JP4262488B2 - 送風式イオン生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正負の空気イオンをコロナ放電により発生させて、該正負の空気イオンをファンによって発生させた気流により移送する送風式イオン生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯電体に蓄積されている静電気を中和して除電するために、正または負に荷電した空気イオンを生成して、該空気イオンを気流によって該帯電体に向けて移送する送風式イオン生成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の送風式イオン生成装置は、高圧電源に接続された放電針と、該放電針に対向して設けられた対向電極と、気流を生成するファンとを備えている。そして、イオン生成装置は、高圧電源により放電針に高電圧を印加して放電針と対向電極との間にコロナ放電を発生させて、正または負に荷電した空気イオンを生成し、該空気イオンを大気中に放出する。
【0004】
上記送風式イオン生成装置において、放電針に高電圧を印加してコロナ放電を発生させるためには、放電針の先端に電界を集中させる必要がある。しかしながら、このような電界の集中によって、空気中のダストが放電針の先端に引き寄せられることとなる。従って、送風式イオン生成装置を長時間にわたって作動させると、放電針の先端にダストが付着してコロナ放電の発生が阻害されて、コロナ放電により生成される空気イオンの個数が減ってきて、除電対象とする帯電体の除電時間が長くなる。
【0005】
上述のように除電時間が長くなったとき、即ち除電性能が低下したときに、従来の送風式イオン生成装置は、除電性能を回復するために放電針を清掃しなければならない。このため、ユーザはブラシや串棒を用いて放電針の先端に付着したダストを手動で定期的に除去する作業をしなければならないという不都合がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−133413号公報 (第4頁、第7図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる不都合を解消して、コロナ放電により生成する空気イオンを長時間にわたって安定に放出することができる送風式イオン生成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために成されたものであり、高圧電源に接続された放電針と該放電針に対向する対向電極とを有し、放電針と対向電極との間のコロナ放電で空気イオンを生成するイオン生成手段と、送風手段とを備え、前記イオン生成手段で生成された空気イオンを前記送風手段からの送風気流に乗せて移送する送風式イオン生成装置の改良に関する。
【0009】
上記目的を達成するために本願発明者らは種々検討を行った。そして、その結果、本願発明者らは、放電針に付着したダストは運転の初期段階では機械的に除去しやすいが、運転の開始から長時間経過してダストが放電針の先端を覆うようになると除去しづらいことを見出した。
【0010】
そこで、本発明は、放電針用の清掃手段を備え、該清掃手段は、前記送風手段からの送風気流が当たるフィン部を有する風力により動く可動部材と、前記放電針の先端部に触れるように前記可動部材に取り付けたブラシ部材とから構成されることを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、送風手段によって気流が発生されると、フィン部が該気流を受けて可動部材が動作する。そして、可動部材に取り付けられたブラシ部材が放電針の先端に触れ、放電針の先端に付着したダストが除去される。従って、放電針と対向電極の間にコロナ放電が長時間にわたって安定して発生し、コロナ放電により生成する空気イオンを、除電対象とする帯電体に移送することができる。また、清掃手段は、送風手段から生じる風力により作動するので、清掃手段を駆動するための装置を別に設ける必要が無く、装置全体の構成が複雑化することを防止し、製造コストを低下させることができる。
【0012】
ところで、本発明では、風力を利用しているため、このままでは送風中に清掃手段が常に作動されることになり、空気イオンの送りに悪影響が及ぶ可能性がある。この場合、前記可動部材に係合して可動部材の動作を停止させるストッパ部材を可動部材に対し係脱自在に設けておけば、常時にはストッパ部材を可動部材に係合させてその動作を停止させ、必要なときだけストッパ部材を可動部材から離脱させ、可動部材を風力で動作させて放電針の清掃を行うことができ、有利である。
