JP4262821B2 - 撮像用ストロボ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ等の撮像装置においてシャッタースイッチの操作に応じて閃光を発生させるストロボ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルスチルカメラにおいては、ストロボ放電管としてのキセノン管、該キセノン管に供給すべき電力を蓄えるためのストロボコンデンサ、該ストロボコンデンサに対する充電を制御する制御回路等が装備されており、シャッタースイッチの操作時には、ストロボコンデンサからキセノン管へ電力が供給されて、キセノン管を瞬間的に発光させる。そして、その直後にストロボコンデンサの充電が開始され、ストロボコンデンサの充電電圧が発光前の満充電電圧に戻ったとき、その後の撮影が許容される。
【0003】
図5は、従来のストロボ発光制御の手続きを表わしており、N回目(Nは正の整数)の撮影のためにシャッターボタンが押下されたとき、先ずステップS11にて、撮影場所がストロボ発光させる必要のある明るさかどうかを判断し、ノーの場合は、ステップS16にてストロボ発光なしで第N回目の撮影を実行する。その後、ステップS17にて、第(N+1)回目の撮影を可能とする。
これに対し、ステップS11にてイエスと判断されたときは、ステップS12に移行して、ストロボ放電管を適正な発光量で発光させ、N回目の撮影を実行する。続いて、ステップS13にて、ストロボコンデンサに対する充電動作を開始する。
【0004】
ステップS14では、ストロボコンデンサの充電電圧V2を取り込み、ステップS15にて、充電電圧V2がストロボ発光前の満充電電圧V0以上であるかどうかを判断する。ここで、ノーと判断されたときは、ステップS13に戻って充電動作を続行する。
その後、ステップS15にてイエスと判断されたときは、ステップS17に移行して、第(N+1)回目の撮影を可能する。
【0005】
図6は、上記ストロボ発光制御手続きを実行した場合の充電電圧の変化を表わしている。
ストロボコンデンサの充電電圧が満充電電圧V0の状態において、任意時点Sにてシャッタースイッチが押下されると、先ず、被写体の明るさを検出するための予備発光が行なわれて、充電電圧がVpまで低下する。この予備発光によって最少の明るさで被写体を撮影し、これによって得られる仮の画像の明るさに基づいて、その後の本発光による撮影時に画像の明るさが適正なものとなる様、本発光の光量を決定する。そして、本発光の光量を決定するための処理に必要な時間T0が経過した後、該光量による本発光が行なわれて、充電電圧はVpからV1まで低下する。
【0006】
その直後、ストロボコンデンサに対する充電動作が開始され、これによって充電電圧は徐々に上昇する。その後、記録媒体に画像を記録するために必要な所定の時間T1が経過し、更に、ストロボコンデンサの充電電圧が満充電電圧V0に達した時点Qで、次の撮影を可能とするのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のストロボ発光制御においては、ストロボコンデンサに蓄えられている電力の大小に拘わらず、ストロボコンデンサが満充電電圧V0に達するまで充電を行なった後に次の撮影を可能とする手続きを採用していたので、ストロボコンデンサに予備発光及び本発光に必要な電力が残っているときにも、満充電電圧となるまで充電を行なっており、これによって、連続撮影を行なう場合の撮影間隔が長くなる問題があった。
【0008】
本発明の目的は、連続撮影を行なう場合の撮影間隔を従来よりも短縮することが出来る撮像用ストロボ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る撮像用ストロボ装置は、撮像指令に応じ、充電素子に充電した電力をストロボ放電管へ供給して閃光を発生させるものであって、第N回目(Nは正の整数)の撮像時に消費した電力の大きさを実測して、該実測値に基づき、その後の充電によって第(N+1)回目の撮像が可能となる時期を判断して、撮像を可能とするものである。
【0010】
