JP4262524B2 - クローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法 - Google Patents

クローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロック本体のシリンダボアに挿入されるクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の内燃機関を構成するシリンダブロックの1種として、図17に示すように、ウォータジャケット部1のガスケット面2側が閉塞されているクローズドデッキ型シリンダブロック3が挙げられる。クローズドデッキ型シリンダブロック3には、ブロック本体4の肉厚が同一であれば、ウォータジャケット部のガスケット面側が開放されているオープンデッキ型シリンダブロックに比して剛性が高いという利点がある。
【0003】
クローズドデッキ型シリンダブロック3の場合、ウォータジャケット部1は、容易に崩壊させることが可能な中子、いわゆる崩壊性中子を用いて、重力鋳造(GDC)や低圧鋳造(LPDC)にて形成される。
【0004】
その一方で、内燃機関においては、ボア穴5の内部でピストン(図示せず)が往復動作する。このため、ボア穴5には、耐摩耗性に優れる素材からなるシリンダスリーブ6、例えば、いわゆるFCスリーブやMMCスリーブ等を挿入し、該シリンダスリーブ6の側周壁部にピストンの側周壁部を摺接させるようにしている。耐摩耗性に優れる他の素材としては、いわゆるハイシリコン系アルミニウムが例示される。
【0005】
このようなクローズドデッキ型シリンダブロック3を製造する場合、まず、鋳造用金型によって形成されるキャビティに崩壊性中子やシリンダスリーブ6等を配置しておき、この状態で溶湯をキャビティに注湯して、該溶湯で崩壊性中子やシリンダスリーブ6等を囲繞する。
【0006】
次に、溶湯を冷却固化することによってブロック本体4を設ける。この冷却固化に伴って、シリンダスリーブ6が鋳込まれる。
【0007】
その後、前記崩壊性中子を崩壊させる。この崩壊によって得られた中空部が、ウォータジャケット部1となる。すなわち、この場合、ウォータジャケット部1は、ブロック本体4に設けられる。
【0008】
ところで、近年では、地球温暖化を防止するために、省エネルギの観点から自動車等の燃費を向上させることが希求されている。その方策として、内燃機関等を軽量化することにより、最終製品である自動車を軽量化することが提案されている。
【0009】
このような観点から、摩擦撹拌接合(例えば、特許文献1および2参照)が着目されている。摩擦撹拌接合によれば、例えば、アルミニウムからなるブロック本体4と、ハイシリコン系アルミニウムからなるシリンダスリーブ6とを接合する場合等、接合対象が異種金属同士であっても容易に接合させることができるからである。
【0010】
すなわち、例えば、高圧鋳造(HPDC)によって肉厚の小さいブロック本体4を作製し、該ブロック本体4にシリンダスリーブ6を接合することによって、小型かつ軽量なクローズドデッキ型シリンダブロック3を得ることができると考えられる。しかも、HPDCでは崩壊性中子を使用する必要がないので、コストを低減することができるという利点もある。
【0011】
摩擦撹拌接合は、一般的には以下のようにして遂行される。まず、回転動作する摩擦撹拌接合用工具を、ワークに埋没させた後に接合対象である突き合わせ部に移動させ、さらに、該突き合わせ部に沿って変位させる。この変位に伴って、突き合わせ部の肉が摩擦熱にて軟化するとともに、摩擦撹拌接合用工具によって撹拌される。その結果、突き合わせ部が固相接合される。その後、摩擦撹拌接合用工具がワークから離脱される。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−176658号公報(図1)
【特許文献2】
特開2000−42759号公報(図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
シリンダブロックのさらなる小型化・軽量化を図るためには、例えば、ブロック本体とシリンダスリーブとの間に間隙を形成し、該間隙をウォータジャケット部とすることが想起される。この場合、上記のようにブロック本体4に中空部を設け、該中空部をウォータジャケット部1とする場合と異なり、ブロック本体にシリンダスリーブを鋳包む部位が不要となるからである。
【0014】
しかしながら、上記から諒解されるように、摩擦撹拌接合においては、突き合わせ部が接合される。このため、ブロック本体とシリンダスリーブとを接合する場合には、ブロック本体とシリンダスリーブとを密着させて突き合わせ部を設ける必要がある。換言すれば、ブロック本体とシリンダスリーブとを摩擦撹拌接合にて接合しようとする場合、ブロック本体とシリンダスリーブとを密着させる必要があるので、両者間にウォータジャケット部を設けることは困難である。
