JP4262637B2 - 持ち運び可能で蓋体を開いて使用される電子機器、電子機器の制御方法、およびプログラム - Google Patents

持ち運び可能で蓋体を開いて使用される電子機器、電子機器の制御方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ノートブック型パーソナルコンピュータをはじめとする各種電子機器などに係り、より詳しくは、持ち運び可能で蓋体を開いて使用される電子機器などに関する。
ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)などの電子機器では、システムの使用状況に合わせて、電気回路に対する電力供給を適宜、低下させ、または停止させる省電力(パワーマネージメント)機能が備わっている。このパワーマネージメント機能としては、まず、液晶表示装置(LCD)のバックライトを停止し、CPU、ハードディスクドライブ(HDD)の動作を停止させるスリープ機能がある。また、このスリープ機能に加えて、周辺機器などへの給電を停止し、データ保持に必要な最低限の電力だけを使う状態にするサスペンド機能がある。更には、コンピュータの電源を切ると同時に直前まで実行していた作業内容をHDDに自動的に保存するハイバーネーション機能がある。サスペンドは、CPU、LCD、HDDなどを停止して電力消費量を極限まで減らしている状態であるが、ハイバーネーション機能とは異なり、RAMへの電力は供給されているので、若干の電力消費がある。
このパワーマネージメント機能については、ユーザの使い勝手が必ずしも良いとは言えない部分がある。例えば、オプションカードなどの拡張デバイスを使用している状態でサスペンドモードに設定されると、レジューム(電源を投入して直前の状態から作業を再開する)処理後にソフトウェアドライバ毎にオプションカードなどの初期設定を行う必要が生じ、レジューム時にシステムが復帰するまでに非常に時間がかかってしまう。そこで、公報記載の従来技術として、これらのデバイスを動作状態にしたままシステムを擬似的にパワーオフすることで、システムを瞬時に復帰させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、一旦、サスペンドに入った場合に、レジューム時にパスワードの入力が必要となると、その分ユーザビリティ(操作性)が低下してしまう問題がある。そこで、他の公報記載の技術として、サスペンドに遷移した後、比較的短い時間のうちにキー入力等のユーザの反応があった場合には、レジューム時のパスワードを必要とせずに瞬時にタスクを再開できる技術が存在する(例えば、特許文献2参照。)。更には、パワーマネージメント機能において、状態の保存、復帰にかかる時間を省略することを目的として、蓋体が閉められたときにはスリープ状態に移行し、機器が持ち上げられたときにはハイバーネーション状態に移行する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平9−114566号公報(第8頁、図7) 特開平9−34577号公報(第9頁、図5) 特開2001−42978号公報(第7頁、図4、図5)
ここで、ノートPCを例に挙げると、通常のノートPCでは、蓋体を閉じるとウィンドウズ(登録商標)のデフォルトにてシステムはサスペンド状態に移行する。その後、サスペンドからのレジュームにて、停止しているCPUや他の機能を再開させることが必要となる。しかしながら、CPUを起動し各種機能を立ち上げるためには、数十秒程度の時間を要してしまう。特に近年、ワイヤレスネットワーク機能が充実し、例えば同一のオフィス内におけるワイヤレスネットワーク環境下にてノートPCを移動させる機会が増えている。かかる場合に、ワイヤレスネットワークのアクセスを再開するために30秒程度の時間は優に必要となり、緊急に装置を使用したい場合であっても、その使用が制限されてしまう。
その一方で、ノートPCなどの電子機器では、例えばHDDのように、移動に際して障害が生じ易い機器が内蔵されている。例えばHDDが動作可能状態にて移動させた場合、特に、HDDのヘッドがディスク上にいるときに衝撃が加わると、誤操作やディスクを傷つける問題が生じ易い。そのために、例えばノートPCを移動した後にユーザが直ぐに利用したいと欲しても、例えば落下の危険性などを考えると蓋体を開いたまま不安定な状態で移動させることは好ましいことではない。また、移動中には使用せず且つ直ぐに立ち上がる箇所については、バッテリの消費電力を低減させるためにも一時停止させることが好ましい。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、持ち運び可能な電子機器において、移動時(持ち運びされるとき)に生じる障害を軽減し、移動した後の立ち上がり時間を短くすることにある。
また他の目的は、例えばノートPCなどの電子機器において、移動時に関する新たなモード(移動モード)を定義し、モードの遷移に応じてパスワードを要求することで、移動した後の立ち上がりに際してユーザの利便性を向上させることにある。
かかる目的のもと、本発明は、持ち運び可能で蓋体を開いて使用される電子機器であって、蓋体の開閉を検知する検知機構と、通常動作の可能な状態にて検知機構により蓋体が閉じられたことを検知した際には、CPUは停止させずに、電子機器が移動されることにより障害が生じるおそれのある機能を停止させる第1の手段と、この第1の手段により機能が停止された後、検知機構により蓋体が開かれたことを検知した際には、機能の停止を解除させて通常動作の可能な状態に移行させる第2の手段とを備えている。
ここで、この第1の手段により停止される機能は、ハードディスクドライブであり、ハードディスクドライブのヘッドをアンロードにすることを特徴とすれば、移動時の落下などの衝撃によってドライブを損傷する問題を回避することができる点で好ましい。また、この第1の手段は、更に表示装置をオフにすることを特徴とすれば、バッテリの消費電力を大幅に削減できる点で優れている。ここで、例えばノートPCでは、蓋体を開いて表示装置が用いられることから、蓋体が閉じられた状態では表示装置をオンにしておく意味がなく、表示装置をオフにすることが好ましい。