上記本発明の撮像用ストロボ装置においては、連続撮影時には、被写体の明るさに大きな変化はないことを前提として、第N回目の撮像時の発光で消費した電力から、次の第(N+1)回目の発光に必要な電力を推定する。そして、第N回目の撮像を行なった後、充電素子に、次の第(N+1)回目の発光に必要な電力が蓄えられているときは、その時点で撮像を可能とする。
従って、第(N+1)回目の撮像時に発光のための必要電力が残っているにも拘わらず、常に満充電電圧まで充電を行なっていた従来に比べて、連続撮像時の撮像間隔が短縮される。
【0011】
具体的には、前記電力の実測値として、充電素子の充電電圧を測定する。ここで、充電素子の充電電圧と、充電素子に充電されている電力の大きさの間には、一定の関係があるので、発光前後の充電電圧の実測値から、発光で消費した電力の大きさを算出することが出来る。
【0012】
更に具体的には、撮像時に操作すべきシャッタースイッチと、該シャッタースイッチの操作に応じて動作する制御回路とを具え、該制御回路は、ストロボ放電管発光前後の充電電圧の実測値に基づいて、ストロボ放電管を適正な光量で発光させるために必要な充電電圧を算出し、充電電圧の実測値が前記必要充電電圧以上となったとき、撮像を可能とする。
【0013】
該具体的構成においては、発光前の充電電圧をV0、発光後の充電電圧をV1として、下記数1によって、必要充電電圧V2を算出することが出来る。
【数1】
V2=√(V0 2−V1 2)
【0014】
尚、シャッタースイッチを操作して撮像を行なうと、その画像を記録媒体に記録するなどの画像処理が行なわれるので、該画像処理が終了した後に次の撮像を可能とする。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係る撮像用ストロボ装置によれば、連続撮影を行なう場合の撮影間隔を従来よりも短縮することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をデジタルスチルカメラに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す如く、本発明に係るデジタルスチルカメラは、対物レンズ(13)と、対物レンズ(13)から取り込んだ画像光線を光電変換するCCD(14)と、CCD(14)を駆動するCCD駆動回路(15)と、CCD(14)から得られる映像信号に必要な信号処理を施す映像信号処理回路(16)とを具えている。
【0017】
CCD駆動回路(15)及び映像信号処理回路(16)には、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)(2)が接続され、マイコン(2)の撮影オン/オフ制御部(6)によってCCD駆動回路(15)のオン/オフ制御が行なわれる。又、映像信号処理回路(16)から得られる画像の明るさについての情報が、マイコン(2)の明るさ情報入力部(7)へ入力されている。
【0018】
本発明に係るデジタルスチルカメラは、ストロボ放電管としてキセノン管(11)を具え、該キセノン管(11)には、キセノン管(11)を発光させるための電力を充電すべきストロボコンデンサ(10)が接続され、該ストロボコンデンサ(10)には、充電回路(9)を介して、電源(8)が接続されている。
又、キセノン管(11)には、ストロボコンデンサ(10)の放電動作を制御するためのトリガートランス(12)及び3端子バイポーラMOS複合半導体素子(17)が接続されている。
【0019】
マイコン(2)の充電電圧監視部(4)によって、ストロボコンデンサ(10)に対する充電電圧が監視されると共に、充電オン/オフ制御部(3)によって充電回路(9)による充電動作がオン/オフ制御される。
又、マイコン(2)の発光スタート/ストップ制御部(5)によって、3端子バイポーラMOS複合半導体素子(17)及びトリガートランス(12)の動作が制御され、この結果、キセノン管(11)の発光動作(発光の開始及び停止)が制御されることになる。
【0020】