【0015】
すなわち、シリンダブロックの小型化・軽量化を図るべくブロック本体とシリンダスリーブとの間にウォータジャケット部を設けた場合、摩擦撹拌接合を遂行することが著しく困難となるという不具合を招く。
【0016】
また、摩擦撹拌接合においては、摩擦撹拌接合用工具を離脱させた箇所に離脱穴が残留する。このため、ワークの剛性が低下するという不具合が顕在化している。
【0017】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、優れた剛性を示すとともに、ウォータジャケット部が設けられたブロック本体に対して摩擦撹拌接合にて容易に接合することが可能であるためにシリンダブロックの小型化かつ軽量化を図ることが可能なクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、円筒部材と、前記円筒部材の外周壁部に接合された閉塞部材とを有し、ブロック本体に設けられたシリンダボア内に挿入された際、前記ブロック本体に設けられたウォータジャケット部におけるガスケット面側の開口を前記閉塞部材が閉塞することに伴ってクローズドデッキ型シリンダブロックを構成するクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法であって、
第1挿入部、第2挿入部および第3挿入部を有する治具を使用して、前記第1挿入部に前記円筒部材、前記第2挿入部に前記閉塞部材、前記第3挿入部に摩擦撹拌接合用工具離脱部材をそれぞれ挿入した後、前記円筒部材と前記閉塞部材とを摩擦撹拌接合によって接合する工程と、
摩擦撹拌接合を終了した摩擦撹拌接合用工具を前記摩擦撹拌接合用工具離脱部材から離脱させることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、閉塞部材と円筒部材とを摩擦撹拌接合にて接合するという簡便な作業により、クローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブを容易に作製することができる。
【0020】
また、治具に第3挿入部を設け、円筒部材と閉塞部材との摩擦撹拌接合を遂行した後、第3挿入部に挿入された摩擦撹拌接合用工具離脱部材から摩擦撹拌接合用工具を離脱させるようにすることにより、摩擦撹拌接合用工具の離脱穴が存在しないクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブを得ることができる。離脱穴が存在しないクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブは、優れた剛性を示す。
【0021】
この場合、円筒部材の外周壁部に支持用段部を設け、かつ治具の第1挿入部に円筒部材を挿入した際に前記支持用段部を露呈させ、該支持用段部に閉塞部材を載置して円筒部材と閉塞部材との摩擦撹拌接合を遂行することが好ましい。これにより、摩擦撹拌接合を遂行する際、閉塞部材が支持用段部によっても堅牢に支持される。したがって、シリンダスリーブと閉塞部材とを確実に接合することができる。
【0022】
なお、多気筒クローズドデッキ型シリンダブロックを構成するシリンダスリーブを作製する場合、複数個の前記円筒部材を予め連結させておくようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、ブロック本体10の要部概略縦断面図であり、図2は、該ブロック本体10のガスケット面12側からの平面図である。このブロック本体10には、第1環状切欠部14および第2環状切欠部16を有する挿入用孔部としての連通穴部18が設けられており、かつ該連通穴部18内には、壁部20a、20bが突出形成されている。そして、連通穴部18の内周壁部と壁部20a、20bには環状段部22a〜22cがそれぞれ設けられ、かつ連通穴部18のガスケット面12側開口部には、凹部24が設けられている。
【0025】
このブロック本体10は、例えば、アルミニウムの溶湯を使用してのHPDCによって作製することができる。したがって、この際、鋳造用金型のキャビティに崩壊性中子を配置する必要はない。
【0026】
上記ブロック本体10の連通穴部18に挿入されるシリンダスリーブ30a〜30cは、図3に示すように円筒部材であり、ハイシリコン系アルミニウムからなる。これらシリンダスリーブ30a〜30cの外周壁部における上端部には、図4に示すように、3個の環状部材が直線的に連結された形態で構成された閉塞部材36が接合される。
【0027】