更に、この第1の手段により機能が停止されてから所定の時間が経過した後、行われた作業状態を所定のメモリに保存してCPUを停止させる第3の手段を更に含むことを特徴とすることができる。また更に、この第2の手段は、ユーザに対してパスワードの入力を要求せずに通常動作の可能な状態に移行させ、第3の手段によりCPUが停止された状態から通常動作の可能な状態に移行させる際には、ユーザに対してパスワードの入力を要求することを特徴とすれば、移動先で蓋体を開いた後に即座に電子機器を操作可能とすることができる点で好ましい。
一方、本発明の電子機器は、蓋体の開閉を検知する検知機構と、通常動作の可能な状態にてこの検知機構により蓋体が閉じられたことを検知した際には、立ち上がりに所定時間以上の時間のかかるデバイスは停止させず、立ち上がりに所定時間までは時間のかからないデバイスの中から所定のデバイスを停止させる第1の手段と、この第1の手段により所定のデバイスが停止された後、検知機構により蓋体が開かれたことを検知した際には、所定のデバイスの停止を解除させて通常動作の可能な状態に移行させる第2の手段とを備えている。
ここで、「所定の時間」とは、例えば10数秒であり、例えば電子機器としてのノートPCを使用するユーザが待たされて不快とならない程度の時間である。この「所定の時間」は、対象となる電子機器の種類や、使われる状況などによって異なってくる。また、立ち上がりに所定時間以上の時間のかかるデバイスは、ネットワークのワイヤレスLANに関するデバイスおよび/またはCD―ROMドライブであることを特徴とすることができる。更に、この所定のデバイスは、ハードディスクドライブであることを特徴とすることができる。
他の観点から捉えると、本発明は、持ち運び可能な電子機器であって、ユーザによる電子機器の利用を可能とする通常動作モードと、この通常動作モードにおいて実施されていた作業を所定のメモリに退避させ、データ保持に必要な最低限の電力だけを使用して電力の消費を抑える省電力モードと、CPUは動作状態のまま電子機器の移動時に障害が生じる恐れがある機能を停止させて一時的に電子機器を利用不可の状態とする移動モードとを有する。
ここで、この省電力モードから通常動作モードに移行する際にはユーザにパスワードの入力を要求し、移動モードから通常動作モードに移行する際にはユーザに対してパスワードの入力を要求しないことを特徴とすれば、使用状況に応じた操作性能とセキュリティ性能とのバランスを良好に保つことができる。
また、この電子機器は蓋体を備え、通常動作モードにて蓋体が閉じられた場合に移動モードへ移行し、この移動モードへ移行した後、所定時間が経過した場合に省電力モードへ移行することを特徴とすることができる。更に、この通常動作モードにて蓋体が閉じられた場合に移動モードへ移行し、この移動モードへ移行した後、蓋体が開けられた場合に通常動作モードへ移行することを特徴とすることができる。尚、この移動モードは、電子機器が有するハードディスクドライブのヘッドをアンロードさせ、かつ電子機器が有する表示装置をオフさせることを特徴とすることができる。
しかして、本発明を方法のカテゴリから捉えると、本発明は、持ち運び可能な電子機器の制御方法であって、通常使用の状態である通常動作モードに電子機器を設定する第1のステップと、この通常動作モードにて電子機器が有する蓋体が閉じられたことを検知した際、CPUは動作状態のまま電子機器の移動時に障害が生じる恐れがある機能を停止させて一時的に電子機器を利用不可とする移動モードに電子機器を移行させる第2のステップとを含む。
ここで、この移動モードにて蓋体が開けられたことを検知した際、電子機器を通常動作モードに移行させる第3のステップを更に含み、また、この第3のステップは、移動モードから通常動作モードに移行させる際、ユーザに対してパスワードの入力を要求しないことを特徴とすることができる。更に、この移動モードにおいて所定の時間が経過した後、通常動作モードにおいて実施されていた作業を所定のメモリに退避させ、データ保持に必要な最低限の電力だけを使用して電力の消費を抑える省電力モードにこの電子機器を移行させる第4のステップを更に含むことを特徴とすることができる。
また、本発明が適用されるプログラムは、持ち運び可能なコンピュータに、通常使用の状態である通常動作モードにてコンピュータが有する蓋体が閉じられたことを認識し、CPUは動作状態のままコンピュータの移動時に障害が生じる恐れがある機能を停止させて一時的にコンピュータを利用不可とする移動モードにコンピュータを移行させる第1の機能と、この移動モードにて蓋体が開かれたことを認識し、通常動作モードにコンピュータを移行させる第2の機能と、移動モードにおいて所定の時間が経過した後、通常動作モードにおいて実施されていた作業を所定のメモリに退避させ、データ保持に必要な最低限の電力だけを使用して電力の消費を抑える省電力モードにコンピュータを移行させる第3の機能と、を実現させ、この第2の機能においてはユーザに対してパスワードを要求せずに通常動作モードへ移行させ、この第4の機能においてはユーザに対してパスワードを要求して通常動作モードへ移行させることを特徴としている。