【0014】
また、本発明では、ブラシ部材として金属のような比較的硬い材質のものを用いることができる。ブラシ部材を金属製とした場合には、放電針の先端にブラシ部材の先端が近づくと、コロナ放電の状態が変化し、火花放電に移行する。そして、火花放電により放電針の先端に付着したダストを飛散させることによりダストを確実に除去することが可能になる。
【0015】
ここで、前記対向電極と前記放電針の形状、レイアウトとしては、以下の2つの形態が考えられる。すなわち、第1の形態は、対向電極を環状に形成し、放電針を対向電極の周方向に間隔を空けて放射状に複数配設するものであり、第2の形態は、対向電極を直状に形成し、放電針を対向電極の長手方向に間隔を空けて複数並設するものである。
【0016】
第1の形態では、複数の放電針の先端部を連らねたときにできる円(放電針の先端部の配置円)の中心は、対向電極の環状中心に一致する。この場合、前記可動部材を、前記対向電極の環状中心と同心の軸線周りに回転自在な回転部材で構成し、回転部材に、前記対向電極の環状中心から各放電針の先端部までの距離に対応する径方向位置において、前記ブラシ部材を少なくとも1個取り付けておけば、ブラシ部材が放電針先端部の配置円に沿って回転することになる。従って、回転部材が回転すると、ブラシ部材が複数の放電針の先端部に次々に接触し、放電針の先端に付着したダストが除去される。
【0017】
上記第2の形態を採用する場合は、前記可動部材を軸部材で構成し、軸部材に複数の放電針の配置ピッチに合わせて、前記ブラシ部材を複数取り付ける。これによれば、軸部材の回転で、各ブラシ部材が対応する各放電針の先端部に接触し、放電針の先端に付着したダストが除去される。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は第1の実施形態の送風式イオン生成装置の外観図であり、図2は図1の装置の内部を示す図であり、図3乃至図5は図1の装置の説明的断面図である。また、図6は図1の装置に対する試験装置の構成図であり、図7および図8は試験結果を示す図であり、図9は放電針のモデル図である。また、図10は本発明の第2の実施形態の送風式イオン生成装置の外観図であり、図11は図10の装置の内部を示す図であり、図12は図10の装置の説明的断面図である。また、図13は第3の実施形態の説明的断面図であり、図14は他の実施形態の説明的断面図である。
【0019】
図1乃至図4を参照して、第1の実施形態の送風式イオン生成装置1は、前面に空気イオン送風口2、後面に空気吸入口3を開設したケース4を備えている。ケース4の前面には、送風口2を覆うルーバ5と電源スイッチ6とが設けられ、ケース4の後面には、空気吸入口3を覆うフィルタセット7が設けられている。
【0020】
ケース4内には、後方から順に送風手段8と、イオン生成手段9と、清掃手段10とが配置されている。送風手段8は、空気吸入口3に連なる筒状のシュラウド11と、シュラウド11に収納した、不図示のモータで駆動されるファン12とで構成され、空気吸入口3から空気イオン送風口2に向けて空気を送風する。
【0021】
イオン生成手段9は、シュラウド11の前方に連設した絶縁体から成る空気イオン案内筒13の外周に装着した環状の対向電極14と、空気イオン案内筒13内に対向電極14の周方向に間隔を空けて放射状に配置した8本の放電針15とを備えている。これら放電針15は、空気イオン案内筒13内の中心部に配置した絶縁体から成る棒状の電極ホルダ16に植設されている。そして、ケース4の内底部に配置した交流の高圧電源17の出力ケーブル17aを電極ホルダ16に埋設した導体18を介して放電針15に接続すると共に、高圧電源17の戻りケーブル17bを対向電極14に接続し、放電針15と対向電極14との間にコロナ放電を発生させて、正負の空気イオンを生成させるようにしている。
【0022】
清掃手段10は、送風手段8からの送風気流が当たるフィン部19を有して風力により回転する棒状の回転部材20と、フィン部19を介して回転部材20に取り付けられたブラシ部材21とを備えている。
【0023】
回転部材20は、長手方向の中心を電極ホルダ16の前方に配設された支持部22にて支持され、対向電極14の環状中心と同心の軸線周りに回転自在に構成されている。
