JP4262720B2 - バラスト水の処理方法およびその処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は船舶のバラスト水の処理方法及びその処理装置に関し、詳細には、バラスト水中に潜むプランクトン等の有害生物を不活化するバラスト水の処理方法及びその処理装置に関するものである。
タンカー等の船舶においては、積荷の原油等を降ろした後、再度目的地に向けて航行する際、航行中の船舶のバランスを取るため、通常、所定のタンク内にバラスト水と呼ばれる海水を貯溜している。このタンク(いわゆるバラスト水タンク)内のバラスト水は、通常、荷揚港で積荷を降ろす際に海水を汲み上げ貯留されるとともに、積荷港で積荷を積む際に排水される。
荷揚港で取水するバラスト水中には海水中の有毒微細藻類、プランクトン、コレラ菌や大腸菌などの細菌などの微小な生物(以下、有害生物という)が混入することがあり、積荷港でバラスト水を放出すると有害生物が積荷港付近の海域を汚染することになる。これらの有害生物のうち特に微小な生物は、環境条件によっては積荷港付近の海域で増殖し、その海域に本来生息する生物を死滅させるなどの大きな被害をもたらすことがある。
このようなバラスト水による積荷港の水質汚染を防止するため、例えばリバラスト方式が提案されている。これは、バラスト水を貯溜した船舶が外洋に達したとき、そこで出発地の港で汲み上げた水を排水するとともに、良質の外洋の水を汲み上げて積荷港で汲み上げた水を希釈することにより良質のバラスト水と交換する方式である。
しかし、この方法は船舶の航行を停止してバラスト水の入れ換えを行う場合には、バラスト水の入れ換え作業に要する時間分の無駄が生じ、また航行しながら入れ換えを行う場合には、大きな動力が必要になるという問題がある。さらに、船舶の船体の各部には種々の荷重が複雑に作用するため、バラスト水の入れ換え作業には熟練を要するという問題もある。加えて、この方法はバラスト水の排水を外洋に変えただけであり、積荷港の水質汚染の防止にはなっても、根本的な問題の解決にはならない。このため、船舶が荷揚港で取水したバラスト水中の有害生物を積荷港で排水するまでの間に不活性化または死滅させることが可能なプロセスが望まれている。
例えば、特開2003−181443号公報には船舶の主機関から排出される高温の排気ガスによって、バラスト水を加熱して殺菌を行う方法が記載されている。しかし、このような船舶の蒸気やエンジン熱を利用して殺菌を行う方法は装置が高価である上、バラスト水の温度上昇のためバラストタンクの腐食を加速化するという問題がある。さらに、温度が上昇したバラスト水を排水すると、荷揚港の海水温を上昇させることとなり、その海域に生息する動植物への影響が懸念される。
特開2002−234487号公報には船舶のバラスト水タンク内へ、気相部の酸素濃度が2%以下になるように窒素ガスを供給してバラスト水タンク内の酸素濃度を低減させてバラスト水タンクの防食を行なうとともに、バラスト水タンク内の有害生物を死滅させてバラスト水による海洋汚染を防止する方法が記載されている。この方法はバラスト水タンクの防食を抑制するという点では評価できるものの、嫌気性の微生物には効果がないという問題がある。
嫌気性の微生物も殺菌できる方法として、特表2001−509729号公報にはバラスト水の放出前に、バラスト水を酸素化したり脱酸素して、嫌気性および好気性微生物を殺菌するという方法が記載されている。しかし、この方法の実施には真空チャンバを必要とするため、装置としては大がかりかつ高価なものとならざるを得ない。
一方、バラスト水を固定床型電極電解槽に供給し、バラスト水中の有害生物を処理する方法(特開2001−974号公報)、バラスト水中高電圧パルスを印加する電極を設け、有害生物に直接高電圧を印加してその内部で放電を起こすことによりこれを損傷・無害化する方法(特開2002−192161号公報)、船舶のバラスト水の取水、排水通路に電極対を設けて電場を発生させ、有害生物に電気ショツクを与えて細胞膜を破壊することで瞬間的に死滅させる方法(特開2003−334563号公報)などのように、電気的に有害生物を殺菌、死滅する方法も提案されている。しかし、これらの方法も上記の熱を利用した殺菌方法と同様に、装置の設置費およびランニングコストが膨大となるという問題がある。