本発明によれば、例えばノートPCなどの持ち運び可能な電子機器にて、移動時に生じる障害を軽減するとともに、移動した後に機器を立ち上げた際の立ち上がり時間を短くすることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)などのコンピュータ装置1の外観を示した図である。本実施の形態は、ノートPCに代表される可搬性のある電子機器に対して適用されるが、必ずしもノートPCに限定されるものではなく、蓋体を有する他の電子機器にも適用できる。図1に示すコンピュータ装置1は、システムボードや周辺機器類を収容し上面にキーボードが配設された本体2と、内側の略中央部にLCD(液晶表示装置)4のパネルが埋設された蓋体(Lid)3とを備えている。この本体2と蓋体3とは、後縁部にて回転可能にヒンジ結合されている。即ち、図1に示すコンピュータ装置1は蓋体3を備えた構造体であり、コンピュータ装置1の使用時には蓋体3が開かれ、コンピュータ装置1を使用しないときやコンピュータ装置1の移動時には、蓋体3が閉じられる。また、本体2と蓋体3には、蓋体3の開閉を検知する開閉検知構造5が備えられている。この開閉検知構造5によって、蓋体3の開閉状態が検知され、本体2のシステムに提供される。検知機構であるこの開閉検知構造5は、本体2と蓋体3の後縁部に設けられ、例えば、蓋体3に凸状突起、本体2に凹部センサが形成されている。蓋体3が閉じられることにより凸状突起が本体2の凹部センサに嵌合し、蓋体3が閉じられたことを検知することができる。
図2は、コンピュータ装置1のハードウェアからみたシステム構成を示した図である。コンピュータ装置1のCPU11は、コンピュータ装置1全体の頭脳として機能し、OSの制御下で各種プログラムを実行している。このCPU11は、システムバスであるFSB(Front Side Bus)12、高速のI/O装置用バスとしてのPCI(Peripheral Component Interconnect)バス20、ISAバスに代わるインタフェースであるLPC(Low Pin Count)バス40という3段階のバスを介して、各構成要素と相互接続されている。このCPU11は、キャッシュメモリにプログラム・コードやデータを蓄えることで、処理の高速化を図っている。CPU11の内部に設けられる1次キャッシュの容量の不足を補うために、専用バスであるBSB(Back Side Bus)13を介して2次キャッシュ14が置かれる場合がある。
FSB12とPCIバス20は、メモリ/PCIチップと呼ばれるCPUブリッジ(ホスト−PCIブリッジ)15によって連絡されている。このCPUブリッジ15は、メインメモリ16へのアクセス動作を制御するためのメモリコントローラ機能や、FSB12とPCIバス20との間のデータ転送速度の差を吸収するためのデータバッファ等を含んだ構成となっている。メインメモリ16は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域、処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。この実行プログラムには、OSや各種ドライバ、各種アプリケーションプログラム、BIOS(Basic Input/Output System)等のファームウェアが含まれる。ビデオサブシステム17は、ビデオに関連する機能を実現するためのサブシステムでありビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理して描画情報をビデオメモリに書き込むと共に、ビデオメモリからこの描画情報を読み出してLCD4に描画データとして出力している。
PCIバス20には、I/Oブリッジ21、カードバスコントローラ22、オーディオサブシステム25、ドッキングステーションインターフェース(Dock I/F)26、miniPCIコネクタ(スロット)27が夫々接続されている。カードバスコントローラ22は、PCIバス20のバスシグナルをカードバススロット23のインターフェースコネクタ(カードバス)に直結させるための専用コントローラであり、このカードバススロット23には、PCカード24を装填することが可能である。ドッキングステーションインターフェース26は、コンピュータ装置1の機能拡張装置であるドッキングステーション(図示せず)を接続するためのハードウェアである。ドッキングステーションにノートPC(コンピュータ装置1)がセットされると、ドッキングステーションの内部バスに接続された各種のハードウェア要素が、ドッキングステーションインターフェース26を介してPCIバス20に接続される。また、miniPCIコネクタ27には、例えばワイヤレスLANモジュールが内蔵されたミニPCI(miniPCI)カード28が接続される。
I/Oブリッジ21は、PCIバス20とLPCバス40とのブリッジ機能を備えている。また、IDE(Integrated Device Electronics)インタフェース機能を備えており、この機能によって実現されるインタフェースは、ハードディスクドライブ(HDD)31が接続される他、CD−ROMドライブ32がATAPI(AT Attachment Packet Interface)接続される。このCD−ROMドライブ32の代わりに、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブのような、他のタイプのIDE装置が接続されても構わない。また、このI/Oブリッジ21にはUSBポートが設けられており、USBコネクタ30と接続されている。更に、I/Oブリッジ21には、SMバスを介してEEPROM33が接続されている。また、I/Oブリッジ21からモデム機能をサポートするAC97(Audio CODEC '97)、コアチップに内蔵されたイーサネット(登録商標)に対するインタフェースであるLCI(LAN Connect Interface)、USB等を介して、コネクタ47が接続されている。このコネクタ47には、コミュニケーションカード48が接続可能に構成されている。
更に、I/Oブリッジ21は、電源回路50に接続されている。電源回路50は、ACアダプタやバッテリなどが接続可能に構成されている。LPCバス40には、エンベデッドコントローラ41、フラッシュROM44、SuperI/Oコントローラ45が接続されており、更に、LPCバス40は、キーボード/マウスコントローラのような比較的低速で動作する周辺機器類を接続するためにも用いられる。また、エンベデッドコントローラ41には、ゲートアレイロジック42が接続されている。このSuperI/Oコントローラ45にはI/Oポート46が接続されている。エンベデッドコントローラ41は、図示しないキーボードのコントロールや電源回路50に対する電源管理機能の一部を担っている。また、図1に示す開閉検知構造5からのイベントを検知して処理する機能を備えている。