【0024】
ブラシ部材21は、例えばナイロン樹脂やアクリル樹脂等のプラスチックから構成され、回転部材20上で、対向電極14の環状中心から各放電針15の先端部までの距離に対応する径方向位置にブラシ取付部材23を介して取り付けられ、回転部材20の回転により放電針15の先端部に触れる。
【0025】
回転部材20の両端に設けられた2つのフィン部19は、例えば方形の板状に形成されており、それぞれの板面が図5に示すように、送風手段8からの気流の進行方向(図5中の矢印Aの方向に進む)に対して例えば±45度の傾斜を有している。従って、フィン部19が気流を受けたときに、清掃手段10は該気流に対して垂直な面内で回転する(図5中の矢印Bの方向に移動する)。
【0026】
再び図4を参照して、送風式イオン生成装置1には、清掃手段10を必要なときにだけ動作させるために、ピン形状のストッパ部材24と、ストッパ部材24を進退する駆動源である電磁プランジャ25と、タイマを有してストッパ部材24を進退させる指令信号を電磁プランジャ25に供給する不図示の制御装置とが備えられている。
【0027】
電磁プランジャ25内の電磁コイルへの通電が遮断されているときに、電磁プランジャ25内のばねの付勢力によりストッパ部材24が、電磁プランジャ25が突出する側(図4中左側)に前進する。このときには、ストッパ部材24が清掃手段10の回転部材20に係合して清掃手段10の回転を阻止する。
【0028】
一方、電磁コイルに通電されているときには、ばねの付勢力に抗してストッパ部材24が電磁プランジャ25側(図4中右側)に後退する。このときには、ストッパ部材24が清掃手段10から脱離するので、送風手段8からの気流により清掃手段10は自由に回転することが可能である。
【0029】
次に、送風式イオン生成装置1の作動について説明する。運転の初期状態では、図4に示すストッパ部材24が前進(図4中左に移動)して、ストッパ部材24が回転部材20に係合して清掃手段10の回転を阻止している。そして、高圧電源17から出力ケーブル17aを介して各放電針15に高電圧が印加されると、高圧電源17の戻りケーブル17bに接続されている対向電極14と放電針15との間に高圧電界が形成される。そして、放電針15の先端に電界が集中してコロナ放電が発生し、正または負の空気イオンが生成される。
【0030】
送風手段8は気流を生成し、生成された気流が、コロナ放電により発生した空気イオンを送風式イオン生成装置1から所定距離離れた場所に位置する帯電体に移送する。従って、送風式イオン生成装置1は、正負の空気イオンを供給して、帯電体の静電気を中和、除去することができる。
【0031】
タイマが所定時間(例えば24時間)を計時すると、電磁プランジャ25は、不図示の制御装置からの指令を受けて、ストッパ部材24を後退(図4中右に移動)させる。このとき、ストッパ部材24は回転部材20から脱離し、清掃手段10は回転自在となる。そして、回転部材20のフィン部19が送風手段8からの気流を受けて回転部材20が回転し、回転部材20に取り付けられたブラシ部材21の先端が放電針15の先端に接触し、放電針15の先端に付着したダストを除去する。
【0032】
タイマの計時する一定時間(例えば10秒間)後に、電磁プランジャ25は、不図示の制御装置からの指令を受けて、ストッパ部材24を前進させて、回転部材20に係合させる。このとき、回転部材20の回転が阻止されて清掃手段10の動作は停止する。以下、所定時間ごとに電磁プランジャ25はストッパ部材24を進退させることを繰り返す。従って、放電針15を所定時間ごとに清掃することができる。
【0033】
次に、本実施形態の送風式イオン生成装置1の清掃手段10の効果について説明する。図6示の帯電プレートモニタ26は、送風式イオン生成装置1の性能を測定する試験装置である。帯電プレートモニタ26は、絶縁部材27を介して本体28に取り付けられた150mm角の金属製プレート29(帯電体)を備える。そして、帯電プレートモニタ26は、本体28内部に、金属製プレート29の電位を測定する表面電位測定装置30と、金属製プレート29に電荷を付与する高電圧電源31と、金属製プレート29の電位の減衰時間を測定するタイマ32とを備えている。
【0034】