最も簡単に有害生物を死滅させる方法として考えられるのは、下水道や野菜等の食材の殺菌に用いられる次亜塩素酸ソーダやさらし粉等の殺菌剤をバラスト水中に散布する手段であるが、この場合にはバラスト水の排水とともにこれらの殺菌剤も放出されることになり、積荷港海域の生物をも死滅させることになって多大な環境破壊となる上、次亜塩素酸ソーダやさらし粉等の殺菌剤をあらかじめ船に積み込んでおかなければならないという問題がある。環境を考慮して、バラスト水の排水の前にチオ硫酸塩などの還元剤で中和し、その後中和したバラスト水を排水するという方法も考えられるが、新たに還元剤が必要となるためコスト高となる。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、船舶が荷揚港で取水したバラスト水中の有害生物を積荷港で排水するまでの間に不活性化または死滅させることが可能であるとともに、バラスト水の排水によって荷揚港の海域の環境を破壊することがなく、加えて装置の設置費およびランニングコストも比較的安価なバラスト水の処理方法及びその処理装置を提供することを目的とするものである。
本発明のバラスト水の処理方法は、船舶の安定性を保つために取排水されるバラスト水に、海水の電気分解で発生させた次亜塩素酸ソーダを注入し、該次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の塩素濃度を所定範囲に保ちながら前記バラスト水中の微生物を処理し、前記バラスト水の排水前に、前記次亜塩素酸ソーダの注入を停止して前記次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の残留塩素濃度が実質的にゼロになるまで放置することを特徴とするものである。
前記次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の残留塩素濃度が実質的にゼロとは、バラスト水を排水しても積荷港の海域に生息する生物を殺すことがない程度の残留塩素濃度を意味し、JIS規格K0101のo−トリジン比色法に規定される式で求めた遊離残留塩素濃度が0.02mg/l以下であることが好ましく、より好ましくは残留塩素濃度(遊離残留塩素および結合残留塩素のトータルの塩素濃度)が0.02mg/l、さらには残留塩素濃度が、上記JIS規格K0101のo−トリジン比色法における検出限界以下(0.01mg/l以下)であることが好ましい。
前記海水は取水したバラスト水であってもよい。なお、バラスト水が河川水である場合にはこれに塩を添加して用いればよく、前記海水はこのような塩を添加した水であってもよい。また、前記次亜塩素酸ソーダの注入は、取水したバラスト水又はバラスト水の循環系に対して行うことが好ましい。ここで、バラスト水の循環系とは、船舶のバラスト水タンクにバラスト水を取水し、取水したバラスト水をバラスト水タンクに貯溜し、バラスト水タンクに貯溜されたバラスト水をバラスト水タンクから取り出して再びバラスト水タンクへと循環する流路を意味する。
前記所定範囲は0.1〜1mg/lであることが好ましい。また、前記次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の塩素濃度を前記所定範囲に保つ期間は、10時間以上であることが好ましい。
本発明のバラスト水の処理装置は、船舶のバラスト水タンクにバラスト水を取水するための取水流路と、前記バラスト水タンクのバラスト水を船舶外に排水するための排水流路と、前記バラスト水タンクにバラスト水を取水するとともに、前記バラスト水タンクのバラスト水を船舶外に排水するバラスト水ポンプとを含むバラスト水の取排水系に組み込まれるバラスト水の処理装置であって、バラスト水を循環させる循環流路と、海水を電気分解させて次亜塩素酸ソーダを発生させる海水電解部と、該海水電解部で発生させた次亜塩素酸ソーダを前記バラスト水取水口または前記循環流路に注入するための次亜塩素酸ソーダ注入流路と、前記排水流路または前記循環流路に設けられるバラスト水の残留塩素濃度を測定する塩素濃度測定部とを含むことを特徴とするものである。