次に、本実施の形態にて定義される状態である「移動モード」について説明する。本実施の形態では、ユーザがノートPC(コンピュータ装置1)を持って移動する際、移動先で即座に利用できるような一時的に利用不可の状態を「移動モード」として定義している。この移動モードでは、蓋体3が閉じられたときに通常のサスペンドを行わず、CPU11の他、立ち上げまでに10数秒以上の時間のかかるデバイス、例えばネットワークのワイヤレスLANに関するデバイスやCD−ROMドライブ32などは、オフさせずに通常状態に確保する。その一方で、移動モードは、立ち上げまでに時間がかからず、機器本体が移動されることにより障害が生じるおそれのある機能について、例えばHDD31の移動時の動作を防止する機能を利用して一時的にHDD31をオフ状態にする。移動モードでは、蓋体3が開かれたときには、レジューム処理を必要としないので、即座にノートPCを利用することが可能となる。移動モードのまま放置された場合には、自動的にタイマーを利用して、従来どおりにサスペンドモードあるいはスリープモード(休止状態)に移行させる。
図3は、この移動モード状態を含むコンピュータ装置1の状態遷移を説明するための図である。ノートPC(コンピュータ装置1)が通常動作モードの状態にて、蓋体3が閉じられる(Lid Close)と移動モードに状態遷移する。また、例えば、LCD4のオフ処理を要求する専用ホットキーを設け、そのキーの押下によっても移動モードになるように構成することもできる。更に、ウィンドウズ(登録商標)のタスクトレイのメニューを選択して通常動作モードから移動モードへ遷移させることも可能である。移動モードでは、HDD31がヘッドアンロード状態になるとともに、LCD4がオフ状態となり、また、LCD4に対するビデオ信号の生成もオフ状態となる。この移動モードの状態にて蓋体3が開けられる(Lid Open)、あるいは移動モード専用ホットキーを再度押下すると通常動作モードに遷移する。一方、この移動モードの状態から一定時間が経過(Carrying timeout)すると、通常のサスペンドモードに状態遷移する。従来のノートPCでは、一定時間、装置本体を利用していないと(キーボードやポインティング・デバイスからの入力が途絶えると)、バッテリによる駆動時間を伸ばすために、現在のメモリの内容やCPU11の状態などを保存したまま、システムを一時停止するサスペンドモードに移行している。本実施の形態では、このサスペンドモードへの状態遷移が移動モードから行われる。サスペンドモードは、パワーマネージメント機能の中でも節電効果が高く、LCD4の表示を消す他にCPU11の動作を停止し、またHDD31の電源を切る。更に、CD−ROMドライブ32や例えばフレキシブルディスクドライブを取り付けている場合、その電源も切られる。その後、このサスペンドモードの状態にて蓋体3が開けられて(Lid Open)、例えばFnキーが押下されると、通常動作モードへ移行する。ここで、通常動作モードは、電力制御インタフェースであるACPI(Advanced Configuration and Power Interface)にて電力が全てオンに制御される状態(ACPI Full ON State)である。
尚、移動モードへの移行は、コンピュータ装置1の蓋体3が閉じられたとき、もしくはホットキーの押下で移動モードに遷移するというのが基本である。しかし最近では、タブレット方のPC(蓋体3が存在しないPC)が存在しており、このようなPCの存在を考慮すると、移動モードへの移行には、他の移行手段を採用することも可能である。例えば、「移動モード」ボタンを設けてそれを押下したときや、アプリケーションのタスクトレイで移動モードメニューを選択すること等である。かかる場合に、移動モードから通常の使用モード(通常動作モード)に移行するものとしては、例えばペンで画面をタップする方法や、再度移動モードボタンを押下して通常動作モードに移行する方法などが考えられる。
ここで、本実施の形態では、図3に示す状態遷移に応じて、システムのセキュリティレベルを変えている。例えば、移動モードから通常動作モードへ遷移する際にはパスワードを要求せずに立ち上がり、サスペンドモードから通常動作モードへ遷移する際にはパスワードを要求する。即ち、移動モードから通常動作モードへ遷移する際には利便性を優先させ、いちいちユーザにパスワードの入力を求めずに即座に立ち上がるように構成している。一方、省電力モードであるサスペンドモードから通常動作モードへ遷移する際には、長時間、使用されていなかったことから安全性を優先させ、ユーザにパスワードの入力を求め、パスワードが正しく入力された時点で立ち上がりの処理を行うように構成した。このように、本実施の形態では、どの状態から立ち上がったかを見て、それに応じてパスワードを要求することで、セキュリティの確保と操作性の向上との利益衡量を図っている。
次に、上記のような状態遷移を実現するために、コンピュータ装置1が有するシステム構成(主にソフトウェア構成)について説明する。
図4は、本実施の形態のソフトウェアによる実現例を示した図である。図4に示す実現例では、コンピュータ装置1のシステム管理と基本的なユーザ操作環境を提供するACPIオペレーティングシステム(OS)101と、本実施の形態における移動モードを管理する移動モード処理アプリケーション110と、後述するパワーマネージメントドライバ104からの蓋体3の開閉通知を受けて移動モード処理アプリケーション110を動作させるPMサービスマネージャ120とを備えている。移動モード処理アプリケーション110は、コンピュータ装置1の蓋体3を閉じたとき、あるいはホットキーの押下により移動モードへの移行要求時の処理や、蓋体3を開けたときの処理、あるいは移動モードに移行した後に一定時間が経過した場合の処理などを行っている。
