が鎖編糸21によって形成される新たなニードルループ24kを引っ掛け、図5(1)とほぼ同じ状態となる。そして図5(1)〜図5(5)を用いて示した動作サイクルを繰返すことによって、ニードルループ24が順次形成されるとともに、各ニードルループ24j,24kシンカーループ25jによって連結されたウエール26が順次形成される。本実施形態では、地筬65が適宜アンダーラップすることによって、複数のウエール26がウエール方向Wに連結される。このようなウエール26の編成作業を行いながら、第1挿入糸22および第2挿入糸23などの挿入糸をウエール26に編込むことによって、本実施の形態のレース編地1を編成することができる。
図6は、ジャカードバー62および挿入糸用筬61の動きを説明するために模式的に示す断面図であり、図6(1)〜図6(3)の順に動作が進む。図6(1)は図5(3)に、図6(2)は図5(4)に、図6(3)は図5(5)にそれぞれ対応し、それぞれジャカードバー62および挿入糸用筬61を加えて示す図である。上述したように編機60は、鎖編糸を導糸する地筬65よりも、ジャカードバー62,63のほうが編機後方に配置される。またジャカードバー62,63よりも、熱接着糸用筬となる挿入糸用筬61のほうが編機後方に配置される。
図6(1)および図6(3)に示すように、地筬65が編み針72に対して編機後方に配置される状態では、ジャカードバー62および挿入糸用筬61もまた編み針72に対して編機後方に配置される。また図6(2)に示すように、地筬65が編み針72に対して編機前方に配置される状態では、ジャカードバー62および挿入糸用筬61もまた編み針72の前方に配置される。
またジャカードバー62および挿入糸用筬61は、図6(2)に示すように、地筬65がバックスイングした状態で、アンダーラッピングすることで、導糸される第2挿入糸23および第1挿入糸22が鎖編糸21を跨ぐ。この状態で、鎖編糸21によって新たにループを形成すると、そのループに第2挿入糸23および第1挿入糸22が編込まれることになる。このように挿入糸用筬61およびジャカードバー62は、地筬65のスイング動作に同期して動作する。
ジャカードバー62が挿入糸用筬61よりも編機前方に配置される。これによって、地筬65によって形成される鎖編部分に第2挿入糸23および第1挿入糸22が編込まれる場合、編成位置に導糸される第2挿入糸23のほうが、編成位置に導糸される第1挿入糸22よりも編機後方に配置され、第1挿入糸22のほうが第2挿入糸23よりもレース編地1の表面側に位置することになる。
以上のように、鎖編組織に第1挿入糸22が編込まれて厚手部2が構成され、鎖編組織の一方側のウエール26のニードルループ24と中央のウエール26のニードルループ24とに予め定める第1のコースC1で交互に挿通され、かつ他方側のウエール26のニードルループ24と、中央のウエール26のニードルループ24とに、予め定める第1のコースC1以外の第2のコースC2で交互に第2挿入糸23が挿通されて薄手部3が構成されるので、裁断後の生地を厚手部を用いて縫製または熱圧着することができ、縫製時の縫目の強度低下および熱圧着時の接着剤の染み出しを防止することができる。
また、予め定める第1のコースC1と予め定める第2のコースC2との間に穴目30が設けられるので、高い通気性および図柄などのデザイン上の自由度を得ることができる。
また、第1挿入糸22が伸縮糸から成るので、伸縮性を有する厚手部を容易に実現することができる。
また、第2挿入糸23が伸縮糸から成るので、伸縮性を有する厚手部を容易に実現することができる。
本発明のレース編地は、下着のデリケート部分の透け防止、襟まわり、袖口、ウエスト部分、足ぐり部分の補強などを、上記の厚手部2によって実現することができる。また、厚手部2は、前述の第2挿入糸23以外の素材から成る糸、たとえばモチーフを構成する柄糸を利用して、厚手部2を形成するようにしてもよい。
前述の実施形態の厚手部は、隣り合う鎖編みに挿入糸が往復する編組織となっているが、一例であり、次の図7〜図10に示すように、薄手部を構成する編組織の組み合わせを厚手部に使用するなど、用途や目指す生地厚に応じてお互いの編組織を変更することができる。
図7は本発明の他の実施形態のレース編地の厚手部2Aの一部を拡大した編成組織図である。本発明の他の実施形態として、前述の厚手部2が、隣接する2列のウエール間に第1挿入糸22が1本だけが横渡りした薄地編による厚手部2Aによって実現されてもよい。
図8は本発明の他の実施形態のレース編地の厚手部2Bの一部を拡大した編成組織図である。本発明のさらに他の実施形態として、前述の厚手部2が、隣接する2列のウエール間に第1および第2挿入糸22,23が重なって横渡りした厚地編による厚手部2Bによって実現されてもよい。
図9は本発明の他の実施形態のレース編地の厚手部2Cの一部を拡大した編成組織図である。本発明のさらに他の実施形態として、前述の厚手部2が、隣接する2列のウエール間に第1挿入糸22が横渡りし、かつ隣接する3列のウエール間に第2挿入糸23が横渡りした重合的な厚地編による厚手部2Cによって実現されてもよい。
図10は本発明の他の実施形態のレース編地の厚手部2Dの一部を拡大した編成組織図である。本発明のさらに他の実施形態として、前述の厚手部2が、隣接する2列のウエール間および隣接する3列のウエール間のそれぞれに第1挿入糸22が横渡りし、かつ隣接する2列のウエール間および隣接する3列のウエール間のそれぞれに第2挿入糸23が横渡りした重合的な厚地編による厚手部2Dによって実現されてもよい。
以上の厚手部2A〜2Dを用いることによって、厚手部2を異なる柄で構成することができ、多彩なレース模様で、縫製時の縫目の強度低下および熱圧着時の接着剤の染み出しのない生地を実現することができる。
1 レース編地
2 厚手部
3 薄手部
22 第1挿入糸
23 第2挿入糸
24 ニードルループ
25 シンカーループ
26a,26b ウエール
30 穴目

Claims (4)

  1. ニードルループとシンカーループとが交互に連なるウエールを形成した鎖編糸を有し、前記ウエールが複数列を成す鎖編組織を有するレース編地であって、
    隣接する2つのウエールのいずれか一方のウエールのシンカーループと、前記2つのウエールのいずれか他方のウエールのシンカーループとを、交互に挿通して前記鎖編組織に編込まれた第1挿入糸を有する厚手部と、
    前記厚手部に連なる薄手部であって、互いに隣接する3つのウエールのうちの中央のウエールのシンカーループと、前記中央のウエールの一方側に隣接するウエールのシンカーループとを、予め定める第1のコースで交互に挿通し、かつ前記中央のウエールのシンカーループと、前記中央のウエールの他方側に隣接するウエールのシンカーループとを、前記予め定める第1のコース以外の予め定める第2のコースで交互に挿通して、前記鎖編組織に編込まれた第2挿入糸を有する薄手部と、を含むことを特徴とするレース編地。
  2. 前記第1のコースと前記第2のコースとの間には、前記第2挿入糸が横渡りしない穴目が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレース編地。
  3. 前記第1挿入糸は、伸縮糸から成ることを特徴とする請求項1または2に記載のレース編地。
  4. 前記第2挿入糸は、伸縮糸から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のレース編地。
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