バラスト水の処理装置は、さらに、前記取水流路の前記バラスト水ポンプの吐出側に前記バラスト水を濾過するストレーナーと、該ストレーナーの濾滓を排出する濾滓排出流路が設けられていることが好ましい。
本発明のバラスト水の処理方法は、船舶の安定性を保つために取排水されるバラスト水に、海水の電気分解で発生させた次亜塩素酸ソーダを注入し、この次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の塩素濃度を所定範囲に保ちながらバラスト水中の微生物を処理するので、船舶が荷揚港で取水したバラスト水中の有害生物を積荷港で排水するまでの間に不活性化または死滅させることが可能であるとともに、バラスト水の排水前に、次亜塩素酸ソーダの注入を停止して次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の残留塩素濃度が実質的にゼロになるまで放置するので、還元剤のような新たな薬剤を使用しなくても、バラスト水の排水によって海域に生息する生物を死滅させるということがなく、積荷港海域の環境を破壊することなくバラスト水の処理を行うことが可能である。
また、バラスト水中の有害生物を殺菌、死滅させる次亜塩素酸ソーダは海水の電気分解によって発生させたものであるため、次亜塩素酸ソーダをあらかじめ船に積み込んでおかなければならないという問題もなく、また上述のように還元剤を使用しなくても排水されるバラスト水の残留塩素濃度は実質的にゼロであるため、中和剤を準備する必要もない。
なお、次亜塩素酸ソーダを発生させる電気分解を、取水したバラスト水で行う場合には、次亜塩素酸ソーダを発生させるための海水を新たに取水するポンプ等の設備費やランニングコストが省けるため、バラスト水の処理をさらに低コストで行うことが可能となる。
また、次亜塩素酸ソーダの注入をバラスト水の循環系に対して行えば、次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の塩素濃度を所定範囲に保つことが容易となる上に、バラスト水中の有害生物を効果的に殺菌、死滅させることが可能となる。
本発明のバラスト水の処理装置は、船舶のバラスト水タンクにバラスト水を取水するための取水流路と、バラスト水タンクのバラスト水を船舶外に排水するための排水流路と、バラスト水タンクにバラスト水を取水するとともに、バラスト水タンクのバラスト水を船舶外に排水するバラスト水ポンプとを含むバラスト水の取排水系に組み込まれるため、新たに設置しなければならない設備が少なくてすむので、設備費の低減化を図ることが可能である。
すなわち、従来のバラスト水の取排水系に、バラスト水を循環させる循環流路と、海水を電気分解させて次亜塩素酸ソーダを発生させる海水電解部と、この海水電解部で発生させた次亜塩素酸ソーダをバラスト水取水口または循環流路に注入するための次亜塩素酸ソーダ注入流路と、排水流路または循環流路に設けられるバラスト水の残留塩素濃度を測定する塩素濃度測定部とを設けることによって、もともと船舶に設置されているバラスト水ポンプを利用してバラスト水タンクのバラスト水に均一かつ効果的に次亜塩素酸ソーダを注入することが可能であり、新たなポンプやバラスト水の撹拌装置などを設置する必要がなく、さらにこれらの装置を設置した場合にかかるランニングコストも不要であるため、低コストでバラスト水中の有害生物を殺菌、死滅させることが可能である。
なお、バラスト水の処理装置に、取水流路のバラスト水ポンプの吐出側にバラスト水を濾過するストレーナーと、このストレーナーの濾滓を排出する濾滓排出流路をさらに設けることによって、取水したバラスト水に含まれる砂や泥、あるいは海洋生物等を濾滓として排出することが可能となる。このため、バラスト水タンク内に海底の堆積物が入ってしまうということがない。これは、2004年に締結されたバラスト水管理条約(International Convention for the Control and Management of Ship’s Ballast water and Sediment)付属書B−5の、バラスト水管理計画に基づき、新造船は港湾海底から堆積物(底泥)を汲み上げない、あるいはタンク内からの除去が容易な構造にするという要請に沿うものである。