本実施の形態においては、まず、図5に示す治具40を使用してシリンダスリーブ30a〜30cと閉塞部材36とが接合される。この治具40は、該治具40の肉が円柱状に切り欠かれることによって設けられた第1挿入部42a〜42cと、該第1挿入部42a〜42cの開口部同士を囲繞するように設けられた第2挿入部44と、該第2挿入部44の外周部から突出形成された第3挿入部46とを有する直方体である。そして、第3挿入部46には、後述する摩擦撹拌接合用工具を離脱させるための摩擦撹拌接合用工具離脱部材48が挿入される。
【0028】
摩擦撹拌接合を遂行するに先だって、第3挿入部46に摩擦撹拌接合用工具離脱部材48を予め挿入しておき、次に、図5および図6に示すように、第1挿入部42a〜42cにシリンダスリーブ30a〜30cをそれぞれ挿入した後、第2挿入部44に閉塞部材36を挿入する。そして、摩擦撹拌接合用工具50の作用下に、シリンダスリーブ30a〜30cと閉塞部材36とを接合する。
【0029】
具体的には、摩擦撹拌接合用工具50は、回転体52と、該回転体52に比して小径でかつ先端が円錐状のプローブ54とを備える。この摩擦撹拌接合用工具50のプローブ54を、シリンダスリーブ30a〜30cと閉塞部材36との突き合わせ部の任意の位置に当接させ、回転体52を回転付勢する。この回転付勢に伴って突き合わせ部の肉が塑性流動を起こし、その結果、プローブ54が突き合わせ部に埋没される。この状態で、突き合わせ部に沿って摩擦撹拌接合用工具50を変位させれば、閉塞部材36とブロック本体10との肉が摩擦撹拌接合されることに伴い、閉塞部材36の内周縁部とシリンダスリーブ30a〜30cの外周壁上端部とが接合される。
【0030】
閉塞部材36とシリンダスリーブ30a〜30cとの接合が終了した後、図6に破線で示すように、摩擦撹拌接合用工具50を、突き合わせ部から摩擦撹拌接合用工具離脱部材48に指向して移動させる。プローブ54を離間させた後、摩擦撹拌接合用工具離脱部材48を除去すれば、図7に示すように、クローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブとしてのスリーブ連結体60が得られる。
【0031】
このスリーブ連結体60には、プローブ54の離脱穴が存在しない。したがって、該スリーブ連結体60は、優れた剛性を示す。
【0032】
次いで、このスリーブ連結体60を、図8に示すように、ブロック本体10の連通穴部18に挿入する。挿入されたシリンダスリーブ30a〜30cの各下端部が環状段部22a〜22cに載置され、その一方で、閉塞部材36が凹部24に載置される。なお、図8においては、便宜上、シリンダスリーブ30a〜30cと閉塞部材36とを境界線にて明示しているが、実際には、各部材30a〜30c、36同士は摩擦撹拌接合によって継目なく接合されている。すなわち、各部材30a〜30c、36は一体的に接合されており、視認可能な程度に明確な境界線は存在しない。
【0033】
この挿入に伴って、第2環状切欠部16の内周壁部と各シリンダスリーブ30a〜30cとの間にクリアランスが形成される。このクリアランスは、シリンダスリーブ30a、30b同士の間、およびシリンダスリーブ30b、30c同士の間に形成されたクリアランスに連通し、これによりウォータジャケット部62が形成される。
【0034】
このように、本実施の形態においては、ブロック本体10の連通穴部18にスリーブ連結体60(シリンダスリーブ30a〜30c)を挿入することによってウォータジャケット部62が形成される。
【0035】
次いで、閉塞部材36とブロック本体10におけるガスケット面12とを接合する。この接合も、摩擦撹拌接合にて行われる。
【0036】
すなわち、摩擦撹拌接合用工具50の回転体52を回転付勢した後、回転動作するプローブ54を、ブロック本体10の任意の位置、好ましくはボルト穴を設ける部位に埋没させる。
【0037】
そして、図9に矢印Aとして示すように、プローブ54を、閉塞部材36とブロック本体10との突き合わせ部に沿って変位させる。この変位に伴い、閉塞部22の外周縁部の肉と、ブロック本体10におけるガスケット面12の肉とが摩擦熱によって軟化するとともに、プローブ54によって撹拌される。その結果、これらの肉同士が固相接合される。
【0038】
なお、この際、図10に拡大して示すように、閉塞部材36が凹部24に載置されていることによって堅牢に支持されているので、該閉塞部材36がブロック本体10から離間し難くなる。このため、ブロック本体10と閉塞部材36とが離間することを防止するためのクランプ用治具を特に使用することなく、摩擦撹拌接合を容易に遂行することができる。しかも、この場合、閉塞部材36がウォータジャケット部62を閉塞しているので、軟化した肉がウォータジャケット部62に流動することを回避することもできる。
【0039】
その後、ブロック本体10の任意の位置、好ましくはボルト穴を設ける部位からプローブ54を離脱させる。
【0040】
以上の作業によって、シリンダスリーブ30a〜30cとブロック本体10とが閉塞部材36を介して接合される。
【0041】