マイコン(2)にはシャッタースイッチ(1)が接続されており、ストロボコンデンサ(10)にキセノン管(11)の発光に必要な電力が蓄えられている状態で、シャッタースイッチ(1)を押下すると、ストロボコンデンサ(10)からキセノン管(11)へ電力が供給されて、キセノン管(11)の発光(予備発光及び本発光)が行なわれると共に、CCD(14)が駆動されて、撮影が行なわれる。
【0021】
図3は、本発明に係るデジタルスチルカメラの発光制御の原理を説明するものである。
図示の如く、発光前のストロボコンデンサ(10)の充電電圧がV0(満充電電圧)の状態において、任意時点Sにてシャッタースイッチ(1)が押下されると、先ず、被写体の明るさを検出するための予備発光が行なわれて、充電電圧がVpまで低下する。この予備発光によって最少の明るさで被写体を撮影し、その後の本発光の光量を決定する。この処理のための時間T0が経過した時点で、本発光が行なわれて、充電電圧はVpからV1まで低下する。
【0022】
その直後、ストロボコンデンサに対する充電動作が開始され、これによって充電電圧は徐々に上昇する。これによって、次の予備発光及び本発光に必要な電力がストロボコンデンサに充電された時点Rにて、次の撮影を可能とする。
該時点Rは、上述の予備発光前の充電電圧V0と本発光後の充電電圧V1とに基づき、次の様にして検知される。
即ち、ストロボコンデンサ(10)の容量をCとすると、ストロボコンデンサ(10)に予備発光前に蓄えられているエネルギーE0と、本発光後に蓄えられているエネルギーE1は、下記数2によって表わされる。
【0023】
【数2】
E0=(1/2)・CV0 2
E1=(1/2)・CV1 2
【0024】
従って、予備発光及び本発光によって消費したエネルギーE01は、下記数3によって表わされる。
E01=(1/2)・CV0 2−(1/2)・CV1 2
【0025】
又、任意時点におけるストロボコンデンサの充電電圧がV2のとき、該ストロボコンデンサに蓄えられているエネルギーE2は、下記数3によって表わされる。
【数3】
E2=(1/2)・CV2 2
【0026】
連続撮影の場合、上記予備発光及び本発光によって消費したエネルギーE01と同じエネルギーで次の予備発光及び本発光も行なわれるとの前提に立てば、下記数4が成立する。
【数4】
E01=E2
【0027】
従って、予備発光及び本発光に必要な充電電圧(必要充電電圧)V2は、下記数5で表わされることになる。
【数5】
V2=√(V0 2−V1 2)
【0028】
即ち、ストロボコンデンサ(10)の充電電圧Vtが数5の必要充電電圧V2以上となったとき、ストロボコンデンサ(10)には、予備発光及び本発光に必要なエネルギーが蓄えられていると判断することが出来、この時点Rで次回の撮影を可能とすることが出来るのである。但し、この時点Rで、前回の撮像による画像処理が終了している必要がある。
これによって、連続撮影における撮影の時間間隔は、予備発光による画像処理の時間T0と、本発光後の充電によって充電電圧が必要充電電圧に達するまでの時間T3の合計となり、この時間間隔(T0+T3)は、従来の時間間隔(T0+T2)よりも短くなる。
【0029】
図2は、上記原理に基づいてマイコン(2)が実行するストロボ発光制御の具体的手続きを表わしている。
第N回目(Nは1以上の正の整数)の撮影の為にシャッタースイッチ(1)を押下すると、先ずステップS1にて、撮影場所がストロボ発光の必要な明るさかどうかを判断し、屋外などの明るい場所であってノーと判断された場合は、ステップS8へ移行して、ストロボ発光なしで第N回目の撮影を行なう。
これに対し、屋内などの暗い場所や夜間の撮影時にはステップS1にてイエスと判断され、ステップS2へ移行する。
【0030】
ステップS2では、発光前のストロボコンデンサ(10)の充電電圧V0を取り込み、ステップS3にて、ストロボ(キセノン管)を適正発光量で発光させて、第N回目の撮影を実行する。
次にステップS4では、発光後のストロボコンデンサ(10)の充電電圧V1を取り込み、ステップS5にて、ストロボコンデンサ(10)に対する充電動作を開始する。
【0031】
その後、ステップS6にて、ストロボコンデンサ(10)の充電電圧Vtを取り込み、更にステップS7にて、下記数6を満たしているかどうかを判断する。
【数6】
Vt≧√(V0 2−V1 2)
【0032】