図1はバラスト水の処理装置の一の実施の形態を示す断面模式図、図2はバラスト水を取水する様子を示す断面模式図、図3はバラスト水を循環する様子を示す断面模式図、図4はバラスト水を排水する様子を示す断面模式図である。
[発明を実施するための好ましい態様]
本発明のバラスト水の処理方法を、以下、図面を用いて詳細に説明する。図1は船に設けられたバラスト水の処理装置の一の実施の形態を示す断面模式図である。図1に示すように、本発明のバラスト水の処理装置1は、船舶2に設けられたバラスト水取水口3から取水したバラスト水を船舶2の船底に設けられたバラスト水タンク4に取水するための取水流路5a、5b、5cと、バラスト水タンク4のバラスト水をバラスト水排水口6から船舶2外に排水するための排水流路7a、7b、7cと、バラスト水タンク4にバラスト水を取水するとともに、バラスト水タンク4のバラスト水を船舶外に排水するバラスト水ポンプ10とを含むバラスト水の取排水系に組み込まれる処理装置である。
バラスト水取水流路5bに設けられたバラスト水ポンプ10の吐出側にはバラスト水を濾過するためのストレーナー11が設けられ、このストレーナー11で濾過された濾滓を排出するための濾滓排出流路12はバラスト水排水口6に接続されてなる。なお、ストレーナー11としては砂や泥あるいは海洋生物等を効率的に分離することが可能であって、かつ電動弁や配線を必要とすることがなく低コストを実現可能な、旋回流の遠心力で比重の重いものを外側へ分離するタイプのストレーナー(渦巻ストレーナー)が好ましい。
バラスト水を循環するための循環流路は、バラスト水をバラスト水タンク4に取水する取水流路の一部を兼用した8a、8b、8cからなっている。また、取水流路5c(循環流路8c)から分岐した流路9aには、海水を電気分解させて次亜塩素酸ソーダを発生させる海水電解部13が設けられ、この海水電解部13には海水電解部13で発生させた次亜塩素酸ソーダをバラスト水取水口3または循環流路8aに注入するための次亜塩素酸ソーダ注入流路9bおよび9cが接続されてなる。さらに、循環流路8aにはバラスト水の残留塩素濃度を測定する塩素濃度測定部14が設置されている。この塩素濃度測定部14のバラスト水が入る入口には圧力がかかっていて、後述するバラスト水の循環が停止しても、常にバラスト水の塩素濃度を測定できるように構成されてなる。
また、取水流路5a、5b、5cには流路を開閉するための弁15a、15b、15cが、排水流路7a、7b、7cにも同様に弁17a、17cが、循環流路8a、8b、8cには弁18a、15c(取水流路の弁と兼用)が、次亜塩素酸ソーダ注入流路9bおよび9cには弁19b、19cが、ストレーナー11で濾過された濾滓を排出するための濾滓排出流路12には弁12aがそれぞれ設けられている。
バラスト水の処理装置の動作について説明する。図2は船舶にバラスト水を取水する様子を示す断面模式図、図3はバラスト水を循環する様子を示す断面模式図、図4はバラスト水を排水する様子を示す断面模式図である。
まず、図2に示すように取水流路5a、5b、5cに設けられている弁15a、15b、15c及び、次亜塩素酸ソーダ注入流路9bに設けられている弁19bを開け、その他の弁は全て閉じた状態で、船舶2に設けられたバラスト水取水口3からバラスト水ポンプ10を作動させてバラスト水を取水する。なお、図2では開いている弁を白抜きで、閉じている弁を黒で塗りつぶして表すとともに、このバラスト水の排水時にバラスト水が流れる流路を太い流路で示している。
取水したバラスト水は、取水流路5a、5bを経由した後、ストレーナー11を通過する。この際に、バラスト水中の砂、泥等がここで濾過される。荷揚港でのバラスト水取水時には間欠的に弁12aを開けることによって、ストレーナー11で濾過された濾滓はバラスト水ポンプ10の圧力によって押し流され、取水されたバラスト水とともに排出することができる。なお、ストレーナー11で濾過された濾滓は、バラスト水を取水した海域のものであり、この排出操作を積荷港で行うと、バラスト水を取水した海域の砂や泥、さらにはこれに含まれる微生物などが積荷港の海域を汚染することになるため、この操作はバラスト水を取水する港のみで行う。