最後に、プローブ54の離脱に伴ってガスケット面12に形成された離脱穴を拡径した後に仕上げ加工を施して、所定の寸法精度を有するボルト穴とする。
【0042】
これにより、閉塞部材36が前記凹部24上に載置されることに伴ってウォータジャケット部62のガスケット面12側が閉塞された、いわゆるクローズドデッキ型シリンダブロックが得られるに至る。
【0043】
このように、本実施の形態においては、治具40を使用して閉塞部材36をシリンダスリーブ30a〜30cに接合した後、シリンダスリーブ30a〜30cをブロック本体10の連通穴部18に挿入し、閉塞部材36をブロック本体10に接合するようにしている。これにより、ブロック本体10とシリンダスリーブ30a〜30cとの間に設けられたウォータジャケット部62を閉塞することができる。
【0044】
すなわち、本実施の形態によれば、ブロック本体10とシリンダスリーブ30a〜30cとの間にウォータジャケット部62を設けた場合であっても、閉塞部材36を介してブロック本体10とシリンダスリーブ30a〜30cとを摩擦撹拌接合にて連結することができる。このため、肉厚が小さく軽量なクローズドデッキ型シリンダブロックを作製することができる。
【0045】
なお、図11に示すように、治具40に第3挿入部46を複数個設け、第3挿入部46のそれぞれに摩擦撹拌接合用工具離脱部材48を挿入しておくようにしてもよい。この場合、プローブ54を離脱させる箇所が増加するので、摩擦撹拌接合を行うことが容易となる。
【0046】
そして、図5および図11から諒解されるように、摩擦撹拌接合用工具離脱部材48の配設位置は特に限定されるものではない。
【0047】
いずれの場合においても、シリンダスリーブ30a、30b同士、およびシリンダスリーブ30b、30c同士の間にクリアランスを設ける必要は特にない。例えば、図12に示すように、治具40の第1挿入部42a〜42c同士を連通させ、シリンダスリーブ30a〜30cにおける外周壁部の所定部位を直線状に切り欠き、該切欠部同士を当接させて前記連通した第1挿入部42a〜42cに挿入するようにしてもよい。その後、閉塞部材36とシリンダスリーブ30a〜30cとを摩擦撹拌接合にて接合し、以降は上記に準拠して閉塞部材36の外縁周部とブロック本体10のガスケット面12とを摩擦撹拌接合にて接合すればよい。この場合、ウォータジャケット部は、スリーブ連結体60とブロック本体10との間にのみ形成される。
【0048】
また、図13に示すように、シリンダスリーブ30a〜30cの外周壁部上端に、該外周壁部を円周方向に沿って切り欠くことによって支持用段部70を設けるようにしてもよい。この場合、図14に示すように、第1挿入部42a〜42cに挿入されたシリンダスリーブ30a〜30cの支持用段部70と治具40の第2挿入部44とに閉塞部材36を載置して、シリンダスリーブ30a〜30cと閉塞部材36との摩擦撹拌接合を遂行すればよい。この場合においては、閉塞部材36が支持用段部70によっても堅牢に支持されるので、シリンダスリーブ30a〜30cと閉塞部材36とを確実に接合することができる。
【0049】
さらに、図15に示すように、3個の環状部材72a〜72cを個別に作製した後、該環状部材72a〜72cの端部の一部を切り欠いて第2挿入部44や凹部24、または支持用段部70に載置し、端部同士を摩擦撹拌接合にて接合して閉塞部材36とするようにしてもよい。勿論、切り欠かれた端部同士を予め接合して閉塞部材36とするようにしてもよい。
【0050】
そして、シリンダスリーブ30a〜30cは、ハイシリコン系アルミニウムからなるものに特に限定されるものではない。例えば、その他のアルミニウム合金からなるものであってもよいし、アルミニウムからなるものであってもよい。別の好適な例としては、急冷製造されたアルミニウム粉が焼結されてなるアルミ急冷粉スリーブや、MMCスリーブ等を挙げることができる。
【0051】
また、図16に示すように、シリンダスリーブ30a〜30cを予め直線的にしておくようにしてもよい。勿論、この場合においても、図4に示す閉塞部材36、または、図15に示す環状部材72a〜72c同士が連結されてなる閉塞部材36のいずれを使用してもよい。
【0052】
一方、ブロック本体10は、アルミニウムからなるものに限定されるものではなく、マグネシウムまたはマグネシウム合金等、他の素材からなるものであってもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、摩擦撹拌接合用工具離脱部材を介して摩擦撹拌接合用工具を離脱させるようにしている。このため、クローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブに離脱穴が残留することはない。したがって、剛性に優れるクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブを作製することができるという効果が達成される。