また、図4に示すコンピュータ装置1は、各種デバイスを制御するプログラムであるACPI BIOS102、ACPIをサポートするOS ACPIドライバ103、節電管理を行うパワーマネージメントドライバ104を備えている。更に、移動モード処理アプリケーション110からのコマンドを受けてハードディスクドライブ(HDD)31の読み出し/書き込みの保留や、読み出し/書き込みの保留解除を行うHDDヘッドアンロードドライバ105を備え、また、HDD31へのアクセス用デバイスドライバであるIDEドライバ106を備えている。
ノートPC(コンピュータ装置1)の蓋体3が閉じられたり開けられたりするイベントを、コンピュータ装置1のエンベデッドコントローラ41が検知して、その情報をコンピュータ装置1のACPI BIOS102に通知する。ACPI BIOS102は、オペレーティングシステム(OS)のイベント通知機構であるOS ACPIドライバ103に蓋体3の開閉イベント(Lid Close/Open Event)を通知し、移動モード処理アプリケーション110が利用するデバイスドライバであるパワーマネージメントドライバ104を経由して、蓋体3が閉じられた旨の通知(Lid Close Notify)、および蓋体3が開けられた旨の通知(Lid Open Notify)を行っている。
一方、移動モード処理アプリケーション110は、HDD31のアンロードやリスタートの要求を出すHDDアンロード,リスタート,リクエストハンドラ111、蓋体3のクローズイベントの通知を受けてLCD4の画面を消灯させるLCDオフプロセッサ112、蓋体3が閉じられたときに、USBデバイスが抜かれることを許可するUSBイジェクトプロセッサ113、コンピュータ装置1のワークステーションロック(Workstation Lock)を実行させるワークステーションロックハンドラ114を備えている。また、蓋体3が閉じられた後の一定時間の経過を観察するキャリングタイマーハンドラ115を備えている。
図4に示すブロックでは、蓋体3が閉じられたイベントの通知を受けた際に、以下の処理が行われる。
まず、移動モード処理アプリケーション110のキャリングタイマーハンドラ115は、ACPIオペレーティングシステム(OS)101の提供するAPI(Application Program Interface)を利用して、蓋体3の閉じられている時間の経過を測定する。また、LCDオフプロセッサ112は、コンピュータ装置1の内部ソフトウェア呼び出しを利用して、LCD4の画面の消灯を行う。この画面の消灯は、蓋体3の開閉スイッチである開閉検知構造5をメカニカルに検出してハードウェアで実現しても良い。ユーザが蓋体3を閉じた際に、コンピュータ装置1をロックする指定をしている場合には、ワークステーションロックハンドラ114は、ACPIオペレーティングシステム(OS)101のAPIを使用してワークステーションロックを実行する。
更に、HDDアンロード,リスタート,リクエストハンドラ111は、コンピュータ装置1のHDD31にアクセスするハードディスク制御用Device DriverであるHDDヘッドアンロードドライバ105に、ヘッドアンロードの実行コマンド(Head Unload Request)を送る。HDDヘッドアンロードドライバ105は、移動モード処理アプリケーション110からヘッドアンロード要求の実行コマンド(Head Unload Request)を受け取ると、HDD31に読み出し/書き込み要求があるACPIオペレーティングシステム(OS)101経由のIO Request Packetを全てこのHDDヘッドアンロードドライバ105の持つ内部メモリー・キューに保管し、HDD31への読み出し/書き込み要求を保留させる。その結果、ハードディスク・アクセス用Device DriverであるIDEドライバ106には、読み出し/書き込み要求が保留されるため、HDD31へのアクセスが停止される。最後に、HDD31へのヘッドの退避コマンド、もしくは、パワー制御系コマンドであるStandby Immediateコマンドを発行し、HDD31のヘッドをハードディスク表面から退避させる。これによって、ノートPC(コンピュータ装置1)が移動中でも、HDD31の安全な停止が保障される。
一方、蓋体3が開けられたイベントの通知を受けた際には、以下の処理が行われる。
まず、移動モード処理アプリケーション110は、LCD4の画面を点灯させる。これはアプリケーションで行わず、蓋体3の開閉を検知するハードウェア・スイッチ(開閉検知構造5)で行っても良い。また、HDDアンロード,リスタート,リクエストハンドラ111は、HDDヘッドアンロードドライバ105にHDD31の読み出し/書き込み保留状態を解除する通知を行う。HDDヘッドアンロードドライバ105は、保留していたHDD31への読み出し、書き込み要求を順次IDEドライバ106へ渡す。このことによって一時保留していた要求が、再開される。
次に、蓋体3が閉じられた状態で一定時間が経過した場合の処理について説明する。
まず、蓋体3が閉じられた状態で一定時間が経過すると、ACPIオペレーティングシステム(OS)101のタイマーの通知によって、ノートPC(コンピュータ装置1)のシステムを、移動モードの一時的な状態からサスペンドモードの状態に遷移させる。その手順としては、まず、移動モード処理アプリケーション110が一定時間経過のタイマーの通知をACPIオペレーティングシステム(OS)101より受ける。移動モード処理アプリケーション110は、その内部状態を移動モードからサスペンドモードへ切り替える。そして、HDDアンロード,リスタート,リクエストハンドラ111は、HDDヘッドアンロードドライバ105へ保留している読み出し/書き込み要求の解除通知を行う。このことによって、一時保留状態にあった、HDD31への要求は解除され、通常の動作状態になる。そして、ACPIオペレーティングシステム(OS)101のAPIを利用して、システムの状態をサスペンドの状態に移行させている。