なお、ストレーナー11は取水流路5bのバラスト水ポンプ10の吐出側に設けられているが、このようにバラスト水ポンプ10の吐出側に設けることによって、新たなポンプを設けなくてもバラスト水ポンプ10の圧力によってストレーナー11の濾滓を排出することが可能となり、設備コスト、ランニングコストの低減を図ることが可能となる。
ストレーナー11を通過したバラスト水は取水流路5cを経由してバラスト水タンク4に取水され、一部のバラスト水は取水流路5cから分岐した流路9aを経由して海水電解部13に送られる。海水電解部13では送られたバラスト水を電気分解させて、次亜塩素酸ソーダを発生させる。海水電解部13で発生させた次亜塩素酸ソーダは、バラスト水とともに次亜塩素酸ソーダ注入流路9bを経由してバラスト水取水口3に注入される。
なお、次亜塩素酸ソーダを発生させる電気分解を取水したバラスト水で行うことなく、新たに海水を汲み上げて行ってもよいが、その場合には海水を汲み上げるための専用のポンプが新たに必要となる。従って、新たに取水するポンプ等の設備費やランニングコストを省くために、取水したバラスト水で次亜塩素酸ソーダを発生させることが好ましい。
なお、取水するバラスト水には次亜塩素酸ソーダが含まれているので、弁12aを開けてストレーナー11の濾滓をバラスト水ポンプ10の圧力によって排出する際には、海水電解部13におけるバラスト水の電気分解をいったん停止して、バラスト水取水口3に注入される次亜塩素酸ソーダをとめ、バラスト水に次亜塩素酸ソーダが含まれていない状態で行う。
バラスト水の取水が完了したら、図3に示すように取水流路5aに設けられている弁15aおよび15bおよび次亜塩素酸ソーダ注入流路9bに設けられている弁19bを閉じ、循環流路8aに設けられている弁18aおよび次亜塩素酸ソーダ注入流路9cに設けられている弁19cを開いて、バラスト水ポンプ10を作動させてバラスト水タンクの循環を行う。図3では図2と同様に開いている弁を白抜きで、閉じている弁を黒で塗りつぶして表すとともに、このバラスト水の循環時にバラスト水が流れる流路を太い流路で示している。
循環流路8c(取水流路5c)から分岐した流路9aを経由して循環するバラスト水が海水電解部13に送られると、海水電解部13は送られたバラスト水を電気分解して次亜塩素酸ソーダを発生させ、発生させた次亜塩素酸ソーダはバラスト水とともに次亜塩素酸ソーダ注入流路9cおよび循環流路8a、8b、8cを経由して、再びバラスト水に注入される。バラスト水の循環は船舶の大きさやバラスト水ポンプの圧力、流路の大きさによっても異なるが、5600m/hのバラスト水を取水するバラスト水ポンプであれば、200.000DWTのバルクキャリアの場合、約15時間で一循環する。
循環流路8aに設けられた塩素濃度測定部14では、循環するバラスト水の残留塩素濃度が測定される。バラスト水の濃度が0.25〜1mg/lの範囲に達したら、バラスト水ポンプ10を停止してバラスト水の循環を止める。循環が停止している間も塩素濃度測定部14ではバラスト水の塩素濃度が測定され、バラスト水の濃度が0.2mg/l未満になると、再びバラスト水ポンプ10を作動させてバラスト水の循環を再開し、海水電解部13で次亜塩素酸ソーダを発生させ、バラスト水とともに次亜塩素酸ソーダ注入流路9cおよび循環流路8a、8b、8cを経由させて再びバラスト水タンクに注入する。再びバラスト水の濃度が0.25〜1mg/lの範囲に達したら、バラスト水ポンプ10を停止してバラスト水の循環を止める。
この一連の動作は、バラスト水の濃度が0.25〜1mg/lの低濃度であれば2日間行う。バラスト水の塩素濃度がこの範囲であれば2日後には、1mlあたりの一般細菌数は10cfu未満となる。これによってバラスト水中の有害生物を殺菌、死滅させることができる。下水道、野菜などの食材を次亜塩素酸ソーダやさらし粉等の殺菌剤を用いて殺菌する場合、下水処理放流水の場合には20mg/l程度、野菜などの食材の場合には200mg/l程度の高い塩素濃度のもと、15分程度の接触時間で殺菌が行われているが、本発明のバラスト水の処理装置ではバラスト水を循環するとともに、その処理をバラスト水の取水時間、船舶が航行している時間を利用して行うことが可能であるために、低濃度であっても充分に効果をあげることが可能である。