本発明者らは、前記帯電プレートモニタ26を用いて、清掃手段10を1日1回10秒間作動させた場合(実施例1)と、清掃手段10を全く作動させない場合(比較例1)とについて、以下の第1の試験を行った。すなわち、上記実施例1と比較例1とについて、それぞれ金属製プレート29を、送風式イオン生成装置1の放電針15から300mmの距離を隔てた位置に配置し、高圧電源17により所定の交流電圧を放電針15に印加して、コロナ放電により正負の空気イオンを生成させたときのオフセット電圧を測定した。前記オフセット電圧とは、金属製プレート29の電圧の絶対値である。金属製プレート29の電圧は、送風式イオン生成装置1から放出される正負の空気イオンの量に偏りがある場合に、その絶対値が大きくなるので、電圧の絶対値が小さいほどイオンバランスが良好であると言える。従って、オフセット電圧はイオンバランスの指標となる。なお、金属製プレート29は除電すべき帯電体を模擬するものである。
【0035】
上記オフセット電圧を測定する第1の試験において、清掃手段10を作動させない場合(比較例1)の結果を図7(a)、清掃手段10を作動させた場合(実施例1)の結果を図7(b)に示す。図7(a)、図7(b)において、横軸は送風式イオン生成装置1の運転時間[h]、縦軸はオフセット電圧[V]を表している。イオンバランスを示すオフセット電圧は、図7(a)および図7(b)に示すように、運転時間が長期間にわたってもそれほど大きな変動はなく、終始、−5V〜+5Vの範囲に収まっており、清掃手段10を駆動してもほとんど影響が無いことが分かる。
【0036】
次に、再び図6を参照して、本発明者らは、送風式イオン生成装置1の清掃手段10を1日1回10秒間作動させた場合(実施例2)と、清掃手段10を作動させない場合(比較例2)とについて、以下の第2の試験を行った。すなわち、上記実施例2と比較例2とについて、まず、それぞれ高電圧電源31により金属製プレート29を1000V(または−1000V)に帯電させた。そして、高圧電源17により所定の交流電圧を放電針15に印加して、コロナ放電により正負の空気イオンを生成させ、金属製プレート29に送風式イオン生成装置1から空気イオンを供給して中和した。このとき、帯電プレートモニタ26の表面電位測定装置30により測定される金属製プレート29の電圧が、1000V(または−1000V)から100V(または−100V)に低下するまでに要する時間(以下、減衰時間と呼ぶ)をタイマ32により測定した。
【0037】
上記減衰時間を測定する第2の試験において、清掃手段10を作動させない場合(比較例2)の結果を図8(a)、清掃手段10を作動させた場合(実施例2)の結果を図8(b)に示す。図8(a)、図8(b)において、横軸は送風式イオン生成装置1の運転時間[h]、縦軸は前記減衰時間[sec]を表している。また、実線は、金属製プレート29を+1000Vに帯電させたとき、破線は−1000Vに帯電させたときを示している。
【0038】
図8(a)に示すように、清掃手段10を作動させない場合には、減衰時間の経時変化を見ると、運転開始から600時間を経過すると減衰時間が増大している。この状態で放電針15の先端を観察した結果を図9に示す。図9示のように放電針15の先端には、結晶状のダスト(汚れ)33が付着していた。このダスト33は、既製のブラシを使って手動で清掃すると、容易に除去でき、その後運転を続行すると、図8(a)に示すように、減衰時間は略初期の状態に戻る。さらに運転を続けると、運転時間が1100時間のあたりで再び減衰時間が増大し、ここでもブラシを使って放電針15の先端を清掃すると、減衰時間は元に戻った。
【0039】
一方、図8(b)に示すように、清掃手段10を1日1回10秒間作動させた場合(実施例2)には、運転時間の経過に伴う減衰時間の増加はほとんど見られない。つまり、清掃手段10を作動させた場合には、放電針15先端のダストが効果的に除去され、運転時間が1000時間を超える長期間にわたっても送風式イオン生成装置1の除電能力は減退しない。従って、本実施形態によれば、コロナ放電により生成する空気イオンを長時間にわたって安定に放出することができる。
【0040】
なお、第1の実施形態では、清掃手段10を構成する回転部材20は棒状としたが、例えば板状、十字状、放射状、円盤状等に構成されていてもよく、また、ブラシ部材21はフィン部19を介することなく回転部材20に配設するようにしてもよい。また、フィン部19およびブラシ部材21は少なくとも1個あればよい。また、清掃手段10の配設位置を送風手段8とイオン生成手段9との間としてもよい。