ここでノーと判断されたときは、ステップS5に戻って、充電動作を続行する。その後、ステップS7にてイエスと判断されたときは、ステップS9へ移行して、第(N+1)回目の撮影を可能とし、シャッタースイッチの押下に待機する。
【0033】
図4は、上記手続きによって連続撮影を行なった場合の充電電圧の変化を表わしている。
任意時点Sにてシャッタースイッチ(1)が押下されると、予備発光及び本発光が行なわれて、充電電圧はV1まで低下する。これによって、ストロボコンデンサ(10)に対する充電が開始され、充電電圧は徐々に上昇する。この結果、ストロボコンデンサの充電電圧が必要充電電圧V2に達すると、次の撮影が可能となる。
【0034】
その後、任意時点S′でシャッタースイッチを押下すると、その時点の充電電圧V0′から予備発光が行なわれて充電電圧がVp′まで低下し、更に本発光が行なわれて充電電圧がV1′まで低下する。これによって再びストロボコンデンサ(10)に対する充電が開始され、上記発光前後の充電電圧V0′及びV1′に基づいて上記数5から算出される必要充電電圧V2′に達した時点R′で、次の撮が可能となるのである。
【0035】
尚、ストロボコンデンサ(10)の充電電圧が必要充電電圧に達する以前にシャッタースイッチ(1)が押下された場合、例えば警告音を発すると共に、シャッタースイッチ(1)からの撮影指令はキャンセルし、その後、充電電圧が必要充電電圧に達した時点で、シャッタースイッチ(1)の操作を有効とする。
又、図4中に鎖線で示す様に、ストロボコンデンサ(10)の充電電圧が必要充電電圧V2′に達した時点R′以後にシャッタースイッチ(1)の操作がなかったときは、満充電電圧V0まで充電を続行する。
【0036】
上述の如く、本発明に係るデジタルスチルカメラによれば、連続撮影の場合の撮影の時間間隔を従来よりも短縮することが出来る。
【0037】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。又、本発明は、デジタルスチルカメラに限らず、銀塩フィルム用のカメラ等、種々の撮像装置に実施出来るのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタルスチルカメラの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明におけるストロボ発光制御の手続きを表わすフローチャートである。
【図3】該ストロボ発光制御の原理を説明するための電圧の変化を表わすグラフである。
【図4】該ストロボ発光制御によって連続撮影を行なったときの電圧の変化を表わすグラフである。
【図5】従来のストロボ発光制御の手続きを表わすフローチャートである。
【図6】従来のストロボ発光制御における電圧の変化を表わすグラフである。
【符号の説明】
(1) シャッタースイッチ
(2) マイコン
(11) キセノン管
(10) ストロボコンデンサ
(12) トリガートランス
(13) 対物レンズ
Claims (4)
- 撮像指令に応じ、充電素子に充電した電力をストロボ放電管へ供給して閃光を発生させる撮像用ストロボ装置において、
第N回目(Nは正の整数)の撮像時に消費した電力の大きさを実測して、その後の充電素子への充電によって、前記ストロボ放電管に前記消費した電力と同等の電力を供給可能となる時期を判断して、該時期に第(N+1)回目の撮像を可能とすることを特徴とする撮像用ストロボ装置。 - 前記電力の実測値として充電素子の充電電圧を測定する請求項1に記載の撮像用ストロボ装置。
- 撮像時に操作すべきシャッタースイッチと、
該シャッタースイッチの操作に応じて動作する制御回路とを具え、
該制御回路は、ストロボ放電管発光前後の充電電圧の実測値に基づいて、ストロボ放電管を発光させるために必要な充電電圧を算出し、
充電電圧の実測値が前記必要電圧以上となったとき、撮像を可能とする請求項2に記載の撮像用ストロボ装置。 - 制御手段は、撮像時の画像処理が終了した後に次の撮像を可能とする請求項3に記載の撮像用ストロボ装置。
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