次に、図4に示すブロック構成により、コンピュータ装置1にて実行される処理の流れについて説明する。上述した処理の説明と重複する部分はあるが、理解の容易のために、フローチャートを用いて詳述する。
図5は、本実施の形態における基本的な処理の流れを示した図である。図5に示す常駐プログラムの処理では、まず、移動モード処理アプリケーション110の立ち上げに際して初期化がなされる(ステップ201)。通常のノートPCでは、蓋体3が閉じられるとサスペンドの状態に移行するが、本実施の形態では、この状態移行を無効にする必要がある。そこで、移動モード処理アプリケーション110からACPIオペレーティングシステム(OS)101に対してポリシーの変更をリクエストすることで、蓋体3が閉じられた際(Lid Close)のポリシーを保存し、従来の移行処理が無効化される(ステップ202)。
その後、移動モード処理アプリケーション110では、PMサービスマネージャ120を経由して、ユーザからのイベントが待たれる(ステップ203)。このイベントとは、蓋体3の開閉(Lid Open/Close)、キーボードからの移動モード押下のイベント、または蓋体3が閉じられてからタイマーにより一定時間が経過したか否か(Carrying Timeout)である。移動モード処理アプリケーション110では、これらの発生したイベントに応じた処理がなされる(ステップ204)。このイベントに応じた処理については、図6〜図8にて詳述する。その後、終了要求があるか否かが判断され(ステップ205)、終了要求がない場合にはステップ204へ戻ってイベントに応じた処理がなされ、終了要求があった時点でタスクが終了する(ステップ206)。
図6は、蓋体3が閉じられた際(Lid Close)の処理を示したフローチャートである。Lid Close処理では、例えばユーザが「3分間以上たっても蓋が開けられない場合にはサスペンドする。」といったような設定をしている場合に、移動モード処理アプリケーション110のキャリングタイマーハンドラ115は、ユーザインタフェース(UI)からCarrying Timeout値を取得する(ステップ301)。また、例えば「Lid Close後にLid Openされた際にはパスワードを求めない。」といったようなオプション指定がある場合には、ここでUIからオプション指定を取得する(ステップ302)。更に、HDDヘッドアンロードドライバ105に対してアンロード要求のAPIを発行し、HDD31のヘッドを待避エリアに移動する(ステップ303)。そして、ホットキーのFn+F3の処理と同様に、LCD4のバックライトを消灯してLCD4をオフにする処理を行い(ステップ304)、オプション指定でワークステーションロックの指示があれば、ワークステーションロック(WS Lock)処理が行われる(ステップ305)。そして、タイマーをスタートさせて(ステップ306)、Lid Close処理が終了し、コンピュータ装置1は移動モードに入る。
図7は、蓋体3が開けられた際(Lid Open)の処理を示したフローチャートである。Lid Open処理では、まず、移動モード処理アプリケーション110のキャリングタイマーハンドラ115によってキャリングタイマー(Carrying Timer)がキャンセルされる(ステップ401)。また、HDDアンロード,リスタート,リクエストハンドラ111は、HDDヘッドアンロードドライバ105に対してアンロードの解除APIを発行する(ステップ402)。これによって、Lid Open処理が終了し、コンピュータ装置1は移動モードから解除されて、使用できる状態となる。
図8は、蓋体3が閉じられて移動モードにある際に、一定時間が経過したときのタイムアウト(Carrying Timeout)処理を示したフローチャートである。サスペンドモードへ移行するための一定時間が経過した際に、移動モード処理アプリケーション110のキャリングタイマーハンドラ115は、キャリングタイマー(Carrying Timer)をキャンセルする(ステップ501)。また、サスペンド状態に入る際にHDD31に現状のデータ内容を保存する必要性から、HDDアンロード,リスタート,リクエストハンドラ111からHDDヘッドアンロードドライバ105に対してアンロードの解除APIが発行される(ステップ502)。また、前述の図5のステップ202にて説明したように、蓋体3が閉じられて移動モードに入る際に、ACPIオペレーティングシステム(OS)101に対してポリシーを変更していたことから、通常のサスペンドに戻すために、保存されているOSのLid Closeのポリシーを取得する(ステップ503)。そして、サスペンド状態に移行するための、ポリシーに応じた処理を実行して(ステップ504)、タイムアウト処理が終了する。
このように、従来、机から会議室などへの一時的な移動時に、ノートPC(コンピュータ装置1)をサスペンドさせるとレジュームに時間がかかり、仕事が直ぐに続けられない問題があった。具体的には、サスペンドするとネットワークが切れるために、レジューム時に分単位で待たされることが挙げられる。また、パスワードの入力やデバイスがレジュームになるまでに時間がかかることが挙げられる。そのために、従来、多くのユーザが、蓋体3を閉じずにノートPCを動作させながら、ノートPCを持って移動していた。このように動作させながらノートPCを移動させると、持ち運びが不安定であり、落下の危険性も大きく、また、落下によってデータの破損等のトラブルが発生し易くなっていた。特に無線ネットワーク技術が発展し、例えば会社内等の所定のエリアにて自由にネットワーク接続ができる環境が整ってきた現状では、移動させて場所を問わずにコンピュータ装置1を使用する機会が増えており、上述した問題は深刻なものとなる。