【0041】
次に、第2の実施形態を説明する。図10乃至図12を参照して、第2の実施形態の送風式イオン生成装置1aは、前面に、横長の空気イオン送風口42、後面に空気吸入口43を開設したケース44を備えている。ケース44内には、送風手段48と、その前方のイオン生成手段49および清掃手段50とが配置されている。送風手段48は、空気吸入口43に連なる筒状のシュラウド51と、シュラウド51に収納した、不図示のモータで駆動されるファン52と、シュラウド51の下方から清掃手段50に向けて延設された気流ガイド53とで構成され、空気吸入口43から空気イオン送風口42に向けて空気を送風する。
【0042】
イオン生成手段49は、空気イオン送風口42に平行な直状の対向電極54と、対向電極54の長手方向に間隔を空けて並設された6本の放電針55とを備えている。対向電極54は、空気イオン送風口42から若干内部に、空気イオン送風口42に平行に上下に2本配置されている。また、放電針55は、空気イオン送風口42に平行に配置した絶縁体から成る棒状の電極ホルダ56に、その先端がイオン送風口42に対向するように植設されている。そして、放電針55と対向電極54との間には不図示の高圧電源が接続され、放電針55と対向電極54との間にコロナ放電を発生させて、正負の空気イオンを生成させるようにしている。
【0043】
清掃手段50は、図12に断面で示すように、放電針55の前方(図中左)且つ対向電極54の後方(図中右)に配設され、送風手段48からの送風気流が当たるフィン部57を有して風力により回転する棒状の軸部材58と、軸部材58に取り付けられたブラシ部材59とを備えている。
【0044】
軸部材58は、空気イオン送風口42に平行に配設され、対向電極54の長手方向に長手で、対向電極54に平行な軸線周りに回転自在に構成されている。
【0045】
ブラシ部材59は、例えばナイロン樹脂やアクリル樹脂等のプラスチックから構成されて6個備えられ、放電針55の配置ピッチに合わせて、ブラシ取付部材60を介して軸部材58に取り付けられ、軸部材58の回転により対応する放電針55の先端部に触れる。
【0046】
前記フィン部57は、軸部材58の一端に設けられ、送風手段48から気流ガイド53を介して導かれる気流を受けるように、軸部材58に放射状に取り付けた4枚の板により構成されている。
【0047】
本実施形態の送風式イオン生成装置1aでは、清掃手段50のフィン部57が送風手段48により生成される気流を受けて、軸部材58が回転する。そして、軸部材58に設けられた各ブラシ部材59の先端が対応する放電針55の先端に接触し、各放電針55の先端に付着したダストを除去する。従って、送風式イオン生成装置1aは、コロナ放電により生成する空気イオンを長時間にわたって安定に放出することができる。
【0048】
なお、第2の実施形態の送風式イオン生成装置1aにおいても、清掃手段10を必要なときにだけ動作させるために、フィン部57の板等に係合して軸部材58の回転を阻止するストッパ部材を設けることが望ましい。
【0049】
また、本発明の送風式イオン生成装置では、清掃手段をモータ(電動機)により作動させるように構成してもよい。この場合の送風式イオン生成装置を第3の実施形態として説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態の送風式イオン生成装置1の清掃手段をモータで駆動するものであり、第1の実施形態と同一の構成には同一の参照番号を付与して説明を省略する。
【0050】
第3の実施形態の送風式イオン生成装置1bの清掃手段61は、図13に示すように、第1の実施形態と同様の棒状の回転部材20を備えている。但し、回転部材20はモータ62により回転するため、フィン部19は不要であり備えられていない。一方、前記モータ62は、その回転中心を図3示の支持部22の位置に合わせて電極ホルダ16の前方に配設され、回転部材20は、長手方向の中心をモータ62の回転軸に接続されている。前記回転部材20にブラシ取付部材63を介して接続されたブラシ部材21は、第1の実施形態と同様に、回転部材20が回転したときに放電針15に接触する位置に配設されている。なお、回転部材20がモータ62により回転するため、清掃手段61にはストッパ部材24等は不要であり備えられていない。
【0051】