バラスト水の濃度を0.25mg/l〜1mg/lの範囲とするためには、例えば循環流路8c(取水流路5c)から分岐した流路9aを経由して海水電解部13に送られるバラスト水24m/hから次亜塩素酸ソーダを毎時10.8kg発生させると、次亜塩素酸ソーダ注入流路9bおよび9cに流れるバラスト水の塩素濃度はほぼ450mg/lとなり、これを5400m/hのバラスト水の循環に対して注入すると2.0mg/lの次亜塩素酸ソーダ注入濃度となる。
なお、塩素濃度測定部14は循環流路8aに設けられているが、この循環流路8aはバラスト水タンク4からのバラスト水が最初に通る流路であり、この部分に設けることによってバラスト水タンク4内のバラスト水の残留塩素濃度をより正確に測定することが可能となる。
また、上記の行程は、バラスト水処理装置に循環するバラスト水の残留塩素濃度が0.25mg/l〜1mg/lの範囲に達したら、バラスト水ポンプ10を自動的に停止してバラスト水の循環を止め、バラスト水の濃度が0.2mg/l未満となると再びバラスト水ポンプ10を自動的に作動させてバラスト水の循環を再開するような制御部を設けておこなってもよい。
上記一連の動作を繰り返すことによって、バラスト水中の有害生物を殺菌、死滅させたら、バラスト水の排水前に、次亜塩素酸ソーダの注入を停止して次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の残留塩素濃度が実質的にゼロになるまで放置する。バラスト水の排水は積荷港の海域で行われるため、通常は、船舶が積荷港に着く時点でバラスト水中の残留塩素濃度は実質的にゼロになっているが、目安の期間としてはバラスト水の濃度が0.25mg/l〜1mg/lの範囲の場合、次亜塩素酸ソーダの注入を停止してほぼ1日程度の放置によって、バラスト水中の残留塩素濃度は実質的にゼロ(検出限界以下)となる。
積荷港の海域でバラスト水の排水を行う際には、図4に示すように排水流路7a、7b、7cに設けられた弁17a、17cを開け、それ以外の弁は全て閉じた状態で行う。図4では図2、図3と同様に開いている弁を白抜きで、閉じている弁を黒で塗りつぶして表すとともに、このバラスト水の排水時にバラスト水が流れる流路を太い流路で示している。
以上のような行程によって、船舶が荷揚港で取水したバラスト水中の有害生物を積荷港で排水するまでの間に不活性化または死滅させることが可能であるとともに、バラスト水の排水前に、次亜塩素酸ソーダの注入を停止して次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の残留塩素濃度が実質的にゼロになるまで放置するので、バラスト水の排水によって海域に生息する生物の生息に影響を与えることがなく、積荷港の海域の環境を破壊することなくバラスト水の処理を行うことが可能である。
また、本発明のバラスト水の処理装置は、バラスト水の取排水系に組み込まれるため、新たに設置しなければならない設備が少なくてすむので、設備費の低減化、ランニングコストの削減を図ることが可能である。
加えて、上記の実施の形態に設けているストレーナーは、新たなポンプなどを設けなくても取水したバラスト水に含まれる砂や泥等を濾滓として排出することが可能となり、荷揚港海底から堆積物(底泥)を汲み上げても除去が極めて容易かつコストもかからないというメリットを有する。

Claims (1)

  1. 船舶の安定性を保つために取排水されるバラスト水に、バラスト水の電気分解で発生させた次亜塩素酸ソーダをバラスト水の循環系に対して注入し、該次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の塩素濃度を0.25〜1mg/lの範囲に保ちながら10時間以上前記バラスト水中の微生物を処理し、前記バラスト水の排水前に、前記次亜塩素酸ソーダの注入を停止して前記次亜塩素酸ソーダを注入したバラスト水中の残留塩素濃度が実質的にゼロになるまで放置することを特徴とするバラスト水の処理方法。
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