【0054】
しかも、この場合、治具を使用して円筒部材に閉塞部材を接合するようにしている。このため、ウォータジャケット部が設けられたブロック本体に対して摩擦撹拌接合にて容易に接合することが可能であり、結局、肉厚が小さく軽量なクローズドデッキ型シリンダブロックを容易かつ簡便に作製することが可能なクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る摩擦撹拌接合方法が遂行されるブロック本体の要部概略縦断面図である。
【図2】図1のブロック本体におけるガスケット面側からの平面図である。
【図3】本実施の形態に係る摩擦撹拌接合方法が遂行されるシリンダスリーブの概略全体斜視図である。
【図4】本実施の形態に係る摩擦撹拌接合方法が遂行される閉塞部材の概略全体斜視図である。
【図5】本実施の形態に係る摩擦撹拌接合方法を遂行するための治具の概略全体斜視図である。
【図6】図5の治具を使用してシリンダスリーブと閉塞部材とを摩擦撹拌接合にて接合している状態を示す概略縦断面説明図である。
【図7】シリンダスリーブと閉塞部材とが接合されることにより作製されたスリーブ連結体の全体概略斜視図である。
【図8】図7のスリーブ連結体が図1のブロック本体における連通穴部に挿入された状態を示す概略縦断面説明図である。
【図9】閉塞部材の外周縁部をブロック本体に接合する際の摩擦撹拌接合用工具の変位方向を説明するガスケット面側からの平面説明図である。
【図10】閉塞部材とブロック本体とを摩擦撹拌接合している状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図11】摩擦撹拌接合用工具離脱部材を複数個有する治具の概略全体斜視図である。
【図12】図5の治具を使用してシリンダスリーブと閉塞部材とを摩擦撹拌接合にて接合している状態を示す概略縦断面説明図である。
【図13】外周壁部上端に支持用段部が設けられたシリンダスリーブの概略全体斜視図である。
【図14】図5の治具を使用して図13のシリンダスリーブと閉塞部材とを摩擦撹拌接合にて接合している状態を示す概略縦断面説明図である。
【図15】3個の環状部材から構成される閉塞部材の概略全体斜視図である。
【図16】3個のシリンダスリーブが直線的に連結された状態を示す概略全体斜視図である。
【図17】一般的なクローズドデッキ型シリンダブロックの要部概略縦断面図である。
【符号の説明】
1、62…ウォータジャケット部 2、12…ガスケット面
3…クローズドデッキ型シリンダブロック
4、10…ブロック本体
6、30a〜30c…シリンダスリーブ(円筒部材)
18…連通穴部(シリンダボア) 22a〜22c…環状段部
24…凹部 36…閉塞部材
40…治具 42a〜42c…第1挿入部
44…第2挿入部 46…第3挿入部
48…摩擦撹拌接合用工具離脱部材 50…摩擦撹拌接合用工具
52…回転体 54…プローブ
60…スリーブ連結体(クローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブ)
70…支持用段部 72a〜72c…環状部材

Claims (3)

  1. 円筒部材と、前記円筒部材の外周壁部に接合された閉塞部材とを有し、ブロック本体に設けられたシリンダボア内に挿入された際、前記ブロック本体に設けられたウォータジャケット部におけるガスケット面側の開口を前記閉塞部材が閉塞することに伴ってクローズドデッキ型シリンダブロックを構成するクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法であって、
    第1挿入部、第2挿入部および第3挿入部を有する治具を使用して、前記第1挿入部に前記円筒部材、前記第2挿入部に前記閉塞部材、前記第3挿入部に摩擦撹拌接合用工具離脱部材をそれぞれ挿入した後、前記円筒部材と前記閉塞部材とを摩擦撹拌接合によって接合する工程と、
    摩擦撹拌接合を終了した摩擦撹拌接合用工具を前記摩擦撹拌接合用工具離脱部材から離脱させることを特徴とするクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記円筒部材の外周壁部に支持用段部を設け、かつ前記治具の前記第1挿入部に前記円筒部材を挿入した際に前記支持用段部を露呈させ、
    該支持用段部に前記閉塞部材を載置して前記円筒部材と前記閉塞部材との摩擦撹拌接合を遂行することを特徴とするクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法において、複数個の前記円筒部材を予め連結させておくことを特徴とするクローズドデッキ型シリンダブロック用シリンダスリーブの製造方法。
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