しかしながら、本実施の形態では、ノートPC(コンピュータ装置1)を移動する際、移動先で即座に利用できるような、一時的に利用不可の状態である「移動モード」を定義した。この移動モードは、移動のときの障害に関わる機能をロックするものであり、本実施の形態では、好ましいものの例として、HDD31をアンロード状態にしている。また、この障害に関わる機能の他に、この機能をロックしたときに使用されることのない機能や、移動のときに使用されることのない機能、蓋体3を開けたときに即座(ユーザにストレスを感じさせない短時間)に立ち上げることのできる機能、もオフにすることができる。本実施の形態では、好ましいものの例として、LCD4をオフにしている。
尚、振動や衝撃を感知すると高速で回転している磁気ディスクからヘッドが退避することでデータの破損を防ぐというAPS(Active Protection System)の技術を出願人等は提示しているが、本実施の形態によれば、この振動や衝撃を感知するセンサがない場合でも、IDEフィルタドライバ(HDDヘッドアンロードドライバ105およびIDEドライバ106)でHDD31のアンロードを利用可能とすることができる。
また、この移動モードの状態へは、蓋体3を閉じることによって入ることができる。更に本実施の形態では、この移動モードから従来の「Lid Close」の設定へ、タイマーによる遷移の方式を提案している。また更には、この移動モードから通常動作モードへの移行は、瞬時でノートPCを利用可能にしている。そのために、本実施の形態では、例えばサスペンドモードから通常動作モードへ移行する際には従来のパスワード要求を行い、移動モードから通常動作モードへ移行する際にはパスワード要求を行わないようにしている。このように状態遷移に応じてパスワードを要求する(またはパスワードを要求しない)ことで、使用状況に応じたセキュリティの確保と即座の立ち上げとのバランスを図ることが可能となる。
尚、上述した本実施の形態における制御方法は、装置本体が可搬性を有するコンピュータに実行されるプログラムとして展開することができる。これらのプログラムをコンピュータに対して提供する際に、例えばノートPCなどの電子機器にインストールされた状態にて提供される場合の他、ノートPCなどの電子機器(コンピュータ)に実行させるプログラムを電子機器(コンピュータ)が読取可能に記憶した記憶媒体にて提供する形態が考えられる。この記憶媒体としては、例えばDVD媒体やCD−ROM媒体などが該当し、DVD装置やCD−ROM読取装置などによってプログラムが読み取られ、フラッシュROM等にこのプログラムが格納されて実行される。また、これらのプログラムは、例えば、プログラム伝送装置によってネットワークを介して提供される形態がある。
ここで、本件を記憶媒体の発明として捉えると、以下のようになる。即ち、「持ち運び可能なコンピュータを、通常使用の状態である通常動作モードにて前記コンピュータが有する蓋体が閉じられたことを認識し、CPUは動作状態のまま当該コンピュータの移動時に障害が生じる恐れがある機能を停止させて一時的にシステムを利用不可とする移動モードに当該コンピュータを移行させる第1の手段と、前記移動モードにて前記蓋体が開かれたことを認識し、前記通常動作モードに前記コンピュータを移行させる第2の手段として機能させるプログラムを格納した記憶媒体。」
また、「コンピュータを、前記移動モードにおいて所定の時間が経過した後、前記通常動作モードにおいて実施されていた作業を所定のメモリに退避させ、データ保持に必要な最低限の電力だけを使用して電力の消費を抑える省電力モードに前記コンピュータを移行させる第3の手段として更に機能させるプログラムを格納した記憶媒体。」
更に、「コンピュータを、前記省電力モードから前記通常動作モードへ前記コンピュータを移行させる第4の手段として更に機能させ、前記第2の手段においてはユーザに対してパスワードを要求せずに前記通常動作モードへ移行させ、前記第4の手段においてはユーザに対してパスワードを要求して当該通常動作モードへ移行させることを特徴とするプログラムを格納した記憶媒体。」である。
本発明は、ノートPCのように持ち運び可能なコンピュータの他、持ち運び可能な各種電子機器に対して適用することができる。
ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)の外観を示した図である。 コンピュータ装置のハードウェアからみたシステム構成を示した図である。 移動モード状態を含むコンピュータ装置の状態遷移を説明するための図である。 本実施の形態のソフトウェアによる実現例を示した図である。 本実施の形態における基本的な処理の流れを示した図である。 蓋体が閉じられた際(Lid Close)の処理を示したフローチャートである。 蓋体が開けられた際(Lid Open)の処理を示したフローチャートである。 蓋体が閉じられて移動モードにある際に、一定時間が経過したときのタイムアウト(Carrying Timeout)処理を示したフローチャートである。
符号の説明
1…コンピュータ装置、2…本体、3…蓋体、4…LCD(液晶表示装置)、5…開閉検知構造、11…CPU、31…ハードディスクドライブ(HDD)、32…CD−ROMドライブ、41…エンベデッドコントローラ、101…ACPIオペレーティングシステム(OS)、102…ACPI BIOS、103…OS ACPIドライバ、104…パワーマネージメントドライバ、105…HDDヘッドアンロードドライバ、106…IDEドライバ、110…移動モード処理アプリケーション、120…PMサービスマネージャ

Claims (17)

  1. 通常使用の状態である通常動作モードと、前記通常動作モードにおいて実施されていた作業を所定のメモリに退避させデータ保持に必要な最低限の電力だけを使用して電力の消費を抑える省電力モードで動作が可能で、蓋体を開いて使用される持ち運び可能な電子機器であって、
    前記蓋体の開閉を検知する検知機構と、
    前記通常動作モードにて前記検知機構により前記蓋体が閉じられたことを検知した際には、CPUの動作状態を維持し前記電子機器が移動されることにより障害が生じるおそれのある機能を停止させて、前記省電力モードよりも短時間で前記通常動作モードに復帰することが可能な移動モードに移行させる第1の手段と、