本実施形態によれば、清掃手段61は、モータ62により駆動され、放電針15に付着したダスト(汚れ)が強力に固まっている場合にも、ブラシ部材21がダストを強力に掻き取ることができるのでダストを除去し易くなる。なお、第2の実施形態の清掃手段50をモータ駆動するように構成してもよい。
【0052】
上記第1乃至第3の実施形態では、清掃手段のブラシ部材は、ナイロン樹脂やアクリル樹脂等のプラスチックから構成されるものとして説明したが、例えば金属製のワイヤから構成するようにしてもよい。これは第3の実施形態のモータ駆動による清掃手段の場合には特に有効である。このようにブラシ部材が導電性材料から構成されている場合には、コロナ放電を生じている放電針の先端にブラシ部材の先端が近づくと、コロナ放電の状態が変化し、火花放電に移行する。そして、火花放電により放電針の先端のダストを飛散させることによりダストを確実に除去することができる。なお、さらに強い火花放電を発生させるために、例えば第3の実施形態の図13に示す構成を図14に示すように改良し、清掃手段61の回転部材20の回転軸に接続された接続部64を介して接地してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の送風式イオン生成装置の外観図。
【図2】第1の実施形態の送風式イオン生成装置の内部の構成図。
【図3】図2のIII−III線断面図。
【図4】図3の一部の詳細図。
【図5】図4の一部のV−V矢視図。
【図6】第1の実施形態の送風式イオン生成装置に対する試験装置の構成図。
【図7】イオンバランス特性の経時変化を示す図。
【図8】除電特性の経時変化を示す図。
【図9】放電針の汚れを示すモデル図。
【図10】第2の実施形態の送風式イオン生成装置の外観図。
【図11】図10の装置の内部を示す図。
【図12】図11のXII−XII矢視図。
【図13】第3の実施形態の送風式イオン生成装置の説明的断面図。
【図14】他の実施形態の送風式イオン生成装置の説明的断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b・・・送風式イオン生成装置、8,48・・・送風手段、9,49・・・イオン生成手段、10,50,61・・・清掃手段、14,54・・・対向電極、15,55・・・放電針、19,57・・・フィン部、20・・・回転部材、21,59・・・ブラシ部材、24・・・ストッパ部材、25・・・電磁プランジャ、58・・・軸部材、62・・・モータ。
Claims (5)
- 高圧電源に接続された放電針と該放電針に対向する対向電極とを有し、放電針と対向電極との間のコロナ放電で空気イオンを生成するイオン生成手段と、送風手段とを備え、前記イオン生成手段で生成された空気イオンを前記送風手段からの送風気流に乗せて移送する送風式イオン生成装置において、
放電針用の清掃手段を備え、該清掃手段は、前記送風手段からの送風気流が当たるフィン部を有する風力により動く可動部材と、前記放電針の先端部に触れるように前記可動部材に取り付けたブラシ部材とから構成されることを特徴とする送風式イオン生成装置。 - 前記可動部材に係合して可動部材の動作を停止させるストッパ部材を可動部材に対し係脱自在に設けることを特徴とする請求項1に記載の送風式イオン生成装置。
- 前記ブラシ部材を金属製とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送風式イオン生成装置。
- 前記対向電極は環状に形成され、前記放電針は前記対向電極の周方向に間隔を空けて放射状に複数配設され、
前記可動部材は、前記対向電極の環状中心と同心の軸線周りに回転自在な回転部材で構成され、
該回転部材には、前記対向電極の環状中心から各放電針の先端部までの距離に対応する径方向位置に前記ブラシ部材が少なくとも1個取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の送風式イオン生成装置。 - 前記対向電極は直状に形成され、前記放電針は前記対向電極の長手方向に間隔を空けて複数並設され、
前記可動部材は、前記対向電極の長手方向に長手で、前記対向電極に平行な軸線周りに回転自在な軸部材で構成され、
該軸部材には、複数の放電針の配置ピッチに合わせて、前記ブラシ部材が複数取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の送風式イオン生成装置。
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