    前記第1の手段により前記移動モードに移行された後、前記検知機構により前記蓋体が開かれたことを検知した際には、当該機能の停止を解除させて前記通常動作モードに移行させる第2の手段と
    を備えた電子機器。
  2. 前記第1の手段により停止される前記機能は、ハードディスクドライブの機能であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記第1の手段は、更に表示装置をオフにすることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  4. 前記第1の手段により前記機能が停止されてから所定の時間が経過した後、前記CPUを停止させて前記省電力モードに移行させる第3の手段を更に含む請求項1記載の電子機器。
  5. 前記第2の手段は、ユーザに対してパスワードの入力を要求せずに前記通常動作モードに移行させ、
    前記第3の手段は、前記省電力モードから前記通常動作モードに移行させる際には、ユーザに対してパスワードの入力を要求することを特徴とする請求項4記載の電子機器。
  6. 前記第1の手段は、前記移動モードにおいて前記CPUに加えて無線LANモジュールの動作を維持する請求項1記載の電子機器。
  7. 蓋体を備え持ち運び可能な電子機器であって、
    ユーザによる前記電子機器の利用を可能とする通常動作モードと、
    前記通常動作モードにおいて実施されていた作業を所定のメモリに退避させ、データ保持に必要な最低限の電力だけを使用して電力の消費を抑える省電力モードと、
    CPUの動作状態を維持し前記電子機器の移動時に障害が生じる恐れがある機能を停止させて一時的に前記電子機器を利用不可とし、前記省電力モードより短時間で前記通常動作モードに復帰することが可能な移動モードとを有し、
    前記電子機器は、前記通常動作モードにて当該蓋体が閉じられた場合に前記移動モードへ移行し、当該移動モードへ移行した後、当該蓋体が開けられた場合に当該通常動作モードへ移行する電子機器。
  8. 前記省電力モードから前記通常動作モードに移行する際にはユーザにパスワードの入力を要求し、
    前記移動モードから当該通常動作モードに移行する際にはユーザに対してパスワードの入力を要求しないことを特徴とする請求項記載の電子機器。
  9. 前記電子機器は、当該移動モードへ移行した後、所定時間が経過した場合に前記省電力モードへ移行することを特徴とする請求項記載の電子機器。
  10. 前記移動モードは、前記電子機器が有するハードディスクドライブのヘッドをアンロードさせ、かつ当該電子機器が有する表示装置をオフさせることを特徴とする請求項記載の電子機器。
  11. 前記移動モードにおいて、前記CPUに加えて無線LANモジュールの動作を維持する請求項7記載の電子機器。
  12. 通常使用の状態である通常動作モードと、前記通常動作モードにおいて実施されていた作業を所定のメモリに退避させデータ保持に必要な最低限の電力だけを使用して電力の消費を抑える省電力モードで動作が可能で、蓋体を開いて使用される持ち運び可能な電子機器の制御方法であって、
    前記通常動作モードで前記電子機器が動作する第1のステップと、
    前記通常動作モードにて前記電子機器が有する蓋体が閉じられたことを検知した際、CPUの動作状態を維持し当該電子機器の移動時に障害が生じる恐れがある機能を停止させて一時的に前記電子機器を利用不可とし、前記省電力モードより短時間で前記通常動作モードに復帰することが可能な移動モードに当該電子機器を移行させる第2のステップと、
    前記移動モードにて前記蓋体が開けられたことを検知した際、前記電子機器を前記通常動作モードに移行させる第3のステップと
    を含む電子機器の制御方法。
  13. 前記第3のステップは、ユーザに対してパスワードの入力を要求せずに前記移動モードから前記通常動作モードに移行させることを特徴とする請求項12記載の電子機器の制御方法。
  14. 前記移動モードにおいて所定の時間が経過した後、前記省電力モードに前記電子機器を移行させる第4のステップを更に含む請求項12記載の電子機器の制御方法。
  15. 前記第2のステップにおいて前記CPUに加えて無線LANモジュールの動作状態を維持する請求項12記載の電子機器の制御方法。
  16. 通常使用の状態である通常動作モードと、前記通常動作モードにおいて実施されていた作業を所定のメモリに退避させデータ保持に必要な最低限の電力だけを使用して電力の消費を抑える省電力モードで動作が可能で、蓋体を開いて使用される持ち運び可能なコンピュータに、
    前記通常動作モードにて前記コンピュータが有する蓋体が閉じられたことに応答して、CPUの動作状態を維持し当該コンピュータの移動時に障害が生じる恐れがある機能を停止させて一時的に当該コンピュータを利用不可とし、前記省電力モードより短時間で前記通常動作モードに復帰することが可能な移動モードに当該コンピュータを移行させる第1の機能と、
    前記移動モードにて前記蓋体が開かれたことに応答して、前記通常動作モードに前記コンピュータを移行させる第2の機能と
    を実現させるプログラム。
  17. 前記コンピュータに、
    前記移動モードにおいて所定の時間が経過した後、前記省電力モードに前記コンピュータを移行させる第3の機能と、
    前記省電力モードから前記通常動作モードへ前記コンピュータを移行させる第4の機能とを更に実現させ、
    前記第2の機能においてはユーザに対してパスワードを要求せずに前記通常動作モードへ移行させ、前記第4の機能においてはユーザに対してパスワードを要求して当該通常動作モードへ移行させることを特徴とする請求項16記載のプログラム。
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